説明

長尺材の取出装置

【課題】綾となって絡まり合っている長尺材であっても確実に1本ずつ取り出すことができる長尺材の取出装置を提供する。
【解決手段】本発明の長尺材の取出装置10は、所定本数の長尺材Bを並列させた状態で載置可能な載置手段11と、前記載置手段11に載置された長尺材Bが並列方向の移動するのを規制する規制手段34と、前記載置手段11から長尺材Bを1本ずつ取り出す取出手段13と、を備える。載置手段11は、載置した各長尺材を自転させる載置台32を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば長尺材の本数を計数する前段階として、複数本の長尺材群の中から、各長尺材を一本ずつ取り出すための長尺材の取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄筋棒鋼等の長尺材は、圧延成形した長尺の素材を所定本数ずつ所定の長さに切断することにより製造され、この切断によって得られた長尺材は、製造ラインの最終段階で規定本数の束として結束されている。従来は、この規定本数の束をメーカーから出荷し、需要者側で規定本数のなかから必要な本数を使用し、余剰材が発生した場合は、これを在庫として需要者側で保管することが通例として行われていた。しかしながら、近年は、上記在庫を不要とするべく、需要者側から規定本数の束でなく必要本数の束(明細束)が要求され、メーカー側で必要本数の束を作成せざるを得ない状況となっている。必要本数の束を作成するには、製品倉庫等において規定本数の大束を解束し、人手によって一本ずつ計数しながら仕分ける作業が必要であり、非常に多くの労力と時間を要する。
【0003】
一方、長尺材の製造ラインにおいては、規定本数の束を作成するために長尺材を1本ずつ取り出して計数する計数装置が用いられており(例えば、特許文献1参照)、この装置を明細束の作成にも流用することが考えられる。しかしながら、明細束を作成する場合、規定本数の束を解束したあとの長尺材を扱う必要があり、この長尺材は綾となって互いに絡まり合っていることが多いため、明細束の作成を自動化するには、長尺材の絡まりを解く機能が要求される。したがって、かかる機能を十分に備えていない上記計数装置を明細束の作成に用いることは最適とは言い難い。
【0004】
【特許文献1】特開平9−12142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、綾となって絡まり合っている長尺材であっても確実に1本ずつ取り出すことができ、その後の計数作業や明細束の作成を正確ならしめる長尺材の取出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の長尺材の取出装置は、所定本数の長尺材を並列させた状態で載置可能な載置手段と、前記載置手段に載置された長尺材が並列方向に移動するのを規制する規制手段と、前記載置手段から前記長尺材を1本ずつ取り出す取出手段と、を備え、
前記載置手段が、載置した所定本数の長尺材を自転させる載置台を備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、載置台上で各長尺材が互いに絡み合っている場合、各長尺材を自転させることによってその絡み合いを解くことができ、載置台上で長尺材を適切に整列させることができる。そのため、取出手段によって確実に載置台から長尺材を1本ずつ取り出すことができ、その後の計数を正確に行うことができる。
【0008】
前記載置台は、前記長尺材の並列方向に移動可能に構成されていることが好ましい。これによって、載置台上で各長尺材を簡単且つ適切に自転させることができる。
また、前記載置台は、前記長尺材の並列方向に走行するとともに支持体により下方から支持される帯状部材により構成されていることが好ましい。この構成によって、載置台を簡単な構造で移動可能に構成することができる。
【0009】
本発明の取出装置は、多数本の長尺材を保持する保持部を有し、且つ、この保持部から前記載置台へ長尺材を供給する供給手段を更に備えていることが好ましい。
この場合、前記供給手段は、長手方向の一端部側が固定された帯状部材と、この帯状部材の一端部から所定の間隔をあけて配置され、当該一端部よりも低位置において前記帯状部材の中途部を下方から支持する支持体と、前記帯状部材の他端部側を一方向に引っ張ることによって前記帯状部材の一端部と前記支持体との間で前記帯状部材を傾斜状に緊張させ、一方向に引っ張った前記帯状部材の他端部側を他方向へ戻すことによって前記帯状部材の一端部と前記支持体との間で前記帯状部材を弛ませる作動部材と、を備えており、前記保持部が、前記帯状部材の一端部と前記支持体との間における前記帯状部材によって構成され、前記載置台が、前記帯状部材の前記支持体上に支持された部分によって構成されていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、作動部材によって帯状部材の引っ張りを戻すことにより、帯状部材の一端(固定端)と支持体との間で帯状部材を弛ませ、その弛んだ部分に長尺材を保持することができ、作動部材によって帯状部材を引っ張ることにより、帯状部材の固定端と支持体との間で帯状部材を傾斜状に緊張させ、保持していた長尺材を支持体上の載置台へと供給することができる。