説明

金属化フィルムコンデンサ

【課題】高温領域での耐電圧性能の向上と高度な安全性を有する金属化フィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体フィルムの少なくとも片面に蒸着電極を設けた金属化フィルムを巻回、または積層してコンデンサ素子を形成し、該コンデンサ素子の両端面に電極引き出し用のメタリコンを形成した金属化フィルムコンデンサにおいて、金属化フィルムの長手方向に沿って複数の絶縁スリットにより分割されて分割電極を形成する分割電極部と、蒸着電極が長手方向に連続した非分割電極部とが金属化フィルムのフィルム幅方向に交互に配置され、分割電極の各々が隣接する絶縁スリットの端部と端部との間に形成されたヒューズにて非分割電極部に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業機器および自動車用等のインバータ回路の平滑用、フィルタ用に使用する金属化フィルムコンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の金属化フィルムコンデンサは、図1に示すポリプロピレンフィルム1のメタリコン近傍蒸着電極2を厚く、非メタリコン近傍蒸着電極3を薄く蒸着し、メタリコンと対向する端部に絶縁マージン4を形成した金属化フィルムが使用されている。この金属化フィルムコンデンサではポリプロピレンフィルムの絶縁破壊時、その放電エネルギーにより絶縁破壊部周辺の蒸着電極が飛散し、これにより絶縁破壊部の絶縁を回復させる自己回復機能を有する。しかし、高温・高電圧では絶縁破壊数が増えるために自己回復機能が充分に得られず、コンデンサがショートモードに到ることがある。例えば、図11に示されるように、誘電体(プラスチックフィルム)の上に蒸着金属膜を有する金属化フィルムが積層・巻回されてなる金属化フィルムコンデンサにおいては、図面の×印の所で誘電体が破壊し、セルフヒーリング(蒸着金属の飛散)が不充分な場合、破壊した誘電体部分を介して当該金属化フィルムの下側に配置された金属化フィルム上の蒸着金属と導通することになる。
【0003】
インバータ回路の平滑用コンデンサは高温・高電圧で使用されると共に、安全性の要求が強く、蒸着電極を複数に分割した金属化フィルムが採用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。このような分割電極が形成された金属化フィルムの例を[図2−A]〜[図2−C]に示す。
【0004】
[図2−A]では、金属化フィルムのメタリコン接続部10と幅方向において対向する端部には絶縁マージン12が形成され、幅方向絶縁スリット5と、長手方向絶縁スリット6とにより分割電極7が形成されている。これら分割電極7同士はヒューズ8で並列に接続されている。さらに、メタリコン近傍蒸着電極は長手方向の絶縁スリット9によりメタリコン接続部10と分割電極7とを分離した構成とし、メタリコン接続部10と分割電極7とはヒューズ11で接続されている。
【0005】
[図2−B]では、金属化フィルムのメタリコン接続部10aと幅方向において対向する端部には絶縁マージン12aが形成され、Y字形絶縁スリット13aによりハニカム状の分割電極7aが形成されている。これら分割電極7a同士はヒューズ8aで並列に接続されている。
【0006】
[図2−C]では、金属化フィルムのメタリコン接続部10bと幅方向において対向する端部には絶縁マージン12bが形成され、ミュラー・リヤー形絶縁スリット14aによりハニカム状の分割電極7bが形成されている。これら分割電極7b同士はヒューズ8bで並列に接続されている。
【0007】
このような分割電極を有する金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサに誘電体の絶縁破壊が生じた場合、上記した自己回復機能を有する。同時に、金属化フィルムの自己回復機能を超えた絶縁破壊が生じた場合でも、周囲の分割電極から絶縁破壊の生じた分割電極に電流が流れ込み、ヒューズ部の蒸着電極を飛散させ、ヒューズ動作により絶縁破壊が生じた分割電極が、他の分割電極と切り離されて絶縁を回復させる機能を有し、高い安全性が確保されている。
【0008】
さらに、分割電極面積を小さくするとヒューズ動作による容量減少を抑制することができ、コンデンサの長寿命化が可能になる。しかしながら、細分化し過ぎると、分割電極のエネルギーが小さくなり、絶縁破壊が生じた場合、ヒューズ動作がしにくくなって、コンデンサの安全性が低下する。この現象は温度が高くなるほど顕著になる。
【0009】
また、分割電極面積を小さくすると、ヒューズの数が増加することになるが、ヒューズは分割電極と比較して高抵抗であるため、コンデンサの発熱が大きくなることが報告されている(例えば、特許文献4参照)。このような金属化フィルムコンデンサにおける雰囲気温度の上昇や自己発熱の増加は、耐電圧性や保安性が低下する原因となる。
【0010】
