説明

遠隔検針システム

【課題】検針情報を伝送する電力線搬送通信の通信網と、需要家が利用可能な別の通信網とを併用することにより遠隔検針システムにおけるサービスの拡張を可能にする。
【解決手段】子局11は電力メータ21に付設され電力メータ21から検針情報を取得する。親局12は第1の通信網31を通して子局11から検針情報を取得し、検針情報を集約する。親局12は第2の通信網32を通して監視制御装置13に集約した検針情報を提供する。監視制御装置13は公衆網である第3の通信網33を通してインターフェース装置10と通信する。監視制御装置13は、データの送信または受信の際に第2の通信網32と第3の通信網33との一方を選択する機能を有し、送信または受信するデータ量が規定の閾値以下である場合は第2の通信網32を選択し、送信または受信するデータ量が規定の閾値を超える場合は第3の通信網33を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給事業者が需要家に供給した供給媒体に関する検針情報を需要家ごとに設けた子局から通信により親局に集め、親局が集約した検針情報を供給事業者が管理する監視制御装置に通信により提供する遠隔検針システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気、ガス、水、熱のような供給媒体は、送電線、ガス導管、水道管、熱導管のような供給設備を通して供給事業者から需要家に供給されている。供給媒体の需要家では、供給媒体の使用量を計測器(メータ)により計測しており、供給事業者では、多くの場合、計測器による計測結果を検針員により確認し、需要家に供給媒体の使用量に対する対価を請求している。
【0003】
検針員による検針作業は、人件費が必要であるとともに、計測値の読み間違いが生じるなどの問題があるから、この種の問題を解決するために、検針員を通さずに計測値を管理する技術が種々提案されている。
【0004】
たとえば、集合住宅では、各住戸(需要家)に配置したメータ(電力メータなど)に通信装置としての子局を接続し、電気室などに配置した親局と子局との間で通信を行う技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。すなわち、メータにより計測した検針情報を親局が子局から通信によって取得し、複数の子局からの検針情報を親局が集約している。また、親局は、子局との通信に用いる通信網とは別の通信網を通して監視制御装置(上位集約サーバなど)と通信可能であって、子局から取得した検針情報を監視制御装置に提供する機能を有している。
【0005】
集合住宅に限らず、戸建て住宅においても、柱上変圧器のような変圧器の二次側から電力が供給される複数の需要家において、需要家ごとに設置したメータに子局を付設し、変圧器の近傍に配置された親局と子局との間で通信する技術が提案されている。
【0006】
特許文献1では、子局と親局との間の通信に電力線搬送通信の技術を用いている。したがって、各需要家に電力を供給する電力線が通信路に兼用されるから、別途に通信網を構築する必要がなく、省施工になるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−180021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述のように、親局と子局との間の通信には、搬送波の周波数が10〜450kHzである通信帯域の狭い電力線搬送通信の技術が用いられている。この程度の通信帯域であっても、親局が子局から定期的に収集する検針情報や、電力系統の配電網と需要家の配電線との間に設けられる開閉器を制御する情報のようにデータ量が比較的少ない場合には伝送可能である。
【0009】
しかしながら、インターネットのような広域通信網において近年採用されているブロードバンドの通信網に比較すると親局と子局との間の通信網の通信速度は遅く、遠隔検針システムのサービスを拡張しようとしても対応できないという問題がある。
【0010】
本発明は、検針情報を伝送する電力線搬送通信の技術を用いた通信網と、需要家が利用可能な別の通信網とを併用することにより遠隔検針システムにおけるサービスの拡張を可能にした遠隔検針システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、供給事業者から供給設備を通して複数の需要家が使用した供給媒体の使用量をそれぞれ検針情報として取得するとともに保持する複数の子局と、電力線搬送通信を行う第1の通信網を通して子局と通信することにより検針情報を集約する機能、および供給事業者が管理する監視制御装置との間で第2の通信網を通して通信することにより検針情報を集約して監視制御装置に提供する機能を有する親局と、需要家に設けられ子局とデータを授受する機能と第1の通信網よりも通信帯域が広い第3の通信網を通して監視制御装置と通信する機能とを有するインターフェース装置とを備え、監視制御装置は、データの送信または受信の際に第2の通信網と第3の通信網との一方を選択する機能を有し、監視制御装置とインターフェース装置との少なくとも一方は、監視制御装置が送信または受信するデータ量が規定の閾値以下である場合は、監視制御装置に第2の通信網を選択させ、監視制御装置が送信または受信するデータ量が規定の閾値を超える場合は、監視制御装置に第3の通信網を選択させることを特徴とする。
【0012】
この遠隔検針システムにおいて、親局は、第3の通信網を通してインターフェース装置と通信する経路を選択可能であって、親局から子局に伝送するデータ量が規定の閾値を超える場合、第3の通信網を通してインターフェース装置を経由させて子局にデータを伝送することが好ましい。
【0013】
