説明

録画装置

【課題】 録画されている番組等を再符号化して、記録媒体に空き領域を作ったとしても、符号化された番組等の画質の劣化を知覚することが少ない録画装置を提供する。
【解決手段】 録画装置は、動画データを符号化した録画データと、その符号化する際に抽出される動画データの特徴を表す情報である符号化情報とを対応付けて記録しており、記録されている符号化情報に基づいて、録画データを選択し、よりデータサイズの小さくなる符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で符号化情報を抽出し、元の録画データに換えて作成した録画データを記録し、元の録画データに対応する符号化情報に換えて抽出した符号化情報を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画データの録画装置における蓄積型の記録技術に関し、特に、記録媒体の利用効率を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上波放送、衛星放送等によって、数多くのチャンネルで多種多様な番組が放送され、インターネットによっても、数多くの動画や音楽を楽しむことが可能となっている。
このことに伴い、大容量の録画装置が開発され、数多くの番組等を録画等することが出来るようになっている。録画装置としては、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)に代表される光ディスク等の着脱可能な記録媒体を取り扱う装置や、このような着脱可能な記録媒体と内蔵型記録媒体、例えば、大容量のHDD(Hard Disk Drive)とを融合した、いわゆるハイブリッドレコーダ等が提供されている。
【0003】
ここで、番組等を録画する場合には、デジタルデータである番組等のデータを符号化し、データ容量を圧縮して記録媒体に書き込むことで、より多くの番組等を記録することが可能となっている。
とはいえ、記録媒体は有限であり、録画できるデータ量には限りがある。
そこで、記録媒体に記録してある番組等を消去することなく、より多くの番組等を記録する技術が提案されている。
【0004】
例えば、録画予約されている番組の録画データ量を予想して、HDDの空き容量に合わせて符号化時の画質を調整する技術(特許文献1参照。)、ユーザが指定したデータ圧縮時期と圧縮対象番組の選択条件とに従って、符号化を繰り返してデータ量を減らす技術(特許文献2参照。)、録画されている番組のジャンルや記録日時等によって圧縮対象を選択して符号化する技術(特許文献3参照。)等の様々な技術である。
【特許文献1】特開2002−271742号公報
【特許文献2】特開2002−271744号公報
【特許文献3】特開2003−174624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらは記録媒体の空き容量、記録する番組のデータ量、ユーザの指示、記録されている番組の内容などに基づいて、符号化する対象である番組等を選択している。
従って、符号化対象として選択される番組等の内容如何によっては、ユーザの意図に反して、予想以上に画質の劣化が生じてしまう可能性があり、鑑賞に堪えないものになってしまう場合がある。このような符号化を繰り返すことにより生じてしまった画質の劣化は、元に戻すことが出来ない。
【0006】
そこで、本発明は、録画されている番組等を再符号化して、記録媒体に空き領域を作ったとしても、符号化された番組等の画質の劣化を知覚することが少ない録画装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に、本発明の録画装置は、動画データを符号化した録画データと、その符号化する際に抽出される動画データの特徴を表す情報である符号化情報とを対応付けて記録する記録手段と、前記記録手段に記録されている符号化情報に基づいて、録画データを選択する選択手段と、前記選択手段で選択した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録手段に記録させ、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録手段に記録させる符号化手段とを備え、前記所定の符号化方法は、その方法で符号化した録画データは、その元となる録画データのサイズより小さくなる方法であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
また、前記録画装置は、前記符号化情報は、対応する録画データの符号化方式を表す方式情報を含み、前記符号化手段は、前記選択手段により選択された録画データから、対応する符号化情報に含まれる方式情報に基づいて復号した復号データを作成し、作成した復号データを所定の符号化方法で符号化して録画データを作成し、その作成過程で対応する符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録手段に記録させ、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録手段に記録させることとしてもよい。
【0009】
本発明に係る録画装置は、上述の構成を備えることにより、録画されている番組等の動画データとしての特徴を考慮して、どの録画データを符号化するかを決めることができるので、録画データの画質を予想以上に落とすことなく、記録媒体に空き領域を確保することができるようになる。
また、前記録画装置は、前記符号化情報は、録画データの元となる動画の変化を数値で表す情報である変化量を含み、前記選択手段は、前記変化量の大きさによって、録画データを選択することとしてもよい。
【0010】
また、前記録画装置は、前記符号化情報に含まれる変化量は、動画データの一定時間あたりのビットレート値であり、前記選択手段は、前記ビットレート値が所定の値よりも大きいものを選択することとしてもよい。
さらに、前記録画装置は、前記符号化情報に含まれる変化量は、動画データのフレーム間変位を表す動きベクトルの値であり、前記選択手段は、前記動きベクトルの値が所定の値よりも大きいものを選択することとしてもよい。
【0011】
これにより録画装置は、動画の変化が大きい録画データを符号化の対象として選択することができるので、空領域を確保したとしても、符号化した録画データの画質の劣化が目立たないようにすることができるようになる。
また、前記録画装置は、前記記録手段は、更に、記録されている録画データの内容に関する内容情報を記憶し、前記選択手段は、前記内容情報と前記変化量とに基づいて、録画データを選択することとしてもよい。