そこで、上記した不具合を改善するために、分割電極部と、分割されていない面積の大きな電極(非分割電極部)を集約配置する手段が考案されている(例えば、特許文献5参照)。この特許文献5記載の金属化フィルムコンデンサでは、絶縁マージン側にスリットによって区画された複数の分割小電極が設けられ、端子接続部側に非分割電極部が設けられている。そして、複数の分割小電極は、絶縁マージンに近づくにつれて、蒸着電極の面積が小さくなるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平08−250367号公報
【特許文献2】特開平11−26281号公報
【特許文献3】特開平11−26280号公報
【特許文献4】特開2003−338422号公報
【特許文献5】特開2005−12082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、自動車用としてインバータ回路の平滑用などに使用されるコンデンサは高温、高周波、高電圧で使用され、小形化と高度な信頼性が要求されている。このため、誘電体フィルムの厚さを薄くしてコンデンサを小形化し、かつ高温での耐電圧性および安全性の向上を図ることが必要である。
【0013】
しかしながら、上記特許文献5記載の金属化フィルムコンデンサでは、絶縁マージン側に分割小電極(分割電極部)を集約する一方、端子接続部側に非分割電極部を配置しているので、高温時での保安性が必ずしも十分に確保されている状況にはなっていなかった。具体的には、分割電極部で絶縁破壊が生じた場合、絶縁破壊が生じた分割電極に隣接する分割電極からヒューズを動作させるだけの十分な電流が流れ込まず、特に高温時においてヒューズを動作させることができないおそれがあった。
【0014】
また、非分割電極部には絶縁スリットが存在しないが、分割電極には絶縁スリットが形成されている。このため、分割電極を形成するためにマスキングオイルを金属化フィルムに塗布する必要があるが、蒸着時に付着した残存マスキングオイルが影響し、非分割電極部と分割電極部とで金属化フィルムの滑り性に差異が生じていた。
【0015】
しかしながら、上記特許文献5記載の金属化フィルムコンデンサは、絶縁マージン側に複数の分割小電極を設ける一方、端子接続部側に非分割大電極部が設けているため、金属化フィルム上の絶縁スリットの位置が幅方向において大きく偏っていた。その結果、金属化フィルムの滑り性が幅方向において顕著に相違し、金属化フィルムの巻回時、素子巻回状態にばらつきを生じて高温での耐電圧性に影響を及ぼすことがあった。
【0016】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、高温での良好な保安性および耐電圧性を有する金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記の課題を解決するものであり、誘電体フィルムの少なくとも片面に蒸着電極を設けた金属化フィルムを巻回、または積層してコンデンサ素子を形成し、該コンデンサ素子の両端面に電極引き出し用のメタリコンを接続した金属化フィルムコンデンサにおいて、金属化フィルムの長手方向に配列した複数の絶縁スリットにより蒸着電極が分割されて分割電極を形成する分割電極部と、蒸着電極が長手方向に連続した非分割電極部とが金属化フィルムの幅方向に交互に配置され、分割電極部のセグメントに相当する分割電極の各々が、隣接する絶縁スリットの端部と端部との間に形成されたヒューズにて非分割電極部に接続されていることことを特徴としている。
【0018】
このように構成された発明によれば、蒸着電極が絶縁スリットにより複数個の分割電極に分割され、分割電極の各々がヒューズによって、蒸着電極が長手方向に連続した非分割電極部に接続される。そして、このような分割電極部と非分割電極とが金属化フィルムの幅方向に交互に配置されている。このため、分割電極面積を小さくしても(分割電極部を細分化しても)、安定した保安性を得ることができ、ヒューズ動作による容量減少を抑制することができる。すなわち、分割電極部の細分化によりヒューズ動作による容量減少を抑制することができ、好ましい反面、細分化するとヒューズ動作が困難になり、保安性が低下してしまう。これに対し、この発明によれば、分割電極部で絶縁破壊を起こしても、幅方向において分割電極部と非分割電極部とが交互に配置しており、分割電極部の少なくとも一方の端部は非分割電極部に隣接しているので、ヒューズに十分な電流が流れ込み、ヒューズを確実に動作(ヒューズ部の蒸着電極を飛散)させ、絶縁破壊を起こした分割電極部を分離することができる。これにより、分割電極を小さくしても安定した保安性が得られる。
【0019】
また、分割電極部と非分割電極とが金属化フィルムの幅方向に交互に配置されているため、金属化フィルム上の絶縁スリットの位置が幅方向に偏在するのを防止して、金属化フィルムの滑り性を幅方向に平準化することができる。その結果、金属化フィルムの巻回時、素子巻回状態にばらつきが生じるのを抑制して、高温時における良好な耐電圧性を確保することができる。よって、高温(例えば100℃を超えるような温度)での良好な保安性および耐電圧性を有する金属化フィルムコンデンサを提供することができる。
【0020】