この遠隔検針システムにおいて、第3の通信網を通して伝送するデータは暗号化され、暗号化のための暗号鍵は第1の通信網と第2の通信網との少なくとも一方を通して配布されることが好ましい。
【0014】
また、この遠隔検針システムにおいて、監視制御装置は、第3の通信網からインターフェース装置を経由して子局にファームウェアを伝送する機能を有し、子局は、第1の通信網を通してファームウェアの更新の指示を受けることが好ましい。
【0015】
この遠隔検針システムにおいて、監視制御装置は、子局が保持している検針情報を所定の時間間隔で第3の通信網を通して取得するとともに検針情報のバックアップ用として保持する機能を有し、インターフェース装置は、子局が交換されたことを検知すると、第3の通信網を通して監視制御装置からバックアップ用の検針情報を取得するとともに交換後の子局に取得した検針情報を保持させる機能を有することが好ましい。
【0016】
この遠隔検針システムにおいて、インターフェース装置は、需要家が使用する機器の監視および制御を行うための信号を授受する機能を有し、監視制御装置は、第3の通信網を通してインターフェース装置を経由して機器の監視制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、検針情報を伝送する電力線搬送通信の技術を用いた通信網と、需要家が利用可能な別の通信網とを併用するから、遠隔検針システムにおけるサービスの拡張が可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態を示す要部のブロック図である。
【図2】同上の全体構成を示すブロック図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の他の動作例を示す動作説明図である。
【図5】実施形態2の動作説明図である。
【図6】実施形態3の全体構成を示すブロック図である。
【図7】同上の要部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
本実施形態は、集合住宅やテナントビルのように1つの建物に複数の需要家が存在する場合を例にして説明する。ただし、戸建て住宅のように需要家が1つの建物を占有している場合であっても、地域内の需要家のように、複数の需要家をひとまとまりに扱うことができる場合には同様の技術を適用可能である。
【0020】
また、本実施形態は、供給事業者を電力会社とし、供給媒体を電気として説明する。つまり、各需要家は、それぞれ電力メータ(計測器)で使用電力量を計測する。また、各電力メータにはそれぞれ子局が付設され、子局は電力メータから需要家が使用した電力量(検針情報)を取得する。
【0021】
子局は電力メータごとに付設されており、需要家は1台以上の子局を備える。集合住宅における建物内の電気室には降圧変圧器が配置され、子局は降圧変圧器の二次側の配電線を通信路に用いて親局との間で電力線搬送通信による通信を行う。建物内に複数台の降圧変圧器が設けられている場合には、各降圧変圧器の二次側の配電線の間に通信信号のみを通過させるカプラを接続することにより、1台の親局のみで複数台の降圧変圧器の二次側にそれぞれ接続された子局と通信を行うことが可能になる。親局は電気室などに配置される。
【0022】
本実施形態では、供給媒体を電気としているが、ガス、水、熱などの供給媒体についてもメータ(計測器)による検針情報を親局に送信することができる。
【0023】
以下、具体的に説明する。図2に示すように、集合住宅1には、需要家である複数個の住戸2が設けられている。各住戸2には、それぞれ電力の使用量を計測する電力メータ(計測器)21が設置される。電力メータ21には子局11が付設され、子局11は電力メータ21から所定時間毎(たとえば、1分毎、5分毎、10分毎など)の電力量を検針情報として取得する。また、子局11は、電力メータ21から取得した電力量を一定期間分(たとえば、1日分)だけ保持する機能を備える。さらに、子局11には通信に必要な固有の識別情報として子局ID(たとえば、アドレス)が設定されている。子局IDは、電力メータ21ごとに付設されるから、子局IDは需要家ごとの電力メータ21の識別情報にも兼用することができる。ただし、電力メータ21の識別情報は、電力メータ21ごとに別に設定してもよい。
【0024】
さらに、各住戸2には子局11に接続されるインターフェース装置10、およびルータの機能を備える通信インターフェース装置15が設けられる。インターフェース装置10および通信インターフェース装置15を設置する場所はとくに問わないが、インターフェース装置10および通信インターフェース装置15は分電盤あるいは情報盤に収納することが好ましい。情報盤は、ホームゲートウェイ、ルータ、ハブ、ブースタ、モデムのような情報通信機器のみが収納された盤装置であり、分電盤が配電線の接続に用いられるのに対して、情報盤は情報線の接続に用いられる。インターフェース装置10および通信インターフェース装置15については後述する。
【0025】
集合住宅1の電気室には、子局11と通信する親局12が配置される。子局11と親局12との間の通信網(第1の通信網31)は、集合住宅1の建物内に配線された配電網で兼用され、子局11と親局12との間で電力線搬送通信の技術を用いて通信が行われる。子局11と親局12との間の通信賂には、配電網を構成する配電線のほか、集合住宅1において構内の通信に用いる構内網の通信路、無線通信の通信路などを用いてもよく、これらの通信路を適宜に組み合わせて用いてもよい。
【0026】
