説明

金属帯の製造方法

【課題】特定用途向けに製造が計画されたものの、品質面で不十分であるため、グレードを落として転用する場合に、転用が容易となるようなアクションを取る自由度を増し、より一般的な転用先とすることを可能にすることで、転用を現実的なものとする、金属帯の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】冷延鋼板製造前の酸洗ラインにて鋼帯の品質を評価する。品質評価結果に基づき、このまま冷延した場合に、表面欠陥が発生するかどうかなどの品質がどうなるかを、過去の実績(センサ測定結果、製造実績パラメータと他の手段で測定した品質との相関データ)から予測する。品質を予測した後、それが当初製造予定の特定用途向け鋼帯を製造できるという予測結果となった場合は、そのまま当初計画通りの製造条件にて冷延し、そうではなく、そのまま製造しても不十分な品質になると予想される場合は、冷間圧延のパラメータ(板厚)を、標準的に一般的に多量に販売されている仕様のものに変更し製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い品質が要求される特定用途向け金属帯を製造する際に、仮に品質面で十分ではなく、特定用途向けとして使用できない場合でも、有効に転用できる金属帯の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の金属製品に求められる品質レベルの高度化により、例えば、高強度な鋼帯や、表面欠陥などの有害欠陥の少ない金属帯(鋼板、ステンレス鋼板やアルミニウム板等)に対する要望はますます強まっている。例えば自動車用、製缶用の冷延鋼板、めっき鋼板などの特定用途向け鋼板は、品質面での要求水準が高く、板厚、めっき種、鋼種などの仕様が、一般的に流通している鋼板とは異なる特殊な仕様であることが多い。
【0003】
欠陥に関し、高度な品質が要求される具体例(例1)としては、自動車用に用いられる冷延鋼板では、製鋼段階などで鋼中に混入する非金属介在物や熱間圧延段階での微小な異物のかみ込みなどにより表面欠陥が生じることがある。その中には塗装をしても肉眼にて確認できるものもあり、外観上大きな問題となりうる。
【0004】
また別の例(例2)としては、自動車用めっき鋼板がある。自動車用鍍金鋼板は、製鋼工程、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程、めっき工程などを経て製造され、さらにプレス工程、塗装工程を経て、自動車用部材となる。自動車用めっき鋼板における重大欠陥の一つはヘゲと一般に呼ばれるもので、最終製品である自動車において、欠陥部がその他の健全部と明らかに異なって見えるため、外観を損ねるという問題を引き起こす、あるいは非常に程度のひどいものになると、プレス成型時にプレス機を損傷するなどという害を生じるものである。
【0005】
このヘゲは、製鋼工程において生じる非金属介在物に発生原因がある場合、あるいは製鋼工程および熱間圧延工程における、酸化物の鋼材内部への混入に発生原因がある場合など、全製造工程のなかで、上工程側に起源があるとされている。製鋼工程後、熱間圧延、冷間圧延、鍍金処理を経ることで、ヘゲという表面欠陥として顕在化する。
上記の例にあるような欠陥の少ないもの、あるいは高い強度が求められるものなどの高品質な製品を製造していくためには、製造上の様々な工夫を施していくことが重要であることは言うまでもない。製造条件を適正化し、品質上問題のない製品ができるようにする、あるいは例えば特許文献1にあるように、もし品質上問題があることが判明した場合には、その後のプロセスにて製造条件設定値を補正するというリカバリーする方法が考えられる。
【0006】
しかし、そのような方法によっても、製造条件のばらつきなどにより、品質上高級品としては使用できない鋼帯ができてしまうことがあり得る。その場合は、その鋼帯を、当初計画していたほど品質の高いものにはならないにせよ、できるだけ価値の高いものとして有効活用する工夫が必要である。たとえば、当初最上級品を作ろうとしたものの、それが最終出荷段階の検査において結果的に品質上十分でなかった場合、グレードを落とした、別の特定用途の鋼帯として転用するなどの対策が取られることがある。このような製造方式を取ることにより、たとえば、鋼帯が品質上十分でなかった場合にスクラップなどに当てる場合と比べ、鋼帯は高く販売することができ、結果的に最上級品も含めた、製品群トータルの製造コストを下げることができる。
【特許文献1】特開2002−161316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では次のような二つの課題が存在する。
(1)上述のように「グレードを落とした、別の特定用途の鋼帯」のオーダーが客先から入っていればよいが、鋼種、板厚、板幅など様々な仕様を考えたときに一般には必ずしも適合するものが、適当なタイミングであるとは限らない。また、適合するオーダーが入るまで保管しておくことも、保管コストがかかる点、また、長期的に「グレードを落とした」鋼帯の需要が、このようにして発生した鋼帯の量とマッチするかどうかは不明である点から、現実的には困難な場合も多い。