ここで、コンデンサ素子が金属化フィルムを2枚重ね合わせてなる一対の金属化フィルムにより形成される金属化フィルムコンデンサにおいては、一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極部のすべてが一対の金属化フィルムの他方に形成された分割電極部に対向するように構成することが好ましい。この構成によれば、一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極において金属化フィルムの自己回復機能(セルフヒーリング機能)を超えた絶縁破壊が生じた場合でも、対向する一対の金属化フィルムの他方に形成された分割電極に隣接する非分割電極から十分な電流が分割電極に流れ込む。このため、一対の金属化フィルムの他方に形成された分割電極と非分割電極との間に形成されたヒューズを確実に動作(ヒューズ部分の蒸着電極を飛散)させ、当該分割電極を他の分割電極から切り離すことができる。これにより、一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極において絶縁破壊が生じた場合でも、当該非分割電極の絶縁を回復することができ、コンデンサとしての機能を維持することができる。
【0021】
さらに、電極引き出し用として、金属化フィルムのメタリコン接続部側に非分割電極部を配置することが好ましい。というのも、メタリコン接続部側に分割電極部を配置すると、当該分割電極部で絶縁破壊が生じた場合、当該分割電極部と非分割電極部とを接続するヒューズが動作すると、分割電極部からの電流通路が完全に遮断され、コンデンサとして機能しなくなる場合がある。これに対し、メタリコン接続部側に非分割電極部を配置することで、電極引き出し側の非分割電極(一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極)において絶縁破壊が生じた場合でも、対向する金属化フィルム(一対の金属化フィルムのうちの他方の金属化フィルム)に形成された分割電極と当該分割電極に隣接する非分割電極とを接続するヒューズが動作することにより、コンデンサとして機能する電極領域を残す(非分割電極からの電流通路を確保する)ことができる。
【0022】
ここで、上記金属化フィルムコンデンサとして具体的に次のような態様で構成することができる。例えば、金属化フィルムがメタリコン接続部と幅方向反対側の端部に蒸着電極が形成されていない絶縁マージンを有する金属化フィルムコンデンサにおいては、絶縁マージン側に複数のY字形絶縁スリットが長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成された第1分割電極部と、Y字形絶縁スリットの配列方向と平行にミュラー・リヤー形絶縁スリットが配置され、該ミュラー・リヤー形絶縁スリット間に分割電極が形成された第2分割電極部とを備え、第1分割電極部と第2分割電極部との間に非分割電極部を形成するように構成することができる。ここで、第2分割電極部を幅方向に複数個形成し、複数の第2分割電極間に非分割電極部が形成されるように構成してもよい。さらに、メタリコン接続部側に複数のY字形絶縁スリットが長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成された第3分割電極部を備え、第2分割電極部と第3分割電極部との間に非分割電極部を形成するように構成することができる。
【0023】
また、絶縁マージン側に複数のY字形絶縁スリットが長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成された絶縁マージン側分割電極部と、メタリコン接続部側に複数のY字形絶縁スリットが長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成されたメタリコン接続部側分割電極部とを備え、絶縁マージン側分割電極部とメタリコン接続部側分割電極部との間に非分割電極部を形成するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、高温での良好な保安性および耐電圧性を有する金属化フィルムコンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の金属化フィルムコンデンサに使用されている金属化フィルムの層構成を示す図である。
【図2】分割電極が設けられた従来の金属化フィルムを示す平面図であり、[図2−A]は矩形状の分割電極、[図2−B]はY字形絶縁スリットにより形成されたハニカム状の分割電極、[図2−C]はミュラー・リヤー形絶縁スリットにより形成されたハニカム状の分割電極による場合を示す図である。
【図3】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムで、分割電極と非分割電極が交互に配置された例による平面図である。
【図4】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムで、分割電極と非分割電極が交互に配置された他の例による平面図である。
【図5】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムで、分割電極と非分割電極が交互に配置された他の例による平面図である。
