説明

部品供給装置

【課題】次の工程への部品供給を円滑かつ適切に行うことができる部品供給装置を提供することを目的とする。
【解決手段】多数の部品を貯留する部品貯留部から所定の推進量を受けて列をなすように部品供給路210を所定の進行方向に進行して行く部品310のうち、その時点における先頭部品311を部品取り出し位置P1で取り出して次の工程に供給する部品供給装置10であって、先頭部品311が部品取り出し位置P1に存在することを検出すると、先頭部品検出信号を出力する先頭部品検出部220と、先頭部品検出部220から先頭部品検出信号が出力されると先頭部品311の後に続いて進行する後続部品312を吸着して当該後続部品312の進行を停止させる後続部品進行制御部と、部品供給路210を進行する部品の量を検出して、その検出結果に基づいて部品供給路210を進行する部品の量を規制する部品量規制部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列をなして進行してくる部品を次の工程に供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品送り出し部から列をなすように部品供給路を進行してくる部品のうち、その時点における先頭部品を取り出して次の工程に供給する部品供給装置が知られている。このような部品供給装置において、部品供給路に存在する部品に対して、部品を進行させるための押圧力が必要以上の大きさで加わると、次の工程への部品供給が円滑かつ適切に行えない場合がある。
【0003】
例えば、先頭部品と当該先頭部品のすぐ後ろ(直後という。)に存在する後続部品との関係で考えると、先頭部品の取り出し位置で当該先頭部品が停止した状態となっているときに、後続部品の先頭部品に対する押圧力が必要以上に大きくなった場合、後続部品が先頭部品の上に乗り上げたり、後続部品が先行部品に下に潜り込んだりして、後続部品と先頭部品とが重なり合ってしまう場合がある。このような状態となると、先頭部品の取り出しを、例えば吸着によって行う場合、先頭部品を正常に吸着できなかったり、先頭部品とともに後続部品も同時に吸着してしまったりというようなトラブルが発生し易くなるため、次の工程への部品供給が円滑かつ適切に行えなくなる。
【0004】
図5は、先頭部品を取り出す際に発生するトラブルを説明するために示す図である。図5に示されている部品910はダイオードチップなどの半導体チップであり、両面に半田層901が存在している半導体チップであるとする。このような各半導体チップは、ダイシング面902が垂線に対して傾斜した状態となっている場合もある。このような半導体チップの場合には、矢印A方向に進行してくる部品910のうち、その時点における先頭部品(先頭部品911とする。)の吸着時においてトラブルがより発生し易くなる。
【0005】
すなわち、部品910が部品送り出し部(図示せず。)から部品同士が接触した状態で列をなすように部品供給路920上を矢印A方向に進行してくると(図5(a)参照。)、先頭部品911の直後に存在する後続部品912が先頭部品911の上に乗り上げたり(図5(b)参照。)、図示は省略するが後続部品912が先頭部品911の下に潜り込んだりして、2つ以上の部品が重なり合ってしまう場合がある。
【0006】
このように2つ以上の部品が重なり合ってしまうと、先頭部品911を真空吸着部950によって吸着する際にトラブルが発生し易くなる。例えば、後続部品912が先頭部品911の上に乗り上げた場合には、図5(c)に示すように、先頭部品911を吸着して引き上げる際に、後続部品912も先頭部品911と一緒に引き上がられてしまう場合もあり、この場合、後続部品912は途中で落下して飛散してしまうこととなる。また、後続部品912が先頭部品911の下に潜り込んだ場合には、図示は省略するが、先頭部品911が斜めに大きく傾いてしまう場合もあり、この場合、先頭部品911を正常に吸着できないとい場合もある。なお、先頭部品911の吸着時におけるトラブルは、上記したような形状の半導体チップを供給する部品供給装置に限られるものではなく、部品同士が列をなすように進行してくるような部品供給装置に共通するものである。
【0007】
このような問題を解決するために、先頭部品を後続部品から切り離した状態で先頭部品を吸着するようにした部品供給装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
図6は、特許文献1に開示されている部品供給装置900を説明するために示す図である。図6(a)は平面図であり、図6(b)は側面図である。
【0009】
特許文献1に開示されている部品供給装置900は、図6に示すように、空気の噴射によって部品910を部品供給路920上で列をなすように進行させるとともに、真空吸着部930によって先頭部品911に続く複数個(3個とする。)の後続部品(後続部品912,913,914とする。)を吸着保持した状態で、空気噴射口940から噴射された空気によりエアーカーテンを形成して、先頭部品911を後続部品912,913,914,・・・から切り離すようにしている。このように、先頭部品911を後続部品から切り離した状態として、先頭部品911を先頭部品吸着部950によって吸着するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−298578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に開示されている部品供給装置900は、部品の進行及び先頭部品の後続部品に対する切り離しを、ともに空気の噴射によって行うようにしているため、空気の噴射によって部品が吹き飛ばされて飛散してしまうおそれがある。
