説明

鎮痛剤およびビタミンを含む医薬組成物

本発明は、ケトロラク塩及びB複合体の併用薬剤;該併用物を製造する方法;及び、特に、異なる身体部位における中等度から高度の疼痛及び神経痛に苦しむ患者の処置に有用なケトロラク及びB複合体の併用物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケトロラク塩及びB複合体の併用薬剤、該併用薬剤を製造するために用いられる方法、及び、特に、異なる部位における中程度から高度の疼痛及び神経痛に苦しむ患者の処置において有用なケトロラクとB複合体との相乗的併用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
十分な疼痛管理は、完全には解決されていない最も重要な症候学の1つであり、患者及び全医療制度において大きな影響を与える。
【0003】
疼痛は、(a)異なる組織の全てにわたって外科的な攻撃によって作用を受ける、神経末端の切断の結果としての直接的な機構;及び(b)侵害刺激感覚の処理をつかさどる受容器を活性化及び/又は敏感化させることができる発痛物質の伝達に存する間接的な機構;という、これら2つの機構によって発生する。これらを通して、一連の侵害刺激が生み出され、中枢神経系に届いた後、これらはカスケード反応を引き起こし、呼吸器、循環器、消化器、内分泌腺及び代謝系という異系統に影響する。不適当な疼痛管理は、手術後の疾病率を増加させ、病院滞在及び経費を増大させる。
【0004】
疼痛を避けるために手術後の当面の期間において最も用いられる治療の1つは、オピオイドなどの非経口の鎮痛薬の使用によるものである。しかしながら、オピオイドの使用における制約は、副作用、とりわけ掻痒、吐き気、嘔吐、尿閉、便秘、鎮静作用、及び潜在的呼吸障害、回腸麻痺、耐性、不安神経症及び禁断症状に関係がある。
【0005】
非ステロイド性抗炎症剤は鎮痛作用を高め侵害受容器の感受性を抑制することから、オピオイドの使用及びその副作用の代替になるものとしては、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)の使用が相当する。一般的に、最も用いられる非ステロイド性抗炎症剤は、なかでもアセトアミノフェン、インドメタシン、イブプロフェン、メロキシカム、ジクロフェナク、及びケトロラクである。
【0006】
さらに、非ステロイド性抗炎症剤とオピオイド系鎮痛剤との併用が知られている。例えば、特許文献1においては、疼痛管理のためのケトロラク(NSAID)及びトラマドール(オピオイド)を含むカプセルが記載されている。該組成物の問題点は、耐性、不安神経症、禁断症状、及び/又は呼吸障害のようなオピオイドの副作用に関係がある。
【0007】
特許文献2(米国特許出願第11/078,902号、公開日2005年3月11日)においては、噴霧泡状治療キットが記載されている。該組成物は、非ステロイド性抗炎症剤を含み、そしてビタミンB又はその誘導体がその組成物に添加されているようである。斯かる組成物の問題点は、その投与方法にあり、該投与方法は非常に話題となっており、皮膚状態、腫れ、及び他の炎症性疾患を管理することが示唆されている。このように、前記適用方法では、様々な投与方法に関してケトロラク及びB複合体を含む組成が明確には開示されていない。
【0008】
特許文献3(EP1071430及びPCT/CA99/00331出願と同様)は、ビタミンB6同等物であるピリドキシンと組み合わせた、抗炎症剤(NSAID)を含む医薬組成物に関する。しかしながら、該組成物は、加齢による医原性の高血圧治療のために開発されたものであり、治療において用いられる通常量の鎮痛剤とB複合体とを含む本発明の組成物とは異なる。
【0009】
近年においては、ジクロフェナク及びB複合体を含む市販薬がある。この組成物の問題点の1つは、2日以上続く繰り返し非経口投与によって引き起こされる壊死の危険性にあり、この事情が製品による治療時期を制限している。ジクロフェナクは、副作用、なかでも腸管出血を引き起こす抗炎症抗リウマチ化合物である。一方、本発明は、鎮痛効果を得るためにオピオイド化合物と比較して通常使用よりも少ない有効成分を使用しており、副作用の軽減がある。
【0010】
技術分野について記述された事項があるにしても、高治療効果及び高安全信頼性を備えた医薬組成物の要望が未だにある。通常の使用よりも少ない量でビタミンBと組み合わせて用いられる、ケトロラクのようなNSAIDは、これら2つの要望と合致し、加えて、異なる身体部位における中程度から高度の疼痛及び神経痛を抑制するうえで2つの成分の間で相乗効果を示し、そして、とりわけ消化管出血などの副作用の顕著な減少を示す。
【0011】
本発明の医薬組成物は、前述の要望に合致し、以下明細書で説明されるような利点をもたらす。
【0012】
【特許文献1】メキシコ国特許出願第PA/a/2002/010828号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0232869号明細書
【特許文献3】米国特許第6,051,587号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明におけるケトロラク及びB複合体の医薬組成物は、その組成物を特徴付ける技術的側面に関して現段階で開示がないことから新規なものである。ケトロラクは、非ステロイド性抗炎症鎮痛薬である。B複合体は、抗侵害受容特性を有する。併用において、本発明は、異なる身体部位で中等度から高度の疼痛及び神経痛に苦しむ患者を治療するための相乗効果を実現する。強調すべき重要点は、ケトロラクを用いる際、通常用いられる治療用のものよりもその量が少なく、副作用の低減が成されることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