【図6】分割電極が設けられた比較例による金属化フィルムを示す平面図である。
【図7】本発明の金属化フィルムコンデンサの内部構造を示す図である。
【図8】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムの分割電極位置での絶縁破壊時の電流経路を示す図である。
【図9】比較例による金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムの分割電極位置での絶縁破壊時の電流経路を示す図である。
【図10】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムの変形例を示す図である。
【図11】従来の金属化フィルムコンデンサの層構成の一例を示す図である。
【図12】本発明の金属化フィルムコンデンサにおける積層状態の一例を示す図である。
【図13】本発明の金属化フィルムコンデンサにおける積層状態の他の例を示す図である。
【図14】金属化フィルムコンデンサにおける積層状態の比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明による実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施例1〜4は、図3〜5に示すように、(i)金属化フィルムの長手方向に沿って一定ピッチで配列した複数の絶縁スリットにより、蒸着電極(蒸着金属)が複数のセグメントに分割されてなる分割電極部と、絶縁スリットが存在せず、蒸着電極が長手方向に連続した非分割電極部とが金属化フィルムのフィルム幅方向に交互に配置されてなり、(ii)分割電極部のセグメントに相当する分割電極が、隣接する絶縁スリットの端部と端部との間に形成されたヒューズにて非分割電極部に接続されていることを特徴とする。
【0027】
〔実施例1〕図3、「Y字形+ミュラー・リヤー形(1列)」絶縁スリット、ピッチ12.0mm
図3はこの発明にかかる金属化フィルムコンデンサの一実施例を示す図である。図3に示す一対の金属化フィルムにおいては、金属化フィルムの幅方向の一端部(電極形成領域)が電極引き出し用のメタリコンが接続されるメタリコン接続部を構成し、他方端部に絶縁マージン(金属化フィルムの幅方向の一方端部で蒸着電極が形成されていない領域)12が形成されている。金属化フィルムの絶縁マージン12側には、複数のY字形絶縁スリット13(幅0.2mm)が長手方向に一定ピッチで配列している。Y字形絶縁スリット13の基端部は絶縁マージン12に結合している。このように配列したY字形絶縁スリット13を備えた分割電極部(本願の「第1分割電極部」に相当)は、該Y字形絶縁スリット13により蒸着電極が複数のセグメントに分割され、該Y字形絶縁スリット13間に分割電極15を形成する。互いに隣接するY字形絶縁スリット13の端部(メタリコン接続部側)と端部(メタリコン接続部側)との間に挟まれた電極領域はヒューズ18を構成する。
【0028】
また、前記Y字形絶縁スリット13と同じピッチで、該Y字形絶縁スリットの配列方向と平行に1列のミュラー・リヤー形(幅方向に伸びる所定の長さの線分の両端に内向きの矢羽根を有する形状)絶縁スリット14(幅0.2mm)が配列している。このように配列したミュラー・リヤー形絶縁スリット14を備えた分割電極部(本願の「第2分割電極部」に相当)は、該ミュラー・リヤー形絶縁スリット14により蒸着電極が複数のセグメントに分割され、該ミュラー・リヤー形絶縁スリット14間に分割電極16を形成する。互いに隣接するミュラー・リヤー形絶縁スリット14の端部(両端)と端部(両端)との間に挟まれた電極領域はヒューズ18を構成する。
【0029】
第1分割電極部と、幅方向において第1分割電極部と離間しながら対向する第2分割電極部との間に、非分割電極部17が形成されている。非分割電極部17には絶縁スリットが存在せず、蒸着電極が長手方向に連続して形成されている。
【0030】
Y字形絶縁スリット13により分割された分割電極15が、隣接するY字形絶縁スリット13との間に形成されたヒューズ18によって非分割電極部17に接続される一方、ミュラー・リヤー形絶縁スリット14により分割された分割電極16が、隣接するミュラー・リヤー形絶縁スリット14との間に形成されたヒューズ18によって非分割電極部17に接続される。
【0031】
分割電極15、16をフィルム長手方向に分割する絶縁スリット13、14のピッチは12.0mmで、かつ分割電極15の面積を分割電極16の半分とし、非分割電極部17と分割電極15、16を接続しているヒューズ18の幅を0.2mmとした。誘電体は2.5μmのポリプロピレンフィルム、メタリコン接続部蒸着電極の膜抵抗値を4Ω/□、メタリコン接続部蒸着電極を除く非メタリコン近傍蒸着電極の膜抵抗値を10Ω/□、とした。
【0032】
