説明

開箱装置

【課題】開口用吸引具14における箱材Aの胴部長手側に沿った吸引領域の寸法を短い状態にしても、開口させることができる箱材Aの胴部Bの長手側の寸法を従来に比べて長くできるようにする。
【解決手段】偏平に折り畳まれて起立した状態で積み込んだ複数枚の箱材Aを押し出すホッパー装置2と、開口用吸引具14が進退自在に設けられ、ホッパー装置2に積み込まれた最前列の箱材Aの胴部Bの手前一方側Baを開口用吸引具14で吸引しつつ手前へ引き出して箱材Aを開口する引出し装置13を備えた開箱装置であり、揺動自在な折曲用吸引具22が進退自在に設けられ、最前列の箱材Aの胴部Bの手前一方側Baに接続するフラップDaを吸引しつつ手前へ揺動する折曲用吸引具22でフラップを折り曲げ、この折り曲げ状態のまま折曲用吸引具22を開口用吸引具14と共に手前へ移動する折曲げ装置15を備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏平に折り畳まれて起立複数枚の箱材を整列した起立箱材群から一枚づつ箱材を引き出して箱材を開口する開箱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開箱装置1は、図7(A)(B)に示す如く、ホッパー装置2及び引出し装置3を備えたものがある(特許文献1)。ホッパー装置2は、偏平に折り畳まれて起立した状態で積み込まれた複数枚の箱材Aを、手前側へ一枚寸法分づつ押し出すものである。引出し装置3は、進退自在な開口用吸引具4及び所定位置の開口案内具5を備え、ホッパー装置2に積み込まれた最前列の箱材Aの胴部Bの手前右側(長手側)Baを該吸引具4で吸引して手前へ引き出しつつ、開口案内具5に箱材Aの胴部Bの手前左側(短手側)Bbを案内させることで箱材Aを開口するようにしてある。
【特許文献1】特開平6−64072号公報
【0003】
ところで、箱材Aは、各種の梱包容量等に対処できるように、胴部Bの長手寸法L及び短手寸法Wの異なるものが色々と有る。開箱装置1は、胴部Bの寸法L,Wの異なる多種の箱材Aに対処するために、吸引具4に複数個の吸盤4a,4aを備えると共に、箱材Aの各長手寸法Lに応じて吸盤4a,4aの間の寸法Fを調節して、胴部Bの手前右側(長手側)Baの左右両側寄りを吸盤4a,4aで吸引して手前へ引き出すようにしている。吸盤4a,4aの間の寸法Fの調節は、扱う箱材Aの寸法Lが変化する毎に行う必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、扱う箱材Aの寸法Lが変化する毎に吸盤4a,4aの間の寸法Fの調節を行うことは煩わしく、忘れることもある。もし、この調節を忘れて吸盤4a,4aの間の寸法Fが短い寸法のまま、胴部Bの手前右側(長手側)Baの寸法Lが長い箱材Aに適用して、胴部Bの手前右側(長手側)Baの右側寄りを吸引して手前へ引き出したときには、図8に示す如く、手前右側(長手側)Baの途中が中折れGして、箱材Aの開口ができなくなることがある。逆に、吸盤4a,4aの間の寸法Fが長い寸法のまま、寸法Lが短い箱材Aに適用したときには、図示は省略したが、胴部Bの手前右側(長手側)Baと手前左側(短手側)Bbとに跨がって吸盤4a,4aが吸着して、箱材Aの開口ができなくなることがある。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するために、開口用吸引具における箱材の胴部の長手側に沿った吸引領域の寸法を短い状態にしても、開口させることができる箱材の胴部の長手側の寸法を従来に比べて長くできる開箱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開口用吸引具における箱材の胴部長手側に沿った吸引領域の寸法を短い状態にしても、開口させることができる箱材の胴部の長手側の寸法を従来に比べて長くできるようにするために請求項1記載の本発明が採用した手段は、偏平に折り畳まれて起立した状態で積み込んだ複数枚の箱材を押し出すホッパー装置と、開口用吸引具が進退自在に設けられ、ホッパー装置に積み込まれた最前列の箱材の胴部の手前一方側を該開口用吸引具で吸引しつつ手前へ引き出して箱材を開口する引出し装置を備えた開箱装置において、揺動自在な折曲用吸引具が進退自在に設けられ、前記最前列の箱材の胴部の手前一方側に接続するフラップを吸引しつつ手前へ揺動する折曲用吸引具でフラップを折り曲げ、この折り曲げ状態のまま折曲用吸引具を前記開口用吸引具と共に手前へ移動する折曲げ装置を備えたことを特徴とする開箱装置である。
