説明

鍋振りの方法と装置

本発明は、鍋振りの方法に関する。当該鍋振り方法は、以下の工程、すなわち、(1)鍋を平面又は曲面で直線、曲線あるいは円方向に運動させ、(2)鍋が適切な位置或いは時点まで運動したときに、鍋に加速度を加えて、鍋中の全部或いは一部の材料を鍋内部表面に対応する平面又は曲面で直線、曲線あるいは円方向に運動させることを含む。また、本発明は、当該鍋振り方法を用いる鍋振り装置に関する。それは、鍋、運動機構と駆動機構を含み、駆動機構は運動機構と鍋を駆動し、それらを平面あるいは曲面で直線、曲線、円方向に変速運動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術領域】
【0001】
本発明は、鍋振り方法およびそれを採用する鍋振り装置に関する。具体的にいえば、調理中における自動式又は半自動式の鍋振り方法、及び調理器具に採用する自動式又は半自動式の鍋振り装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
鍋振りは、料理、特に中華料理を作るとき重要でかつ常用の攪拌動作の一つである。つまり、鍋振りは鍋の加速・減速を伴う平面あるいは曲面の運動を利用して鍋中の材料を動かしその位置を変化させて、鍋内部表面に対応する運動、回転、ころがりの運動をさせることである。鍋振りのとき、鍋において料理材料は、常に前後あるいは左右の直線運動、斜線運動、曲線運動、平面運動、公転的回転運動、回転運動などを行う。鍋振りの目的は、料理材料が鍋にくっつかず、且つ平均的に加熱されるところにある。
【0003】
料理材料の全自動攪拌又は部分的自動攪拌は、自動式又は半自動式の調理を実現する重要な前提の一つである。これと関係して、鍋振り動作の自動化又は半自動化を実現することは自動攪拌又は半自動攪拌の最も重要な内容の一つである。鍋振り動作の自動化又は半自動化の実現は、労働の負担を大幅に低減することができるのみならず、鍋振りの動作と強弱程度の正確性と同期性を向上させて、よりよい且つ安定な調理効果を実現することもできる。
【0004】
中国特許第03157344.4号はインテリジェント化の自動式調理器を公開した。それには、さじ振りの機械装置が提供されている。当該装置は、二つの平行する等径の歯車によって同期をとる仕組みで構成されており、その同径箇所において連結ベアリングを用いて、連結軸と中華鍋の支持体を連結させ、ベルトを通して動力を加え、中華鍋を動かし円周線運動をさせる。適切な位置或いは時点において鍋に十分大きな加速度を生じさせる能力がないため、当該装置が、料理材料を動かし必要に応じて運動させるという鍋振りの要求を満足することができない。
【0005】
本発明の内容
本発明の一つの目的は、自動式又は半自動式で、正確に制御できる鍋振り方法を提供する。該方法は、駆動機構を通して鍋に変速運動させ、適切な位置あるいは時点で加速・減速の運動を行い、鍋を動かし相応の運動をさせ且つ鍋中の材料の位置を移動させて、材料が鍋に付着せずに平均的に加熱されるという目的を実現するものである。
【0006】
また、本発明のもう一つの目的は、前記鍋振り方法を実現する鍋振り装置を提供する。当該鍋振り装置は、安定性がよく、占めるスペースが小さく、様々な調理器、特に中華式の全自動式又は半自動式の調理器上で使用することができる。それは、人の手を代替して自動式又は半自動式の鍋振り動作を実現できるのみならず、且つ人の手で達成しにくい精確さと特色をもって鍋振り運動を行うこともできる。
【0007】
前記自動式又は半自動式の鍋振り方法は、以下の工程を通して実現できる。すなわち、(1)鍋を運動させ、且つ当該運動を平面又は曲面上に行わせ、(2)鍋が適切な位置或いは時点にまで運動したときに加速度を生じさせ、それによって、鍋中の全部或いは一部の材料を鍋中において位置変化させるものである。
【0008】
前記材料の位置変化は、鍋体、とく鍋体の表面と対応するものである。
【0009】