親局12は、集合住宅1に設けた各子局11からそれぞれ取得した検針情報を集約する機能を有する。親局12が集約した検針情報は、遠隔検針のための専用の通信網あるいはインターネットのような公衆網を通信網(第2の通信網32)を通して、監視制御装置13に提供される。第2の通信網32は、たとえば、光通信網が用いられ、高速で大量のデータを伝送することが可能になっている。監視制御装置13は、電力会社あるいは電力量の集計サービスを行うサービス事業者が運営するコンピュータであって、電力会社が需要家に請求する電気料金の根拠となる電力量を親局12から取得する。
【0027】
すなわち、親局12は、管理下の子局11から電力メータ21ごとに計測した電力量を取得し、取得した電力量を電力メータ21の識別情報に対応付けるとともに、管理下の全体の電力量を集約し、第2の通信網32を通して監視制御装置13に提供する。監視制御装置13は、親局12から第2の通信網32を通して受け取った内容から、各電力メータ21で計測した電力量を個別に認識し、電力メータ21ごとの電力量を集計する。簡単に言えば、親局12は、管理下の複数の子局11から取得した電力メータ21ごとの電力量を、監視制御装置13に一括して伝送する機能を有すると言える。
【0028】
監視制御装置13は、親局12と第2の通信網32を通して通信するだけではなく、需要家(住戸2)ごとに設置された通信インターフェース装置15との間で、公衆網(第3の通信網33)を通して通信可能になっている。第3の通信網33は、インターネットのような広域通信網を想定しているが、ケーブルテレビの回線網、電話網などを用いてもよい。
【0029】
図示例では、第2の通信網32と第3の通信網33とが物理的に通信路を共用している場合を示しているが、第2の通信網32と第3の通信網33とは異なる通信路を用いてもよい。ただし、第2の通信網32と第3の通信網33とが異なる通信路を用いる場合であってもゲートウェイ装置などを介して第2の通信網32と第3の通信網33との間で相互に通信可能とする。また、通信路を共用するか否かにかかわらず、第2の通信網32と第3の通信網33との間で相互に通信が可能であるから、第2の通信網32は、VPN(Virtual Private Network)などの技術によって秘匿性を確保してある。
【0030】
子局11は、図1に示すように、第1の通信網31を通して親局12と通信するための電力線通信インターフェース部114と、電力メータ21との通信を行うメータ通信インターフェース部112とを備える。さらに、子局11は、メータ用通信インターフェース部112を通して電力メータ21から取得される電力量を保持するために検針情報記憶部113も備える。子局11の動作は、マイクロコンピュータからなる処理部110がプログラムの実行により制御する。さらに、子局11は、インターフェース装置10と接続するために補助インターフェース部111を備える。検針情報記憶部113は、上述したように、一定時間毎(たとえば、1分毎、5分毎、10分毎など)の検針情報を一定期間分(たとえば、1日分)記憶する。
【0031】
一方、親局12は、複数台の子局11と第1の通信網31を通して通信するための電力線通信インターフェース部121と、第2の通信網32を通して監視制御装置13と通信するための上位系通信インターフェース部122を備える。親局12は、子局11から取得した検針情報を集約するために管理情報記憶部123も備える。また、親局12の動作は、マイクロコンピュータからなる処理部120がプログラムの実行により制御する。
【0032】
管理情報記憶部123では、親局12が子局11から取得した検針情報を子局IDと対応付けて記憶する。処理部120は、監視制御装置13に検針情報を提供する際に、管理情報記憶部123に保持している検針情報を結合し、親局12の管理する子局11から取得した検針情報を一括して監視制御装置13に伝送する。
【0033】
インターフェース装置10は、通信インターフェース装置15を接続する外部通信インターフェース部(第1のインターフェース部)102とを備える。さらに、インターフェース装置10は、子局11と接続するために補助インターフェース部(第2のインターフェース部)103を備える。インターフェース装置10の動作は、マイクロコンピュータからなる処理部100がプログラムの実行により制御する。
【0034】
インターフェース装置10は、補助インターフェース部103が子局11の補助インターフェース部111と接続されることにより、子局11との間でデータの授受が可能になっている。補助インターフェース部103と補助インターフェース部111との間は、通常は接続線を用いて結合する。補助インターフェース部103、111としては、USB(Universal Serial Bus)、IEEE802.3、IEEE1394などの諸規格から選択される仕様を用いる。あるいはまた、補助インターフェース部103、111は、電力線搬送通信を行う仕様であってもよい。
【0035】
以下に動作を説明する。通常の動作では、図3に示すように、親局12は、たとえば、1日に1回ずつ検針時刻として定められた時刻(たとえば、0:00)になると、各子局11が電力メータ21から取得し検針情報記憶部113に保持している検針情報の引き渡しを要求する(P11)。親局12は、管理下の各子局11に順に要求し、子局11ごとの応答として検針情報を受け取る(P21)。すなわち、親局12は、各子局11のポーリングを行い、子局11は、親局12からの要求に対して、親局12からの前回の要求以降に検針情報記憶部113に記憶している検針情報を返す。このように定期的に行う検針を、以下「定期検針」と呼ぶ。
【0036】
図3では、各子局11を区別するために、各子局11に括弧付きの符号i(i=1,2,…,n)を付記し、「子局(i)」という形式で表している。また、親局12から子局(i)への要求は符号P1iで表し、子局(i)から親局12への応答は符号P2iで表している。
【0037】