本発明にあっては、最前列の箱材の胴部の手前一方側に接続するフラップを折曲げ装置の折曲用吸引具で吸引しつつ手前へ折り曲げることで、胴部及びフラップの境界に形成した折曲部の長手方向に沿って胴部を彎曲させようとする曲げに対して胴部の剛性が大きくなって曲がり難くなり、仮に、箱材の胴部の長手側に沿った吸引領域の寸法が短い状態の開口用吸引具で、箱材の胴部の手前一方側の一方寄りを吸引して手前へ引き出して該手前一方側に曲げ外力を作用させたとしても、フラップと共に曲げ剛性の大きくなった胴部の手前一方側は、中折れすることなく手前に引き出すことができる。
【0007】
コンパクトにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記引出し装置に前記折曲用吸引具を揺動自在に取り付けて両者を一体化した請求項1記載の開箱装置である。
本発明にあっては、引出し装置及び折曲用吸引具を一体化することで、両者を進退させる進退操作具を一つにまとめることができる。
【0008】
箱材を確実に開口させるために請求項3記載の本発明が採用した手段は、係止部が進退自在に設けられ、前記折曲用吸引具で折り曲げた前記フラップの背面側へ該係止部を前進させて、開口途中の箱材の後方他方側のフラップの移動を阻止すると共に、前記箱材の開口後に係止部を後退させる係止装置を備えた請求項1又は2記載の開箱装置である。
本発明にあっては、箱材の胴部の手前一方側を開口用吸引具で吸引して手前に引き出すとき、箱材の胴部の手前一方側より後側に位置する後方他方側のフラップは、手前へ移動しようとしても、係止装置の前進中の係止部で阻止される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の本発明に係る開箱装置は、箱材の胴部の長手側に沿った吸引領域の寸法が短い状態の開口用吸引具で、箱材の胴部の手前一方側の一方寄りを吸引して手前へ引き出しても、箱材の胴部の手前一方側を中折れさせることなく手前に引き出すことができるため、開口用吸引具における箱材の胴部の長手側に沿った吸引領域の寸法を短い状態にしても、開口させることができる箱材の胴部の長手側の寸法を従来に比べて長くできることになり、扱う箱材の寸法が変化する毎に吸盤の間の寸法の調節を行う頻度を少なく、または、調節を不要とすることができる。
【0010】
請求項2記載の本発明に係る開箱装置は、引出し装置及び折曲用吸引具を進退させる進退操作具を一つにまとめることで、装置全体をコンパクトにできる。
【0011】
請求項3記載の本発明に係る開箱装置は、箱材の胴部の手前一方側を開口用吸引具で吸引して手前に引き出すとき、箱材の胴部の後方他方側のフラップが手前へ移動しないため、箱材を確実に開口させて装置の稼働効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る開箱装置(以下、「本発明開箱装置」と言う。)を図1〜図6に示す実施形態に基づいて説明する。図1は箱材Aを開口させる以前の状態を示すものであり、図2は吸引中の折曲用吸引具22で箱材AのフラップDaを手前へ折り曲げた状態を示すものであり、図3は吸引中の開口用吸引具14で箱材Aを開口している途中の状態を示すものであり、図4は箱材Aを開口させた状態を示すものであり、図5は開口した箱材Aを更に手前側へ引き出している途中の状態示すものであり、更に、図6は開口した箱材Aを所定の手前位置まで引き出して、折曲用吸引具22の吸引を停止した状態示すものである。本実施の形態に係る本発明開箱装置10は、図1に示す如く、ホッパー装置2と、引出し装置13と、折曲げ装置15を備えている。箱材Aは、段ボール紙等で形成されたものが用いられる。
【0013】
前記ホッパー装置2は、従来と同様に、偏平に折り畳まれて起立した状態で積み込まれた複数枚の箱材Aを、手前側へ一枚分寸法づつ押し出すものであり、起立した状態で積み込まれた複数枚の箱材Aを受載する受載部16と、積み込まれた複数枚の箱材Aから最前列の箱材Aが引き出される度に、残り複数枚の箱材Aを一枚分寸法づつ手前側へ押し出す押出装置17と、最前列の箱材Aの胴部Bの左右両側縁を係止させて箱材Aが手前側へ転倒するのを阻止する係止具18とを備えている。係止具18は、最前列の箱材Aを引出し装置13で吸引して手前へ強制的に引き出すとき、箱材Aの胴部Bと係止爪18a,18bとの係止が外れる程度の寸法及び形状となっている。係止爪18a,18bは、箱材Aの胴部Bとの係止寸法Eを調節できるようにすることもある。一方(本例は左側)の係止爪18aは、箱材Aの左右寸法(長手寸法Lと短手寸法Wとの総和)の変更に応じて移動調整できるようになっている。なお、係止具18は、図示は省略したが、最前列の箱材Aの上側縁を係止させて箱材Aが手前側へ転倒するのを阻止するもであってもよい。