【0012】
これにより録画装置は、録画データの内容を加味して符号化対象の録画データを選択することができるので、より画質の劣化が目立たない録画データを選択することができるようになる。
また、前記録画装置は、更に、前記記憶手段の空き領域の量を検出する空領域量検出手段を備え、新たに記録する録画データの量より、前記空領域量検出手段により検出した量が小さい場合に、前記選択手段により、前記記録手段に記録されている録画データを選択し、前記符号化手段により、前記選択した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で対応する符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録手段に記録させ、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録手段に記録させることとしてもよい。
【0013】
また、前記録画装置は、更に、動画データである番組の録画の予約を受付け、予約された番組を特定する番組情報を前記記録手段に記録する録画予約手段と、前記番組を符号化した場合のデータ量を予測するデータ量予測手段を備え、前記新たに記録する録画データの量とは、前記データ量予測手段により予測された前記番組情報で特定される番組のデータ量であることとしてもよい。
【0014】
これにより録画装置は、録画予約した番組を録画するための領域を確保することができるので、録画予約した番組は必ず録画することができるようになる。
また、前記録画装置は、更に、前記空領域量検出手段により検出した量が、一定の量より少ない場合は、圧縮効率が高い符号化方式を所定の符号化方法として決定し、一定の量より多い場合は、画質の劣化が少ない符号化方式を所定の符号化方法として決定する符号化方法決定手段を備え、前記符号化手段は、前記決定された符号化方法で選択された録画データを符号化することとしてもよい。
【0015】
これにより録画装置は、記録媒体の空き領域の大きさに応じて、符号化の方法を換えることができるので、出来うる限りよい画質で番組等を録画することができるようになる。
また、前記録画装置は、更に、前記記録手段に記録されている録画データを再生する再生手段を備え、前記再生手段は、再生する録画データに対応する符号化情報が前記記録手段に記録されていない場合には、録画データを復号する過程で符号化情報を抽出し、前記録画データと対応付けて前記記録手段に記録させることとしてもよい。
【0016】
これにより録画装置は、符号化情報が作成されていない録画データを記録してある場合でも、再生時に符号化情報を作成することができるので、一度再生すれば、その後、符号化の対象とすることができるようになる。
また、前記録画装置は、前記符号化情報は、対応する録画データの再生順序を示す順序情報を含み、前記再生手段は、前記記録手段に記録されている録画データを、前記順序情報に則して、順に再生することとしてもよい。
【0017】
これにより録画装置は、番組が複数の録画データに分かれた場合であっても、その再生順序通りに再生することができるので、記録媒体の空領域を効率よく使用することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<概要>
符号化により動画データの容量を圧縮するためには、符号化のビットレートを落として符号化することが必要になることから、ビットレートを落として符号化することに伴う画質の劣化は許容せざるを得ない。
そこで、本発明に係る録画装置は、ビットレートを落として符号化したとしても、符号化による画質の劣化が視覚的に影響が少ない動画があることに着目し、符号化に伴う画質の劣化が、視覚的に影響が少なくなるような動画データを選択し、符号化するものである。
【0019】
以下、本発明に係る録画装置の実施形態について説明する。
実施形態では、テレビ放送の番組を、録画再生する装置を説明する。
本録画再生装置は、HDDを内蔵しており、テレビ番組を録画予約に従って、録画していくものである。また、ユーザが録画予約番組を追加した時や一定の時間になると、HDDの空き容量を検索し、空き容量が少ない場合には自動的に録画してある番組を選択して符号化し、空き容量を作る機能を有している。
【0020】
<構成>
図1は、本発明に係る録画再生装置100の構成を示す機能ブロック図である。
録画再生装置100は、符号化部1000、録画データ記憶部2000、制御部3000、録画予約部4000、再生部5000、チューナ6000及びユーザインターフェース部7000で構成される。
【0021】
符号化部1000は、エンコード部1100と符号化情報作成部1200とで構成される。
まず、エンコード部1100は、番組のデータを符号化して録画データを作成し、録画データ記憶部2000に記憶させる機能を有する(以下、符号化される前の番組のデータを「番組データ」といい、符号化された番組のデータを「録画データ」という。)
ここで符号化する番組データには、2種類ある。1つは、外部のアンテナで受信されたテレビ放送の番組であり、もう1つは、録画データ記憶部2000に記憶してある録画データである。
【0022】
1つ目の番組データは、チューナ6000により選局されたチャネルの番組をデジタル信号に変換して、チューナ6000から渡されたものである。また、もう1つの番組データは、録画データ記憶部2000に記憶してある録画データを再生部5000を介して読出した番組データである。
すなわち、1つ目の番組データは、新たに録画する番組のデータであり、もう1つの番組データは、記憶媒体の空き領域を作る為に再度符号化(以下、「再符号化」という。)する番組データである。
【0023】
符号化情報作成部1200は、エンコード部1100が番組データを符号化する過程で、その都度、その番組データの符号化情報を抽出し、録画データ記憶部2000に記憶させる機能を有する。この符号化情報とは、番組の内容ではなく、番組データの特性を表す情報であり、詳細は図2を用いて説明する。
次に、録画データ記憶部2000は、エンコード部1100により符号化された番組データである録画データと、符号化情報作成部1200により抽出された符号化情報とを記憶しておく機能を有する。録画データ記憶部2000は、本実施形態では、内蔵しているHDD(Hard Disk Drive)である。
【0024】
この録画データと符号化情報は、それぞれが対応しており、原則として同数が記憶されている。
制御部3000は、空領域量検出部3100、符号化方法決定部3200及び録画データ選択部3300で構成される。