親局12は、各子局11のポーリングを行うことによって子局11から取得した検針情報を子局ID(たとえば、アドレス)と対応付けて管理情報記憶部123に記憶する。親局12は、すべての子局11に対して検針情報を要求し、子局11ごとに検針情報記憶部113に保持している検針情報を収集する。親局12は、すべての子局11から定められた時刻の検針情報を取得した後、管理情報記憶部123に記憶している検針情報を監視制御装置13に送信する(P3)。なお、親局12は、検針情報を取得できない子局11があっても、検針情報を監視制御装置13に提供する時刻になると、収集した検針情報のみを監視制御装置13に送信する。
【0038】
ここで、監視制御装置13は、電力を供給している需要家に設置した電力メータ21の識別情報を管理しており、電力メータ21の識別情報と子局11の子局IDと一対一に対応している。したがって、監視制御装置13は、親局12から検針情報が提供されたときに、子局11の子局IDに対応する検針情報が含まれているか否かを判断することができる(P4)。
【0039】
なお、親局12が検針情報を集約する際に、子局11の子局IDに対応付けて検針情報が含まれていないことを示す規定のデータ(フラグなど)を設定してもよい。この場合には、監視制御装置13は、親局12から提供された検針情報に含まれる規定のデータにより、子局11に対応する検針情報が含まれていないことを認識する。
【0040】
監視制御装置13は、ノイズなどの影響によっていずれかの子局11から長期間に亘って検針情報が得られない場合や、長期間の停電などによっていずれかの子局11からの検針情報に欠落が生じている場合などに、バックアップ検針の動作を行う(P5〜P8)。バックアップ検針は、親局12から提供された検針情報に欠落が生じている子局11に対して、個別に検針情報を要求する動作である。この動作では、監視制御装置13は、該当する子局11を管理する親局12に対して第2の通信網32を通してバックアップ検針を要求する(P5)。親局12は、監視制御装置13からバックアップ検針の要求を受け取ると、第1の通信網31を通して子局11にバックアップ検針を要求する(P6)。さらに、子局11は親局12からバックアップ検針の要求があると、保持している検針情報のうちバックアップ検針に必要な検針情報を親局12に返送し(P7)、親局12は子局11から受け取った検針情報を監視制御装置13に伝送する(P8)。このように、監視制御装置13は、バックアップ検針の動作によって、各子局11が取得した検針情報を取得する。
【0041】
ところで、上述したバックアップ検針の動作では、監視制御装置13は、親局12を経由して子局11から検針情報を取得しており、親局12と子局11との間は電力線搬送通信による第1の通信網31が用いられている。第1の通信網31は、通信帯域が比較的狭いから、バックアップ検針の対象になる検針情報のデータ量が増加すると、バックアップ検針の動作に要する時間も増加する。また、バックアップ検針のために第1の通信網31の通信帯域が狭くなるから、定期検針に支障をきたす場合もある。
【0042】
そこで、第1の通信路31を通るデータ量が増加する場合に備えて、子局11から第1の通信網31を通さずにインターフェース装置10を経由して第3の通信網33を用いる経路が設けられている。
【0043】
たとえば、監視制御装置13がバックアップ検針を行う場合に備えて、監視制御装置13は、インターフェース装置10と通信を行うための情報を保有しており、インターフェース装置10との通信を行う機能を有する。図4に示すように、監視制御装置13は、バックアップ検針を行う場合、バックアップ検針の対象である子局11が設けられている需要家のインターフェース装置10に、公衆網である第3の通信網33を通して、バックアップ検針の要求を行う(P15)。バックアップ検針の要求を受けたインターフェース装置10は、対応する子局11からバックアップ検針のための検針情報を取得し(P16、17)、第3の通信網33を通して、監視制御装置13にバックアップ検針の検針情報を通知する(P18)。ここに、通信インターフェース装置15は、第3の通信網33とインターフェース装置10との間のルータあるいはゲートウェイとして機能しているが、監視制御装置13とインターフェース装置10との間の実質的な処理には関与しない。
【0044】
監視制御装置13が、第2の通信網32を通して親局12と通信するか、第3の通信網33を通してインターフェース装置10と通信するかは、子局11との間で伝送するデータのデータ量を判断して選択される。すなわち、監視制御装置13は、送信または受信するデータ量が規定した閾値以下である場合は、第2の通信網32を選択し、送信または受信するデータ量が規定した閾値を超える場合は、第3の通信網33を選択する。
【0045】
監視制御装置13が送信または受信するデータのデータ量は、通常は、監視制御装置13が判断するが、インターフェース装置10において判断し、監視制御装置13に判断結果を通知してもよい。たとえば、バックアップ検針の要求は、第2の通信網32を通して親局12を経由する経路で行い、子局11が保有する検針情報のデータ量をインターフェース装置10において判断し、監視制御装置13に通知することによって、第3の通信網33を通る経路を選択させてもよい。
【0046】
監視制御装置13は、バックアップ検針として子局11に要求する検針情報の個数に基づいて、親局12を経由する経路で子局11への要求を行うか、インターフェース装置10を経由する経路で子局11への要求を行うかを選択してもよい。すなわち、データ量に対する閾値に代えて検針情報の個数に対する基準個数を用いるのである。監視制御装置13は、要求する検針情報の個数が基準個数以下の場合、第2の通信網32を選択し、要求する検針情報の個数が基準個数を超える場合、第3の通信網33を選択する。
【0047】
