説明

酸化物半導体薄膜トランジスタ

【課題】 ボトムゲート型TFTにおいて、ゲート電極に電圧を印加するとゲート電極の上方にある半導体層にチャネルが形成される。しかし、ソース・ドレイン電極直下の半導体層の大部分にはチャネルが形成されず、寄生抵抗となるため、電流駆動能力が低下するという課題がある。
【解決手段】 基板上に、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、アモルファス酸化物からなる半導体層と、ソース・ドレイン電極と、保護層と、を有するトランジスタであって、
前記半導体層は、
前記ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応する第1の領域と、
前記ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応しない第2の領域と、を含み、
少なくとも前記第1の領域が前記第2の領域のアモルファス酸化物とは組成の異なる結晶成分を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化物半導体デバイス、特にアモルファス酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、透明酸化物半導体を活性層に用いたTFTの開発が進められている。
【0003】
特許文献1には、In、Ga、Zn、Oからなるアモルファスの透明酸化物半導体膜(IGZO膜)を活性層として用いたTFTの技術が開示されている。上記TFTは、透明かつ低温で成膜可能であり、プラスチックのような可撓性を有する基板上に透明TFTをつくることが可能であるとして注目されている。
【特許文献1】特開2006−165529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
酸化物半導体を用いた典型的なボトムゲート型TFTの構造を、図2に示す。基板1上にゲート電極2、ゲート絶縁膜3、半導体層4、ソース・ドレイン電極5、保護層6を積層して構成される。
【0005】
ゲート電極に電圧を印加するとゲート電極の上方にある半導体層にチャネルが形成される。しかし、ソース・ドレイン電極下の半導体領域の大部分にはチャネルが形成されず、一種の抵抗体(寄生抵抗ともいう)となる。従って、電流駆動能力を向上させるためには、ソース・ドレイン電極下の半導体層を低抵抗して、ソース・ドレイン電極が形成された領域とこれに対応する半導体領域との電気的整合性を向上させることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、ソース・ドレイン電極と半導体層との電気的整合性が優れた酸化物半導体TFTを提供することである。
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決する為に、ボトムゲート型TFTにおけるソース・ドレイン電極の下の半導体領域に着目して、電子顕微鏡による形態観察・分析の観点から特性との相関について検討を行い、低抵抗化を実現する構成を見出した。
【0008】
本発明は上記知見に基づいて本発明者らが鋭意検討した結果完成に至ったものであり、その骨子とするところは、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、アモルファス酸化物からなる半導体層と、ソース・ドレイン電極と、保護層と、を有するトランジスタであって、前記半導体層は、前記ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応する第1の領域と、前記ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応しない第2の領域と、を含み、少なくとも前記第1の領域が前記第2の領域のアモルファス酸化物とは組成の異なる結晶成分を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のTFTを用いるならば、ソース・ドレイン電極直下の半導体層を低抵抗化することにより、寄生抵抗を軽減して、ソース・ドレイン電極とこれに対応する半導体領域との電気的整合性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明によるボトムゲート型TFTの構成について、図1を参照して、説明する。
【0011】
本発明によるボトムゲート型TFTは、図1の断面図に示すように、基板1上に、ゲート電極2、ゲート絶縁層3、半導体層41・42、ソース・ドレイン電極5、保護層6を積層して形成される。半導体層4はソース・ドレイン電極5と対応する第1の領域41とソース・ドレイン電極と対応しない第2の領域42から構成される。
【0012】
本発明において、「電極が形成された領域と対応する(しない)領域」とは、半導体層上に形成された電極に接する(しない)領域及び、当該領域の半導体層の層厚方向の領域をいう。即ち電極が形成された領域の下(直下)に存在する半導体領域全体をいう。
【0013】
基板1には、ガラス基板を用いる。基板1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のプラスチックフィルムを使用することもできる。
【0014】