空領域量検出部3100は、録画データ記憶部2000の空き領域の量を検出する機能を有する。
【0025】
また、録画データ選択部3300は、録画データ記憶部2000に記憶されている録画データのうち、次に符号化する録画データを選択する機能を有する。この選択は、録画データ記憶部2000に記憶されている符号化情報などを基に、再符号化に最適な録画データを選択する。
符号化方法決定部3200は、録画データ選択部3300が選択した録画データを符号化するのに、最適な符号化方法を決定する機能を有する。符号化しようとしている録画データの符号化情報や、録画データ記憶部2000の空き領域量などを基に、最適な符号化方法を決定する。ここでいう符号化方法は、MPEG−2、MPEG−4などの動画像圧縮符号化方式のみならず、符号化時のビットレートの値も含んだものをいうものとする。
【0026】
符号化方法が決定されると、録画データ選択部3300によって選択された録画データが、符号化方法決定部3200によって決定された符号化方法で、符号化部1000のエンコード部1100によって、符号化されることになる。
尚、制御部3000は、本発明に係る機能を制御等する機能のほか、通常の録画再生装置が有する、ユーザの指示を解釈し各機能部を制御する等の機能をも有する。
【0027】
次に、録画予約部4000は、ユーザインターフェース部7000を介して、ユーザの番組録画の指示を受け付け、番組を予約する機能を有する。
この録画予約部4000は、予約録画番組記憶部4100と録画領域量予測部4200とから構成される。
予約録画番組記憶部4100は、ユーザが予約録画を指定した番組に関する情報を記憶する機能を有する。記憶している録画予約番組に関する情報は、図3を用いて後述する。
【0028】
また、録画領域量予測部4200は、予約録画番組記憶部4100に記憶してある番組に関する情報を基に、その予約する番組を録画した場合に、どのくらいの領域が必要であるかを算出する機能を有する。
再生部5000は、デコード部5100とモニター5200とから構成される。
デコード部5100は、録画データを復号して、番組データを作成する機能を有する。
【0029】
ここで復号した番組データの出力先は2つある。1つは、モニター5200であり、もう1つは、エンコード部1100である。録画データを再符号化する場合は、エンコード部1100に出力することになる。
また、モニター5200は、デコード部5100によって復号されたデータを画面に表示する機能を有する。尚、本実施形態では、モニター5200を録画再生装置の構成部としているが、構成部とせずに、外付けとしてもよい。
【0030】
ユーザインターフェース部7000は、録画再生装置100の操作パネル、リモコン、ディスプレイ、インジケータ等を含み、ユーザへの情報提示、ユーザからの指示の授受等、ユーザと情報のやり取りを行う機能を有する。
録画再生装置100の各機能は、録画再生装置100のメモリ又はハードディスクに格納されているプログラムをCPUが実行することにより実現される。
【0031】
<データ>
以下、本録画再生装置100で用いる主なデータについて、図2から図4を用いて説明する。
図2は、符号化情報2100の構成および内容例を示す図である。
この符号化情報2100は、録画データ記憶部2000に記憶されている情報であって、記憶されている録画データと対を成すものである。
【0032】
また、符号化情報2100は、主に、番組データをエンコード部1100が符号化する過程で抽出されるものを含み、符号化情報作成部1200が作成する。
符号化情報2100は、録画データ名2110、符号化方式2120、平均ビットレート2130、データ量2140、高ビットレート分布2150、動きベクトル積算値2160及び位置情報2170で構成される。
【0033】
録画データ名2110は、対応して記憶されている録画データの識別子である。
また、符号化方式2120は、対応して記録されている録画データの符号化方式を表している。この符号化方式で、エンコード部1100が符号化したことになり、デコード部5100が復号する場合に参照する。
例えば、符号化方式には、MPEG−2(Moving Picture Experts Group phase2)やMPEG−4(Moving Picture Experts Group phase4)などがある。
【0034】
平均ビットレート2130は、番組データをエンコード部1100が符号化する場合の指針となるビットレートであり、1秒間あたりのビット量である。
データ量2140は、符号化されている録画データのサイズである。平均ビットレート2130が大きければ、このデータ量2140も大きくなる。
高ビットレート分布2150は、録画データのビットレートのうち、平均ビットレート2130より、大きい値となる時間の割合を示す。例えば、30分番組の録画データのうち、高ビットレートの時間が10分であれば、33%となる。
【0035】
すなわち、例えば、MPEG−2のような符号化方式では、可変ビットレートで符号化を行っており、動画のシーンによってビットレートが異なっていることから、一定のビットレート値を超えている時間を求めることが出来る。
このような符号化方式では、シーンからシーンへの差分を情報として利用しているため、シーンの動きや変化が激しい場面では、同じ画質を維持するのにより多くのデータが必要になるからである。
【0036】
従って、この高ビットレート分布2150の値が大きいほど、その番組の動画の変化量が大きいことになる。
次に、動きベクトル積算値2160は、いわゆる動きベクトルのベクトルの大きさを積算したものである。一定時間ごとに動きベクトルを積算し、その平均を取ったものである。例えば、30分番組であれば、10分ごとに動きベクトルを積算し、求めた3つの積算値の平均が、動きベクトル積算値2160の値となる。
【0037】
すなわち、例えば、MPEG−2のような符号化方式では、画像フレーム内やフレーム間で、物体の動く方向を予測し、そのベクトルだけを保存している。
よって、そのベクトルの絶対値が大きいほど、その物体の動きが大きいことを表している。
従って、動きベクトルの積算値2160が大きいほど、その動画の動きが大きく、または、変化が激しいことになる。
【0038】
位置情報2170は、録画データが記憶されている録画データ記憶部2000内での位置を表す。
例えば、録画データ名2110が「REC001」の録画データは、符号化方式「MPEG−2」、ビットレート「4096」kbpsで符号化されており、そのデータ量は「900」MBで、高ビットレート分布は「50%」、動きベクトル積算値は「100」の動画の特徴を有しており、録画データ記憶部2000内の位置情報「11」GB(ギガバイト)からの領域に記憶されている。