近年用いられるほとんど全てのいわゆるNSAIDは、生理的反応を調節しほとんど全細胞の構成要素に存在するシクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)の活動を阻害し、また、損傷を受けた組織で誘発される必要性がありそこに存在するシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)の活動を抑制する。なお、COX−2は、ほぼ、刺激された炎症細胞のみにだけ一時的な形で発現され、炎症性メディエータの多数で迅速な形成を促進する。
【0015】
NSAIDの抗炎症作用は、炎症部位におけるCOX−2の阻害を経て得られる。これら薬剤は、消化管及び腎臓の組織におけるCOX−1を阻害することもでき、望ましくない効果を生み、治療的有用性を制限し得る。換言すると、NSAIDのリスク便益割合は、多少なりとも各COX型式シクロオキシゲナーゼを阻害する能力によって決まり得る。
【0016】
他のNSAIDと同様、ケトロラクは、シクロオキシゲナーゼ(COX)酵素を阻害し、それゆえプロスタグランジン産生が減少し、それにより炎症反応及び侵害受容伝達の誘発機構が低減する。ケトロラクは、中枢の抗侵害受容作用も生じさせる。プロスタグランジン形成を阻害することにより、ケトロラクは、細胞保護作用因子を減少させ、トロンボキサンが阻害され出血が引き起こされる。本発明では、ケトロラクの通常量のわずか半量を用い、副作用が顕著に低減され、ケトロラクの治療及び鎮痛効果を失うことなく患者が著しい利益を受ける。
【0017】
ケトロラクトロメタミン、(±)-5(ベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-1N-ピロリジン-1-カルボン酸トリヒドロキシメチルアミノメタンは、カルボン酸及びピロールによるピロール誘導体に属する非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であり、中等度及び高度の疼痛の処置において効果的である。
【0018】
健常人でのケトロラクの投与においては、経口及び筋肉内の両方で迅速な吸収が示され、最高血漿濃度(tmax)に達する時間は、それぞれ53及び46分と報告されている。さらに、ケトロラクの92%が尿として、6%が排泄物として排泄される。
【0019】
筋肉内への非経口形式における通常のケトロラク量は、4〜6時間ごとに30mgであり、経口の場合は、10mgを1日で1〜4回であり大人では40mgを超えてはならない。
【0020】
ケトロラクは、水に対して非常に溶解性を示す。臨床研究においては、ケトロラクが強力で効果的な鎮痛剤であることが示されている。ケトロラクは、オピオイド鎮痛剤との比較において、オピオイドと異なり副作用を生じず、加えて中等度の解熱剤である。ケトロラクは、非経口投与用として承認された数少ない非ステロイド性抗炎症薬の1つである。しかしながら、他の薬物と併用された場合、ケトロラクは通常、安定性に問題がある。臨床検査は、酸性溶液が存在する時に、その安定性が著しく悪化することを実証している。
【0021】
B複合体は、なかでもビタミンB1(チアミン塩酸塩又は一硝酸塩)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)、ビタミンB8(ビオチン)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB15(パンガミン酸又はDIEDI)といったビタミンB群でできている。ビタミンBは、水溶性及び脂溶性であり得る。これらのビタミンは、健康を維持するために重要なものである。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、“B複合体”との用語は次のビタミンに関する。
【0023】
チアミン(B1):糖質の分解及び吸収をする酵素の一部であり、核酸、DNA,及びRNA(遺伝子担体)にとって必要不可欠である。チアミンは、食欲を促進し神経系の機能を正常化するがゆえに、心臓血管系、消化器系、及び神経系の機能的統合性を維持するために必要不可欠である。
【0024】
ピリドキシン(B6):脂質及びタンパク質の代謝を促進し、アミノ酸であるトリプトファンからナイアシンへの転換に介在し、白血球の食作用活性を刺激する。
【0025】
シアノコバラミン(B12):核酸の形成を支援し、白血球の正常機能に寄与し、神経細胞を維持することに役立つ。
【0026】
B複合体には、手術前後の状況において該複合体を取り込むビタミン欠乏症、神経炎、多発性神経炎、慢性下痢、多発性神経障害、及びウェルニッケ脳症のように、人間において多様な治療用途がある。B複合体は、AIDS又は肝硬変患者のための補完的な治療、多発性硬化症などの神経変性疾患でも用いられ、加えて、B複合体は、治療上の抗炎症作用を有する。
【0027】
ケトロラクは、非経口投与用として承認された数少ない非ステロイド性抗炎症薬の1つである。しかしながら、他の薬物と併用された場合、ケトロラクは、重大な安定性上の問題を示す。本発明では、ケトロラク及びB複合体の併用において安定性のある組成物が得られ、この優れた組成物は、経口投与され得る。
