説明

遠心分離機、遠心分離機に用いられる軸受寿命判断装置及び軸受寿命判断プログラム

【課題】減速機内の軸受の寿命を精度よく予測できる遠心分離機を提供する。
【解決手段】遠心分離機内の減速機は、入力軸と、回転ボウルと同軸に連結される筒状の枠体と、枠体内に収容され入力軸の回転を減速する減速機構と、スクリューコンベアと連結され、減速機構により減速された回転を取り出す出力軸と、複数の軸受とを含む。遠心分離機内の軸受寿命判断装置53は、回転ボウルを回転する主モータの回転数に基づいて、減速機内の軸受に掛かる遠心力を求める。さらに、求められた遠心力と、入力軸を回転する差速モータの出力とに基づいて、軸受に掛かる荷重を求める。軸受寿命判断装置53は、求められた荷重に基づいて軸受の寿命時間を求め、求められた寿命時間に基づいて、軸受の交換時期を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機及びそれに用いられる軸受寿命判断装置に関し、さらに詳しくは、原液スラリーを固形分と液体とに分離する遠心分離機及びそれに用いられる軸受寿命判断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
採石処理や下水処理、土木作業等により発生する排水(原液スラリー)は、遠心分離機により固形分と液体とに分離され、処理される。
【0003】
遠心分離機は、たとえば、特開2003−326195号公報に開示されているように、上下方向に軸を有する筒状の回転ボウルと、回転ボウル内に同軸に配設され、回転ボウルの回転速度と異なる回転速度で回転するスクリューコンベアとを備える。そして、回転ボウルの高速回転により生じる遠心力により、回転ボウル内で原液スラリーを固形分と液体とに分離する。分離された液体は、回転ボウルの内面を伝って回転ボウルの上方に移動し、回転ボウルの上端に形成された排出口から外部に排出される。また、分離された固形分は、スクリューコンベアにより回転ボウルの下方に搬送され、回転ボウルの下端に形成された排出口から排出される。排出口を含む回転ボウルの下端部は、筒状の排出ジャケットに囲繞されている。排出ジャケットの下端は開口しており、排出口から排出された固形分は、排出ジャケットの開口部から外部に排出される。
【0004】
遠心分離機では、上述のとおり回転ボウルの回転数とスクリューコンベアの回転数とに差を設けるために、減速機が用いられる。減速機は、回転ボウルの端部に配設され、回転ボウルと所定の回転数差(以下、差速という)を与えながらスクリューコンベアを回転する。減速機により差速が調整されることで、分離された固形分の下方への搬送速度が変更される。
【0005】
減速機には複数の軸受が利用されていが、これらの軸受は消耗品である。材料疲労等により軸受に寿命が来れば、減速機の稼働が不安定となり、遠心分離機の故障原因となる。したがって、寿命が来る前に、減速機内の軸受を交換できるようにするのが好ましい。
【特許文献1】特開2003−326195号公報
【特許文献2】特開平11−237314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、減速機内の軸受の寿命を精度よく予測できる遠心分離機を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明による遠心分離機は、筒状の回転ボウルと、減速機と、スクリューコンベアと、主モータと、差速モータと、軸受寿命判断装置とを備える。減速機は、入力軸と、回転ボウルと同軸に連結される筒状の枠体と、減速機構と、出力部材とを備える。減速機構は、枠体内に収容され、入力軸の回転を減速する。出力部材は、減速機構により減速された回転を取り出す。減速機はさらに、複数の軸受を備える。スクリューコンベアは、減速機の出力部材と連結され、回転ボウル内に配設される。主モータは、回転ボウルを回転させる。差速モータは、減速機の入力軸を回転させる。軸受寿命判断装置は、遠心力決定手段と、荷重決定手段と、寿命決定手段と、判断手段とを備える。遠心力決定手段は、少なくとも主モータの回転数に基づいて軸受に掛かる遠心力を求める。荷重決定手段は、求められた遠心力と差速モータの出力とに基づいて、軸受に掛かる荷重を求める。寿命決定手段は、求められた荷重に基づいて軸受の寿命を求める。判断手段は、求められた寿命に基づいて、軸受の交換時期を判断する。
【0008】
