説明

開閉装置及びその制御方法

【課題】開閉装置のコストの低減化を図ることが可能な開閉装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る開閉装置は、開口部13を開閉する開閉体(シャッターカーテン4)を有した開閉構成部1Aと、前記開閉構成部1Aの前記開閉体の開閉を制御する制御盤1Bとを備えた開閉装置1において、前記制御盤1Bが前記開閉構成部1Aに対して着脱可能に構成された。また、開閉構成部1Aと電気的に接続された接続装置1Cを備え、接続装置1Cと制御盤1Bとが端子を介して着脱可能に構成されることによって、開閉構成部1Aと制御盤1Bとを着脱可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤を備えた開閉装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅、ビル、倉庫等の建物の出入り口等の開口部に設置される開閉装置としてのシャッター装置が知られており、シャッター装置は、シャッターカーテンの開閉を制御するための制御盤を装備している(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−140055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、シャッター装置がそれぞれ個別に制御盤を装備している。しかしながら、シャッターカーテンの開閉を行う頻度の少ないシャッター装置に個々に制御盤を装備させた構成では、個々のシャッター装置のコストアップとなる。
本発明は、開閉装置のコストの低減化を図ることが可能な開閉装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る開閉装置は、開口部を開閉する開閉体を有した開閉構成部と、前記開閉構成部の前記開閉体の開閉を制御する制御盤とを備えた開閉装置において、前記制御盤が前記開閉構成部に対して着脱可能に構成されたことを特徴とする。
本発明に係る開閉装置は、開閉構成部と、前記開閉構成部と電気的に接続された接続装置と、制御盤とを備え、前記開閉構成部は、開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体の開閉駆動手段と、前記開閉体の開閉動作を停止させる制動手段とを備え、前記制御盤は、操作スイッチと、前記操作スイッチが操作された場合に前記開閉駆動手段及び前記制動手段を制御するための制御信号を生成する制御部と、制御信号を出力するための出力信号接続端子と、前記開閉体及び開閉駆動手段に設けられた検出手段からの検出信号を入力するための入力信号接続端子とを備え、前記接続装置は、前記出力信号接続端子と接続される入力接続端子と、前記入力信号接続端子と接続される出力接続端子とを備え、前記制御盤の出力信号接続端子と前記接続装置の入力接続端子とが着脱可能に接続され、前記制御盤の入力信号接続端子と前記接続装置の出力接続端子とが着脱可能に接続されることによって、前記開閉構成部と前記制御盤とが着脱可能に構成されたことを特徴とする。
本発明に係る開閉装置の制御方法は、開口部を開閉する開閉体を有した開閉構成部と、前記開閉構成部の前記開閉体の開閉を制御する制御盤とを備えた開閉装置の制御方法において、前記制御盤を前記開閉構成部に対して着脱可能に構成し、着脱可能に構成された単一の制御盤を複数の開閉装置の開閉構成部に対して繋ぎ替えることによって、単一の制御盤を用いて複数の開閉装置を個々に制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る開閉装置によれば、開閉構成部に対して制御盤を着脱可能に構成したことで、個々の開閉装置にそれぞれ制御盤を装備させる必要がなくなるので、開閉装置のコストの低減化を図ることができる。
本発明に係る開閉装置によれば、開閉構成部に対して制御盤を着脱可能に構成したことで、個々の開閉装置にそれぞれ制御盤を装備させる必要がなくなるので、開閉装置のコストの低減化を図ることができるとともに、開閉構成部と電気的に接続された接続装置を備え、接続装置と制御盤とが端子を介して着脱可能に構成されたことで、開閉構成部と制御盤とが着脱可能に構成されたので、接続装置に対する制御盤の着脱作業を簡単に行えるようになる。