【0014】
前記引出し装置13は、前後方向へ進退自在な開口用吸引具14と、所定位置の開口案内具5を備え、ホッパー装置2に積み込まれた最前列の箱材Aの胴部Bの手前一方側(本例は、右側で開口した箱の長手側)Baを該吸引具4で吸引して手前へ引き出しつつ、開口案内具5に箱材Aの胴部Bの手前他方側(本例は、左側で開口した箱の短手側)Bbを案内させることで箱材Aを開口するようにしてある。開口案内具5は、箱材Aの左右寸法(長手寸法Lと短手寸法Wとの総和)の変更に応じて移動調整できるように、係止具18に接合してある。なお、後述する係止装置19を備えるときには、開口案内具5を省略することも可能である。
【0015】
前記引出し装置13の開口用吸引具14は、エアーシリンダ(図示略)等で前後方向(箱材Aへ向かって離接する方向)へ進退移動する進退操作具20に吸引箱21が取付けられ、吸引箱21の後側に開口する複数個(本例は4個)の吸盤28で箱材Aを吸引し、吸引した箱材Aの胴部Bの手前一方側Baを吸引箱21の後側面21aに当接させ、複数個の吸盤28の総吸引面積より広い保持面積を有する後側面21aで手前一方側Baを保持するようにしてある。開口用吸引具14は、吸盤28のみで吸引する場合に比べ、後側面21aの全体で箱材Aを確実に保持することができる。開口用吸引具14は、これら吸盤28が吸引状態と非吸引状態を繰り返すための制御具(図示略)が備えられている。本例の開口用吸引具14は、吸引箱21の左右幅寸法Kを、箱材Aの胴部Bの手前一方側の最大寸法の半分程度に設定し、吸引領域の左右寸法Kを固定して調節しないようになっている。なお、本発明開箱装置10は、本例の開口用吸引具14を用いずに、従来の開口用吸引具4(図7参照)を用いることも可能である。この場合には、開口用吸引具4は、吸盤4a,4aの間の寸法Fを、箱材Aの胴部Bの手前一方側Baの最大寸法の半分程度に固定しておくとよい。
【0016】
前記折曲げ装置15は、揺動自在な折曲用吸引具22と、折曲用吸引具22を前後方向へ進退移動させる進退操作具20とからなり、最前列の箱材Aの胴部Bの手前一方側Baに接続するフラップDaを吸引しつつ手前へ揺動する折曲用吸引具22でフラップDaを折り曲げ、この折り曲げ状態のまま折曲用吸引具22を前記開口用吸引具14と共に手前へ移動するようにしてある。折曲用吸引具22は、揺動自在に支持される揺動板23と、揺動板23を揺動させるエアーシリンダ等からなる揺動操作具24と、揺動板23に取付けた一個又は複数個の吸盤25と、吸盤25が吸引状態と非吸引状態を繰り返すための制御具(図示略)とを備えている。本例の折曲げ装置15は、前記引出し装置13の吸引箱21の下面側に折曲用吸引具22を揺動自在に取り付けて両者14,15を一体化し、前記開口用吸引具14を進退移動させる進退操作具20で折曲用吸引具15を進退させるようにして、両者14,15を進退させる進退操作具20を一つにまとめてある。なお、折曲用吸引具15は、進退操作具20と別個の進退操作具(図示略)で進退させ、前記開口用吸引具14の進退移動と連動せるように構成することも可能である。
【0017】
前記ホッパー装置2に積み込まれた最前列の箱材Aは、胴部Bの手前一方側Baに接続するフラップDaを折曲用吸引具15で吸引しつつ手前へ折り曲げることで、胴部Ba及びフラップDaの境界に形成した折曲部V(図2及び図3参照)の長手方向(左右方向)に沿って胴部Baを彎曲させようとする曲げに対して曲げ剛性を大きくして、胴部Ba及びフラップDaが曲がり難くなる。この結果、フラップDaと共に曲げ剛性の大きくなった胴部Bの手前一方側Baは、前記開口用吸引具14で吸引されて手前へ引き出されるときに曲げ外力が作用したとしても、中折れG(図8参照)することなく手前に引き出されることになる。
【0018】
