説明

金属化フィルムコンデンサ

【課題】金属膜の端面での電界集中を緩和し、単位コンデンサの分離による静電容量低下を抑制する。
【解決手段】一側辺に沿ってマージン部14が形成されるように、誘電体フィルム12の表面に金属膜16を蒸着すると共に、絶縁スリット20,24を設けて金属膜16に複数の分割電極26を形成して成る複数の金属化フィルム10を、上記複数の金属化フィルム10同士のマージン部12が反対側に配されるように積層又は積層巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、コンデンサ素子の両端面に、分割電極26と接続されるメタリコン電極を形成し、さらに、誘電体フィルム12を介して対向する一対の分割電極26,26で単位コンデンサを構成して成る金属化フィルムコンデンサであって、単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面16aに、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜30を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着して成る複数の金属化フィルムを積層又は積層巻回して成る金属化フィルムコンデンサに係り、特に、金属膜に絶縁スリットを形成することにより複数の分割電極を形成し、誘電体フィルムの一部に絶縁破壊が生じた際、絶縁破壊箇所の分割電極をメタリコン電極から分離することにより、金属化フィルムコンデンサの終局的な破壊や発火を防止する保安機構を備えた金属化フィルムコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着させた複数の金属化フィルムを積層又は積層巻回して成るコンデンサ素子を用いた金属化フィルムコンデンサは、コンデンサ素子に部分的な絶縁破壊を生じても再び絶縁性を回復する自己回復性に優れているため、家庭用電気製品をはじめとする種々の電気・電子機器等に広く用いられている。
【0003】
近年においては、金属化フィルムの金属膜に絶縁スリットを形成することにより複数の分割電極を形成し、誘電体フィルムの一部に絶縁破壊が生じた際、絶縁破壊箇所の分割電極をメタリコン電極から分離することにより、金属化フィルムコンデンサの終局的な破壊や発火を防止する保安機構を備えた金属化フィルムコンデンサが使用されている。
【0004】
この種の保安機構付の金属化フィルムコンデンサは、例えば図15〜図17に示すように、誘電体フィルム70の表面に、一側辺に沿ってマージン部72が形成されるように金属膜74を蒸着して金属化フィルム76を構成し、また、上記マージン部72と対向する一側辺に沿って所定間隔で複数の第1の絶縁スリット78が形成されており、第1の絶縁スリット78,78間にヒューズ機能部80が形成されている。さらに、上記各第1の絶縁スリット78とマージン部72とを接続する複数の第2の絶縁スリット82を所定間隔で並設することにより、複数の分割電極84が形成されている。
【0005】
而して、図18及び図19に示すように、上記構造を有する一対の金属化フィルム76,76をそれぞれのマージン部72が反対側に配されるように積層又は積層巻回してコンデンサ素子86を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に電極材料を溶射してメタリコン電極88を形成することにより金属化フィルムコンデンサ90が構成される(図20)。この際、誘電体フィルム70を介して対向する一対の分割電極84,84で単位コンデンサが構成され、また、各分割電極84,84はヒューズ機能部80を介してメタリコン電極88と接続される。
【0006】
上記構造の金属化フィルムコンデンサ90は、誘電体フィルム70の一部に絶縁破壊が生じた際、絶縁破壊箇所の分割電極84,84を流れる電流によってヒューズ機能部80の金属膜74が溶融破断し、その結果、絶縁破壊箇所の単位コンデンサを構成する分割電極84,84がメタリコン電極90から分離されるため、金属化フィルムコンデンサの終局的な破壊や発火を防止できる仕組みとなっている。
【0007】
尚、上記構造の金属化フィルムコンデンサは、例えば、特開2000−12368号公報(特許文献1)に開示されている。
【特許文献1】特開2000−12368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記構造の金属化フィルムコンデンサ90に異常電圧が繰り返し印可された場合、ヒューズ機能部80が連鎖的に溶融破断し、絶縁破壊箇所の単位コンデンサを構成する分割電極84,84をメタリコン電極90から分離するため、金属化フィルムコンデンサ90全体としては短絡することがないものの、多数の単位コンデンサが分離されるため、静電容量の著しい低下を招くこととなる。
そして、分割電極84,84を構成する金属膜74の端面74a(図16及び図17)が、誘電体フィルム70の表面に対して「略垂直」となっているため、異常電圧の印可時に分割電極84,84を構成する金属膜74の端面74aに電界が集中して放電を発生し、これがヒューズ機能部80を破断させて単位コンデンサの分離を促進させる要因となっていることが判明した。
【0009】
