説明

酵素阻害のための化合物

【課題】加水分解酵素の特定の活性を効果的かつ選択的阻害剤の提供。
【解決手段】ヘテロ原子含有3員環を含むペプチドベース化合物でN−末端求核性(Ntn)加水分解酵素の特定の活性を効果的かつ選択的に阻害する。複数の活性を有するこれらのNtnの活性を区別を付けて阻害する。20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を選択的に阻害する。エポキシドまたはアジリジンと、そのN−末端にある官能性とを含む。他の治療有用性のうちで、抗炎症特性および細胞増殖の阻止を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、酵素阻害のための化合物および方法に関する。特に、本発明は、酵素阻害に基づく治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景)
真核生物において、タンパク質分解は、主にユビキチン経路により媒介され、このユビキチン経路において、分解の標的となるタンパク質は、76アミノ酸のポリペプチドであるユビキチンに連結される。一旦標的にされると、次にユビキチン化されたタンパク質が、多触媒性プロテアーゼである26Sプロテアソームのための基質として作用し、この26Sプロテアソームが、その3つの主要なタンパク質分解活性の作用により、タンパク質を切断して短ペプチドにする。細胞内タンパク質代謝回転における一般機能を有する一方で、プロテアソーム媒介性分解はまた、主要組織適合性複合体(MHC)クラスI提示、アポトーシス、細胞分裂、およびNF−κB活性化などのような多くのプロセスにおいて重要な役割を果たしている。
【0003】
20Sプロテアソームは、4つの環を構成する28個のサブユニットからなる700kDaの円筒形の多触媒性プロテアーゼ複合体であり、細胞増殖調節、主要組織適合性複合体クラスI提示、アポトーシス、抗原プロセシング、NF−κB活性化、および前炎症性シグナルの形質導入において重要な役割を果たしている。酵母菌などの真核生物においては、7種の異なるαサブユニットが外環を形成し、7種の異なるβサブユニットが内環を構成している。このαサブユニットは、19S(PA700)および11S(PA28)調節複合体のための結合部位として、かつ2つのβサブユニット環によって形成される内側タンパク質分解チャンバのための物理的障壁として作用する。したがって、インビトロにおいて、プロテアソームは、26S粒子(「26Sプロテアソーム」)として存在すると考えられている。インビボ実験は、20S型プロテアソームの阻害は、26Sプロテアソームの阻害と容易に相関付けられ得ることを示した。粒子形成の間のβサブユニットのアミノ末端プロ配列の切断は、アミノ末端トレオニン残基を露出し、このトレオニン残基は触媒性求核剤として作用する。したがって、プロテアソームにおける触媒活性を担うサブユニットは、アミノ末端求核性残基を有し、これらのサブユニットは、N末端求核剤(Ntn)ヒドロラーゼのファミリーに属する(ここで、求核剤N末端残基は、例えば、Cys、Ser、Thrおよび他の求核性部分である)。このファミリーには、例えば、ペニシリンGアシラーゼ(PGA)、ペニシリンVアシラーゼ(PVA)、グルタミンPRPPアミドトランスフェラーゼ(GAT)、および細菌性グリコシルアスパラギナーゼが含まれる。広範に発現されたβサブユニットに加えて、高等脊椎動物もまた、3つのγ−インターフェロン誘導βサブユニット(LMP7、LMP2、およびMECL1)を有し、これらは、正常な対応物、X、Y、Zを、それぞれ置換し、これにより、プロテアソームの触媒作用を改変する。異なるペプチド基質の使用を通して、3つの主要なタンパク質分解活性が、真核生物20Sプロテアソームに対して定義されている:大きな疎水性残基の後ろを切断するキモトリプシン様活性(CT−L)、塩基性残基の後ろを切断するトリプシン様活性(T−L)、および酸性残基の後ろを切断するペプチジルグルタミルペプチド加水分解活性(PGPH)。それほど明らかとなっていない別の2つの活性も、プロテアソームに帰するとされている:枝鎖アミノ酸の後ろを切断するBrAAP活性、および小さな中性アミノ酸の後ろを切断するSNAAP活性。主要なプロテアソームタンパク質分解活性は、異なる触媒部位によりもたらされるようである。というのも、インヒビター、βサブユニットにおける点突然変異、およびγインターフェロン誘導βサブユニットの交換が、様々な程度に、これらの活性を改変するためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロテアソーム活性を阻害するために使用されている低分子の例がいくつかある。しかし、これらの化合物は、一般に、細胞レベルおよび分子レベルでプロテアソームの役割を探究し、活用するために必要な特異性、安定性、または効力を欠いている。したがって、部位特異性を増大し、安定性および溶解性を向上させ、効力を高めた低分子インヒビターの合成が、細胞レベルおよび分子レベルにおけるプロテアソームの役割の探究を可能にするために必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、ペプチドα’,β’−エポキシドおよびペプチドα’,β’−アジリジンとして公知の分子のクラスに関する。親分子は、N−末端求核剤(Ntn)ヒドロラーゼに効率的、不可逆的、かつ選択的に結合すると理解され、複合的な触媒活性を有する酵素の特定の活性を特異的に阻害し得る。
【0006】
プロテアソームは、かつては変性タンパク質およびミスフォールドタンパク質を単に処理するのみと考えられていたが、現在はタンパク質分解機構を構成し、シグナル依存性様式でのそれらの分解により、種々の細胞内タンパク質のレベルを調節すると認識されている。したがって、プロテアソームおよびその他のNtnヒドロラーゼの活性を特異的に乱し、それにより生物学的プロセスにおけるこれらの酵素の役割を研究するためのプローブとして使用され得る試薬を同定することに大いに関心が寄せられている。Ntnヒドロラーゼを標的にする化合物が、本明細書において記載され、合成され、そして検討される。強力に、選択的に、かつ不可逆的に、特定のプロテアソーム活性を阻害し得るペプチドエポキシドおよびペプチドアジリジンが、開示され、特許請求される。
【0007】
いくつかの他のペプチドベースのインヒビターとは異なり、本明細書中に記載されるペプチドエポキシドおよびペプチドアジリジンは、50μMまでの濃度において、非プロテアソームプロテアーゼ(例えば、トリプシン、キモトリプシン、カテプシンB、パパイン、およびカルパイン)を、実質的に阻害するとは考えられない。より高い濃度においては、阻害が観察され得るが、インヒビターが単に基質と競合するだけであれば、競合的であり、かつ不可逆的ではないと考えられよう。この新規のペプチドエポキシドおよびペプチドアジリジンはまた、NF−κBの活性化を阻害し、かつ細胞培養においてp53レベルを安定化させると考えられる。さらに、これらの化合物は、抗炎症活性を有するとも考えられる。したがって、これらの化合物は、正常な生物学的プロセスおよび病理学的プロセスにおけるNtn酵素機能を探究するための汎用性を有する、独特の分子プローブであり得る。
【0008】
一局面において、本発明は、ヘテロ原子含有3員環を含むインヒビターを提供する。これらのインヒビターは、約50μM未満の濃度で存在するとき、N末端求核剤ヒドロラーゼ酵素(例えば、20Sプロテアソーム、または26Sプロテアソーム)の触媒活性を阻害し得る。20Sプロテアソームに関しては、特定のヒドロラーゼインヒビターは、約5μM未満の濃度で存在するとき、20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害し、約5μM未満の濃度で存在するとき、20Sプロテアソームのトリプシン様活性またはPGPH活性を阻害しない。このヒドロラーゼインヒビターは、例えば、ペプチドα’,β’−エポキシケトンまたはペプチドα’,β’−アジリジンケトンであり得、このペプチドはテトラペプチドであり得る。このペプチドとしては、分枝または非分枝の側鎖(例えば、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、C1〜6アラルキル、C1〜6アルキルアミド、C1〜6アルキルアミン、C1〜6カルボン酸、C1〜6カルボキシルエステル、C1〜6アルキルチオール、またはC1〜6アルキルチオエーテル;例えば、イソブチル、1−ナフチル、フェニルメチル、および2−フェニルエチル)が挙げられ得る。このα’,β’−エポキシケトンまたはα’,β’−アジリジンケトンのα’−炭素は、キラル炭素原子(例えば、本明細書において定義されるような(R)またはβ配置を有する炭素)であり得る。
【0009】
別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア、および薬学的有効量のヒドロラーゼインヒビターを含む薬学的組成物を提供し、これは、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、筋消耗性疾患(muscle−wasting disease)、癌、慢性感染性疾患、熱病、筋廃用(muscle disuse)、脱神経、神経損傷、飢餓状態、および免疫関連状態などの影響を改善する。
【0010】
別の局面において、本発明は、抗炎症性の組成物を提供する。
【0011】
別の局面において、本発明は、以下のための方法を提供する:被験体におけるHIV感染を阻害または低減すること;被験体におけるウイルス遺伝子発現レベルに影響を及ぼすこと;生物体におけるプロテアソームによって産生される種々の抗原ペプチドを変更すること;生物体における細胞の発達過程もしくは生理的過程、またはそれらの出力が、特定のNtnヒドロラーゼのタンパク質分解活性により調節されるかどうか判定すること;被験体におけるアルツハイマー病を処置すること;細胞における筋タンパク質分解の速度を低下させること;細胞における細胞内タンパク質分解の速度を低下させること;細胞におけるp53タンパク質分解の速度を低下させること;被験体におけるp53関連癌の増殖を阻害すること;細胞における抗原提示を阻害すること;被験体の免疫系を抑制すること;生物体におけるIκB−α分解を阻害すること;細胞、筋肉、臓器または被験体におけるNF−κBの含有量を減少させること;サイクリン依存性真核細胞周期に影響を及ぼすこと;被験体における増殖性疾患を処置すること;細胞における腫瘍タンパク質のプロテアソーム依存性調節に影響を及ぼすこと;被験体における癌増殖を処置すると;被験体におけるp53関連アポトーシスを処置すること;ならびに、細胞におけるN末端求核性ヒドロラーゼによって処理されたタンパク質をスクリーニングすること。これらの方法はそれぞれ、本明細書において開示されるヒドイロラーゼインヒビターを含有する有効量の組成物を、被験体、細胞、組織、臓器もしくは生物体に投与する工程、または接触させる工程を含む。
【0012】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、酵素インヒビターとして有用な化合物が関与している。これらの化合物は、一般に、そのN−末端に求核性基を有する酵素を阻害するのに有用である。例えば、それらの側鎖において求核原子を備えたN−末端アミノ酸を有する酵素または酵素サブユニット(例えば、スレオニン、セリンまたはシトシン)の活性は、本明細書中で記述された酵素インヒビターでうまく阻害できる。それらのN−末端に非アミノ酸求核性基(例えば、保護基または炭水化物)を有する酵素または酵素サブユニットもまた、本明細書中で記述された酵素インヒビターでうまく阻害できる。
【0014】
いかなる特定の操作理論にも束縛されないが、NtnのN−末端求核原子は、本明細書中で記述した酵素インヒビターのエポキシド官能基と共に、共有結合付加物を形成すると考えられている。例えば、20Sプロテアソームのβ5/Pre2サブユニットにおいて、その末端スレオニンは、ペプチドエポキシドまたはアジリジン(例えば、下記のもの)と反応すると、不可逆的に、モルホリノまたはピペラジノ付加物を形成する。このような付加物形成には、エポキシドまたはアジリジンの開環開裂が関与している。
【0015】
α’炭素に結合したこのような基を含む実施態様では、α’−炭素(この炭素は、エポキシドまたはアジリジン環の一部を形成する)原子の空間的配置は、(R)または(S)であり得る。本発明は、一部には、本明細書中で開示された構造−機能情報に基づいており、これは、以下の好ましい立体化学的関係を示唆している。好ましい化合物は、指定された上下(またはβ−αであって、ここで、本明細書中で描かれたβは、ページの平面の上である)または(R)−(S)関係(すなわち、その化合物中の各立体中心は、言及された優先度に一致している)を有する多数の立体中心を有し得ることに注目せよ。いくつかの好ましい実施態様では、このα’炭素原子の空間的配置は、(R)であり、すなわち、X原子は、βであるか、または分子の平面の上である。
【0016】
原子の空間的配置に関しては、絶対的な原子の空間的配置を決定するCahn−Ingold−Prelog則に従う。これらの法則は、例えば、Organic Chemistry,Fox and Whitesell;Jones and Bartlett Publishers,Boston,MA(1994);5〜6章,pp 177−178で記載されており、この章の内容は、本明細書中で参考として援用されている。ペプチドは、骨格単位から伸長している側鎖を備えた繰り返し骨格構造を有し得る。一般に、各骨格単位は、それに結合された側鎖を有するものの、いくつかの場合では、この側鎖は、水素原子である。他の実施態様では、いずれの骨格も側鎖に結合にされている訳ではない。ペプチドエポキシドまたはペプチドアジリジンで有用なペプチドは、2個またはそれ以上の骨格単位を有する。プロテアソームのキモトリプシン様(CT−L)を阻害するのに有用ないくつかの実施態様では、2個と8個の間の骨格単位が存在し、CT−L阻害に関するいくつかの好ましい実施態様では、2個と6個の間の骨格単位が存在している。
【0017】
これらの骨格単位から伸長している側鎖には、天然の脂肪族または芳香族アミノ酸側鎖(例えば、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、イソプロピル(バリン)、第二級ブチル(イソロイシン)、イソブチル(ロイシン)、フェニルメチル(フェニルアラニン)、およびアミノ酸プロリンを構成する側鎖を挙げることができる。これらの側鎖はまた、他の分枝または非分枝の脂肪族または芳香族基(例えば、エチル、n−プロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびアリール置換誘導体(例えば、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、(1−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチル、1−(1−ナフチル)エチル、1−(2−ナフチル)エチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル、および類似の化合物))であり得る。このアリール基は、分枝または非分枝のC1〜6アルキル基、または置換アルキル基、アセチルなど、またはさらに別のアリール基または置換アリール基(例えば、ベンゾイルなど)でさらに置換できる。ヘテロアリール基はまた、側鎖置換基として使用できる。ヘテロアリール基には、窒素−、酸素−およびイオウ含有アリール基(例えば、チエニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、チアンスレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、インドリル、プリニル、キノリルなど)が挙げられる。
【0018】
いくつかの実施態様では、このペプチドエポキシドまたはペプチドアジリジンには、極性または荷電残基が導入できる。例えば、天然に存在するアミノ酸(例えば、ヒドロキシ含有(Thr、Tyr、Ser)またはイオウ含有(Met、Cys))は、非必須アミノ酸(例えば、タウリン、カミチン、シトルリン、シスチン、オミチン(omithine)、ノルロイシン(norleucine)および他のもの)と同様に、含有できる。荷電または極性部分を備えた天然に存在しない側鎖置換基(例えば、1個またはそれ以上のヒドロキシを備えたC1〜6アルキル鎖またはC6〜12アリール基、短鎖アルコキシ、スルフィド、チオ、カルボキシル、エステル、ホスホ、アミドまたはアミノ基、または1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されたこのような置換基)もまた、導入できる。いくつかの好ましい実施態様では、このペプチド部分の側鎖には、少なくとも1個のアリール基が存在している。
【0019】
いくつかの実施態様では、これらの骨格単位は、アミド単位[−NH−CHR−C(=O)−]であり、ここで、Rは、側鎖である。このような名称は、天然に存在するアミノ酸であるプロリン、または他の天然に存在しない環状第二級アミノ酸(これらは、当業者に認識されている)を除外しない。
【0020】
他の実施態様では、これらの骨格単位は、N−アルキル化アミド単位(例えば、N−メチルなど)、オレフィン性類似物(ここで、1個またはそれ以上のアミド結合は、オレフィン性結合で置き換えられている)、テトラゾール類似物(ここで、テトラゾール環は、骨格上のシス−立体配置を強要する)、またはこのような骨格連鎖の組み合わせである。さらに他の実施態様では、このアミノ酸α−炭素は、α−アルキル置換(例えば、アミノイソ酪酸)で変性される。さらなるいくつかの実施態様では、側鎖は、例えば、ΔまたはΔデヒドロ変性(ここで、その側鎖のα原子とβ原子との間では、二重結合が存在している)または例えば、ΔまたはΔシクロプロピル変性(ここで、その側鎖のα原子とβ原子との間では、シクロプロピル基が存在している)により、局所的に変性されている。アミノ酸基を使用するさらに別の実施態様では、D−アミノ酸が使用できる。さらなる実施態様には、側鎖−骨格環化、ジスルフィド結合形成、ラクタム形成、アゾ連鎖、および以下で論述された他の変性を挙げることができる:「Peptides and Mimics,Design of Conformationally Constrained」 by Hruby and Boteju、「Molecular Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference」ed.Robert
A.Meyers,VCH Publishers(1995),658−664(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)。
【0021】
本発明の1局面は、式(I)の構造を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0022】
【化4】