前記鍋の運動は、鍋体の表面と対応する運動、または、材料が鍋にくっつかず平均的に熱を受けることができるその他の類型の運動である。例えば、これらの運動は、位置移動、反転移動あるいは回転移動でもよければ、直線・曲線・らせん回転あるいは円方向回転の平面運動又は曲面運動でもよい。
【0010】
前記鍋運動は、調理器具台面における水平方向または垂直方向の並進運動ベクトルを含む。この並進運動ベクトルは、連続的運動、非連続的運動あるいは往復運動の何れでもよい。こうした並進運動は並進運動加速度と合わせて、鍋中の材料の全部あるいは一部の位置を移動させることができる。
【0011】
また、前記鍋運動は、調理器具台面におけるある方向上の直線、例えば、水平方向上の直線、垂直方向上の直線あるいは傾斜方向上の直線を回転軸として、連続的、非連続的あるいは往復回転を含むこともできる。こうした回転自身あるいはそれと加速度とあわせて、鍋中の材料の全部あるいは一部の位置を移動させることもできる。
【0012】
実際、本発明においては、鍋振りのとき鍋の運動は公転的回転運動でよい。当該回転運動は、曲線上の運動又は曲面上の運動であって、自転があってもなくてもよく、且つその回転軸の位置が移動できる。また、当該回転運動の「転動軌跡」は、円でもよければ、その他の規則的又は不規則の形状でもよい。例えば、楕円形、アヒルの卵の形状など。当該「軌跡」は、閉じたものでも閉じていないものでもよいし、完全な軌跡と不完全な軌跡のいずれでもよい。
【0013】
本発明においては、鍋振りのとき鍋の運動は直線的運動でよい。すなわち、直線と類似する運動である。当該運動のとき鍋の軌跡は、整然とした直線でもよく、直線類似のものでもよい。実際運用中、こうした直線運動は通常往復運動となる。
【0014】
本発明においては、加速度は正加速度と負加速度のいずれでもよく、平均的で変化がない加速度と変化する加速度のいずれでもよく、また、線方向の加速度と角方向の加速度のいずれかでもよい。調理の必要に応じて様々な加速度を採用することは、鍋に急加速、急減速あるいは急停止などの運動を生じさせることができる。また、同じ鍋振り過程において、鍋に一回又は二回以上加速度を加えることもできれば、一種又は二種以上の変化がある加速度を加えることもできる。
【0015】
本発明においては、適切な時点又は適切な位置とは、鍋運動の開始、途中あるいは完了のある時点と、鍋と鍋中の材料がちょうどある位置にあるときの位置を指す。こうした時点又は位置において、調理の要求に従い鍋振り運動を行うべき時点乃至位置である。従って、こうした位置または時点のとき、鍋に加速度を加え、或いは加速、減速の変速運動を生じさせ、予期の最善の鍋振り効果を生じさせる。例えば、公転的回転式の鍋振り運動を行う場合、運動の開始時に加速させ、材料の運動が鍋運動により一定の運動速度に達したとき減速させ、材料を慣性作用の下に鍋内部表面に対応する運動を生じさせる。もう一つの例として、直線の鍋振り運動を行う場合、先に加速させ、必要な速度に達した後に減速させ、停止させる(例えば急停止)。反対方向の運動を開始した後、加速させ、必要な速度に達した後にまた減速、停止させる。また、当該適切な時点又は適切な位置は、材料の類型・態様・数量、調理の方式、料理の類型、火加減の態様、及び環境の要素などによって違ってくることがある。
【0016】
また、前記鍋振り運動は複合運動でもよい。すなわち、前記鍋振り運動を行うと同時に、他の運動をも行う。例えば、公転的回転鍋振り運動をさせながら、水平方向の回転軸のまわりに回転運動をさせる。
【0017】
本発明の鍋振り方法においては、さらに攪拌道具を使用し鍋中の材料の移動、反転及び回転などを促進する工程を含む。こうした攪拌道具は、シャベル、さじ、フォーク、棒、くし、平面・曲面の攪拌器、又は回転・直線運動・曲線運動の攪拌器のいずれかでもよければ、他の種類の攪拌道具でもよい。これらの攪拌道具の運動は、操作者自らの操作または調理指示装置の指示の下に人の手での操作をもって実現することもできれば、また、制御システムの制御・指示の下に自動又は半自動的に行うこともできる。
