説明

間接加熱乾燥装置、被乾燥物の間接加熱乾燥方法、ならびに固形燃料の製造方法および製造装置

【課題】被乾燥物の加熱管への付着を抑制でき、目標のかつ安定した含液率の製品が得られる間接加熱乾燥装置及び被乾燥物の乾燥方法を提供すること。
【解決手段】第1の間接加熱型回転乾燥機からの乾燥物を、第2の間接加熱型回転乾燥機において被乾燥物として受け入れて乾燥を行うように、第1の間接加熱型回転乾燥機と第2の間接加熱型回転乾燥機とを直列に配置し、被乾燥物から乾燥物への流れに対し、前記第1の間接加熱型回転乾燥機においては、キャリアガスの流れを並流に、前記第2の間接加熱型回転乾燥機においては、キャリアガスの流れを向流に、キャリアガスを供給する供給手段を備えた間接加熱乾燥装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に恒率乾燥区間から減率乾燥区間まで広範囲の乾燥を行う際に用いる間接加熱型回転乾燥機を直列に備えた間接加熱乾燥装置、被乾燥物の間接加熱乾燥方法、ならびに多孔質炭を原料とする固形燃料の製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の間接加熱型回転乾燥機として、例えばスチームチューブドライヤが知られている。このスチームチューブドライヤは回転筒内に設置された複数の加熱管に蒸気などの熱媒体を流通させることで、加熱管を通じて被乾燥物を加熱し乾燥する。このようなスチームチューブドライヤは、容積あたりの加熱面積が大きいため乾燥能力が大きい点で優れており、また伝熱速度が高いという特徴があり、また運転操作が容易であるなどの利点を有するため、コークス炉用石炭の乾燥や化学製品の乾燥に利用されている。
ここでスチームチューブトライヤの基本構造を図2に示す。湿潤粉体また、粒状粉体等の被乾燥物は、回転筒310内において、熱媒体により加熱した加熱管311と接触し、回転筒310の回転につれて、順次排出口322へ連続的に排出される。このとき、加熱管311に熱媒体としての加熱蒸気が回転継手360に取付けられた熱媒体入口管361を通して供給され各加熱管311に流通された後、熱媒体出口管362を介して排出される。また、被乾燥品からの蒸発液分は、乾燥品の排出側の送入口341から送入されるキャリアガスGに乗って、被乾燥品の装入側の排出口342から回転筒310の外に排出される(特許文献1)。
ところで多孔質炭を原料とする固形燃料の製造方法に関し、従来公知の方法としては、例えば、特許文献2に記載された固形燃料の製造方法がある。その方法の概略を、図9を用いて説明する。多孔質炭(原料炭)は粉砕工程で粉砕された後、混合工程において重質油分と溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る。次いで、原料スラリーは予熱後、蒸発工程で加熱し、多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸させ、脱水スラリーを得る。その後、固液分離工程において脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離した後、改質多孔質炭を最終乾燥工程において乾燥させる。乾燥された改質多孔質炭は所望により冷却および成型され、固形燃料が得られる。一方、固液分離工程や最終乾燥工程で回収された混合油は原料スラリーを得る混合工程に循環・搬送され、循環油として再利用される。
【0003】
上記方法において、最終乾燥工程では一般に、固液分離工程で分離された改質多孔質炭を間接加熱型回転乾燥機によって加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる。間接加熱型回転乾燥機は、例えばいわゆるスチームチューブドライヤーが知られている。具体的には、図10に示す通りであり、被乾燥物のスラリーSを、遠心分離機101により固液分離したのち、間接加熱型回転乾燥機に回転筒105の第1側(図10の左方側)から装入し、第2側(図10の右方側)の排出シュート106から乾燥品を排出する。このとき、キャリアガスは乾燥機内において乾燥効率(油分回収効率)の観点から改質多孔質炭の搬送方向に対して向硫の一定方向で流される(例えば特許文献3)。また、排出されたキャリアガスを、同伴される微細ダストを捕捉するため湿式スクラバー111に導き、遠心分離機101での分離液を含む液を循環させながらスプレー除塵を行い、さらに上方において、循環液によりスプレー冷却によりダストを捕集する。回収部からの回収液は貯留タンク113において一時貯留した後、冷却器114により冷却した上で、スプレー冷却を行うようにしてある。