ここで、
各Aは、別個に、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、C=O)からなる群から選ばれる;
各Bは、別個に、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、C=O)からなる群から選ばれる;
Dは、存在しないか、またはC1〜8アルキルである;
Gは、O、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Kは、存在しないか、またはC=O、C=SおよびSOからなる群から選択され、好ましくは、Kは、存在しないか、またはC=Oである;
Lは、存在しないか、またはC=O、C=SおよびSOからなる群から選択され、好ましくは、Lは、存在しないか、またはC=Oである;
Mは、存在しないか、またはC1〜8アルキルである;
Qは、存在しないか、またはO、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選択され、好ましくは、Qは、存在しないか、OまたはNHであり、最も好ましくは、Qは、存在しない;
Xは、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
各Vは、別個に、存在しないか、またはO、S、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選択され、好ましくは、Vは、存在しないか、またはOである;
Wは、存在しないか、または別個に、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
Yは、存在しないか、またはO、NH、N−C1〜6アルキル、S、SO、SO、CHOR10およびCHCO10からなる群から選ばれる;
各Zは、別個に、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
、R、RおよびRは、別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、C1〜6アラルキル、およびR14DVKOC1〜3アルキル−からなる群から選択され、ここで、RおよびRの少なくとも1個は、R14DVKOC1〜3アルキル−である;
は、N(R)LQRである;
は、水素、OHおよびC1〜6アルキル(好ましくは、C1〜6アルキル)からなる群から選ばれる;
は、アミノ酸のさらなる鎖、水素、保護基、アリール、またはヘテロアリールであり、それらのいずれかは、必要に応じて、ハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、C1〜6アルキルで置換されている;またはRは、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、C1〜6アラルキル、C1〜6ヘテロアラルキル、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(R10N−C1〜8アルキル−、(R10−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルM−、カルボシクリルM−、R11SO1〜8アルキル−、およびR11SONHからなる群から選ばれる;または
およびRは、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、A−C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、A−C1〜6アルキル−A、またはC1〜6アルキル−A、好ましくは、C1〜2アルキル−Y−C1〜2アルキル、C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキル、A−C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキル、A−C1〜3アルキル−A、またはC1〜4アルキル−Aであり、それにより、環を形成し、好ましくは、Rは、水素であり、そしてRは、C1〜6アルキルである;
およびRは、別個に、水素、金属カチオン、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキルおよびC1〜6ヘテロアラルキル(好ましくは、水素、金属カチオンおよびC1〜6アルキル)からなる群から選ばれるか、またはRおよびRは、一緒になって、C1〜6アルキルであり、それにより、環を形成する;
各R10は、別個に、水素およびC1〜6アルキル(好ましくは、C1〜6アルキル)からなる群から選ばれる;
11は、別個に、水素、OR10、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
14は、水素、(R15O)(R16O)P(=O)W−、R15GB−、ヘテロシクリル−、(R17N−、(R17−、R17SOGBG−、およびR15GBC1〜8アルキル−からなる群から選択され、ここで、該C1〜8アルキル部分は、必要に応じて、OH、C1〜8アルキルW(これは、必要に応じて、ハロゲン(好ましくは、フッ素)で置換されている)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されており、好ましくは、好ましくは、R14の少なくとも1個の存在は、水素以外のものである;
15およびR16は、別個に、水素、金属カチオン、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜8ヘテロアラルキル(好ましくは、金属カチオンおよびC1〜6アルキル)からなる群から選ばれるか、またはR15およびR16は、一緒に、C1〜6アルキル、それにより、環を形成する;そして
各R17は、別個に、水素、OR10、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
但し、RがHであり、LがC=Oであり、そしてQが存在しないとき、Rは、水素、C1〜6アルキル、または置換または非置換アリールまたはヘテロアリールではない;そして
D、G、V、KおよびWは、O−O、N−O、S−NまたはS−O結合が存在しないように選択される。
【0023】
ペプチド合成の技術分野で公知の適当なN−末端保護基には、t−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンゾイル(Bz)、フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(Fmoc)、トリフェニルメチル(トリチル)およびトリクロロエトキシカルボニル(Troc)などが挙げられる。種々のN−保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基またはt−ブチルオキシカルボニル基(Boc))、種々のカップリング試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)、N−ヒドロキシアザベンゾトリアゾール(HATU)、カルボニルジイミダゾールまたは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBT))および種々の開裂条件(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジオキサン中のHCl、有機溶媒(例えば、メタノールまたは酢酸エチル)中でのPd−C上の水素化、トリス(トリフルオロ酢酸)ホウ素、およびシアノゲンブロマイド)、ならびに中間体の単離および精製を伴う溶液中での反応の使用は、ペプチド合成の技術分野で周知であり、そして対象化合物の調製に等しく適用可能である。
【0024】
特定の実施態様では、R、R、RおよびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、C1〜6アラルキル、およびR14DVKOC1〜3アルキル−からなる群から選択され、ここで、RおよびRの少なくとも一方は、R14DVKOC1〜3アルキルである。好ましい実施態様では、RおよびRの一方は、C1〜6アラルキルであり、そして他方は、R14DVKOC1〜3アルキル−であり、そしてRおよびRは、別個に、C1〜6アルキルである。最も好ましい実施態様では、RおよびRの一方は、2−フェニルエチルまたはフェニルメチルであり、そして他方は、R14DVKOCH−またはR14DVKO(CH)CH−であり、そしてRおよびRの両方は、イソブチルである。
【0025】
特定の実施態様では、各R11は、別個に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。
【0026】
特定の実施態様では、各R17は、別個に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。
【0027】
特定の実施態様では、LおよびQは、存在せず、そしてRは、水素、アミノ酸のさらなる鎖、C1〜6アシル、保護基、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、C1〜6アルキルであり、そしてRは、ブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルからなる群から選ばれる。
【0028】
他の実施態様では、Lは、SOであり、Qは、存在せず、そしてRは、C1〜6アルキルおよびアリールからなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、メチルおよびフェニルからなる群から選ばれる。
【0029】
特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、そしてRは、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、C1〜6アラルキル、ヘテロアリール、C1〜6ヘテロアラルキル、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−、(R10N−C1〜8アルキル−、(R10−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルM−、カルボシクリルM−、R11SO1〜8アルキル−、およびR11SONH−からなる群から選ばれる。特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、そしてRは、Hである。
【0030】
特定の実施態様では、Rは、C1〜6アルキルであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、存在せず、そしてLは、C=Oである。特定のこのような実施態様では、Rは、エチル、イソプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2−(メチルスルホニル)エチルである。
【0031】
他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、そしてRは、C1〜6アラルキルである。特定のこのような実施態様では、Rは、2−フェニルエチル、フェニルメチル、(4−メトキシフェニル)メチル、(4−クロロフェニル)メチル、および(4−フルオロフェニル)メチルからなる群から選ばれる。
【0032】
他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、Rは、C1〜6アルキルであり、そしてRは、アリールである。特定のこのような実施態様では、Rは、置換または非置換フェニルである。
【0033】
特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在しないか、またはOであり、そしてRは、−(CHカルボシクリルである。特定のこのような実施態様では、Rは、シクロプロピルまたはシクロヘキシルである。
【0034】
特定の実施態様では、LおよびAは、C=Oであり、Qは、存在せず、Zは、Oであり、そしてRは、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、およびヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−からなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−であり、この場合、ヘテロシクリルは、置換または非置換オキソジオキソレニルまたはN(R12)(R13)であり、ここで、R12およびR13は、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、好ましくは、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルであり、それにより、環を形成する。
【0035】
特定の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、そしてRは、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(R10NC1〜8アルキル、(R10(CH−、およびヘテロシクリル−M−からなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、−C1〜8アルキルN(R10または−C1〜8アルキルN(R10であり、ここで、R10は、C1〜6アルキルである。他の特定のこのような実施態様では、Rは、ヘテロシクリルM−であり、ここで、ヘテロシクリルは、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノおよびピロリジノからなる群から選ばれる。
【0036】
特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6アルキル、シクロアルキル−M、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6アルキルであり、ここで、C1〜6アルキルは、メチル、エチルおよびイソプロピルからなる群から選ばれる。さらなる実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6アラルキルであり、ここで、アラルキルは、フェニルメチルである。他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6ヘテロアラルキルであり、ここで、ヘテロアラルキルは、(4−ピリジル)メチルである。
【0037】
特定の実施態様では、Lは、存在しないか、またはC=Oであり、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキル−Aであり、それにより、環を形成する。特定の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、QおよびYは、存在せず、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、LおよびQは、存在せず、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、Yは、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選択され、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、Yは、存在せず、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、LおよびAは、C=Oであり、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキルである。別の好ましい実施態様では、LおよびAは、C=Oであり、そしてRおよびRは、一緒になって、C2〜3アルキル−Aである。
【0038】
特定の実施態様では、R14は、(R15O)(R16O)P(=O)W−である。特定のこのような実施態様では、D、V、KおよびWは、存在しない。他の好ましい実施態様では、VおよびKは、存在せず、Dは、C1〜8アルキルであり、そしてWは、Oである。さらに他の好ましい実施態様では、Dは、C1〜8アルキルであり、Kは、C=Oであり、そしてVおよびWは、Oである。
【0039】
特定の実施態様では、R14は、R15GB−である。好ましい実施態様では、Bは、C=Oであり、Gは、Oであり、Dは、C1〜8アルキルであり、Vは、Oであり、そしてKは、C=Oである。
【0040】
特定の実施態様では、R14は、ヘテロシクリル−である。好ましいこのような実施態様では、Dは、C1〜8アルキルである。特定のこのような実施態様では、Vは、Oであり、Kは、C=Oであり、そしてヘテロシクリルは、オキソジオキソレニルである。他の好ましい実施態様では、Vは、存在せず、Kは、存在しないか、またはC=Oであり、そしてヘテロシクリルは、N(R18)(R19)であり、ここで、R18およびR19は、一緒になって、J−T−J、J−WB−JまたはB−J−T−Jであり、Tは、存在しないか、またはO、NR17、S、SO、SO、CHOR17、CHCO15、C=O、CFおよびCHFからなる群から選択され、そしてJは、存在しないか、またはC1〜3アルキルである。
【0041】
特定の実施態様では、R14は、(R17N−または(R17−であり、好ましくは、Vは、存在しない。好ましいこのような実施態様では、Dは、C1〜8アルキルであり、そしてKは、存在しないか、またはC=Oである。特定の実施態様では、Vは、存在せず、そしてR14は、(R17N−であり、Dは、存在せず、Kは、存在しないか、またはC=Oであり、好ましくは、Kは、C=Oである。
【0042】
特定の実施態様では、R14は、R17SOGBG−である。好ましいこのような実施態様では、Bは、C=Oであり、D、VおよびKは、存在せず、そしてGは、NHまたはNC1〜6アルキルである。
【0043】
特定の実施態様では、R14は、R15GBC1〜5アルキル−である。好ましい実施態様では、Bは、C=Oであり、Gは、Oであり、そしてC1〜8アルキル部分は、必要に応じて、OH、C1〜8アルキル(これは、必要に応じて、ハロゲン、好ましくは、フッ素で置換されている)、C1〜8アルキルW、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されている。特定のこのような実施態様では、このC1〜8アルキル部分は、非置換、一置換または二置換Cアルキルである。
【0044】
特定の実施態様では、式Iの化合物は、次の原子の空間的配置を有する:
【0045】
【化5】

好ましい実施態様では、このインヒビターは、式IIの構造を有するか、またはそれらの薬学的に受容可能な塩である:
【0046】
【化6】

ここで、
各Aは、別個に、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、C=O)からなる群から選ばれる;
各Bは、別個に、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、C=O)からなる群から選ばれる;
Dは、存在しないか、またはC1〜8アルキルである;
Gは、O、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Kは、存在しないか、またはC=O、C=SおよびSOからなる群から選択され、好ましくは、Kは、存在しないか、またはC=Oである;
Lは、存在しないか、またはC=O、C=SおよびSOからなる群から選択され、好ましくは、Lは、存在しないか、またはC=Oである;
Mは、存在しないか、またはC1〜8アルキルである;
Qは、存在しないか、またはO、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選択され、好ましくは、Qは、存在しないか、OまたはNHであり、最も好ましくは、Qは、存在しないか、またはOである;
Xは、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
各Vは、別個に、存在しないか、またはO、S、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選択され、好ましくは、Vは、存在しないか、またはOである;
Wは、存在しないか、または別個に、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
Yは、存在しないか、またはO、NH、N−C1〜6アルキル、S、SO、SO、CHOR10およびCHCO10からなる群から選ばれる;
各Zは、別個に、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
、R、RおよびRは、別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、C1〜6アラルキル、およびR14DVKOC1〜3アルキル−からなる群から選択され、ここで、RおよびRの少なくとも1個は、R14DVKOC1〜3アルキル−である;
は、N(R)LQRである;
は、水素、OHおよびC1〜6アルキル(好ましくは、C1〜6アルキル)からなる群から選ばれる;
は、アミノ酸のさらなる鎖、水素、保護基、アリール、またはヘテロアリールであり、それらのいずれかは、必要に応じて、ハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、C1〜6アルキルで置換されている;またはRは、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、C1〜6アラルキル、C1〜6ヘテロアラルキル、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(R10N−C1〜8アルキル−、(R10−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルM−、カルボシクリルM−、R11SO1〜8アルキル−、およびR11SONHからなる群から選ばれる;または
およびRは、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、A−C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、A−C1〜6アルキル−A、またはC1〜6アルキル−A、好ましくは、C1〜2アルキル−Y−C1〜2アルキル、C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキル、A−C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキル、A−C1〜3アルキル−A、またはC1〜4アルキル−Aであり、それにより、環を形成する;
およびRは、別個に、水素、金属カチオン、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキルおよびC1〜6ヘテロアラルキル(好ましくは、水素、金属カチオンおよびC1〜6アルキル)からなる群から選ばれるか、またはRおよびRは、一緒になって、C1〜6アルキルであり、それにより、環を形成する;
各R10は、別個に、水素およびC1〜6アルキル(好ましくは、C1〜6アルキル)からなる群から選ばれる;
11は、別個に、水素、OR10、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
14は、水素、(R15O)(R16O)P(=O)W−、R15GB−、ヘテロシクリル−、(R17N−、(R17−、R17SOGBG−、およびR15GBC1〜8アルキル−からなる群から選択され、ここで、該C1〜8アルキル部分は、必要に応じて、OH、C1〜8アルキルW(これは、必要に応じて、ハロゲン(好ましくは、フッ素)で置換されている)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されており、好ましくは、好ましくは、R14の少なくとも1個の存在は、水素以外のものである;
15およびR16は、別個に、水素、金属カチオン、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜8ヘテロアラルキル(好ましくは、金属カチオンおよびC1〜6アルキル)からなる群から選ばれるか、またはR15およびR16は、一緒に、C1〜6アルキル、それにより、環を形成する;
各R17は、別個に、水素、OR10、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
但し、RがHであり、LがC=Oであり、そしてQが存在しないとき、Rは、水素、C1〜6アルキル、または置換または非置換アリールまたはヘテロアリールではない;そして
D、G、V、KおよびWは、O−O、N−O、S−NまたはS−O結合が存在しないように選択される。
【0047】
特定の実施態様では、RおよびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、C1〜6アラルキル、およびR14DVKOC1〜3アルキルであり、ここで、RおよびRの少なくとも一方は、R14DVKOC1〜3アルキル−である。好ましい実施態様では、RおよびRの少なくとも一方は、C1〜6アラルキルであり、そして他方は、R14DVKOC1〜3アルキル−である。最も好ましい実施態様では、RおよびRの少なくとも一方は、2−フェニルエチルまたはフェニルメチルであり、そして他方は、R14DVKOCH−またはR14DVKO(CH)CH−である。
【0048】
特定の実施態様では、各R11は、別個に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。
【0049】
特定の実施態様では、各R17は、別個に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。
【0050】
特定の実施態様では、LおよびQは、存在せず、そしてRは、水素、アミノ酸のさらなる鎖、C1〜6アシル、保護基、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、C1〜6アルキルであり、そしてRは、ブチル、アリル、プロパルギル、フェニルメチル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルからなる群から選ばれる。
【0051】
他の実施態様では、Lは、SOであり、Qは、存在せず、そしてRは、C1〜6アルキルおよびアリールからなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、メチルおよびフェニルからなる群から選ばれる。
【0052】
特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、そしてRは、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、C1〜6アラルキル、ヘテロアリール、C1〜6ヘテロアラルキル、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−、(R10N−C1〜8アルキル−、(R10−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルM−、カルボシクリルM−、R11SO1〜8アルキル−、およびR11SONH−からなる群から選ばれる。特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、そしてRは、Hである。
【0053】
特定の実施態様では、Rは、C1〜6アルキルであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、存在せず、そしてLは、C=Oである。特定のこのような実施態様では、Rは、エチル、イソプロピル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2−(メチルスルホニル)エチルである。
【0054】
他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、そしてRは、C1〜6アラルキルである。特定のこのような実施態様では、Rは、2−フェニルエチル、フェニルメチル、(4−メトキシフェニル)メチル、(4−クロロフェニル)メチル、および(4−フルオロフェニル)メチルからなる群から選ばれる。
【0055】
他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、Rは、C1〜6アルキルであり、そしてRは、アリールである。特定のこのような実施態様では、Rは、置換または非置換フェニルである。
【0056】
特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在しないか、またはOであり、そしてRは、−(CHカルボシクリルである。特定のこのような実施態様では、Rは、シクロプロピルまたはシクロヘキシルである。
【0057】
特定の実施態様では、LおよびAは、C=Oであり、Qは、存在せず、Zは、Oであり、そしてRは、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、およびヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−からなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−であり、この場合、ヘテロシクリルは、置換または非置換オキソジオキソレニルまたはN(R12)(R13)であり、ここで、R12およびR13は、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、好ましくは、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルであり、それにより、環を形成する。
【0058】
特定の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、そしてRは、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(R10NC1〜8アルキル、(R10(CH−、およびヘテロシクリル−M−からなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Rは、−C1〜8アルキルN(R10または−C1〜8アルキルN(R10であり、ここで、R10は、C1〜6アルキルである。他の特定のこのような実施態様では、Rは、ヘテロシクリルM−であり、ここで、ヘテロシクリルは、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノおよびピロリジノからなる群から選ばれる。
【0059】
特定の実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6アルキル、シクロアルキル−M、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる。他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6アルキルであり、ここで、C1〜6アルキルは、メチル、エチルおよびイソプロピルからなる群から選ばれる。さらなる実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6アラルキルであり、ここで、アラルキルは、フェニルメチルである。他の実施態様では、Lは、C=Oであり、Rは、C1〜6アルキルであり、Qは、OおよびNHからなる群から選択され、そしてRは、C1〜6ヘテロアラルキルであり、ここで、ヘテロアラルキルは、(4−ピリジル)メチルである。
【0060】
特定の実施態様では、Lは、存在しないか、またはC=Oであり、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、またはC1〜6アルキル−Aであり、それにより、環を形成する。特定の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、QおよびYは、存在せず、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、LおよびQは、存在せず、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、Qは、存在せず、Yは、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選択され、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、Lは、C=Oであり、Yは、存在せず、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜3アルキル−Y−C1〜3アルキルである。別の好ましい実施態様では、LおよびAは、C=Oであり、そしてRおよびRは、一緒になって、C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキルである。別の好ましい実施態様では、LおよびAは、C=Oであり、そしてRおよびRは、一緒になって、C2〜3アルキル−Aである。
【0061】
特定の実施態様では、R14は、(R15O)(R16O)P(=O)W−である。特定のこのような実施態様では、D、V、KおよびWは、存在しない。他の好ましい実施態様では、VおよびKは、存在せず、Dは、C1〜8アルキルであり、そしてWは、Oである。さらに他の好ましい実施態様では、Dは、C1〜8アルキルであり、Kは、C=Oであり、そしてVおよびWは、Oである。
【0062】
特定の実施態様では、R14は、R15GB−である。好ましい実施態様では、Bは、C=Oであり、Gは、Oであり、Dは、C1〜8アルキルであり、Vは、Oであり、そしてKは、C=Oである。
【0063】
特定の実施態様では、R14は、ヘテロシクリル−である。好ましいこのような実施態様では、Dは、C1〜8アルキルである。特定のこのような実施態様では、Vは、Oであり、Kは、C=Oであり、そしてヘテロシクリルは、オキソジオキソレニルである。他の好ましい実施態様では、Vは、存在せず、Kは、存在しないか、またはC=Oであり、そしてヘテロシクリルは、N(R18)(R19)であり、ここで、R18およびR19は、一緒になって、J−T−J、J−WB−JまたはB−J−T−Jであり、Tは、存在しないか、またはO、NR17、S、SO、SO、CHOR17、CHCO15、C=O、CFおよびCHFからなる群から選択され、そしてJは、存在しないか、またはC1〜3アルキルである。
【0064】
特定の実施態様では、R14は、(R17N−または(R17−であり、好ましくは、Vは、存在しない。好ましいこのような実施態様では、Dは、C1〜8アルキルであり、そしてKは、存在しないか、またはC=Oである。特定の実施態様では、Vは、存在せず、そしてR14は、(R17N−であり、Dは、存在せず、Kは、存在しないか、またはC=Oであり、好ましくは、Kは、C=Oである。
【0065】
特定の実施態様では、R14は、R17SOGBG−である。好ましいこのような実施態様では、Bは、C=Oであり、D、VおよびKは、存在せず、そしてGは、NHまたはNC1〜6アルキルである。
【0066】
特定の実施態様では、R14は、R15GBC1〜5アルキル−である。好ましい実施態様では、Bは、C=Oであり、Gは、Oであり、そしてC1〜8アルキル部分は、必要に応じて、OH、C1〜8アルキル(これは、必要に応じて、ハロゲン、好ましくは、フッ素で置換されている)、C1〜8アルキルW、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されている。特定のこのような実施態様では、このC1〜8アルキル部分は、非置換、一置換または二置換Cアルキルである。
【0067】
本発明の他の局面は、式(III)または式(IV)の構造を有する化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩に関し、
【0068】
【化7】