上記の金属化フィルムをメタリコン接続部と絶縁マージンが対向するように2枚重ねて巻回してコンデンサ素子を作成する。2枚の金属化フィルムは蒸着電極が形成された電極形成面を同一方向に向けて重ね合わされる。すなわち、蒸着電極間に誘電体フィルムが挟み込まれるように蒸着電極と誘電体フィルムが積層方向に交互に配置される。そして、コンデンサ素子を小判形に成形した後、素子の両端部に電極引き出し用のメタリコンを形成してコンデンサ素子とした。さらに、図7に示すように、5個のコンデンサ素子25を電極板26で結線して引き出し端子27を接続し、ケース28に収納してエポキシ樹脂29を充填、硬化して800μFの金属化フィルムコンデンサを5個作製した。
【0033】
ここで、金属化フィルムを2枚重ねて合わせてなる一対の金属化フィルムのうち、一方の金属化フィルムに形成された非分割電極部のすべてが他方の金属化フィルムに形成された分割電極部に対向するように構成することが好ましい。この構成によれば、例えば図12に示すように、一対の金属化フィルム(図中、上層側に位置する金属化フィルム)の一方に形成された非分割電極において金属化フィルムの自己回復機能(セルフヒーリング機能)を超えた絶縁破壊(×印の位置で誘電体が破壊)が生じた場合(破壊した誘電体部分を介して一対の金属化フィルム間で蒸着電極同士が導通した場合)でも、対向する一対の金属化フィルムの他方(図中、下層側に位置する金属化フィルム)に形成された分割電極に隣接する非分割電極(幅方向において分割電極と交互に配置されることにより該分割電極と隣り合う非分割電極)から電流が分割電極に流れ込む。このため、一対の金属化フィルムの他方に形成された分割電極と非分割電極との間に形成されたヒューズが動作(ヒューズ部分の蒸着電極を飛散)し、当該分割電極を他の分割電極から切り離すことができる。これにより、一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極において絶縁破壊が生じた場合でも、当該非分割電極の絶縁を回復することができ、コンデンサとしての機能を維持することができる。
【0034】
〔実施例2〕図3、「Y字形+ミュラー・リヤー形(1列)」絶縁スリット、ピッチ6.0mm
図3に示す金属化フィルムの分割電極15、16をフィルム長手方向に分割する絶縁スリット13、14のピッチを6.0mmとした以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0035】
〔実施例3〕図4、「Y字形+ミュラー・リヤー形(2列)」絶縁スリット、ピッチ6.0mm
図4に示す金属化フィルムコンデンサにおいては、金属化フィルムの絶縁マージン12側に複数のY字形絶縁スリット13が長手方向に一定ピッチで配列し、該Y字形絶縁スリット13間に分割電極15が形成されている。また、Y字形絶縁スリット13と同じピッチで、該Y字形絶縁スリット13の配列方向と平行に2列のミュラー・リヤー形絶縁スリット14が配列し、該ミュラー・リヤー形絶縁スリット14間に分割電極16が形成されている。そして、Y字形絶縁スリット13が配列した分割電極部(第1分割電極部)と、該第1分割電極部に幅方向において離間しながら対向する、一のミュラー・リヤー形絶縁スリット14が配列した分割電極部(第2分割電極部)との間、および一のミュラー・リヤー形絶縁スリット14が配列した分割電極部(第2分割電極部)と、該ミュラー・リヤー形絶縁スリット14に幅方向において離間しながら対向する他のミュラー・リヤー形絶縁スリット14が配列した分割電極部(第2分割電極部)との間に、非分割電極部17が形成されている。分割電極15と非分割電極部17および分割電極16と非分割電極部17とは、ヒューズ18で接続される。このように、この実施例では、複数の第2分割電極部の間に非分割電極部17が形成されている。
【0036】
そして、図4に示す金属化フィルムを用い、その分割電極15、16をフィルム長手方向に分割する絶縁スリット13、14のピッチを6.0mmとし、かつ分割電極15の面積を分割電極16の半分とした以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0037】
〔実施例4〕図5、「Y字形(対向2列)」絶縁スリット、ピッチ6.0mm
図5に示す金属化フィルムコンデンサにおいては、金属化フィルムの絶縁マージン12側に複数のY字形絶縁スリット13が長手方向に一定ピッチで配列している。Y字形絶縁スリット13の基端部は絶縁マージン12に結合している。このように絶縁マージン12側に配列したY字形絶縁スリット13を備えた分割電極部(本願の「絶縁マージン側分割電極部」に相当)は、該Y字形絶縁スリット13により蒸着電極が複数のセグメントに分割され、該Y字形絶縁スリット13間に分割電極15を形成する。互いに隣接するY字形絶縁スリット13の端部(メタリコン接続部10側)と端部(メタリコン接続部10側)との間に挟まれた電極領域はヒューズ18を構成する。
【0038】
一方で、金属化フィルムのメタリコン接続部10側にY字形絶縁スリット13とは別の複数のY字形絶縁スリット13が長手方向に一定ピッチで配列している。このようにメタリコン接続部側に側に配列したY字形絶縁スリット13を備えた分割電極部(本願の「メタリコン接続部側分割電極部」に相当)は、該Y字形絶縁スリット13により蒸着電極が複数のセグメントに分割され、該Y字形絶縁スリット13間に分割電極19を形成する。各Y字形絶縁スリット13の基端部(メタリコン接続部側端部)は、Y字形絶縁スリット13ごとに設けられた、長手方向に伸びる絶縁スリット9に結合している。互いに隣接するY字形絶縁スリット13の端部(絶縁マージン側)と端部(絶縁マージン側)との間に挟まれた電極領域はヒューズ18を構成する。