この発明は、従来の上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属膜の端面での電界集中を緩和し、単位コンデンサの分離による静電容量低下を抑制できる金属化フィルムコンデンサを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサは、
一側辺に沿ってマージン部が形成されるように、誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着すると共に、絶縁スリットを設けて上記金属膜に複数の分割電極を形成して成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金属化フィルム同士のマージン部が反対側に配されるように積層し、又は積層巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に、上記分割電極と接続されるメタリコン電極を形成し、さらに、誘電体フィルムを介して対向する一対の分割電極で単位コンデンサを構成して成る金属化フィルムコンデンサであって、
上記単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面に、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜を形成したことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に記載の金属化フィルムコンデンサは、
一側辺に沿ってマージン部が形成されるように、誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着すると共に、絶縁スリットを設けて上記金属膜に複数の分割電極を形成して成る一方の金属化フィルムと、一側辺に沿ってマージン部が形成されるように、誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着して成る他方の金属化フィルムとを交互に積層し、又は積層巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に、一方の金属化フィルムの分割電極及び他方の金属化フィルムの金属膜と接続されるメタリコン電極を形成し、さらに、誘電体フィルムを介して対向する一方の金属化フィルムの分割電極と他方の金属化フィルムの金属膜とで単位コンデンサを構成して成る金属化フィルムコンデンサであって、
上記単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面に、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜を形成したことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に記載の金属化フィルムコンデンサは、請求項1又は2に記載の金属化フィルムコンデンサにおいて、
上記分割電極とメタリコン電極との間に、分割電極より幅狭の金属膜で構成されたヒューズ機能部を形成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に記載の金属化フィルムコンデンサは、請求項1乃至3の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサにおいて、
上記傾斜金属膜の表面が凸凹状と成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に記載の金属化フィルムコンデンサは、請求項1乃至4の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサにおいて、
単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面を曲面形状と成し、斯かる曲面形状と成した金属膜の端面に、上記傾斜金属膜を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る金属化フィルムコンデンサは、単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜の端面16aに、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜を形成したことにより、異常電圧の印可時に金属膜の端面での電界集中が緩和されるため、単位コンデンサの分離による静電容量の低下を抑制することができる。
【0016】
請求項4に記載の金属化フィルムコンデンサの如く、傾斜金属膜の表面が凸凹状と成されていると、電界を傾斜金属膜の多数の箇所に分散させることができるため、電界集中を緩和することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の金属化フィルムコンデンサの如く、単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面を「曲面形状」と成した場合には、電界集中が生じ易い金属膜の端面の距離が長くなるため、電界集中の生じる箇所が分散化され、単位コンデンサの分離の要因である放電の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1〜図4は、本発明に係る金属化フィルムコンデンサを構成する第1の金属化フィルム10を示すものであり、図1は平面図、図2は図1のX−X断面図、図3は図1のY−Y断面図、図4は図1の中央横断面図である。