【0012】
特に、先頭部品の後続部品に対する切り離しは、空気の噴射によるエアーカーテンを形成して行うようにしているので、当該エアーカーテンにより部品が吹き飛ばされる可能性があり、また、吹き飛ばされない場合であっても、停止状態にある先頭部品がエアーカーテンに触れると先頭部品の停止状態が不安定になりがちであり、先頭部品を適切に吸着できない場合もあり得る。このため、特許文献1に開示されている部品供給装置900は、次の工程への部品供給を円滑かつ適切に行うことができない場合もあるといった課題がある。
【0013】
そこで、本発明は、次の工程への部品供給を円滑かつ適切に行うことができる部品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[1]本発明の部品供給装置は、多数の部品を貯留する部品貯留部から列をなすように部品供給路を所定の進行方向に進行して行く部品のうち、その時点における先頭部品を部品取り出し位置で取り出して次の工程に供給する部品供給装置であって、前記先頭部品が前記部品取り出し位置に存在することを検出すると、前記部品取り出し位置に前記先頭部品が存在することを示す先頭部品検出信号を出力する先頭部品検出部と、前記先頭部品検出部から前記先頭部品検出信号が出力されると前記先頭部品の後に続いて進行する後続部品を吸着して当該後続部品の進行を停止させる後続部品進行制御部と、前記部品供給路を進行する部品の量を検出して、その検出結果に基づいて前記部品供給路を進行する部品の量を規制する部品量規制部とを備えることを特徴とする。
【0015】
[2]本発明の部品供給装置においては、前記先頭部品の後に続いて進行する後続部品は、前記先頭部品の直後に存在する後続部品であることが好ましい。
【0016】
[3]本発明の部品供給装置においては、部品量規制部は、前記部品供給路において前記後続部品を吸着する吸着位置よりも前記進行方向の後方の所定位置に設定された部品検出位置において、設定した時間、継続して部品が存在することを検出すると、部品検出信号を出力する部品検出部と、前記部品検出部から前記部品検出信号が出力されている間、前記部品検出位置よりも前記進行方向の後方に存在する部品のうちの所定の部品を前記部品供給路から払い落して前記部品貯留部に戻す部品払い落し部とを有することが好ましい。
【0017】
[4]本発明の部品供給装置においては、前記部品払い落し部は、前記進行方向の後方に存在する部品のうちの所定の部品に向けて空気を噴射することによって当該所定の部品を前記部品供給路から払い落すことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の部品供給装置によれば、先頭部品が部品取り出し位置に存在するか否かを検出する先頭部品検出部を備えるとともに、先頭部品が部品取り出し位置に存在している場合に、後続部品を吸着制御する後続部品吸着制御部を備えている。このため、先頭部品が部品取り出し位置に存在する場合においては、後続部品を吸着して当該後続部品の進行を停止させることができる。これにより、後続部品が先頭部品に対して押圧力を与えないようにすることができるため、先頭部品を安定した状態で取り出すことができる。
【0019】
また、部品供給路を進行する部品の量を検出して、その検出結果に基づいて部品供給路を進行する部品の量を規制する部品量規制部を備えることにより、部品供給路は、常に適正な量の部品が存在している状態となるため、部品検出位置と先頭部品検出位置との間においては、部品同士が重なり合ったりすることなくなる。これにより、後続部品の進行停止状態を確実に保持することができ、後続部品が先頭部品を押圧するといったことを確実に防止することができる。
【0020】
このように本発明の部品供給装置によれば、列をなして進行してくる部品の中から部品を安定して取り出すことができ、それによって、次の工程への部品供給を円滑かつ適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1に係る部品供給装置10を模式的に示す平面図である。
【図2】実施形態1に係る部品供給装置10における部品供給部200を詳細に説明するために示す図である。
【図3】先頭部品検出部220及び後続部品吸着制御部230の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】部品量規制部240の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】先頭部品を取り出す際に発生するトラブルを説明するために示す図である。
【図6】特許文献1に開示されている部品供給装置900を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
[実施形態1]
【0024】