一般的に、減速機はその枠体が固定されて使用される。しかしながら、遠心分離機に用いられる減速機は、その枠体が回転ボウルと連結されるため、減速機自体が回転ボウルとともに回転するという通常とは異なる使用のされ方をする。そのため、遠心分離機に用いられる減速機内の軸受には遠心力が掛かる。そこで、本発明による遠心分離機では、主モータの回転数に基づいて軸受に掛かる遠心力を求め、遠心力も考慮して軸受に掛かる荷重を求める。そして、求められた荷重に基づいて軸受の寿命を決定する。そのため、遠心分離機に用いられる減速機内の軸受の寿命を精度よく予測でき、決定された寿命に基づいて軸受の交換時期を精度よく判断できる。
【0009】
好ましくは、荷重決定手段は、所定期間ごとに差速モータの出力を取得して前記荷重を求める。寿命決定手段は、荷重が求められるごとに軸受の寿命を求める。判断手段は、求められた寿命に基づいて、所定期間ごとの軸受の疲労進行度を求め、求められた疲労進行度の累積値が基準値を超えるか否かを判断する。
【0010】
遠心分離機は、廃液スラリーから分離された固形分の密度等により、スクリューコンベアの回転数を調整する。そのため、差速モータの出力は一定ではなく、変化する。本発明による遠心分離機は、所定時間ごとの差速モータの出力を取得して荷重を求め、それにより寿命を求める。そして、求められた寿命に基づいて所定期間ごとの軸受の疲労度を求め、疲労度の累積値により軸受の交換時期を判断する。そのため、軸受の寿命をより精度よく判断できる。
【0011】
好ましくは、軸受寿命判断装置はさらに、通知手段を備える。通知手段は、複数の軸受のうちのいずれかの疲労度の累積値が基準値を超えたときに通知する。
【0012】
この場合、減速機に用いられる複数の軸受のうち一番寿命が短い軸受の交換時期を知ることができる。
【0013】
本発明による軸受寿命判断装置は、上述の遠心分離機に用いられる。また、本発明による軸受寿命判断プログラムは、上述の遠心分離機に実装されるコンピュータに上述の手段を実現させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
[全体構成]
図1及び図2を参照して、本実施の形態による遠心分離機1は、ハウジング2と、ハウジング2に支持された本体3と、主モータ4と差速モータ5とを備える。
【0016】
本体3は上下方向の軸心を有し、ハウジング2の中央部に配設される。本体3は、回転ボウル6と、スクリューコンベア7と、減速機8と、フィードチューブ9と、ジャケット10とを備える。
【0017】
回転ボウル6は、上下方向に軸心を有する筒体であり、軸心を中心に周方向に回転可能に支持される。回転ボウル6は、供給された原液スラリーを液体と固形分に分離する役割を有する。回転ボウル6の中央から下方部分の内径は、下端に向かうにしたがって徐々に小さくなる。これにより、遠心分離された液体が下方に移動するのを防止する。
【0018】
回転ボウル6の上端には、プーリ61が回転ボウル6の軸心と同軸に配設される。プーリ61は、図示しないベルトを介して主モータ4のプーリ41と連結される。主モータ4は、ハウジング2の上端縁21に配設される。主モータ4の駆動軸は上方を向き、プーリ41が取り付けられている。主モータ4は、ベルトを介して回転ボウル6を周方向に回転する。
【0019】
スクリューコンベア7は、回転ボウル6の内部に回転ボウル6と同軸に配設される。スクリューコンベア7は、回転ボウル6により分離された固形分を回転ボウル6の下方に搬送する役割を有する。スクリューコンベア7は、回転ボウル6内に回転ボウル6と同軸に配設される筒状のスクリュー軸体71と、スクリュー軸体71の表面上に立設されるスクリュー羽根72と、スクリュー連結部75とを備える。スクリュー軸体71は筒状であり、上端と下端との間の中間部分に開口(以下、供給口という)73が形成されている。スクリュー羽根72は、スクリュー軸体71の軸心方向に対して螺旋状に延びている。スクリュー羽根72は、回転ボウル6内壁に付着した固形分を掻き取る。スクリュー連結部75の上端はスクリュー軸体71と連結され、下端は減速機8と連結される。
【0020】
回転ボウル6の下端には、減速機8が連結される。減速軸の出力部材(低速軸)はスクリューコンベア7と結合され、入力軸(高速軸)にはプーリ80が取り付けられる。差速モータ5は、駆動軸が下向きになるように、ハウジング2の下端縁22に配設され、その駆動軸にはプーリ42が取り付けられる。プーリ42は図示しないベルトを介してプーリ80と連結される。要するに、減速機8の入力軸は、差速モータの駆動軸と連結される。差速モータ5は、減速機8を介してスクリューコンベア7を回転させる。このとき、スクリューコンベア7は、減速機8により、回転ボウル6と所定の回転速度差を保って回転する。具体的には、スクリューコンベア7は、回転ボウル6よりも若干遅く回転する。これにより、スクリューコンベア7は、固形分を下方に搬送できる。