本発明に係る開閉装置の制御方法によれば、着脱可能に構成された単一の制御盤を複数の開閉装置の開閉構成部に対して繋ぎ替えることによって、単一の制御盤を用いて複数の開閉装置を個々に制御するので、個々の開閉装置にそれぞれ制御盤を装備させる必要がなくなり、開閉装置のコストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】シャッター装置の斜視図(実施形態1)。
【図2】シャッター装置の回路図(実施形態1)。
【図3】防災用のシャッター装置の構成図(実施形態2)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図1に示すように、開閉装置としてのシャッター装置1は、開閉構成部1Aと、制御装置としての制御盤1Bと、開閉構成部1Aと制御盤1Bとを接続するための接続装置1Cとを備える。
【0009】
開閉構成部1Aは、収容部としての開閉体収容ケース(以下、ケースと略す)2、開閉機構3、開閉体としてのシャッターカーテン4、ガイドレール5、検出手段とを備える。
【0010】
ケース2内に設けられる開閉機構3は、シャッターカーテン4を巻き取る巻取シャフト6と、巻取シャフト6の回転中心線6aを回転中心として当該巻取シャフト6を回転させる開閉駆動手段と、巻取シャフト6の回転を停止させてシャッターカーテン4の開閉動作を停止させる制動手段としてブレーキ8とを備える。
【0011】
開閉駆動手段は、巻取シャフト6を巻取方向及び繰出方向に回転させる駆動源としてのモーター9及びモーター9の回転力を巻取シャフト6に伝達する図外の歯車伝達機構のような動力伝達機構等により構成される。
【0012】
巻取シャフト6は、左右の両端がケース2の左右一対のブラケット2a;2a(左右の側板)に設けられた図外の軸受に回転可能に支持され、シャッターカーテン4を巻き取る方向、及び、シャッターカーテン4を繰り出す方向(巻き出す方向)に回転する。
【0013】
シャッターカーテン4は、スラット10と水切11と吊元12とを備え、例えば、スチール等の金属により形成される。
スラット10は、複数のスラット部材10aにより形成される。スラット部材10aは、巻取シャフト6の中心線6aに沿った方向に長い長尺部材により形成される。スラット10は、複数のスラット部材10aがスラット部材10aの長手方向(スラット部材10aの長辺に沿った方向)と直交する方向に連続するように、隣り合うスラット部材10a同士の長手方向の両端位置を揃えて長辺同士が図外の係合部によって互いに接続され、接続部分で折れ曲がり可能となった矩形板状に形成される。
【0014】
水切11がスラット10におけるスラット部材10aの長手方向と直交する方向の一端に位置されるスラット部材10aの長辺に連結され、吊元12がスラット10におけるスラット部材10aの長手方向と直交する方向の他端に位置されるスラット部材10aの長辺に連結される。
水切11は、巻取シャフト6の中心線6aに沿った方向に長い長尺部材により形成される。水切は、長手方向(水切11の長辺に沿った方向)と直交する断面形状が逆T字形状の長尺部材により形成され、下端に位置する断面逆T字の横辺に相当する部分が水平部11bとなる。水切11の長手方向の長さはスラット部材10aの長手方向の長さよりも短く、水切11の長手方向の中心位置とスラット部材10aの長手方向の中心位置とを揃えて水切11の逆T字の垂直部11aの長辺とスラット10の一端に位置されるスラット部材10aの長辺とが図外の係合部によって互いに接続される。
【0015】
吊元12は、スラット10の他端に位置されるスラット部材10aの長辺に沿って当該長辺に間欠的に設けられる連結板であり、後述するように建物の開口部13の上方に位置する躯体14に固定されたケース2におけるシャッターカーテン4の出口孔15を経由して巻取シャフト6に連結される。
【0016】
ケース2は、開閉機構3及びシャッターカーテン4を収容し、建物に形成された例えば矩形の開口部13の上方に位置する躯体14に固定される。
ガイドレール5;5は、開口部13を開閉するシャッターカーテン4の側端部4a;4a(左右の両端部)をガイドする部材であって、開口部13の矩形の中心を基準とした左右の方向(開口幅方向)に互いに離隔して開口部13の左端部;右端部にそれぞれ立設され、開口部13の上下方向に延長するガイド溝5a;5aを備える。シャッターカーテン4におけるスラット部材10aの長手方向の両端部であるシャッターカーテン4の左右の側端部4a;4aが、ガイドレール5;5の相対向するガイド溝5a;5aを介して、シャッターカーテン4の開閉方向である上下方向にガイドされることで、シャッターカーテン4が上下方向に移動して開口部13を開閉する。即ち、シャッター装置1のシャッターカーテン4が巻取部としての巻取シャフト6に巻き取られることで建物の開口部13が開通し、シャッターカーテン4が巻取シャフト6から繰り出される(巻き出される)ことで開口部13が閉鎖される。