【0039】
次に、図3は、番組管理情報2200の構成および内容例を示す図である。
この番組管理情報2200は、録画されている番組と録画データとの対応を示したものであり、録画データ記憶部2000に記憶されている。
番組管理情報2200は、番組名4111、録画データの個数2201、録画データ名1(2201)、録画データ名2(2202)及び録画データ名3(2203)で構成される。
【0040】
番組名4111は、録画されている番組を特定するための識別子であり、本実施形態では、番組の名前である。番組名のほかに、番組を特定するコード等であっても良い。
録画データの個数2201は、番組が記録されている録画データの個数をいう。
1つの番組の録画データは、1つの連続する空き領域に入らない場合には、分割されて複数の領域に記憶されるからである。
【0041】
これらの分割されて記憶されている録画データごとに、録画データ選択部3300により選択されて、再符号化されることになる。
録画データ名1、録画データ名2、録画データ名3(2202〜2204)は、番組データが記録されている録画データ名2110である。録画データ1の録画データの続きが、録画データ2の録画データである等とする。本実施形態の場合、最大3個の録画データにまで分割できることとする。
【0042】
例えば、番組名4111が「洋画X」である番組の録画データは、録画データの個数2201「2」つに分割されて記録されており、その録画データ名は「REC003」と「REC200」である。録画データ名「REC003」で表される録画データのみの再符号化、または、「REC200」であらわされる録画データのみの再符号化も可能である。
【0043】
図4は、予約情報4110の構成および内容例を示す図である。
この予約情報4110は、ユーザが録画予約をした番組の情報であり、予約録画番組記憶部4100に記憶されている。
予約情報4110は、番組名4111、ジャンル4112、予約日時4113、チャネルコード4114及び画質モード4115で構成される。
【0044】
まず、番組名4111は、ユーザが録画予約をした番組名である。この番組名は、番組管理情報2200の番組名と同じものである。
ジャンル4112は、番組名4111で表される番組のジャンルを表す。
予約日時4113は、番組名4111で表される番組の放送日時である。
また、チャネルコード4114は、番組名4111で表される番組の放送チャネルを示している。
【0045】
画質モード4115は、ユーザが番組を録画したい画質モードを表している。この画質モードが「高画質」であれば、ユーザは、この番組を画質を落とさずに見たいと考えていると推測できる。
例えば、番組名4111が「東洋美術史」の番組は、ジャンル4112は「教養・美術」であり、「2004/6/20」日の「21:00−22:00」時に、「10」チャネルで放送され、ユーザは、「高画質」の画質モードでの録画を希望している。
【0046】
<動作>
以下、上述した、録画再生装置100の動作について図5〜図14を用いて説明する。
まず、図5で、録画データを再符号化することで、録画データ記憶部の空き領域が増える例を示す。
図5は、録画データ記憶部2000の内容例を示す図である。
【0047】
図5(a)は、録画データの再符号化前の録画データ記憶部の例を示す図であり、図5(b)は、再符号化後の録画データ記憶部の例を示す図である。図では、便宜上、録画データのみを表し、それに対応して記憶されている符号化情報は示していない(図13も同様である。)。符号化情報2100は、録画データのサイズに比べ小さいものであるからである。
【0048】
図5では、録画データ「REC001」を再符号化している例である。再符号化後の「REC001」のデータサイズ(図5(b)参照。)は、再符号化前のデータサイズ(図5(a)参照。)より、小さくなっており、元の「REC001」が記憶されていた領域は、空き領域となっている。従って、全体の空き領域は、増えていることになる。
本実施形態では、符号化情報2100は、すべての録画データの符号化情報をまとめて1つとしているが、録画データごとに記憶する等としてもよい。
【0049】
次に、本実施形態の動作の説明を行う。
本実施形態では、ユーザが録画予約した番組を録画する領域を確保する為に、録画データ記憶部2000に空き領域を作る場合を説明する。
以下、3つの動作について分けて説明する。まず、第1に、録画予約時の空領域の確保処理の流れについて説明する。第2に、再符号化する録画データを選択する処理について説明し、第3に、選択された録画データを再符号化する処理について説明する。
【0050】
<1.録画予約時の空領域の確保処理>
図6及び図7を用いて説明する。
図6は、録画予約時の処理を表すフローチャートである。また、図7は、空領域の確保処理を表すフローチャートである。
本実施形態では、毎日午前3時に、次の日の午前3時までの24時間に録画すべく予約されている番組が、録画できるように、空き領域を確保する処理を行うこととする。また、さらに、新たに録画予約された場合には、その録画番組が次の日の午前3時までに放送される番組であれば、再度空き領域の確保処理を行うものとする。尚、この午前3時という時間は、ユーザが任意の時間を指定することが可能であり、また、録画履歴から最適な時間を求めて自動的に設定されること等としてもよい。
【0051】
まず、図6を用いて、録画予約時の処理について説明する。
ユーザは、ユーザインターフェース部7000を通して、録画しておきたい番組の録画予約を行う。
ユーザからの録画予約を受け付けたユーザインターフェース部7000は、番組の予約情報4110(図4参照)を作成し、予約録画番組記憶部4100に記憶させる。
【0052】
例えば、現在が2004年6月20日の正午であるとして、ユーザは今日の21時から10チャンネルで放送される番組である「東洋美術史」を高画質で録画する旨の予約をしたとすると、図4のような予約情報4110となる。
ユーザから番組録画の予約を受け付けたユーザインターフェース部7000は、予約情報4110を予約録画番組記憶部4100に記憶させるとともに、予約が成された旨を制御部3000に通知する。
【0053】
番組の録画予約が成された旨の通知を受けた制御部3000は、録画領域量予測部4200に、番組を録画した場合に必要と予測される領域量(以下、「予測領域量」という。)を算出するよう依頼をする。ここでの番組は、次の日の午前3時までに録画する番組の全てとする。
また、制御部3000は、同時に空領域量検出部3100に、録画データ記憶部2000の空き領域の量を検出するよう依頼を行う。
