説明

閉塞ロッド

プラスチック材容器を成型するための機械の射出ノズル閉塞ロッド(4)であって、これには、同じロッドの駆動空気圧ピストンを形成している各部材が、機械の稼働中に前記ピストンにかかる大きなストレスによって分解するのを適切に防ぐことが可能なロックシステムが設けられている。したがって、本発明にしたがうロッドは、ピストンが拘束されることを防ぎ、また同じようにロッドが固定されることを防ぎ、これによって、成型機械のメンテナンス作業が減少し、よって押し出し量が増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックからなる容器を成型するための機械の射出ノズル閉塞ロッド(plugging rod)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、ノズル閉塞ロッドが設けられた成型機械において幾つかの射出システムが検討されている。
【0003】
そういったシステムには、対応する閉塞ロッドが一体的に固定されている複動式空気圧ピストンが設けられている。駆動空気圧ピストンが設けられている目的は、閉塞ロッド又は簡単なシャッタといった手段によって、ノズル内部にある溶融プラスチック材料が通るための通路を開いたり閉じたりするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第00/74920号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の射出システムが有する課題の1つとして、一般的に複数のスクリューを備えた空気圧ピストン固定装置の故障に起因するメンテナンス作業を行うために、機械を止める必要があるという問題が存在する。
【0006】
実際、ほとんどの場合において、空気圧ピストンを形成している複数の部材、一般的にはピストン本体及び底部、を結合するスクリューが外れたり破損したりする。そのため緊急のメンテナンス作業が必要となり、その間製造はストップする。
【0007】
さらに、徐々に限界まで押し出しする射出プロセスを備えた現代的な射出成型機械によってもたらされた押し出し量の増加は、射出金型にますます大きなストレスを加える原因となっており、したがって、空気圧ピストン−ロッドにおいて上述した問題がより発生しやすくなっている。
【0008】
これらの不利な点を防ぐ射出システムの一例が、特許文献1に記載されている。
【0009】
したがって、上述の問題を克服することが可能な閉塞ロッドが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主目的は、空気圧ピストンを形成する各部材に稼働中著しい負荷がかかるのを適切に防ぐことができる固定システムが設けられた、成型機械の射出ノズル閉塞ロッドを提供することである。
【0011】
本発明にしたがうロッドのさらなる目的は、ピストンが拘束されるのを防ぐことであり、これはまた同様に閉塞ロッドに対しても言えることであり、これによって、成型機械のメンテナンス作業を減らし、押し出し量を増加させる。
【0012】
したがって、本発明は、請求項1にしたがう駆動ピストンに端部の1つが設けられた、プラスチック材容器を成型するための機械に使用される射出ノズル閉塞ロッドを作ることで上記の目的を達成するのであり、前記駆動ピストンは、実質的に円筒形の体部と、前記体部に一体的にねじ止められたロックスクリューと、そのスクリューが完全にねじ止められたときにロックスクリューと体部を固定することができるように前記ロックスクリューを外側からねじ止めるリングナットと、を有している。
【0013】
そのようなロッドには、アンチスクリュー(anti−screwing)機能を備えたナット/ロックナット型の固定システムを有するという利点がある。
【0014】
有利なことに、前記固定システムは、その単純な構造のために、射出成型機械の動作中においてピストンを形成する各部材がばらばらになるという問題に対して、低コストで効果を発揮することができる。
【0015】
従属請求項には、本発明の好ましい実施形態が記載されている。
【0016】
本発明のさらなる特徴及び利点は、付属の図面を参照しながら、閉塞ロッドの好ましく及び限定的ではない実施形態に関する、詳細ではあるが排他的ではない記載においてより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にしたがう閉塞ロッドの長手方向における断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
プラスチック材容器を製造するための成型機械において一般的に使用される射出システムは、以下の要素からなっている:
−溶融プラスチック材料が通るための熱された通路を備えた射出ノズル;
−前記ノズルの閉塞ロッド又は簡単なシェルター;
−対応する駆動チャンバ又はシリンダの内部に配置された、前記ロッドを適切に操作できる複動式空気圧ピストン;