【0021】
回転ボウル6の下部側面60には、複数の排出口62が周方向に所定の間隔で形成されている。スクリューコンベア7により下方に搬送された固形分は、遠心力により、排出口62から排出される。
【0022】
フィードチューブ9は金属管からなり、スクリュー軸体71と同軸に配設される。フィードチューブ9は、本体3の上方からスクリュー軸体71内に挿入されており、フィードチューブ9の下端91は、スクリュー軸体71の上端及び下端の間の中央部分、つまり、供給口73が形成されている位置に配置される。縦型遠心分離機1が駆動するとき、原液スラリーは、フィードチューブ9を通って供給口73から回転ボウル6内部に供給される。
【0023】
ジャケット10は、回転ボウル6を囲繞する円筒状の筐体である。ジャケット10は、回転ボウル6のボウル下端部60以外を囲繞する上部ジャケット100と、排出口62が形成された下部側面60を囲繞する排出ジャケット101とを含む。排出ジャケット101は、排出口62から排出された固形分が縦型遠心分離機1周辺に飛散するのを防止する。
【0024】
[減速機の構成]
減速機8は、周知の減速機である。図3を参照して、減速機8は、枠体81と、複数の外ピン83と、2枚の外歯歯車82と、3つの偏心軸84と、入力軸である入力軸歯車86と、3つの偏心軸歯車87と、出力部材である出力側フランジ85と、入力側フランジ88と、4つの軸受B1〜B4を備える。複数の外ピン83、外歯歯車82、偏心軸84及び偏心軸歯車87は、減速機構を構成する。
【0025】
枠体81は円筒状である。複数の外ピン83は、枠体81の内周面の周方向に配設される。外歯歯車82は、複数のピン83と噛合する。外歯歯車82はエピトロコイド歯形の複数の外歯を有する。外歯歯車82の外径は枠体81の内径よりもわずかに小さく、外歯歯車82の歯数は外ピン83の数よりも少ない。
【0026】
3つの偏心軸84は外歯歯車82の円周方向に等間隔(120°おき)に配設される。図3中には1つの偏心軸84のみ図示されている。偏心軸84は、軸受B1及びB2を介して外歯歯車82と嵌合する。偏心軸84は、外歯歯車82が枠体81の中心軸に対して所定の偏心量で公転運動できるよう、外歯歯車82を支持する。入力側フランジ88及び出力側フランジ85は一体的に結合されてキャリアを構成し、軸受B3及びB4を介して偏心軸84の両端を回転自在に支持する。上述のとおり、軸受B1及びB2は外歯歯車82に取り付けられ、軸受B3及びB4は入力側フランジ88及び出力側フランジ85にそれぞれ取り付けられる。
【0027】
入力軸歯車86は、減速機8の中心軸に配設される入力軸(高速軸)であり、その先端に歯車が形成されている。そして、入力軸歯車86は差速モータ5と連結されており、差速モータ5を駆動することにより回転する。各偏心軸歯車87は、各偏心軸84にそれぞれ装着され、入力軸歯車86と噛合する。入力軸歯車86の歯数と偏心軸歯車87の歯数とは異なる。
【0028】
枠体81は連結部材65を介して回転ボウル6と同軸に結合される。そのため、内歯歯車81は、主モータにより回転する回転ボウル6と同期して回転する。つまり、内歯歯車81は主モータにより回転する。一方、スクリュー連結部75は出力側フランジ85と結合される。つまり、スクリューコンベア7は、出力側フランジ85と連結される。このとき、スクリューコンベア7の中心軸は減速機8の中心軸と同軸に配設される。
【0029】
減速機8は、上述の減速機構により、入力軸歯車86の回転を減速する。そして、出力側フランジ85が減速された回転を取り出し、スクリューコンベア7に伝達する。詳細は以下のとおりである。枠体81が回転せずに固定されていると仮定する。このとき、差速モータ5を回転すると、入力軸歯車86が回転する。入力軸歯車86と偏心軸歯車87の歯数の差により、入力軸歯車86の回転は所定の減速比で偏心軸歯車87に伝達する。入力軸歯車86の回転に伴い偏心軸歯車87も回転するため、偏心軸84は自転する。偏心軸84が自転すると、2枚の外歯歯車82が公転する。このとき、外歯歯車82の歯数と外ピン83の歯数とが異なるため、外歯歯車82は1回の公転につきこの歯数の差に応じた角度だけわずかに自転する。この自転成分(減速された回転)が出力側フランジ85により取り出され、スクリューコンベア7に伝達する。そして、入力軸歯車86及び偏心軸歯車87の歯数の違いと、外ピン83と外歯歯車82の歯数の違いとにより減速比が決定される。たとえば、減速機8の減速比が1/200である場合、入力軸歯車86が200rpmで回転すると、出力側フランジ85は1rpmで回転する。
【0030】
