説明

部分硬化加工物の軟質ゾーン領域の幅を定量的に決定する方法

本発明は、少なくとも1つの硬化領域(2)および少なくとも1つの未硬化領域(3)を有する部分硬化金属加工物(1)の軟質ゾーン領域(3)の長さを、少なくとも1つの多周波渦電流センサ(4)によって、定量的に決定する方法に関する。加工物が、いつも分離されながら、多周波渦電流センサ(4)に対して移動され、それによって多周波渦電流センサ(4)で生成された渦電流場が空間的に範囲を定められて加工物(1)と無接触に相互作用し、加工物(1)に渦電流を引き起こし、この渦電流が、今度は、多周波渦電流センサ(4)に測定信号を生成し、それによって、空間的に範囲を定められた渦電流場が、加工物表面に対して長手方向に向けられかつ加工物表面に沿った軟質ゾーン領域(3)の最大延長(6)よりも大きな最も大きな延長部分を有していることを、本発明は特徴とする。さらに、n個の加工物の数が較正目的のために測定され、それによって、軟質ゾーン幅の所定の標準的な大きさ、すなわち加工物表面に対して長手方向に向けられた軟質ゾーン領域の延長部分の特定の大きさを想定して、n個の加工物の測定信号が、較正曲線を作るために使用される。最後に、較正曲線を基礎として利用しながら、絶対軟質ゾーン幅(b)は、各個々の加工物(1)から得られた測定信号に対応付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの硬化領域および少なくとも1つの未硬化領域を有する部分硬化金属加工物の軟質ゾーン領域の幅を、少なくとも1つの多周波渦電流センサによって定量的に決定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機でしばしば使用される構成要素はいわゆる遊星形変速機であり、この変速機の歯車の歯は常に相互にかみ合っている。多数の異なった設計の遊星形変速機にもかかわらず、これらの型の全ての変速機には、遊星歯車(planet wheel)として設計された少なくとも1つの歯車が、中心に位置する太陽歯車(sun wheel)および周辺を走るリング歯車 と互いにかみ合うという共通点がある。通常、いわゆる遊星歯車のボルトは、遊星歯車の中心を通り抜けて、両側に延びている。そのような型の遊星歯車のボルトを作るために、中実または中空の円柱状金属棒が、所望の長さに切断される。材料の硬度を改善するために、切断された円柱状片は硬化プロセスにかけられる。個々の円柱状加工物の前端部を後で加工するために、それぞれの前端部は硬化プロセスにかけられない。加工物を硬化するために、そのようなものとして知られている誘導硬化が使用され、この誘導硬化を用いて、加工物の前端部の領域を除いて実質的に全円柱状加工物を効果的に加熱することができる。故意に硬化プロセスにかけるべきでない加工物の前端領域は、加工物のそれぞれの大きさに依存して、軸方向延長部分、つまり数ミリメートル好ましくは1.5mmから2.5mmの幅を有している。
【0003】
それから、前述の方法で部分的に硬化された円柱状加工物の前端部は、通常、材料除去プロセスによって加工される。容易に理解されることであるが、加工物がすべて硬化されると、仕上げステップを行うことはいっそう困難になり、除去ツールをいっそう磨耗させることであろう。このために、部分的に硬化された加工物の前端部が、未硬化状態のままで残っているいわゆる「軟質ゾーン領域」であることを保証するために、半完成製品として存在する部分硬化円柱状加工物を前述の条件の下で部分的に硬化させることに特に関心がある。
【0004】
これまで、部分硬化半完成製品の品質を制御するために、そのようなものとして知られている制御方法、例えば前端軟質ゾーン領域の目視検査などは、加工物の硬化領域を未硬化領域と区別することができるために訓練された目を必要とする。適切な視角で、かつ適切な照明条件の下で、光は軟質ゾーン領域の表面で硬化加工物の表面領域と極めて僅かに違ったように反射し、それぞれ散乱する。確かに、この制御方法は費用がかかり、かつ時間のかかるものである。さらに、制御スタッフは疲れる傾向がある。したがって、制御の信頼性を望ましいように保証することができない。
【0005】
スタッフを雇う必要を無くするために、1つの光学的制御測定方法が知られており、この方法は、軟質ゾーン領域が硬化ゾーンと違っている色差の検出を可能にする。
