説明

部品供給ユニット、電子部品実装機および電子部品実装システム

【課題】部品供給ユニット、電子部品実装機および電子部品実装システムにおいて、部品供給ユニット自体に装着予定位置を表示させることで、装着予定位置を確実に確認でき、ひいては誤装着を確実に抑制する。
【解決手段】テープ式フィーダ25は、電子部品実装機に着脱可能に装着され電子部品実装機に部品を供給する部品供給ユニットであって、テープ式フィーダ25が装着される装着予定位置の情報を表示する表示器25dと、装着予定位置情報を取得する取得部25fと、取得部25fによって取得された装着予定位置情報を記憶する記憶部25gと、を備え、電子部品実装機に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機への装着準備ができたテープ式フィーダ25の表示器25dに、記憶部25gに記憶されている装着予定位置情報を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給ユニット、電子部品実装機および電子部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品供給ユニットの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、部品供給ユニット(テープフィーダ(104))は、少なくとも部品実装装置を含む外部装置と電気接続する電気接続手段(112、114)と、前記電気接続により得られる所定の情報を記憶する記憶手段(118)と、前記記憶された情報に基づいて情報を表示する表示手段(118)と、を有するように構成されている。
【0003】
この部品供給ユニットが部品実装装置と電気接続されているときにおいて、部品供給ユニットが部品実装装置の正しい位置に装着された場合、表示部222に装着位置を示す番号や記号などを例えばLEDを点灯させてセグメント表示させる等して表示させ(S308)、一方、間違った位置に装着された場合、表示部222には装着位置とは異なる旨を示す番号や記号などがセグメント表示される(S310)。
【0004】
また、部品供給ユニットを収納するパーツカセット収納装置の一形式として、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図1に示されているように、パーツカセット収納装置は、電子部品がテープ状のテープ部材上に取付けられ、テープ部材が巻かれて収納されているパーツカセット(50)を収納するパーツカセット収納装置であって、パイプで作成されるフレーム(1)と、取り出される、もしくは収納されるパーツカセット(50)の位置を表示する表示器(4)と、収納されるパーツカセット(50)の位置に対応して表示器(4)が取り付けられる表示器取付部材(2)と、パーツカセット(50)をフレーム(1)に固定するホルダと、ホルダにパーツカセット(50)が収納されていることを検知するスイッチ(8)と、ホルダが取付けられるホルダ取付部材と、スイッチ(8)からの信号を受信し、表示器(4)の表示を制御する演算装置(7)と、を具備するようになっている。
【0005】
このパーツカセット収納装置においては、その収納装置から取り出されるまたは収納されるパーツカセット(50)を、そのパーツカセット(50)の位置に対応した表示器(4)を点灯等させることで、作業者に知らせるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−047572号公報
【特許文献2】特開2004−134676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の部品供給ユニットにおいては、この部品供給ユニットが部品実装装置と電気接続されているときにおいて、部品供給ユニットが部品実装装置の正しい位置に装着された場合、表示部222に装着位置を示す番号や記号などを例えばLEDを点灯させてセグメント表示させる等して表示させ(S308)、一方、間違った位置に装着された場合、表示部222には装着位置とは異なる旨を示す番号や記号などがセグメント表示される(S310)ようになっている。
【0008】
また、特許文献2に記載のパーツカセット収納装置においては、電子部品実装機に装着されるパーツカセット(50)を、その位置と関連付けられた表示器(4)を点灯等させることで作業者に知らせている。しかし、パーツカセット(50)をパーツカセット収納装置から一旦外すと、パーツカセット(50)には、装着予定位置が表示されていないため、誤装着するおそれがある。
【0009】
以上のことから、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの表示器に装着予定位置情報を表示させることが要請されている。
【0010】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、部品供給ユニット、電子部品実装機および電子部品実装システムにおいて、部品供給ユニット自体に装着予定位置を表示させることで、装着予定位置を確実に確認でき、ひいては誤装着を確実に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明である部品供給ユニットの構成上の特徴は、電子部品実装機に着脱可能に装着され電子部品実装機に部品を供給する部品供給ユニットであって、部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を表示する表示器と、装着予定位置情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された装着予定位置情報を記憶する記憶手段と、を備え、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの表示器に、記憶手段に記憶されている装着予定位置情報を表示させることである。
【0012】
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、電子部品実装機に供給される部品が収納されている部品テープが巻きつけられ部品供給ユニットに着脱可能に装着されるリールと、リールが部品供給ユニットに装着されているか否かを検知する装着センサと、リールと部品供給ユニットとの関連付け情報を取得する取得手段と、をさらに備え、リールを交換する際に、古いリールが部品供給ユニットから外されると、装着センサが未装着を検知して表示器にリールが未照合である旨を表示させ、その後新しいリールが部品供給ユニットに取り付けられると装着センサが装着を検知し、その後取得手段が新しいリールと部品供給ユニットの関連付け情報を取得した場合、表示器に表示されているリールが未照合である旨の表示を取り止め、一方、部品供給ユニットの関連付け情報を取得しない場合、表示器に表示されているリールが未照合である旨の表示を継続させることである。