また、帯状部材を引っ張ったり戻したりすることによって、帯状部材(載置台)が支持体上を長手方向に走行するため、当該帯状部材上の各長尺材を自転させることができる。したがって、載置台上で各長尺材を自転させる構成を簡単な構造で実現することができる。
【0011】
前記作動部材は、例えば、前記帯状部材の他端部側の巻き取りと巻き出しとを行う回転輪体によって構成されていることが好ましい。これによれば、回転輪体を回転させることによって帯状部材を引っ張ったり戻したりすることができる。そのため、例えば、帯状部材を流体圧シリンダの伸縮によって引っ張ったり戻したりする場合に比べて、帯状部材の操作のために広いスペースを必要とせず、取出装置の小型化が可能となる。
【0012】
前記載置台は、長尺材の並列方向の一方側が低位となるように傾斜して配置され、前記規制手段は、前記載置台の低位側において、前記長尺材を当て止めするストッパ部材を備えていることが好ましい。この構成によれば、長尺材の並列方向の一方側のみをストッパ部材により当て止めすることによって長尺材の移動を簡単な構造で規制することができる。
【0013】
この場合、前記ストッパ部材が、長尺材の並列方向に位置調整可能に設けられていることが好ましい。これにより長尺材の径に応じて載置台のスペースを調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、綾となって絡まり合っている長尺材であっても確実に1本ずつ取り出すことができる。したがって、その後の計数作業や明細束の作成を正確に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の一実施の形態に係る長尺材の取出装置10の側面図、図2は、図1のA−A矢視図である。
取出装置10は、多数本の長尺材Bを搬送方向(前後方向)Xに搬送するとともに、各長尺材Bを1本ずつ取り出して計数するものである。この取出装置10は、搬送方向Xに直交する方向(左右方向)に向けて配置された所定本数の長尺材Bを載置可能な載置手段11と、多数本の長尺材Bを保持可能で、保持した長尺材Bを載置手段11に供給可能な供給手段12と、載置手段11に載置された長尺材Bを1本ずつ取り出す取出手段13と、取り出された長尺材Bを計数する計数手段14と、を備えている。これらの各手段は装置フレーム15に支持されている。図2に示すように、載置手段11、供給手段12、及び取出手段13は、左右方向に間隔をあけて複数設けられている。なお、本実施の形態の取出装置10は、長尺材Bとして直径約13mm〜19mm程度、長さ約6m〜12m程度の断面円形の鉄筋棒鋼又は丸棒鋼等を扱うものとしている。
【0016】
図1に示すように、供給手段12は、ベルト18(帯状部材)を備えている。このベルト18は、搬送方向Xの上流側の端部が装置フレーム15の支柱(固定部材)19の上部に固定され、下流側の端部が巻取ローラ(回転輪体;作動部材)20に連結されている。ベルト18の中途部は、第1,第2支持ローラ(支持体)21,22の上部に巻掛けられている。
第1支持ローラ21及び第2支持ローラ22は、装置フレーム15に回転自在に支持されており、ベルト18の固定端(支柱19の上部)よりも低位置に配置されている。また、第1支持ローラ21の上端は、第2支持ローラ22の上端よりも高位置に配置されている。
【0017】
巻取ローラ20は、第1,第2支持ローラ21,22よりも低位置に配置されている。巻取ローラ20は、図2に示すように、正逆回転可能な巻取駆動モータ(巻取駆動部)25によって回転駆動され、ベルト18の巻き取りと巻き出しとを行う。巻取駆動モータ25は、巻取ローラ20の中心軸26に減速装置27を介して接続されている。中心軸26は、左右方向に複数の供給手段12に亘って設けられており、各供給手段12の巻取ローラ20は、1つの共通の巻取駆動モータ25によって回転駆動される。
【0018】
ベルト18は巻取ローラ20によって巻き取られると、図1に2点鎖線で示すように支柱19の上部と第1支持ローラ21との間で、搬送方向Xの下流側が低位となるように傾斜した状態で緊張する。また、ベルト18は巻取ローラ20から巻き出されると、図1に実線で示すように、支柱19の上部と第1支持ローラ21との間でU字状に弛んだ状態となる。
【0019】
