説明

部分メッキ装置および部分メッキ方法

【課題】 作業環境を良好に維持して安全に作業することができ、電流効率を高く保持して安定かつ短時間にメッキ処理を行うことができる部分メッキ装置を提供する。
【解決手段】 部分メッキ装置1において、不溶性陽極11は、壁部に外部と中空部を連通する多数の気孔を有する中空体構造であり、隔膜12により密着して被包されており、さらに隔膜12の外周に密着してメッキ液保持体13が周設されている。これにより、メッキ処理中に陽極11表面で発生した電解ガスは、気孔111から捕集され中空部112を通じて系外に排気されるとともに、隔膜12により陽極酸化等が抑制され、高い電流効率が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として現場メッキ作業で使用する部分メッキ装置に関する。詳しくは、作業環境を良好に維持しながら、高い電流効率でメッキ処理を行うことのできる部分メッキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気メッキは、通常、メッキ槽内に設置された被メッキ物を陰極、メッキ金属を陽極として通電し電解反応を起こさせることにより、陽極が溶解し同量の金属が陰極に析出することによって行われる。かかる方法では、被メッキ物をメッキ槽中に入れなければならず、大型の金属焼き回しの一部にメッキを行う場合等には、必ずしも適しているとはいえなかった。
【0003】
これに対し、いわゆる筆メッキという簡易的な部分メッキ方法が知られている。これは、内部に陽極を含む筆やフォームラバーを被メッキ部分に当て、筆やフォームラバーにメッキ液を保持させて通電することにより、メッキ処理を行うものである。すなわち、メッキ槽の代わりに液を含んだ筆またはフォームラバーを使用するものであり、設備が簡単で部分的なメッキに適していることから、広く利用されている。この場合、通常陽極としては、変形が無く消耗の起こらない不溶性金属電極や炭素電極等の不溶性陽極が使用されている。
【0004】
しかしながら、かかる部分メッキ方法では不溶性陽極を使用するために、硫酸系メッキ液では硫酸ミスト、塩素系メッキ液では塩素ガス等の電解ガスが陽極から発生し、作業中に有害ガスが大気に揮散するので、作業環境を悪化させ、作業者の健康を脅かすという問題があった。
【0005】
また、特にメッキ金属が遷移金属の場合、陰極で部分的に還元された金属イオンが陽極で再び酸化されて元の価数の大きなイオンに戻ってしまうという陽極酸化が生じ、結果として消費電力の増大や処理に長時間を要するという不都合があった。特に、白金族金属等の貴金属メッキの場合は、金属イオンではなく負の価数を有する錯イオンになっているので陽極に引きつけられ、陰極部分ではイオンの減少が起こり、液を高濃度にしても電流密度が上がらず、メッキ効率が悪いという問題があった。
【0006】
一方、従来の電気メッキ装置において、不溶性陽極から発生する電解ガスをフィルタにより取り除くようにしたもの(特許文献1参照)や、不溶性陽極を液透過性の袋で被包して分離したもの(特許文献2参照)等が知られているが、いずれもメッキ槽を有する据え置き型のメッキ装置についてのものであり、これをそのまま筆メッキ等の部分メッキ装置に応用することは困難であった。
【特許文献1】特開平2−73689号公報
【特許文献2】特開2002−97598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業環境を良好に維持して安全に作業することができる部分メッキ装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、電流効率を高く保持して安定かつ短時間にメッキ処理を行うことができる部分メッキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1) 不溶性陽極と、前記陽極に周設されたメッキ液保持体と、を備え、前記陽極は中空体構造をなし、前記陽極の壁部には外部と中空部を連通する多数の気孔が形成されてなる、部分メッキ装置。
【0011】
(2) メッキ処理中に前記陽極表面で発生した電解ガスが前記気孔から捕集され前記中空部を通じて系外に排気されることを特徴とする、(1)に記載の部分メッキ装置。
【0012】