【0013】
また請求項3に係る発明である電子部品実装機の構成上の特徴は、請求項1または請求項2に記載の部品供給ユニットが着脱可能に装着されることである。
【0014】
また請求項4に係る発明である電子部品実装システムの構成上の特徴は、複数の部品供給ユニットからそれぞれ供給される部品を基板に実装する複数の電子部品実装機を生産エリアに設置し、各電子部品実装機と通信可能に接続されて各部品供給ユニットの部品を管理する部品管理装置を、各部品供給ユニットに部品を予めセットする部品準備エリアに設置してなる電子部品実装システムにおいて、部品供給ユニットは、部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を表示する表示器と、装着予定位置情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された装着予定位置情報を記憶する記憶手段と、を備え、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの表示器に、記憶手段に記憶されている装着予定位置情報を表示させるものであり、部品管理装置は、部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの取得手段に少なくとも送信することである。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの表示器に、記憶手段に記憶されている装着予定位置情報を表示させる。すなわち、部品供給ユニット自体に装着予定位置を表示させることができる。これにより、部品供給ユニットが電子部品実装機に装着される前の段階において、作業者が、単独で運ばれている部品供給ユニットの表示器に表示されている装着予定位置を見ながら(確認しながら)、電子部品実装機の装着予定位置に確実かつスムーズに装着することができる。ひいては、誤装着を確実に抑制することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1において、電子部品実装機に供給される部品が収納されている部品テープが巻きつけられ部品供給ユニットに着脱可能に装着されるリールと、リールが部品供給ユニットに装着されているか否かを検知する装着センサと、リールと部品供給ユニットとの関連付け情報を取得する取得手段と、をさらに備え、リールを交換する際に、古いリールが部品供給ユニットから外されると、装着センサが未装着を検知して表示器にリールが未照合である旨を表示させ、その後新しいリールが部品供給ユニットに取り付けられると装着センサが装着を検知し、その後取得手段が新しいリールと部品供給ユニットの関連付け情報を取得した場合、表示器に表示されているリールが未照合である旨の表示を取り止め、一方、部品供給ユニットの関連付け情報を取得しない場合、表示器に表示されているリールが未照合である旨の表示を継続させる。これにより、作業者は、表示器の表示内容を見るだけで、新しく取り付けられたリールと部品供給ユニットとの関連付けが更新されていることを確認することができる。よって、部品供給ユニットを電子部品実装機に誤装着するのを抑制することができる。
【0017】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、上述した請求項1および請求項2の作用効果を有する電子部品実装機を提供することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、複数の部品供給ユニットからそれぞれ供給される部品を基板に実装する複数の電子部品実装機を生産エリアに設置し、各電子部品実装機と通信可能に接続されて各部品供給ユニットの部品を管理する部品管理装置を、各部品供給ユニットに部品を予めセットする部品準備エリアに設置してなる電子部品実装システムにおいて、部品供給ユニットは、部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を表示する表示器と、装着予定位置情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された装着予定位置情報を記憶する記憶手段と、を備え、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの表示器に、記憶手段に記憶されている装着予定位置情報を表示させるものであり、部品管理装置は、部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの取得手段に少なくとも送信する。
【0019】
これにより、部品準備エリアでは、部品管理装置は、部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を、電子部品実装機に装着される前の部品供給ユニットであって電子部品実装機への装着準備ができた部品供給ユニットの取得手段に少なくとも送信する。よって、部品供給ユニットは、装着予定位置を確実に取得することができる。また、部品準備エリアから生産エリアへ部品供給ユニットを運搬する運搬中においても、部品供給ユニット自体に装着予定位置が表示されているので、作業者は装着されるべき電子部品実装機に部品供給ユニットを確実に運搬することができる。さらに、生産エリアにおいては、部品供給ユニットが電子部品実装機に装着される前の段階において、作業者が、単独で運ばれている部品供給ユニットの表示器に表示されている装着予定位置を見ながら(確認しながら)、電子部品実装機の装着予定位置に確実かつスムーズに装着することができる。ひいては、誤装着を確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態に係る部品供給ユニット、電子部品実装機、電子部品実装システムを示す全体構成図である。
【図2】図1の電子部品実装ラインが設置された生産エリアを示す構成図である。
【図3】図2に示す電子部品実装機を示す上面図である。