上述の動作では、検針情報のデータ量が閾値を超える場合に、第3の通信網33を通して検針情報を伝送しているが、他のデータであってもデータ量が閾値を超える場合に第3の通信網33を利用してもよい。すなわち、監視制御装置13が送信または受信するデータ量に対して閾値を規定しておき、データ量が閾値以下である場合は第2の通信網32を通して親局12と通信し、データ量が閾値を超える場合は第3の通信網33を選択してインターフェース装置10と通信すればよい。ここに、監視制御装置13が受信するデータのデータ量は、監視制御装置13が通信相手と通信を行ってデータ量を取得し、取得したデータ量に基づいて第2の通信網32と第3の通信網33との一方を選択すればよい。
【0048】
あるいはまた、第2の通信網32と第3の通信網33との選択に際して、データ量ではなくデータの種類を用いてもよい。たとえば、監視制御装置13は、通常の検針情報を取得するために常時は第2の通信網32を選択し、バックアップ検針を要求する際に第3の通信網33を選択するようにしてもよい。また、後述するように、子局11のファームウェアはインターフェース装置10を経由させて子局11に与えてもよい。あるいはまた、インターフェース装置10に子局10のほかに装置が接続されている場合に、当該装置に関連して送信あるいは受信されるデータはインターフェース装置10を経由させて第3の通信網33に送出させるようにしてもよい。これらの動作は後述する。
【0049】
ところで、インターフェース装置10、子局11は、それぞれマイクロコンピュータにより構成された処理部100、110を備え、プログラムに従って動作している。この種のプログラムはファームウェアに属するが、場合によってはアプリケーションプログラムに属するプログラムを搭載している場合もある。これらのプログラムは更新や追加が必要になる場合がある。インターフェース装置10や子局11のように需要家に設けられる装置は台数が非常に多いから、個々の装置について人手によって個別にプログラムの更新や追加を行うことは困難である。
【0050】
そこで、第1の通信網31、第2の通信網32、第3の通信網33を、検針情報、電気料金、電力量のような需要家での電力の使用に関する情報の伝送に用いるだけではなく、プログラムに関連した情報の伝送にも用いることが考えられる。以下では、子局11のファームウェアを通信によって更新する場合を例にする。
【0051】
子局11のファームウェアを通信によって更新するには、第2の通信経路32を通して親局12を経由する経路と、第3の通信経路33を通してインターフェース装置10を経由する経路とが考えられる。ファームウェアは、監視制御装置13から子局11に与えるほか、監視制御装置13とは異なる専用の装置から子局11に与えることが可能である。ここでは、説明を簡単にするために、監視制御装置13が子局11のファームウェアを更新する場合を例として説明する。
【0052】
前者の経路を採用する場合、ファームウェアを親局12に一旦保持させ、親局12から第1の通信網31を通して管理下の子局11にファームウェアの内容を転送する技術が考えられる。ここに、ファームウェアは検針情報などに比較して情報量が非常に大きいにもかかわらず、第1の通信網31は検針情報の伝送を想定しているから通信帯域が限られている。そのため、この技術を採用すると、第1の通信網31がボトルネックとなってファームウェアの更新に非常に長い時間を要することになる。
【0053】
一方、近年、通信帯域の広いブロードバンドの公衆網が種々提供されており、この種の公衆網を利用している需要家が多く存在している。したがって、後者の経路を採用する場合、監視制御装置13は、インターフェース装置10までの通信経路に通信帯域の広い第3の通信網33を利用し、短時間でファームウェアを送信することが可能になる。
【0054】
インターフェース装置10と子局11との間は通信帯域が狭い場合もあるが、インターフェース装置10と子局11とが一対一に接続されているから、この部位の通信帯域が狭い場合でもファームウェアの更新に要する時間は大幅に改善される。すなわち、親局12から複数台の子局11に対して通信帯域の狭い第1の通信網31を通してファームウェアを送信する場合に比較すると、インターフェース装置10から子局11に一対一にファームウェアを引き渡すほうが、大幅な時間短縮になる。
【0055】
以上の説明からわかるように、監視制御装置13がインターフェース装置10や子局11に、ファームウェアやアプリケーションプログラムを送信する際には、第3の通信網33を用いることによって、比較的短い時間でプログラムを配信することが可能になる。
【0056】
ここで、第2の通信網32を通って親局12を経由する経路と、第3の通信網33を通ってインターフェース装置10に達する経路とで、異なる種類の情報を伝送してもよい。たとえば、子局11のファームウェアを更新する場合に、ファームウェアのデータは第3の通信網33を通して配信し、ファームウェアの更新の指示は親局12を経由する経路で子局11に通知してもよい。ここに、データの種類は、おおむねデータ量の大小を反映しているから、データの種類に応じて経路を選択することは、データ量の大小に応じて経路を選択することと同じ考え方に基づいていると言える。
【0057】
たとえば、あらかじめ子局11にファームウェアを引き渡しておき、親局12からファームウェアの更新のタイミングのみを子局11に通知すれば、各子局11でファームウェアの更新のタイミングをほぼ一致させることができる。つまり、個々の子局11におけるファームウェアの更新タイミングの時間差が抑制される。したがって、1台の親局12の管理下にある複数台の子局11が異なるファームウェアで動作する事態を回避することができる。また、子局11にファームウェアのみを与えてもファームウェアが更新されないから、子局11のファームウェアが不正に書き換えられるのを防止する効果も得られる。