【0018】
本発明の鍋振り方法においては、さらに、適切なときに鍋中の材料を適切な位置に移動する工程を含む。これは、鍋運動あるいは攪拌道具の動作によって完成できる。例えば、前もって鍋を傾斜して、材料を鍋の中心部位から離れさせるなどである。所謂適切な位置とは、鍋振り方法によって鍋が運動するとき、材料がそこにおいてより容易に必要な位置移動を生じ、あるいはより容易に鍋内部表面に対応する運動を生じるところ、又は、材料がそこにおいてより容易に正確且つ均一に加熱されるところを指す。
【0019】
本発明は、また、前記鍋振り方法を実現する鍋振り装置を提供する。当該装置は、鍋、運動機構と駆動機構を含む。前記鍋は運動機構上に設けられて又は運動機構と連結しており、また、前記運動機構は直線、曲線又は円方向の平面上あるいは曲面上の運動を行う機構であって、前記駆動機構は運動機構と鍋を駆動し、それらに直線、曲線又は円方向の平面上あるいは曲面上の変速運動をさせる。前記運動装置は非変速駆動装置の駆動のもとに自から加速度を生じる機構である。
【0020】
また、前記駆動機構は鍋運動過程中の適切な時点において運動機構に加速度を提供できる動力装置である。それは、速度調節モーターのような、十分に大きな加速度・減速度を生じることができる速度調節あるいは速度変換の動力装置でよい。
【0021】
また、前記運動機構は、駆動機構の駆動の下に自から十分な加速度を生じることができる機構でもよい。例えば、クランク滑り子式の機構である。当該機構は急に向きを変える特性を有する。すなわち、鍋が二つの極限位置の近くに運動したとき加速度を生じる。したがって、前記駆動機構は非速度調節の或いは非変速の動力装置でもよいし、速度調節或いは変速の動力装置でもよい。後者の場合、一回の鍋振り運動中又は鍋振り運動のある段階において均一速度の動力のみ提供するものでよい。もちろん、機構自身に生じた加速度と駆動機構による加速度がともに作用することもできる。
【0022】
本発明において、駆動装置は電動装置、磁力装置、気体動力装置、液体圧力装置又はその他の類型の装置のいずれかでもよいし、伝動装置はあってもなくてもよい。
【0023】
本発明の鍋振り装置においては、さらに第二又は複数の運動機構を含むことができる。各自の運動機構は様々な均一速度あるいは変速の運動を生じる。例えば、類型の直線、曲線、自転あるいは円方向運動をそれぞれ生じる機構、また、変速方式、加速度あるいは方向の運動をそれぞれ生じる機構などがある。各運動機構は互いに独立してもよいし、結合して一体、二体あるいは複数体となってもよい。また、各運動機構が生じた運動は独立したものでもよいし、組み合せたものでもよい。各運動機構は各自の駆動・伝動装置を有することもできるし、全部あるいは一部で駆動・伝動装置を共用するもできる。
【0024】
本発明の鍋振り装置においては、さらに攪拌道具を含むことができる。当該攪拌道具は、シャベル、さじ、フォーク、棒、くし、平面・曲面の攪拌器、又は回転・直線運動・曲線運動の攪拌器のいずれでもよいし、他の種類の攪拌道具でもよい。これらの攪拌道具の運動は、操作者自らの操作または調理指示装置の指示の下に人の手での操作をもって実現することもできれば、制御システムの制御・指示の下に自動又は半自動的に行って、鍋中材料の運動あるいは攪拌を促進することもできる。
【0025】
本発明の鍋振り装置においては、さらに制御システムを含むことができる。それは、コンピュータ、プログラミング可能の制御器、電力あるいは磁力類、気体動力類、液体圧力類、機械類又は他の種類の装置のいずれでもよいし、鍋振り装置自身の独立した制御システムあるいは調理器の総制御システムの中に設けられた制御システムでもよい。当該制御システムは、各機構・装置又は各種の加速度の始動・停止、運動方式(例えば、直線運動、曲線運動、自転、公転式回転又は複合運動)、動作の程度(例えば、円運動の大きさ、直線運動・曲線運動の位置移動の量)及び力の程度(例えば、速度・加速度の量)などをコントロールする。