本実施の形態に係る本発明開箱装置10は、図1に示す如く、エアーシリンダ等からなる係止装置19を備えている。係止装置19は、係止部19aが進退自在に設けられ、前記折曲用吸引具22で折り曲げられたフラップDaの背面側(後側)へ係止部19aを前進させて、開口途中の箱材Aの後方他方側(本例では後方左側)のフラップDcが手前側へ移動するのを阻止すると共に、箱材Aの開口後に係止部19aを後退(図7参照)させて待機状態となるようにしてある。係止装置19は、開口用吸引具14及び折曲用吸引具22の動作と連動して、係止部19aを進退させるように制御具(図示略)が設けられている。係止部19aを前進させるタイミングは、図2に示す如く、折曲用吸引具22でフラップDaを手前へ折り曲げた以後で且つ前記開口用吸引具14で胴部Bの手前一方側Baを手前へ引き出す以前である。また、係止部19aを後退せるタイミングは、図6に示す如く、前記開口用吸引具14で手前へ移動する開口した箱材Aの後方他方側フラップDcが係止部19aを乗り越えた以後である。箱材Aは、開口用吸引具14で胴部Bの手前一方側Baが手前へ引き出されるとき、後方他方側のフラップDcが手前へ引き出されようとしても前進中の係止部19aで阻止され、開口が確実且つ円滑に行われることになる。本発明開箱装置10は、係止装置19を備えるとき、開口案内具5を省略することが可能となり、装置全体を簡素化することができる。
【0019】
次に、本実施の形態に係る本発明開箱装置10の動作を箱材Aの開口操作の手順に基づいて説明する。先ず、図1に示す如く、ホッパー装置2の受載部16に、偏平に折り畳まれて起立した複数枚の箱材Aを積み込んで、最前列の箱材Aを係止具18に係止させると共に、最後列の箱材Aを押出装置17で押し出せる状態にする。次に、進退操作具20の操作で引出し装置13及び折曲げ装置15を箱材Aへ向かって移動させて、最前列の箱材Aを引き出せる位置に引出し装置13の開口用吸引具14を停止させると共に、最前列の箱材AのフラップDaを折り曲げできる位置に折曲げ装置15の折曲用吸引具22を停止させる。
【0020】
続けて、図2に示す如く、折曲げ装置15の折曲用吸引具22の吸盤25,25を吸引状態にしたまま、揺動操作具24の操作で揺動板23を手前側へ揺動させて、吸盤25,25で吸引している最前列の箱材Aの手前一方側のフラップDaを手前へ折り曲げ、箱材Aの胴部BaとフラップDaの境界に折曲部Vを形成する。更に続けて、係止装置19の係止部19aを前進させて、折り曲げられたフラップDaの背面側(後側)へ係止部19aを侵入させる。
【0021】
次に、図3及び図4に示す如く、引出し装置13の開口用吸引具14の吸盤28,28…及び折曲げ装置15の折曲用吸引具22の吸盤25,25を吸引状態にしたまま、進退操作具20の操作で引出し装置13及び折曲げ装置15を箱材Aから離反する手前方向へ向かって移動させ、開口用吸引具14の吸盤28,28…で吸引されて吸引箱21の後側面21aに保持されている最前列の箱材Aの胴部Bの手前一方側Ba及び折曲用吸引具22の吸盤25,25で吸引されている該箱材Aの手前一方側のフラップDaの各々を、手前側へ引き出して該箱材Aを開口させる。この引出し開口のとき、折り曲げられたフラップDaとで曲げ剛性の大きくなった胴部Bの手前一方側Baは、開口用吸引具14による吸引保持が一方寄りに偏した状態であったとしても、中折れG(図8参照)することなく手前へ引き出されることになる。この開口途中の箱材Aは、係止装置19の前進停止している係止部19aにフラップDcが当接して、フラップDcの手前側への移動が阻止され、開口が確実且つ円滑に行われることになる。
【0022】
最後に、図5及び図6に示す如く、開口状態の箱材Aを引出し装置13の開口用吸引具14の吸盤28,28…及び折曲げ装置15の折曲用吸引具22の吸盤25,25で吸引保持したまま更に手前へ前進させ、箱材Aの後方他方側フラップDcが係止部19aを乗り越えた後に箱材Aの前進を停止し、開口用吸引具14の吸盤28,28…及び折曲用吸引具22の吸盤25,25による吸引を停止して、引出し装置13及び折曲げ装置15から開口状態の箱材Aを分離して開口作業を終了する。分離した開口状態の箱材Aは、フラップ折り込んで封かんする次工程へ搬送される。なお、分離した開口状態の箱材Aは、長手方向の外フラップDa,Dcが外側へ若干折り曲がった状態が維持されるので、次工程において先に折り曲げられる内フラップDb,Ddが外フラップDa,Dcと干渉することなく円滑に折り曲げることができる。
【0023】