−シャッターのためのガイド部として働くスラスト軸受。
【0019】
図1には、本発明にしたがう閉塞ロッドの有利な実施形態が示されている。
【0020】
上記の閉塞ロッド4はその端部が駆動空気圧ピストンに設けられており、その空気圧ピストンは以下の要素からなっている:
−実質的に円筒形の体部1、
−ロックスクリュー2、
−リングナット3。
【0021】
有利なことに、ピストンの体部1又は上部に一体的にねじ止められているロックスクリュー2は、ピストン内部においてシャッタ4を保持している。
【0022】
シャッタ4はロックスクリュー2とピストンの体部1との間に締め付けられている。有利なことに、ワッシャ5はシャッタ4の基部7と体部1の間に挿入されてよい。
【0023】
外側からロックスクリュー2上に填められたリングナット3は、そのロックスクリューを固定しており、これによってピストン全体が組立っている。したがって、リングナット3はピストンの下方部分にある(図1)。
【0024】
例えばOリングといったガスケット又はシール部材6が、リングナット3とピストンの体部1との間に挿入されている。
【0025】
ロッド−ピストン組立金型は、以下の工程より製造される:
−ピストンの体部1の内部にロッド4を挿入する工程、可能ならばロッド4の基部7と前記体部の間にワッシャ5を設ける、
−体部1にロックスクリュー2をねじ止めることによってロッド4をきつく締める工程;
−ロックスクリュー2上にリングナット3をねじ止める工程。
【0026】
したがって、ロッド−ピストン組立金型及びそれと対応する固定は、信頼性があると同時にかなり単純である。
【0027】
図1では、長手軸Xにおけるリングナット3の範囲は、一度リングナットがスクリュー2にねじ止められたら、スクリューの端部表面10が同じリングナットの端部表面9を越えるような範囲にされている。
【0028】
一方、別様態(不図示)では、リングナット3の長手方向の範囲が、スクリューの端部表面10がリングナットの端部表面を越えないような長さにされている。
【0029】
スクリュー2の端部表面10には、アレンレンチ(allen wrench)を挿入するための区画8が設けられていてもよい。
【0030】
有利なことに、本発明にしたがうアンチスクリュー機能を備えた上述の装置では、メンテナンス作業が減り、したがって、金型機械の押し出し量が増加する。
【符号の説明】
【0031】
1 円筒形の体部
2 ロックスクリュー
3 リングナット
4 閉塞ロッド(シャッタ)
5 ワッシャ
6 ガスケット又はシール部材
7 閉塞ロッド(シャッタ)の基部
8 レンチのための区画
9 リングナットの端部表面
10 スクリューの端部表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材容器を成型するための機械の射出ノズル閉塞ロッド(4)であって、
前記閉塞ロッドの端部の1つは駆動ピストンに設けられており、
前記駆動ピストンは、実質的に円筒形の体部(1)と、前記体部(1)に一体的にねじ止められたロックスクリュー(2)と、スクリューが完全にねじ止められているときにロックスクリューと体部を固定するように前記ロックスクリュー(2)上に外側からねじ止められるリングナット(3)と、からなることを特徴とする閉塞ロッド。
【請求項2】
前記ロッド(4)は、ロックスクリュー(2)と体部(1)の間できつく締められていることを特徴とする請求項1に記載の閉塞ロッド。
【請求項3】
ピストンの体部(1)と閉塞ロッド(4)の基部(7)の間にワッシャ(5)が挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の閉塞ロッド。
【請求項4】
リングナット(3)と体部(1)の間にシール部材(6)が設けられていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の閉塞ロッド。
【請求項5】
前記シール部材はOリング(6)であることを特徴とする請求項4に記載の閉塞ロッド。

【図1】
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【公表番号】特表2010−504229(P2010−504229A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528712(P2009−528712)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059880
【国際公開番号】WO2008/034839
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(503308405)エス.アイ.ピー.エイ.ソシエタ’インダストリアリザッジオーネ プロゲッタジオーネ エ オートマジオーネ ソシエタ ペル アチオニ (15)
【Fターム(参考)】