【0017】
図2に示すように、検出手段は、障害物検出手段20、シャッターカーテン状態検出手段、モーター9の過熱を検出するサーマルプロテクタ21、シャッターカーテン4の開閉回数を検出するカウンタ22等である。
障害物検出手段20は、後述する水切の水平部に設けられる座板スイッチ23、座板スイッチ23のオンにより光を送信する送光部24、送光部24から送られてくる光を受信して制御盤1Bの中央制御装置40に障害検出信号を送信する受光部25とにより構成される。
シャッターカーテン状態検出手段は、上限リミットスイッチ26、下限リミットスイッチ27、エマーゼンシスイッチ28等である。上限リミットスイッチ26は、巻取シャフト6の回転数に基づいてシャッターカーテン4の全開状態を検出した場合に制御盤1Bの中央制御装置40に全開検出信号を送信するスイッチである。下限リミットスイッチ27は、巻取シャフト6の回転数に基づいてシャッターカーテン4の全閉状態を検出する場合に制御盤1Bの中央制御装置40に全閉検出信号を送信するスイッチである。エマーゼンシスイッチ28は、シャッターカーテン4が正常な全閉位置に達した後も動き続ける場合、又は、シャッターカーテン4が正常な全開位置に達した後も動き続ける場合に、モーター9を緊急停止させるための信号を制御盤1Bの中央制御装置40に送信するスイッチである。
即ち、後述するように、制御盤1Bと開閉構成部1Aとが接続装置1Cを介して電気的に接続された場合に、制御盤1Bの中央制御装置40は検出手段からの検出信号を入力して、開閉機構3を制御する。
【0018】
接続装置1Cは、入力接続端子としての電源ラインコネクタ30、出力接続端子としての送信ラインコネクタ31、ブレーカー(漏電遮断器)32、カウンタ22を備える。
一次側電源33と電源ラインコネクタ30のRSTコネクタとがブレーカー32を介して給電側送電線34により電気的に接続される。電源ラインコネクタ30のUVWコネクタとモーター9及びブレーキ8とが受電側送電線35により電気的に接続される。送信ラインコネクタ31と検出手段とが信号送信線36により電気的に接続される。
【0019】
制御盤1Bは、制御部としての中央制御装置(CPU)40と、オープン用電磁リレー41、クローズ用電磁リレー42、操作スイッチとしての操作ボタンスイッチ43、電源回路44、出力信号接続端子としての電源ラインコネクタ45、入力信号接続端子としての受信ラインコネクタ46を備える。
中央制御装置40及び電源回路44の直流出力端子47と受信ラインコネクタ46とが電気的に接続される。オープン用電磁リレー41及びクローズ用電磁リレー42のリレー接点及び電源回路44の交流入力端子48と電源ラインコネクタ45とが電気的に接続される。
操作ボタンスイッチ43の開閉信号が中央制御装置40に出力されるように操作ボタンスイッチ43と中央制御装置40とが電気的に接続される。中央制御装置40が操作ボタンスイッチ43からの開閉信号を判定してオープン用電磁リレー41及びクローズ用電磁リレー42のリレー接点を開閉する電磁石(オープンマグネット41a又はクローズマグネット42a)を制御するため、中央制御装置40とオープンマグネット41a、及び、中央制御装置40とクローズマグネット42aとが電気的に接続されている。
電源回路44は、接続装置1Cに接続された場合に、一次側電源33からの電力を整流して交流200V、直流24V,12V,5V等の電源を生成する。
【0020】
接続装置1Cの電源ラインコネクタ30と制御盤1Bの電源ラインコネクタ45とが電源接続コード50により接続される。電源接続コード50の一端には接続装置1Cの電源ラインコネクタ30に接続するための一端接続コネクタ51を備え、電源接続コード50の他端には制御盤1Bの電源ラインコネクタに接続するための他端接続コネクタ52を備える。
接続装置1Cの送信ラインコネクタ31と制御盤1Bの受信ラインコネクタとが信号接続コード53により接続される。信号接続コード53の一端には接続装置1Cの送信ラインコネクタ31に接続するための一端接続コネクタ54を備え、電源接続コード53の他端には制御盤1Bの受信ラインコネクタ46に接続するための他端接続コネクタ55を備える。
【0021】