【0026】
前記制御システムは、その中に貯蔵された又は入力された調理と関係する情報、データ、指令あるいは制御プログラムなどに基づき、鍋振り装置の作動の時点と方式を確定し、駆動・伝動装置をもって鍋振り装置の一つ、複数あるいは全部の装置を駆動・制御し運動させ、または、指示装置を通して声、光、電波、文字あるいは他の類型の指示信号を出して、操作者で駆動・伝動装置を制御し、あるいは人の手で鍋振り装置の一つ、複数あるいは全部の装置を駆動し運動させる。
【0027】
さらに、本発明は、自動式又は半自動式の調理器上に前記本発明鍋振り装置が設けられている装置を提供する。
【0028】
従来の技術と比べて、本発明の鍋振り方法は、自動又は半自動の鍋振り運動を実現し、鍋振り運動の方式、運動幅の大小及び加速度・減速度の程度などを正確に制御するため、従来の方法で正確且つ精確に完成できない鍋振り動作を正確且つ精確に行うことができ、しかも様々な材料の種類、調理の技法及び料理の要求に応じてこれを制御し、そして様々な特徴を有する鍋振り動作を形成することができる。また、本発明の鍋振り装置は人の手に代替して、且つ人の手と従来の装置で達成し難い正確さと特徴を有する方式をもって、自動又は半自動の鍋振り動作を行い、労働の負担を大幅に低減し、鍋振り動作の正確さと反復動作の正確さを向上させる特徴を有する鍋振り動作の要求を満足させることができる。
【0029】
以下、図面と具体的な実施例により、さらに本発明を説明する。
【0030】
具体的な実施例
図1は本発明の鍋振り方法を採用する一種の直線運動の鍋振り装置を示すものである。その中で、1は鍋、2は水平移動歯ざお、3は水平移動モーターである。水平移動モーター3は、水平移動歯ざお2を駆動しそれを連続的、非連続的又は往復の変速直線運動させ、且つ、水平移動歯ざお2と連結した鍋1を動かし同じ運動をさせる。
【0031】
図2は本発明の鍋振り方法を採用する一種の揺動式運動の鍋振り装置を示すものである。当該装置はクランク滑り子式の機構を採用しており、モーター8がクランク9を駆動して回転させる。10はクランク連結棒であって、鍋1と連結した軸形状の滑り連結棒4と一緒に回転支え5の孔中において前後の方向に滑る。回転支え5上には垂直回転軸が設けられており、それは滑り連結棒4が滑る時の角度の変化につれて回転し、回転支え5が支え台6を通して枠組み7と互いに連結する。こうしたクランク滑り子式機構の動きの下に、鍋1は時計回りの方向又はその逆の方向に変速回りの運動を行うことができる。このような運動は連続的なものでによければ、非連続的あるいは往復のものでもよい。モーター8は速度調整モーターでよく、制御システムの制御の下で適切な位置あるいは時点のとき、クランク滑り子式機構を駆動しそれを加速度運動あるいは減速度運動とさせる。また、クランク滑り子式機構9,10及び4は、二つの極点を回転したとき加速或いは減速を生じることもでき、その各部分の長さ、比例又はモーターの回転速度などを適切に設定するときは、それぞれ違う加速度或いは減速度を生じることができる。最後に、当該クランク滑り子式機構の各部分の長さ、比例を全部或いは部分的に調整可能のように設計することもでき、様々な調理上の必要に応じて、制御システムの制御或いは指示の下に自動的或いは半自動的に調整し、または、操作者の手で調整を完成させる。もちろん、よりよい効果を実現するため、上記二種類の加速或いは減速の動力源はそれぞれ独立して使用することもできれば、協力し共同で使用することもできる。
【0032】
図3は本発明のもう一つの実施例を示すものである。それは四個連結棒の運動機構である。その中で、14は主動連結棒、12は従動連結棒、13は固定連結棒である。連結棒11は鍋1と連結する。また、モーター8は自発連結棒を駆動し回転させて、鍋連結棒11と鍋1とを一緒に変速回り運動とさせる。