【0028】
述べるべき重要点は、現在、注射用の純ケトロラク処方(個別薬剤形態)及び純B複合体(個別薬剤形態)が存在し、この存在により我々が、これら2つの処方の単なる混合がなされ得ると考えてしまうことである。しかしながら、各化合物には一連の物理的化学的な関わりがあることから、これは不可能である。例えば、ケトロラクの物理化学的な特性により、ケトロラクは中性から弱アルカリ性のpH範囲においてより高い安定性を有する。反対に、B複合体は、酸性pHでより高い安定性を示す。上述のことから、両成分が互いの安定性に影響せずに共存する医薬組成物の調合は、困難となっている。これが、ケトロラク及びB複合体の直接的な併用が不可能である理由である。
【0029】
現段階において、本発明で説明したように、ケトロラク15mg/mLとB複合体との非経口投与のための個別薬剤形態はない。
【0030】
市販の薬剤形態(例えば、5,10,15,20mg/mlの異なる濃度)からのケトロラクと、B複合体とを併用する場合、pHが酸性側に偏り過ぎていることから、ケトロラクの分解が始まる。
【0031】
30mg又はそれ以上の濃度のケトロラク溶液とB複合体とを併用する場合、その溶液は、沈殿物形成へとつながる濁りによって証明される、明らかな物理的不安定性を示す。上記事情により、単純にケトロラクとB複合体とを組み合わせることは不可能となり、これによって適当な安定特性を提供する非経口投与のための体系を研究開発することが必要となっている。
【0032】
それゆえ、本特許出願の医薬組成物の開発の間において、少量のケトロラクを用いることで明らかな分解が予測されてから、酸性pHでのB複合体との併用において酸性pHが有効であることから、いくつかの技術的な問題が、安定で安全な組成物を得るために解決された。しかしながら、本発明の医薬組成物において、この組成物に対して適当な緩衝剤でB複合体の酸性pHを中和することは、安定な均質組成物を得ることを可能にする。
【0033】
ケトロラク併用及びB複合体の安定性を達成することは、医薬組成物の臨界点に関係する。そのような安定性は、pH調整によってケトロラクを最高水準にまで強力にすることで成し遂げられ、その状態でケトロラクは、非経口用途に許容される緩衝液が用いられることにより、その物理化学的特性が不変のまま維持されている。
【0034】
前述事項に基づくと、NSAID及びB複合体の相互間で、安全で効果的な安定組成物を得ることは、重要な技術的挑戦に相当する。
【0035】
本発明の医薬組成物は、ケトロラク−B複合体溶液の安定性維持を成し遂げ、通常使用量の30mg/mlに代えて、それより少ない15mg/mlのケトロラク量が用いられてなる。強調すべき重要なことは、B複合体との併用において、通常の30mgのケトロラク投与で得られる効果と同等の治療相乗効果が得られることから、この少ない使用量がケトロラクの治療効果を減少させない点である。
【0036】
当該医薬組成物のさらなる他の利点は、組成物がより小さい容量の溶液を投与に用いるという点にあり、NSAID及びB複合体でなる、市場で流通している現存の医薬に用いられるものに関係しているという点にある。よって、本発明の組成物の投与される全容量は、現在用いられる通常の容量の3分の1になる。上記事項の実益は、医薬が筋肉投与された場合の患者に起こる疼痛を減少させることである。
【0037】
緩徐静脈投与の場合において、患者の反応の常時監視が必要な際、本発明の医薬組成物は、光に暴露されたときでさえ物理化学的に安定であることが証明されていることから、緩徐投与を可能とする。
【0038】
その優れた溶液処方及び物理化学的安定性の結果、本発明組成物は、静脈投与され得るところ、事前に、例えば0.9%塩化ナトリウム生理食塩水、5%ブドウ糖溶液、ハルトマン液などの生理溶液に溶解される。
【0039】
本発明に関する他の利点は、a)鎮痛作用及び抗炎症作用を減少させることのない、標準的な望ましい量よりも少ないケトロラク量の使用;b)医師が処方する5日又はそれ以上の処置;を可能にする点にある。これは、当該併用の相乗治療作用によって成される。
【0040】
上記事項は、2日後に筋肉投与において組織壊疽が起こり得ることから、ジクロフェナク−B複合体処方を用いることでは不可能である。
【0041】
本医薬組成物のさらなる利点は、オピオイド鎮痛剤によって引き起こされる、耐性、不安神経症、禁断症状、呼吸器障害などの副作用を発生させないことにある。
【0042】
本発明は、ケトロラクの塩、B複合体、及び薬理的に許容される添加剤の治療上効果のある量でなる医薬組成物に関する。
【0043】
処方
<試験例1:非経口処方>
本試験例は、注射用のケトロラクの塩、B複合体、緩衝液、担体、及び水の治療上効果のある量でなる注射用の医薬組成物を開示し、該組成物は、pH3.5〜5.5を示す。
【0044】
医薬組成物は、2つの非経口溶液ユニットでなる。
a)ケトロラク塩、水、及び薬理的に許容される添加剤の治療上効果のある量を備えた第1のユニット:溶液のpHは7.5〜9.5。
b)B複合体、薬理的に許容される添加剤、及び水の治療上効果のある量を備えた注射用の第2のユニット:溶液のpHは2.5〜4.5。
【0045】
述べるべき重要点は、第1及び第2のユニットが混合されて溶液での組成物を形成して、該組成物が投与において物理化学的に安定であることである。