図1は、実施形態に係る部品供給装置10を模式的に示す平面図である。図2は、実施形態1に係る部品供給装置10における部品供給部200を詳細に説明するために示す図である。なお、図2(a)は平面図であり、図2(b)は一部を断面とした側面図である。図3は、先頭部品検出部220及び後続部品吸着制御部230の動作を説明するためのタイミングチャートある。図4は、部品量規制部240の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0025】
実施形態1に係る部品供給装置10は、図1に示すように、半導体チップなどの部品310を多数貯留するとともに、貯留している部品310を部品供給部200に送り出す部品送り出し部100と、部品送り出し部100から送り出された部品310を次の工程(検査工程とする。)に順次供給する部品供給部200とを有している。なお、検査工程を行うための検査装置の図示は省略する。
【0026】
なお、実施形態1に係る部品供給装置10においては、部品310は、図4において説明したような半導体チップであるとする。すなわち、両面に半田層301(図2参照。)が存在し、また、各半導体チップのダイシング面302(図2参照。)が垂線に対して傾斜した状態となっている場合もある半導体チップであるとする。
【0027】
部品送り出し部100は、図1に示すように、投入された多数の部品310を貯留する「すり鉢状」の部品貯留部110を有している。部品貯留部110の内側面には、部品貯留部110に貯留されている部品310を矢印A方向に送り出すための部品送り出し路120が渦巻き状に形成されている。なお、部品送り出し路120は、部品310の進行をガイド可能とするために浅い凹状溝(図示せず。)となっており、部品310は凹状溝に沿って進行するため、列を乱さずに進行可能となっている。
【0028】
このように構成された部品送り出し部100は、部品貯留部110が振動することによって当該部品貯留部110に投入されている部品310に推進力を与えるようになっており、それによって、当該部品貯留部110に投入されている部品310は部品送り出し路120に沿って部品供給部200に順次進行して行く。
【0029】
部品供給部200は、図1及び図2に示すように、部品貯留部110の部品送り出し路120に続く直線的な部品供給路210と、部品供給路210を矢印A方向に進行してくる部品310のうち、その時点において先頭となる先頭部品(先頭部品311とする。)が部品取り出し位置P1に存在するか否かを検出し、先頭部品311が部品取り出し位置P1に存在する場合には、先頭部品検出信号を出力する先頭部品検出部220と、先頭部品検出部220から先頭部品検出信号が出力されると、先頭部品311の後に続く後続部品のうちの先頭部品311の直後に存在する後続部品(第1後続部品ともいう。)312を吸着して、当該第1後続部品312の進行を停止させる後続部品吸着制御部230(図1においては図示が省略されているため図2参照。)と、部品供給路210上に存在する部品の量(個数とする。)を規制する部品量規制部240(図1においては図示が省略されているため図2参照。)とを有している。
【0030】
なお、部品供給路210には部品送り出し路120と同様に浅い凹状溝(図示せず。)が形成されており、部品310は当該凹状溝に沿って進行する。また、部品供給路210における凹状溝の外側(部品貯留部110の外周面に沿う側)には側壁210a(図2参照。)が凹状溝に沿って形成されている。図2においては、側壁210aは灰色で示している。また、部品供給路210における凹状溝の内側(部品貯留部110の内面側)は開放されており、部品310が部品供給路210から脱落した場合には部品貯留部110に戻ることができるようになっている。
このように構成された部品供給路210においても、部品310は部品貯留部110が振動することにより生じる推進力によって進行して行くものとする。
【0031】
後続部品吸着制御部230は、図2(b)に示すように、位置P2(以下、吸着位置P2という。)に設けられた吸着口231と、真空生成部232と、当該吸着口231と真空生成部232とを接続するパイプ233とを有しており、先頭部品検出部220からの先頭部品検出信号に基づいて吸着位置P2に存在する後続部品312の吸着及び吸着解除を行う。すなわち、先頭部品検出部220から先頭部品検出信号が出力されると、真空生成部232が動作して、吸着位置P2に存在する後続部品312を吸着口231で吸着し、先頭部品検出信号が出力されなくなると、後続部品312の吸着を解除する。
このように、後続部品吸着制御部230は、先頭部品311が部品取り出し位置P1に存在している場合のみに第1後続部品312を吸着位置P2において吸着するものであり、これにより、第1後続部品312の進行が一時的に停止し、第1後続部品312が先頭部品311を押圧することがなくなる。
【0032】
部品量規制部240は、部品供給路210を進行する部品の量を検出して、その検出結果に基づいて部品供給路210を進行する部品の量を規制するものである。部品量規制部240は、部品供給路210に設定された所定位置(部品検出位置P3という。)において部品310が存在するか否かを検出する部品検出部241と、部品検出部241から部品検出信号が出力されている間、部品検出位置P3よりも進行方向(矢印A方向)の後方側(矢印A方向とは反対方向の側)に存在する部品310のうちの所定の部品を部品供給路210から払い落すための部品払い落し部242とを有している。