【図4】(a)は、図3に示すテープ式フィーダを示す上面図であり、(b)は側面図である。
【図5】(a)は、図3に示すテープ式フィーダの構成を示す概要図である。
【図6】図2の電子部品実装機を示す機能ブロック図である。
【図7】図2の電子部品実装機管理用コンピュータを示す機能ブロック図である。
【図8】図1の部品管理用コンピュータを示す機能ブロック図である。
【図9】図8の記憶部に記憶されるフィーダ部品情報データベースを示す図である。
【図10】図8の記憶部に記憶されるフィーダ位置情報データベースを示す図である。
【図11】部品管理用コンピュータの表示部における表示状態を示す図である。
【図12】(a)はテープ式フィーダを運搬する運搬箱を示す上面図であり、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による部品供給ユニット、電子部品実装機および電子部品実装システムの一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は生産エリアに複数の電子部品実装機が設置され、部品準備エリアに部品管理装置が設置された電子部品実装システムを示す全体構成図であり、図2は複数の電子部品実装機からなる複数の電子部品実装ラインが設置された生産エリアを示す構成図である。
【0022】
電子部品実装システムは、生産エリアAs内に設置された複数の電子部品実装ライン10と、生産エリアAs内に設置された電子部品実装機管理用コンピュータ30と、部品準備エリアAb内に設置された部品管理装置を構成する部品管理用コンピュータ40とから構成されている。電子部品実装ライン10、電子部品実装機管理用コンピュータ30および部品管理用コンピュータ40は、工場内のネットワークを構成するローカルエリアネットワーク(以下、LANという。)50を介して通信可能に接続されている。
【0023】
生産エリアAsには、各電子部品実装ライン10の近傍に予め部品(例えば電子部品リール25b)がセットされた部品供給ユニット(例えば、テープ式フィーダ)Dfが一時的に収納される棚Tas(部品供給ユニット一時置き場)が設置されている。部品準備エリアAbには、着荷エリアAtにて登録処理された電子部品リール25bを受け入れて収納する棚Tab1、空のテープ式フィーダ25を収納する棚Tab2、および、電子部品リール25bがセットされ登録処理されたテープ式フィーダ25を収納する棚Tab3が設置されている。
【0024】
各電子部品実装ライン10は、図2に示すように、複数の電子部品実装機20を並べて構成した一の生産ラインであり、各電子部品実装機20が協動して搬送した基板に電子部品を実装してプリント基板を生産するものである。図2には、3本の電子部品実装ラインすなわち第1〜第3電子部品実装ライン10−1〜10−3が生産エリアAsに配置されている例を示している。第1電子部品実装ライン10−1は、搬送方向に直列に配設された5台の電子部品実装機20から構成され、第2および第3電子部品実装ライン10−2,10−3は、搬送方向に直列に配設された3台の電子部品実装機20からそれぞれ構成されている。なお、左端の実装機20を1番目とし、右側に行くにしたがって順番を1ずつ繰り上げる。
【0025】
電子部品実装機20は、図3に示すように、基台21を備えている。基台21上には、基板S(S1,S2)をX方向に搬送する基板搬送装置22が設けられている。基板搬送装置22は、基板Sを所定方向(図3において右方向)に搬送するものであり、基台21上に互いに並列に組み付けられた第1および第2コンベヤ22a,22bを備えている。第1および第2コンベヤ22a,22bがそれぞれ連続したものが第1および第2ラインL1,L2である。
【0026】
第1コンベヤ22aは、搬送方向に延在しかつ互いに平行に対向して配置された第1ガイドレール22a1および第2ガイドレール22a2を備えており、第1および第2ガイドレール22a1,22a2は、基板S1を搬送方向に案内する。第2コンベヤ22bは、搬送方向に延在しかつ互いに平行に対向して配置された第1ガイドレール22b1および第2ガイドレール22b2を備えており、第1および第2ガイドレール22b1,22b2は、基板S2を搬送方向に案内する。
【0027】
また、基板搬送装置22には、各第1および第2ガイドレール22a1,22a2および22b1,22b2の直下に互いに平行に設けられた一対のコンベアベルトが並設されている。これらコンベアベルトは基板Sを支持して搬送方向に搬送する。
【0028】
第1ガイドレール22a1は、その直下のコンベヤベルトとともに搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動して位置決め固定されるようになっている。第1ガイドレール22b1、第2ガイドレール22a2,22b2も、第1ガイドレール22a1と同様に構成されている。これにより、各コンベヤ22a,22bは搬送する基板S1,S2の基板幅に対応してコンベヤ幅を変更できる。
【0029】
また、基板搬送装置22には所定の実装位置まで搬送された基板S1を押し上げてクランプ(位置決め支持)するバックアップ装置が備えられている。図3には、第1コンベヤL1にバックアップ装置22cが設置され、第2コンベヤL2にバックアップ装置が設置されてない状態を示している。バックアップ装置22cは、その上面に立設されて基板S1を下から押し上げて支持するバックアップピンを複数有しており、これらバックアップピンは基板を効果的に支持する位置に配置されている。この配置は基板の品種によって異なっている。なお、バックアップ装置22cはバックアップピン以外のものによって基板S1を支持するものもある。
【0030】
基板搬送装置22の上方(図3において紙面垂直上方向)には、同一水平面内で互いに直交するX軸およびY軸方向に移動するXYロボットに装着ヘッドを設けた部品移載装置23が設けられている。部品移載装置23においては、Y方向に細長い移動台23aが、Y方向と直交するX方向に延びる固定レール(フレーム)23bにX方向とY方向に移動可能に支持されている。なお、移動台23aのXおよびY方向への移動はボールねじを介してサーボモータにより制御されている。移動台23aには部品移載装置23cが取り付けられている。部品移載装置23cは、移動台23aに着脱可能に取り付けられる支持ベース23dと、この支持ベース23dにX方向およびY方向と直角なZ方向に昇降可能に支持されてボールねじを介してサーボモータにより昇降が制御される部品実装ヘッド23eと、この部品実装ヘッド23eから下方に突出して設けられて下端に電子部品(部品)を吸着保持する円筒状の吸着ノズル23fよりなるものである。