【0006】
光学的方法のほかに、例えば、電磁的な方法、例えばDE3620491C2に記載されている多周波渦電流法が知られている。渦電流の原理は、誘起された渦電流の不規則から微細構造の差だけでなく表面の傷も検出する。走査プローブ又は包囲プローブがこの渦電流を誘起し、かつ、同時に、この渦電流によって生成された電磁場を測定する。前述の印刷刊行物に記載されている多周波渦電流によって得られた測定信号の評価は、多数の測定周波数を使用したインピーダンス平面における楕円評価に基づいており、検査されるべき加工物についての単に定性的な所見を可能にするだけである。提案された評価方法を用いて、存在する軟質ゾーン領域の絶対的な大きさをはっきり示すことはできない。
【0007】
また、いわゆる磁気バルクハウゼン雑音法が知られており、この方法では、動的逆磁化プロセスによって、検査されるべき加工物中に高周波バルクハウゼン発振が誘起される。高周波バルクハウゼン発振は、磁気誘導受信器で検出することができる。バルクハウゼン雑音の強さは硬化ゾーン領域よりも軟質ゾーン領域で非常に強いので、2つの加工物領域の差を識別しかつ測定することができるようになる。しかし、不利点は、励起ヨークを必要とし、かつ妨害する外からの影響に対して非常に敏感なことであり、このために、そのような型の方法の産業的な使用は限られた範囲でのみ可能である。
【0008】
DE4310894A1は、導電性加工物の表面の非破壊検査の方法および試験プローブを記載している。この印刷刊行物に記載されている試験プローブは、導電性加工物の微細構造の硬さ、厚さおよび状態についての情報を得ることを可能にするはずである。多周波渦電流センサを使って、加工物中で作用する交番磁界と多周波交番センサの試験コイルに誘起された測定可能電圧の相互作用によって、交番磁界の浸透する深さ領域の被検査表面の少なくとも1つの材料特性について情報を得ることができる。特に、検査されるべき導電性加工物に沿って硬度プロファイルの推移を決定する従来技術方法は、加工物のそれぞれの表面層の厚さを決定するのに役立つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、簡単で経済的な手段によって、好ましくは半製品の形で存在する遊星歯車のボルトである部分硬化加工物の軟質ゾーン領域を迅速かつ正確に定量的に決定することを可能にするように、少なくとも1つの硬化された領域および少なくとも1つの未硬化領域を有する部分硬化金属加工物の軟質ゾーン領域の大きさを、少なくとも1つの多周波渦電流センサを使用して、定量的に決定する方法を提供することである。産業的な規模で、かつインライン動作で、すなわち連続またはパルス動作の生産ラインで、本方法を使用することは、当然可能なはずである。
【0010】
軟質ゾーン領域が測定されるべきである定量的測定は、例えば±0.3mmの精度で十分に正確でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明が基づいている目的の解決策は、請求項1に述べられている。発明の概念をさらに発展させる特徴は、従属請求項の内容であり、好ましい実施形態に関しての更なる説明から得ることができる。
【0012】
本発明に従って、多周波渦電流センサによって生成された渦電流場が空間的に範囲を定められて加工物と無接触で相互作用し、その加工物に渦電流を生成し、そして今度はこの渦電流が多周波渦電流センサに測定信号を生成するように、加工物は多周波電流渦センサに対して常に個々に動かされるか又は送られるという点で、請求項1の一般的な部分に従った方法が開発され、この範囲を定められた渦電流場は加工物の表面に対して長手方向に向けられた最も大きな延長部分を有し、この最も大きな延長部分は加工物の表面に対して長手方向の軟質ゾーン領域の最大延長部分よりも大きい。
【0013】
前述の測定前提条件で、第1のステップにおいて目的は、好ましくは測定されるべき加工物のグループからのものである個数nの加工物から得られた較正データを生成することである。軟質ゾーンの幅の所定の標準的な大きさ、すなわち加工物の表面に対して長手方向の延長部分の所望の大きさを仮定して、n個の加工物の測定信号が較正曲線をプロットするために使用される。それから、このようにして得られた較正曲線を使用して、後で搬送された加工物が同じように測定される。較正曲線に基づいて、今や、得られた測定信号各々を絶対軟質ゾーン幅に対応付けることができる。