【0033】
部品検出部241は、部品検出位置P3において、予め設定した時間(Δt1とする。)、継続して部品310を検出した場合に部品検出信号を出力する。そして、当該部品検出信号は、部品検出部241が部品検出位置P3において部品310を検出している間は出力状態が保持される。
【0034】
部品検出部241がこのような動作を行うことにより、部品検出位置P3を単に通過するだけの部品に対しては、部品検出部241からは部品検出信号は出力されず、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間に部品が隙間なく連なって存在する状態となっている場合のみに、部品検出部241からは部品検出信号が出力されることとなる。
【0035】
なお、「部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間に部品が隙間なく連なって存在する状態」というのは、先頭部品検出位置P1と部品検出位置P3との間において、部品同士が重なり合ったりすることなく一列に隙間なく整然と並んでいる状態であるとする。また、予め設定した時間Δt1(以下、設定時間Δt1という。)は、部品が単に通過しただけであるか、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間に部品が隙間なく連なって存在する状態かを判断可能となるような時間であればよく、例えば、1〜2秒程度でよい。
【0036】
部品払い落し部242は、部品を払い払い落すための空気を送出する空気送出部242aと、空気送出部242aによって送出された空気を進行方向(矢印A方向)と交差する方向に噴射する空気噴射口242bと、空気送出部242aと空気噴射口242bとを接続するパイプ242cと有している。空気噴射口242bは側壁210aに設けられており、部品供給路210を進行する部品のうち所定の位置P4(払い落し位置P4という。)に存在する部品に対して空気を噴射するようになっている。なお、実施形態に係る部品供給装置10においては、払い落し位置P4において払い落し対象となる部品は、払い落し位置P4に存在する1個の部品であるとする。ただし、2個以上同時払い落される場合もあり得るが、それは特に問題とはならない。
【0037】
このように構成された部品払い落し部242は、部品検出部241から部品検出信号が出力されている間においては、空気噴射口242bから空気を噴射し続ける動作を行う。これにより、部品検出部241から部品検出信号が出力されている間は、払い落し位置P4に存在する部品は、部品払い落し部242によって部品供給路210から払い落される。このため、たとえ、部品貯留部110から次々と部品が送られてきても、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間においては、一定量を超える部品は存在しないこととなる。これにより、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間においては、部品同士が重なり合ったりすることなく一列に隙間なく整然と並んでいる状態となる。
なお、部品供給路210から払い落された部品は部品貯留部110に戻り、やがては、部品送り出し路120を経て部品供給路210を進行するという動作を繰り返す。
【0038】
ところで、部品検出部241が部品310を検出する部品検出位置P3は、先頭部品311を検出する先頭部品検出位置P1から十分な距離を置いた位置に設けることが好ましく、また、部品を払い落す払い落し位置P4は、部品検出位置P3よりも少し後方の位置に設定することが好ましい。部品検出位置P3及び払い落し位置P4をこのような位置に設定するのは、実施形態に係る部品供給装置10から、例えば、図示しない検査装置に部品を供給する際の毎分当たりの部品供給量(例えば、毎分150個)に十分対応可能とするためである。
【0039】
このように構成された実施形態に係る部品供給装置10の動作について、図1〜図4を参照して説明する。まず、部品貯留部110に貯留されている多数の部品310は、部品貯留部110が振動することによる推進力を受けて部品送り出し路120を一列となって矢印A方向に順次進行したのち、部品供給部200の部品供給路210に入って当該部品供給路210を進行して行く。なお、部品供給路210においても、各部品は部品貯留部110が振動することによる推進力を受けて進行して行く。
【0040】
そして、部品供給路210を進行して行く部品のうち、その時点における先頭部品311が、先頭部品検出位置P1に達すると、当該先頭部品311が先頭部品検出部220によって検出される(図3(a)のタイミングt1)。先頭部品311が先頭部品検出部220によって検出されたタイミングt1において、後続部品吸着制御部230が動作し、先頭部品311の直後に存在する第1後続部品312を吸着して(図3(b)のタイミングt1)、当該第1後続部品312の進行を停止させる。これにより、先頭部品311は第1後続部品312から押圧力を受けない状態となる。この状態で、先頭部品311は、図示しない取り出し機構(例えば、先頭部品311を吸着して取り出す機構)によって取り出されて、図示しない検査装置に送られる。