(2)従来技術では、必要な製造プロセスを経た後の、最終出荷段階に近いところで検査をしており、品質上問題があることがわかった段階で向け先を変更する場合、できるアクションは極めて限られている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、特定用途向けに製造が計画されたものの、品質面で不十分であるため、グレードを落として転用する場合に、転用が容易となるようなアクションを取る自由度を増し、より一般的な転用先とすることを可能にすることで、転用を現実的なものとする、金属帯の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係る発明は、特定用途向け金属帯を製造するに当たり、熱間圧延工程以降の製造プロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価により前記製造プロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、当初計画どおり前記特定用途向けのままとするか、あるいは一般的な標準仕様品に用途を変更するかを決定し、この決定に沿って前記製造プロセスでの処理条件を決めることを特徴とする金属帯の製造方法である。
【0010】
また本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の金属帯の製造方法において、前記製造プロセスは、冷間圧延プロセスであり、この冷間圧延プロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価により冷間圧延プロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、冷間圧延プロセスでの処理時、当初計画どおりの板厚とするか、その近傍の一般的な標準板厚とするかを決定することを特徴とする金属帯の製造方法である。
【0011】
また本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載の金属帯の製造方法において、前記製造プロセスは、めっきプロセスであり、このめっきプロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価によりめっきプロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、めっきプロセスでの処理時、当初計画どおりのめっき種とするか、一般的なめっき種とするかを決定することを特徴とする金属帯の製造方法である。
【0012】
また本発明の請求項4に係る発明は、請求項1に記載の金属帯の製造方法において、前記製造プロセスは、熱間圧延プロセスであり、この熱間圧延プロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価により熱間圧延プロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、熱間圧延プロセスでの処理時、当初計画どおりの板厚とするか、その近傍の一般的な標準板厚とするかを決定することを特徴とする金属帯の製造方法である。
【0013】
さらに本発明の請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の金属帯の製造方法において、金属帯の品質を評価するにあたって、金属帯測定面表層部を交流磁化すると同時に、表層部の性状に起因して生じる交流磁束の変化を測定することで、金属帯の表層部の性状を測定することを特徴とする金属帯の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、 ある製造プロセスでの金属帯処理後の品質を事前に予測することで、当初計画していた高級品質材とするには適当かどうかを判断することができ、その結果不適当であると判断されたため、他の用途にグレードを落として転用する場合に、転用に都合のよいアクションを取る自由度が増し、その結果転用しやすい一般的な仕様の製品とすることができる。そのため、スクラップなどにしてしまう場合に比べ、有効に金属帯を活用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
冷延鋼板を製造する場合を例にして、以下に図面を参照しながら説明を行う。冷延鋼板を製造する場合には、冷延鋼板製造前に、鋼帯の品質を評価する。これにはたとえば、次のような2ケースを考えることができる。
【0016】
[ケース1]:製鋼工程、熱間圧延ライン、酸洗ラインなど冷延鋼板製造前の少なくとも1箇所に設置された、鋼帯の品質を測定するセンサの結果から冷間圧延前の鋼帯の品質を評価する。図1は、本発明における処理フロー(ケース1)の一例を示す図であり、この例では、酸洗ラインにて鋼帯の品質を測定している。その際、センサによる測定結果だけではなく、製鋼、熱間圧延段階などそれまでの製造実績データ(鋼成分の実績値、鋳造速度、モールド内のノズルの状況、熱間圧延時の温度など)の一部あるいは全部を考慮して判定することも有効である。そして、その品質評価結果に基づき、このまま冷間圧延した場合に、表面欠陥が発生するかどうかなどの品質がどうなるかを、過去の実績(センサ測定結果、製造実績パラメータと他の手段で測定した品質との相関データ)から予測する。
【0017】
[ケース2]:製鋼、熱間圧延段階の製造パラメータだけから、過去の実績を元に冷延鋼帯の品質を予測する。図2は、本発明における処理フロー(ケース2)の一例を示す図であり、図1のケース1と比べて、酸洗ラインにて鋼帯の品質を測定していない点のみが異なる。[ケース1]あるいは[ケース2]の方法により、品質を予測した後、それが当初製造予定の特定用途向け鋼帯を製造できるという予測結果となった場合は、そのまま当初計画通りの製造条件にて冷間圧延し、そうではなく、そのまま製造しても不十分な品質になると予想される場合は、冷間圧延のパラメータ(板厚)を、標準的に一般的に多量に販売されている仕様のものに変更し製造する。