ここで、
各Arは、別個に、1個〜4個の置換基で必要に応じて置換した芳香族基またはヘテロ芳香族基である;
Lは、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、SOまたはC=O)からなる群から選ばれる;
Xは、O、S、NH、およびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
Yは、存在しないか、またはC=OおよびSOからなる群から選ばれる;
Zは、存在しないか、またはC1〜6アルキルである;
、RおよびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、およびC1〜6アラルキルからなる群から選択され、それらのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上のアミド、アミン、カルボン酸(またはそれらの塩)、エステル(C1〜6アルキルエステル、C1〜5アルキルエステル、およびアリールエステルを含めて)、チオール、またはチオエーテル置換基で置換されている;
は、N(R)L−Z−Rである;
は、水素、OH、C1〜6アラルキル−Y−、およびC1〜6アルキル−Y−(好ましくは、水素)からなる群から選ばれる;
は、水素、OR、C1〜6アルケニル、Ar−Y−、カルボシクリル、およびヘテロシクリルからなる群から選ばれる;そして
およびRは、別個に、水素、C1〜6アルキル、およびC1〜6アラルキル(好ましくは、水素)からなる群から選ばれる。
【0069】
特定の実施態様では、Lは、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、SOまたはC=O)からなる群から選ばれる。
【0070】
特定の実施態様では、Rは、水素、OH、C1〜6アラルキル、およびC1〜6アルキル(好ましくは、水素)からなる群から選ばれる。
【0071】
特定の実施態様では、Rは、水素、C1〜6アルケニル、Ar−Y−、カルボシクリル、およびヘテロシクリルからなる群から選ばれる。
【0072】
特定の実施態様では、Xは、Oであり、そしてR、RおよびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、およびC1〜6アラルキルからなる群から選ばれる。好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、別個に、C1〜6アルキルであり、そしてRは、C1〜6アラルキルである。さらに好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、両方共に、イソブチルであり、そしてRは、フェニルメチルである。
【0073】
特定の実施態様では、Rは、水素であり、Lは、C=OまたはSOであり、Rは、Ar−Y−であり、そして各Arは、別個に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジルなどからなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Arは、Ar−Q−で置換され得、ここで、Qは、直接結合、−O−、およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる。特定の他のこのような実施態様では、Zは、C1〜6アルキルであり、Zは、好ましくは、Ar(例えば、フェニル)で置換され得る。
【0074】
特定の実施態様では、Rは、水素であり、Zは、存在せず、Lは、C=OまたはSOであり、そしてRは、Ar−Yおよびヘテロシクリルからなる群から選ばれる。特定の好ましいこのような実施態様では、ヘテロシクリルは、クロモニル、クロマニル、モルホリノおよびピペリジニルからなる群から選ばれる。特定の他の好ましいこのような実施態様では、Arは、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジルなどからなる群から選ばれる。
【0075】
特定の実施態様では、Rは、水素であり、Lは、C=OまたはSOであり、Zは、存在せず、そしてRは、C1〜6アルケニルであり、ここで、C1〜6アルケニルは、置換ビニル基であり、ここで、該置換基は、好ましくは、アリールまたはヘテロアリール基であり、さらに好ましくは、1個〜4個の置換基で必要に応じて置換したフェニル基である。
【0076】
特定の実施態様では、RおよびRは、別個に、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる。特定の好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、別個に、水素およびメチルからなる群から選ばれる。さらに好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、両方共に、水素である。
【0077】
特定の実施態様では、式(III)および式(IV)の化合物は、以下の原子の空間的配置を有する:
【0078】
【化8】

好ましい実施態様では、このインヒビターは、式(V)または式(VI)の構造を有するか、またはそれらの薬学的に受容可能な塩であり、
【0079】
【化9】

ここで、
各Arは、別個に、1個〜4個の置換基で必要に応じて置換した芳香族基またはヘテロ芳香族基である;
Lは、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、SOまたはC=O)からなる群から選ばれる;
Xは、O、S、NH、およびN−C1〜6アルキル(好ましくは、O)からなる群から選ばれる;
Yは、存在しないか、またはC=OおよびSOからなる群から選ばれる;
Zは、存在しないか、またはC1〜6アルキルである;
、RおよびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、およびC1〜6アラルキルからなる群から選択され、それらのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上のアミド、アミン、カルボン酸(またはそれらの塩)、エステル(C1〜6アルキルエステル、C1〜5アルキルエステル、およびアリールエステルを含めて)、チオール、またはチオエーテル置換基で置換されている;
は、N(R)L−Z−Rである;
は、水素、OH、C1〜6アラルキル−Y−、およびC1〜6アルキル−Y−(好ましくは、水素)からなる群から選ばれる;
は、水素、OR、C1〜6アルケニル、Ar−Y−、カルボシクリル、およびヘテロシクリルからなる群から選ばれる;そして
およびRは、別個に、水素、C1〜6アルキル、およびC1〜6アラルキル(好ましくは、水素)からなる群から選ばれる。
【0080】
特定の実施態様では、Lは、C=O、C=SおよびSO(好ましくは、SOまたはC=O)からなる群から選ばれる。
【0081】
特定の実施態様では、Rは、水素、OH、C1〜6アラルキル、およびC1〜6アルキル(好ましくは、水素)からなる群から選ばれる。
【0082】
特定の実施態様では、Rは、水素、C1〜6アルケニル、Ar−Y−、カルボシクリル、およびヘテロシクリルからなる群から選ばれる。
【0083】
特定の実施態様では、Xは、Oであり、そしてR、RおよびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、およびC1〜6アラルキルからなる群から選ばれる。好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、別個に、C1〜6アルキルである。さらに好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、両方共に、イソブチルである。
【0084】
特定の実施態様では、Rは、水素であり、Lは、C=OまたはSOであり、Rは、Ar−Y−であり、そして各Arは、別個に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジルなどからなる群から選ばれる。特定のこのような実施態様では、Arは、Ar−Q−で置換され得、ここで、Qは、直接結合、−O−、およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる。特定の他のこのような実施態様では、Zは、C1〜6アルキルであり、Zは、好ましくは、Ar(例えば、フェニル)で置換され得る。
【0085】
特定の実施態様では、Rは、水素であり、Zは、存在せず、Lは、C=OまたはSOであり、そしてRは、Ar−Yおよびヘテロシクリルからなる群から選ばれる。特定の好ましいこのような実施態様では、ヘテロシクリルは、クロモニル、クロマニル、モルホリノおよびピペリジニルからなる群から選ばれる。特定の他の好ましいこのような実施態様では、Arは、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジル、ピラジルなどからなる群から選ばれる。
【0086】
特定の実施態様では、Rは、水素であり、Lは、C=OまたはSOであり、Zは、存在せず、そしてRは、C1〜6アルケニルであり、ここで、C1〜6アルケニルは、置換ビニル基であり、ここで、該置換基は、好ましくは、アリールまたはヘテロアリール基であり、さらに好ましくは、1個〜4個の置換基で必要に応じて置換したフェニル基である。
【0087】
特定の実施態様では、RおよびRは、別個に、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる。特定の好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、別個に、水素およびメチルからなる群から選ばれる。さらに好ましいこのような実施態様では、RおよびRは、両方共に、水素である。
【0088】
特定の実施態様では、−L−Z−Rは、以下からなる群から選ばれる:
【0089】
【化10】

本発明の一局面は、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターを含有する本明細書において開示される組成物を含む医療デバイスに関する。一実施形態において、この組成物は医療デバイス内に組み込まれる。特定の実施形態において、医療デバイスはポリマーマトリクスまたはセラミックマトリクス、およびインヒビターを含有するゲルである。このポリマーは天然に存在するか合成物のどちらかであり得る。別の実施形態において、このゲルは、薬剤貯留槽、接着剤、縫合糸、バリア、密封材として作用する。
【0090】
本発明の別の局面は、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターが配置される表面を有する基質を含有する医療デバイスに関する。一実施形態において、このインヒビターは医療デバイスに直接配置される。別の実施形態において、コーティングがそのように配置され、このコーティングは、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターを含む、ポリマーマトリクスまたはセラミックマトリクスを含有し、そこで分散または溶解される。
【0091】
一実施形態において、医療デバイスは、冠状動脈用、脈管用、末梢用、または胆管用のステントである。より具体的には、本発明のステントは、拡張性ステントである。式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターを含有するマトリクスで被覆されるとき、このマトリクスは、そのような拡張性ステントの圧縮状態および拡張状態を収容するように柔軟性である。本発明の別の実施形態において、このステントは、少なくとも患者の体内に挿入可能もしくは移植可能な部分を有し、この部分は身体組織への曝露に対して適合する表面を有し、かつこの表面の少なくとも一部が、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターで被覆されるか、または式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターが分散もしくは溶解されたマトリクス含むコーティングで被覆される。適切なステントの例は、米国特許第4,733,665号に開示されており、これは、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0092】
別の実施形態において、本発明の医療デバイスは、外科手術用器具、例えば、血管インプラント、管腔内デバイス、外科手術用密封材または血管支持体(vascular support)である。より具体的には、本発明の医療デバイスは、カテーテル、移植可能血管アクセスポート、中心静脈カテーテル、動脈カテーテル、血管移植片、大動脈内バルーンポンプ、縫合糸、補助人工心臓ポンプ、薬剤溶出バリア(drug−eluting barrier)、接着剤、血管ラップ(vascular wrap)、脈管外/脈管周囲支持具、血液フィルターすなわち血管内に配置するように適合されたフィルターであり、これらは直接、または式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターを含有するマトリクスにより、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターで被覆される。
【0093】
特定の実施形態において、管腔内医療デバイスは、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビター、または生物学的耐性があるマトリクスおよび式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有し、ポリマー内に分散されるインヒビターを含有するコーティングで被覆される。このデバイスは、内面、および外面を有しており、内面、外面、またはその両方の少なくとも一部にコーティングが適用される。
【0094】
特定の実施形態において、この医療デバイスは、血管形成後の再狭窄を予防するのに有用であり得る。この医療デバイスはまた、式I〜式VIのうちのいずれか1つの構造を有するインヒビターの局所投与を実施することによる、種々の疾患および状態の処置に対して有用であり得る。このような疾患および状態としては、再狭窄、炎症、関節リウマチ、炎症による組織損傷、過剰増殖性疾患、重症乾癬または関節炎性乾癬、筋消耗性疾患、慢性感染性疾患、異常免疫応答、易損性プラークが関与する状態、虚血性状態に関連する損傷ならびにウイルス感染、およびウイルス増殖が挙げられる。本発明の薬剤で被覆された医療デバイスを含む処置に供する疾患および状態の例としては、アテローム硬化症、急性冠動脈症候群、アルツハイマー病、癌、熱病、筋非活動(萎縮)、脱神経、血管閉塞、発作、HIV感染、神経損傷、アシドーシスに関連する腎不全、および肝不全が挙げられる。例えば、Goldbergによる米国特許第5,340,736号を参照されたい。
【0095】
「Cx〜yアルキル」とは、置換または非置換飽和炭化水素基であり、これには、直鎖アルキル基および分枝鎖アルキル基が挙げられ、これらは、鎖内に、x個〜y個の炭素を含有し、それらには、ハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルなど)が挙げられる。Cアルキルとは、その基が末端位置にある場合、水素を示し、もし内部にあるなら、結合を示す。「C2〜yアルケニル」および「C2〜yアルキニル」とは、上記アルキル基と長さおよび可能な置換の点で類似しているが、それぞれ、少なくとも1個の二重結合または三重結合を含有する置換または非置換不飽和脂肪族基類似物を意味する。
【0096】
「アルコキシ」との用語は、そこに酸素を結合したアルキル基を意味する。代表的なアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、第三級ブトキシなどが挙げられる。「エーテル」とは、酸素により連結された2個の炭化水素である。従って、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、アルコキシであるか、またはアルコキシと似ている。
【0097】
「C1〜6アルコキシアルキル」とは、アルコキシ基で置換されてそれによりエーテルを形成するC1〜6アルキル基を意味する。
【0098】
本明細書中で使用する「C1〜6アラルキル」との用語は、アリール基で置換されたC1〜6アルキル基を意味する。
【0099】
「アミン」および「アミノ」との用語は、当該技術分野で認められており、そして置換および非置換アミンおよびそれらの塩(例えば、以下の一般式で表わすことができる部分)を意味する:
【0100】
【化11】

ここで、R、R10およびR10’は、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−Rを表わすか、またはRおよびR10は、それらが結合するN原子と一緒になって、環構造内に4個〜8個の原子を有する複素環を完成する;Rは、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはポリシクリルを表わす;そしてmは、0または1〜8の整数である。好ましい実施態様では、RまたはR10の1個だけが、カルボニルであり得、例えば、R、R10、および窒素は、一緒になって、イミドを形成しない。さらにより好ましい実施態様では、RおよびR10(および必要に応じて、R10’)は、それぞれ別個に、水素、アルキル、アルケニル、または−(CH−Rを表わす。特定の実施態様では、このアミノ基は、塩基性であり、このことは、そのプロトン化形状がpKa≧7.00を有することを意味する。
【0101】
「アミド」および「アミド」との用語は、アミノ置換カルボニルとして当該技術分野で認められており、そして以下の一般式で表わすことができる部分を含む:
【0102】
【化12】

ここで、R、R10は、上で定義したとおりである。このアミドの好ましい実施態様は、不安定であり得るイミドを含まない。
【0103】
本明細書中で使用する「アリール」は、5員、6員および7員置換または非置換単一環芳香族基を含み、ここで、この環の各原子は、炭素である。「アリール」との用語はまた、2個またはそれ以上の環状環を有する多環式環系を含み、ここで、2個またはそれ以上の炭素は、2個の隣接している環に共通であり、ここで、これらの環の少なくとも1個は、芳香族であり、例えば、他の環状環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが挙げられる。
【0104】
本明細書中で使用する「炭素環」および「カルボシクリル」との用語は、その環の各原子が炭素である非芳香族置換または非置換環を意味する。「炭素環」および「カルボシクリル」との用語はまた、2個またはそれ以上の環状環を有する多環式環系を含み、ここで、2個またはそれ以上の炭素は、2個の隣接している環に共通であり、ここで、これらの環の少なくとも1個は、炭素環であり、例えば、他の環状環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび/またはヘテロシクリルであり得る。
【0105】
「カルボニル」との用語は、当該技術分野で認められており、そして以下の一般式で表わすことができるような部分を含む:
【0106】
【化13】