【0033】
図4は本発明の鍋振り方法を採用する第二運動機構を有する鍋振り装置を示すものである。当該装置は、図2に示したクランク滑り子式機構上に、回転モーター16、回転自発的傘状ギヤ15と、軸形状滑り連結棒4上に設けられた従動傘状ギヤ19から構成された回転運動機構を増加したものである。当該運動機構は、鍋1を動かし軸形状滑り連結棒4をめぐって連続的、非連続的又は往復の速度均一或いは速度変化の回転運動とさせることができる。この回転功能については、単独で使用し鍋中の材料を反転させて、鍋振りの功能を実現することもできれば、転動運動とあわせてより複雑な複合的鍋運動を実現することができる。
【0034】
図5は本発明の鍋振り方法を採用する第二運動機構を有するもう一つの鍋振り装置を示すものである。当該装置は、図3に示した四個連結棒の運動機構の上に、また上下振りクランク20、上下振りモーター21、上下振り連結棒22、上下振り回転軸23、上下振りちょうつがい24とちょうつがい支え25から構成された鍋上下振りの運動機構を加設する。当該鍋上下振り運動機構は、上下振りモーター21の駆動の下に鍋1を動かし上下方向の鍋振り運動をさせる。もちろん、それは四個連結棒の運動機構とあわせて使用し、複合運動を形成することができる。
【0035】
最後に、図6を参照すると。それは本発明のもう一つの実施例を示すものである。当該装置は、さらに第三運動機構を有する。また、当該装置は図4に示した鍋振り装置を水平移動可能の支え18上に設けて、モーター17の動きによってそれを水平運動させるものである。合わせて転動、回転、水平移動という三つの運動を実現することができて、それぞれ単独で使用するなら転動式の鍋振り、鍋反転、直線式鍋振りなどの運動を実現することができる。また、もしそれらを組み合わせると、より複雑な鍋振り運動を実現することができる。
【0036】
図7は本発明のもう一つの実施例を示すものである。それは、クランクガイド棒を用いる機構である。モーター34は、回転盤33を駆動し回転させて、滑り子35を振り棒32の長孔中に滑動させ、当該振り棒を押して左右の方向に揺動させて、且つ、連結棒31と連結軸30を通して鍋の水平移動フレーム26を駆動し往復運動とさせる。29は水平移動ガイドである。本運動装置の加速度は、機構自身から生じさせることができる。というのは、鍋の水平移動フレーム26が極限反転位置に接近したとき、加速度が生じるからである。その加速度の大きさは機構の運動速度によって決定されるものであって、モーター34が速度固定モーターの場合は、当該加速度はモーターの回転速度によって決定され、また、モーター34が速度調整モーターの場合は、当該加速度はモーターの回転速度の選択又は調整によって設定又は調整される。もちろん、その加速度は、速度調整モーターのような動力源から生じさせることもできる。上記二つの加速度は単独で使用することもできれば、合わせて使用することもできる。上記機構が往復運動を行うとき、材料は鍋中において直線の運動を行う。最後に、本鍋運動装置はさらに第二運動装置27と第三運動装置28を含んでおり、それぞれ鍋1を動かし平面の揺動鍋振り運動あるいは回転運動をさせる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明における一つの運動機構を有する鍋振り装置の一つの実施例の概念図。
【図2】図2は本発明における一つの運動機構を有する鍋振り装置のもう一つの実施例の概念図。
【図3】図3は本発明における一つの運動機構を有する鍋振り装置のもう一つの実施例の概念図。
【図4】図4は本発明における第二運動機構を有する鍋振り装置の一つの実施例の概念図。
【図5】図5は本発明における第二運動機構を有する鍋振り装置のもう一つの実施例の概念図。
【図6】図6は本発明における第二と第三の運動機構を有する鍋振り装置の一つの実施例の概念図。