【0018】
図1および図2に示すように、当初0.765mmの板厚に冷間圧延するつもりで製造を始めたものの、冷間圧延前の品質評価に基づく予測により、十分な品質が冷間圧延後確保できないと判断した場合には、製造条件(板厚)を変更し、標準的な板厚(この例では0.800mm)に冷間圧延する。この例では、当初計画の板厚近傍の板厚に変更している。これは、圧延諸条件(ロール種類や圧下力など)を類似のものとできるため、最小限の変更で済むというメリットがあるため、より都合がよい。
【0019】
図1で示した方法において、冷間圧延後の表面欠陥の数を少なくする、あるいは密度を小さくすることを、保つべき「品質」とした場合に、上記方法を実現するための品質センサとして好適なものについて、以下詳述する。
【0020】
このような品質センサは、冷間圧延後に評価したい品質が、表面欠陥であることから、冷間圧延前に表面欠陥となっている部位の検出はもとより、冷間圧延前には表面には露出していないか、露出していても有害なレベルとは判定できない表層(表面+表面下:表面と表面近傍の深さにある金属帯内部の領域を含む)異常部を検出できることがまず求められる。また、検出しただけでなく、(1)検出部の性状(大きさ、深さなど)、鋼種、熱間圧延工程での製造条件実績、製鋼工程での製造条件実績など冷間圧延前の鋼帯の状態や、(2)冷間圧延で計画されている製造条件などを考慮して、冷間圧延後に表面欠陥になるかどうかを予測し、判定できる必要がある。
【0021】
例えば、冷間圧延前に表面欠陥であっても、小さくて、浅い欠陥については、冷間圧延により小さくなり、無害になることもあり得るし、冷間圧延前に表層部に異常があっても、深い位置のみに存在している場合には、冷間圧延により表面に欠陥として顕在化しないこともあり得るため、予測する機能が必要である。
【0022】
具体的には、既に述べたように検出すべき欠陥部は表層(表面に露出しているとは限らない)に存在するので、(1)表面性状の変化だけを検知する方法では不適当である(光学的欠陥検出法は不適当)、(2)表層部(表面から100μm程度)に存在する欠陥だけを検出すれば良く、内部深くまでは調べる必要がない、(3)境界面(表面)と検出部位が近いという条件で測定できる方法である必要がある(オンラインで使用される一般的な超音波探傷法では表面不感帯の存在により困難)。
【0023】
上記の理由により、品質センサとしては、鋼帯測定面表層部を交流磁化し、表層部の性状に起因して生じる交流磁束の変化を測定する方式が好適である。図3は、表層部性状測定装置の構成の一例を示す図である。品質センサの励磁装置3により鋼帯1外部より交流磁束4を与え、鋼帯1中の表層性状異常部2の存在により、磁気検出用センサ5で検出される交流磁場が変化する(被検体の強磁性体としての磁束経路に対する影響、被検体の電磁誘導効果を含む)様子を磁気検出用センサ5により測定するという構成を取る。
【0024】
次に増幅器6にて信号を増幅後、同期検波器7により、同期検波を行い、交流磁束の振幅および位相情報を得る。この際、得られた位相情報からは、欠陥の深さに関する情報を得ることができる。また得られた振幅情報をもとに、表面欠陥顕在化予想部位一次候補検出装置8にて、候補部を選定、次いでその候補部の位相情報をもとに異常部の深さ位置を、深さ位置推定装置10にて推定する。
【0025】
候補部の振幅情報、深さ位置情報、および製造情報などを保持した製造情報保持装置16から得た製造条件実績値から、冷間圧延後表面欠陥発生予測装置12により、冷間圧延後に候補部が欠陥として顕在化するかどうか、またその鋼帯上での密度はどうかなどを予測し、冷間圧延後にその鋼帯の表面欠陥がどの程度顕在化するかを評価する。その際、あらかじめどのような、センサ出力値、製造条件実績値の場合に表面欠陥になるかを調べておき、それを参考に判断する必要がある。その上で、冷間圧延制御用プロセスコンピュータ17により、当初予定通りの高級鋼材を製造するか、それとも一般的な仕様の鋼帯を製造するかを決め、それに合った板厚値を圧延機((図示せず)に指示する。
【0026】
また、鋼帯幅方向のある範囲で品質を評価する必要がある場合には、品質センサをアレイ化して、幅方向に並べることになる。以下、本発明に用いるのに特に好適な品質センサのさらに具体的な例を、図4を参照して説明する。鋼板1には、その幅方向に微小で長さ方向(紙面に垂直な方向)に長い(圧延により、延ばされた)表層性状異常部2が存在している。交流励磁電源11により、励磁装置3のコイルに交流電流を供給し、鋼板1の表層部を集中的に磁化する。図4では磁束が鋼板1の幅方向に向かって形成されるような磁化を行っているが、上述したような欠陥の形態を考えると、なるべくこのような磁化を行うことが好ましい。
【0027】
そして、鋼板1の外部に存在する磁束を2つの磁気検出用センサ5a、5bで検出する。この場合、磁気センサ5aの下に表層性状異常部2が存在するので、この表層性状異常部により磁束や渦電流が通りにくくなる結果、磁気センサ5aで検出される磁束の方が磁気センサ5bで検出される磁束より多くなり、磁気センサ5aの出力が磁気センサ5bの出力に比して大きくなる。よって、これらの出力を差動で、増幅器6に導き、(以降は図3と同様のため、図4では省略)その出力を位相検波器7に入力して、磁化電源3の波形に同期した(位相はずれていることあり)信号により位相検波すると、表層性状異常部2の大きさに応じた信号が得られる。この出力は表層性状異常部レベル判別器8に導かれ、予め定められている閾値と比較されることにより、表層性状異常部2のレベルが判別される。