[縦型遠心分離機の動作]
以上の構成を有する縦型遠心分離機1の動作について説明する。縦型遠心分離機1を駆動した時、回転ボウル6及びスクリューコンベア7は、同じ回転方向に高速回転する。このとき、スクリューコンベア7は、減速機8により所定の回転速度差を保ちつつ、回転ボウル6の回転速度よりもわずかに遅い速度で回転する。回転ボウル6及びスクリューコンベア7の回転数は、たとえば、1000〜4000rpmであり、差速は0〜50rpmである。つまり、スクリューコンベア7は、回転ボウル6に対してわずかな差速で回転する。
【0031】
原液スラリーがフィードチューブ9を通って供給口73から高速回転中の回転ボウル6内に供給されると、原液スラリー内の固形分は、遠心力により、回転ボウル6の内面に付着する。内面に付着した固形分は、螺旋状に形成されたスクリュー羽根72により掻き取られ、回転ボウル6の下方に搬送される。固形分は、スクリュー羽根72により下方に搬送される間も脱水され、さらに含水率を低下する。固形分が回転ボウル6の下部側面60に到達すると、遠心力により排出口62から外部に排出される。
【0032】
一方、固形分から分離された液体も、遠心力により回転ボウル6の内面に付着する。しかしながら、分離された液体は比重が軽いため、内径が徐々に小さくなる回転ボウル6の下方には移動せず、遠心力により回転ボウル6の上方に移動する。そして、回転ボウル6の上端に形成された排出口63(図2参照)に到達すると、排出口63から分離液排出管64(図2参照)を通って外部に排出される。
【0033】
以上のとおり、縦型遠心分離機1は、回転ボウル6により原液スラリーを液体と固形分に分離し、スクリューコンベア7により、固形分を回転ボウル6下方に搬送する。そして、固形分を下部側面60に形成された排出口62から外部に排出する。
【0034】
[減速機の動作]
上述の縦型遠心分離機1内での減速機8の動作について詳述する。減速機8の枠体81は、回転ボウル6と連結する。そのため枠体が固定される一般的な減速機と異なり、減速機8自体が回転ボウル6と同期して高速回転する。減速機8は、枠体81の回転数と入力軸歯車86の回転数との差(相対的な回転数差)に基づいて、スクリューコンベア7を減速回転する。たとえば、枠体81が主モータ4により2000rpmで回転し、入力軸歯車86が差速モータ5により枠体81と同じ方向(縦型遠心分離機1の真上から見て時計回りとする)に2000rpmで回転するとき、両者の回転数に差はないため、スクリューコンベア7は回転ボウル6と同じ回転速度(2000rpm)で回転する。つまり、スクリューコンベア7と回転ボウル6との間に差速は生じない。
【0035】
入力軸歯車86の回転数を2000rpmから1800rpmに減速したとき、枠体81と入力軸歯車86とで回転数に差が生じ、入力軸歯車86の内歯歯車81に対する相対速度は、反時計回りに200rpmとなる。減速比が1/200とすると、減速機8の出力軸(低速軸)である出力側フランジ85の枠体81に対する回転速度は、反時計回りに1rpmとなる。したがってこのとき、スクリューコンベア7は時計回りに1999rpmで回転する。スクリューコンベア7と回転ボウル6との間には1rpm分の差速が生じるため、固形分はスクリューコンベア7により回転ボウル6の下方に搬送される。固形分の状態に応じて差速モータの出力が調整され、スクリューコンベア7の回転速度が調整される。
以上のとおり、縦型遠心分離機1に用いられる減速機8は、他の装置に用いられる場合と異なり、減速機8自体が高速回転する。そのため、減速機8内部に用いられる軸受B1〜B4にはスクリューコンベア7が固形分を搬送することにより与えられる荷重の他に、減速機8自体の高速回転による遠心力が掛かる。そこで、本実施の形態による遠心分離機1は、遠心力も考慮して軸受B1〜B4の寿命を判断する。以下、軸受の寿命判断方法について説明する。
【0036】
[軸受寿命判断装置]
遠心分離機1はさらに、図4に示すように、主モータ回転数測定器111と、差速モータ回転数測定器112と、差速モータ出力測定器113と、軸受寿命判断装置(以下、単に判断装置という)53とを備える。
【0037】
主モータ回転数測定器111は、主モータ4の回転数(rpm)を測定する。差速モータ回転数測定器112は、差速モータ5の回転数(rpm)を測定する。主モータ回転数測定器111及び差速モータ回転数測定器112はたとえば、パルスジェネレータやパルスエンコーダである。差速モータ出力測定器113は、差速モータ5の出力を測定する。具体的には、差速モータ出力測定器111は、差速モータ5の定格トルクを100%とした場合の出力トルク(%)を測定する。