【0031】
電子部品実装機20の両側には、基板搬送装置22を挟んで電子部品供給装置24が配置されていて、この電子部品供給装置24は着脱可能な多数のテープ式フィーダ(部品供給ユニット)25を並設してなるものである。
【0032】
テープ式フィーダ25は、電子部品実装機20に着脱可能に装着され電子部品実装機20に部品を供給する部品供給ユニットである。テープ式フィーダ25は、図4に示すように、本体25aと、本体25aの後部に設けた電子部品リール25bと、本体25aの先端に設けた部品取出部25cと、少なくとも電子部品実装機20の装着予定位置を表示する表示器25dとを備えている。なお、部品供給ユニットは、テープ式のものだけでなく、トレイ上に電子部品が並べられているトレイ式のものやバルクケースに複数の電子部品を収容しているバルク式のものなどがある。
【0033】
電子部品リール25bは、電子部品実装機20に供給される電子部品(部品)が収納されている部品テープが巻きつけられテープ式フィーダ25に着脱可能に装着されるものである。具体的には、電子部品リール25bには電子部品が所定ピッチで封入された細長い部品テープ(図示省略)が巻回保持され、このテープがスプロケット(図示省略)により所定ピッチで引き出され、電子部品が封入状態を解除されて部品取出部25cに順次送り込まれるようになっている。
表示器25dは、例えば液晶画面や、7セグメントLEDなどで構成されている。
【0034】
テープ式フィーダ25は、図5に示すように、さらに、接続部25e、取得部25f、記憶部25g、制御部25hを備えている。接続部25eは、電子部品実装機20に電気的に接続されたり、部品管理用コンピュータ40と情報を互いに送信(送受信)するためのスタンド49aに電気的に接続されたりする接続部である。テープ式フィーダ25は、電子部品実装機20やスタンド49aに接続された状態で、電子部品実装機20や部品管理用コンピュータ40と情報を互いに通信する。
【0035】
取得部25f(取得手段)は、テープ式フィーダ25が装着される装着予定位置の情報を接続部25eを介して部品管理用コンピュータ40から取得するものである。記憶部25g(記憶手段)は、取得部25fによって取得された装着予定位置情報を記憶するものである。制御部25hは、取得部25fによって取得された装着予定位置を記憶部25gに記憶させるように制御している。
【0036】
また、制御部25hは、表示器25dに、記憶部25gに記憶されている装着予定位置情報を表示させるように制御している。例えば、装着予定位置が、第1ライン10−1の2番目の電子部品実装機20の10番目のテープ式フィーダ25の装着位置であれば、「1−2−10」と表示器25dに表示される。なお、電子部品実装機20の順番は搬送方向上流からの順番であり、テープ式フィーダ25の装着位置は、予め決められた配置順に従った順番である。例えば、本実施形態のように2列で構成されている場合、図3において上側(図面上方)の列の左から右への順番の後に下側の列の左から右へ順番とするようにしてもよい。
【0037】
テープ式フィーダ25は、さらに、装着センサ25iを備えている。装着センサ25iは、電子部品リール25bがテープ式フィーダ25に装着されているか否かを検知するものである。例えば、装着センサ25iは圧力センサで構成すればよい。圧力センサは、テープ式フィーダ25の本体に固定され電子部品リール25bが装着される軸(装着された電子部品リール25bが当接する部分)に配設すれば、電子部品リール25bが軸に装着されている場合には、圧力を検出し、装着されていない場合には、圧力を検出しない。
【0038】
取得部25fは、電子部品リール25bとテープ式フィーダ25(本体25a)との関連付けを示す情報(関連付け情報)をも取得するものである。例えば、部品準備エリアAbで電子部品リール25bを交換する際に、テープ式フィーダ25はスタンド49aにセットされた状態で交換される。このとき、交換後の新しい電子部品リール25bのIDとテープ式フィーダ25(本体25a)のIDは、バーコードリーダ43aで部品管理用コンピュータ40に取得され、交換後の電子部品リール25bとテープ式フィーダ25(本体25a)が関連付けられる。その関連付けられた情報(関連付け情報)が取得部25fによって取得される。
【0039】
制御部25hは、装着センサ25iからの検出結果および取得部25fからの関連付け情報を受け取るようになっており、それらの情報に基づいて表示器25dの表示を制御する。
【0040】
具体的には、電子部品リール25bを交換する際に、古い電子部品リール25bがテープ式フィーダ25から外されると、装着センサ25iが電子部品リール25bの未装着を検知し、制御部25hは、表示器25dに「リールが未照合である旨」を表示させる。その後、新しい電子部品リール25bがテープ式フィーダ25に取り付けられると、装着センサ25iが装着を検知する。装着を検知しても、制御部25hは、表示器25dに「リールが未照合である旨」の表示を継続させる。
【0041】
その後、取得部25fが新しい電子部品リール25bとテープ式フィーダ25の関連付け情報を取得した場合、制御部25hは、表示器25dに表示されている「リールが未照合である旨」の表示を取り止める。このとき、「リールが照合されている旨」の表示をするようにしてもよい。一方、取得部25fがテープ式フィーダ25の関連付け情報を取得しない場合、制御部25hは、表示器25dに表示されている「リールが未照合である旨」の表示を継続させる。
【0042】
なお、電子部品リール25bの交換は、スタンド49aにセットしていない状態でしてもよい。この場合、交換終了後であって、交換後の電子部品リール25bとテープ式フィーダ25(本体25a)との関連付けが終了するまで(その関連付け情報を取得するまで)、表示器25dには「リールが未照合である旨」が表示されているため、作業者は、その表示されているテープ式フィーダ25をスタンド49aにセットし、関連付け作業を行って関連付けを行う必要がある。関連付け作業が終了し、テープ式フィーダ25が関連付け情報を取得すれば、表示器25dに表示されている「リールが未照合である旨」の表示はなくなる。
【0043】