ここで、Xは、結合であるか、または酸素またはイオウを表わし、そしてR11は、水素、アルキル、アルケニル、−(CH−Rまたはそれらの薬学的に受容可能な塩であり、R11’は、水素、アルキル、アルケニルまたは−(CH−Rを表わし、ここで、mおよびRは、上で定義したとおりである。Xが酸素であり、そしてR11またはR11’が水素ではない場合、この式は、「エステル」を表わす。Xが酸素であり、そしてR11が水素である場合、この式は、「カルボン酸」を表わす。
【0107】
本明細書中で使用する「酵素」は、触媒様式で化学反応を実行する任意の部分的または全体的にタンパク質様の分子であり得る。このような酵素は、自然酵素、融合酵素、酵素前駆体、アポ酵素、変性酵素、ファルネシル化酵素、ユビキチン化した酵素、脂肪性アシル化酵素、ゲランゲラニル化(gerangeranylated)酵素、GPI連結酵素、脂質連結酵素、プレニル化酵素、天然に存在する酵素または人工的に産生変異酵素、側鎖または骨格を変性した酵素、リーダー配列を有する酵素、および非タンパク質様物質と錯体化した酵素(例えば、プロテオグリカン、プロテオリポソーム)であり得る。酵素は、任意の手段で製造でき、これには、自然な発現、促進された発現、クローニング、多様な溶液ベースおよび固体ベースのペプチド合成、および当業者に公知の類似の方法が挙げられる。
【0108】
本明細書中で使用する「C1〜6ヘテロアラルキル」との用語は、ヘテロアリール基で置換されたC1〜6アルキルを意味する。
【0109】
「ヘテロアリール」との用語は、置換または非置換芳香族5員〜7員環構造、さらに好ましくは、5員〜6員環を含み、これらの環構造は、1個〜4個のヘテロ原子を含有する。「ヘテロアリール」との用語はまた、2個またはそれ以上の環状環を有する多環式環系を含み、ここで、2個またはそれ以上の炭素は、2個の隣接している環に共通であり、ここで、これらの環の少なくとも1個は、ヘテロ芳香族であり、例えば、他の環状環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基には、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが挙げられる。
【0110】
本明細書中で使用する「ヘテロ原子」との用語は、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、リンおよびイオウである。
【0111】
「ヘテロシクリル」または「複素環基」との用語は、置換または非置換非芳香族3員〜10員環構造、さらに好ましくは、3員〜7員環を意味し、その環構造は、1個〜4個のヘテロ原子を含有する。「ヘテロシクリル」または「複素環基」との用語はまた、2個またはそれ以上の環状環を有する多環式環系を含み、ここで、2個またはそれ以上の炭素は、2個の隣接している環に共通であり、ここで、これらの環の少なくとも1個は、複素環であり、例えば、他の環状環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基には、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。
【0112】
「C1〜6ヒドロキシアルキル」との用語は、ヒドロキシ基で置換されたC1〜6アルキルを意味する。
【0113】
本明細書中で使用する「インヒビター」との用語は、酵素の活性を遮断または低下させる(例えば、標準的な蛍光発生的ペプチド基質(例えば、suc−LLVY−AMC、Box−LLR−AMCおよびZ−LLE−AMC)のタンパク分解性切断の阻害、20Sプロテアソームの多様な触媒作用活性の阻害)化合物を記述することを意味する。インヒビターは、競合的、不競合的または非競合的な阻害を伴って、作用できる。インヒビターは、可逆的または不可逆的に結合でき、従って、この用語は、酵素の自殺基質である化合物を含む。インヒビターは、酵素の活性部位またはその近くの1つまたはそれ以上の部位を変性できるか、または酵素のどこかで立体配座の変化を引き起こすことができる。
【0114】
本明細書中で使用する「ペプチド」との用語は、以下で詳述するように、標準的なα−置換基を備えた標準的なアミド連鎖だけでなく、一般に利用されるペプチドミメティック、他の変性した連鎖、天然に存在しない側鎖、および側鎖変性を含む。
【0115】
「ポリシクリル」または「多環式」との用語は、2個またはそれ以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリル)を意味し、ここで、2個またはそれ以上の炭素は、2個の隣接している環に共通であり、例えば、これらの環は、「縮合環」である。この多環の環の各々は、置換または非置換であり得る。
【0116】
「予防する」との用語は、当該技術分野で認められており、そして病態(例えば、局所性再発(例えば、疼痛))、疾患(例えば、癌)、症候群複合(例えば、心不全またはいずれかの他の病気)と関連して使用されるとき、当該技術分野で十分に理解されており、その組成物を受けていない被験体と比べて、被験体における病気の頻度を減らすか、その発生、症状を遅らせる組成物の投与を包含する。それゆえ、癌の予防は、例えば、統計学的および/または臨床的に有意な量だけ例えば、未治療の対照集団と比べて、予防的治療を受けている患者の集団における検出可能な癌性成長の数を減らすこと、および/または未治療の対照集団に対して、治療した集団における検出可能な癌性成長の出現を遅らせることを含む。感染の予防は、例えば、未治療の対照集団に対して、治療した集団における感染の診断数を減らすこと、および/または未治療の対照集団に対して、治療した集団における症状の発生を遅らせることを含む。疼痛の予防は、例えば、未治療の対照集団に対して、治療した集団における被験体により経験される痛み感覚の規模を低下させるか、あるいは、それを遅らせることを含む。
【0117】
「プロドラッグ」との用語は、生理的な条件下にて、治療的活性な薬剤に変換される化合物を包含する。プロドラッグを製造する一般的な方法は、生理的な条件下にて、加水分解されて、所望の分子を曝露する選択部分を含ませることである。他の実施態様では、このプロドラッグは、宿主動物の酵素活性により、変換される。
【0118】
「予防的または療法的」な治療とは、当該技術分野で認められており、そして1種またはそれ以上の対象組成物のホストへの投与を含む。もし、望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない状態)の臨床的な出現の前に投与されるなら、この治療は、予防的である(すなわち、それは、望ましくない状態が発症することに対して、ホストを保護する)のに対して、もし、それが、望ましくない状態の出現後に投与されるとき、この治療は療法的である(すなわち、それは、既存の望ましくない状態またはそれらの副作用を減少、改善または安定化することを意図している)。
【0119】
本明細書中で使用する「プロテアソーム」との用語は、イムノ−および構成プロテアソームを含むことを意味する。
【0120】
「置換された」との用語は、その骨格の1個またはそれ以上の炭素上の水素を置換基で置き換えた部分を意味する。「置換」または「で置換された」とは、このような置換基が、置換された原子および置換基の許容された原子価に従っていること、および置換の結果、安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離などによって、自然に変換を受けないもの)を生じるという暗黙の条件を含むことが理解される。本明細書中で使用する「置換された」との用語は、有機化合物の全ての許容できる置換基を含むと考えられる。広範な局面では、これらの許容できる置換基には、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が挙げられる。これらの許容できる置換基は、1個またはそれ以上であり得、そして適当な有機化合物に対して、同一または異なり得る。本発明の目的のために、窒素のようなヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書中で記述した有機化合物の許容できる置換基を有し得る。置換基には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートまたはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族またはヘテロ芳香族部分を挙げることができる。当業者は、炭化水素鎖において置換された部分が、それ自体、もし適当なら、置換できることを理解する。
【0121】
対象治療方法に関する化合物の「治療有効量」とは、所望投薬レジメンの一部として(哺乳動物(好ましくは、ヒト)に)投与したとき、例えば、任意の医療に適用可能な合理的な有益性/リスク比で、治療する障害または病態のためか美容目的のために臨床的に受容可能な標準に従って、症状を軽減するか、病態を改善するか、または疾患状態の開始を遅らせる製剤中の化合物の量を意味する。
【0122】
「チオエーテル」との用語は、そこにイオウ部分を結合したアルキル基(これは、定義したとおりである)を意味する。好ましい実施態様では、「チオエーテル」は、−S−アルキルで表わされる。代表的なチオエーテル基には、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
【0123】
本明細書中で使用する「治療する」または「治療」との用語は、被験体の状態を改善または安定化する様式で、症状、臨床徴候またはその根底の病理を逆行させるか、減少させるか、または阻止することを含む。
【0124】
(20Sプロテアソームに対する選択性)
本明細書において開示される酵素インヒビターが有用である理由は、1つには、それらが20Sプロテアソームの作用を阻害するためである。加えて、他の20Sプロテアソームインヒビターと異なり、本明細書において開示されるこの化合物は、他のプロテアーゼ酵素と比較して、20Sプロテアソームに対し、高度に選択的である。つまり、このまさに本発明の化合物は、他のプロテアーゼ酵素、例えば、カテプシン、カルパイン、パパイン、キモトリプシン、トリプシン、トリペプチジルペプチダーゼIIに対してよりも、20Sプロテアソームに対する選択性を示す。20Sプロテアソームに対する酵素インヒビターの選択性は、約50μM未満の濃度において、この酵素インヒビターが20Sプロテアソームの触媒活性の阻害を示す一方で、他のプロテアーゼ(例えば、カテプシン、カルパイン、パパイン、キモトリプシン、トリプシン、トリペプチジルペプチダーゼII)の触媒活性の阻害を示さないというものである。好ましい実施形態において、この酵素インヒビターは、約10μM未満の濃度において、20Sプロテアソームの触媒活性の阻害を示す一方で、これらの濃度における他のプロテアーゼの触媒活性の阻害を示さない。さらにより好ましい実施形態において、この酵素インヒビターは、約1μM未満の濃度において、20Sプロテアソームの触媒活性の阻害を示す一方で、これらの濃度における他のプロテアーゼの触媒活性の阻害を示さない。酵素速度論アッセイは、米国特許出願公開第09/569748号の実施例2、およびSteinら、「Biochem」、1996年、35、3899−3908に開示されている。
【0125】
(キモトリプシン様活性に対する選択性)
本明細書において開示される酵素を阻害する化合物の特定の実施形態はさらに有用である。なぜなら、トリプシン様活性およびPGPH活性と比較して、20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を、効率的かつ選択的に阻害し得るからである。20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性は、大きな疎水性残基のすぐ傍におけるペプチドの切断により特徴づけられる。特に、Ntnヒドロラーゼのキモトリプシン様活性は、標準基質の切断により決定され得る。このような基質の例は、当該分野において公知である。例えば、ロイシルバリニルチロシン誘導体が、使用され得る。酵素速度論アッセイは、米国特許出願公開第09/569748号の実施例2、およびSteinら、「Biochem」、1996年、35、3899−3908に開示されている。
【0126】
(酵素インヒビターの用途)
プロテアソーム阻害の生物学的影響は、数多くある。細胞レベルにおいて、ポリユビキチン化したタンパク質の蓄積、細胞形態学的変化、およびアポトーシスが種々のプロテアソームインヒビターを用いた細胞の処置に関して報告されている。プロテアソーム阻害はまた、実行可能な抗腫瘍の治療戦略としても提案されている。エポキソミシン(epoxomicin)が、抗腫瘍化合物についてのスクリーニングにおいて最初に同定されたという事実は、プロテアソームが抗腫瘍化学療法の標的であることを立証している。したがって、これらの化合物は、癌を処置するのに有用である。プロテアソーム阻害はまた、NF−κB活性化の阻害、およびp53レベルの安定化と関連付けられている。つまり、本発明の化合物はまた、NF−κB活性化を阻害するため、および細胞培養におけるp53レベルを安定化させるためにも使用され得る。NF−κBは、炎症の重要な調節因子であるので、それは、抗炎症性治療介入のための魅力的な標的である。つまり、本発明の化合物は、COPD、乾癬、気管支炎、気腫、および嚢胞性線維症を含む(ただし、これらに限定されない)慢性炎症と関連づけられる状態の処置に対して有用であり得る。
【0127】
開示される化合物は、プロテアソームのタンパク質分解機能により直接的に媒介される状態(例えば、筋消耗)、またはNF−κBなどのプロテアソームによって処理されるタンパク質を介して間接的に媒介される状態を処置するために使用され得る。プロテアソームは、細胞調節(例えば、細胞周期、遺伝子転写、および代謝経路)、細胞内連絡、および免疫応答(例えば、抗原提示)に関連するタンパク質(例えば、酵素)の迅速除去および翻訳後プロセシングに関与する。以下に検討される具体的な例には、β−アミロイドタンパク質および調節タンパク質(例えば、サイクリン、TGF−βおよび転写因子NF−κB)が挙げられる。
【0128】
本発明の別の実施形態は、本明細書において開示される化合物の、神経変性疾患および状態(例えば、発作、神経系に対する虚血性損傷、神経外傷(例えば、衝撃性脳損傷、脊髄損傷、および神経系に対する外傷性損傷)、多発硬化症、および他の免疫媒介性ニューロパシー(例えば、ギラン・バレー症候群およびその改変体、急性運動軸索ニューロパシー、急性炎症脱髄性多発ニューロパシー、およびフィッシャー症候群)、HIV/AIDS認知症症候群、軸索障害、糖尿病ニューロパシー、パーキンソン疾患、ハンティングトン病、多発硬化症、細菌性髄膜炎、寄生生物性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウィルス性髄膜炎、脳炎、血管性認知症、多発脳梗塞性認知症、レヴィー小体認知症、前頭葉認知症(例えば、ピック症)、皮質下認知症(例えば、ハンティングトン病または進行性核上麻痺)、病巣皮質萎縮症候群(例えば、原発性失語症)、代謝性中毒性認知症(例えば、慢性甲状腺低下症、またはB12欠乏症)、および感染により引き起こされる認知症(例えば、梅毒または慢性髄膜炎)が挙げられる(ただし、これらに限定されない))の処置のための使用である。
【0129】
アルツハイマー病は、老人斑および脳血管におけるβ−アミロイドタンパク質(β−AP)の細胞外沈着物によって特徴付けられる。β−APは、アミロイドタンパク質前駆体(APP)に由来する39個〜42個のアミノ酸のペプチドフラグメントである。APPの少なくとも3つのアイソフォーム(695、751、および770アミノ酸)が公知である。mRNAの代替的スプライシングが、アイソフォームを生じさせる;通常プロセシングが、β−AP配列の部分に影響を及ぼし、それにより、β−APの発生を妨げている。プロテアソームによる異常なタンパク質プロセシングが、アルツハイマー病の脳中の大量のβ−APを生じさせていると考えられている。ラットにおける、APPプロセシング酵素は、約10種の異なるサブユニット(22kDa−32kDa)を含有している。25kDaのサブユニットは、ヒトマクロペイン(human macropain)のβサブユニットと同一の、X−Gln−Asn−Pro−Met−X−Thr−Gly−Thr−SerのN末端配列を有する(Kojima,S.ら、「Fed.Eur.Biochem.Soc.」、1992年、304:57−60)。このAPPプロセシング酵素は、Gln15−−Lys16結合で切断し;カルシウムイオンの存在で、この酵素はまた、Met−−Asp結合、およびAsp−−Ala結合でも切断し、β−APの細胞外ドメインを放出する。
【0130】
したがって、一実施形態は、本明細書において開示される化合物(例えば、薬学的組成物)の有効量を被験体に投与する工程を包含する、アルツハイマー病を処置する方法である。このような処置には、β−APプロセシング速度を低下させること、β−APプラーク形成速度を低下させること、β−AP生成速度を低下させること、およびアルツハイマー病の臨床兆候を軽減することが挙げられる。
【0131】
本発明の他の実施形態は、悪液質および筋消耗性疾患に関する。プロテアソームは、網赤血球を成熟させるとき、および線維芽細胞を成長させるときに、多くのタンパク質を分解する。インシュリンまたは血清が奪われた細胞において、タンパク質分解速度は、ほぼ2倍となる。プロテアソームを阻害することは、タンパク質分解を減少させ、それにより、筋タンパク質の消失を減少させ、腎臓または肝臓への窒素性の負荷を軽減する。本発明のインヒビターは、癌、慢性感染性疾患、熱病、筋不活動(萎縮)、脱神経、神経損傷、飢餓、アシドーシスに関連する腎不全、糖尿病、および肝不全などといった状態を処置するために有用である。例えば、Goldbergによる米国特許第5,340,736号を参照されたい。したがって、本発明の実施形態は、以下の方法を包含する:細胞において筋タンパク質分解速度を低下させること;細胞内タンパク質分解速度を低下させること;細胞においてp53タンパク質の分解速度を低下させること;および、p53が関連する癌の増殖を阻害すること。これらの方法のそれぞれは、本明細書において開示される化合物(すなわち、薬学的組成物)の有効量に、細胞(インビボまたはインビトロ、例えば、被験体において筋肉)を接触させる工程を包含する。
【0132】
線維症は、線維芽細胞の過剰増殖性増殖から生じる瘢痕組織の過剰かつ持続性の形成であり、TGF−βシグナル伝達経路の活性化に関連する。線維症は、細胞外マトリクスの広範な堆積に関与し、そして実質的にいかなる組織内にも現れ得、または複数の異なる組織を横断して現れ得る。通常、TGF−β刺激に対して標的遺伝子の転写を活性化する、細胞内シグナル伝達タンパク質(Smad)のレベルは、プロテアソーム活性によって制御される(Xuら、2000)。しかし、THF−βシグナル伝達成分の促進された分解が、癌および他の過剰増殖性状態において観察されてきた。したがって、本発明の特定の実施形態は、過剰増殖性の状態(例えば、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、IgA腎症、肝硬変、胆道閉鎖症、うっ血性心不全、強皮症、放射線誘導線維症、および肺線維症(突発性肺線維症)、膠原血管病、サルコイドーシス、間質性肺疾患ならびに外因性肺障害)を処置するための方法に関する。火傷の被災者の処置は、しばしば、線維症によって阻まれ、したがって、本発明のさらなる実施形態は、火傷を処置するインヒビターの局所投与または全身投与である。外科手術後の創傷閉鎖は、しばしば、外観を損なう瘢痕に関連し、これは線維症の阻害により予防され得る。したがって、特定の実施形態において、本発明は瘢痕を予防または低減するための方法に関する。
【0133】
プロテアソームにより処理された別のタンパク質は、NF−κBであり、Relタンパク質ファミリーのメンバーである。転写活性化タンパク質のRelファミリーは、2つのグループに分けられ得る。第一のグループは、タンパク質分解プロセシングを必要とし、p50(NF−κB1、105kDa)およびp52(NF−κ2、100kDa)を含む。第2のグループは、タンパク質分解プロセシングを必要とせず、p65(RelA、Rel(c−Rel)およびRelB)を含む。ホモダイマーおよびヘテロダイマーの両方が、Relファミリーメンバーによって形成され得;例えば、NF−κBは、p50〜p65のヘテロダイマーである。IκBおよびp105のリン酸化およびユビキチン化後、この2つのタンパク質は、それぞれ分解および処理され、細胞質から核へ転位させる活性NF−κBを生成する。ユビキチン化したp105はまた、精製されたプロテアソームによっても処理される(Palombellaら、「Cell」、1994年、78:773−785)。活性NF−κBは、他の転写活性化因子(例えば、HMGI(Y))と、立体特異的エンハンサー複合体を形成し、特定の遺伝子の選択的発現を誘発する。
【0134】
NF−κBは、免疫応答、炎症応答、および有糸分裂事象に関与する遺伝子を調節する。例えば、NF−κBは、免疫グロブリン軽鎖κ遺伝子、IL−2レセプターα鎖遺伝子、クラスI主要組織適合複合体遺伝子、ならびに、例えば、IL−2、IL−6、顆粒球コロニー刺激因子、およびIFN−βをコードする多数のサイトカイン遺伝子の発現のために必要とされる(Palombellaら、「Cell」、1994年、78:773−785)。本発明のいくつかの実施形態は、IL−2、MHC−I、IL−6、TNFα、IFN−β、または他の以前に言及されたいずれのタンパク質の発現レベルにも影響を及ぼす方法を包含し、各方法は、本明細書において開示される有効量の化合物を、被験体に投与する工程を包含する。p50を含む複合体は、急性炎症応答および免疫応答の迅速媒介物質である(Thanos,D.およびManiatis,T.、「Cell」、1995年、80:529−532)。
【0135】
NF−κBはまた、E−セレクチン、P−セレクチン、ICAM、およびVCAM−1をコードする細胞接着遺伝子の発現に関与する(Collins,T.、「Lab.Invest.」、1993年、68:499−508)。本発明の一実施形態は、細胞接着(すなわち、E−セレクチン、P−セレクチン、ICAM、またはVCAM−1により媒介される細胞接着)を阻害するための方法であり、本明細書において開示される有効量の化合物(または薬学的組成物)と、細胞とを接触させる工程(または被験体に投与すること)を包含する。
【0136】
虚血および再灌流障害は、身体の組織に到達する酸素が欠乏する状態である、低酸素症を生じる。この状態は、増大したIκ−Bαの分解を引き起こし、それによってNF−κBの活性化をもたらす(Koongら、1994)。低酸素症において生じる損傷の重篤度がプロテアソームインヒビターの投与によって低減され得ることが実証されてきた(Gaoら、2000、Baoら、2001、Pyeら、2003)。それゆえ、本発明の特定の実施形態は虚血状態または再灌流障害を処置する方法に関し、この方法は、このような処置を必要とする被験体に、本明細書中に開示される化合物の有効量を投与する工程を包含する。このような状態または障害の例としては、急性冠動脈症候群(易損性プラーク)、動脈閉塞疾患(心臓閉塞、大脳閉塞、末梢動脈閉塞および血管閉塞)、アテローム性動脈硬化症(冠状動脈硬化症、冠状動脈疾患)梗塞、心不全、膵炎、心筋肥厚、狭窄および再狭窄が挙げられるが、これに限定されない。
【0137】
NF−κBはまた、HIV−エンハンサー/プロモータに、特異的に結合する。mac239のNefと比較した場合、pbj14のHIV調節タンパク質Nefは、タンパク質キナーゼ結合を制御する領域にある2つのアミノ酸だけ異なる。タンパク質キナーゼが、IκBのリン酸化のシグナルを伝達し、ユビキチン−プロテアソーム経路を通じてIκB分解を誘発すると考えられている。分解後、NF−κBは、核内に放出され、したがって、HIVの転写を向上させる(Cohen,J.、「Science」、1995年、267:960)。本発明の2つの実施形態は、被験体におけるHIV感染を阻害するため、または減少させるための方法、およびウイルス遺伝子の発現レベルを低下させるための方法であり、それぞれの方法は、本明細書において開示される有効量の化合物を、被験体に投与する工程を包含する。
【0138】
リポ多糖体(LPS)誘発性サイトカイン(例えば、TNFα)の過剰産生は、敗血症性ショックと関連付けられるプロセスの中心であると考えられている。さらに、LPSによる細胞の活性化における第一のステップは、LPSの特異な膜レセプターへの結合であるということが、一般に受け入れられている。20Sプロテアソーム複合体のαサブユニットおよびβサブユニットは、LPS結合タンパク質として同定されており、LPS誘導性シグナル伝達が、敗血病の処置または予防における重要な治療標的であり得ることを示唆している(Qureshi,N.ら、「J.Immun.」、2003年、171:1515−1525)。したがって、特定の実施形態において、本発明の化合物は、敗血症性ショックを予防、および/または、処置するためのTNFαの阻害のために使用され得る。
【0139】
細胞内タンパク質分解は、Tリンパ球への提示のための小ペプチドを発生させ、MHCクラスI媒介性免疫応答を誘導する。免疫系は、ウイルスに感染しているか、または腫瘍形成転換を行なっている自己細胞についてスクリーニングしている。一実施形態は、細胞における抗原提示を阻害するための方法であり、本明細書において記載される化合物に細胞を曝露する工程を包含する。本発明の化合物は、免疫関連状態(例えば、アレルギー、喘息、臓器/組織拒絶(移植片対宿主疾患)、および自己免疫疾患)を処置するために使用され得、これらの状態としては、狼瘡、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、および炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎、およびクローン病)が挙げられる(ただし、これらに限定されない)。したがって、さらなる実施形態は、被験体の免疫系を抑制する(例えば、移植拒絶、アレルギー、自己免疫疾患および喘息を阻害する)ための方法であり、本明細書において記載される有効量の化合物を、被験体に投与する工程を包含する。
【0140】
別のさらなる実施形態は、プロテアソームまたは多触媒性の活性を有する他のNtnにより産生される、抗原ペプチドのレパートリーを変更するための方法である。例えば、20SプロテアソームのPGPH活性は、選択的に阻害されるとき、いかなる酵素阻害も存在しないか、または、例えばプロテアソームのキモトリプシン様活性の選択的阻害が存在するかのいずれかの状況で産生および提示されるのとは異なるセットの抗原ペプチドが、プロテアソームにより産生され、細胞表面のMHCにおいて提示される。
【0141】
特定のプロテアソームインヒビターは、インビトロおよびインビボにおけるユビキチン化されたNF−κBの分解およびプロセシングの両方を妨げる。プロテアソームインヒビターはまた、IκB−α分解、およびNF−κB活性を妨げる(Palombellaら、「Cell」、1994年、78:pp773−785、およびTraencknerら、「EMBO J.」、1994年、13:5433−5441)。本発明の一実施形態は、IκB−α分解を阻害するための方法であり、細胞を、本明細書において記載される化合物と接触させる工程を包含する。さらなる実施形態は、細胞、筋肉、臓器、または被験体において、NF−κBの細胞含量を減少させるための方法であり、細胞、筋肉、臓器、または被験体を、本明細書において記載される化合物と接触させる工程を包含する。
【0142】
タンパク質分解プロセシングを必要とする他の真核生物転写因子としては、基本転写因子TFIIA、単純疱疹ウイルスVP16アクセサリータンパク質(宿主細胞因子)、ウイルス誘発IFN調節因子2タンパク質、および膜結合型ステロール調節エレメント結合タンパク質1が挙げられる。
【0143】
本発明の他の実施形態は、サイクリン依存性真核細胞周期に影響を及ぼすための方法であり、(インビトロまたはインビボにおいて)細胞を、本明細書において開示される化合物に曝露する工程を包含する。サイクリンは細胞周期制御に関与するタンパク質である。プロテアソームは、サイクリンの分解に関与する。サイクリンの例としては、有糸分裂サイクリン、G1サイクリン、およびサイクリンBが挙げられる。サイクリンの分解により、細胞は、1つの細胞周期ステージ(すなわち、有糸分裂)を出ること、および別の細胞周期ステージ(すなわち、分裂)に入ることを可能となる。すべてのサイクリンが、p34.sup.cdc2タンパク質キナーゼ、またはその関連キナーゼと関連すると考えられている。タンパク質分解標的シグナルは、アミノ酸42−RAALGNISEN−50(分解ボックス(destruction box))に局在化する。サイクリンがユビキチンリガーゼに易損性の形態に変換されるか、またはサイクリン特異的リガーゼが有糸分裂の間、活性化されるという証拠がある(Ciechanover,A.、「Cell」、1994年、79:13−21)。プロテアソームの阻害は、サイクリン分解を阻害し、したがって、細胞増殖を、例えばサイクリン関連癌において阻害する(Kumatoriら、「Proc.Natl.Acad.Sci.」(USA)、1990年、87:7071−7075)。本発明の一実施形態は、被験体において増殖性疾患(すなわち、癌、乾癬、または再狭窄)を処置するための方法であり、本明細書において開示される有効量の化合物を、被験体に投与する工程を包含する。本発明はまた、被験体におけるサイクリン関連炎症を処置するための方法を包含し、本明細書において記載される治療有効量の化合物を、被験体に投与する工程を包含する。
【0144】
さらなる実施形態は、癌タンパク質のプロテアソーム依存性調節に影響を及ぼすための方法、および癌増殖を処置または阻害する方法であり、それぞれの方法は、本明細書において開示される化合物に、細胞を(インビボ(例えば、被験体において)またはインビトロにおいて)曝露する工程を包含する。HPV−16およびHPV−18誘導E6タンパク質は、粗網赤血球溶解産物において、p53のATPおよびユビキチン依存的な結合体化ならびに分解を刺激する。劣性の癌遺伝子p53は、変異した易熱性E1とともに、細胞株において非許容温度で蓄積することが示された。高レベルのp53は、アポトーシスを引き起こし得る。ユビキチン系により分解される癌原タンパク質(proto−oncoprotein)の例としては、c−Mos、c−Fos、およびc−Junが挙げられる。一実施形態は、p53関連アポトーシスを処置するための方法であり、本明細書において開示される化合物の有効量を、被験体に投与する工程を包含する。
【0145】
別の実施形態において、開示される化合物は、寄生虫感染(例えば、原虫寄生生物に起因する感染)の処置に対して有用である。これらの寄生生物のプロテアソームは、主に細胞分化活性および細胞複製活性に関与すると考えられている(Paugamら、「Trends Parasitol.」、2003年、19(2):55−59)。さらに、エントアメーバ種は、プロテアソームインヒビターに曝露されたとき、被嚢形成能力を喪失することが示されている(Gonzalesら、「Arch.Med.Res.」、1997年、28、Spec No:139−140)。特定のこのような実施形態において、開示される化合物は、プラスモディウム(Plasmodium sps.)(マラリアの原因となる、P.falciparum、P.vivax、P.malariae、およびP.ovaleを含む)、トリパノソーマ(Trypanosoma sps.)(シャーガス病の原因となる、T.cruzi、およびアフリカ睡眠病の原因となる、T.bruceiを含む)、リーシュマニア(Leishmania sps.)(L.amazonensis、L.donovani、L.infantum、L.mexicanaなどを含む)、ニューモシスチス カリニ(Pneumocystis carinii)(AIDS患者および免疫抑制された患者において、肺炎の原因となることが公知の原虫)、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、エントアメーバ・インバデンス(Entamoeba invadens)、およびランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)からなる群から選ばれる寄生原生動物に起因する、ヒトにおける寄生虫感染の処置に対して有用である。特定の実施形態において、開示される化合物は、プラスモディウムヘルマニ(Plasmodium hermani)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium sps.)、単包条虫(Echinococcus granulosus)、アイメリアテネラ(Eimeria tenella)、ザルコシスティスニューローナ(Sarcocystis neurona)、およびアカパンカビ(Neurospora crassa)からなる群から選ばれる原虫寄生生物に起因する、動物および家畜における寄生虫感染の処置に対して有用である。寄生虫疾患の処置におけるプロテアソームインヒビターとして有用な他の化合物は、国際公開第98/10779号パンフレット(本明細書において、その全体が援用される)に記載される。
【0146】
特定の実施形態において、開示される化合物は、寄生生物において不可逆的にプロテアソーム活性を阻害する。このような不可逆的な阻害は、赤血球および白血球において、酵素活性の回復することのない活動停止を誘発することが示されている。特定のこのような実施形態において、血球の長い半減期は、再発する寄生生物への曝露に対する治療法に関し、長期的な防護を提供し得る。特定の実施形態において、この血球の長い半減期は、将来の感染に対する化学的予防に関し、長期的な防護を提供し得る。
【0147】
20Sプロテアソームに結合するインヒビターが、骨器官培養において骨形成を刺激することもまた、実証されている。さらに、このようなインヒビターがマウスに対して全身的に投与されたとき、特定のプロテアソームインヒビターは、骨体積および骨形成速度を70%以上増大させた(Garrett,I.R.ら、「J.Clin.Invest.」2003年、111:1771−1782)。これはつまり、ユビキチン−プロテアソーム機構が、骨芽細胞分化および骨形成を、調節することを示唆している。したがって、開示される化合物は、骨粗鬆症など、骨喪失と関連付けられる疾患の処置および/または予防において有用であり得る。
【0148】
骨組織は、骨細胞を刺激する能力を有する因子の優れた供給源である。したがって、ウシの骨組織の抽出物は、骨の構造的完全性の維持を担う構造タンパク質を含むだけでなく、骨細胞を刺激して増殖させ得る生物学活性な骨増殖因子も含んでいる。これらのうち後者の因子に含まれるのが、最近記載された骨形態形成タンパク質(BMP)と呼ばれるタンパク質のファミリーである。これらの増殖因子はすべて、骨細胞および他のタイプの細胞に影響を与える。Hardy,M.H.ら、「Trans Genet」、1992年、8:55−61は骨形態形成タンパク質(BMP)が、発達の間毛包内に、差次的に発現するという証拠を記載している。Harris,S.E.ら、「J Bone Miner Res」、1994年、9:855−863は、TGFβが、骨細胞内のBMP−2および他の物質の発現に与える影響について記載している。成熟した小胞におけるBMP−2の発現はまた、成熟の段階、および細胞増殖期後にも起こる(Hardy,M.H.ら、(1992年、前出))。したがって、本発明の化合物はまた、毛包の増殖刺激のためにも有用であり得る。
【0149】
最後に、開示される化合物はまた、Ntnヒドロラーゼ(プロテアソームを含む)によって処理されるタンパク質(例えば、酵素、転写因子)をスクリーニングするための、診断剤として(例えば、診断用キットに含む診断剤、または臨床検査室において使用するための診断剤として)有用である。この開示される化合物はまた、X/MB1サブユニットまたはα鎖を特異的に結合させ、この結合に関連づけられるタンパク質分解活性を特異的に阻害するための研究試薬としても有用である。例えば、このプロテアソームの他のサブユニットの活性(および特異なインヒビター)を、判定し得る。
【0150】
ほとんどの細胞タンパク質は、成熟または活性化において、タンパク質分解プロセシングに曝される。本明細書において開示される酵素インヒビターは、細胞の発達過程もしくは生理的過程または細胞出力が、特定のNtnヒドロラーゼのタンパク質分解活性により調節されるかどうか判定するために使用され得る。そのような方法の一つは、生物体、無傷の細胞調製物または細胞抽出物を入手する工程;生物体、細胞調製物または細胞抽出物を、本明細書において開示される化合物に曝露する工程;この化合物を曝露した生物体、細胞調製物または細胞抽出物を、シグナルに曝露する工程、ならびに、そのプロセスまたは出力をモニタリングする工程を含む。本明細書において開示される化合物の高い選択性は、所与の細胞の発達過程もしくは生理的過程において、Ntn(例えば、20Sプロテアソーム)の迅速かつ正確な除去または関与が許容される。
【0151】
(投与)
本明細書中に記載の通りに調製される化合物は、当該分野で周知の通り、処置されるべき障害、ならびに患者の年齢、状態および体重に依存して、種々の形態で投与され得る。例えば、化合物が経口投与されるべき場合、これらは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤もしくはシロップ剤として処方され得る;または非経口投与については、これらは、(静脈内、筋肉内もしくは皮下)注射物、点滴注入調製物、または坐剤として処方され得る。眼粘膜経路による適用については、これらは、点眼剤または眼軟膏剤として処方され得る。これらの処方物は、従来の手段によって調製され得、そして所望の場合、活性成分は、任意の従来の添加剤または賦形剤(例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、可溶化剤、懸濁助剤、乳化剤、コーティング剤、シクロデキストリン、および/または緩衝剤)と混合され得る。投薬量は、患者の症状、年齢および体重、処置または予防されるべき障害の性質および重篤度、投与経路ならびに薬物の形態に依存して変化するが、一般に、この化合物の0.01mg〜2000mgの1日投薬量が成人患者に対して推奨され、これは、単回の用量でまたは分割用量で投与され得る。単回投与形態を生成するためにキャリア物質と合わされ得る活性成分の量は一般に、治療効果を生じる化合物量である。
【0152】
所定の患者において処置効力に関して最も有効な結果を生じる、正確な投与時期および/または組成物量は、特定の化合物の活性、薬物動力学、およびバイオアベイラビリティー、患者の生理学的状態(年齢、性別、疾患の型および病期、全般的身体状態、所定の投薬量に対する応答性、および薬物適用の型を含む)、投与経路などに依存する。しかし、上記のガイドラインは、被験体をモニタリングすることならびに投薬量および/またはタイミングを調整することからなる、慣用実験にすぎないものを必要とする、処置を微調整するための(例えば、最適な投与時期および/または投与量を決定するための)基本として用いられ得る。
【0153】
語句「薬学的に受容可能な」は、本明細書中で、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/危険比と釣り合って、過度の毒性も、刺激も、アレルギー応答も、他の問題も合併症も伴わずに、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適切である、リガンド、物質、組成物、および/または投与量形態を言及するために用いられる。
【0154】
語句「薬学的に受容可能なキャリア」は、本明細書中で用いられる場合、薬学的に受容可能な物質、組成物、またはビヒクル(例えば、液体または固体のフィラー、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料)を意味する。各キャリアは、処方物の他の成分と適合し、そして患者に対して有害ではないという意味で「受容可能」でなければならない。薬学的に受容可能なキャリアとして役立ち得る物質のいくつかの例としては以下が挙げられる:(1)糖(例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロース);(2)デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、ならびに置換βシクロデキストリンおよび非置換βシクロデキストリン);(3)セルロース、およびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース);(4)粉末状トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)滑石;(8)賦形剤(例えば、カカオ脂および坐剤ロウ);(9)油(例えば、落花生油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油);(10)グリコール(例えば、プロピレングリコール);(11)ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール);(12)エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリル酸エチル);(13)寒天;(14)緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);(15)アルギン酸;(16)発熱物質非含有水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンゲル溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;および(21)薬学的処方物に用いられる他の無毒性の適合性物質。特定の実施形態では、本発明の薬学的組成物は、非発熱性である、すなわち、患者に投与した場合に有意な温度上昇を誘導しない。
【0155】
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、インヒビターの、比較的無毒性の、無機酸付加塩および有機酸付加塩をいう。これらの塩は、インヒビターの最後の単離および精製の間にインサイチュで調製されてもよく、または遊離塩基形態の精製されたインヒビターと適切な有機酸または無機酸とを別々に反応させ、そしてこのように形成された塩を単離することにより調製されてもよい。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシレート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチレート、メシレート、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、およびアミノ酸塩などが挙げられる(例えば、Bergeら(1977)「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.66:1−19を参照のこと)。
【0156】
他の場合には、本発明の方法において有用なインヒビターは、1以上の酸性官能基を含み得、従って、薬学的に受容可能な塩基と薬学的に受容可能な塩を形成し得る。用語「薬学的に受容可能な塩」は、これらの例において、インヒビターの、比較的に無毒性の、無機塩基付加塩および有機塩基付加塩をいう。これらの塩は同様に、インヒビターの最終単離と精製との間にインサイチュで調製されてもよく、あるいは遊離酸形態の精製されたインヒビターと、適切な塩基(例えば、薬学的に受容可能な金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩)、アンモニア、または薬学的に受容可能な有機一級アミン、有機二級アミンもしくは有機三級アミンとを別々に反応させることにより調製されてもよい。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる(例えば、Bergeら,前出を参照のこと)。
【0157】
湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、矯味矯臭剤、および香料、保存剤ならびに抗酸化剤もまた、この組成物中に存在し得る。
【0158】
薬学的に受容可能な抗酸化剤の例としては以下が挙げられる:(1)水溶性抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);(2)油溶性抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および(3)金属キレート化剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)。
【0159】
経口投与に適切な処方物は、活性成分として所定量のインヒビターを各々含む、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(風味のある基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)を用いる)、散剤、顆粒剤の形態であってもよく、または水性もしくは非水性の液体中の溶液もしくは懸濁液として存在してもよく、または水中油型もしくは油中水型の液体乳濁物として存在してもよく、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として存在してもよく、またはトローチ剤(不活性マトリクス(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、もしくはスクロースおよびアカシア)を用いる)として存在してもよく、そして/またはうがい薬などとして存在してもよい。組成物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与され得る。
【0160】
経口投与のための固体投薬形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣丸、散剤、顆粒剤など)では、活性成分は、1以上の薬学的に受容可能なキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)および/または以下のうちのいずれかと混合される:(1)フィラーもしくは増量剤(例えば、デンプン、シクロデキストリン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸);(2)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなど);(3)湿潤剤(humectant)(例えば、グリセロール);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム);(5)溶解遅延剤(例えば、パラフィン);(6)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物);(7)湿潤剤(wetting agent)(例えば、アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど);(8)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土);(9)滑沢剤(例えば、滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物);ならびに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、薬学的組成物はまた、緩衝剤を含み得る。類似の型の固体組成物はまた、ラクトースすなわち乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いて、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル剤において、フィラーとしても用いられ得る。
【0161】
錠剤は、必要に応じて1以上の補助成分を用いて、圧縮または成形によって作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて調製され得る。成形錠剤は、適切な機械において、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化インヒビターの混合物を成形することにより作製され得る。
【0162】
錠剤、および他の固体投与形態(例えば、糖衣丸、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤)は、必要に応じて、刻み目が付けられてもよく、またはコーティングおよびシェル(例えば、腸溶性コーティングおよび製薬処方分野で周知の他のコーティング)を用いて調製されてもよい。これらはまた、例えば、所望の放出プロフィールを提供する種々の比率でヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、リポソーム、および/またはマイクロスフェアを用いて、その中の活性成分の徐放または制御された放出を提供するように処方され得る。これらは、例えば、細菌保持フィルターを用いる濾過によって、または滅菌水もしくは他の何らかの注射可能な滅菌媒体中に使用直前に溶解され得る無菌固体組成物の形態で滅菌剤を含めることによって、滅菌され得る。これらの組成物はまた、不透明化剤を必要に応じて含み得、そして(必要に応じて遅延した様式で)胃腸管の特定の部分に活性成分のみを、または活性成分を優先的に放出する組成物であり得る。用いられ得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびロウが挙げられる。活性成分はまた、適切な場合、上記の賦形剤のうちの1以上を用いた、マイクロカプセル化形態にあり得る。
【0163】
経口投与のための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能な乳濁剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて、液体投与形態は、当該分野で通常用いられる不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤、および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚種油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物)などを含み得る。
【0164】
不活性希釈剤以外に、経口組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤)、甘味料、矯味矯臭剤、着色剤、香料、および保存剤を含み得る。
【0165】
懸濁液は、活性なインヒビターに加えて、懸濁剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにこれらの混合物)を含み得る。
【0166】
直腸投与または膣投与のための処方物は、坐剤として与えられ得、その坐剤は、1以上のインヒビターを1以上の適切な非刺激性の賦形剤またはキャリアと混合することによって調製され得、その賦形剤またはキャリアは、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ロウまたはサリチル酸塩を含む。この坐剤は室温で固体であるが体温では液体であり、それゆえ直腸または膣腔内で融解し、活性剤を放出する。
【0167】
膣投与に適切な処方物としてはまた、当該分野で適切であることが公知であるようなキャリアを含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡剤、またはスプレー処方物が挙げられる。
【0168】
インヒビターの局所投与または経皮投与のための投薬形態としては、散剤、スプレー剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション剤、ゲル、液剤、パッチ、および吸入剤が挙げられる。活性成分は、薬学的に受容可能なキャリア、および必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴霧剤と、滅菌条件下で混合され得る。
【0169】
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、インヒビターに加えて、賦形剤(例えば、動物性脂肪および植物性脂肪、油状物、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、滑石、および酸化亜鉛、またはこれらの混合物)を含み得る。
【0170】
散剤およびスプレー剤は、インヒビターに加えて、賦形剤(例えば、ラクトース、滑石、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物)が挙げられる。スプレー剤は、慣習的な噴霧剤(例えば、クロロフルオロ炭化水素および揮発性の非置換炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン))をさらに含み得る。
【0171】
インヒビターは、代替的に、エアロゾルによって投与され得る。これは、組成物を含む水性エアロゾル、リポソーム調製物、または固形粒子を調製することによって達成され得る。非水性(例えば、フルオロカーボン噴霧剤)懸濁液が使用され得る。超音波噴霧器は、その薬剤が化合物の分解を生じ得る剪断に曝されるのを最小限にするので、超音波噴霧器が好ましい。
【0172】
通常は、水性エアロゾルは、薬剤の水溶液または水性懸濁液を従来の薬学的に受容可能なキャリアおよび安定剤と一緒に配合することによって作製される。そのキャリアおよび安定剤は、特定の組成物の要件によって変わるが、代表的に、非イオン性界面活性剤(Tween、Pluronic、ソルビタンエステル、レシチン、Cremophor)、薬学的に受容可能な共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、オレイン酸、アミノ酸(例えば、グリシン)、緩衝液、塩、糖、または糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、一般的に、等張性溶液から調製される。
【0173】
経皮パッチは、身体に対してインヒビターの制御送達を提供するという付加的な利点を有する。このような投薬形態は、薬剤を適切な媒体中に溶解または分散させることによって作製され得る。吸収エンハンサーもまた、皮膚にわたるインヒビターの流れを増加させるために使用され得る。このような流れの速度は、速度制御膜を提供するか、またはインヒビターをポリマーマトリクスもしくはゲル中に分散させるかのいずれかによって制御され得る。
【0174】
非経口投与に適切な本発明の薬学的組成物は、1以上のインヒビターを、1以上の薬学的に受容可能な滅菌した水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、あるいは使用直前に滅菌した注射可能溶液もしくは分散液中に再構成され得る滅菌した散剤と組み合わせて含み、これらの組成物は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、処方物を意図されるレシピエントの血液と等張性にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含み得る。
【0175】
本発明の薬学的組成物において使用され得る適切な水性キャリアおよび非水性キャリアの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、ならびに注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エステル)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、コーティング物質(例えば、レシチン)の使用、分散の場合に必要とされる粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0176】
これらの組成物はまた、アジュバント(例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤)を含み得る。微生物の活動の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)の封入によって確実にされ得る。張度調整剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を組成物中に含むこともまた望ましくあり得る。さらに、注射可能な薬学的形態の持続性吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の封入によってもたらされ得る。
【0177】
いくつかの場合において、薬物の効果を持続させるために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。例えば、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、その薬物を油状ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。
【0178】
注入可能な蓄積形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中のインヒビターのマイクロカプセルマトリクスを形成することによって作製される。薬物 対 ポリマーの比、および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。蓄積注射可能処方物はまた、薬物を身体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中にトラップすることによって調製される。
【0179】
薬剤の調製物は、経口的に、非経口的に、局所的に、または直腸に与えられ得る。これらの調製物は、当然のことながら、各々の投与経路に適切な形態で与えられる。例えば、これらの調製物は、注射、吸入、点眼薬、軟膏、坐剤、浸剤によって、錠剤の形態またはカプセル剤の形態で投与され;ローション剤または軟膏によって局所投与され;そして坐剤によって直腸投与される。経口投与が好ましい。
【0180】
句「非経口投与」および「非経口投与される」とは、本明細書中で使用される場合、経腸投与および局所投与以外の投与様式、通常は、注射による投与を意味し、静脈内注射、筋肉内注射、動脈内注射、髄腔内注射、嚢内注射、眼窩内注射、心臓内注射、皮内注射、腹腔内注射、経気管注射、皮下注射、表皮下注射、関節内注射、被膜下注射、クモ膜下注射、脊髄内注射および胸骨内注射、ならびに注入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
本明細書中で使用される場合、句「全身投与」、「全身的に投与した」、「末梢投与」および「末梢的に投与した」とは、リガンド、薬物または他の物質の中枢神経系への直接的な投与以外の投与(例えば、皮下投与)を意味し、その結果、リガンド、薬物または他の物質は患者の系に入り、次いで代謝および他の同様のプロセスに供される。
【0182】
これらのインヒビターは、治療のためのヒトおよび他の動物に、任意の適切な投与経路によって投与され得、このような投与経路としては、経口投与、経鼻投与(例えば、噴霧による)、直腸投与、膣内投与、非経口投与、槽内投与および粉末、軟膏、またはドロップによる局所投与(口腔内投与および舌下投与を含む)が挙げられる。
【0183】
選択される投与経路に関わらず、適切な水和形態で使用され得る本発明のインヒビターおよび/または薬学的組成物は、当業者に公知の慣習的な方法によって薬学的に受容可能な投薬形態に処方される。
【0184】
本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、特定の患者、組成物および投与の形式について、この患者に対し毒性になることなく、所望の治療応答を達成するのに効果的な活性成分の量を得るために変動し得る。
【0185】
薬学的に受容可能な混合物中の開示される化合物の濃度は、いくつかの要因に依存して変動し、このような要因としては、投与されるべき化合物の投薬量、利用される化合物の薬物動力学的な特徴、および投与経路が挙げられる。概して、本発明の組成物は、非経口投与のための、他の物質の中に、本明細書中に開示される化合物を約0.1%w/v〜10%w/vを含有する水溶液中に提供され得る。代表的な用量の範囲は、1〜4回に分割して与えられる用量で、一日あたり約0.01mg/kg体重〜約50mg/kg体重である。各分割された用量は、同じか、または異なる本発明の化合物を含有し得る。この投薬量は、いくつかの要因に依存して有効量となり、このような要因としては、患者の全体的な健康、ならびに選択された化合物の処方および投与経路が挙げられる。
【0186】
本発明の別の局面は、併合療法(conjoint therapy)を提供し、ここで、1種以上の他の治療剤がプロテアソームインヒビターと共に投与される。このような併合療法は、処置の個々の構成要素の同時投薬、連続投薬、または分離投薬によって達成され得る。
【0187】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、1種以上の他のプロテアソームインヒビターと共に併合投与される。
【0188】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、化学療法剤と共に併合投与される。適切な化学療法剤としては、ビンカアルカロイド類(すなわち、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンオレルビン(vinorelbine))、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン類(すなわち、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトザントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)およびマイトマイシン)、酵素(全身的にL−アスパラギンを代謝し、自身のアスパラギンを合成する能力を有さない細胞を枯渇させる、L−アスパラギナーゼ);抗血小板剤、抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミドおよびアナログ、メルファラン、クロラムブシル)エチレンイミンおよびメチルメラミン類(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、スルホン酸アルキル(ブスルファン)、ニトロソ尿素類(カルムスチン(BCNU)およびアナログ、ストレプトゾシン)、トラゼン(trazene)類−デカルバジニン(DTIC);抗増殖/抗有糸分裂抗代謝剤(例えば、葉酸アナログ(メトトレキサート)、ピリミジンアナログ(フルオロウラシル、フロクスウリジン、およびシタラビン)、プリンアナログおよび関連するインヒビター(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンおよび2−クロロデオキシアデノシン));アロマターゼインヒビター(アナストロゾール(anastrozole)、エキセメスタン(exemestane)およびレトロゾール);ならびに白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトーテン、アミノグルテチミド;ホルモン類(すなわち、エストロゲン)およびホルモンアゴニスト(例えば、黄体化(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト(ゴセレリン、ロイプロリドおよびトリプトレリン(triptorelin))が挙げられ得る。他の化学療法剤としては、メクロレタミン、カンプトテシン、イホスファミド(ifosfamide)、タモキシフェン、ラロキシフェン、ゲムシタビン(gemcitabine)、ナベルビン(navelbine)または前述のものの任意のアナログまたは誘導改変体が挙げられ得る。
【0189】
特定の実施形態において、本発明の化合物はステロイドと共に併合投与される。適切なステロイドとしては、21−アセトキシプレグネノロン(acetoxypregnenolone)、アルクロメタゾン、アルゲストン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド(budesonide)、クロロプレドニゾン、クロベタゾール、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチコステロン、コルチゾン、コルチバゾール(cortivazol)、デフラザコート(deflazacort)、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフプレドネート(difuprednate)、エノキソロン(enoxolone)、フルアザコート、フルクロロニド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド(fluocinolone acetonide)、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、フルオロメトロン、酢酸フルペロロン、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン(fluticasone)、ホルモコルタール(formocortal)、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン、エタボン酸ロテプレドノール(loteprednol etabonate)、マジプレドン(mazipredone)、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、フランカルボン酸モメタゾン、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾロン25−ジエチルアミノアセテート、プレドニゾロンリン酸ナトリウム、プレドニゾン、プレドニバル(prednival)、プレドニリデン、リメキソロン(rimexolone)、チソコルトール(tixocortol)、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロンベネトニド、トリアムシノロンヘキサセトニド、ならびにそれらの塩および/または誘導体が挙げられる。
【0190】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、免疫治療剤と共に併合投与される。適切な免疫治療剤としては、シクロスポリン、サリドマイド、およびモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されない。このモノクローナル抗体は、裸の抗体であるか、または結合体化された抗体(例えば、リツキシマブ、トシツモマブ、アレムツズマブ(alemtuzumab)、エプラツズマブ(epratuzumab)、イブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、ゲムツヅマブオゾガマイシン(gemtuzumab ozogamicin)、ベガシズマブ、セツキシマブ、エルロチニブ(erlotinib)およびトラスツズマブ(trastuzumab))のいずれかであり得る。
【実施例】
【0191】
(例示)
(スキーム1:実施例1の合成)
【0192】
【化14】