ゲート電極2は、基板1上に積層される。ゲート電極2には、Ti、Mo、W、Al、Au等の金属を使用することができる。また、金属に関しては、単体のみならずたとえばMo−Wのような合金も使用することができる。また、膜の密着性を高めるために、酸化物との密着性が良い金属、例えばTiで、AlやAu等を挟んだ、金属の積層体を電極として使用することができる。
【0015】
ゲート絶縁層3は、基板1とゲート電極2上に積層される。ゲート絶縁層3には、SiO、SiN、SiON等のSi酸化物およびSi窒化物が使用される。また、Siのみならず他金属元素の酸化物及び窒化物、例えば、Al、AlN等を使用することもできる。
【0016】
半導体層4は、ゲート絶縁層3上に積層される。半導体層4には、In、Sn、Ga、Znの少なくとも1つ含む酸化物半導体が使用される。半導体層4の構成については、後述する。
【0017】
ソース・ドレイン電極5は、半導体層4上に積層される。ソース・ドレイン電極5には、ゲート電極2と同様の、金属を使用することができる。また、金属に関しては、ゲート電極2と同様に単体のみならずMo−Wのような合金も使用することができる。また、酸化物半導体との機械的密着性や電気的接合性を高める目的で、例えばTiと他の金属の積層体を使用することができる。何れの電極も金属積層体を用いる場合、隣接層との界面を形成する金属と、その界面に電荷を輸送する、もしくは電圧を印加するための金属により、電極としての役割を分担させることができる。
【0018】
保護層6は、ソース・ドレイン電極5および半導体層4上に積層される。保護層7には、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物等の絶縁性の金属酸化物や絶縁性を有する有機膜が使用される。
【0019】
(半導体層について)
本発明の望ましい形態の一つは、半導体層の第1の領域である41が、半導体層の第2の領域である42のアモルファス酸化物とは組成の異なる結晶成分(典型的には結晶粒)を含む構成である。このとき結晶成分はアモルファス酸化物より電気抵抗が低い。これにより、第1の領域は全体の平均として低抵抗になる。
【0020】
本発明において、上記結晶成分が多くなってくると、結晶粒として透過型電子顕微鏡(TEM)等で観察されるようになる。しかし、TEMで観察されなかったとしてもX線回折等の分析手法により結晶成分に起因する回折ピークが観測されれば、本発明の結晶成分を含む半導体層である。
【0021】
また、本発明の望ましい形態の一つは、結晶成分(典型的には結晶粒)が、アモルファス酸化物に含まれる金属から構成される金属結晶である。金属結晶は酸化物よりも著しく低抵抗である。そして、本発明の第1の領域の単位体積当たりの金属の割合(含有率ともいう)は、本発明の第2の領域の単位体積当たりの金属の割合よりも大きくなる。この結果、第1の領域は全体の平均として低抵抗になり、寄生抵抗が減少して電極と半導体層との電気的整合性が向上するる。
【0022】
結晶粒の存在は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)観察をすることによって確認することができる。アモルファス中に含まれる結晶粒は、回折コントラストによって像として識別することが可能である。
【0023】
また、電子線回折図形を取得することにより、結晶成分(典型的には結晶粒)の存在を確認することができる。さらには、結晶構造や物質の同定が可能である。
【0024】
また、走査型TEM(Scanning TEM:STEM)とエネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X−ray spectroscopy:EDX)による組成分析によって、結晶粒の金属組成が周囲のアモルファスのマトリックスのそれと異なることを確認することができる。
【0025】
上記結晶が形成される詳細なメカニズムは必ずしも明らかとなっていない。しかし、発明者らの知見によれば以下に示す2点が関係しているものと考えられる。すなわち、(1)ソース・ドレイン電極の金属が酸化物半導体内に拡散することと、(2)熱伝導性の悪い絶縁層によって局所的に熱が蓄積されることが関係している。この2点の相乗効果により、低温でも結晶化が起こっていると考えられる。
【0026】
したがって、ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応する半導体層の第1の領域41に結晶粒(微結晶ともいう)を形成させるために、半導体層4の成膜法には特別な条件は必要とされない。ただし、局所的な熱量を与えるために、ソース・ドレイン電極は蒸着法によって大きな成膜レートで形成させることが望ましい。
【0027】
上記TFTの出力端子であるソース電極又はドレイン電極を、発光素子や光スイッチング素子の電極に接続することで表示装置を構成することができる。以下、断面図を用いて具体的な表示装置の構成の例について説明する。
【0028】
図8は、本発明の一実施形態として、有機EL素子を発光素子として用いる表示装置の一例を示す断面図である。
【0029】
基板1上に、ゲート電極2と、ゲート絶縁層3と、半導体層4と、ソース・ドレイン電極5と、保護層6とから構成されるTFTを形成する。
【0030】
ソース・ドレイン電極5に層間絶縁膜802を介して下部電極801が接続されており、下部電極801は発光層803と接し、さらに発光層803が上部電極804と接している。ここで、下部電極801、発光層803、上部電極804は有機EL素子を構成する。