【特許文献1】特開2005−16898号公報
【特許文献2】特開平7−233383号公報
【特許文献3】特開昭61−250097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、微細粉を含む被乾燥物(図10においては多孔質炭)を、恒率乾燥区間から減率乾燥区間まで広範囲の乾燥を一挙に乾燥処理しようとする場合、その微細粉の第1側からの比較的多くの量が飛散してしまい、その結果、湿式スクラバー等による湿式除塵を余儀なくされ、飛散したダストはスラリーとして回収しなければならず、大量のスラリー処理工程が必要になってしまう。
また、そのような方向でキャリアガスを流すと、乾燥機内を通過したキャリアガスが、乾燥機の被乾燥物入り口付近において、乾燥機に入ってきた被乾燥物と接触する。このとき、キャリアガスは乾燥機内で蒸発分を十分に含んでいる一方で、被乾燥物は未だ十分に加熱されてないので温度が比較的低い。そのため、キャリアガスが被乾燥物に冷やされるので、蒸発分が凝縮(結露)して被乾燥物表面に付着する。その結果、被乾燥物の粘性が高くなり、被乾燥物が乾燥機内面の被乾燥物入り口付近、特に当該被乾燥物入り口付近の加熱管に付着する。
【0005】
被乾燥物が加熱管に付着すると、熱エネルギーの伝達効率が低下し、乾燥効率が低下する。乾燥効率の低下は、結果として固形燃料の製造効率の低下をもたらす。
さらに加熱管への付着量が多くなることにより、加熱管の伝熱係数が小さくなり、所定の能力を発揮するためには、伝熱面積を大きくする必要があり、乾燥機の大型化が必要となり、経済的でないものとなる。
【0006】
本発明は、被乾燥物を、恒率乾燥区間から減率乾燥区間まで広範囲の乾燥を行う場合などにおいて、加熱管への付着を抑制でき、目標の安定した含液率の製品が得られる間接加熱型乾燥装置及び被乾燥物の乾燥方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、乾燥装置から排出される飛散ダストを低減し、ダスト処理を容易にする間接加熱乾燥装置及び被乾燥物の乾燥方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明はまた、乾燥機内面への多孔質炭の付着を低減し、固形燃料の製造効率を向上する固形燃料の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、軸心方向周りに回動自在な回転筒と、前記回転筒内に前記回転筒軸心と平行に配置される複数の加熱管と、前記回転筒の一方側から前記回転筒内にキャリアガスを送入し、他方側から蒸発液分と共に機外に排出するキャリアガスの処理系とを有し、前記回転筒の第1側から被乾燥物を装入し反対の第2側から乾燥物を排出するようにした間接加熱型回転乾燥機を備えた間接加熱乾燥装置において、
第1の間接加熱型回転乾燥機からの乾燥物を、第2の間接加熱型回転乾燥機において被乾燥物として受け入れて乾燥を行うように、第1の間接加熱型回転乾燥機と第2の間接加熱型回転乾燥機とを直列に配置し、
被乾燥物から乾燥物への流れに対し、前記第1の間接加熱型回転乾燥機においては、前記キャリアガスの流れを並流に、前記第2の間接加熱型回転乾燥機においては、前記キャリアガスの流れを向流に前記キャリアガスを供給する供給手段を備えたことを特徴とする間接加熱乾燥装置に関する。
本発明はまた、
前記第1の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガスの集塵に第1バグフィルタを、前記第2の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガスの集塵に第2バグフィルタをそれぞれ設け、集塵したそれぞれのダストを前記第1の間接加熱型回転乾燥機から排出される乾燥物に混合する混合手段を備えた上記の間接加熱乾燥装置に関する。