((A)の合成)
フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(2.31mmol、0.5g)のDMF(25mL)溶液に、ピラジンカルボン酸(2.31mmol、0.28g)、DIEA(9.24mmol、1.19g、1.61mL)およびHOBT(3.70mmol、0.50g)を加え、その溶液を0℃まで冷却した。冷却した溶液に、数個の部分で、PyBOP(3.70mmol、1.93g)を加え、その混合物を氷浴から除去し、そしてアルゴン雰囲気下にて6時間撹拌しつつ、室温まで温めた。この混合物をブライン(50mL)で希釈し、そしてEtOAc(5×15mL)で抽出した。有機層を合わせ、HO(2×15mL)およびブライン(2×15mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(A)(0.64g)を得た。
【0193】
((B)の合成)
0℃まで冷却したMeOH(15mL)中の(A)(1.03mmol、0.298g)のスラリーに、HO(5mL)に溶解したLiOH(10.31mmol、0.247g)を加えた。0℃で4時間後、この反応物を飽和NHCl(20mL)でクエンチし、この反応混合物のpHを、1N HClで、2に調節した。減圧下にて揮発性物質を除去し、そして濾過により固形物を集めて、(B)(0.200g)を得た。
【0194】
(化合物1の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.08mmol)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(B)(0.08mmol、0.021g)、DIEA(0.320mmol、0.055mL)およびHOBT(0.128mmol、0.017g)を加えた。その混合物を、氷浴中にて、0℃まで冷却し、そして数個の部分で、BOP(0.128mmol、0.057g)を加えた。この混合物を、アルゴン雰囲気下にて、5℃で、一晩撹拌した。次いで、この反応物をHO(15mL)で希釈し、そしてEtOAc(3×5mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(2×5mL)、飽和NaHCO(2×5mL)およびブライン(2×5mL)で洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、1(0.017g)を得た。
【0195】
(スキーム2:実施例2の合成)
【0196】
【化15】