本発明のいくつかを下記に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
ユニット1調製
次の情報は、本発明の好ましい実施形態である。
ユニット1の処方は次の通りである。
【0049】
【表3】

【0050】
ユニット1の処方の調製方法は次の通りである。
1.処方の成分を秤量する。
2.バッチサイズの容器を予め用意しておき、注射用蒸留水の40%を加える。
3.撹拌を開始し、続いて徐々にケトロラクを加える。
4.次に、緩衝添加剤を加える。述べるべき重要点は、緩衝剤が、溶液の安定性を維持する、非経口投与のための無水第二リン酸ナトリウム、ホウ酸塩溶液、又は他の薬理的に許容される緩衝剤であることである。
5.継続的に撹拌を続けながら注射用蒸留水の30%を加える。
6.無水クエン酸を加え、これが完全に溶解するまで撹拌する。
7.共存溶媒を加え、混合物が均一になるまで撹拌する。述べるべき重要点は、共存溶媒が、エチルアルコール又は非経口投与のための薬理的に許容される他の溶媒であることである。
8.注射用蒸留水を加えることで、溶液を全容積の95%にする。
9.pHを調べ、必要に応じて1.0N水酸化ナトリウム溶液を加えてpH7.5〜9.5の範囲に調節する。
10.薬局方に記載されている詳細に従って分析を行う。
11.産物が得られた時点で、0.22ミクロン多孔性膜で溶液をろ過する。
12.得られた溶液で1.0mlの容積までユニットを満たす。
【0051】
ユニット2調製
次の情報は、本発明の好ましい実施形態である。
ユニット2の処方は次の通りである。
【0052】
【表4】

【0053】
【表5】

【0054】
a及びbの2つの調合薬のための、ユニット2の処方の調製方法は次の通りである。
1.処方の成分を秤量する。
2.500mL容器にプロピレングリコールを加える。
3.撹拌し、完全に溶解するまで継続的に撹拌を続けながら徐々に防腐剤を加える。述べるべき重要点は、好ましい防腐剤がプロピルパラベン及びメチルパラベンであることである。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者によって選ばれる防腐剤が用いられ得る。
4.2500mLの2つ目の容器に1000mlの水を加え撹拌する。
5.1.0Mの水酸化ナトリウム溶液を加え、撹拌して混合物に取り込ませる。
6.方法5で得られた混合物にエデト酸2ナトリウムを加え、全て溶解するまで強く撹拌する。
7.方法3で得られた混合物は、連続撹拌しながら方法5で得られたものに取り込まれる。
8.方法7の混合物にビタミンを加え、全て溶解するまで撹拌する。
9.注射用蒸留水で溶液を全容量の95%にする。
10.pHを調べ、必要に応じて1.0N水酸化ナトリウム溶液でpHを2.5〜4.5の範囲に調整する。
11.注射用蒸留水で混合物を全容量にする。
12.産物が得られた時点で、0.22ミクロン多孔性膜で溶液をろ過する。
13.得られた溶液を1.0ml容積のユニットに無菌充填で充填する。
14.ユニットをそれぞれの箱の中へ置く。
15.製品をサンプルとして取り出し、最終製品として分析する。
【0055】
<試験例2.経口処方>
【0056】
【表6】

【0057】
次の処方は、本発明の好ましい実施形態である。
【0058】
【表7】

【0059】
言及されるべき点は、次の添加剤が上記処方で記載されたものの代用となり得ることである。
【0060】
微結晶性セルロースは、ラクトース及び当業者によって適宜選ばれる同等の添加剤で代用され得る。
【0061】
コーンスターチは、米、芋などの他の種類のデンプンで代用され得る。
【0062】
ステアリン酸マグネシウムは、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、又は当業者によって適宜選ばれる同等の添加剤で代用され得る。
【0063】
ポリビニルピロリドンは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び当業者によって適宜選ばれる同等の添加剤で代用され得る。
【0064】
オパドライは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラスタクリア、又は当業者によって適宜選ばれる同等の添加剤で代用され得る。
【0065】
経口組成物の調製方法は以下の通りである。
1.処方の成分を秤量する。
2.次のアビセル、アエロジル、デンプン、糖、ケトロラク、チアミン、及びピリドキシンをこの順で混合し、プラスチックバッグに約5分間置く。ステアリン酸マグネシウムを加え、3分程度以上混合する。
3.方法2で得られた産物を30メッシュに通す。
4.クエン酸、EDTA、PVP、及びシアノコバラミンを水に溶かす。
5.球状体(不活性芯体)をグラット社GPCG1.1装置に加える。
6.方法3で得られた粉体混合物を粉体秤量分配機(グラット社GPCG装置)に入れる。
7.流動化のための電流を流し、回転板を回転し続け、方法4で用意した液体を散布すると同時に方法6からの粉体を加える。非同期モードでフィルター振動機を用いる。
8.気流及び装置を停止する。フィルターを振動させてフィルターに付着された全粉体を処理物質にかける。
9.球状体を覆う粉体付着工程を再開し、回転板及び液体散布を使いながらフィルターから分離された材料を取り込んでいく。
10.フィルターを振動させている時の粉体の落下がなくなるまで方法9及び10を繰り返す。
11.オパドライの12%水分散体を用意する。