【0041】
そして、先頭部品311が検査装置に送られることにより、先頭部品検出位置P1に先頭部品311が存在しなくなると(図3(a)のタイミングt2)、後続部品吸着制御部230が後続部品312の吸着動作を解除する(図3(b)のタイミングt2)。これにより、部品310は再び進行を開始し、その時点における先頭部品311が、先頭部品検出位置P1に達すると、当該先頭部品311が先頭部品検出部220によって検出され(図3(a)のタイミングt3)、後続部品吸着制御部230が第1後続部品312を吸着して(図3(b)のタイミングt3)、第1後続部品312の進行を停止させる。これにより、先頭部品311は第1後続部品312から押圧力を受けない状態となり、先頭部品311は検査装置に送られる。このような動作が繰り返し行われる。このような動作は、毎分150個程度の速さで検査装置に対して部品の供給可能となるように行われる。
【0042】
一方、部品量規制部240の部品検出部241は、常時、部品検出位置P3に部品が存在するか否かを検出している。そして、例えば、部品検出部241が部品検出位置P3において、設定時間Δt1、継続して部品310を検出すると(図4(a)参照。)、部品検出部241からは、部品検出信号が出力され(図4(b)参照。)、当該部品検出信号は、部品検出部241が部品310を検出している間は出力状態が保持される。部品払い落し部242は、部品検出部241からの部品検出信号が出力されている間は空気噴射を行い(図4(c)参照。)、払い落し位置P4に存在する部品は空気噴射口から噴射される空気により払い落されて部品貯留部110に戻される。
【0043】
このように、部品検出部241から部品検出信号が出力されている間は、部品払い落し部242によって、払い落し位置P4に存在する部品は払い落されるので、たとえ、部品貯留部110から次々と部品が送られてきても、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間においては、一定量を超えた部品は存在しないこととなる。これにより、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間においては、部品同士が重なり合ったりすることなく一列に隙間なく整然と並んでいる状態となる。
【0044】
なお、部品量規制部240の部品検出部241は、部品検出位置P3において、設定時間Δt1よりも短い時間Δt2だけ部品を検出した場合においては(図4(a)参照。)、部品検出信号を出力しない。この場合は、部品戻し部242は、空気噴射動作を行わない。このように、部品検出位置P3において、設定時間Δt1よりも短い時間Δt2だけ部品を検出する状況としては、部品が部品検出位置P3を単に通過して行くような状況であり、図4(a)においては、3つの部品がそれぞれ間を置いて順次通過した状況が例示されている。
【0045】
部品量規制部240がこのような動作を行うことにより、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間に、一定量を超える部品が存在しないようにすることができるとともに、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間に存在する部品の量が少なくなった場合には、部品を順次補給することができる。これによって、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間は、常時、一定量すなわち適正な量の部品が存在している状態となる。
【0046】
このように、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間は、常時、適正な量の部品が存在している状態となるため、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間においては、部品同士が重なり合ったりすることなくなる。これにより、第1後続部品312の進行停止状態を確実に保持することができ、第1後続部品312が先頭部品311を押圧するといったことを確実に防止することができる。
【0047】
以上説明したように、実施形態に係る部品供給装置10によれば、先頭部品311が部品取り出し位置P1に存在するか否かを検出する先頭部品検出部220を備えるとともに、先頭部品311が部品取り出し位置P1に存在している場合に、第1後続部品312を吸着制御する後続部品吸着制御部230を備えている。このため、先頭部品311が部品取り出し位置P1に存在する場合においては、第1後続部品312を吸着して当該第1後続部品312の進行を停止させることがでる。これにより、第1後続部品312が先頭部品に対して押圧力を与えないようにすることができるため、先頭部品311を安定した状態で取り出すことができる。
【0048】
また、部品供給路210を進行する部品の量を検出して、その検出結果に基づいて部品供給路210を進行する部品の量を規制する部品量規制部240を備えることにより、部品供給路210は、常に適正な量の部品が存在している状態となるため、部品検出位置P3と先頭部品検出位置P1との間においては、部品同士が重なり合ったりすることなくなる。これにより、第1後続部品312の進行停止状態を確実に保持することができ、第1後続部品312が先頭部品311を押圧するといったことを確実に防止することができる。