((D)の合成)
NBOCロイシン(40.0mmol、9.25g)およびセリンメチルエステル(40.0mmol、6.22g)のDMF(400mL)溶液に、HOBT(64.0mmol、8.65g)およびDIEA(160.0mmol、20.68g、28mL)を加えた。その混合物を、氷水浴中にて、0℃まで冷却し、そして数個の部分で、5分間にわたって、BOP(64.0mmol、28.30g)を加えた。この反応物をアルゴン雰囲気下に置き、そして一晩撹拌した。この反応物をブライン(1000mL)で希釈し、そしてEtOAc(6×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(10×100mL)およびブライン(3×200mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去して、(D)(13.65g)を得た。
【0197】
((E)の合成)
イミダゾール(99.3mmol、6.76g)のDMF(330mL)溶液にTBDPSCl(49.64mmol、13.65g)を加え、その混合物を、アルゴン雰囲気下にて、15分間撹拌した。化合物(D)(33.10mmol、11.0g)を加え、この混合物を一晩撹拌した。この混合物をブライン(750mL)で希釈し、そしてEtOAc(6×200mL)で抽出した。有機層を合わせ、HO(3×300mL)およびブライン(2×200mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、(E)(13.78g)を得た。
【0198】
((F)の合成)
80%TFA/DCMの0℃冷却溶液50mLに、(E)(12.26mmol、7.0g)を加えた。その溶液を撹拌し、そして2時間にわたって、室温まで温めた。減圧下にて揮発性物質を除去した、その油状物に、BocNHhPhe(12.26mmol、3.42g)、DMF(125mL)、HOBT(19.62mmol、2.65g)およびDIEA(49.04mmol、6.34g、8.5mL)を加えた。この混合物を、氷浴中にて、0℃まで冷却し、そして5分間にわたって、数個の部分で、BOP(19.62mmol、8.67g)を加えた。この反応物をアルゴン下に置き、そして一晩にわたって、室温まで温めた。この反応物をDCM(100mL)で希釈し、そしてHO(600mL)に注いだ。有機層を分離し、そしてHO(1×100mL)、飽和NaHCO(1×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去して、(F)(8.14g)を得た。
【0199】
((G)の合成)
(F)(1.6mmol、1.0g)のDCM(10mL)溶液に、0℃で、氷浴中にて、20%TFA/DCM(20mL)溶液をゆっくりと加えた。その溶液を室温までゆっくりと温め、そして一晩撹拌した。真空下にて揮発性物質を除去し、その残渣をDCMで希釈し、そして蒸発させた(3×)。得られた油状物を、2時間にわたって、高真空下に置いて、(G)を得た。
【0200】
((H)の合成)
中間体(G)(1.6mmol)のピリジン(10mL)溶液に、0℃で、氷浴中にて、無水酢酸(10mL)をゆっくりと加えた。得られた溶液を室温まで温め、そして一晩撹拌した。真空下にて揮発性物質を除去し、その残渣をDCMで希釈し、そして蒸発させた。得られた固形物を熱EtOH(20mL)に溶解し、そして氷(200mL)にゆっくりと注いだ。濾過により固形物を集め、そして空気乾燥して、(H)(0.735g、1.3mmol)を得た。
【0201】
((I)の合成)
フッ化水素酸ピリジニウム(109mmol、2.2g)のTHF(10mL)およびピリジン(5.7mL)溶液に、(H)(0.36mmol、0.20g)をゆっくりと加えた。得られた溶液を2.5時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO(10mL)をゆっくりと加えることにより、クエンチした。その混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、有機層を合わせ、HO(3×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去して、(I)(0.22mmol、0.095g)を得た。
【0202】
((J)の合成)
(I)(0.12mmol、0.050g)のMeOH(1.5mL)およびHO(0.5mL)0℃不均一溶液に、LiOH(1.0mmol、0.024g)のHO(0.25mL)溶液を滴下した。得られた溶液を室温までゆっくりと温め、そして一晩撹拌した。その反応混合物を飽和NHCl(10mL)で希釈し、氷(10mL)に注ぎ、この溶液のpHを、1N HClで、2に調節した。得られた溶液をEtOAcで抽出し(3×15mL)、有機層を合わせ、HO(1×10mL)およびブライン(1×10mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去して、半固形物を得た。この半固形物を、2時間にわたって、高真空下に置いて、(J)(0.023g、0.05mmol)を得た。
【0203】
(化合物2の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](15mg、0.19mmol)のDMF(2mL)撹拌溶液に、(J)(0.05mmol、0.02g)、DIEA(0.02mmol、0.033mL)およびHOBT(0.02mmol、0.010g)を加えた。その混合物を、氷浴中にて、0℃まで冷却し、そして数個の部分で、BOP(0.07mmol、0.035g)を加えた。この混合物を、アルゴン雰囲気下にて、5℃で、一晩撹拌した。次いで、この反応物をブライン(15mL)で希釈し、そしてEtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、2(3.6mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<500nM。
【0204】
(スキーム3:実施例3の合成)
【0205】
【化16】

((K)の合成)
Fmoc−Phe−Wang樹脂(4.0mmol、5.0g)に、20%ピペリジン/DMFの混合物(50mL)を加えた。この不均一混合物を20分間振盪し、濾過し、樹脂を、DMF(100mL)、MeOH(100mL)およびDCM(100mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。樹脂を上記反応条件に2回かけて、(K)を得た。
【0206】
((L)の合成)
(K)(4.0mmol)およびDMF(40mL)の混合物に、順番に、Fmoc−Leu−OH(7.9mmol、2.82g)、DIEA(13.3mmol、2.23mL)およびHOBT(8.10mmol、1.24g)を加えた。上記混合物にBOP(7.98mmol、3.53g)をゆっくりと加え、そしてDMF(40mL)で希釈した。その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(150mL)、MeOH(150mL)、DCM(150mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(L)を得た。
【0207】
((M)の合成)
(L)(4.0mmol)に、20%ピペリジン/DMFの混合物(50mL)を加えた。その不均一混合物を20分間振盪した。その溶液を濾過し、樹脂を、DMF(100mL)、MeOH(100mL)およびDCM(100mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。次いで、樹脂を上記反応条件に2回かけて、(M)を得た。
【0208】
((N)の合成)
(M)(0.10mmol、0.130g)に、THF(2mL)、DIEA(0.40mmol、0.08mL)および塩化ベンゾイル(0.34mmol、0.04mL)を加えた。得られた混合物を30分間振盪した。この反応物を濾過し、樹脂を、DMF(20mL)、水(20mL)、MeOH(20mL)およびDCM(20mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(N)を得た。
【0209】
((O)の合成)
(N)(0.10mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、その混合物を20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この混合物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(O)を得た。
【0210】
(化合物3の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](19mg、0.11mmol)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(O)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加えた。その混合物を、室温で、一晩撹拌した。次いで、この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、3(13.8mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0211】
(スキーム4:実施例4の合成)
【0212】
【化17】