【0038】
判断装置53は、中央演算装置(CPU)54と、メモリ55と、ハードディスクドライブ(HDD)56と、ディスプレイ57とを備える。HDD56には、軸受寿命を判断するための軸受寿命判断プログラムが格納されており、軸受寿命判断プログラムをメモリ55にロードしてCPU54で実行することにより、以下で説明する軸受寿命判断処理を実行する。なお、判断装置53は、HDD56を備えなくてもよい。その場合、軸受寿命判断プログラム等のデータはメモリ55に記憶される。
【0039】
判断装置53は、所定期間毎に、各測定器111〜113からデータを取得する。そして、取得されたデータに基づいて、減速機8内の軸受B1〜B4に掛かる遠心力F1を算出する。そして、算出された遠心力F1と、差速モータ5の出力とに基づいて、軸受B1〜B4に掛かる動等価荷重を求め、寿命(疲労寿命)時間Lを算出する。コンピュータ装置53は、所定時間毎に各軸受B1〜B4の寿命時間Lを算出し、算出された定格寿命Lhを用いて各軸受B1〜B4を交換すべきか否かを判断する。要するに、本実施の形態による判断装置50は、減速機8が遠心分離機1で使用されるときに掛かる特有の力である遠心力を考慮して、各軸受B1〜B4の寿命を予想する。以下、判断装置53の動作の詳細を説明する。
【0040】
[動作フロー]
判断装置53は、遠心分離機1が稼働中に図5に示す軸受寿命判断処理を実行する。図5を参照して、判断装置53内のCPU54は、所定時間の経過を監視する(S1)。本例では、所定時間を1分とする。1分が経過したとき(S1でYES)、CPU54は、主モータ4の回転数N4(rpm)及び差速モータ5の回転数N5(rpm)を検出する(S2)。具体的には、回転速度N4を主モータ回転数測定器111に要求して取得し、回転速度N5を差速モータ回転数測定器112に要求して取得する。CPU54はさらに、差速モータ出力測定器113に問い合わせて差速モータの出力トルク(%)を取得する(S3)。
【0041】
続いて、CPU54は、減速機8内の軸受B1〜B4の寿命時間LB1〜LB4(hr)を算出し、軸受B1〜B4の交換が必要か否かを判断する(S4〜S9)。このとき、CPU54は、減速機8内の複数の軸受B1〜B4の各々について、寿命時間LBi(i=1〜4)を求め、交換の必要性を判断する。
【0042】
CPU54は初めに、カウンタ番号i=1とし(S4)、軸受Bi=B1の寿命LB1を算出する(S5)。CPU54は、軸受B1に掛かる荷重に、減速機8の高速回転により生じる遠心力F1を加えて、寿命を求める。
【0043】
CPU54はまず、軸受B1に掛かる遠心力F1を求める(S51)。軸受B1は、外歯歯車82に配設されている。減速機8の軸心を中心としたときの軸受B1の公転速度NBi=NB1(rpm)は、外歯歯車82の公転速度と同じであり、出力軸である外側フランジ85の回転数と近似する。したがって、CPU54は、公転速度NBiを以下の式(1)で算出する。
NBi=N4−(N4−N5)×減速比 (1)
ここで、N4は主モータ4の回転数(rpm)であり、N5は差速モータ5の回転数(rpm)である。回転速度N4及びN5は、ステップS2で取得される。また、減速比は、減速機8で予め設定された値であり、たとえば1/200である。
【0044】
なお、上述のとおり、回転ボウル6(または枠体81)とスクリューコンベア7(または出力側フランジ85)との差速は非常に小さいため、軸受B1の公転速度が枠体81と近似するとして、式(1)の代わりに以下の式(10)により遠心力F1を求めてもよい。
NBi=N4 (10)
要するに、CPU54は、少なくとも主モータ4の回転数N4に基づいて、軸受B1の公転速度NB1を求める。軸受B2〜B4についても同様に、式(1)又は式(10)により公転速度NBiを求める。
【0045】
CPU54は、求められた公転速度NBi=NB1を用いて、式(2)により、軸受B1の角速度ω(rad/sec)を求める。
ω=NBi×2π/60 (2)
【0046】
回転数NB1及び角速度ωを用いて、軸受B1に掛かる遠心力F1(N)を式(3)により求める。
F1=MBi×RBi×ω (3)
ここで、Mbiは軸受Biの重量(kg)であり、RBiは、減速機8の中心軸からの距離(m)である。外歯歯車82は減速機8の中心軸の周りを所定の偏心量で偏心運動するため、RBiは、軸受Biの中心軸と減速機8の中心軸との間の距離のうちの最大値とする。
【0047】