【0014】
したがって、第1のステップで、連続したパルス方法で加工物が測定センサに向けて搬送されている間に行われる動的較正、すなわち、絶対値として存在する軟質ゾーン幅の形の所望の大きさと測定信号を関係づけることを、本発明の方法は特徴とする。第2のステップで、そのあとに多周波測定センサに搬送される全ての後の加工物の軟質ゾーン幅は、高い精度で定量的に決定される。したがって、本発明の方法は、行われる品質制御が完全に無接触であるので、コンベアベルトの加工物の流れに影響を及ぼすことなく産業生産ラインで使用することができる。
【0015】
本発明の方法は、半完成製品としての遊星歯車のボルトを測定することに関して下記で説明され、このボルトは、上記で言及したように円柱状の形および前端部に設けられた2つの軟質ゾーン領域を有している。前端部の軟質ゾーン領域は、軸方向により長い寸法で作られた硬化された中間領域で互いに隔てられている。
【0016】
もちろん、本発明の方法は、硬化または未硬化加工物領域の正確な空間的延長についての情報が問題とされる他の部分硬化加工物にも応用することができる。
【0017】
本発明は、全体的な発明の概念を限定するつもりでなく、添付の図面に関連した好ましい実施形態を使用して、下記で例としていっそう明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、遊星歯車のボルト1を非常に模式的に示し、この遊星歯車のボルト1は、中実金属材料で作られ、誘導硬化による硬化ゾーン2をボルト1の中間領域に有している。図1は、測定状態の前面図だけでなく側面図も示す。両側で硬化ゾーン2に付属して、未硬化領域すなわちいわゆる軟質ゾーン領域3があり、この軟質ゾーン領域3は、遊星歯車のボルト1の前端部で終わっている。遊星歯車のボルト1の形および寸法に依存して、軟質ゾーン領域3は、通常、軸方向の長手延長部分、すなわち1.5mmから2.5mmの範囲の軟質ゾーン幅bを有している。
【0019】
軟質ゾーン幅bについての知識は後の加工プロセスのために重要であり、その加工プロセスの結果として半完成製品としての遊星歯車のボルトはある外形をとり、その外形は、例えば、軟質ゾーン領域3の内側での特定目的に合わせた材料除去によって決る。その軟質ゾーン幅bを正確に測定するために、多周波渦電流センサ4は、図1に示す方向で、遊星歯車のボルト1の長手延長部分に平行に、このボルト1からある距離のところで動かされる。産業用途では、多周波渦電流センサ4が所定の位置にあり、測定されるべき加工物がコンベア経路に沿ってセンサ部分に1個づつ運ばれるのが有利である。
【0020】
多周波渦電流センサ4は、移動方向(矢印を見られたい)に向いた実効的な幅を有している。この実効的な幅は、軟質ゾーン幅3の軸方向延長よりも大きいので、遊星歯車のボルト2に対して適切に位置付けすることで多周波渦電流センサ4によって生成される渦電流場は軟質ゾーン領域3を完全に覆って延びることが保証されるようになる。
【0021】
軟質ゾーン幅bを正確に決定するために、多周波渦電流センサ4で生成される渦電流場が同時に軟質ゾーン3に隣接した硬化ゾーンの一部の領域に浸透できる状態で、多周波渦電流センサ4が軟質ゾーン3を完全に覆って延びる測定配列が作られなければならない。図1は、そのようなタイプの測定配列を示す。
【0022】
多周波渦電流センサ4と遊星歯車のボルト1の間の相対的な動きは一定の速度で生じるので、求められる軟質ゾーン幅bの測定が可能である時間点、つまり図1に示すようなその測定配列、が決定されなければならない。
【0023】
通常、渦電流測定センサ4が遊星歯車のボルト1の全長にわたって動く間に多数の単一測定信号が検出されるように、多周波渦電流センサ4による測定信号の検出は、パルス方法で行われる。多周波渦電流センサ4は4つの異なる試験周波数を用いて都合良く動作するので、最終的に測定点ごとに4つの測定信号が得られるようになる。複素インピーダンスレベルでのさらなる評価のために、測定信号は各々位相と振幅に従って実部と虚部に分割される。したがって、測定点ごとに8個の異なる測定信号成分が信号評価の為に利用できる。