((P)の合成)
中間体(K)(0.10mmol、0.130g)に、THF(2mL)、DIEA(0.40mmol、0.08mL)および塩化ベンゾイル(0.34mmol、0.04mL)を加えた。得られた混合物を30分間振盪した。この反応物を濾過し、樹脂を、DMF(20mL)、水(20mL)、MeOH(20mL)およびDCM(20mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(P)を得た。
【0213】
((Q)の合成)
(P)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、そして20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(Q)を得た。
【0214】
(化合物4の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](19mg、0.11mmol)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(Q)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加えた。その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、4(12.7mg)を得た。
【0215】
(スキーム5:実施例5の合成)
【0216】
【化18】

((R)の合成)
(K)(0.10mmol、0.130g)に、THF(2mL)、DIEA(0.40mmol、0.08mL)および塩化2−チオフェンスルホニル(0.34mmol、0.064g)を加えた。得られた混合物を30分間振盪した。次いで、この反応物を濾過し、樹脂を、DMF(20mL)、水(20mL)、MeOH(20mL)およびDCM(20mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(R)を得た。
【0217】
((S)の合成)
(R)(0.10mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、そして20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。次いで、この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(S)を得た。
【0218】
(化合物5の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.11mmol、0.019g)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(S)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。次いで、この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、5(13.1mg)を得た。
【0219】
(スキーム6:実施例6の合成)
【0220】
【化19】

((T)の合成)
(K)(0.8mmol、1.0g)に、DMF(20mL)、Fmoc−イソニペコ酸(2.8mmol、0.320g、)、DIEA(4.8mmol、0.445mL、)、HOBT(0.9mmol、0.140g)およびBOP(1.0mmol、0.450g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(150mL)、MeOH(150mL)およびDCM(150mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(T)を得た。
【0221】
((U)の合成)
(T)(0.8mmol、1.0g)に20%ピペリジン/DMFの混合物(30mL)を加え、その不均一混合物を20分間振盪した。この混合物を濾過し、樹脂を、DMF(150mL)、MeOH(150mL)およびDCM(150mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。樹脂を上記反応条件に2回かけて、(U)を得た。
【0222】
((V)の合成)
(U)(0.10mmol、0.130g)に、THF(2mL)、DIEA(0.40mmol、0.08mL)および塩化2−チオフェンスルホニル(0.34mmol、0.064g)を加え、得られた混合物を30分間振盪した。この反応物を濾過し、樹脂を、DMF(20mL)、水(20mL)、MeOH(20mL)およびDCM(20mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(V)を得た。
【0223】
((W)の合成)
(V)(0.10mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、その混合物を20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。次いで、この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(W)を得た。
【0224】
(化合物6の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](19mg、0.11mmol)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(W)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、6(7.4mg)を得た。
【0225】
(スキーム7:実施例7の合成)
【0226】
【化20】

((X)の合成)
(M)(0.8mmol、1.0g、)に、DMF(20mL)、Fmoc−イソニペコ酸(2.8mmol、0.320g)、DIEA(4.8mmol、0.445mL)、HOBT(0.9mmol、0.140g)およびBOP(1.0mmol、0.450g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(150mL)、MeOH(150mL)およびDCM(150mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(X)を得た。
【0227】
((Y)の合成)
(X)(0.8mmol、1.0g)に20%ピペリジン/DMF(30mL)を加え、得られた不均一混合物を20分間振盪した。その溶液を濾過し、樹脂を、DMF(150mL)、MeOH(150mL)およびDCM(150mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。この樹脂を上記反応条件に2回かけて、(Y)を得た。
【0228】
((Z)の合成)
(Y)(0.10mmol、0.130g)に、THF(2mL)、DIEA(0.40mmol、0.08mL)および塩化2−チオフェンスルホニル(0.34mmol、0.064g)を加え、得られた混合物を30分間振盪した。この反応物を濾過し、樹脂を、DMF(20mL)、水(20mL)、MeOH(20mL)およびDCM(20mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(Z)を得た。
【0229】
((AA)の合成)
(Z)(0.10mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、その混合物を20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(AA)を得た。
【0230】
(化合物7の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.11mmol、0.019g)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(AA)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、7(18.2mg)を得た。IC50 20S CT−L<500nM、IC50 CellベースのCT−L<500nM。
【0231】
(スキーム8:実施例8の合成)
【0232】
【化21】

((BB)の合成)
(M)(0.12mmol、0.100g)に、DMF(2mL)、3−(p−トリル)プロピオン酸(0.09mmol、0.015g)、DIEA(0.17mmol、0.029mL)、HOBT(0.11mmol、0.016g)およびBOP(0.11mmol、0.051g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(15mL)、MeOH(15mL)およびDCM(15mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(BB)を得た。
【0233】
((CC)の合成)
(BB)(0.12mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、その混合物を20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(CC)を得た。
【0234】
(化合物8の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.11mmol、0.019g)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(CC)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、8(3.9mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0235】
(スキーム9:実施例9の合成)
【0236】
【化22】

((DD)の合成)
Fmoc−Phe(4−F)−OH(2.4mmol、1.0g)のDCM(20mL)溶液に、MeIm(6.7mmol、0.370mL)を加えた。その溶液が均一になったとき、MSNT(2.9mmol、0.870g)を加えた。一旦、MSNTが溶解すると、その反応混合物をWang樹脂(0.8mmol、1.0g)に加え、得られた溶液を45分間振盪させた。樹脂を濾過し、そしてDMF(50mL)、MeOH(50mL)およびDCM(50mL)で洗浄した。得られた樹脂を空気乾燥して、(DD)を得た。
【0237】
((EE)の合成)
(DD)(0.40mmol、0.5g)に20%ピペリジン/DMF(10mL)を加え、得られた不均一溶液を20分間振盪した。その混合物を濾過し、樹脂を、DMF(20mL)、MeOH(20mL)およびDCM(20mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。この樹脂を上記反応条件に2回かけて、(EE)を得た。
【0238】
((FF)の合成)
(EE)(0.40mmol)に、DMF(20mL)、Fmoc−Leu−OH(0.40mmol、0.143g)、DIEA(1.6mmol、0.12mL)、HOBT(0.64mmol、0.062mg)およびBOP(0.64mmol、0.178g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(40mL)、MeOH(40mL)およびDCM(40mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(FF)を得た。
【0239】
((GG)の合成)
(FF)(0.08mmol、0.10g)に20%ピペリジン/DMF(2mL)を加え、得られた不均一溶液を20分間振盪した。その溶液を濾過し、樹脂を、DMF(10mL)、MeOH(10mL)およびDCM(10mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。この樹脂を上記反応条件に2回かけて、(GG)を得た。
【0240】
((HH)の合成)
(GG)(0.08mmol)に、DMF(20mL)、Fmoc−hPhe−OH(0.40mmol、0.143g)、DIEA(1.6mmol、0.12mL)、HOBT(0.64mmol、0.062mg)およびBOP(0.64mmol、0.178g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(40mL)、MeOH(40mL)およびDCM(40mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(HH)を得た。
【0241】
((II)の合成)
(HH)(0.08mmol)に20%ピペリジン/DMF(2mL)を加え、得られた不均一溶液を20分間振盪した。その溶液を濾過し、樹脂を、DMF(10mL)、MeOH(10mL)およびDCM(10mL)で洗浄し、そして空気乾燥した。この樹脂を上記反応条件に2回かけて、(II)を得た。
【0242】
((JJ)の合成)
(II)(0.08mmol)に、DMF(2mL)、4−モルホリノ酢酸(0.10mmol、0.015g)、DIEA(0.17mmol、0.029mL)、HOBT(0.11mmol、0.016g)およびBOP(0.11mmol、0.051g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(15mL)、MeOH(15mL)およびDCM(15mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(JJ)を得た。
【0243】
((KK)の合成)
(JJ)(0.08mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、その混合物を20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(KK)を得た。
【0244】
(化合物9の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.11mmol、0.019g)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(KK)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、9(7.7mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0245】
(スキーム10:実施例10の合成)
【0246】
【化23】

((LL)の合成)
(K)(0.12mmol、0.100g)に、DMF(2mL)、4−モルホリノ酢酸(0.12mmol、0.018g)、DIEA(0.17mmol、0.029mL)、HOBT(0.11mmol、0.016g)およびBOP(0.11mmol、0.051g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(15mL)、MeOH(15mL)およびDCM(15mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(LL)を得た。
【0247】
((MM)の合成)
(LL)(0.12mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、その混合物を20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(MM)を得た。
【0248】
(化合物10の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.11mmol、0.019g)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(MM)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、10(14mg)を得た。
【0249】
(スキーム11:実施例11の合成)
【0250】
【化24】

((NN)の合成)
(K)(0.12mmol、0.100g)に、DMF(2mL)、ビフェニル−4−カルボン酸(0.12mmol、0.025g)、DIEA(0.17mmol、0.029mL)、HOBT(0.11mmol、0.016g)およびBOP(0.11mmol、0.051g)を加え、その反応混合物を一晩振盪させた。この反応混合物を濾過し、樹脂を、DMF(15mL)、MeOH(15mL)およびDCM(15mL)で洗浄し、そして空気乾燥して、(NN)を得た。
【0251】
((OO)の合成)
(NN)(0.12mmol)に50%TFA/DCM(2mL)を加え、そして20分間振盪した(樹脂は紫色に変わった)。この反応物を濾過し、樹脂をDCM(10mL)で洗浄した。減圧下にて揮発性物質を除去し、得られた油状物をDCM(10mL)で希釈し、そして全部で3回蒸発させて、(OO)を得た。
【0252】
(化合物11の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](0.11mmol、0.019g)のMeCN(2mL)撹拌溶液に、(OO)(0.1mmol)、DIEA(2.9mmol、0.5mL)、HOBT(0.2mmol、0.032g)およびBOP(0.23mmol、0.103g)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この反応物をブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を、水、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、20〜40%EtOAc/ヘキサンを使用する)で精製して、11(7.4mg)を得た。
【0253】
(スキーム12:実施例12、13および14の合成)
【0254】
【化25】


((PP)の合成)
NBocロイシン(85.67mmol、19.81g、1.0当量)およびフェニルアラニンベンジルエステル(85.67mmol、25.0g、1.0当量)のMeCN(900mL)溶液にDIEA(342.68mmol、44.29g、60mL、4.0当量)を加え、その混合物を、氷浴中にて、0℃まで冷却した。この混合物にHOBT(137.08mmol、18.52g、1.6当量)を加え、続いて、PyBOP(137.08mmol、71.33g、1.6当量)を加えた(これは、5分間にわたって、数個の部分で加えた)。この反応物をアルゴン雰囲気下に置き、そして一晩撹拌した。減圧下にて揮発性物質を除去し、残留している物質をEtOAc(500mL)に吸収させ、飽和NaHCO、HOおよびブラインで洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、減圧下にて揮発性物質を除去して、(PP)(37.3g)を得た。
【0255】
((QQ)の合成)
化合物(PP)(4.27mmol、2.0g)をMeOH/EtOAc(1:1、40mL)に溶解し、そしてPd−C(5%、800mg)を加えた。その混合物を、室温で、1気圧の水素下にて、2時間撹拌し、次いで、セライトで濾過し、そして濃縮して、(QQ)を得た。
【0256】
(化合物12の合成)
(C)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと](6.0mmol、1.8g、1.4当量)のDMF(50ml)撹拌溶液に、(QQ)(4.27mmol、2.0g、1当量)、DIEA(0.02mol、3.5mL、4当量)を加え、次いで、HOBT(32mmol、4.3g、1.6当量)を加えた。その混合物を、氷浴中にて、0℃まで冷却し、そして数個の部分で、PyBOP(32mmol、16.6g、1.6当量)を加えた。この混合物を、窒素雰囲気下にて、5℃で、一晩撹拌した。この反応物を飽和NaClで希釈し、そしてEtOAcで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして油状物に濃縮し、これを、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、12(0.50g)を得た。
【0257】
(化合物13の合成)
化合物12(0.046mmol、24.5mg)をTFA/DCM(80%)と混合し、そして室温で、1時間撹拌し、その時点で、この混合物を高真空下に2時間置いて、13を得た。
【0258】
(化合物14の合成)
13のDCM溶液(10mL)に、塩化3−チオフェンスルホニル(0.055mmol、0.012g、1.2当量)およびTEA(0.184mmol、0.026mL、4.0当量)を加えた。その混合物を、室温で、2時間撹拌し、次いで、乾燥状態まで濃縮した。その残渣をEtOAcに吸収させ、水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして油状物に濃縮し、これを、分取HPLCで精製して、14(1mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0259】
(スキーム13:実施例15の合成)
【0260】
【化26】

(化合物15の合成)
13(0.092mmol)のDCM溶液(2mL)に、イソシアン酸フェニル(0.14mmol、0.015mL、1.5当量)およびDIEA(0.276mmol、0.050mL、3当量)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。次いで、この粗混合物を乾燥状態まで濃縮し、その残渣をEtOAcに吸収した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして油状物に濃縮し、これを、分取HPLCで精製して、15(2.8mg)を得た。
【0261】
(スキーム14:実施例16の合成)
【0262】
【化27】

(化合物16の合成)
13(0.07mmol)のDCM溶液(2mL)に、イソチオシアン酸4−メトキシフェニル(0.1mmol、0.015mL、1.5当量)およびDIEA(0.21mmol、0.040mL、3当量)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この粗混合物を乾燥状態まで濃縮し、その残渣をEtOAcに吸収した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして油状物に濃縮し、これを、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、16(2mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0263】
(スキーム15:実施例17の合成)
【0264】
【化28】

(化合物17の合成)
13(0.092mmol)のDCM溶液(2mL)に、イソシアン酸4−メトキシフェニル(0.14mmol、0.018mL、1.5当量)およびDIEA(0.276mmol、0.050mL、3当量)を加え、その混合物を、室温で、一晩撹拌した。この粗混合物を乾燥状態まで濃縮し、その残渣をEtOAcに吸収した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして油状物に濃縮し、これを、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、17(2.5mg)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0265】
(スキーム16:実施例18の合成)
【0266】
【化29】

(化合物18の合成)
13(1.4mmol)のTHF溶液(15mL)に、0℃で、4−モルホリノ酢酸(1.79mmol、0.260g)、HOBT(1.92mmol、0.260g)、HBTU(1.72mmol、0.656g)およびDIEA(11.45mmol、2.0mL)を加え、その混合物を、一晩にわたって、室温まで温めた。この反応物を飽和NaHCO(15mL)で希釈し、そして層分離した。水層をEtOAc(3×5mL)で抽出し、有機層を合わせ、HO(1×15mL)およびブライン(1×15mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。濾過によりMgSOを除去し、そして減圧下にて揮発性物質を除去した。その粗製物質をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、18(0.423g)を得た。IC50 20S CT−L<50nM、IC50 CellベースのCT−L<50nM。
【0267】
(スキーム17:実施例19の合成)
【0268】
【化30】

((RR)の合成)
2(1mmol)およびDIEA(1.5mmol)の乾燥CHCl(100mL)溶液に、0℃で、塩化ジベンジルホスホリル(1mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下した。その反応混合物を、室温で、完結するまで撹拌し、冷1N HClに次いでブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、(RR)を得た。
【0269】
((SS)の合成)
(RR)(1mmol)および湿潤20%Pd(OH)/C(100mg;パールマン触媒)のEtOAc(10mL)溶液を、大気圧および周囲温度で、完結するまで、水素化にかける。その反応混合物をセライトで濾過し、そして蒸発させて、所望化合物(SS)を得る。そのように単離した物質は、次の工程のために、または任意のアッセイにおいて試験するために、いずれかのために、利用できる。
【0270】
(化合物19の合成)
化合物(SS)(1mmol)をMeOH(5mL)で希釈し、そして1.00N NaOH(2.00mmol)のHO(2mL)標準化溶液で処理する。この溶液を2時間撹拌し、そして凍結乾燥して、19を得る。
【0271】
(スキーム18:実施例20の合成)
【0272】
【化31】

((UU)の合成)
(TT)(1mmol)[これは、溶液相ペプチド合成の標準的な方法によって、得た]、スレオニンベンジルエステル(1mmol)およびDIEA(2.5mmol)の乾燥CHCl(100mL)溶液に、HBTU(2.5mmol)を加える。その反応混合物を、室温で、完結するまで撹拌し、1N HClおよび水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、(UU)を得る。
【0273】
((VV)の合成)
化合物(UU)(1mmol)の乾燥CHCl(100mL)溶液に、TBDPSCl(1mmol)およびイミダゾール(1.2mmol)を加える。その反応混合物を、室温で、完結するまで撹拌し、1N HClおよび水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、(VV)を得る。
【0274】
((WW)の合成)
(W)(1mmol)および10%Pd/C(100mg)のMeOH(10mL)溶液を、大気圧および周囲温度で、完結するまで、水素化にかける。その反応混合物をセライトで濾過し、そして蒸発させて、(WW)を得る。
【0275】
((XX)の合成)
(WW)(1mmol)およびE(1mmol)[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと]のDMF(10mL)溶液に、HOBT(1.60mmol)およびDIEA(4mmol)を加える。その混合物を0℃まで冷却し、そして数分間にわたって、BOP(1.60mmol)を加える。得られた溶液を室温まで温め、そして一晩撹拌する。この反応混合物をブラインで希釈し、そしてEtOAcで抽出する。合わせた有機物をHOおよびブラインで抽出し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させて、(XX)を得る。
【0276】
(化合物20の合成)
(XX)(1mmol)のTHF(100mL)溶液に、室温で、TBAF(1mmol)をゆっくりと加え、得られた混合物を、完結するまで、撹拌する。得られた残渣を蒸発させ、クロマトグラフィーにかけると、20が得られる。
【0277】
(スキーム19:実施例21の合成)
【0278】
【化32】

((CCC)の合成)
2に代えて20を使用すること以外は、2を(RR)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0279】
((DDD)の合成)
(RR)に代えて(CCC)を使用すること以外は、(RR)を(SS)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0280】
(化合物21の合成)
(SS)に代えて(DDD)を使用すること以外は、(SS)を19に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0281】
(スキーム20:実施例22の合成)
【0282】
【化33】

((EEE)の合成)
[J.Med.Chem.1999,42(16),3094−3100を参照のこと]。リン酸ジベンジルクロロメチル(1mmol)[U.S.6,204,257]の無水アセトニトリル溶液に、アルゴン下にて、化合物2(1mmol)および1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(1.2mmol)を加え、続いて、70℃で、完結するまで撹拌する。次いで、真空中で溶媒を除去して、(EEE)を得る。
【0283】
((FFF)の合成)
(RR)に代えて(EEE)を使用すること以外は、(RR)を(SS)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0284】
(化合物22の合成)
(SS)に代えて(FFF)を使用すること以外は、(SS)を19に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0285】
(スキーム21:実施例23の合成)
【0286】
【化34】