次に、CPU54は、軸受B1に作用する動等価荷重PBi=PB1を求める(S52)。CPU54はまず、スクリューコンベア7に作用するトルクに基づいて、軸受B1が半径方向(ラジアル方向)に受ける荷重F2(N)を算出する。具体的には、ステップS3で取得した差速モータ5の出力トルク(差速モータ5の定格トルクに対する比(%))に基づいて、以下の式(4)より荷重F2(N)を算出する。
F2=差速モータの定格トルク×出力トルク/100×α (4)
ここで、αは、差速モータ5の特性に基づいて予め決定される係数である。差速モータ5の定格トルク及び係数αの値は、予めHDD56に格納されている。
【0048】
遠心力F1及び荷重F2は、軸受B1のラジアル方向に掛かる力である。そこで、CPU54は、求められた遠心力F1及び荷重F2を用いて、以下の式(5)により軸受B1に掛かる動等価荷重PBi(=PB1)(N)を求める。
PBi=X×(F1+F2)+Y×Fa (5)
式(5)は、軸受の周知の動等価荷重の計算式内に遠心力F1を加えたものである。ここで、Faは軸受B1にアキシアル方向に掛かる荷重(アキシアル荷重)(N)である。本実施の形態では、Faは、実験等から求められた経験値とする。つまり、Faは一定である。アキシアル荷重はラジアル荷重(F1+F2)よりも十分に小さいため、一定として問題がない。なお、軸受Biにアキシアル荷重が掛からない場合、Fa=0とする。上述の説明ではFaを経験値としたが、シミュレート等の計算により求めた計算値をFaとして用いてもよい。
Xはラジアル荷重係数であり、Yはアキシアル荷重係数である。X及びYは、各軸受Biに基づいて予め決定される値である。HDD56には、図6に示す軸受テーブルが格納されている。軸受テーブルには、各軸受BiのX値、Y値、及びFa値が各軸受B1〜B4の識別子である軸受IDに対応して登録されている。CPU54は、軸受テーブルから軸受B1のX値、Y値及びFa値を読み出し、式(5)により軸受B1に掛かる動等価荷重PB1(N)を求める。
【0049】
CPU54は、ステップS52により算出された動等価荷重PB1を用いて、軸受B1の寿命時間LBi=LB1(hr)を求める(S53)。CPU54はまず、以下の式(6)により、速度係数fnを求める。
fn=(33.3/NBi)1/z (6)
ここで、Zは、軸受の種類(玉軸受、コロ軸受等)に依存する係数であり、軸受Biの種類により決定される。Zは実験等により予め決定された周知の値である。たとえば、軸受Biが玉軸受のときZ=3であり、ころ軸受のときZ=10/3である。各軸受B1〜B4のZ値は、軸受IDに対応してHDD56に格納されている。NBiは式(1)又は式(10)により算出された軸受B1の公転速度(rpm)である。
【0050】
続いて、CPU54は、動等価荷重PB1及び速度係数fnを用いて、式(7)により寿命係数fhを求める。
fh=fn×CBi/PBi (7)
ここで、CBiは軸受Biの定格荷重(N)である。各軸受Biの定格荷重CBiは、図6に示すように軸受テーブルに記録されている。
【0051】
判断装置53内のHDD56には、図7に示す寿命テーブルが格納されている。予想寿命テーブルは、軸受IDと、寿命係数fhと、寿命係数fhに対応する寿命時間Lとが登録されている。CPU54は、式(7)により求めた寿命係数fh及び寿命テーブルに基づいて、寿命時間LBiを求める。なお、式(7)で求めた寿命係数fhと同じ値が寿命テーブルにない場合、CPU54は、寿命テーブル内のfhデータのうち、式(7)で求めた寿命係数fhに最も近い2つのデータを用いて、線形補間等の周知の補間方法により、式(7)で求めた寿命係数fhに対応する寿命LBiを求める。なお、速度係数fn及び寿命係数fhに基づいて寿命時間LBiを求める方法自体は周知である。このような方法により求められる寿命時間LBiはいわゆる疲労寿命である。
【0052】
寿命LB1を求めた後、CPU54は、軸受B1が交換時期に達したか否か、つまり、軸受B1が寿命に達したか否かを判断する(S6〜S8)。CPU54はまず、式(8)より、軸受B1の疲労度DFBi=DFB1を求める(S6)。
DFBi=1/(LBi×60) (8)
要するに、疲労度DFBiは寿命LBiの逆数である。式(8)で寿命時間LBiに60を乗じているのは、寿命時間LBiの単位をhrからminにするためである。要するに、疲労度DFBiは、所定時間(本例では1分間)に軸受Biが受ける疲労(損傷)の度合いを示す。
【0053】
算出された疲労度DFB1は、メモリ55に格納される。続いて、CPU54は、軸受B1において所定時間ごとに求めた全ての疲労度DFB1を加算して累積疲労度TBi=TB1を求める(S7)。要するに、CPU54は、疲労度DFBiを求めるごとに、累積して累積疲労度TBiを求める。
【0054】