本実施の形態では、支柱19の上部と第1支持ローラ21との間のベルト18が多数本の長尺材Bを保持可能な保持部29を構成している。長尺材Bは、ベルト18が弛んだ状態でベルト18のU字状の底部で保持され、ベルト18が緊張した状態で、上方へ持ち上げられると共にベルト18の傾斜に沿って搬送方向Xへ転がされる。
なお、ベルト18の固定端の近傍にはベルトコンベア30が設けられており、このベルトコンベア30によって搬送された長尺材Bが保持部29へ供給される。
【0020】
載置手段11は、載置台32を備え、載置台32は、第1,第2支持ローラ21,22間に巻き掛けられたベルト18の一部により構成されている。第2支持ローラ22の上端は第1支持ローラ21の上端よりも低位置に配置されているため、第1支持ローラ21と第2支持ローラ22との間の載置台32は、搬送方向Xの下流側が低位となるように傾斜している。また、載置台32は、所定本数の長尺材B、例えば、3本の長尺材Bを並列させた状態で載せることができる搬送方向長さ(前後スペース)を有している。載置台32に載置された長尺材Bは、規制手段34によって前後方向の移動が規制されている。
【0021】
図3は、規制手段の側面図である。規制手段34は、載置台32の搬送方向X下流側に配置されたストッパ部材から構成されている。ストッパ部材34は、上部側が搬送方向Xの下流側に位置するように傾斜した当て止め部34Aと、この当て止め部34Aの下端部に設けられた取付部34Bとを備えている。当て止め部34Aは、載置台32上の搬送方向Xの最下流側の長尺材Bに当接し、3本の長尺材Bが載置台32の傾斜に沿って転がらないように当て止めしている。
【0022】
取付部34Bには、前後方向に延びる長孔37が形成され、この長孔37に挿通されたボルトを装置フレーム15に螺合することによって、長孔37の長さの範囲でストッパ部材34が装置フレーム15に前後位置調整自在に取り付けられている。ストッパ部材34を前後に位置調整することによって、載置台32の前後スペースを変更することができる。
【0023】
図4は、取出手段13の側面図である。取出手段13は、装置フレーム15に固定された搬送フレーム40と、この搬送フレーム40に支持された巻掛搬送部41とを備えている。巻掛搬送部41は、上スプロケット42及び下スプロケット43と、上下スプロケット42,43に巻掛けられたチェーン44と、このチェーン44に取り付けられた複数の係合爪45とを備え、上部側が搬送方向X下流側に位置するように傾斜して配置されている。上スプロケット42は駆動軸42Aに固定され、この駆動軸42Aは、図2に示すように、減速機46を介して巻掛駆動モータ47に接続されている。巻掛駆動モータ47を作動すると巻掛搬送部41が駆動され、係合爪45が図4の矢印a方向に移動する。特に、搬送方向X上流側の係合爪45は上昇する。
【0024】
図3に示すように、巻掛搬送部41の傾斜角度は、ストッパ部材34の当て止め部34Aの傾斜角度と同じであり、両者は平行に配置されている。また、係合爪45は、ストッパ部材34の当て止め部34Aから搬送方向X上流側へ突出しており、その突出量は長尺材Bの径と同じかやや小さく、1本の長尺材Bを係合爪45上に載せて搬送することができる寸法に設定されている。そして、巻掛搬送部41が駆動されると、載置台32上の長尺材Bのうち、搬送方向X下流側の1本が係合爪45で引っ掛けられ、上方へ持ち上げられる。なお、ストッパ部材34からの係合爪45の突出量は、ストッパ部材34を前後に位置調整することによって長尺材Bの径に応じて変更することができる。
【0025】
図1に示すように、係合爪45によって持ち上げられた長尺材Bは、巻掛搬送部41の上端において搬送フレーム40上縁のガイド部51に受け渡され、このガイド部51からベルトコンベア52に移される。このベルトコンベア52に載せられた長尺材B(棒鋼群)は図示しない結束装置へ送られ、明細束として結束される。
【0026】
巻掛駆動モータ47(図2参照)はセンサ53の検出結果に基づいて作動するように図示しない制御部により制御される。このセンサ53は、例えば、載置台32上に載置された長尺材Bがストッパ部材34に当接しているときに、当該長尺材Bを検出するように構成され、巻掛駆動モータ47は、載置台32上の長尺材Bをセンサ53によって検出したときに作動し、長尺材Bを検出しなかったときに停止するよう制御される。
【0027】
図1に示すように、取出手段13は、係合爪45に正常に引っ掛けることができなかった長尺材Bを強制的に係合爪45から離脱させる強制離脱部55を備えている。この強制離脱部55は、搬送フレーム40に取り付けられた駆動シリンダ56と、この駆動シリンダ56によって前後に移動する押出部材57とを備えている。