【0058】
上述のように、監視制御装置13と子局11との間でデータを伝送する際には、第2の通信網32を通して親局12を経由する経路と、第3の通信網33を通してインターフェース装置10を経由する経路とを選択可能にしている。この構成により、データ量あるいはデータの種類に応じて、第1の通信網31と第2の通信網32と第3の通信網33とを有効に利用することになる。また、遠隔検針システムに検針情報を収集する機能だけではなく、他の機能を付加して機能の拡張を行う必要が生じたとしても、インターフェース装置10を利用して機能を付加することができる。すなわち、機能の拡張にあたって、インターフェース装置10に装置を接続するためのインターフェース部の仕様を変更したり、インターフェース装置10のプログラムを変更する程度で、システムの大幅な変更を伴うことなく対応することができる。
【0059】
ところで、上述の動作では、親局12と子局11との間で第1の通信網31を通してデータを伝送している。一方、親局12が接続された第2の通信網32とインターフェース装置10が接続された第3の通信網33との間で相互にデータを伝送可能としている場合には、親局12と子局11との間でインターフェース装置10を経由する経路を用いることができる。
【0060】
親局12と子局11との間で、第2の通信網32および第3の通信網33を通してインターフェース装置10を経由する経路を利用可能にしておくと、親局12と子局11との間でデータ量の多いデータを短時間で伝送することが可能になる。すなわち、親局12と子局11との間で伝送するデータ量が規定した閾値を超える場合には、インターフェース装置10を経由させ、データ量が規定した閾値以下である場合には、第1の通信網31を通してデータを伝送する。
【0061】
たとえば、バックアップ検針を行う場合、インターフェース装置10が親局12にバックアップ検針の検針情報を伝送し、その後、親局12が第2の通信網32を通して監視制御装置13に検針情報を伝送する動作が可能になる。また、子局11のファームウェアを伝送する場合、ファームウェアのデータを親局12が受け取り、親局12が第2の通信網32および第3の通信網33を通してインターフェース装置10を経由する経路で子局11にファームウェアを伝送することが可能になる。
【0062】
このように、親局12がデータの伝送に関与することによって、親局12が子局11との間の経路として、第1の通信網31を通る経路と、第2の通信網32および第3の通信網33を通る経路とを選択することになる。この構成では、監視制御装置13と親局12との間では第2の通信網32を通してデータを伝送するから、監視制御装置13において経路の選択を行う場合よりも監視制御装置13の処理負荷を軽減することができる。
【0063】
ところで、検針情報は需要家に結びついた個人情報に該当しているから、監視制御装置13と需要家側の装置(インターフェース装置10、子局11、親局12)との間の通信には秘匿性が要求される。第1の通信網31および第2の通信網32を用いる通信は遠隔検針用として用意されているから、あらかじめ秘匿性が高くなっている。これに対して、第3の通信網33は公衆網であるから、通信の秘匿性を高めるには、伝送する情報を暗号化する必要がある。
【0064】
そこで、暗号化あるいは復号化に用いる暗号鍵の引き渡しは、第1の通信網31および第2の通信網32を通る経路で行う。暗号鍵の種類は問わないが、基本的には共通鍵を用いる。この場合、監視制御装置13は、第2の通信網32を通り親局12を経由して第1の通信網31を通る経路で暗号鍵を相手側の装置(インターフェース装置10、子局11など)に引き渡す。相手側の装置は、監視制御装置13との通信に際して、この暗号鍵を用いて暗号化あるいは復号化を行うのである。
【0065】
公衆網である第3の通信網33を用いて検針情報のように需要家に結びついた個人情報を伝送しながらも情報の暗号化を行うから個人情報の秘匿性を維持することができる。しかも、暗号化および復号化を行う暗号鍵は第3の通信網33とは異なる安全な経路を通して送信するから、暗号鍵を安全に引き渡すことができる。
【0066】
個人情報に属する情報を伝送する際の秘匿性をさらに高めるには、暗号鍵に有効期限を付しておくことが好ましい。たとえば、所定の期間ごとに異なる暗号鍵を発行するとともに、暗号鍵に有効期限を示す情報を含めておけば、暗号鍵を有効期限の期間内でのみ用いることが可能になる。また、暗号鍵の送付は、第3の通信網33を通してデータを伝送を行う直前に行うことが好ましい。このように、データを伝送する直前に暗号鍵を送信すれば、有効期限付きの暗号鍵を用いる際の有効期限を短くすることができ、暗号鍵の安全性を高めることができる。この場合、暗号鍵の発行は不定期になり、所定の期間ごとに異なる暗号鍵の送付を行う場合に比較すると、第3の通信網33の通信負荷の増加を抑制することができる。
【0067】
(実施形態2)
本実施形態は、検定や故障のために子局11を交換する場合の動作について説明する。子局11は電力メータ21から取得した検針情報を保持しており、子局11が保持しているすべての検針情報が監視制御装置13に通知されずに子局11が交換された場合に、監視制御装置13では検針情報の一部に欠損を生じる可能性がある。このような検針情報の欠損を防止するために、交換前の子局11の検針情報を交換後の子局11に引き渡す処理を行う場合がある。
【0068】
本実施形態は、交換前の子局11から交換後の子局11への検針情報の引き渡しを容易にするために、交換後の子局11に必要な検針情報(他の情報を含んでいてもよい)を、交換前の子局11から監視制御装置13に転送して保存する動作が採用される。
【0069】