【0039】
そして、絶縁マージン側分割電極部とメタリコン接続部側分割電極部との間に非分割電極部17が形成されている。絶縁マージン12側に形成された分割電極15が、隣接するY字形絶縁スリット13との間に形成されたヒューズ18によって非分割電極部17に接続される一方、メタリコン接続部側に形成された分割電極19が、隣接するY字形絶縁スリット13との間に形成されたヒューズ18によって非分割電極部17に接続される。
【0040】
また、メタリコン接続部10側にもヒューズ18aが設けられており、該ヒューズ18aは、メタリコン接続部10側のY字形絶縁スリット13の基部の長手方向に伸びる絶縁スリット9間に形成されている。さらに、上記金属化フィルムが重ね合わされる他方の金属化フィルムの幅方向中央部には、ミュラー・リヤー形絶縁スリット14が一定ピッチで配列され、複数のセグメントからなる分割電極16が形成されている。
【0041】
図5に示す金属化フィルムの分割電極15、16、19をフィルム長手方向に分割する絶縁スリット13、14のピッチを6.0mmとし、かつ分割電極15、19の面積を分割電極16の半分とし、非分割電極17と上記分割電極を接続しているヒューズ18の幅を0.2mmとし、メタリコン接続部側のヒューズの幅を0.15mmとした以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0042】
(比較例1)図6、Y字形−ミュラー・リヤー形結合絶縁スリット、ピッチ12.0mm
図6に示す金属化フィルムには、絶縁マージン12側にY字形絶縁スリット、金属化フィルムの幅方向中央部にミュラー・リヤー形絶縁スリットを上記Y字形絶縁スリットに連結した絶縁スリット20を金属化フィルムの長手方向に繰り返して形成されている。そして、絶縁スリット20によりセグメントに分割された分割電極21、22を金属化フィルムの幅方向半分(絶縁マージン12側)の範囲に形成し、分割電極21の面積を分割電極22の半分とした。残余の金属化フィルムの幅方向半分(メタリコン接続部側)は非分割電極23を構成する。
【0043】
また、金属化フィルムの分割電極21、22を金属化フィルム長手方向に分割する絶縁スリット20のピッチを12.0mmとし、非分割電極23と上記分割電極22を接続しているヒューズ18の幅を0.2mmとした。上記以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0044】
(比較例2)図6、Y字形−ミュラー・リヤー形結合絶縁スリット、ピッチ6.0mm
図6に示す分割電極金属化フィルムの絶縁スリット20のピッチを6.0mmとした以外は上記比較例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0045】
(従来例1)図2−A、矩形絶縁スリット、ピッチ6.0mm
図2−Aに示す金属化フィルムの分割電極7をフィルム長手方向に矩形状に分割する絶縁スリット5のピッチを6.0mmとし、かつ分割電極の面積を図4の分割電極16と等しくし、分割電極を接続しているヒューズ8、11の幅を0.2mmとした以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0046】
(従来例2)図2−B、Y字形絶縁スリットによりハニカム状分割電極形成
図2−Bに示す金属化フィルムのハニカム状分割電極7aを有し、かつ分割電極の面積を図4の分割電極16と等しくし、分割電極を接続しているヒューズ8aの幅を0.2mmとした以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0047】
(従来例3)図2−C、ミュラー・リヤー形絶縁スリットによりハニカム状分割電極形成
図2−Cに示す金属化フィルムの分割電極7bをミュラー・リヤー形絶縁スリットによりハニカム状分割し、かつ分割電極の面積を図4の分割電極16と等しくし、分割電極を接続しているヒューズ8bの幅を0.2mmとした以外は上記実施例1と同様の条件で、金属化フィルムコンデンサを作製した。
【0048】
上記の実施例1〜4、比較例1、2および従来例1〜3の試料を各5個用いて、耐用性試験(温度120℃、750VDC、1000時間印加)を実施し、試料の静電容量変化率[%]を測定した。その試験結果を表1に示す。
【0049】