また、テープ式フィーダ25は、電源25j(例えば電池)を備えている。電源25jは、制御部25h、表示器25d、装着センサ25iなどの電気部品に電力を供給するものである。テープ式フィーダ25は、電源25jを備えているので、電子部品実装機20やスタンド49aに装着されていない、単独の状態でも、表示器25dに装着予定位置を表示させることができる。
【0044】
この電子部品実装機20は、図6に示すように、制御部20aを備えている。制御部20aに接続された通信部20bはLAN50を介して電子部品実装機管理用コンピュータ30および部品管理用コンピュータ40に接続されている。制御部20aはマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、所定のプログラムを実行して、基板への電子部品の実装を制御する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
【0045】
制御部20aには入力部20c、出力部20d、書き換え可能な記憶部20e、基板搬送装置22、電子部品供給装置24、部品移載装置23および画像処理部20fが接続されている。入力部20cは、作業者が操作して基板の実装に必要な指令、データなどを入力するものである。出力部20dは、基板実装制御に関する種々の状態を表示したり印刷したりするものである。記憶部20eは、装置全体を制御するシステムプログラム、システムプログラム上で装置の各要素をそれぞれ個別に制御する制御プログラム、基板の生産プログラム、キャリブレーションプログラム、その他各種アプリケーションプログラムやデータを記憶するものである。基板搬送装置22は、基板の搬入・搬出および位置決め支持を行うものである。部品移載装置23は、電子部品供給装置24により供給された電子部品を採取して基板搬送装置22により位置決め支持された基板上に実装するものである。画像処理部20fは、撮像した移載途中の部品の画像データ、撮像した基板の画像データなどを処理するものである。基板搬送装置22、電子部品供給装置24、部品移載装置23はサーボモータ、ステッピングモータなどの駆動機構を備えている。
【0046】
電子部品実装機管理用コンピュータ30は、主として各電子部品実装機20の運転を統括して制御するものである。電子部品実装機管理用コンピュータ30は、図7に示すように、制御部31を備えていて、制御部31に接続された通信部32はLAN50を介して電子部品実装機20および部品管理用コンピュータ40に接続されている。制御部31はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、所定のプログラムを実行して、各電子部品実装機20の運転を統括する制御を実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
【0047】
制御部31には入力部33、出力部34、書き換え可能な記憶部35、電子部品実装機登録処理部36、電子部品実装機生産統括制御部37および情報取込部38が接続されている。入力部33は、作業者が操作して必要な情報、データなどを入力するものである。出力部34は、制御に関する種々の状態を表示したり印刷したりするものである。記憶部35は、各電子部品実装機20から取り込んだ稼動状況に関する情報、例えば、部品の消費数、基板1枚あたりの部品使用数、基板1枚あたりの生産時間、生産予定枚数、生産した基板枚数などを記憶するものである。電子部品実装機登録処理部36は、電子部品実装機管理用コンピュータ30が統括管理する各電子部品実装ライン10のライン編成を変更する場合の登録処理を行うものである。変更された最新のライン編成データは記憶部35に記憶される。電子部品実装機生産統括制御部37は、各電子部品実装機20の運転を統括して(連携して)制御するものである。情報取込部38は、各電子部品実装機20の状態(稼働状況)に関する情報(例えば、部品の消費数、基板1枚あたりの部品使用数、基板1枚あたりの生産時間、生産予定枚数、生産した基板枚数)を取り込むものである。
【0048】
部品管理用コンピュータ40は、生産エリアAsに設置された各電子部品実装ライン10の電子部品実装機20にて消費される電子部品を集中して管理するものである。部品管理用コンピュータ40は、図8に示すように、制御部41を備えていて、制御部41に接続された通信部42はLAN50を介して電子部品実装機20および電子部品実装機管理用コンピュータ30に接続されている。制御部41はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、所定のプログラムを実行して、電子部品実装機20または電子部品実装機管理用コンピュータ30からテープ式フィーダ25の部品状況、生産情報(生産予定枚数、基板1枚あたりの生産時間など)を取り込んで、それらテープ式フィーダ25の電子部品リール25bを管理するとともに、電子部品実装機20にセットすべきテープ式フィーダ25と、そのテープ式フィーダ25をセットするセット時間までの残り時間を部品管理オペレータに予告する制御を行う。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
【0049】
制御部41には入力部43、表示部(出力部)44、書き換え可能な記憶部45、部品残数管理部46、部品補充予告部47および情報取込部48が接続されている。入力部43は、作業者が操作して必要な情報、データなどを入力するものである。入力部43は、バーコードリーダ43aを備えていて、バーコードリーダ43aによって電子部品リール25bおよびテープ式フィーダ25(本体25a)に貼り付けられたバーコードRa,Dfaに示されたそれぞれのID(識別記号)を読み込む。表示部44は、電子部品実装機20にセットすべきテープ式フィーダ25と、そのテープ式フィーダ25をセットするセット時間までの残り時間を表示するものである。
【0050】
記憶部45は、各電子部品実装機20から取り込んだ稼動状況に関する情報(例えば、部品の消費数、基板1枚あたりの部品使用数、基板1枚あたりの生産時間、生産予定枚数、生産した基板枚数など)を記憶する。さらに、記憶部45は、図9に示すように、テープ式フィーダ25のIDをキーとして、搭載されている電子部品リール25bのID、部品残数、搭載部品名、および部品切れ時間から構成されるフィーダ部品情報データベース(フィーダ部品情報DB)を記憶する。さらに、記憶部45は、図10に示すように、テープ式フィーダ25のIDをキーとして、搭載される電子部品実装機20のID、その電子部品実装機20の電子部品供給装置24のセット位置ID、およびその電子部品実装機20が属する電子部品実装ライン10のIDから構成されるフィーダ位置情報データベース(フィーダ位置情報DB)を記憶する。