具体的には、図5に示すように、監視制御装置13は、インターフェース装置10との間で第3の通信網33を通る経路を用いて、交換前の子局11から必要な検針情報を取得し、取得した検針情報を保存する。すなわち、監視制御装置13は、第3の通信網33を通してインターフェース装置10に子局11の情報を取得する要求を行い(P21)、インターフェース装置10は、子局11に対して情報の取得を要求する(P22)。子局11は、インターフェース装置10からの要求に対して情報を送信し(P23)、子局11から情報を受け取ったインターフェース装置10は、監視制御装置13に情報を送信する(P24)。
【0070】
監視制御装置13が第3の通信網33を通して子局11から検針情報を取得して保存する動作は、定期的あるいは子局11を交換する直前に行う。また、監視制御装置13がインターフェース装置10を通して子局11からダウンロードする代わりに、子局11からインターフェース装置10を通して情報を監視制御装置13にアップロードする動作であってもよい。
【0071】
一方、需要家において子局11が交換されると(P25)、交換後の子局11は初期起動時にインターフェース装置10に初期起動の通知を行う(P26)。その後、子局11から初期起動の通知を受けたインターフェース装置10は、監視制御装置13が交換前の子局11から取得して記憶していた情報を、第3の通信網33を通して取得する。すなわち、監視制御装置13に交換前の子局11の情報を取得する要求を行い(P27)、監視制御装置13は要求に応答してインターフェース装置10に情報を送信する(P28)。さらに、インターフェース装置10は、監視制御装置13から取得した情報を、交換後の子局11に書き込む(P29)。交換後の子局11は情報の書込が終了すると、インターフェース装置10に情報の設定を終了したことを通知する(P30)。
【0072】
以上の一連の動作によって、交換前の子局11が記憶していた検針情報が、監視制御装置13を仲介にして、交換後の子局11に引き渡される。
【0073】
上述の例において、インターフェース装置10は、子局11から交換の通知や初期起動の通知を受けて子局11の交換を判定する動作を行っている。インターフェース装置10が子局11の交換を判定する動作としては、子局11に定期的に生存確認(接続確認)の信号を送り、この信号に対する応答の内容から子局11の交換を検出する動作を採用してもよい。この場合、インターフェース装置10は、生存確認の送信に対して、子局11を識別するための情報(アドレスなど)を応答として返送させ、子局11を識別する情報に変化があれば、子局11が交換されたと判断する動作が可能である。
【0074】
以上説明した動作によって、子局11の交換に際して、交換前の子局11から交換後の子局11に検針情報を移行される。したがって、交換後の子局11では、交換後の検針情報だけではなく交換前の検針情報も保有してより多くの検針情報を利用でき、子局11の交換に伴う検針情報の欠損を抑制することができる。また、上述のように、交換前の子局11の検針情報は交換後の子局11に自動的に移行されるから、交換時の作業に手間がかからないという利点がある。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0075】
(実施形態3)
上述した各実施形態では、電力線搬送通信を行う第1の通信網31よりも通信帯域が広い第3の通信網33を遠隔検針に用いるためにインターフェース装置10を設けている。したがって、インターフェース装置10を利用することにより、遠隔検針以外のサービスを提供することが可能になる。すなわち、本実施形態は、遠隔検針のサービスについて、現状の第1の通信網31を利用しながらも第3の通信網33も併用して拡張したサービスを提供可能にし、さらには、遠隔検針以外のサービスも提供可能にする。また、公衆網である第3の通信網33を用いながらも、第1の通信網31と第2の通信網32とを利用して暗号化などの技術を採用することによって、情報の秘匿性を確保することができる。
【0076】
各住戸2には、図6に示すように、需要家が使用する機器22が存在しており、機器22の少なくとも一部は、外部信号での制御や外部装置での監視を行うためのインターフェース(図示せず)を備える。この種のインターフェースとしては、JEM−A規格として知られているHA端子、データ通信用のインターフェース、情報家電のために制定された規格のインターフェースなどがある。また、需要家は、監視カメラや防災や防犯のために用いるセンサを機器22として使用している場合もある。
【0077】
本実施形態では、監視制御装置13を保有する事業者(たとえば、電力会社)が、需要家における防災や防犯のためのセキュリティサービスを、遠隔検針と併せて提供する場合を想定する。この種のサービスに必要なデータは、検針情報に比べてデータ量が格段に多いから、第1の通信網31では通信帯域や通信速度が不足するが、インターフェース装置10は第3の通信網33を利用するから通信帯域や通信速度に関する問題が解消される。
【0078】
インターフェース装置10は、図7に示すように、機器22を接続するために、機器インターフェース部101を備える。機器インターフェース部101は、機器22から出力された監視信号を受け取る機能を有する。また、機器インターフェース部101は、機器22に設けられたインターフェースに適合するように構成される。機器22に設けられるインターフェースとしては、JEM−A規格のHA端子、データ通信用のインターフェース、情報家電のために制定された規格のインターフェースなどがある。
【0079】
具体的な動作として、機器22が防災あるいは防犯に関する情報を検出し、当該情報がインターフェース装置10を経由して第3の通信網33から監視制御装置13に伝送される場合を例示する。監視制御装置13に伝送される情報は、防災あるいは防犯に関する情報であるから、住戸2の居住者に知らせる必要がある。