12.オパドライ分散体を回転工程に適用する。
13.球状体をNo.12メッシュに通し、球状体に付着していない微細粉を取り除く。
【0066】
<試験例3:薬理的に許容される生理溶液に関する組成物の実現可能性評価研究>
薬理的に許容される生理溶液との併用におけるケトロラク/B複合体医薬組成物の適合性試験を行った。
【0067】
用いた溶液は、5%デキストロース、ハルトマン液、及び0.9%塩化ナトリウム溶液とした。ケトロラクユニット及びB複合体ユニットを100mLの各生理溶液で混合し、ケトロラク濃度及びBビタミン複合体濃度、及びそれらのpHも異なる時間(0、3、4、6、8、24時間)で測定した。結果は、産物が前記生理溶液中では安定であるということ、即ち、ケトロラク及びB複合体の濃度が90%〜110%の仕様範囲内であることを示した。溶液は4.3±0.5のpHを有し、各時間点で用いられた各溶液において安定性を示した。
【0068】
<試験例4:前臨床試験1>
方法論:それぞれ8匹のラットの5群で取り組んだ。
【0069】
ラット足蹠における熱刺激モデルによって抗侵害受容作用を評価した。
【0070】
使用物質:生理食塩水、侵害受容作用(疼痛)を引き起こすカラゲニン、ケトロラク、リボフラビン、及びB複合体(ビタミンB1、B6及びB12)。
【0071】
用量反応曲線を得るため、0.32、1、1.8、3.2、10mg/kgの重量が経口で投与されるように各群はケトロラク量を受けた。抗侵害受容作用は、6時間で測定された。
【0072】
潜時曲線を時間の関数としてグラフにプロットした(ラットが疼痛を避けるためにその足蹠を動かすまでにラットが要した時間)。
【0073】
生理食塩水は、陰性対照溶液として用い(基準の規定)、また、感作効果(炎症)を引き起こすカラゲニンを用いた。
【0074】
ケトロラク、B1、B6及びB12が100:100:1の比(各々)であるB複合体、リボフラビン、ケトロラクとB複合体との併用物、及び、ケトロラクとリボフラビンとの併用物の抗侵害受容作用を調べた。
【0075】
リボフラビン(単独)、ケトロラク(単独)、B複合体(単独)、ケトロラク及びリボフラビンの併用物、及び、ケトロラク及びB複合体の併用物が投与された。
【0076】
結果:
単独又は併用における投与薬の用量反応曲線から得られたED25値を用いて、ケトロラク及びB複合体の相互作用(有効量)を評価するためにアイソボログラムを作成した。理論上の相加効果及び得られた実験点の間における統計上の差異をスチューデントのt検定によって評価した。
【0077】
等浸透圧の食塩水溶液及びカラゲニンの投与の後、潜時がかなり減少したことから、カラゲニンを受けたラットにおいて引き起こされた重大な感作が明確に観察された。
【0078】
図は、検査される患者に投与された薬剤の挙動を図解している。
図1,図2,及び図3は、(それぞれ)ケトロラク、B複合体及びリボフラビンの用量反応曲線を示す。前述の結果において、どの場合でも用量依存的反応があったことが認識できる。
【0079】
詳しくは、図1は、ラット足蹠における熱刺激モデルによるケトロラクの用量反応曲線を示す。作用は、時間関数(Y軸)としての潜時曲線下面積として表現され、X軸は、mg/kgにおけるケトロラク量を示す。
【0080】
詳しくは、図2は、ラット足蹠における熱刺激モデルによるB複合体(ビタミンB1,B6及びB12の100:100:1比)の用量反応曲線を示す。作用は、時間関数(Y軸)としての潜時曲線下面積として表現され、X軸は、mg/kgにおけるB複合体量を示す。
【0081】
詳しくは、図3は、ラット足蹠における熱刺激モデルによるリボフラビンの用量反応曲線を示す。作用は、時間関数(Y軸)としての潜時曲線下面積として表現され、X軸は、mg/kgにおけるリボフラビン量を示す。各棒線は、8動物の平均±標準誤差に対応する。
【0082】
ケトロラク及びB複合体の併用物を試験する場合、用量依存効果が観察され、この併用物は、生理食塩水溶液(カラゲニンを受けていないラット)の水準に達し、重大で驚くべき抗侵害受容作用、即ち、疼痛軽減における重大な効果を示す(図4参照)。一方、リボフラビンと併用されたケトロラクの投与も用量依存効果を引き起こした。
【0083】
詳しくは、図4は、ラット足蹠における熱刺激モデルによるB複合体(ビタミンB1,B6及びB12の100:100:1比)と併用されたケトロラクの用量反応曲線を示す。作用は、時間関数(Y軸)としての潜時曲線下面積として表現され、X軸は、mg/kgにおけるケトロラク−B複合体量を示す。
【0084】
詳しくは、図5は、ラット足蹠における熱刺激モデルによるリボフラビンと併用されたケトロラクの用量反応曲線を示す。作用は、時間関数(Y軸)としての潜時曲線下面積として表現され、X軸は、mg/kgにおけるケトロラク−リボフラビン量を示す。
【0085】
結論:
上述した事項に基づき、本研究の目的である抗侵害受容作用が、ケトロラク、B複合体、リボフラビン、ケトロラク−B複合体の併用物、ケトロラク−リボフラビン併用物で確認される。
【0086】
ケトロラクとB複合体ビタミンとを複合、及び、ケトロラクとリボフラビンとを複合する場合、両方の場合において付加的な相互作用が観察された。
【0087】
しかしながら、ケトロラクとB複合体との併用に関しては、必要量における半量の減少があった。これが意味することは、統計的ではないにしても、周知量のケトロラクで得られる同等の抗侵害受容作用を引き起こすために、より少量のケトロラク及びビタミンが必要とされることがかなり明確であるということである。