【0051】
部品残数管理部46は、実装開始前のテープ式フィーダ25が保有する部品の数量と電子部品実装機20から受信した部品の消費数とから電子部品実装機20の各テープ式フィーダ25の部品残数をそれぞれ算出するものである。部品補充予告部47は、記憶部45に記憶されている各テープ式フィーダ25の部品残数と電子部品実装装置20から受信した基板1枚あたりの生産時間とからテープ式フィーダ25が保有している部品が空になる時間(部品切れ時間)すなわち部品を補充する残り時間(または補充すべき時間)を算出するものである。この部品を補充する残り時間が、電子部品実装機20にテープ式フィーダ25をセットすべきセット時間までの残り時間である。なお、セット時間は部品が空になる時刻すなわち部品を補充すべき時刻のことをいう。情報取込部48は、各電子部品実装機20の状態(稼働状況)に関する情報(例えば、部品の消費数、基板1枚あたりの部品使用数、基板1枚あたりの生産時間、生産予定枚数、生産した基板枚数)を取り込むものである。
【0052】
インターフェース部49は、インターフェース部49に備えられているスタンド49aを介してテープ式フィーダ25と情報を送受信するものである。スタンド49aは、テープ式フィーダ25の接続部と電気的に接続されるものである。テープ式フィーダ25がスタンド49aに接続されている場合、部品管理用コンピュータ40からは、テープ式フィーダ25の装着予定位置情報や、リールとテープ式フィーダ25との関連付け情報などが、テープ式フィーダ25に送信される。
【0053】
なお、部品管理用コンピュータ40は、部品準備エリアAbに設置されるのが好ましいが、他のエリアに設置するようにしてもよい。また、部品管理用コンピュータ40を設けずに部品管理用コンピュータ40の上述した部品管理機能を電子部品実装機管理用コンピュータ30に搭載するようにしてもよい。この場合、電子部品実装機管理用コンピュータ30のオペレータが部品管理オペレータOP1の役割を兼任することとなる。
【0054】
次に上記のように構成した電子部品実装システムの作動を説明する。なお、電子部品実装機20、電子部品実装機管理用コンピュータ30、および部品管理用コンピュータ40の各制御部20a,31,41はそれぞれ独自の処理を並列に行うとともに、必要に応じてデータのやりとりを行っている。
【0055】
電子部品リール25bを交換する際に、部品管理オペレータOP1が、テープ式フィーダ25に電子部品リール25bをセットした後には、両方に付されているバーコードラベルDfa,Raをバーコードリーダ43aで読み取る。部品管理用コンピュータ40は、バーコードラベルDfaに示されているテープ式フィーダ25のIDに、バーコードラベルRaに示されている電子部品リール25bのID、搭載部品名および搭載部品数を関連付けてフィーダ部品情報(関連付け情報)として登録する。すなわち、部品管理用コンピュータ40は、部品管理オペレータOP1によりフィーダ部品情報が入力されると、図9に示すフィーダ部品情報DBに新しいフィーダ部品情報を追加登録する。
【0056】
部品管理用コンピュータ40は、テープ式フィーダ25が装着される装着予定位置の情報を、電子部品実装機20に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機20への装着準備ができたテープ式フィーダ25の取得部25fに少なくとも送信する。電子部品実装機20に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機20への装着準備ができたテープ式フィーダ25とは、テープ式フィーダ25に電子部品リール25bが装着され、両方のIDが部品管理用コンピュータ40に読み込まれ、テープ式フィーダ25と電子部品リール25bとが関連付けられた状態のものである。
【0057】
また、部品管理用コンピュータ40は、LAN50を介して接続されている電子部品実装機20にセットされているテープ式フィーダ25の部品残数を全て管理する。具体的には、部品管理用コンピュータ40は、電子部品実装機20(または電子部品実装機管理用コンピュータ30)から基板への部品の実装にともない部品が消費されたテープ式フィーダ25のIDとその部品の消費数を受信すると、該当するIDのテープ式フィーダ25のフィーダ部品情報を記憶部45から読み出し、部品残数から消費数を減算して減算結果を新しい部品残数として該当するフィーダ部品情報を記憶部45に更新登録する。
【0058】
また、部品管理用コンピュータ40は、図10に示すフィーダ位置情報DBに基づいて現在生産に関与しているテープ式フィーダ25のIDを全て読み出し、それらのテープ式フィーダ25のフィーダ部品情報を記憶部45に記憶されているフィーダ部品情報DBから読み出し、部品残数および生産時間からテープ式フィーダ25が部品切れとなる部品切れ時間を算出して算出結果を含めたフィーダ部品情報をフィーダ部品情報DBに更新登録する。これにより、部品管理用コンピュータ40は、電子部品実装機20にセットされているテープ式フィーダ25の部品切れ時間を全て管理する。なお、部品切れ時間は下記数1により算出される。
【0059】
【数1】

【0060】
基板1枚あたりの部品使用数は、電子部品実装機20または電子部品実装機管理用コンピュータ30から取得される。
【0061】
また、部品管理用コンピュータ40は、部品切れ時間の短い順にテープ式フィーダ25を表示部44に表示する。具体的には、図11に示すように、テープ式フィーダ25のIDをキーとしてテープ式フィーダ25のセット位置および部品切れ時間が時間の短い順に表示される。フィーダセット位置は左から順にラインID、電子部品実装機ID、セット位置IDを示しており、テープ式フィーダ25がセットされている場所を特定している。これにより、部品切れとなるテープ式フィーダ25を部品切れとなる時間と合わせて部品管理オペレータOP1に予告することができる。
【0062】