【0054】
予測領域量の算出の依頼を受けた録画領域量予測部4200は、予約録画番組記憶部4100から、本日中に録画すべき番組の情報を読出し、予測領域量を算出する(ステップS500)。以前に算出した番組は、その予測領域量を記憶してあるものとし、本日中に録画すべき番組の予測領域量を合計した予測領域量を、制御部3000に渡す。図4の予約情報4110を例にとると、番組名4111「東洋美術史」のみの予測領域量となる。
【0055】
番組の予測領域量の算出は、予約番組の予約日時4113の録画時間と、画質モード4115とから算出する。本実施形態の場合、画質モード4115「高画質」の場合は、MPEG−2ビットレート8Mbpsで符号化し、画質モード4115「標準画質」の場合は、MPEG−2ビットレート4Mbpsで符号化するものとする。この符号化方式やビットレートは、装置で固定であってもよいし、ユーザが指定できてもよい。
【0056】
例えば、番組名4111「東洋美術史」の番組は、予約日時4113「2004/6/20 21:00−22:00」の2時間の録画時間が指定されており、画質モード4115「高画質」であることから、予測領域量は約7.5GBとなる。
一方、空き領域量の検出依頼を受けた空領域量検出部3100は、録画データ記憶部2000をサーチし、空き領域を検出し(ステップS510)、制御部3000に渡す。
【0057】
ここでの空き領域は、連続する領域の量ではなく、録画データ記憶部2000に点在する空き領域の合計とする。
録画領域量予測部4200からは予測領域量を、空領域量検出部3100からは空き領域の合計である空領域量を受け取った制御部3000は、それらの値を比較し、予約された番組を録画することが出来るかを判断する(ステップS520)。
【0058】
空領域量が、予測領域量よりも小さい場合は、空領域の確保処理(ステップS530)を行う。空領域量が、予測領域量よりも大きい場合は、終了する。
次に、図7を用いて、空領域の確保処理について、説明する。
図7は、空領域の確保処理を表すフローチャートである。
空領域の確保処理(ステップS530)を行うと判断した制御部3000は、録画データ選択部3300に、再符号化処理を行う録画データを選択するよう依頼する。依頼に際して録画領域量予測部4200から受け取った予測領域量と、空領域量検出部3100から受け取った空領域量とを渡す。
【0059】
録画データの選択を依頼された録画データ選択部3300は、録画データ記憶部2000に記憶されている符号化情報2100を読出し、それらと、制御部から受け取った予測領域量、空領域量とをもとに、再符号化を行う録画データを選択する(ステップS100)。選択された録画データの録画データ名2110を、制御部3000に返す。
選択した録画データ名2110を受け取った制御部3000は、選択された録画データ名2110を符号化部1000に通知し、最符号化の処理を依頼する。
【0060】
依頼を受けた符号化部は、再符号化処理を行い、終了を制御部3000に通知する(ステップS110)。
再符号化処理の終了を受け取った制御部3000は、空領域量検出部3100に録画データ記憶部2000の空領域量の検出を依頼する。
依頼を受けた空領域量検出部3100は、録画データ記憶部2000の空領域量を検出し(ステップS120)、制御部3000に返す。
【0061】
制御部3000は、受け取った空領域量と、予測領域量を比較し、空領域量が大きい場合(ステップS130:YES)は、処理を終了する。
空領域量が、予測領域量よりも小さい場合(ステップS130:NO)は、空領域の確保処理(ステップS100〜ステップS130)を繰り返す。
<2.再符号化する録画データの選択処理>
録画データ選択処理(ステップS100)は、図8を用いて説明する。
【0062】
図8は、再符号化する録画データの選択処理を表すフローチャートである。
制御部3000は、録画データ選択部3300に、録画データの選択を依頼する。依頼に際して録画領域量予測部4200から受け取った予測領域量と、空領域量検出部3100から受け取った空領域量とを渡す。
録画データの選択を依頼された録画データ選択部3300は、録画データ記憶部2000に記憶されている符号化情報2100を読み出す(ステップS200)。
【0063】
依頼に際して受け取った予測領域量が、録画データ記憶部2000の空領域量に比べ、一定倍率以上ある場合は(ステップS210:YES)、空領域量を大幅に確保する必要があると判断し、符号化情報2100から、データ量2140が最も大きい録画データ名2110を選択する(ステップS230)。
予測領域量が空領域量に比べ、一定倍率以上ない場合は(ステップS210:NO)、データ量よりも、再符号化しても画質の劣化が目立たないような録画データを選択すると判断して、符号化情報2100から、動きベクトル積算値2160が最も大きい録画データ名2110を選択する(ステップS240)。
【0064】
録画データを選択した録画データ選択部3300は、選択した録画データ名2110を制御部3000に返す。
録画データ名2110を受け取った制御部3000は、受け取った録画データ名2110を符号化方法決定部3200に渡し、符号化方法の決定を依頼する。
符号化方法の決定を依頼された符号化方法決定部3200は、録画データが現在符号化されている符号化方式2120と平均ビットレート2130とから、再符号化で使用する符号化方式と平均ビットレートを決定する(ステップS260)。
【0065】
例えば、符号化方式2120「MPEG−2」の平均ビットレート2130の値が、一定の値まで低くなったら、符号化方式2120を「MPEG−4」に変えて、平均ビットレート2130の値をさらに下げるようにである。
符号化方法を決定した符号化方法決定部3200は、決定した符号化方法を制御部に返す。
【0066】
符号化方法を受け取った制御部3000は、録画データ選択部3300から受け取った録画データ名2110と、符号化方法決定部3200から受け取った符号化方式とを、符号化部1000に渡し、再符号化の依頼をする(図7 ステップS110 参照)。
<3.再符号化処理>
再符号化処理(ステップS110)は、図9を用いて説明する。
【0067】
図9は、選択された録画データの再符号化の処理を表すフローチャートである。
再符号化の処理を依頼された符号化部1000は、録画データを読み出すよう再生部5000に依頼する。依頼に際して制御部3000から渡された録画データ名2110を渡す。
読出し依頼を受けた再生部5000は、渡された録画データ名2110の録画データと対応する符号化情報とを、録画データ記憶部2000から、再生部5000内部の作業領域に読み出す準備をする(ステップS300)。具体的には、読み込み用の作業領域の確保などである。