接続装置1Cと制御盤1Bとが電源接続コード50及び信号接続コード53により接続されると、中央制御装置40がオープンマグネット41a又はクローズマグネット42aを制御して電磁リレー41;42のリレー接点の開閉を制御することにより、モーター9及びブレーキ8に対する電源回路44で生成された交流電源の供給及び遮断が行われる。また、電源回路44で生成された直流電源が、信号接続コード53、送信ラインコネクタ31を介して検出手段に供給される。
【0022】
以上のように、接続装置1Cと制御盤1Bとが電源接続コード50及び信号接続コード53より接続された状態において、操作者が、閉操作ボタンスイッチ43aをオンすれば、中央制御装置40がオープン用電磁リレー41のリレー接点を閉成し、これにより、モーター9が一方方向に回転して開口部13を閉じる方向にシャッターカーテン4を移動させる。操作者が開操作ボタンスイッチ43cをオンすれば、中央制御装置40がクローズ用電磁リレー42のリレー接点を閉成し、これにより、モーター9が一方方向とは逆方向に回転して開口部13を開く方向にシャッターカーテン4を移動させる。操作者が、停止操作ボタンスイッチ43bをオンすれば、中央制御装置40がオープン用電磁リレー41及びクローズ用電磁リレー42のリレー接点を開く。これにより、モーター9への電力供給が遮断されてシャッターカーテン4の開閉方向の動きが停止する。
【0023】
また、中央制御装置40は、障害物検出手段、シャッターカーテン状態検出手段、サーマルプロテクタ21からの信号を入力して、ブレーキ8を作動させたり、モーター9の回転方向、駆動、停止を制御したり、カウンタ22の情報を入力して図外の表示部に表示したりする。
【0024】
尚、図1に示すように、接続装置1Cは、例えば、開閉構成部1Aの近傍に位置する躯体14の壁に設置される。接続装置1Cは、躯体14の壁に形成した設置孔14a内に設置されるとともに、設置孔14aを塞ぐ蓋14bより電源ラインコネクタ30;送信ラインコネクタ31が外部に突出するように設けられる。
図2に示すように、開閉構成部1Aと接続装置1Cとにより躯体固定側装置1Dが構成される。即ち、シャッター装置1は、躯体固定側装置1Dと、携帯可能で接続装置1Cと着脱可能に構成された制御盤1Bとにより構成される。
【0025】
本発明の開閉装置1によれば、互いに分離された接続装置1Cと制御盤1Bと備え、接続装置1Cと制御盤1Bとを接続コード50;53で接続できるように構成した。即ち、シャッターカーテン4を開閉するときだけ制御盤1Bを接続装置1Cに繋げて開閉できるように構成されたので、個々の躯体固定側装置1Dにそれぞれ制御盤1Bを装備させる必要がなくなるので、シャッター装置1のコストの低減化を図ることができる。また、個々の躯体固定側装置1Dにそれぞれ制御盤1Bを装備させる必要がなくなることから、次のような効果が得られる。個々の躯体固定側装置1D同士を同じ回路構成とすることによって複数の開閉装置に対して制御盤1Bが躯体固定側装置1Dの数よりも少ない最低1つでも、この単一の制御盤1Bを複数の開閉装置の開閉構成部1Aに対して繋ぎ替えることによって、単一の制御盤1Bを用いて複数の開閉装置を個々に制御することができるようになる。個々の躯体固定側装置1Dは単一の制御盤1Bが制御可能な範囲であれば、異なっていても(モーター等の容量・性能の違い、オプション機能・回路の有無の違いなど)、同様に制御盤1Bを繋ぎ替えて使用できる。
また、制御盤1Bが開閉構成部1Aに接続されて固定された従来構成と比べて、制御盤1Bが携帯可能なので、制御盤1Bの設置スペースを不要とでき、制御盤1Bの修理も容易となり、また、制御盤1Bがいたずらされることも防止でき、防犯にも役立つ。
また、接続装置1Cの電源ラインコネクタ30;送信ラインコネクタ31が、蓋14bより外部に突出するように設けられているので、電源ラインコネクタ30;送信ラインコネクタ31に接続コード50;53の一端接続コネクタ51;54を容易に接続でき、接続装置1Cに対する制御盤1Bの着脱作業を簡単に行える。
尚、接続装置1Cの電源ラインコネクタ30;送信ラインコネクタ31は、防犯性を考慮するのであれば、施錠できる開閉蓋にて隠蔽する様にしてもよい。
【0026】
実施形態2
本発明を採用した開閉装置としての防災用のシャッター装置1を説明する。図3(a)は制御盤1Bと接続装置1Cとが接続されていない状態、図3(b)は制御盤1Bと接続装置1Cとが接続された状態を示す。
防災用のシャッター装置1の開閉構成部1Xでは、実施形態1の開閉構成部1Aの構成に加え、さらに、感知器60、連動中継器61、自動閉鎖装置62、増設リミットスイッチ63、非常閉鎖指示操作部64を備える。