【0031】
このような構成により、発光層803に注入する電流を、半導体層4に形成されるチャネルを介してソース・ドレイン電極5間に流れる電流値によって制御することが可能となる。
【0032】
したがって、この有機EL素子を寄生抵抗の小さいTFTのゲート電極2の電圧によって効率よく制御することができる。
【0033】
以下実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
(実施例1)
本実施例では半導体層に金属結晶を含むTFTについて説明する。
【0035】
ガラス基板を用いて、図1に示すボトムゲート型TFTを作製する。
【0036】
まず、ガラス基板上に、蒸着法により、Ti5nm/Au40nm/Ti5nmの金属多層膜を成膜する。このときの成膜レートは、Tiが0.2nm/sec、Auが成膜レート:1nm/secである。この金属膜を、フォトリソグラフィーによりパターニングし、ゲート電極を形成する。
【0037】
その上に、スパッタ法によりアモルファスSiOを200nm成膜し、ゲート絶縁層とする。アモルファスSiOは、RFスパッタ装置を用いて基板温度は室温で形成する。RFパワーは400Wである。この時のスパッタガスはArを使用する。
【0038】
その上に、スパッタ法によりIn−Zn−Ga−Oからなるアモルファス酸化物半導体膜を40nm成膜する。アモルファス半導体膜は、RFスパッタ装置を用いて基板温度は室温で形成する。RFパワーは200Wである。このときのスパッタガスは、混合比5:95の酸素/Arガスである。このアモルファス酸化物半導体膜を、フォトリソグラフィーとウェットエッチングによってパターニングし、半導体層を形成する。
【0039】
その後、蒸着法により、Ti5nm/Au100nm/Ti5nmの金属膜を成膜する。このときの成膜レートは、Tiが0.2nm/sec、Auが成膜レート:1nm/secである。この金属膜を、フォトリソグラフィーによりパターニングし、ソース・ドレイン電極を形成する。
【0040】
その上に、スパッタ法によりアモルファスSiOを100nm成膜して、保護層とする。アモルファスSiOは、RFスパッタ装置を用いて基板温度は室温で形成する。RFパワーは400Wである。この時のスパッタガスは、混合比50%の酸素/Arガスであり、酸化雰囲気で保護層を成膜する。
【0041】
こうして図1に示すボトムゲート型TFTが完成する。
【0042】
(ソース・ドレイン電極下の半導体層における結晶粒)
同様にして作製したTFTの断面TEM写真を、図3に示す。ここで、TEM写真の視野には、下からゲート絶縁層、半導体層、ソース・ドレイン電極、そして保護層が観察されている。半導体層には直径が20nm程度の結晶粒が存在していることが確認できる。また、結晶粒はゲート絶縁層をなすSiOとの界面に多く存在している。これは、界面が不均一結晶核形成サイトとして機能しているためであると考えられる。
【0043】
図4は、同様にして作製したTFTに形成された結晶粒のひとつを、STEM−EDXによって線分析した特性X線強度プロファイルである。ゲート絶縁層から、半導体層、ソース・ドレイン電極に至る領域を、測定点の間隔約1nmで分析している。結晶粒はIn過剰組成となっていることがわかる。同様の測定により、Ga過剰組成またはZn過剰組成を示す結晶粒が存在していることが確認されている。
【0044】
図5は結晶粒のひとつに電子線を絞って照射して取得した、電子線回折図形(マイクロディフラクション)と、金属In(空間群:I4/mmm、格子定数:a=b=0.3252nm、c=0.4946nm)の[010]入射を想定して計算した回折図形である。電子線を細く絞っているため回折斑点がディスク状に広がっているが、[010]入射の回折図形とよく一致していることがわかる。また、取得した回折図形から得られる格子面間隔は、金属Inのものとよく一致している。
【0045】
以上の結果より、ソース・ドレイン電極に接する半導体層の第1の領域に金属結晶粒が含まれていることが確認された。
【0046】
なお、本実施例ではソース・ドレイン電極としてTi/Au/Tiを使用したが、Au(成膜レート:1nm/sec、膜厚:100nm)のみを使用した場合にも、同様に結晶粒が存在していることを確認している。また、Ti(成膜レート:0.2nm/sec、膜厚:50nm)のみを使用した場合には、結晶粒が存在しているものの、その頻度は小さいことを確認している。したがって、結晶粒の形成は、半導体層と直接接触している金属種に限定されず、電極成膜時に単位時間当り付与される熱量に依存していると考えられる。
【0047】
(ソース・ドレイン電極下の半導体層の低抵抗化)
ソース・ドレイン電極下の半導体層の低抵抗化を確認するために、以下に示す素子を作製し電気伝導度の測定を行う。
【0048】
図6は、半導体層の面内方向の伝導度を測定するための、四端子測定素子の断面図である。ガラス基板1の上に絶縁層61(アモルファスSiO200nm)と、半導体層4(In−Zn−Ga−Oからなるアモルファス酸化物半導体20nm)を、スパッタ法により順に成膜した。その上に四端子測定用の電極62を蒸着法により成膜した。ここで電極はAu40nm/Ti5nmであり、半導体層にTiが接している。
【0049】
各層の成膜条件は、実施例1と同様である。
【0050】