【0068】
次に、符号化部1000は、録画データ記憶部2000の空領域を検索する(ステップS310)。
符号化部1000は、再生部5000に対して、録画データを復号するよう依頼する。また、同時に、エンコード部1100に対し、再符号化処理の依頼を制御部3000受けた際に受け取った符合化方法に基づいて、デコード部5100から渡される番組データを符合化するよう依頼する。
【0069】
復号の依頼を受けた再生部5000は、読み出し用の作業領域に、録画データを読み出す(ステップS315)。読み出した録画データを、作業領域に読み出してある符号化情報の符号化方式2120に基づいて、復号するようデコード部5100に依頼する。デコード部5100は、作業領域の録画データを順次復号して番組データを作成し、符号化部1000のエンコード部1100に渡す(ステップS320)。
【0070】
復号された録画データである番組データを受け取ったエンコード部1100は、符号化方法に基づいて、順次符号化処理を行い(ステップS330)、検索した録画データ記憶部2000の空領域に書き込んでいく(ステップS340)。
エンコード部1100は、番組データを符号化しながら、符号化情報を抽出していく。具体的には、符号化の過程で求められる動画ベクトルを積算していく。また、符号化方法で指定されたビットレートを超える時間をカウントしていく。
【0071】
空領域がいっぱいになったら、エンコード部1100は、検索した空領域に対応する符号化情報2100を作成し(ステップS350)、同時に、番組管理情報2200の該当する録画データ(2201〜)を作成する(ステップS360)。
符号化部1000は、選択された録画データが全て再符号化されている場合(ステップS370:YES)は、記憶部への書込処理(ステップS380)を行う。選択された録画データの全てが再符号化されていない場合(ステップS370:NO)は、新たに録画データ記憶部2000の空き領域を検索し(ステップS310)、再符号化の処理(ステップS320〜ステップS360)を行う。
【0072】
記憶部への書込処理(ステップS380)について、図10を用いて説明する。
図10は、再符号化した録画データの書込み処理を表すフローチャートである。
符号化部1000は、再符号化した録画データを録画データ記憶部2000に書き込んだあとの、終了処理を行う(ステップS361)。例えば、作業領域の解放などである。
終了処理が完了したら、符号化部1000は、録画データ記憶部2000に対し、再符号化される前の録画データの削除依頼を行う。
【0073】
削除依頼を受けた録画データ記憶部2000は、データの管理領域に該当領域が空である旨の更新を行う(ステップS362)。尚、この際、実際の記憶領域からデータを削除しても、管理領域のみを更新してもよい。
図11は、符号化情報2100の再符号化処理が成される前後の内容例である。図11(a)は、再符号化前の符号化情報の例であり。図11(b)は、再符号化後の符号化情報の例である。
【0074】
この例では、動きベクトル積算値2160が最も大きい「REC002」が選択されて再符号化処理がなされている。
図12は、番組管理情報2200の再符号化処理が成される前後の内容例である。図12(a)は、再符号化前の番組管理情報の例であり。図12(b)は、再符号化後の番組管理情報の例である。
【0075】
この例では、番組名「ドラマX」が、再符号化され、最符号化前には録画データ「REC100」に記録されていたが、再符号化後には、「REC80」と「REC90」とに分けて記録されている。
また、図13は、録画データ記憶部2000の再符号化処理が成される前後の内容例である。図13(a)は、再符号化前の録画データ記憶部の例であり。図13(b)は、再符号化後の録画データ記憶部の例である。
【0076】
この例では、録画データ「REC100」が、再符号化によって2つの録画データ「REC90」と「REC80」とに分かれて記憶されている。
<変形例>
図14は、録画データ選択処理(図8参照)の変形例を示した図である。
この録画データ選択処理は、録画データを選択する際に、符号化情報2100の動きベクトル積算値2160の代わりに、高ビットレート分布2150の値が大きいものを選択する(ステップS250)点が異なる。
【0077】
図15は、符号化情報2100の再符号化処理が成される前後の内容例である。図15(a)は、再符号化前の符号化情報の例であり。図15(b)は、再符号化後の符号化情報の例である。
この例では、高ビットレート分布2150が最も大きい「REC001」が選択されて再符号化処理がなされている。
【0078】
<補足>
以上、本発明に係る録画再生装置について実施形態に基づいて説明したが、この録画再生装置を部分的に変形することもでき、本発明は上述の実施形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)実施形態では、録画再生装置100は、テレビ放送を録画することとしているが、テレビ放送のみならず、他の配信形態であってもよい。例えば、CATV(Cable Television)、電話回線、インターネットなどの有線であってもよく、BS(Broadcasting Satellite)、CS(Communications Satellite)、地上波などのいずれの形態でもよい。
(2)実施形態では、録画データを復号してから、再度、符号化を行っているが、トランスコードしてもよい。この場合、例えば、トランスコード部を符号化部に設けて、録画データを読出しトランスコードを行う。この際、符号化情報を抽出することになる。
(3)実施形態では、アナログのテレビ放送を受信することとしているが、符号化されたデジタルデータを直接受信することとしてもよい。
【0079】
この場合、符号化部のエンコード部で符号化せずに、そのまま直接録画データ記憶部に記録することができる。ただし、この場合は、符号化情報がないため、番組の再生時に、再生部に符号化情報作成部を設け、デコード部で復号する際に抽出することとしてもよい。また、定期的に行われる空領域の確保処理などの中で、作成することとしてもよい。
(4)実施形態では、録画データ選択部が録画データを選択する際に、動きベクトル積算値または高ビットレート分布を参照することとしているが、選択の際に参照する項目はこれに限られない。
【0080】
例えば、番組の内容を表すジャンルや、ユーザが予約時に指定した画質モードなどを考慮に入れて選択してもよい。
また、各録画データの、再符号化による圧縮量予測して、その量を考慮にいれて選択してもよい