接続装置1Cは、例えば、開閉構成部1Xの近傍に位置する躯体14の壁に設置された非常閉鎖指示操作部64の操作盤65の裏に設けられ、電源ラインコネクタ30及び送信ラインコネクタ31が操作盤65より外に突出するように固定されている。
尚、接続装置1Cの電源ラインコネクタ30;送信ラインコネクタ31は、防犯性を考慮するのであれば、施錠できる開閉蓋にて隠蔽する様にしてもよい。
【0027】
連動中継器61は、感知器60から信号(以下、防災信号という)を入力していない場合には、自動閉鎖装置62、増設リミットスイッチ63を作動させない。連動中継器61は、内蔵電池61aを備え、停電時において、内蔵電池61aの電力により作動する。
自動閉鎖装置62は、災害時においてブレーキ8を機械的に解除させる装置である。
即ち、ブレーキ8は、制御盤1Bからの停止指令を受けた連動中継器61によって電気的に制御されるとともに、防災信号を受けた連動中継器61によって機械的に制御される構成である。
増設リミットスイッチ63は、シャッターカーテン4の下端が全閉位置よりも少し上の位置(以下、基準位置という)に来たことを連動中継器61に知らせるスイッチである。
【0028】
防災用のシャッター装置1の災害時の動作を説明する。制御盤1Bが接続装置1Cに接続されているか否かに関係なく、例えば、火災等の災害時において、感知器60から防災信号が連動中継器61に入力された場合、連動中継器61は自動閉鎖装置62にブレーキ解除信号を出力する。これにより、自動閉鎖装置62がブレーキ8を機械的に解除するので、シャッターカーテン4が自重で降下する。
シャッターカーテン4が閉鎖動作しているとき、障害物に当たると、座板スイッチ23から連動中継器61に信号が入る。これにより、連動中継器61は自動閉鎖装置62にブレーキ作動信号を出力し、自動閉鎖装置62がブレーキ8を機械的に作動させるので、シャッターカーテン4の下降動作が一旦停止する。その後、連動中継器61は、障害物が取り除かれてから所定時間経過することを図外の内蔵タイマで計測し、所定時間経過したならば自動閉鎖装置62にブレーキ解除信号を出力するので、シャッターカーテン4は降下動作を再開する。
尚、シャッターカーテン4の下端が基準位置より上の位置にある場合に座板スイッチ23から信号があれば障害物感知を有効とし、シャッターカーテン4の下端が基準位置より下に位置していて座板スイッチ23から信号があれば障害物感知を無効としている。即ち、連動中継器61は、増設リミットスイッチ63が投入される前に座板スイッチ23からの障害物検知信号を入力した場合には、障害物検知を有効と判断して自動閉鎖装置62にブレーキを作動させるように指示するが、増設リミットスイッチ63が投入された後に座板スイッチ23からの障害物検知信号を入力した場合には、障害物感知を無効と判断し、下限リミットスイッチ27からの信号を入力した後に自動閉鎖装置62にブレーキを作動させるように指示する。
【0029】
点検時においては、図3(b)に示すように、接続コード50;53を接続装置1Cのコネクタ30;31と制御盤1Bのコネクタ45;46とに接続して、接続装置1Cと制御盤1Bとを電気的に接続する。これにより、制御盤1Bの操作スイッチ43を操作することで、モーター9への電源供給及び停止、ブレーキ8を制御でき、シャッターカーテン4を開閉動作させることができる。この点検時においては、一次側電源33の電力が、制御盤1B及び連動中継器61を介して、モーター9、ブレーキ8、上下限リミットスイッチ26;27、増設リミットスイッチ63、障害物検出手段20に供給される。
この場合でも、シャッターカーテン4が閉鎖動作しているとき、シャッターカーテン4の下端が障害物に当たると、座板スイッチ23から連動中継器61に信号が入り、連動中継器61はブレーキ作動信号をブレーキ8に出力し、ブレーキ8を電気的に作動させる。即ち、シャッターカーテン4の下降動作を一旦停止させて、少し反転上昇して止める。その後、連動中継器61は、障害物が取り除かれてから所定時間経過することを内蔵タイマで計測し、所定時間経過したならばブレーキ8にブレーキ解除信号を出力し、ブレーキ8の作動を電気的に解除するので、シャッターカーテン4は降下動作を再開する。
非常閉鎖指示操作部64は、作動ボタンスイッチ64aと復旧ボタンスイッチ64bとを備える。作動ボタンスイッチ64aは、手動で任意に防災信号を連動中継器61に送信する。復旧ボタンスイッチ64bは、強制的に連動中継器61を初期状態に戻すための信号を連動中継器61に送信する。
【0030】