半導体層の面内方向の電気伝導度、すなわち電極の下部に位置しない半導体層の電気伝導度は、およそ10−5S/cmである。
【0051】
図7は、半導体層の電極下における膜厚方向の電気伝導度を測定するための、素子の断面図である。ガラス基板1の上に、下部電極71を蒸着法により成膜した。その上に、半導体層4(In−Zn−Ga−Oからなるアモルファス酸化物半導体20nm)を、スパッタ法により成膜した。その上に上部電極72を蒸着法により作製した。ここで下部電極はTi5nm/Au40nm/Ti5nmである。上部電極はAu40nm/Ti5nmであり、半導体層にTiが接している。
【0052】
各層の成膜条件は、実施例1と同様である。
【0053】
半導体層の膜厚方向の電気伝導度、すなわち電極の下部に位置する半導体層の電気伝導度は、およそ10−1S/cmであった。
【0054】
以上の結果から、電極の下の結晶粒を含む半導体層が著しく低抵抗になっていることが確認できる。
【0055】
このように、本発明の構成によれば、金属結晶を含むことによってソース・ドレイン電極下の半導体層が全体として低抵抗となり、寄生抵抗を低減した酸化物半導体TFTを実現することができる。
【0056】
(実施例2)
本実施例では図8のTFTを用いた表示装置について説明する。
【0057】
TFTの製造工程は実施例1と同様である。
【0058】
TFTを作製した後、層間絶縁膜を成膜する。このときソース・ドレイン電極と下部電極を接続するためのコンタクトホールを形成しておく。
【0059】
次に、蒸着法によりAlを成膜して下部電極を形成する。この下部電極はコンタクトホールを介してドレイン電極と接続されている。
【0060】
次に蒸着法により電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層を順に形成して、全体として有機EL発光層とする。
【0061】
最後に、スパッタ法によりITOを成膜して、上部電極とする。
【0062】
ここでTFTのソース電極に電圧を印加し、ゲート電極の印加電圧を変化させると、ドレイン電極から下部電極を介して発光層に電流が注入され、有機EL素子を駆動することができる。
【0063】
このようにして、寄生抵抗が小さく電極と半導体層との電気的整合性に優れたTFTにより駆動される有機EL素子を用いた表示装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による、半導体層に結晶粒を含むボトムゲート型TFTの断面図である。
【図2】典型的なボトムゲート型TFTの断面図である。
【図3】実施例1によるTFTのソース・ドレイン電極直下の半導体層に含まれる結晶粒を示す、断面TEM写真である。
【図4】半導体層に含まれる結晶粒を、STEM−EDXによって線分析した特性X線強度プロファイルである。
【図5】結晶粒から取得した電子線回折図形(実験データ)と金属Inの[010]入射を想定して計算した回折図形である。
【図6】半導体層の面内方向の伝導度を測定するための、四端子測定素子の断面図である。
【図7】半導体層の電極下における膜厚方向の伝導度を測定するための、素子の断面図である。
【図8】本発明の一実施形態としての、表示装置の一例の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 半導体層
41 ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応する半導体層の第1の領域
42 ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応しない半導体層の第2の領域
5 ソース・ドレイン電極
6 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート電極と、ゲート絶縁層と、アモルファス酸化物からなる半導体層と、ソース・ドレイン電極と、保護層と、を有するトランジスタであって、
前記半導体層は、
前記ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応する第1の領域と、
前記ソース・ドレイン電極が形成された領域に対応しない第2の領域と、を含み、
少なくとも前記第1の領域が前記第2の領域のアモルファス酸化物とは組成の異なる結晶成分を含むことを特徴とする薄膜トランジスタ。
【請求項2】
前記結晶成分は前記半導体層に含まれる金属を含み、当該金属の単位体積当たりの割合が前記第1の領域の単位体積当たりの金属の割合よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項3】
前記半導体層が前記金属としてIn、Sn、Zn、およびGaの少なくとも1つを含むアモルファス酸化物半導体であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の薄膜トランジスタを用いた表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−141001(P2009−141001A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313578(P2007−313578)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】