【0049】
このように実施形態に係る部品供給装置10によれば、列をなして進行してくる部品の中から部品を安定して取り出すことができ、それによって、次の工程への部品供給を円滑かつ適切に行うことができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0051】
(1)上記実施形態においては、図5で説明したような形状の半導体チップを例にとって説明したが、このような形状の半導体チップに限られるものではない。また、半導体チップに限られるものではなく、パッケージングされた状態のものにも適用可能であり、また、半導体以外の部品にも適用可能である。
【0052】
(2)部品送り出し部100は、部品貯留部110に貯留されている部品を振動により送り出すような構成のものを例にとって説明したが、このような構成に限られるものではなく、部品同士が列をなすように順次送り出すことができるものであればよい。
【0053】
(3)上記実施形態においては、先頭部品に続く後続部品を吸着する際、先頭部品311の直後の1個の後続部品(第1後続部品312)を吸着するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、先頭部品311の直後の第1後続部品312と当該第1後続部品312に続く第2後続部品313とを同時に吸着するというように、複数の後続部品を同時に吸着するようにしてもよい。
【0054】
(4)上記実施形態においては、部品払い落し部242によって部品を払い落す際の払い落し対象部品は1個としたが、これに限られるものではなく、例えば、2個の部品を払い落し対象部品として当該2個の部品に向けて空気を噴射することによって2個の部品を同時に払い落すというように、複数の部品を払い落し対象部品とするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10・・・部品供給装置、100・・・部品送り出し部、110・・・部品貯留部、120・・・部品送り出し路、130・・・部品戻し用傾斜部、200・・・部品供給部、210・・・部品供給路、220・・・先頭部品検出部、230・・・後続部品吸着制御部、231・・・吸引口、232・・・真空生成部、240・・・部品量規制部、241・・・部品検出部、242・・・部品払い落し部、242a・・・空気送出部、242b・・・空気噴射口、301,901…半田層、302,902・・・ダイシング面、310・・・部品、311・・・先頭部品、312・・・後続部品(第1後続部品)、P1・・・部品取り出し位置、P2・・・吸着位置、P3・・・部品検出位置、P4・・・払い落し位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の部品を貯留する部品貯留部から列をなすように部品供給路を所定の進行方向に進行して行く部品のうち、その時点における先頭部品を部品取り出し位置で取り出して次の工程に供給する部品供給装置であって、
前記先頭部品が前記部品取り出し位置に存在することを検出すると、前記部品取り出し位置に前記先頭部品が存在することを示す先頭部品検出信号を出力する先頭部品検出部と、
前記先頭部品検出部から前記先頭部品検出信号が出力されると前記先頭部品の後に続いて進行する後続部品を吸着して当該後続部品の進行を停止させる後続部品進行制御部と、
前記部品供給路を進行する部品の量を検出して、その検出結果に基づいて前記部品供給路を進行する部品の量を規制する部品量規制部と、
を備えることを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品供給装置において、
前記先頭部品の後に続いて進行する後続部品は、前記先頭部品の直後に存在する後続部品であることを特徴とする部品供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の部品供給装置において、
部品量規制部は、
前記部品供給路において前記後続部品を吸着する吸着位置よりも前記進行方向の後方の所定位置に設定された部品検出位置において、設定した時間、継続して部品が存在することを検出すると、部品検出信号を出力する部品検出部と、
前記部品検出部から前記部品検出信号が出力されている間、前記部品検出位置よりも前記進行方向の後方に存在する部品のうちの所定の部品を前記部品供給路から払い落して前記部品貯留部に戻す部品払い落し部と、
を有することを特徴とする部品供給装置。
【請求項4】
請求項3に記載の部品供給装置において、
前記部品払い落し部は、前記進行方向の後方に存在する部品のうちの所定の部品に向けて空気を噴射することによって当該所定の部品を前記部品供給路から払い落すことを特徴とする部品供給装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−18591(P2013−18591A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152112(P2011−152112)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】