実施形態2によれば、点検時に制御盤1Bと接続装置1Cを電気的に接続すればよく、実施形態1と同じ効果が得られる。
尚、各実施形態1;2においては、制御盤1Bの可搬性を高くするため、制御盤1Bに、持ち手、車輪などの運搬支援部を設けるようにしてもよい。
また、操作スイッチ(操作ボタンスイッチ)43は、無線によるリモートコントロールができるようにしてもよい。
【0031】
本発明の適用対象となる開閉装置の開閉体をシャッターカーテン4とした場合、その構成態様としては、所謂スラットを上下方向に複数連設した態様だけではなく、パイプ、パネル、シート状物又はネット状物を単数もしくは複数連設して成る態様のシャッターカーテン、あるいは、スラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物を適宜に組合せたシャッターカーテンでもよい。所謂、オーバヘッドタイプのシャッターカーテンにも適用できる。
即ち、本発明は、巻取シャフト6のような巻取部で巻き取られたり巻き出されたりするシャッターカーテン4を備えた開閉装置だけでなく、オーバヘッドタイプのシャッターカーテンのように移動するタイプの開閉体を備えた開閉装置にも適用できる。
【0032】
本発明は、ガイドレールを備え、このガイドレールに開閉体が案内されるようなブラインド、ロールスクリーン装置、防煙垂れ幕などの開閉装置にも適用可能である。
また、上記では、ケース2を備えた開閉装置を説明したが、本発明は、ケース2を備えない開閉装置にも適用できる。例えば、開閉体を天井裏空間に収容する天井納まりタイプの開閉装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0033】
1 シャッター装置(開閉装置)、1A;1X 開閉構成部、1C 接続装置、
1B 制御盤、7 開閉駆動手段、8 ブレーキ(制動手段)、
30 電源ラインコネクタ(入力接続端子)、
31 送信ラインコネクタ(出力接続端子)、40 中央制御装置(制御部)、
43 操作ボタンスイッチ(操作スイッチ)、
45 電源ラインコネクタ(出力信号接続端子)、
46 受信ラインコネクタ(入力信号接続端子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉体を有した開閉構成部と、前記開閉構成部の前記開閉体の開閉を制御する制御盤とを備えた開閉装置において、
前記制御盤が前記開閉構成部に対して着脱可能に構成されたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
開閉構成部と、前記開閉構成部と電気的に接続された接続装置と、制御盤とを備え、
前記開閉構成部は、開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体の開閉駆動手段と、前記開閉体の開閉動作を停止させる制動手段とを備え、
前記制御盤は、操作スイッチと、前記操作スイッチが操作された場合に前記開閉駆動手段及び前記制動手段を制御するための制御信号を生成する制御部と、制御信号を出力するための出力信号接続端子と、前記開閉体及び開閉駆動手段に設けられた検出手段からの検出信号を入力するための入力信号接続端子とを備え、
前記接続装置は、前記出力信号接続端子と接続される入力接続端子と、前記入力信号接続端子と接続される出力接続端子とを備え、
前記制御盤の出力信号接続端子と前記接続装置の入力接続端子とが着脱可能に接続され、前記制御盤の入力信号接続端子と前記接続装置の出力接続端子とが着脱可能に接続されることによって、前記開閉構成部と前記制御盤とが着脱可能に構成されたことを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
開口部を開閉する開閉体を有した開閉構成部と、前記開閉構成部の前記開閉体の開閉を制御する制御盤とを備えた開閉装置の制御方法において、
前記制御盤を前記開閉構成部に対して着脱可能に構成し、着脱可能に構成された単一の制御盤を複数の開閉装置の開閉構成部に対して繋ぎ替えることによって、単一の制御盤を用いて複数の開閉装置を個々に制御することを特徴とする開閉装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−21270(P2012−21270A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157907(P2010−157907)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】