本発明はまた、
前記第1の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガス及び前記第2の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガスをそれぞれ送入側に戻すキャリアガス循環系をそれぞれ構成し、少なくとも第2のキャリアガス循環系の途中に冷却手段を設け、前記第2の間接加熱型回転乾燥機への送入するキャリアガスの露点の低下を図るようにした上記の間接加熱乾燥装置に関する。
【0009】
本発明はまた、
軸心方向周りに回動自在な回転筒と、前記回転筒内に前記回転筒軸心と平行に配置される複数の加熱管と、前記回転筒の一方側から前記回転筒内にキャリアガスを送入し、他方側から蒸発液分と共に機外に排出するキャリアガスの処理系とを有し、前記回転筒の第1側から被乾燥物を装入し反対の第2側から乾燥物を排出するようにした間接加熱型回転乾燥機を複数用い、
第1の間接加熱型回転乾燥機において、被乾燥物の流れに対し、前記キャリアガスの流れを並流として乾燥させる第1乾燥工程と、乾燥された前記被乾燥物を、第2の間接加熱型回転乾燥機において、被乾燥物の流れに対し、前記キャリアガスの流れを向流として乾燥させる第2乾燥工程を備えたことを特徴とする被乾燥物の間接加熱乾燥方法に関する。
本発明はまた、
前記第2の間接加熱型回転乾燥機に供給される前記キャリアガスの露点が、第1の間接加熱型回転乾燥機に供給されるキャリアガスの露点より低いことを特徴とする上記の被乾燥物の間接加熱乾燥方法に関する。
【0010】
本発明はまた、
多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合工程;
該原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る蒸発工程;
該脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する固液分離工程;および
分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる最終乾燥工程;
を含んでいる固形燃料の製造方法であり、
最終乾燥工程において、前記被乾燥物の間接加熱乾燥方法を実施すること特徴とする固形燃料の製造方法に関する。
【0011】
本発明はまた、
多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合手段;
該原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る蒸発手段;
該脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する固液分離手段;および
分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる乾燥手段;
を含んでいる固形燃料の製造装置であり、
乾燥手段が、前記間接加熱乾燥装置であること特徴とする固形燃料の製造装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る間接加熱乾燥装置、被乾燥物の間接加熱乾燥方法、ならびに固形燃料の製造方法および製造装置によれば、第1の間接加熱型回転乾燥機と第2の間接加熱型回転乾燥機とを直列に配置し、かつキャリアガスの流れを、被乾燥物の搬送方向に対して、第1の間接加熱型回転乾燥機では並流に、第2の間接加熱型回転乾燥機では向流にする。これらの組み合わせにより多くの利点がもたらされる。
すなわち、第1の間接加熱型回転乾燥機では、その出口部における被乾燥物の含液率は限界含液率程度となり、まだ液分を含んでいるために、ダストの発生を抑制できる。第1の間接加熱型回転乾燥機の被乾燥物入り口側、つまりキャリアガス入り口側では、まだ蒸発液分を含んでいないキャリアガスが流入されるため、キャリアガスの露点が低く、被乾燥物の含液率が高くても加熱管への付着が生じ難い。また、第1の間接加熱型回転乾燥機のキャリアガス出口側、つまり被乾燥物出口側では、キャリアガスは蒸発液分を含んでおりその露点は高くなっているが、被乾燥物の温度とキャリアガスの温度は高くなっており、ガス温度と露点の温度差が比較的大きく結露が発生し難い。