累積疲労度TB1を求めた後、CPU54は、累積疲労度TB1が所定の基準値RefBi=RefB1を超えているか否かを判断する(S8)。基準値RefBiは、各軸受B1〜B4ごと予め定められた値であり、HDD56に予め格納されている。
【0055】
累積疲労度TB1が基準値RefB1を超えていない場合(S8でNO)、ステップS10に進みカウントiをインクリメントしてi=2とし、軸受B2の寿命時間LB2及び累積疲労度TB2を求める(S5〜S8)。
【0056】
一方、ステップS7での判断の結果、累積疲労度TB1が基準値RefB1を超えているとき(S8でYES)、CPU54は、その旨を通知する(S11)。たとえば、CPU54は、ディスプレイ57に減速機8内の軸受が交換時期に達した旨のメッセージを表示したり、図示しないスピーカから警告音を出力したりする。要するに、CPU54は、軸受B1〜B4のいずれかの累積疲労度TBiが基準値RefBiを超えたとき、通知を行う(S11)。
【0057】
CPU54は、全ての軸受B1〜B4について、ステップS8の判断をした後(S9でYES)、ステップS1に戻って所定期間が経過するのを待ち、所定期間経過後に再びステップS2以降の動作を実行する。つまり、所定期間ごとにステップS2以降の動作を実行する。
【0058】
以上の方法により、遠心分離機1は、減速機8内の軸受B1〜B4の疲れ寿命を推定し、軸受の交換時期を通知する。そのため、軸受B1〜B4が疲労により損傷して減速機8が故障する前に、軸受B1〜B4を交換できる。
【0059】
上述の実施の形態では、荷重F2の算出に差速モータ5の定格トルクに対する比(%)を用いたが、定格トルク比の代わりに、差速モータ5の出力(W)を測定して荷重F2の算出に用いてもよいし、出力電流(A)又は出力電圧(V)を測定して荷重F2の算出に用いてもよい。この場合、荷重F2は、各測定値に所定の係数を乗じて求める。
【0060】
また、上述の実施の形態では、寿命LBiを速度係数fn及び寿命係数fhを用いて算出したが、他の周知の方法により算出してもよい。ただし、上述の動等価荷重を用いて寿命LBiを算出する。
【0061】
上述の実施の形態では、図3に示す構造の減速機8を用いたが、他の種類の減速機を用いても、同様の方法で減速機内の軸受寿命を判断できる。たとえば、減速機8の代わりに、他の遊星歯車機構を有する減速機を用いてもよいし、ハーモニックドライブ減速機や、RV減速機、ボール減速機を用いてもよい。筒状の枠体と、入力軸の回転を減速する減速機構と、減速された回転を取り出す出力部材(出力軸)とを備えた周知の減速機であれば、種類を問わない。
【0062】
上述の実施の形態では、遠心力F1や荷重F2等を数式を用いて算出したが、寿命テーブルように、予め値が登録されたテーブルを用意して、テーブルを参照して、遠心力F1及び荷重F2を決定してもよい。
【0063】
また、上述の実施の形態では、所定期間ごとに遠心力F1を算出したが、式(10)を用いて遠心力F1を算出する場合であって主モータ4の回転数が一定であるとき、初期に一度算出した値を次回以降の寿命算出に用いてもよい。主モータ4の回転数が一定であれば、遠心力F1も一定であるからである。
【0064】
また、上述の実施の形態では、遠心分離機を縦型の遠心分離機としたが、横型の遠心分離機であってもよい。
【0065】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態による遠心分離機の斜視図である。
【図2】図1に示した遠心分離機の断面図である。
【図3】図2中の減速機の断面図である。
【図4】図1に示した遠心分離機に用いられる軸受寿命判断装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図4に示した軸受寿命判断装置の動作の詳細を示すフロー図である。
【図6】図5中の動作で用いられる軸受テーブルのデータ構造を示す図である。
【図7】図5中の動作で用いられる寿命テーブルのデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1 遠心分離機
4 主モータ
5 差速モータ
6 回転ボウル
7 スクリューコンベア
8 減速機
50 軸受寿命判断装置
53 コンピュータ装置
81 内歯歯車
82 外歯歯車
83 ピン
84 偏心軸
85 キャリア
86 入力軸歯車
87 偏心軸歯車
B1〜B4 軸受
111 主モータ回転数測定器
112 差速モータ回転数測定器
113 差速モータ出力測定器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の回転ボウルと、