また、部品管理用コンピュータ40は、生産中に部品切れとなるテープ式フィーダ25を監視しており、そのテープ式フィーダ25を警告する。具体的には、生産予定枚数および生産時間から生産完了時間を算出し、先に算出した部品切れ時間と比較して、生産完了時間が部品切れ時間以下である場合に、そのテープ式フィーダ25は生産中に部品切れとなると判定し、表示部44に警告を表示する(図11参照)。これにより、部品切れ時間が同一または長い場合であっても、部品補充を優先的に行わなければならないテープ式フィーダ25を部品管理オペレータOP1に予告することができる。また、警告が発せられたテープ式フィーダ25に部品が補充されると、生産完了時間が部品切れ時間より長くなるので、そのテープ式フィーダ25は生産中に部品切れとならないと判定し、表示部44の警告を解除する。なお、生産完了時間は下記数2により算出される。
【0063】
(数2)
生産予定枚数 × 生産時間
【0064】
生産予定枚数は、電子部品実装機20または電子部品実装機管理用コンピュータ30から取得される。
【0065】
部品管理オペレータOP1は、上述した部品管理用コンピュータ40による部品切れの予告または警告に基づいて、電子部品実装機20に必要な電子部品リール25bを保有するテープ式フィーダ25を前もって準備し、該当する電子部品実装機20を構成する電子部品実装ライン10の棚Tasに部品切れとなる前に配送する作業を行うものである。
【0066】
電子部品リール25bを搬送する際には、テープ式フィーダ25の表示器25dには、そのテープ式フィーダ25が装着されるべき装着予定位置が表示されているので、部品管理オペレータOP1は、その表示を見ながら装着予定位置の属する電子部品実装ライン10の棚Tasに搬送することができる。なお、この搬送は、部品管理オペレータOP1でなく、他の作業者が行ってもよい。
【0067】
また、部品管理用コンピュータ40が発する上記部品切れの警告はその情報が電子部品実装機20に送信され、電子部品実装機20においても警告が発せられる。これにより、電子部品実装機20のオペレータOP2は、部品切れとなるテープ式フィーダ25の代わりである新しいテープ式フィーダ25を予め配送されて収納されている棚Tasから取り出して電子部品実装機20の電子部品供給装置24に装着する。このときにも、テープ式フィーダ25が装着されるべき装着予定位置が表示されているので、部品管理オペレータOP1は、その表示を見ながら装着予定位置である、所定の電子部品実装機20の所定のスロット位置に装着することができる。
【0068】
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、電子部品実装機20に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機20への装着準備ができたテープ式フィーダ25の表示器25dに、記憶部25gに記憶されている装着予定位置情報が表示される。すなわち、テープ式フィーダ25自体に装着予定位置を表示させることができる。これにより、テープ式フィーダ25が電子部品実装機20に装着される前の段階において、作業者が、単独で運ばれているテープ式フィーダ25の表示器25dに表示されている装着予定位置を見ながら(確認しながら)、電子部品実装機20の装着予定位置に確実かつスムーズに装着することができる。ひいては、誤装着を確実に抑制することができる。
【0069】
また、電子部品実装機20に供給される部品が収納されている部品テープが巻きつけられテープ式フィーダ25に着脱可能に装着される電子部品リール25bと、電子部品リール25bがテープ式フィーダ25に装着されているか否かを検知する装着センサ25iと、電子部品リール25bとテープ式フィーダ25との関連付け情報を取得する取得部25fと、をさらに備え、電子部品リール25bを交換する際に、古い電子部品リール25bがテープ式フィーダ25から外されると、装着センサ25iが未装着を検知して表示器25dに電子部品リール25bが未照合である旨を表示させ、その後新しい電子部品リール25bがテープ式フィーダ25に取り付けられると装着センサ25iが装着を検知し、その後取得部25fが新しい電子部品リール25bとテープ式フィーダ25の関連付け情報を取得した場合、表示器25dに表示されている電子部品リール25bが未照合である旨の表示を取り止め、一方、テープ式フィーダ25の関連付け情報を取得しない場合、表示器25dに表示されている電子部品リール25bが未照合である旨の表示を継続させる。これにより、作業者は、表示器25dの表示内容を見るだけで、新しく取り付けられた電子部品リール25bとテープ式フィーダ25との関連付け(照合)が更新されていることを確認することができる。よって、テープ式フィーダ25を電子部品実装機20に誤装着するのを抑制することができる。また、電子部品リール25bとテープ式フィーダ25との関連付け(照合)が実施されたか否かを表示器25dの表示内容を確認することで、電子部品リール25bが搭載されているテープ式フィーダ25を使用してよいか否かを作業者に的確に知らせることができる。
【0070】
また、上述した実施形態の作用効果を有する電子部品実装機20を提供することができる。
【0071】
また、複数のテープ式フィーダ25からそれぞれ供給される部品を基板Sに実装する複数の電子部品実装機20を生産エリアAsに設置し、各電子部品実装機20と通信可能に接続されて各テープ式フィーダ25の部品を管理する部品管理用コンピュータ40(部品管理装置)を、各テープ式フィーダ25に部品を予めセットする部品準備エリアAbに設置してなる電子部品実装システムにおいて、テープ式フィーダ25は、テープ式フィーダ25が装着される装着予定位置の情報を表示する表示器25dと、装着予定位置情報を取得する取得部25fと、取得部25fによって取得された装着予定位置情報を記憶する記憶部25gと、を備え、電子部品実装機20に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機20への装着準備ができたテープ式フィーダ25の表示器25dに、記憶部25gに記憶されている装着予定位置情報を表示させるものであり、部品管理用コンピュータ40は、テープ式フィーダ25が装着される装着予定位置の情報を、電子部品実装機20に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機20への装着準備ができたテープ式フィーダ25の取得部25fに少なくとも送信する。
【0072】