表1より明らかなように、実施例1〜4では試験終了時にショートモードが見られていないのに対して、比較例1、2および従来例1〜3では分割電極の面積、ヒユーズ寸法が同じであっても試験途中にショートモードが発生している。これは、実施例では、蒸着電極が複数個の分割電極に分割され、各々の分割電極はヒューズによって非分割電極に接続されており、分割電極と非分割電極がフィルム幅方向に交互に配置される構造とすることで、図8に示すように誘電体のポリプロピレンフィルムに絶縁破壊が発生した場合、絶縁破壊箇所30に向けて十分な電流31が流れ込む。その結果、分割電極を小さくしてもヒューズを確実に動作(ヒューズ部分の蒸着電極を飛散)させ、分割電極を分離し、安定した保安性が得られる。これに対して、図9に示す従来の分割電極金属化フィルムは絶縁破壊が発生した場合、絶縁破壊箇所32に向けて分割電極と接続しているヒューズには小さな電流34しか流れ込まず、ヒューズを飛散分離させることができず、ショートモード発生に到ると考えられる。
【0050】
【表1】

【0051】
ここで、分割電極金属の形成にはマスキングオイルが使用されることが一般的であり、比較例1、2では分極電極側にマスキングオイルが僅かに存在し、非分割電極側にマスキングオイルが存在しないために、分割電極と非分割電極とで幅方向に偏りがあると、これらの部分では金属化フィルムの摩擦係数が異なるため、分割電極と非分割電極の滑り性に差ができて素子巻回時にしわが発生し、これに伴う高温での保安性が悪化する。
【0052】
これに対し、実施例のように分割電極と非分割電極とを交互に配置した蒸着パターンでは、金属化フィルム上の絶縁スリットの位置が幅方向に偏在するのを防止して、幅方向において滑り性を平準化することができるので、素子巻回時のしわ発生を抑え、高温での保安性も安定し、生産性の向上にも繋がる。よって、本実施例によれば、分割電極金属化フィルムコンデンサの小形化と、100℃を超える高温で使用しても容量減少が少なく、安定した保安性を得ることができる。
【0053】
さらに、上記のように2枚の金属化フィルムを重ね合わせる場合において、電極引き出し用として、金属化フィルムのメタリコン接続部側に非分割電極部を配置することが好ましい。というのも、例えば図14に示されるようにしてメタリコン接続部側(電極引き出し側)に分割電極部を配置すると、当該分割電極部で絶縁破壊(分割電極中の×印の位置で誘電体が破壊)が生じた場合、当該分割電極部と非分割電極部とを接続するヒューズが動作すると、分割電極部からの電流通路が完全に遮断され、コンデンサとして機能しなくなる場合がある。
これに対し、例えば図12に示されるようにメタリコン接続部側に非分割電極部を配置することで、電極引き出し側の非分割電極(一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極、図12では上層側に配置された金属化フィルムに形成された非分割電極)において絶縁破壊が生じた場合でも、対向する金属化フィルム(一対の金属化フィルムのうちの他方の金属化フィルム、図12では下層側に配置された金属化フィルム)に形成された分割電極と当該分割電極に隣接する非分割電極とを接続するヒューズが動作することにより、コンデンサとして機能する電極領域を残す(非分割電極からの電流通路を確保する)ことができる。
また、例えば図13に示されるように、非分割電極の複数個所で絶縁破壊(非分割電極中の×印の位置で誘電体が破壊)が生じた場合であっても、対向した金属化フィルムのヒューズ動作により上下フィルム間で導通した電極領域を他の電極領域から切り離し、コンデンサとして機能させることができる。
【0054】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、図3、4に示す金属化フィルムにおいて、メタリコン接続部側に複数のY字形絶縁スリットを長手方向に沿って配列することで、Y字形絶縁スリット間に分割電極を形成した分割電極部(本願の「第3分割電極部」に相当)をさらに備え、ミュラー・リヤー形絶縁スリット14間に分割電極が形成された分割電極部(第2分割電極部)と第3分割電極部との間に非分割電極部を形成するように構成してもよい。これにより、さらなる容量減少の低減、保安性の向上を図ることができる。
【0055】
また、上記実施形態では、分割電極部と非分割電極部との接続部にヒューズ18が幅方向に沿って設けられているが、図10に示すように、絶縁スリットを挟んで隣接する分割電極と分割電極とを接続するようにヒューズ18bを形成してもよい。具体的には、幅方向に伸びる絶縁スリットの中央部分を一部分断して、分断部分に蒸着電極を形成することでヒューズ18bを設けてもよい。この場合、長手方向に隣接する分割電極同士を接続するヒューズ18bの最狭部の寸法が、分割電極と非分割電極部を接続するヒューズ18の最狭部の寸法よりも小さいことが好ましい。この構成によれば、分割電極部に絶縁破壊が生じた場合、ヒューズ18bから優先的に飛散するので、容量減少を抑制することができる。
【0056】
なお、上記実施例では、分割電極は、Y字形の組合せ(五角形状)、ミュラー・リヤー形の組合せ(六角形、ハニカム状)やハニカムの変形の場合について示したが、分割形態が四角形等の同じような繰り返しの場合も同様に少ない容量減少と良好な保安性が得られた。
【0057】
なお、上記実施例では、絶縁スリットを長手方向に沿って一定ピッチで配列しているが、これに限定されず、長手方向に沿って変則ピッチで配列または絶縁スリットを任意に配列してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 ポリプロピレンフィルム