入力軸と、前記回転ボウルと同軸に連結される筒状の枠体と、前記枠体内に収容され、前記入力軸の回転を減速する減速機構と、前記減速機構により減速された回転を取り出す出力部材と、複数の軸受とを含む減速機と、
前記減速機の出力部材と連結され、前記回転ボウル内に配設されるスクリューコンベアと、
前記回転ボウルを回転させる主モータと、
前記減速機の入力軸を回転させる差速モータと、
軸受寿命判断装置とを備え、
前記軸受寿命判断装置は、
前記主モータの回転数に基づいて前記軸受に掛かる遠心力を求める遠心力決定手段と、
前記求められた遠心力と前記差速モータの出力とに基づいて、前記軸受に掛かる荷重を求める荷重決定手段と、
前記求められた荷重に基づいて前記軸受の寿命を求める寿命決定手段と、
前記求められた寿命に基づいて、前記軸受の交換時期を判断する判断手段とを備えることを特徴とする遠心分離機。
【請求項2】
請求項1に記載の遠心分離機であって、
前記荷重決定手段は、前記所定期間ごとに前記差速モータの出力を取得して前記荷重を求め、
前記寿命決定手段は、前記荷重が求められるごとに前記軸受の寿命を求め、
前記判断手段は、
前記求められた寿命に基づいて、前記所定期間ごとの前記軸受の疲労度を求め、前記求められた疲労度の累積値が基準値を超えるか否かを判断することを特徴とする遠心分離機。
【請求項3】
請求項2に記載の遠心分離機であって、
前記軸受寿命判断装置はさらに、
前記複数の軸受のうちのいずれかの疲労度の累積値が基準値を超えたときに通知する通知手段を備えることを特徴とする遠心分離機。
【請求項4】
筒状の回転ボウルと、前記回転ボウルと同軸に連結される筒状の枠体、前記枠体内に収容され入力軸の回転を減速する減速機構、前記減速機構により減速された回転を取り出す出力部材及び複数の軸受を含む減速機と、前記減速機の出力部材と連結され、前記回転ボウル内に配設されるスクリューコンベアと、前記回転ボウルを回転させる主モータと、前記減速機の入力軸を回転させる差速モータとを備える遠心分離機に用いられる軸受寿命判断装置であって、
前記主モータの回転数に基づいて、前記軸受に掛かる遠心力を求める遠心力決定手段と、
前記遠心力と前記差速モータの出力とに基づいて、前記軸受に掛かる荷重を求める荷重決定手段と、
前記求められた荷重に基づいて前記軸受の寿命を求める寿命決定手段と、
前記求められた寿命に基づいて、前記軸受の交換時期を判断する判断手段とを備えることを特徴とする軸受寿命判断装置。
【請求項5】
請求項4に記載の軸受寿命判断装置であって、
前記荷重決定手段は、前記所定期間ごとに前記差速モータの出力を取得して前記荷重を求め、
前記寿命決定手段は、前記荷重が求められるごとに前記軸受の寿命を求め、
前記判断手段は、
前記求められた寿命に基づいて、前記所定期間ごとの前記軸受の疲労度を求め、前記疲労進行度の累積値が基準値を超えるか否かを判断することを特徴とする軸受寿命判断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の軸受寿命判断装置であってさらに、
前記複数の軸受のうちのいずれかの疲労度の累積値が基準値を超えたときに通知する通知手段を備えることを特徴とする軸受寿命判断装置。
【請求項7】
筒状の回転ボウルと、前記回転ボウルと同軸に連結される筒状の枠体、前記枠体内に収容され入力軸の回転を減速する減速機構、前記減速機構により減速された回転を取り出す出力部材及び複数の軸受を含む減速機と、前記減速機の出力部材と連結され、前記回転ボウル内に配設されるスクリューコンベアと、前記回転ボウルを回転させる主モータと、前記減速機の入力軸を回転させる差速モータとを備える遠心分離機に実装されるコンピュータに、
前記主モータの回転数に基づいて前記軸受に掛かる遠心力を求めるステップと、
前記求められた遠心力と前記差速モータの出力とに基づいて、前記軸受に掛かる荷重を求めるステップと、
前記求められた荷重に基づいて前記軸受の寿命を求めるステップと、
前記求められた寿命に基づいて、前記軸受の交換時期を判断するステップとを実行させる軸受寿命判断プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−36124(P2010−36124A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202723(P2008−202723)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(591056569)ナイス株式会社 (10)
【出願人】(501228990)ミツワ電機株式会社 (4)
【Fターム(参考)】