上記第1の金属化フィルム10は、ポリプロピレンやポリエステル等より成る誘電体フィルム12の表面に、一側辺に沿ってマージン部14が形成されるように金属膜16を10nm〜80nmの厚さで蒸着して成る。
【0019】
上記金属膜16はアルミニウム、亜鉛、亜鉛−アルミニウム合金等で構成される。尚、金属膜16をアルミニウムで構成した場合には、高耐湿性が実現されると共に、金属化フィルムコンデンサに高調波が印可された際のいわゆる「鳴き」の発生を抑制することができる。
尚、この金属化フィルムコンデンサの「鳴き」とは、コンデンサに交流電圧が印加された際に電極間にクーロン力が働き、クーロン力の周期的変化により金属化フィルム10が振動して発する音のことであり、振動が可聴周波数範囲(20Hz〜20kHz)である場合にうなり音として聞こえるものである。
【0020】
また、上記マージン部14と対向する一側辺の金属膜16は後述するメタリコン電極と接続するメタリコン接続部18と成されている。
さらに、上記メタリコン接続部18に沿って所定間隔で複数の第1の絶縁スリット20が形成されており、第1の絶縁スリット20,20間に、金属膜16で構成されるヒューズ機能部22が形成されている。
また、上記各第1の絶縁スリット20とマージン部14とを接続する誘電体フィルム12の幅方向に延びる複数の第2の絶縁スリット24が所定間隔で並設されている。
上記第1の絶縁スリット20及び第2の絶縁スリット24は、金属膜16が蒸着されていない部分である。
【0021】
而して、上記第1の絶縁スリット20及び第2の絶縁スリット24を形成したことにより、誘電体フィルム12表面の金属膜16に、上記第1の絶縁スリット20及び第2の絶縁スリット24で分離区画された複数の分割電極26が形成される。各分割電極26は、上記ヒューズ機能部22を介してメタリコン接続部18に接続されている。
尚、図1に示すように、ヒューズ機能部22を構成する金属膜16は、分割電極26を構成する金属膜16より幅狭と成されている。
【0022】
図5及び図6に示すように、複数の上記第1の金属化フィルム10,10をそれぞれのマージン部14が反対側に配されるように積層又は積層巻回してコンデンサ素子27を形成すると共に、該コンデンサ素子27の両端面に半田や丹銅等の電極材料を溶射してメタリコン電極28を形成することにより本発明の金属化フィルムコンデンサ29が構成される(図7)。
この際、各分割電極16は、メタリコン接続部18を介してメタリコン電極28と接続され、また、誘電体フィルム12を介して対向する一対の分割電極26,26で単位コンデンサが構成されることとなる。
【0023】
本発明においては、誘電体フィルム12を介して対向する金属膜16の端面16aに、傾斜金属膜30が形成されている(図5〜図7参照)。
すなわち、誘電体フィルム12を介して対向する分割電極26の金属膜16で区画される領域が単位コンデンサとして機能する領域Cであり、斯かる単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の金属膜端面16aに、上記傾斜金属膜30が形成されるのである(図7)。
傾斜金属膜30は、金属膜16と同一の材料で構成され、金属膜16の端面16aから外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜形状と成されている。
【0024】
この傾斜金属膜30は、例えば、誘電体フィルム12への金属膜16の蒸着工程において、コンデンサとして機能する領域を形成する金属膜16の端面16a部分に、外側へ向かって蒸着量が減少するよう金属蒸気を導いて形成される。この場合、傾斜金属膜30を構成する金属粒子は、金属膜16を構成する金属粒子より疎らに蒸着されるため、傾斜金属膜30の表面は凸凹状と成される。尚、この場合、図1のZ部を拡大して観察すると、図8に示すように、暗く見える金属膜16と明るく見えるマージン部14との間に傾斜金属膜30によるボカシが形成されているように観察される。
【0025】
本発明の上記金属化フィルムコンデンサ29は、異常電圧が印可されて誘電体フィルム12の一部に絶縁破壊が生じると、絶縁破壊箇所の分割電極26,26を流れる電流によってヒューズ機能部22の金属膜16が溶融破断し、絶縁破壊箇所の単位コンデンサを構成する分割電極26,26をメタリコン電極28から分離することから、金属化フィルムコンデンサ29の終局的な破壊や発火を防止することができる。
【0026】
而して、本発明の金属化フィルムコンデンサ29にあっては、単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の金属膜16の端面16aに、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜30を形成したので、異常電圧の印可時に金属膜16の端面16aでの電界集中が緩和されてヒューズ機能部22の破断が減少するため、単位コンデンサの分離による静電容量の低下を抑制することができる。
また、傾斜金属膜30の表面が凸凹状と成されていると、電界を傾斜金属膜30の多数の箇所に分散させることができるため、電界集中を緩和することができる。
【0027】