【図7】図7は本発明における鍋振り装置のもう一つの実施例の概念図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動式又は半自動式の調理器具上の鍋に鍋振りの運動を行わせる方法であって、以下の工程、すなわち、(1)前記鍋を運動させ、且つ当該運動を平面又は曲面上に行わせ、(2)前記鍋が適切な位置或いは時点にまで運動したときに加速度を生じさせ、それによって、鍋中の全部或いは一部の材料を鍋中において位置移動させることを特徴とする鍋振り方法。
【請求項2】
請求項1記載の鍋振り方法において、前記運動は、調理器具台面における水平方向及び/または垂直方向の並進運動ベクトルを含むことを特徴とする鍋振り方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の鍋振り方法において、前記運動は、調理器具台面におけるある方向上の直線を回転軸とする回転を含むことを特徴とする鍋振り方法。
【請求項4】
請求項2記載の鍋振り方法において、前記運動は、基本的に直線運動であることを特徴とする鍋振り方法。
【請求項5】
請求項3記載の鍋振り方法において、前記運動は、基本的に公転的回転運動であることを特徴とする鍋振り方法。
【請求項6】
請求項1記載の鍋振り方法において、前記運動は、連続運動、非連続運動、又は往復運動であることを特徴とする鍋振り方法。
【請求項7】
請求項1記載の鍋振り方法において、前記鍋振り方法は、さらに攪拌道具をもって鍋中の材料を運動させる工程を含むことを特徴とする鍋振り方法。
【請求項8】
請求項1記載の鍋振り方法において、前記鍋振り方法は、さらに前記加速度が生じる前に、鍋中の材料を適切な位置に移動させる工程を含むことを特徴とする鍋振り方法。
【請求項9】
請求項1乃至8記載の鍋振り方法を用いる鍋振り装置であって、鍋、運動機構、駆動機構及び制御システムを含み、前記鍋は運動機構上に設けられ又は運動機構と連結しており、また、前記駆動機構は運動機構と鍋を駆動し、それらに直線、曲線、らせん回転又は公転的回転の平面上あるいは曲面上の変速運動を行わせて、駆動装置は電動装置、磁力装置、気体動力装置、液体圧力装置又はその他の類型の動力装置のいずれかであることを特徴とする鍋振り装置。
【請求項10】
請求項9記載の鍋振り装置において、前記運動装置は非変速駆動装置の駆動のもとに自から加速度を生じる機構であることを特徴とする鍋振り装置。
【請求項11】
請求項9記載の鍋振り装置において、前記鍋振り装置は、さらに第二運動機構あるいは複数の運動機構を含み、それらがそれらと連結する鍋を動かし、それに直線、曲線、らせん回転又は円回転の平面上あるいは曲面上の変速運動を行わせることを特徴とする鍋振り装置。
【請求項12】
請求項9記載の鍋振り装置において、前記鍋振り装置はさらに連結装置を含み、前記運動機構は当該連結装置を通して鍋と連結することを特徴とする鍋振り装置。
【請求項13】
請求項9記載の鍋振り装置において、前記鍋振り装置はさらに攪拌道具を含み、それによって鍋中の材料の運動を促進することを特徴とする鍋振り装置。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかに記載の鍋振り装置において、調理器具を含むことを特徴とする鍋振り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−502219(P2009−502219A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521779(P2008−521779)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/CN2006/001788
【国際公開番号】WO2007/009391
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(508022045)
【Fターム(参考)】