他方、第2の間接加熱型回転乾燥機では、第1の間接加熱型回転乾燥機から供給される被乾燥物の温度は高くなっており、しかも、限界含液率程度まで乾燥がなされているため、この被乾燥物を装入した場合、第2の間接加熱型回転乾燥機のキャリアガス出口側、つまり被乾燥物入り口側での結露又は付着は生じ難い。また、被乾燥物が乾燥し、微粉がキャリアガス中にダストとして同伴されるが、第2の間接加熱型回転乾燥機のキャリアガスの出口側、つまり被乾燥物の入り口側で掻き上げられている被乾燥物に捕捉されるため、機外に排出するダストが少なくなる。また、第2の間接加熱型回転乾燥機の被乾燥物出口側、つまりキャリアガスの入り口側は、まだ蒸発液分を含んでいないキャリアガスが流入されるため、キャリアガスの露点が低く、減率乾燥を進めるのに好適である。
また、本発明によれば、飛散ダスト回収にバグフィルタが使用できるので、高い集塵効率かつ捕集ダストの含液率を低く集塵することができ、処理すべきスラリー処理を低減できる。
また、本発明によれば、各乾燥機でのそれぞれのキャリアガスは、冷却手段(たとえばコンデンサ)を含む個別の循環系とし、第2の間接加熱型回転乾燥機へのキャリアガスの露点を、前記第1の間接加熱型回転乾燥機へのキャリアガスの露点よりも低くすることによって、ユーティリティの使用量を削減でき、それによって乾燥にかかるエネルギーコストを削減できる。
【0013】
特に本発明に係る固形燃料の製造方法および製造装置によれば、乾燥機内面への多孔質炭の付着を低減するので、乾燥効率を向上させ、結果として固形燃料の製造効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(間接加熱乾燥装置および間接加熱乾燥方法)
以下、本発明に係る間接加熱乾燥装置および間接加熱乾燥方法の実施形態について図1を参照しながら詳説する。実施の形態では粉砕処理した褐炭スラリーの乾燥を対象とした、本発明に係る乾燥処理フローの一例を示しており、恒率乾燥区間を担う第1の間接加熱型回転乾燥機(以下、「第1の乾燥機」ということがある)11と、減率乾燥区間を担う第2の間接加熱型回転乾燥機(以下、「第2の乾燥機」ということがある)12の2つの乾燥機を直列に配置している。破線はキャリアガスの移動経路を、実線は被乾燥物(褐炭)の移動経路を示している。キャリアガスとしては、本実施形態では被乾燥物が褐炭であって可燃性物質であるために窒素ガスを使用している。被乾燥物としては、褐炭だけでなく、亜炭、亜れき青炭等の他の多孔質炭、バイオマスもしくは、テレフタル酸等の石油化学製品や食品等、減率乾燥区間までの乾燥が必要なものが好ましい。被乾燥物が可燃性物質でない場合、キャリアガスとして、窒素ガスだけでなく、空気等が使用されてもよい。
【0015】
第1および第2の乾燥機11、12としては、軸心方向周りに回動自在な回転筒と、前記回転筒内に前記回転筒軸心と平行に配置される複数の加熱管と、前記回転筒の一方側から前記回転筒内にキャリアガスを送入し、他方側から蒸発液分と共に機外に排出するキャリアガスの処理系とを備える限り、その構造は特に限定されるものではなく、前記回転筒の第1側から被乾燥物を装入し反対の第2側から乾燥物を排出するようになっている。そして、本発明においては被乾燥物から乾燥物への流れ(被乾燥物の搬送方向)に対し、第1の乾燥機11においては、キャリアガスの流れを並流に、第2の乾燥機12においては、キャリアガスの流れを向流にしたものである。
【0016】
第1および第2の乾燥機11、12の具体例としては、例えば図2に示されるようなスチームチューブドライヤが挙げられる。スチームチューブドライヤは回転筒310内に設置された複数の加熱管311に蒸気などの熱媒体を流通させることによって、加熱管311を通じて被乾燥物が加熱され乾燥される。そのようなスチームチューブドライヤは、容積あたりの加熱面積が大きいため乾燥能力が大きい点で優れており、また伝熱速度が高いという特徴があり、また運転操作が容易であるなどの利点を有するため汎用されている。
【0017】