図9は、第1の金属化フィルム10を構成する金属膜16の端面16a形状の変形例を示す要部拡大平面図である。すなわち、図1に示した第1の金属化フィルム10を構成する金属膜16の端面16a形状は「平面形状」であったが、図8の変形例は、単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の金属膜16の端面16aを「曲面形状」と成し、斯かる曲面形状と成した金属膜16の端面16aに、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜30を形成した点に特徴を有するものである。
而して、単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の金属膜16の端面16aを「曲面形状」と成したことにより、電界集中が生じ易い金属膜16の端面16aの距離が「平面形状」の場合に比べて長くなるため、電界集中の生じる箇所が分散化され、単位コンデンサの分離の要因である放電の発生を抑制することができる。
【0028】
上記においては、複数の第1の金属化フィルム10同士を積層又は積層後巻回して金属化フィルムコンデンサ29を構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、図10に示すように、一側辺に沿ってマージン部14が形成されるように、誘電体フィルム12の表面に金属膜16を蒸着して成る第2の金属化フィルム32と、上記第1の金属化フィルム10とを、それぞれのマージン部14が反対側に配されるように交互に積層又は積層巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面にメタリコン電極28を形成することにより金属化フィルムコンデンサを構成しても良い。この際、第1の金属化フィルム10の分割電極26及び第2の金属化フィルム32の金属膜16はメタリコン電極と接続される(図示省略)。
この場合にも、図11に示すように、誘電体フィルム12を介して対向する第1の金属化フィルム10の分割電極26の金属膜16と第2の金属化フィルム32の金属膜16とで区画される領域が単位コンデンサとして機能する領域Cとなり、斯かる単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の第1の金属化フィルム10の金属膜端面16a及び第2の金属化フィルム32の金属膜端面16aに、上記傾斜金属膜30が形成される。
【0029】
図12は、本発明に係る第3の金属化フィルム34を示す平面図であり、この第3の金属化フィルム34は、誘電体フィルム12の表面に、一側辺に沿ってマージン部14が形成されるように金属膜16を蒸着して成り、また、上記マージン部14と、マージン部14と対向する一側辺とを接続する幅方向に延びる複数の絶縁スリット36が所定間隔で並設されている。
而して、上記絶縁スリット36を形成したことにより、誘電体フィルム12表面の金属膜16に、上記絶縁スリット36で分離区画された複数の分割電極38が形成される。
【0030】
尚、この第3の金属化フィルム34の場合には、各分割電極38における、マージン部14側と対向する側の側辺がメタリコン電極と直接接続される構造であり、異常電圧が印可されて誘電体フィルム12の一部に絶縁破壊が生じると、絶縁破壊箇所の分割電極38,38を流れる電流によってメタリコン電極との接続箇所が破断し、絶縁破壊箇所の単位コンデンサを構成する分割電極38をメタリコン電極から分離する仕組みである。
【0031】
図13及び図14に示すように、複数の上記第3の金属化フィルム34,34をそれぞれのマージン部14が反対側に配されるように積層又は積層後巻回して図示しないコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面にメタリコン電極を形成することにより金属化フィルムコンデンサが構成されるのである。
【0032】
而して、上記第3の金属化フィルム34,34を用いた場合においても、誘電体フィルム12を介して対向する第3の金属化フィルム34の分割電極38の金属膜16で区画される領域が単位コンデンサとして機能する領域Cであり、斯かる単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の金属膜端面16aに、上記傾斜金属膜30が形成されている(図14)。
【0033】
第3の金属化フィルム34,34を用いた金属化フィルムコンデンサ29にあっても、単位コンデンサとして機能する領域Cを形成する位置の金属膜16の端面16aに、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜30を形成したので、異常電圧の印可時に金属膜16の端面16aでの電界集中が緩和され、分割電極38とメタリコン電極との接続箇所の破断が減少するため、単位コンデンサの分離による静電容量の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する第1の金属化フィルムを示す平面図である。
【図2】図1のX−X拡大断面図である。
【図3】図1のY−Y拡大断面図である。
【図4】図1の中央横断面図である。
【図5】一対の第1の金属化フィルムを積層する状態を示す要部平面図である。
【図6】一対の第1の金属化フィルムを積層する状態を示す拡大断面図である。
【図7】本発明に係る金属化フィルムコンデンサを示す部分断面図である。
【図8】図1のZ部を拡大して観察した状態を模式的に示す説明図である。