2 メタリコン近傍蒸着電極
3 非メタリコン近傍蒸着電極
4 絶縁マージン
5 幅方向絶縁スリット
6 長手方向絶縁スリット
7、7a、7b 分割電極
8、8a、8b ヒューズ
9 メタリコン近傍長手方向絶縁スリット
10、10a、10b メタリコン接続部
11 メタリコン近傍ヒューズ
12、12a、12b 絶縁マージン
13、13a Y字形絶縁スリット
14、14a ミュラー・リヤー形絶縁スリット
15 分割電極
16 分割電極
17 非分割電極
18、18a、18b ヒューズ
19 分割電極
20 Y字形−ミュラー・リヤー形結合絶縁スリット
21 分割電極
22 分割電極
23 非分割電極
24 ヒューズ
25 コンデンサ素子
26 電極板
27 引き出し端子
28 ケース
29 エポキシ樹脂
30 絶縁破壊箇所
31 分割電極に流れ込む電流
32 絶縁破壊箇所
33 分割電極に流れ込む電流
34 分割電極に流れ込む電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体フィルムの少なくとも片面に蒸着電極を設けた金属化フィルムを巻回、または積層してコンデンサ素子を形成し、該コンデンサ素子の両端面に電極引き出し用のメタリコンを接続した金属化フィルムコンデンサにおいて、
前記金属化フィルムの長手方向に配列した複数の絶縁スリットにより前記蒸着電極が分割されて分割電極を形成する分割電極部と、
前記蒸着電極が長手方向に連続した非分割電極部と
が前記金属化フィルムの幅方向に交互に配置され、
前記分割電極部のセグメントに相当する分割電極の各々が、隣接する前記絶縁スリットの端部と端部との間に形成されたヒューズにて前記非分割電極部に接続されていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項2】
前記コンデンサ素子が前記金属化フィルムを2枚重ね合わせてなる一対の金属化フィルムにより形成される請求項1記載の金属化フィルムコンデンサであって、
前記一対の金属化フィルムの一方に形成された非分割電極部のすべてが前記一対の金属化フィルムの他方に形成された分割電極部に対向することを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項3】
前記金属化フィルムのメタリコン接続部側に前記非分割電極部を配置したことを特徴とする請求項2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項4】
前記金属化フィルムがメタリコン接続部と幅方向反対側の端部に蒸着電極が形成されていない絶縁マージンとを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属化フィルムコンデンサであって、
前記絶縁マージン側に複数のY字形絶縁スリットが前記長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成された第1分割電極部と、
前記Y字形絶縁スリットの配列方向と平行にミュラー・リヤー形絶縁スリットが配置され、該ミュラー・リヤー形絶縁スリット間に分割電極が形成された第2分割電極部と
を備え、
前記第1分割電極部と前記第2分割電極部との間に前記非分割電極部が形成されていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項5】
前記第2分割電極部が幅方向に複数個形成され、
前記複数の第2分割電極間に前記非分割電極部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項6】
前記メタリコン接続部側に複数のY字形絶縁スリットが前記長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成された第3分割電極部をさらに備え、
前記第2分割電極部と前記第3分割電極部との間に前記非分割電極部が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項7】
絶縁マージン側に複数のY字形絶縁スリットが前記長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成された絶縁マージン側分割電極部と、
メタリコン接続部側に複数のY字形絶縁スリットが前記長手方向に沿って配列することで該Y字形絶縁スリット間に分割電極が形成されたメタリコン接続部側分割電極部とを備え、
前記絶縁マージン側分割電極部と前記メタリコン接続部側分割電極部との間に前記非分割電極部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化フィルムコンデンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−182848(P2010−182848A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24624(P2009−24624)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】