【0088】
副作用を引き起こす可能性の低減につながる抗侵害受容作用が及ぼされることから、本研究からは、ケトロラク及びB複合体の併用物の投与が必要量を大幅に減少させるということも導き出され得る。
【0089】
<試験例5:前臨床試験2>
それぞれ8匹のラットの5群で取り組んだ。抗侵害受容作用をホルマリン試験(1% 50μl)によって評価した。ラットをアクリル材製の観察箱に入れる。注射された足蹠における揺すり回数に基づいて侵害行動を評価した。
【0090】
使用物質:生理食塩水、(侵害受容作用を引き起こす)ホルマリン、ケトロラク、リボフラビン、及びB複合体(ビタミンB1、B6及びB12)。
【0091】
用量反応曲線を得るため、各群は、0.32〜10mg/kgのケトロラク量、6.25〜100mg/kgのリボフラビン、56〜316mg/kgのB複合体、ケトロラク−B複合体の併用物、及びケトロラク−リボフラビン併用物の投与を受けた。
【0092】
抗侵害受容作用は60分間で測定した。ホルマリンで誘起された侵害行動は、2相の行動を示す。0〜10分の急性又は初期段階、及び、15〜60分の強直段階である。
【0093】
時間に対する揺すり回数を得るための曲線が描かれ、台形法を用いて第2段階での濃度曲線下面積(AUC)が得られた。
【0094】
各組成物の用量反応曲線を最大限効果のパーセンテージとして得た。
【0095】
ケトロラク、B1,B6,及びB12の(それぞれ)100:100:1比のB複合体、リボフラビン、ケトロラク−B複合体の併用物、及びケトロラク−リボフラビン併用物の抗侵害受容作用を評価した。
【0096】
結果はスチューデントのt検定によって統計的に処理され、有効量の統計的付加量より小さい有効数字(p<0.05)を相乗相互作用の指標としてみなした。
【0097】
生理食塩水を陰性対照溶液(基準)として用いた。
【0098】
投与:リボフラビン(単独)、ケトロラク(単独)、B複合体(単独)、ケトロラク及びリボフラビンの併用物、及び、ケトロラク及びB複合体の併用物。
【0099】
結果:
ホルマリンの投与は、侵害受容作用を引き起こした。
【0100】
図6において、投与されたケトロラク、リボフラビン、及びB複合体の抗侵害受容作用が認められる。用量反応曲線が示され、用量依存的反応があることが認識される。作用は、時間関数としての潜時曲線下面積として表現され、棒線は少なくとも8動物の平均±標準誤差(SEM)であり、*は、テューキー法での一元配置分散分析によって(p<0.005)決定された対照群に対する有意水準を意味する。この検定は、対照に対する各群の平均値間の違いをそれぞれの信頼区間とあわせて得ることを可能とする。
【0101】
B複合体の投与に伴って、用量依存的な揺すり回数の減少が第2段階において観察され、最大効果29%(ED25 238.3±33.0mg/kg)に達した。また、リボフラビン(6.25〜100mg/kg)及びケトロラク(0.32〜10mg/kg)の投与は用量依存的に揺すり回数を減らし、リボフラビンで最大効果33%(ED25 39.8±7.1mg/kg)、ケトロラクで最大効果36%(ED25 2.1±0.5mg/kg)に達した。
【0102】
図7において、ケトロラク及びリボフラビン、またケトロラク及びB複合体の投与に関わる抗侵害受容作用の評価が示されている。ケトロラク及びリボフラビンビタミンと同様、ケトロラク及びB複合体の併用投与は、ホルマリン試験の第2段階において用量依存的な抗侵害受容作用を示した。
【0103】
図8において、アイソボログラムが、ケトロラク及びリボフラビン併用の相加効果だけでなく、ケトロラク及びB複合体の併用の相乗相互作用を示している。ケトロラク及びB複合体の併用は、アイソボログラムにおいて驚くべき相乗相互作用を示す一方、ケトロラク及びリボフラビン併用は、相加効果を示している。
【0104】
水平及び垂直な棒線は、SEMを示し、X軸とY軸とをつなぐ線は、理論上の相加効果の線を表す。線(T)の中央の点は、両薬剤のED25から推定した理論上の相加点を表す。理論上の相加効果を表す線の下方の点(E)は、実験上の点であり、ケトロラク−リボフラビン相加特性、及びケトロラク−B複合体併用の相乗特性を示すものである。
【0105】
ケトロラク及びB複合体併用の推定理論値は、ED25実験上の値よりはるかに高かった。ケトロラク及びリボフラビンの併用においては、理論上の値に対して統計上の差はなかった。
【0106】
結論:
使用された薬物は、抗侵害受容作用を示す。
【0107】
ケトロラク、リボフラビン、及びB複合体が炎症性疼痛を低減できることが実証された。
【0108】
ケトロラク及びB複合体の併用が相乗相互作用を示し、その効果が単独で投与された各薬物の効果の合計より大きく、一方ケトロラク−リボフラビン併用が最も一般的に観察される効果である相加効果(効果が単独で投与された薬物の効果の合計と同等)を示すことがアイソボログラムにおいて予想外にも認識できる。
【0109】
<試験例6:臨床試験>
病状悪化がなく処方成分に対するアレルギー歴がない、術後経過が正常な10人の帝王切開後の患者により評価がなされた。
【0110】
ケトロラク(15mg)、及び、B複合体(ビタミンB1が100mg、ビタミンB6が100mg、及びビタミンB12が5mg)の量が患者に筋肉内投与された。
【0111】