((GGG)の合成)
(Pharmaceutical Research 1993,10(9),1350−55を参照のこと)。(UU)(1mmol)およびプロトンスポンジ(1mmol)の乾燥CHCl(10mL)溶液に、0℃で、クロロクロロギ酸メチル(1mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下する。その反応混合物を、室温で、一晩撹拌し、1N HClおよび水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、(GGG)を得る。
【0287】
((HHH)の合成)
(GGG)(1mmol)およびジベンジルリン酸銀(1.5mmol)の乾燥ベンゼン(10mL)溶液を一晩還流する。その反応混合物を冷却し、濾過し、飽和NaCO溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させて、(HHH)を得る。
【0288】
((III)の合成)
(HHH)(1mmol)の3:1 MeOH/HO(20mL)溶液に、0℃で、LiOH(5mmol)のHO(2.5mL)溶液を滴下する。その反応物をアルゴンで覆い、そして5℃で、一晩保存する。この反応を、0℃で、飽和NHCl(50mL)を加えることによりクエンチし、そして冷水(150mL)で希釈する。そのpHを、0℃で、冷6N HClで2に調節し、得られた固形物を真空濾過により集めて、(III)を得る。
【0289】
((JJJ)の合成)
(WW)に代えて(III)を使用すること以外は、(WW)を(XX)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0290】
((KKK)の合成)
(RR)に代えて(JJJ)を使用すること以外は、(RR)を(SS)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0291】
(化合物23の合成)
(SS)に代えて(KKK)を使用すること以外は、(SS)を19に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0292】
(スキーム22:実施例24の合成)
【0293】
【化35】

((LLL)の合成)
化合物2を化合物(YY)[これは、溶液相ペプチド合成の標準的な方法によって、得た]で置き換え、そして塩化ジベンジルホスホリルを塩化クロロアセチルで置き換えて、2を(RR)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物(LLL)を得る。
【0294】
((MMM)の合成)
(LLL)(1mmol)のDMF(10mL)溶液に、室温で、アルゴン下にて、CsCO(1mmol)を加え、続いて、ピペリジン(1mmol)を加える。この反応が完結するまで、撹拌を継続する。次いで、その混合物をブラインに注ぎ、そしてEtOAcで洗浄する。このEtOAcをMgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、減圧下にて、化合物(MMM)を得る。
【0295】
((NNN)の合成)
(VV)に代えて(MMM)を使用すること以外は、(W)を(WW)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0296】
(化合物24の合成)
(WW)に代えて(NNN)を使用すること以外は、(WW)を(XX)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0297】
(スキーム23:実施例25の合成)
【0298】
【化36】

((OOO)の合成)
2に代えて(YY)を使用し、そして塩化ジベンジルホスホリルに代えてブロモ酢酸第三級ブチルを使用すること以外は、2を(RR)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0299】
((PPP)の合成)
(VV)に代えて(OOO)を使用すること以外は、(VV)を(WW)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0300】
((QQQ)の合成)
(WW)に代えて(PPP)を使用すること以外は、(WW)を(XX)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0301】
(化合物25の合成)
0℃で、(QQQ)(1mmol)を純粋なTFA(10mL)で処理し、続いて、減圧下にてTFAを蒸発させて[Bioorg.Med.Chem.Letter 1999,9,2283−88を参照のこと]、25を得る。
【0302】
(スキーム24:実施例26の合成)
【0303】
【化37】

((RRR)の合成)
(UU)(1mmol)の無水DMF(10mL)溶液に、室温で、NaH(1mmol)を慎重に加える。0.5時間撹拌した後、その混合物を1,3−ジブロモプロパン(1.2mmol)で処理し、この反応物を、完結するまで、撹拌する。次いで、飽和NHCl(1mL)を加えることにより、続いて、その混合物を冷ブライン(10mL)に注ぐことより、その溶液を慎重にクエンチする。得られた混合物をCHClで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下にて溶媒を蒸発させて、(RRR)を得る。
【0304】
((SSS)の合成)
(RRR)(1mmol)の無水DMF(10mL)溶液に、室温で、アルゴン下にて、CsCO(1mmol)を加え、続いて、N−メチルピペラジン(1mmol)を加える。この反応が完結するまで、撹拌を維持する。次いで、その混合物をブラインに注ぎ、そしてEtOAcで洗浄する。このEtOAcをMgSOで乾燥し、濾過し、そして蒸発させて、減圧下にて、化合物(SSS)を得る。
【0305】
((TTT)の合成)
(VV)に代えて(SSS)を使用すること以外は、(VV)を(WW)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0306】
(化合物26の合成)
(WW)に代えて(TTT)を使用すること以外は、(WW)を(XX)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0307】
(スキーム25:実施例27の合成)
【0308】
【化38】

((VVV)の合成)
(TT)に代えてN−アセチルセリンを使用し、そしてセリンベンジルエステルに代えて(UUU)[これは、溶液相ペプチド合成の標準的な方法によって、得た]を使用すること以外は、(TT)を(UU)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0309】
((WWW)の合成)
(UU)に代えて(VVV)を使用すること以外は、(UU)を(VV)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0310】
((XXX)の合成)
(VV)に代えて(WWW)を使用すること以外は、(VV)を(WW)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0311】
((YYY)の合成)
(WW)に代えて(XXX)を使用すること以外は、(WW)を(XX)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0312】
(化合物27の合成)
(XX)に代えて(YYY)を使用すること以外は、(XX)を20に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0313】
(スキーム26:実施例28の合成)
【0314】
【化39】


((ZZZ)の合成)
2に代えて27を使用すること以外は、2を(RR)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0315】
((AAAA)の合成)
(RR)に代えて(ZZZ)を使用すること以外は、(RR)を(SS)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0316】
(化合物28の合成)
(SS)に代えて(AAAA)を使用すること以外は、(SS)を19に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0317】
(スキーム27:実施例29の合成)
【0318】
【化40】

((BBBB)の合成)
(SS)に代えて(VVV)を使用すること以外は、(YY)を(LLL)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0319】
((CCCC)の合成)
(LLL)に代えて(BBBB)を使用し、そしてピペリジンに代えてモルホリンを使用すること以外は、(LLL)を(MMM)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0320】
((DDDD)の合成)
(MMM)に代えて(CCCC)を使用すること以外は、(MMM)を(NNN)に変換する手順にほぼ従って、標的化合物を調製する。
【0321】
(化合物29の合成)
(WW)に代えて(DDDD)を使用すること以外は、(WW)を(XX)に変換する手順にほぼ従って、化合物(WW)を調製する。
【0322】
(同等物)
当業者は、これらの化合物の多数の同等物および本明細書中で記述したそれらの使用方法を認識するか、または日常的な実験を使用して確認できる。このような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、そして上記請求の範囲に含まれる。上で引用した参考文献および刊行物の全ての内容は、本明細書中で参考として援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、
各Aは、別個に、C=O、C=SおよびSOからなる群から選ばれる;
各Bは、別個に、C=O、C=SおよびSOからなる群から選ばれる;
Dは、存在しないか、またはC1〜8アルキルである;
Gは、O、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Kは、存在しないか、またはC=O、C=SおよびSOからなる群から選ばれる;
Lは、存在しないか、またはC=O、C=SおよびSOからなる群から選ばれる;
Mは、存在しないか、またはC1〜8アルキルである;
Qは、存在しないか、またはO、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Xは、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
各Vは、別個に、存在しないか、またはO、S、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Wは、存在しないか、または別個に、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Yは、存在しないか、またはO、NH、N−C1〜6アルキル、S、SO、SO、CHOR10およびCHCO10からなる群から選ばれる;
各Zは、別個に、O、S、NHおよびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
、R、RおよびRは、別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、C1〜6アラルキル、およびR14DVKOC1〜3アルキル−からなる群から選択され、ここで、RおよびRの少なくとも1個は、R14DVKOC1〜3アルキル−である;
は、N(R)LQRである;
は、水素、OHおよびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
は、アミノ酸のさらなる鎖、水素、保護基、アリール、またはヘテロアリールであり、それらのいずれかは、必要に応じて、ハロゲン、カルボニル、ニトロ、ヒドロキシ、アリール、C1〜6アルキルで置換されている;またはRは、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、C1〜6アラルキル、C1〜6ヘテロアラルキル、RZA−C1〜8アルキル−、R11Z−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−Z−C1〜8アルキル−、RZA−C1〜8アルキル−ZAZ−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルMZAZ−C1〜8アルキル−、(RO)(RO)P(=O)O−C1〜8アルキル−、(R10N−C1〜8アルキル−、(R10−C1〜8アルキル−、ヘテロシクリルM−、カルボシクリルM−、R11SO1〜8アルキル−、およびR11SONHからなる群から選ばれる;または
およびRは、一緒になって、C1〜6アルキル−Y−C1〜6アルキル、C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、A−C1〜6アルキル−ZA−C1〜6アルキル、A−C1〜6アルキル−A、またはC1〜6アルキル−A、好ましくは、C1〜2アルキル−Y−C1〜2アルキル、C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキル、A−C1〜2アルキル−ZA−C1〜2アルキル、A−C1〜3アルキル−A、またはC1〜4アルキル−Aであり、それにより、環を形成する;
およびRは、別個に、水素、金属カチオン、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキルおよびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれるか、またはRおよびRは、一緒になって、C1〜6アルキルであり、それにより、環を形成する;
各R10は、別個に、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
11は、別個に、水素、OR10、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
14は、水素、(R15O)(R16O)P(=O)W−、R15GB−、ヘテロシクリル−、(R17N−、(R17−、R17SOGBG−、およびR15GBC1〜8アルキル−からなる群から選択され、ここで、該C1〜8アルキル部分は、必要に応じて、OH、C1〜8アルキルW(これは、必要に応じて、ハロゲンで置換されている)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されている;
15およびR16は、別個に、水素、金属カチオン、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜8ヘテロアラルキルからなる群から選ばれるか、またはR15およびR16は、一緒に、C1〜6アルキル、それにより、環を形成する;
各R17は、別個に、水素、OR10、C1〜6アルキル、C1〜6アルケニル、C1〜6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1〜6アラルキル、およびC1〜6ヘテロアラルキルからなる群から選ばれる;
但し、RがHであり、LがC=Oであり、そしてQが存在しないとき、Rは、水素、C1〜6アルキル、または置換または非置換アリールまたはヘテロアリールではない;そして
D、G、V、KおよびWは、O−O、N−O、S−NまたはS−O結合が存在しないように選択される)
の構造を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
、R、RおよびRが、別個に、C1〜6アルキル、C1〜6アラルキル、およびR14DVKOC1〜3アルキル−からなる群から選択され、ここで、RおよびRの少なくとも1個が、R14DVKOC1〜3アルキル−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRの一方が、R14DVKOC1〜3アルキル−であり、そして他方が、C1〜6アラルキルであり、そしてRおよびRが、別個に、C1〜6アルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRの一方が、2−フェニルエチルまたはフェニルメチルであり、そして他方が、R14DVKOC1〜3アルキル−であり、そしてRおよびRの両方が、両方共に、イソブチルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Lが、C=Oであり、そしてQが、存在しない、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が、水素であり、そしてRが、C1〜6アルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、メチルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
14が、(R15O)(R16O)P(=O)W−、R15GB−、(R17N−、(R17−、R17SOGBG−、およびR15GBC1〜8アルキル−からなる群から選択され、ここで、該C1〜8アルキル部分が、必要に応じて、OH、C1〜8アルキルW(これは、必要に応じて、ハロゲンで置換されている)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されている、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
14が、(R15O)(R16O)P(=O)W−であり、そしてD、V、KおよびWが、全て、存在しない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
14が、(R15O)(R16O)P(=O)W−であり、VおよびKが、存在せず、Dが、C1〜8アルキルであり、そしてWが、Oである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
14が、(R15O)(R16O)P(=O)W−であり、Dが、C1〜8アルキルであり、Kが、C=Oであり、そしてVおよびWが、Oである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
14が、R15GB−であり、BおよびKが、C=Oであり、GおよびVが、Oであり、そしてDが、C1〜8アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
14が、ヘテロシクリル−であり、Dが、C1〜8アルキルであり、Vが、Oであり、Kが、C=Oであり、そしてヘテロシクリルが、オキソジオキソレニルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
14が、ヘテロシクリル−であり、Vが、存在せず、Kが、存在しないか、またはC=Oであり、そしてヘテロシクリルが、N(R18)(R19)であり、R18およびR19が、一緒になって、J−T−J、J−WB−JまたはB−J−T−Jであり、Tが、存在しないか、またはO、NR17、S、SO、SO、CHOR17、CHCO15、C=O、CF、およびCHFからなる群から選択され、そしてJが、存在しないか、またはC1〜3アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
14が、(R17N−または(R17−であり、Vが、存在せず、Dが、C1〜8アルキルであり、そしてKが、存在しないか、またはC=Oである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
14が、(R17N−であり、DおよびVが、存在せず、そしてKが、存在しないか、またはC=Oである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
Kが、C=Oである、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
14が、R17SOGBG−であり、Bが、C=Oであり、D、VおよびKが、存在せず、そしてGが、NHまたはNC1〜6アルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
14が、R15GBC1〜8アルキル−であり、ここで、該C1〜8アルキル部分が、必要に応じて、OH、C1〜8アルキルW(これは、必要に応じて、ハロゲンで置換されている)、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリル、およびC1〜6アラルキルで置換されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
Bが、C=Oであり、Gが、Oであり、そして前記C1〜8アルキル部分が、非置換、一置換または二置換C1〜6アルキルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
式(IV):
【化3】

(式中、
各Arは、別個に、1個〜4個の置換基で必要に応じて置換された芳香族基またはヘテロ芳香族基である;
Lは、C=O、C=SおよびSOからなる群から選ばれる;
Xは、O、S、NH、およびN−C1〜6アルキルからなる群から選ばれる;
Yは、存在しないか、またはC=OおよびSOからなる群から選ばれる;
Zは、存在しないか、またはC1〜6アルキルである;
およびRは、それぞれ別個に、C1〜6アルキル、C1〜6ヒドロキシアルキル、C1〜6アルコキシアルキル、アリール、およびC1〜6アラルキルからなる群から選択され、それらのいずれかは、必要に応じて、1個またはそれ以上のアミド、アミン、カルボン酸(またはそれらの塩)、エステル、チオール、またはチオエーテル置換基で置換されている;
は、N(R)L−Z−Rである;
は、水素、OH、C1〜6アラルキル−Y−、およびC1〜6アルキル−Y−からなる群から選ばれる;
は、水素、OR、C1〜6アルケニル、Ar−Y−、カルボシクリル、およびヘテロシクリルからなる群から選ばれる;そして
およびRは、別個に、水素、C1〜6アルキル、およびC1〜6アラルキルからなる群から選ばれる)
の構造を有する化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩。
【請求項22】
Xが、Oである;RおよびRが、別個に、C1〜6アルキルおよびC1〜6アラルキルからなる群から選ばれる;そしてRおよびRが、別個に、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、C1〜6アルキルである;Rが、C1〜6アラルキルである;そしてRおよびRが、別個に、水素およびメチルからなる群から選ばれる、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
が、イソブチルであり、Rが、フェニルメチルであり、そしてRおよびRが、両方共に、水素である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
が、水素であり、Lが、C=OまたはSOであり、そしてRが、Ar−Y−である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
各Arが、別個に、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジルおよびピラジニルからなる群から選ばれる、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
Arが、Ar−Q−で置換されており、ここで、Qが、結合、−O−およびC1〜6アルキルからなる群から選ばれる、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Zが、C1〜6アルキルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項29】
Zが、Arで置換されている、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
Arが、フェニルである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
が、水素であり、Lが、C=OまたはSOであり、Zが、存在せず、そしてRが、Ar−Yおよびヘテロシクリルからなる群から選ばれる、請求項24に記載の化合物。
【請求項32】
ヘテロシクリルが、クロモニル、クロマニル、モルホリノおよびピペリジニルからなる群から選ばれる、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
が、Ar−Yであり、そしてArが、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ナフチル、キノリニル、キノロニル、チエニル、ピリジルおよびピラジニルからなる群から選ばれる、請求項31に記載の化合物。
【請求項34】
が、水素であり、Lが、C=OまたはSOであり、Zが、存在せず、そしてRが、C1〜6アルケニルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項35】
1〜6アルケニルが、置換されたビニル基である、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
前記置換基が、アリールまたはヘテロアリール基である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
前記置換基が、1個〜4個の置換基で必要に応じて置換されたフェニル基である、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
請求項1および21のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩と、薬学的に受容可能なキャリアとを含有する、薬学的組成物。
【請求項39】
5μM未満の濃度で存在しているとき、該20Sプロテアソームのキモトリプシン様活性を阻害し、そして5μM未満の濃度で存在しているとき、該20Sプロテアソームのトリプシン様活性またはPGPH活性を阻害しない、N−末端求核性加水分解酵素の阻害剤を製造するための、請求項1及び21のいずれか一つに記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項40】
炎症の治療剤を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項41】
前記炎症が慢性の炎症である請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記慢性の炎症がCOPD、乾癬、気管支炎、気腫、および嚢胞性線維症からなる群から選ばれる請求項41記載の使用。
【請求項43】
HIV感染を阻止または減少するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項44】
神経変性疾患を治療するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項45】
前記神経変性疾患が、発作、神経系に対する虚血性損傷、神経外傷、多発硬化症、ギラン・バレー症候群、急性運動軸索ニューロパシー、急性炎症脱髄性多発ニューロパシー、フィッシャー症候群、HIV/AIDS認知症症候群、軸索障害、糖尿病ニューロパシー、パーキンソン疾患、ハンティングトン病、細菌性髄膜炎、寄生生物性髄膜炎、真菌性髄膜炎、ウィルス性髄膜炎、脳炎、血管性認知症、多発脳梗塞性認知症、レヴィー小体認知症、前頭葉認知症、皮質下認知症、病巣皮質萎縮症候群、代謝性中毒性認知症、感染により引き起こされる認知症、及びアルツハイマー病からなる群から選ばれる、請求項44に記載の使用。
【請求項46】
アルツハイマー病を治療するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項47】
筋肉萎縮病を治療するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項48】
癌を治療するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項49】
慢性感染症を治療する医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項50】
過剰増殖病を治療するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項51】
前記過剰増殖病が、糖尿病性網膜症、黄斑変性、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、IgA腎症、肝硬変、胆道閉鎖症、うっ血性心不全、強皮症、放射線誘導線維症、および肺線維症からなる群からなる群から選ばれる、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
筋肉不使用を治療する医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項53】
免疫関連病を治療する医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項54】
前記免疫関連病が、アレルギー、喘息、臓器/組織拒絶、狼瘡、関節リウマチ、乾癬、多発性硬化症、および炎症性腸疾患からなる群から選ばれる、請求項53に記載の使用。
【請求項55】
被験体におけるウイルス遺伝子発現のレベルに影響を与える医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項56】
生物体においてプロテアソームにより産生される種々の抗原ペプチドを変える医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項57】
虚血および再灌流障害を治療するための医薬を製造するための請求項1及び21のいずれかの1項に記載の化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩の使用。
【請求項58】
前記虚血および再灌流障害が、急性冠動脈症候群、動脈閉塞疾患、アテローム性動脈硬化症、梗塞、心不全、膵炎、心筋肥厚、狭窄および再狭窄から成る群から選ばれる、請求項57に記載の使用。

【公開番号】特開2012−121895(P2012−121895A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−13983(P2012−13983)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【分割の表示】特願2007−513279(P2007−513279)の分割
【原出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(506343520)プロテオリックス, インコーポレイテッド (13)
【住所又は居所原語表記】249E.Grand Avenue,South San Francisco,California 94080 (US)
【Fターム(参考)】