(3) 前記中空部は排気管を介してガス処理装置と連結されており、前記電解ガスは前記ガス処理装置で処理されることを特徴とする、(1)または(2)に記載の部分メッキ装置。
【0013】
(4) 前記陽極は表面に電極物質を被覆したチタンエクスパンドメッシュからなることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の部分メッキ装置。
【0014】
(5) 前記陽極と前記メッキ液保持体との間に隔膜が密着して設けられてなる、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の部分メッキ装置。
【0015】
(6) 前記隔膜はメッキ液中の金属イオンまたは金属錯イオンの透過を抑制することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の部分メッキ装置。
【0016】
(7) 前記メッキ液保持体はフォームラバーまたは筆状である、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の部分メッキ装置。
【0017】
(8) 前記メッキ液保持体は送液管を介してメッキ液調整槽と相互に連結されており、前記メッキ液保持体から回収されたメッキ液は前記メッキ液調整槽で調整され前記メッキ液保持体に戻されることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の部分メッキ装置。
【0018】
(9) メッキ金属が遷移金属である、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の部分メッキ装置。
【0019】
(10) メッキ金属が白金族金属である、(9)に記載の部分メッキ装置。
【0020】
(11) 不溶性陽極と前記陽極に周設されたメッキ液保持体とを備えた部分メッキ装置を用いた部分メッキ方法であって、メッキ処理中に前記陽極表面で発生した電解ガスを捕集し系外に排気することを特徴とする、部分メッキ方法。
【0021】
(12) 前記陽極を隔膜で被包し、メッキ液中の金属イオンまたは金属錯イオンの陽極側への透過を抑制することを特徴とする、(11)に記載の部分メッキ方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明の部分メッキ装置によれば、陽極を多数の気孔を有する中空構造体としたので、メッキ処理中に陽極表面で発生した電解ガスを前記気孔から捕集して陽極の中空部を通じて系外に効率よく排気することができ、作業環境を良好に維持して安全にメッキ処理の作業を行うことができる。また、陽極を隔膜で被包することにより、電解ガスの排気効率をさらに良好にすることができる。
【0023】
また、本発明の部分メッキ装置によれば、陽極とメッキ液保持体との間に隔膜が設けられているので、隔膜によりメッキ液中の金属イオンまたは金属錯イオンの透過が抑制され、陽極酸化が起こらず陽極や陽極反応の影響を受けることもないので、電流効率を高く保持して安定かつ短時間にメッキ処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1および図2は、それぞれ本実施形態にかかる電気メッキ装置の構成を示す縦断面図および横断面図である。なお、図中、同一の符号を付した部分は同一の部材を表わしている。図1および図2に示すように、電気メッキ装置1は、陽極11、隔膜12およびメッキ液保持体13を備えてなる。
【0026】
陽極11は不溶性陽極であり、中空体構造をなしており、陽極の壁部には外部と中空部を連通する多数の気孔が形成されている。ここで、電気メッキ装置1において使用するメッキ液には塩酸や塩化物を含む塩素系メッキ液や硫酸塩を含む硫酸系メッキ液等があるが、塩素系メッキ液では下記式(1)、硫酸系メッキ液では下記式(2)に示す陽極反応が起こり、いずれも陽極11において電解ガス(塩素ガスまたは酸素ガス)が発生する。
【化1】

【化2】

【0027】
電気メッキ装置1では、陽極11を多数の気孔を有する中空体構造とすることにより、陽極表面で発生する電解ガスを陽極11の気孔111を通して電極内部の中空部112において捕集し、電気メッキ装置の外部に効率よく排気することができ、有害ガスの揮散を防止して作業場の雰囲気を良好に保持することができるものである。
【0028】