これにより、部品準備エリアAbでは、部品管理用コンピュータ40は、テープ式フィーダ25が装着される装着予定位置の情報を、電子部品実装機20に装着される前のテープ式フィーダ25であって電子部品実装機20への装着準備ができたテープ式フィーダ25の取得部25fに少なくとも送信する。よって、テープ式フィーダ25は、装着予定位置を確実に取得することができる。また、部品準備エリアAbから生産エリアAsへテープ式フィーダ25を運搬する運搬中においても、テープ式フィーダ25自体に装着予定位置が表示されているので、作業者は装着されるべき電子部品実装機20にテープ式フィーダ25を確実に運搬することができる。さらに、生産エリアAsにおいては、テープ式フィーダ25が電子部品実装機20に装着される前の段階において、作業者が、単独で運ばれているテープ式フィーダ25の表示器25dに表示されている装着予定位置を見ながら(確認しながら)、電子部品実装機20の装着予定位置に確実かつスムーズに装着することができる。ひいては、誤装着を確実に抑制することができる。
【0073】
なお、上記実施の形態においては、各テープ式フィーダ25にそれぞれ表示器25dを設けるようにしたが、図12に示すように、複数のテープ式フィーダ25を収納できる運搬箱60に表示器63を設け、表示器63に収納されているテープ式フィーダ25の装着予定位置を表示させるようにしてもよい。運搬箱60は、本体61を備え、その本体61は複数の収納部62に仕切られている。収納部62には、テープ式フィーダ25が1つずつ収納される。収納時にはテープ式フィーダ25の接続部25eが電気的に接続されるようになっている。なおこの場合、テープ式フィーダ25は表示器25dは削除されている。表示器63は、収納箇所が表示される部分と装着予定位置が表示される部分が別に設けられている。また、運搬箱60には、取付部が回動可能な取っ手64が設けられている。
【0074】
なお、上記実施の形態においては、本発明をロボットタイプの電子部品実装機20に適用したが、ロータリタイプの電子部品実装機に適用してもよい。
【0075】
また、上記実施の形態において、接続部25eを介さないで装着予定位置をテープ式フィーダ25に取得するように構成してもよい。例えば、テープ式フィーダ25に無線通信装置を備え、無線通信装置を介して取得するようにすればよい。
【符号の説明】
【0076】
10…電子部品実装ライン、20…電子部品実装機、25…テープ式フィーダ(部品供給ユニット)、25b…電子部品リール(リール)、25d…表示器、25e…接続部、25f…取得部(取得手段)、25g…記憶部(記憶手段)、25h…制御部、25i…装着センサ、30…電子部品実装機管理用コンピュータ、40…部品管理用コンピュータ、50…LAN、Ab…部品準備エリア、As…生産エリア、OP1…部品管理オペレータ、OP2…電子部品実装機のオペレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品実装機に着脱可能に装着され前記電子部品実装機に部品を供給する部品供給ユニットであって、
前記部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を表示する表示器と、
前記装着予定位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記装着予定位置情報を記憶する記憶手段と、を備え、
前記電子部品実装機に装着される前の前記部品供給ユニットであって前記電子部品実装機への装着準備ができた前記部品供給ユニットの前記表示器に、前記記憶手段に記憶されている前記装着予定位置情報を表示させることを特徴とする部品供給ユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記電子部品実装機に供給される前記部品が収納されている部品テープが巻きつけられ前記部品供給ユニットに着脱可能に装着されるリールと、
前記リールが前記部品供給ユニットに装着されているか否かを検知する装着センサと、
をさらに備え、
前記取得手段は、前記リールと前記部品供給ユニットとの関連付け情報をも取得し、
前記リールを交換する際に、古いリールが前記部品供給ユニットから外されると、前記装着センサが未装着を検知して前記表示器に前記リールが未照合である旨を表示させ、その後新しいリールが前記部品供給ユニットに取り付けられると前記装着センサが装着を検知し、その後前記取得手段が前記新しいリールと前記部品供給ユニットの関連付け情報を取得した場合、前記表示器に表示されている前記リールが未照合である旨の表示を取り止め、一方、前記部品供給ユニットの関連付け情報を取得しない場合、前記表示器に表示されている前記リールが未照合である旨の表示を継続させることを特徴とする部品供給ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の部品供給ユニットが着脱可能に装着されることを特徴とする電子部品実装機。
【請求項4】
複数の部品供給ユニットからそれぞれ供給される部品を基板に実装する複数の電子部品実装機を生産エリアに設置し、
前記各電子部品実装機と通信可能に接続されて前記各部品供給ユニットの部品を管理する部品管理装置を、前記各部品供給ユニットに部品を予めセットする部品準備エリアに設置してなる電子部品実装システムにおいて、
前記部品供給ユニットは、
前記部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を表示する表示器と、
前記装着予定位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記装着予定位置情報を記憶する記憶手段と、を備え、
前記電子部品実装機に装着される前の前記部品供給ユニットであって前記電子部品実装機への装着準備ができた前記部品供給ユニットの前記表示器に、前記記憶手段に記憶されている前記装着予定位置情報を表示させるものであり、
前記部品管理装置は、前記部品供給ユニットが装着される装着予定位置の情報を、前記電子部品実装機に装着される前の前記部品供給ユニットであって前記電子部品実装機への装着準備ができた前記部品供給ユニットの前記取得手段に少なくとも送信することを特徴とする電子部品実装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−199095(P2011−199095A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65578(P2010−65578)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】