本発明開箱装置10は、図3に示す如く、箱材Aの胴部Bの長手側(本例は左右方向)に沿った吸引領域の寸法が短い状態の開口用吸引具14で、箱材Aの胴部Bの手前一方側Baの一方寄りを吸引して手前へ引き出しても、箱材Aの胴部Bの手前一方側Baを中折れさせることなく手前に引き出すことができるため、開口用吸引具14における箱材Aの胴部Bの長手側に沿った吸引領域の寸法を短い状態にしても、開口させることができる箱材Aの胴部Bの長手側の寸法を従来に比べて長くできることになり、扱う箱材Aの寸法が変化する毎に吸盤28,28の間の寸法の調節を行う頻度を少なく、または、調節を不要とすることができることになる。また、本発明開箱装置10は、開口用吸引具14及び折曲用吸引具22を進退させる進退操作具20を一つにまとめることで、装置全体をコンパクトにできる。更に、本発明開箱装置10は、図4に示す如く、箱材Aの胴部Bの手前一方側Baを開口用吸引具14で吸引して手前に引き出すとき、箱材Aの胴部Bの後方他方側のフラップDcが手前へ移動しないため、箱材Aを確実に開口させて装置の稼働効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明開箱装置の実施の形態において、箱材を開口させる以前の状態を示すものであり、(A)は本発明開箱装置の全体を示す斜視図、(B)は要部を拡大した右側面図である。
【図2】同実施の形態において、吸引中の折曲用吸引具で箱材のフラップを手前へ折り曲げた状態を示すものであり、(A)は本発明開箱装置の全体を示す斜視図、(B)は要部を拡大した右側面図である。
【図3】同実施の形態において、吸引中の開口用吸引具で箱材を開口している途中の状態を示すものであり、(A)は本発明開箱装置の全体を示す斜視図、(B)は要部を拡大した右側面図である。
【図4】同実施の形態において、箱材を開口させた状態を示すものであり、(A)は本発明開箱装置の全体を示す斜視図、(B)は要部を拡大した右側面図である。
【図5】同実施の形態において、開口した箱材を更に手前側へ引き出している途中の状態示す本発明開箱装置の要部を拡大した右側面図である。
【図6】同実施の形態において、開口した箱材を所定の手前位置まで引き出して、折曲用吸引具の吸引を停止した状態示す本発明開箱装置の要部を拡大した右側面図である。
【図7】従来の開箱装置の全体を示す斜視図であり、(A)は箱材を開口させる直前を示すものであり、(B)は箱材を開口している途中の状態を示すものである。
【図8】従来の開箱装置で中折れを起こした状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
10…本発明開箱装置、13…引出し装置、14…開口用吸引具、15…折曲げ装置、16…受載部、17…押出装置、18…係止具、18a…係止爪、18b…係止爪、19…係止装置、19a…係止部、20…進退操作具、21…吸引箱、21a…後側面、22…折曲用吸引具、23…揺動板、24…揺動操作具、25…吸盤、28…吸盤、A…箱材、B…胴部、Ba…手前一方側(長手側)、Bb…手前他方側(短手側)、Da…フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平に折り畳まれて起立した状態で積み込んだ複数枚の箱材を押し出すホッパー装置と、開口用吸引具が進退自在に設けられ、ホッパー装置に積み込まれた最前列の箱材の胴部の手前一方側を該開口用吸引具で吸引しつつ手前へ引き出して箱材を開口する引出し装置を備えた開箱装置において、揺動自在な折曲用吸引具が進退自在に設けられ、前記最前列の箱材の胴部の手前一方側に接続するフラップを吸引しつつ手前へ揺動する折曲用吸引具でフラップを折り曲げ、この折り曲げ状態のまま折曲用吸引具を前記開口用吸引具と共に手前へ移動する折曲げ装置を備えたことを特徴とする開箱装置。
【請求項2】
前記引出し装置に前記折曲用吸引具を揺動自在に取り付けて両者を一体化した請求項1記載の開箱装置。
【請求項3】
係止部が進退自在に設けられ、前記折曲用吸引具で折り曲げた前記フラップの背面側へ該係止部を前進させて、開口途中の箱材の後方他方側のフラップの移動を阻止すると共に、前記箱材の開口後に係止部を後退させる係止装置を備えた請求項1又は2記載の開箱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−193185(P2006−193185A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7453(P2005−7453)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(393010190)株式会社ユニテック (3)
【Fターム(参考)】