【0080】
ここでは、一例として、監視制御装置13が移動体電話網を通して知らせるものとする。すなわち、監視制御装置13は、インターフェース装置10からこの種の情報を受け取ると、あらかじめ登録された利用者の移動体電話に、情報に応じた内容の通知を行う。移動体電話に対する通知は、ショートメール、電子メール、音声メッセージなどの適宜の手段を用いる。また、機器22に監視カメラが含まれている場合は、インターフェース装置10を経由して監視カメラの映像を監視制御装置13に伝送し、その映像を移動体電話に表示させてもよい。
【0081】
この種のサービスを行う場合には、インターフェース装置10から第3の通信網33を通して監視制御装置13に伝送するデータを暗号化し、個人情報に準じたこの種の情報が第三者に漏洩するのを防止することが望ましい。また、実施形態1と同様に、機器22から監視制御装置13に伝送する情報のデータ量が規定した閾値以下であれば、インターフェース装置10から子局11を経由し第1の通信網31および第2の通信網32を通して監視制御装置13に情報を伝送してもよい。たとえば、機器22が検知と非検知との2値情報を発生させるセンサなどであれば、この経路を用いて監視制御装置13に情報を伝送することができる。
【0082】
また、本実施形態では、機器22からの情報を監視制御装置13に伝送する動作を説明したが、監視制御装置13から機器22の制御を行うための情報を第3の通信網33からインターフェース装置10を経由して伝送することも可能である。なお、機器22に連動して提供するサービスを行う場合、監視制御装置13ではなく、第3の通信網33に接続した別のサービス提供装置がサービスを提供してもよい。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0083】
1 集合住宅
2 住戸(需要家)
10 インターフェース装置
11 子局
12 親局
13 監視制御装置
22 機器
31 第1の通信網
32 第2の通信網
33 第3の通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給事業者から供給設備を通して複数の需要家が使用した供給媒体の使用量をそれぞれ検針情報として取得するとともに保持する複数の子局と、電力線搬送通信を行う第1の通信網を通して前記子局と通信することにより前記検針情報を集約する機能、および前記供給事業者が管理する監視制御装置との間で第2の通信網を通して通信することにより前記検針情報を集約して前記監視制御装置に提供する機能を有する親局と、需要家に設けられ前記子局とデータを授受する機能と前記第1の通信網よりも通信帯域が広い第3の通信網を通して前記監視制御装置と通信する機能とを有するインターフェース装置とを備え、前記監視制御装置は、データの送信または受信の際に前記第2の通信網と前記第3の通信網との一方を選択する機能を有し、前記監視制御装置と前記インターフェース装置との少なくとも一方は、前記監視制御装置が送信または受信するデータ量が規定の閾値以下である場合は、前記監視制御装置に前記第2の通信網を選択させ、前記監視制御装置が送信または受信するデータ量が規定の閾値を超える場合は、前記監視制御装置に前記第3の通信網を選択させることを特徴とする遠隔検針システム。
【請求項2】
前記親局は、前記第3の通信網を通して前記インターフェース装置と通信する経路を選択可能であって、前記親局から前記子局に伝送するデータ量が規定の閾値を超える場合、前記第3の通信網を通して前記インターフェース装置を経由させて前記子局にデータを伝送することを特徴とする請求項1記載の遠隔検針システム。
【請求項3】
前記第3の通信網を通して伝送するデータは暗号化され、暗号化のための暗号鍵は前記第1の通信網と前記第2の通信網との少なくとも一方を通して配布されることを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔検針システム。
【請求項4】
前記監視制御装置は、前記第3の通信網から前記インターフェース装置を経由して前記子局にファームウェアを伝送する機能を有し、前記子局は、前記第1の通信網を通してファームウェアの更新の指示を受けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遠隔検針システム。
【請求項5】
前記監視制御装置は、前記子局が保持している前記検針情報を所定の時間間隔で前記第3の通信網を通して取得するとともに前記検針情報のバックアップ用として保持する機能を有し、前記インターフェース装置は、前記子局が交換されたことを検知すると、前記第3の通信網を通して前記監視制御装置からバックアップ用の前記検針情報を取得するとともに交換後の子局に取得した前記検針情報を保持させる機能を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遠隔検針システム。
【請求項6】
前記インターフェース装置は、需要家が使用する機器の監視および制御を行うための信号を授受する機能を有し、前記監視制御装置は、第3の通信網を通して前記インターフェース装置を経由して前記機器の監視制御を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遠隔検針システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175688(P2012−175688A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39043(P2011−39043)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】