【図9】第1の金属化フィルムの金属膜の端面形状の変形例を示す要部拡大平面図である。
【図10】第1の金属化フィルムと第2の金属化フィルムとを積層する状態を示す要部平面図である。
【図11】第1の金属化フィルムと第2の金属化フィルムとを積層する状態を示す拡大断面図である。
【図12】本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する第3の金属化フィルムを示す平面図である。
【図13】一対の第3の金属化フィルムを積層する状態を示す要部平面図である。
【図14】一対の第3の金属化フィルムを積層する状態を示す拡大断面図である。
【図15】従来の金属化フィルムコンデンサを構成する金属化フィルムを示す平面図である。
【図16】図15のA−A断面図である。
【図17】図15のB−B断面図である。
【図18】一対の従来の金属化フィルムを積層する状態を示す要部平面図である。
【図19】一対の従来の金属化フィルムを積層する状態を示す拡大断面図ある。
【図20】従来の金属化フィルムコンデンサを示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 第1の金属化フィルム
12 誘電体フィルム
14 マージン部
16 金属膜
16a 金属膜の端面
18 メタリコン接続部
20 第1の絶縁スリット
22 ヒューズ機能部
24 第2の絶縁スリット
26 分割電極
27 コンデンサ素子
28 メタリコン電極
29 金属化フィルムコンデンサ
30 傾斜金属膜
C 単位コンデンサとして機能する領域
32 第2の金属化フィルム
34 第3の金属化フィルム
36 第3の金属化フィルムの絶縁スリット
38 第3の金属化フィルムの分割電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側辺に沿ってマージン部が形成されるように、誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着すると共に、絶縁スリットを設けて上記金属膜に複数の分割電極を形成して成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金属化フィルム同士のマージン部が反対側に配されるように積層し、又は積層巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に、上記分割電極と接続されるメタリコン電極を形成し、さらに、誘電体フィルムを介して対向する一対の分割電極で単位コンデンサを構成して成る金属化フィルムコンデンサであって、
上記単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面に、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜を形成したことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項2】
一側辺に沿ってマージン部が形成されるように、誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着すると共に、絶縁スリットを設けて上記金属膜に複数の分割電極を形成して成る一方の金属化フィルムと、一側辺に沿ってマージン部が形成されるように、誘電体フィルムの表面に金属膜を蒸着して成る他方の金属化フィルムとを交互に積層し、又は積層巻回してコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に、一方の金属化フィルムの分割電極及び他方の金属化フィルムの金属膜と接続されるメタリコン電極を形成し、さらに、誘電体フィルムを介して対向する一方の金属化フィルムの分割電極と他方の金属化フィルムの金属膜とで単位コンデンサを構成して成る金属化フィルムコンデンサであって、
上記単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面に、外側に向かって厚さが徐々に減少する傾斜金属膜を形成したことを特徴とする金属化フィルムコンデンサ。
【請求項3】
上記分割電極とメタリコン電極との間に、分割電極より幅狭の金属膜で構成されたヒューズ機能部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項4】
上記傾斜金属膜の表面が凸凹状と成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
【請求項5】
単位コンデンサとして機能する領域を形成する位置の金属膜端面を曲面形状と成し、斯かる曲面形状と成した金属膜の端面に、上記傾斜金属膜を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の金属化フィルムコンデンサ。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−191020(P2012−191020A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53651(P2011−53651)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000122690)岡谷電機産業株式会社 (135)
【Fターム(参考)】