【0024】
遊星歯車のボルト1の軸方向に表面に沿って多周波渦電流センサ4が相対的に動く間に得られた測定信号から、その得られた測定信号は、測定周波数ごとに振幅位置曲線の形で表すことができる。図2に示す振幅位置曲線(X軸は位置座標に対応し、測定信号の振幅レベルがY軸に沿ってプロットされている)によって、軟質ゾーン幅bを測定するために必要とされる前述の測定配列で得られたその測定信号を正確に引き出すことができる。振幅位置曲線から測定評価に関連した測定信号の決定、又は選択は、センサと加工物の間の相対的速度が十分に一定である場合、実験的に得られたデータに基づいて行われる。
【0025】
左の軟質ゾーン3として図1に示される軟質ゾーンの幅を決定するために測定信号が引き出されるのと同じ方法で、軟質ゾーンの幅を決定する特定の測定信号を図1の右の軟質ゾーン3について得ることもできる。
【0026】
前述の説明は、多周波渦電流センサ4と測定されるべき遊星歯車のボルト1の間の相対的な空間位置を、多周波渦電流センサ4で得られた測定信号を使用するだけで、無接触に決定することができることを示している。
【0027】
振幅および位相データとして得られた測定信号が、例えば絶対mm値を与えることによって、正確な幅値bに対応付けされる前に、測定信号は較正されなければならない。この較正は、本発明に従って、動的に行われる。すなわち、多周波渦電流センサ4の方への測定されるべき遊星歯車のボルトの通常生産搬送中に行われる。半完成製品としての部分硬化遊星歯車のボルトが、いわゆるO.K部品、すなわち、知られている適切な寸法に作られた軟質ゾーン幅bを有する遊星歯車のボルトであるという前提で、多周波渦電流センサ4に搬送される加工物の最初のn個は較正のために選ばれる。単一遊星歯車のボルトが適切な方法で較正の目的のために測定され、前述の方法で測定された遊星歯車のボルトが絶対的な軟質ゾーン幅bと関連した測定信号を常に与える。例えば振幅位置曲線から遊星歯車のボルト1の左前端部に隣接した軟質ゾーン幅bを表す測定信号を引き出すために、実験的に得られたデータに基づいて点P1が選ばれる。点P1と極小点の間にある測定信号の数は、実験的に決定される。右軟質ゾーンの幅を表す点P2の選択は、同じように行われる。
【0028】
しかし、較正曲線の決定は、遊星歯車のボルトの真中、したがって硬化ゾーン2の真中で測定信号を検出することによって与えられる少なくとも1つの追加の測定点を必要とする。この測定信号P3は、振幅位置曲線の極小点と極大点の間にある。この領域が軟質領域を含まないことが確実に想定できるとき、軟質ゾーン幅bはゼロに等しい。これらの2つの測定値に基づいて、較正曲線がプロットされ、この較正曲線が、後の遊星歯車のボルトのさらなる測定の基礎として使用される。
【0029】
全ての遊星歯車のボルトは搬送方向に続くので、較正目的のために既に測定された遊星歯車のボルトは、全く同じ方法で、しかし得られた較正曲線に基づいて、軟質ゾーン幅bに関して測定される。これは、画定された測定配列で得られた測定信号を、較正曲線から得ることができる、軟質ゾーン3の幅値に対応付けることによって行われる。
【0030】
測定精度をさらに高めるために、較正目的に使用された遊星歯車のボルトは、後で、従来の測定方法を使用して、それぞれの軟質ゾーン幅bに関して測定することができる。従来の測定方法、例えばエッチングされたボルトの軟質ゾーン幅の目視測定が、この場合に軟質ゾーンは硬化ゾーンと色が明らかに違っており、動的較正によって得られた測定信号から外れている場合、較正曲線をそれに応じて補正することができる。
【0031】
本発明の方法を使って、最高で1分に60個の遊星歯車のボルトを正確に測定することができるように、遊星歯車のボルトを搬送経路に沿って多周波渦電流センサの方に搬送することができる。軟質ゾーンの幅値に関して±0.3mmの定量的精度で測定を行うことができる。本試験方法のこの非常に高い精度および信頼性は、非常に低い偽拒絶率をもたらす。この偽拒絶率は、自由に選択可能な許容誤差の範囲を超えて間違って評価された測定遊星歯車のボルトの割合を与える。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】多周波渦電流センサのある部分硬化遊星歯車のボルトを示す模式的な説明図である。