更に、動きベクトル積算値と高ビットレート分布を共に考慮してもよい。
(5)実施形態では、録画予約番組分だけの空領域を確保することとしているが、一定の量の空き領域を空けるとしてもよい。
(6)実施形態では、録画データ記憶部2000は、内蔵しているHDD(Hard Disk Drive)であることとしているが、着脱可能な記録媒体、例えば、DVD等であってもよい。
【0081】
録画データや符号化情報の全てを、着脱可能な記録媒体に記録することとしてもよいし、その一部を記録することとしてもよい。
(7)実施形態では、動画の変化量として、動きベクトルの積算値を求めているが、最も大きいベクトルの値であっても良い。また、一定期間毎の平均値ではなく、例えば10分毎の積算値のうち、値がもっとも大きいものを変化量とするなどとしてもよい。
(8)実施形態では、録画データ選択部3300が選択する録画データは、1つの録画データとしているが、番組単位としてもよい。
【0082】
この場合、録画データ選択部は、例えば、番組を構成する全ての録画データの符号化方式や動きベクトル積算値などを参照して、再符号化する番組を選択する。
実施形態のように、録画データ単位で再符号化を行う場合は、より効率的な圧縮が可能となるという利点があり、番組単位で再符号化する場合は、1つの番組を再生視聴する際、番組の途中で画質が変わる場合がないという利点がある。
(9)実施形態では、1つの番組の録画データは、1つの連続する空き領域に入らない場合に、分割して複数の領域に記憶することとしているが、番組を所定の時間間隔で分割して、複数の領域に記憶することとしてもよい。
【0083】
この場合、符合化部1000で時間管理を行い、録画データを録画データ記憶部に記憶させる。
実施形態のように、空き領域に入らない場合に分割する場合は、録画データ記憶部をより効率的に使用することができるという利点があり、番組を所定の時間間隔で分割する場合は、番組の内容等に応じて符号化の処理を行ってもよい部分のみを再符号化の対象とするなど、よりきめ細かい再符号化が可能となるという利点がある。
(10)実施形態で示した録画再生装置の各機能を実現させる為の各制御処理(図1等参照)をCPUに実行させる為のプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより実施形態で示した装置の各機能が実現される。
(11)尚、録画再生装置におけるエンコード部1100、符号化情報作成部1200の各機能ブロックは典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
【0084】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー を利用しても良い。
【0085】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
動画データを記録する記録装置において、記録されている複数の動画データのデータ量を減らす場合であって、再生される動画の視覚的な品質を保ちたい場合に、特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る録画再生装置100の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】符号化情報2100の構成および内容例を示す図である。
【図3】番組管理情報2200の構成および内容例を示す図である。
【図4】予約情報4110の構成および内容例を示す図である。
【図5】図5(a)は、録画データの再符号化前の録画データ記憶部の例を示す図であり、図5(b)は、再符号化後の録画データ記憶部の例を示す図である。
【図6】録画予約時の処理を表すフローチャートである。
【図7】空領域の確保処理を表すフローチャートである。
【図8】再符号化する録画データの選択処理を表すフローチャートである。
【図9】選択された録画データの再符号化の処理を表すフローチャートである。
【図10】再符号化した録画データの書込み処理を表すフローチャートである。
【図11】図11(a)は、再符号化前の符号化情報の例であり。図11(b)は、再符号化後の符号化情報の例である。
【図12】図12(a)は、再符号化前の番組管理情報の例であり。図12(b)は、再符号化後の番組管理情報の例である。
【図13】図13(a)は、再符号化前の録画データ記憶部の例であり。図13(b)は、再符号化後の録画データ記憶部の例である。
【図14】録画データ選択処理(図8参照)の変形例を示した図である。
【図15】図15(a)は、再符号化前の符号化情報の例であり。図15(b)は、再符号化後の符号化情報の例である。
【符号の説明】
【0088】
100 録画再生装置
1000 符号化部
1100 エンコード部
1200 符号化情報作成部
2000 録画データ記憶部
2100 符号化情報
2110 録画データ名
2120 符号化方式
2130 平均ビットレート
2140 データ量
2150 高ビットレート分布
2160 ベクトル積算値
2170 位置情報
2200 番組管理情報
3000 制御部
3100 空領域量検出部
3200 符号化方法決定部
3300 録画データ選択部
4000 録画予約部
4100 予約録画番組記憶部
4110 予約情報
4200 録画領域量予測部
5000 再生部
5100 エンコーダ部
5100 デコード部
5200 モニター
6000 チューナ
7000 ユーザインターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データを符号化した録画データと、その符号化する際に抽出される動画データの特徴を表す情報である符号化情報とを対応付けて記録する記録手段と、
前記記録手段に記録されている符号化情報に基づいて、録画データを選択する選択手段と、
前記選択手段で選択した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録手段に記録させ、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録手段に記録させる符号化手段とを備え、
前記所定の符号化方法は、その方法で符号化した録画データは、その元となる録画データのサイズより小さくなる方法である
ことを特徴とする録画装置。
【請求項2】
前記符号化情報は、対応する録画データの符号化方式を表す方式情報を含み、