陽極11としては、中空体構造を有し、多数の気孔が形成された不溶性陽極であれば特に限定されるものではなく、例えば、チタン等からなる多孔板やエクスパンドメッシュを基材とし、その表面に酸化イリジウムや酸化ルテニウム等を被覆したもの(いわゆるDSA)や、白金を被覆した白金メッキチタン等の不溶性金属電極を中空体に加工したものを用いることができる。陽極11の中空体の形状も特に限定されるものではなく、円筒形、三角柱、四角柱、円錐、角錐、円錐台、角錐台、紡鐘形、盃形、ひさご形、笠形、俵形、倒椀形、釣鐘形、ビヤ樽形等のいずれの形状であっても構わない。
【0029】
陽極11の外周部には、陽極11を被包して陽極11に密着して隔膜12が設けられている。従来の電気メッキ装置では、メッキ液の金属イオンが陰極で金属にまで還元されてメッキが起こる一方、陰極で部分的に還元された金属イオンが陽極で再び酸化されて元の価数の大きなイオンに戻ってしまうという現象が起こり、メッキ処理の消費電力が増大したり処理に長時間を要してしまうという不都合があった。この傾向はメッキ金属が遷移金属の場合に顕著であり、特に白金族金属等の貴金属メッキの場合は、メッキ金属が金属イオンではなく負の価数を有する錯イオンとして存在しているので、錯イオンが陽極に引きつけられて陰極におけるイオンの減少を生じ、メッキ液を高濃度にしても電流密度が上がらず、電流効率が極めて悪くなるという問題があった。電気メッキ装置1では、隔膜12が陽極11を被包して設けられているので、メッキ液中の金属イオンや錯イオンの陽極側への移動が制限され、上記現象が抑制されて高い電流効率が達成されるものである。また、陽極11を隔膜12で被包することにより、陽極で発生する電化ガスをより効率よく陽極11内の中空部112に捕集するので、有害ガスの排気効果をさらに向上させることができる。
【0030】
隔膜12としては、液透過性膜であってかつ金属イオン等の陽極側への移動を阻止し得るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン膜、ポリプロピレン膜等の微細孔を有する熱可塑性樹脂膜や、陰イオン交換樹脂膜、陽イオン交換樹脂膜等のイオン交換樹脂膜等を利用することができる。
【0031】
さらに、隔膜12の外周部には、隔膜12に密着してメッキ液保持体13が周設されている。メッキ液保持体13は、被メッキ物の被メッキ面(陰極)と陽極11の間にメッキ液を保持するためのものであり、液保持性があり、メッキ液に耐蝕性があり、絶縁性があり、かつ被メッキ面に均等に接触し得るものであれば、材質や形状は限定されるものではなく、例えば、ウレタンフォーム等のフォームラバーやスポンジゴム等をブロック状等の各種形状に加工したもの、天然繊維、合成繊維等を束ねたもの、またはこれらの織布、不織布、フェルト等、動物の毛髪等を筆状にしたもの等を使用することができる。
【0032】
次に、本実施形態にかかる電気メッキ装置の使用態様について説明する。図3は、電気メッキ装置1を利用した電気メッキシステムの一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、電気メッキ装置1は、メッキ液保持体13にメッキ液2を充填し、メッキ液保持体13の陽極11に対向する端部を被メッキ物3の被メッキ面に接合させ、陽極11と被メッキ物3(陰極)間を印加することにより使用される。
【0034】
より具体的には、メッキ液保持体13には、送液管41を介してメッキ液調整槽42が連結され、循環ポンプ43によりメッキ液保持体13とメッキ液調整槽42との間でメッキ液2が循環される。不溶性陽極を使用した電気メッキ装置では、反応の進行に伴い次第に陰極近傍はアルカリ性に、陽極近傍は酸性に移行する傾向があり、メッキ被膜の状態が変化し、場合によっては水酸化物が生成するという問題があった。したがって、本実施形態にかかる電気メッキ装置では、メッキ液を循環させるシステムとすることにより、常に安定したメッキ層の形成を実現するものであり、また常に調整がなされたメッキ液が供給されることにより、均質なメッキ処理を行うことができる。但し、使用するメッキ液の組成やメッキ処理条件等によっては必ずしもメッキ液を循環させる必要はなく、通常どおり新しいメッキ液を適宜スポイト等でメッキ液保持体13に滴下して補給し、使用後のメッキ液は廃液として被メッキ物側から回収するようにしてもよい。
【0035】