10人の患者は、30分後に疼痛に対して改善を示し、手術室から病院の一般病棟へ移動することができ、組成物によって患者において起こる局部的な刺激性反応がなかった。
【0112】
臨床試験の結果は、当該組成物で成された相乗効果の存在を明らかなものとしている。
【0113】
本発明におけるどの当業者も本願に記載されていない変更を行うことができる。しかしながら、仮にそのような変更が次の請求項に記載された対象物から必要とされるのであれば、その組成物は本発明の目的の範囲内となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、ケトロラクの抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図2】図2は、B複合体の抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図3】図3は、リボフラビンの抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図4】図4は、ケトロラク及びB複合体併用の抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図5】図5は、ケトロラク及びリボフラビン併用の抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図6】図6は、ケトロラク、リボフラビン及びB複合体を投与時の抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図7】図7は、ケトロラク及びリボフラビン、及び、ケトロラク及びB複合体を投与時の抗侵害受容作用効果の評価を示している。
【図8】図8は、ケトロラク及びリボフラビン併用の相加効果の他に、ケトロラク及びB複合体併用の相乗相互作用を示しているアイソボログラムを表示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
B複合体及びケトロラク塩を2mg〜30mg含み、異なる身体部位における中等度から高度の疼痛及び神経痛を処置する併用医薬。
【請求項2】
B複合体がビタミンB1(チアミン塩酸塩又は一硝酸塩)及び/又はビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又はビタミンB12(シアノコバラミン)を含んでいることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項3】
B複合体が15mg〜250mgのビタミンB1(チアミン塩酸塩又は一硝酸塩)及び/又は15mg〜250mgのビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又は0.1mg〜10mgのビタミンB12(シアノコバラミン)を含んでいることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項4】
B複合体を含み、ケトロラク塩が2mg〜30mgのケトロラクトロメタミンを含んでいることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項5】
非経口投与のために処方されていることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項6】
経口投与のために処方されていることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項7】
薬理的に許容される添加剤及び/又は賦形剤を含んでいることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項8】
点滴製剤における、100mgのビタミンB1(チアミン塩酸塩)及び/又は100mgのビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又は1〜5mgのビタミンB12(シアノコバラミン)を含むB複合体と15mgのケトロラクトロメタミンとの投与物であることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。
【請求項9】
ビタミンB1(チアミン塩酸塩)及び/又はビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又はビタミンB12(シアノコバラミン)を含むことを特徴とする、ケトロラクトロメタミン及びB複合体の併用に基づく注射剤のための医薬組成物。
【請求項10】
注射剤中に0.25%〜3.0%のケトロラクトロメタミンを含み、非経口投与のための薬理的に許容される添加剤で構成されていることを特徴とする請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
0.25%〜15%のビタミンB1(チアミン塩酸塩)及び/又は0.25%〜15%のビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又は0.2%〜2%のビタミンB12(シアノコバラミン)を含有し、非経口投与のための薬理的に許容される添加剤で構成されているB複合体注射剤を含んでいることを特徴とする請求項9記載の医薬組成物。
【請求項12】
ケトロラクトロメタミンがpH7.5〜9.5の注射剤に存在していることを特徴とする請求項10記載の医薬組成物。
【請求項13】