前記符号化手段は、前記選択手段により選択された録画データから、対応する符号化情報に含まれる方式情報に基づいて復号した復号データを作成し、作成した復号データを所定の符号化方法で符号化して録画データを作成し、その作成過程で対応する符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録手段に記録させ、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録手段に記録させる
ことを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項3】
前記符号化情報は、録画データの元となる動画の変化を数値で表す情報である変化量を含み、
前記選択手段は、前記変化量の大きさによって、録画データを選択する
ことを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項4】
前記符号化情報に含まれる変化量は、動画データの一定時間あたりのビットレート値であり、
前記選択手段は、前記ビットレート値が所定の値よりも大きいものを選択する
ことを特徴とする請求項3記載の録画装置。
【請求項5】
前記符号化情報に含まれる変化量は、動画データのフレーム間変位を表す動きベクトルの値であり、
前記選択手段は、前記動きベクトルの値が所定の値よりも大きいものを選択する
ことを特徴とする請求項3記載の録画装置。
【請求項6】
前記記録手段は、更に、記録されている録画データの内容に関する内容情報を記憶し、
前記選択手段は、前記内容情報と前記変化量とに基づいて、録画データを選択する
ことを特徴とする請求項3記載の録画装置。
【請求項7】
前記録画装置は、更に、前記記憶手段の空き領域の量を検出する空領域量検出手段を備え、
新たに記録する録画データの量より、前記空領域量検出手段により検出した量が小さい場合に、
前記選択手段により、前記記録手段に記録されている録画データを選択し、
前記符号化手段により、前記選択した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で対応する符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録手段に記録させ、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録手段に記録させる
ことを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項8】
前記録画装置は、更に、動画データである番組の録画の予約を受付け、予約された番組を特定する番組情報を前記記録手段に記録する録画予約手段と、
前記番組を符号化した場合のデータ量を予測するデータ量予測手段を備え、
前記新たに記録する録画データの量とは、前記データ量予測手段により予測された前記番組情報で特定される番組のデータ量である
ことを特徴とする請求項7記載の録画装置。
【請求項9】
前記録画装置は、更に、前記空領域量検出手段により検出した量が、一定の量より少ない場合は、圧縮効率が高い符号化方式を所定の符号化方法として決定し、一定の量より多い場合は、画質の劣化が少ない符号化方式を所定の符号化方法として決定する符号化方法決定手段を備え、
前記符号化手段は、前記決定された符号化方法で選択された録画データを符号化する
ことを特徴とする請求項7記載の録画装置。
【請求項10】
前記録画装置は、更に、前記記録手段に記録されている録画データを再生する再生手段を備え、
前記再生手段は、再生する録画データに対応する符号化情報が前記記録手段に記録されていない場合には、録画データを復号する過程で符号化情報を抽出し、前記録画データと対応付けて前記記録手段に記録させる
ことを特徴とする請求項1記載の録画装置。
【請求項11】
前記符号化情報は、対応する録画データの再生順序を示す順序情報を含み、
前記再生手段は、前記記録手段に記録されている録画データを、前記順序情報に則して、順に再生する
ことを特徴とする請求項10記載の録画装置。
【請求項12】
録画装置で用いられる録画方法であって、
動画データを符号化した録画データと、その符号化する際に抽出される動画データの特徴を表す情報である符号化情報とを対応付けてメモリに記録する記録ステップと、
前記記録ステップでメモリに記録されている符号化情報に基づいて、録画データを選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録ステップで記録し、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録ステップで記録する符号化ステップとを備え、
前記所定の符号化方法は、その方法で符号化した録画データは、その元となる録画データのサイズより小さくなる方法である
ことを特徴とする録画方法。
【請求項13】
録画装置に録画処理を行わせるためのコンピュータプログラムであって、
動画データを符号化した録画データと、その符号化する際に抽出される動画データの特徴を表す情報である符号化情報とを対応付けてメモリに記録する記録ステップと、
前記記録ステップでメモリに記録されている符号化情報に基づいて、録画データを選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で符号化情報を抽出し、前記選択した録画データに換えて前記作成した録画データを前記記録ステップで記録し、前記選択した録画データに対応する符号化情報に換えて前記抽出した符号化情報を前記記録ステップで記録する符号化ステップとを備え、
前記所定の符号化方法は、その方法で符号化した録画データは、その元となる録画データのサイズより小さくなる方法である
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
録画装置の集積回路であって、
動画データを符号化した録画データを取得する手段と、
前記取得した録画データから、所定の符号化方法で符号化した録画データを作成し、その作成過程で動画データの特徴を表す情報である符号化情報を抽出し、前記作成した録画データと前記抽出した符号化情報とを送出する手段とを備え、
前記所定の符号化方法は、その方法で符号化した録画データは、その元となる録画データのサイズより小さくなる方法である
ことを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−217076(P2006−217076A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25559(P2005−25559)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】