また、電気メッキ装置1の陽極11はケーブル51を介して電源52の陽極に、被メッキ物はケーブル51を介して電源52の陰極にそれぞれ連結され、印加される。電源52により供給される電流は、通常は直流であるが、脈流や交番電流を含むものであってもよく、用途に応じて使い分けることができる。
【0036】
さらに、電気メッキ装置1の陽極11の中空部112には排気管61が連結され、メッキ処理中に陽極11で発生し気孔111を通じて中空部112で捕集されたガスが、排気管61を介して排気ブロワ62により図示しないガス処理装置または作業場の外部に排気される。塩素系メッキ液の場合に発生する塩素ガスは当然のこととして、硫酸系メッキ液の場合でも酸素ガスと同時に電解液ミストが発生するので、このように電解ガスを分離して処理することが望ましく、これによって室内への有害ガスの揮散を防ぎ、作業場の雰囲気を良好に保つことが可能となる。
【0037】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
【実施例1】
【0038】
次に、本発明の電気メッキ装置を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
【0039】
見かけ厚さ1mmのチタン製のエクスパンドメッシュを基材として、直径30mm、長さ60mmの円筒体を作り、これの表面に酸化イリジウムと酸化タンタルをモル比で80:20となるようにそれらの前駆物質液を塗布し、焼き付けて不溶性陽極を作成した。この陽極の外周に、隔膜として厚み0.1mmのポリプロピレン製袋を陽極と密着するように被せた。なお、この隔膜と陽極の間に十分な液保持がなされるように、この袋と陽極の間にクッション材の役割も兼ねてポリプロピレン製の綿を詰め込んだ。別に、直径60mm、厚み60mmの円柱状ウレタンフォームに、隔膜付き陽極を嵌め込むためのくぼみを設けたものを用意し、これに上記で得られた隔膜付き陽極を嵌着した。この際、陽極の下端面がウレタンフォームの下面から20mmとなるようにした。これにより図1に示すような電気メッキ装置を作成した。なお、陽極の上部はポリプロピレン製の漏斗を逆向きに取り付け、排気管を連結して電解ガスを排気した。20g/lの塩化ルテニウム酸水溶液をメッキ液としてウレタンフォームにしみこませ、清浄にしたニッケル板の表面にメッキを行った。メッキ処理は、ニッケル面での電流密度が10A/dmとなるようにし、室温で行った。この時の電流効率を重量増加から計算したところ40%であった。また作業場の周辺に臭気はでなかった。
[比較例1]
【0040】
実施例1において、陽極の外周に隔膜を設けなかった以外は同様にして電気メッキ装置を作成しメッキ処理を行ったところ、電流効率は5%であり、塩素臭が周辺に漂った。これは、陽極からの塩素ガスの揮散および塩化ルテニウムの陽極酸化によるメッキ効率の低下によるためと考えられる。
[実施例2]
【0041】
実施例1において、ウレタンフォームの代わりにポリプロピレン製の繊維を束ねた筆状のものを陽極下端面に厚み0.5mm程度にポリプロピレンの隔膜を間に挟んで充填したメッキ装置を作った。メッキ液として50g/lの塩化イリジウム酸水溶液をポリプロピレン繊維にしみこませて、室温で、電流密度1A/dmでメッキを行った。電流効率22%で平滑なメッキができた。一方、隔膜をはずして陽極に直接ポリプロピレン繊維をつけたものではイリジウムの析出がほとんど見られなかった。
[実施例3]
【0042】
実施例1で作成した装置を用いて図2のような装置を組み、長時間の連続メッキを行った。被メッキ面を500×500mmとし、被メッキ面を移動させながらメッキを行った。メッキ液は被メッキ面から余剰分を吸い上げ、調整槽で液濃度を調整し、それを隔膜部分に戻すようにした。これにより、電流密度10A/dm、総合電流効率26%で連続3時間のメッキを行うことができた。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の部分メッキ装置は、メッキ処理中に電解ガスを揮散させることがなく作業環境を良好に維持して安全に作業することができ、大型品の部分メッキ、あるいは大型部品のメッキ、その他現場処理を必要とする各種部分メッキに使用することができ、特に大型品の部分メッキ、例えば電気機械の導電物表面へのメッキや、メッキ剥離部分の手直しメッキ等に好適に使用することができる。
【0044】