この強制離脱部55は、例えば、図2に2点鎖線で示すように、一本の長尺材Bが、ある係合爪45に引っ掛けられているが他の係合爪45には引っ掛けられず、傾いた状態で持ち上げられている場合などに駆動シリンダ56を作動し、押出部材57を後方へ突出(図1に2点鎖線で示す)させ、係合爪45に引っ掛けられている長尺材Bを載置台32又は保持部29へ向けて付き落とすように構成されている。
【0028】
駆動シリンダ56は、センサ58の検出結果に基づいて作動するように図示しない制御部によって制御される。このセンサ58は、例えば、載置台32よりも上方において長尺材Bを長さ方向の複数箇所で検出するように複数設けられ、長尺材B全体が係合爪45上に載置されている場合は全てのセンサ58が同時にオンとなり、長尺材Bの一部が係合爪45上に載置されていない場合はいずれかのセンサ58がオフとなるように配置される。そして、駆動シリンダ56は、後者の場合に作動し、押出部材57を後方に突出させるように制御される。
【0029】
計数手段14は、巻掛搬送部41による搬送中や、ベルトコンベア52による搬送中に、長尺材Bの通過を検出するセンサを含み、このセンサ14が長尺材Bの通過を検出した回数を図示しない制御部において累積することによって長尺材Bの本数を計数する。この計数結果が必要本数に達すると、その長尺材Bが結束装置(図示略)へ送られ、明細束として結束される。
【0030】
図5及び図6は、本実施の形態の取出装置10の動作を流れを示す側面説明図である。以下、図5及び図6を参照して取出装置10の動作について説明する。
規定本数の束とされた長尺材Bは、ベルトコンベア30上又はその前段階で解束され、図5(a)に示すように、ベルトコンベア30によって取出装置10へ向けて搬送される。ベルトコンベア30から供給手段12の保持部29へ数十本の長尺材Bが供給されると、ベルトコンベア30が一時停止し、待機状態となる。
【0031】
次に、図5(b)に示すように、巻取ローラ20が矢印方向に回転駆動され、ベルト18が巻き取られる。これにより、ベルト18で保持された多数本の長尺材Bは持ち上げられ、ベルト18の傾斜によって載置台32へ向けて転がされる。続けて、図6(a)に示すように、巻取ローラ20が逆方向に回転駆動され、ベルト18が巻出される。これにより、載置台32には3本の長尺材Bが載置され、残りの長尺材Bは載置台32からはみ出て下方へ落とされ、再び保持部29において保持される。
【0032】
図5(b)から図6(a)への動作の流れで、ベルト18は第1,第2支持ローラ21,22上を長手方向に走行(移動)する。この際、図7に示すように、載置台32を構成するベルト18は矢印b方向に移動するため、載置台32上の各長尺材Bは矢印c方向に自転することになる。このように各長尺材Bが自転すると、所定本数の長尺材Bの上に余分な長尺材B’が載っている場合には、その長尺材B’を振り落とすことができる。また、載置台32上の各長尺材Bが絡み合っている場合には、その絡み合いを解くことができ、互いに平行に整列するように姿勢を改善することができる。
【0033】
図6(b)に示すように、載置台32上に長尺材Bが載置されると巻掛搬送部41が駆動され、係合爪45によって搬送方向X下流側の長尺材Bを引っ掛けて持ち上げる。この際、長尺材Bの一部が係合爪45に引っ掛からなかったり、別の長尺材Bが引きずられて持ち上げられたりした場合には、強制離脱部55が作動することによって、長尺材Bを係合爪45から突き落とす。これにより、長尺材Bの取出ミスを防止することができる。
【0034】
取出手段13によって1本ずつ取り出された長尺材Bは、計数手段14によって計数され、ベルトコンベア52によって後工程(結束工程)へ搬送される。
以上の動作を繰り返し行い、保持部29上の長尺材Bが少なくなった場合又は無くなった場合は、ベルトコンベア30を再度作動させて数十本の長尺材Bを保持部29に供給する。
【0035】
本実施の形態の取出装置10は、供給手段12を構成するベルト18が載置手段11の載置台32を兼ねており、供給手段12を構成する巻取ローラ20や巻取駆動モータ25が載置台32を移動させるための手段(各長尺材Bを自転させるための手段)を兼ねている。これによって、部品点数の減少及び構造の簡素化が可能となり、取出装置10の製造コストを低減することができる。
規制手段のストッパ部材34は、長尺材Bの径に合わせて位置調整可能であるため、本実施の形態の取出装置10を用いて複数種の長尺材Bを取り扱うことが可能となる。
【0036】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。上記実施の形態では、載置手段11の載置台32として供給手段12のベルト18を利用しているが、ベルト18とは別の載置台(例えば、別のベルト)により構成することができる。この場合、載置台32を単独で移動させることによって載置台32上の長尺材Bを自転させることができる。また、載置台32は、長尺材Bの並列方向に並ぶ複数の回転ローラによって構成することも可能である。載置台32上に載置することができる長尺材Bの本数は、3本とするに限らず、1本又は2本であってもよく、4本以上であってもよい。