【0028】
表層性状異常部2は、鋼板のC断面(幅方向鋼帯を切断したときの断面)においては微小であるが、長さ方向には長いので、図4のような向きにE型コイルを配置すれば、遮られる磁路の幅が大きくなり、大きな表層性状異常部信号が得られる。また、2つのセンサの出力の差動信号で表層性状異常部の判別を行っているので、鋼板1に共通するノイズ(透磁率の変化等)や外部ノイズは相殺され、S/N比良く表層性状異常部の検出が可能である。また、ここでは表層部のみの情報を得るため、励磁周波数は、100kHz以上としている。なお、ここでは一例としてE形コアを持つセンサについて詳述したが、交流磁束を用いたセンサであれば様々なものが使用できることは言うまでもない。
【0029】
以上、金属帯の製造の例として、冷延鋼板の製造を取り上げて冷間圧延プロセスでの処理前(酸洗ライン)にて金属帯の品質を評価する場合を説明してきたが、本発明は、熱間圧延工程以降の冷間圧延工程やめっき処理工程等を有する鋼帯に限らず、アルミ板等の金属帯の製造プロセスで適用可能である。そして、例えば、めっきプロセス、熱間圧延プロセス、および上述の冷間圧延プロセスでの適用効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明における処理フロー(ケース1)の一例を示す図である。
【図2】本発明における処理フロー(ケース2)の一例を示す図である。
【図3】表層部性状測定装置の構成の一例を示す図である。
【図4】品質センサの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 鋼帯
2 表層性状異常
3 励磁装置
4 交流磁束
5、5a、5b 磁気検出用センサ
6 増幅器
7 同期検波器
8 表面欠陥顕在化予想部位一次候補検出装置
9 E形コアを持つ磁気センサ
10 深さ位置推定装置
11 交流励磁電源
12 冷間圧延後表面欠陥顕在化予測装置
16 製造情報保持装置(プロセスコンピュータなど)
17 冷間圧延制御用プロセスコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定用途向け金属帯を製造するに当たり、熱延工程以降の製造プロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価により前記製造プロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、当初計画どおり前記特定用途向けのままとするか、あるいは一般的な標準仕様品に用途を変更するかを決定し、この決定に沿って前記製造プロセスでの処理条件を決めることを特徴とする金属帯の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の金属帯の製造方法において、
前記製造プロセスは、冷間圧延プロセスであり、この冷間圧延プロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価により冷間圧延プロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、冷間圧延プロセスでの処理時、当初計画どおりの板厚とするか、その近傍の一般的な標準板厚とするかを決定することを特徴とする金属帯の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の金属帯の製造方法において、
前記製造プロセスは、めっきプロセスであり、このめっきプロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価によりめっきプロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、めっきプロセスでの処理時、当初計画どおりのめっき種とするか、一般的なめっき種とするかを決定することを特徴とする金属帯の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の金属帯の製造方法において、
前記製造プロセスは、熱間圧延プロセスであり、この熱間圧延プロセスでの処理前の金属帯の品質を評価し、この評価により熱間圧延プロセスでの処理後の金属帯全体の品質の良否を予測し、この予測結果に基づき、熱間圧延プロセスでの処理時、当初計画どおりの板厚とするか、その近傍の一般的な標準板厚とするかを決定することを特徴とする金属帯の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の金属帯の製造方法において、
金属帯の品質を評価するにあたって、金属帯測定面表層部を交流磁化すると同時に、表層部の性状に起因して生じる交流磁束の変化を測定することで、金属帯の表層部の性状を測定することを特徴とする金属帯の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−218504(P2006−218504A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33987(P2005−33987)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】