注射剤が、パラベン及び非経口処方のために許可されている他の防腐剤からなる群より選ばれた防腐剤を含んでいる請求項11記載の医薬組成物。
【請求項14】
注射剤が、パラベン及び非経口処方のために許容される他の防腐剤からなる群、好ましくはプロピルパラベン、及びメチルパラベンからなる群より選ばれた防腐剤を含んでいる請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
注射剤が、エチルアルコール又は非経口処方のために許容される他の共存溶媒を含み得る請求項10記載の医薬組成物。
【請求項16】
B複合体がpH2.5〜4.5の注射剤に存在していることを特徴とする請求項8記載の医薬組成物。
【請求項17】
注射剤が、薬理的に許容される非経口投与のためのpH緩衝剤を含んでいることを特徴とする請求項16記載の医薬組成物。
【請求項18】
非経口投与に適した請求項9記載の医薬組成物。
【請求項19】
非経口投与のための、及び、筋肉内投与に適した請求項18記載の医薬組成物。
【請求項20】
非経口投与のための、及び、薬理的に許容される生理溶液で希釈され静脈内投与に適した請求項9記載の医薬組成物。
【請求項21】
0.2〜6%のケトロラクトロメタミン、及び、2.5〜60%のビタミンB1(チアミン塩酸塩又はチアミン一硝酸塩)及び/又は2.5〜60%のビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又は0.5〜1.2%のビタミンB12(シアノコバラミン)を含有するB複合体を含み、薬理的に許容される添加剤で構成されていることを特徴とする、ケトロラクトロメタミン及びB複合体の併用に基づく経口投与のための医薬組成物。
【請求項22】
ケトロラクトロメタミン、緩衝剤、及び共存溶媒を水相に溶解させることを特徴とする注射剤のための医薬組成物の製造方法。
【請求項23】
ケトロラクトロメタミン、緩衝剤、共存溶媒を当該順序で好ましくは水相に加える請求項22記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項24】
水と緩衝剤とを含む水相、及び、共存溶媒と防腐剤とを含む第2相の両相を混合し得られた相にB複合体を加えるという、2相を混合することを特徴とするB複合体注射剤の製造方法。
【請求項25】
パラベン類及び注射剤で許容される他の防腐剤からなる群より選ばれた防腐剤、共存溶媒、緩衝液、及びエデト酸二ナトリウムなど安定剤を含んでいることを特徴とするB複合体に基づく注射剤のための、医薬組成物の製造方法。
【請求項26】
ケトロラクトロメタミン溶液が7.5〜9.5のpHを有し、B複合体注射剤のpHを2.5〜4.5の範囲に安定化させることを特徴とするケトロラクトロメタミン及びB複合体の併用に基づく注射剤のための医薬組成物の製造方法。
【請求項27】
異なる身体部位における中等度から高度の疼痛及び神経痛を処置するために、ケトロラクトロメタミン溶液及びB複合体溶液を同時に投与するケトロラクトロメタミン及びB複合体に基づく併用医薬の使用。
【請求項28】
中等度から高度の疼痛を処置すべくケトロラク及びB複合体の組成物を製造するための請求項1記載の併用医薬の使用。
【請求項29】
異なる身体部位における神経痛を処置すべくケトロラク及びB複合体の組成物を製造するための請求項1記載の併用医薬の使用。
【請求項30】
2〜30mgのケトロラクトロメタミン、15mg〜250mgのビタミンB1、15〜250mgのビタミンB6、及び0.5mg〜10mgのビタミンB12が併用物に存在し、異なる身体部位における中等度から高度の神経痛、及び疼痛を処置すべくケトロラク及びB複合体の組成物を製造するための請求項1記載の併用医薬の使用。
【請求項31】
異なる身体部位における中等度から高度の疼痛及び神経痛を処置すべく、5mgのケトロラクトロメタミン、50mgのビタミンB1、50mgのビタミンB6、及び1mgのビタミンB12が好ましい、ケトロラク及びB複合体の組成物を製造するための請求項1記載の併用医薬の使用。
【請求項32】
異なる身体部位における中等度から高度の疼痛及び神経痛を処置すべく、15mgのケトロラクトロメタミン、100mgのビタミンB1、100mgのビタミンB6、及び5mgのビタミンB12が好ましい、ケトロラク及びB複合体の組成物を製造するための請求項1記載の併用医薬の使用。
【請求項33】
B複合体が、ビタミンB1(チアミン塩酸塩又は一硝酸塩)及び/又はビタミンB2(リボフラビン)及び/又はビタミンB3(ナイアシン)及び/又はビタミンB6(塩酸ピリドキシン)及び/又はビタミンB8(ビオチン)及び/又はビタミンB12(シアノコバラミン)及び/又はビタミンB15(パンガミン酸又はDIEDI)を含んでいることを特徴とする請求項1記載の併用医薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−533413(P2009−533413A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504843(P2009−504843)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【国際出願番号】PCT/IB2007/000907
【国際公開番号】WO2007/116287
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(508306989)
【Fターム(参考)】