【0037】
上記実施の形態では、載置台32が、第1,第2支持ローラ21,22によって下方から支持されたベルト18の一部により構成されているが、載置台32の前後スペースを確保できるならば、第2支持ローラ22を省略し、第1支持ローラ21によって支持された部分のみで載置台32を構成することも可能である。
また、第1,第2支持ローラ21,22に変えて、前後方向の長さを有する支持板を用い、この支持板によって下方から支持されるベルト18の一部を載置台32とすることもできる。
【0038】
上記実施の形態では、ベルト18を第1,第2支持ローラ21,22上で走行させるために、巻取ローラ20によってベルト18を巻き取ったり、巻き出したりしているが、この巻取ローラ20に代えて流体圧シリンダをベルト18の端部に連結し、この流体圧シリンダを伸縮させることによって、ベルトを引っ張ったり戻したりすることも可能である。
【0039】
上記実施の形態では、供給手段12のベルト18が、多数本の長尺材Bを保持する保持部29としての機能と、保持部29から載置台32へ長尺材Bを供給する供給部としての機能とを備えているが、保持部29で保持された長尺材Bを別の装置により載置台32へ供給する構成とすることも可能である。
【0040】
上記実施の形態において、ベルト及びローラで構成したものはチェーン及びスプロケットに置換することができ、チェーン及びスプロケットで構成したものはベルト及びローラに置換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態である長尺材の取出装置の側面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1の取出装置における規制手段の構成を示す側面図である。
【図4】図1の取出装置における取出手段の構成を示す側面図である。
【図5】図1の取出装置における動作の流れを示す側面図である。
【図6】図1の取出装置における動作の流れを示す側面図である。
【図7】図1の取出装置における載置台の構成を拡大して示す側面説明図である。
【符号の説明】
【0042】
10 取出装置
11 載置手段
12 供給手段
13 取出手段
18 ベルト(帯状部材)
20 巻取ローラ(回転輪体;作動部材)
21 第1支持ローラ(支持体)
22 第2支持ローラ(支持体)
29 保持部
32 載置台
34 ストッパ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定本数の長尺材を並列させた状態で載置可能な載置手段と、
前記載置手段に載置された長尺材が並列方向に移動するのを規制する規制手段と、
前記載置手段から前記長尺材を1本ずつ取り出す取出手段と、を備え、
前記載置手段が、載置した所定本数の長尺材を自転させる載置台を備えていることを特徴とする長尺材の取出装置。
【請求項2】
前記載置台が、前記長尺材の並列方向に移動可能に構成されている請求項1に記載の長尺材の取出装置。
【請求項3】
前記載置台が、前記長尺材の並列方向に走行するとともに支持体によって下方から支持された帯状部材により構成されている請求項2に記載の長尺材の取出装置。
【請求項4】
多数本の長尺材を保持する保持部を有し、且つ、この保持部から前記載置台へ長尺材を供給する供給手段を更に備えており、
前記供給手段が、
長手方向の一端部側が固定された帯状部材と、
この帯状部材の一端部から所定の間隔をあけて配置され、当該一端部よりも低位置において前記帯状部材の中途部を下方から支持する支持体と、
前記帯状部材の他端部側を一方向に引っ張ることによって前記帯状部材の一端部と前記支持体との間で前記帯状部材を傾斜状に緊張させ、一方向に引っ張った前記帯状部材の他端部側を他方向へ戻すことによって前記帯状部材の一端部と前記支持体との間で前記帯状部材を弛ませる作動部材と、を備えており、
前記保持部が、前記帯状部材の一端部と前記支持体との間における前記帯状部材によって構成され、
前記載置台が、前記帯状部材の前記支持体上に支持された部分によって構成されている請求項1に記載の長尺材の取出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−190834(P2009−190834A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32723(P2008−32723)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(391029624)滝川工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】