【図2】測定されるべき加工物と多周波センサの間の画定された相対的位置を決定するための振幅位置曲線を示す定性的な概略説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 遊星歯車のボルト
2 硬化ゾーン
3 軟質ゾーン
4 多周波渦電流センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの硬化領域と少なくとも1つの未硬化領域とを有する部分硬化金属加工物の軟質ゾーン領域の幅を、少なくとも1つの多周波渦電流センサによって定量的に決定する方法であって、
前記多周波渦電流によって生成された空間的に範囲を定められた渦電流場が加工物と無接触に相互作用し、前記加工物中に渦電流を生成し、この渦電流が今度は前記多周波渦電流センサ中に測定信号を生成するように、ただ1つの前記加工物が前記多周波渦電流センサに対して個々に動かされ、前記空間的に範囲を定められた渦電流場は前記加工物の表面に対して長手方向に向けられた最も大きな延長部分を有し、この延長部分は前記加工物の表面の長手方向の前記軟質ゾーン領域の最大延長部分よりも大きく、
較正目的のために個数nの加工物が測定され、前記n個の加工物の前記測定信号が、前記軟質ゾーンの幅の所定の標準的な大きさ、すなわち前記軟質ゾーン領域の、加工物の表面に対して長手方向に向けられた延長部分の所望の大きさを使用して、較正曲線をプロットするために使用され、さらに、絶対軟質ゾーン幅が、前記較正に基づき各個々の加工物から得られる前記測定信号に対応付けられる方法。
【請求項2】
前記加工物は、円柱状に設計され、かつ前記加工物の円柱軸に沿って前記渦電流センサに対して動かされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加工物は、円柱状形状と、硬化された中間領域で隔てられた前記円柱形状の前端部にある2つの軟質領域とを有する遊星歯車のボルトであり、前記中間領域が前記軟質ゾーン領域よりも大きな軸方向延長を有し、前記軟質ゾーン領域が各々軸方向延長、すなわち1.5mmから2.5mmの軟質ゾーン幅を通常有している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
一定速度で前記多周波センサに対して絶えず動いている加工物の測定中に、多数の測定信号が生成されかつ振幅位置曲線としてプロットされるように、前記多周波渦電流センサは動作し、さらに、
前記振幅位置曲線の少なくとも1部分から、前記加工物が前記多周波渦電流センサに対して画定された位置を有する測定配列が選ばれ、この位置で測定信号が記録され、その測定信号が前記軟質ゾーンの幅を決定するために使用される、請求項1から3の1項に記載の方法。
【請求項5】
前記多周波渦電流センサの渦電流場が移動方向の少なくとも長手延長に前記軟質ゾーン領域を完全に含むように、前記画定された位置が選ばれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画定された位置が、前記振幅位置曲線の評価だけによって決定される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
4つの異なる試験周波数で動作可能な多周波渦電流センサが、前記多周波渦電流センサとして使用される、請求項1から6の1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−510916(P2007−510916A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538670(P2006−538670)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/010287
【国際公開番号】WO2005/052568
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(500242786)フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. (47)
【Fターム(参考)】