また、本発明の部分メッキ装置は、各種金属メッキに使用することができるが、中でも、金、銀、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、スズ、白金等の陽極酸化を受け易い遷移金属のメッキに好適に使用することができ、特に、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム等の対極の影響を受けやすい白金族金属のメッキに好適に使用することができ、いずれも高い電流効率で安定したメッキ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態にかかる電気メッキ装置1の構成を示す縦断面図である。
【図2】電気メッキ装置1の構成を示す横断面図である。
【図3】電気メッキ装置1を利用した電気メッキシステムの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 電気メッキ装置
11 陽極
111 気孔
112 中空部
12 隔膜
13 メッキ液保持体
2 メッキ液
3 被メッキ物
3 連続
41 送液管
42 メッキ液調整槽
43 循環ポンプ
51 ケーブル
52 電源
61 排気管
62 排気ブロワ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不溶性陽極と、
前記陽極に周設されたメッキ液保持体と、を備え、
前記陽極は中空体構造をなし、前記陽極の壁部には外部と中空部を連通する多数の気孔が形成されてなる、
部分メッキ装置。
【請求項2】
メッキ処理中に前記陽極表面で発生した電解ガスが前記気孔から捕集され前記中空部を通じて系外に排気されることを特徴とする、
請求項1に記載の部分メッキ装置。
【請求項3】
前記中空部は排気管を介してガス処理装置と連結されており、
前記電解ガスは前記ガス処理装置で処理されることを特徴とする、
請求項1または2に記載の部分メッキ装置。
【請求項4】
前記陽極は表面に電極物質を被覆したチタンエクスパンドメッシュからなることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の部分メッキ装置。
【請求項5】
前記陽極と前記メッキ液保持体との間に隔膜が密着して設けられてなる、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の部分メッキ装置。
【請求項6】
前記隔膜はメッキ液中の金属イオンまたは金属錯イオンの透過を抑制することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の部分メッキ装置。
【請求項7】
前記メッキ液保持体はフォームラバーまたは筆状である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の部分メッキ装置。
【請求項8】
前記メッキ液保持体は送液管を介してメッキ液調整槽と相互に連結されており、
前記メッキ液保持体から回収されたメッキ液は前記メッキ液調整槽で調整され前記メッキ液保持体に戻されることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の部分メッキ装置。
【請求項9】
メッキ金属が遷移金属である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の部分メッキ装置。
【請求項10】
メッキ金属が白金族金属である、
請求項9に記載の部分メッキ装置。
【請求項11】
不溶性陽極と前記陽極に周設されたメッキ液保持体とを備えた部分メッキ装置を用いた部分メッキ方法であって、
メッキ処理中に前記陽極表面で発生した電解ガスを捕集し系外に排気することを特徴とする、
部分メッキ方法。
【請求項12】
前記陽極を隔膜で被包し、メッキ液中の金属イオンまたは金属錯イオンの陽極側への透過を抑制することを特徴とする、
請求項11に記載の部分メッキ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−9058(P2006−9058A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184549(P2004−184549)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000136561)株式会社フルヤ金属 (48)
【Fターム(参考)】