スチームチューブドライヤの寸法は特に制限されず、一般的には回転筒310が5〜30mの長さを有している。この回転筒310内において、粉体または粒体の被乾燥物を、熱媒体により加熱した加熱管311と接触させ、回転筒310の回転につれて、順次排出口322に移動させながら連続的に移動させるようになっている。従って、回転筒310は、一端の被乾燥物装入口321から乾燥物排出口322へ被乾燥物を円滑に移送するためにやや下り勾配をもって設置される。回転筒は、二箇所の基台331a、331b上にそれぞれ設けられた支承ローラ330a、330b上に、タイヤ312a、312bを介して支承されている。前記下り勾配は、前記二箇所の基台331a、331bおよび支承ローラ330a、330bの高さと角度とによって調節される。回転筒310を回転させるために、回転筒310の周囲には、従動ギア350が設けられており、これに駆動ギア353が噛合し、原動機351の回転力が減速機352を介して伝達され、回転筒がその軸心回りに回転するようになっている。
【0018】
スチームチューブドライヤにおいては、回転筒310の両端間に軸心と平行的に多数の加熱管311が配設され、これらの加熱管311に熱媒体として加熱蒸気が、回転継手360に取付けられた熱媒体入口管361を通して供給され、各加熱管311に流通された後、熱媒体出口管362を介して排出される。
【0019】
一方、被乾燥物からの蒸発液分は、キャリアガスGに乗って、回転筒310の外に排出される。図2においてキャリアガスGは、乾燥物の排出側の送入口341から送入され、被乾燥物の装入側の排出口342から排出され、キャリアガス流方向は被乾燥物の搬送方向に対して向流であるので、図2のスチームチューブドライヤは第2の乾燥機12として使用され得る。第1の乾燥機11として使用する場合は、キャリアガスの排出口342を装入口に、装入口341を排出口として、キャリアガス流方向を逆方向にすればよい。
【0020】
恒率乾燥区間(第1乾燥工程)について述べる。被乾燥物は、図1中、スクリューコンベア41、装入筒42及びスクリューコンベア43を介して第1の乾燥機11に装入される。そして、第1の乾燥機11内で乾燥された半乾燥品は、排出ケーシング44を介してその下部からコンベア45に乗せられ、一時貯槽46に送られる。第1の乾燥機11の出口部分での被乾燥物の含液率はたとえば4.5%とされる。
【0021】
他方で、キャリアガスは、第1の乾燥機11に被乾燥物の入口側から流入され、第1の乾燥機11内で被乾燥物からの蒸発液分と、被乾燥物の乾燥に伴ってキャリアガスに巻き上げられるダストとを捕捉しながら、第1の乾燥機11の被乾燥物の出口側から機外に排出され、第1バグフィルタ47に送られる。
【0022】
第1バグフィルタ47で分離されたダストは、コンベア45に送られ、最終的に第2の乾燥機12の被乾燥物とされる。
ダストが分離されたキャリアガスは、冷却塔52に送られ、そこで冷却される。冷却された後のキャリアガスは、キャリアガス供給手段53によって、送風され、返送経路54を通り装入筒42へと返送されるが、その途中の加熱器55により所定温度に加熱される。
【0023】
次に減率乾燥区間(第2乾燥工程)について述べる。一時貯槽46から半乾燥物が切り出され、装入スクリューコンベア49により第2の乾燥機12内に装入される。第2の乾燥機12内で乾燥された乾燥品は、排出ケーシング51を介してその下部から切り出され、その後の処理のために系外に排出される。
【0024】
第2の乾燥機12に対しては、キャリアガスは向流で吹き込まれる。すなわち、キャリアガスは、第2の乾燥機12の乾燥品の出口側から吹き込まれ、被乾燥物の入口側から排出される。被乾燥物の入口側から排出されたキャリアガスは、第2バグフィルタ48に送られる。
【0025】
第2バグフィルタ48で分離されたダストは、スクリューコンベア49に送られ、第2の乾燥機12の被乾燥物とされる。
ダストが分離されたキャリアガスは、共用の冷却塔52に送られ、そこで冷却される。冷却された後のキャリアガスは、共用のキャリアガス供給手段53により、返送経路56を通して第2冷却塔57に送られ、さらに冷却された後、途中の加熱器58により所定温度に加熱され、排出ケーシング51部分から第2の乾燥機12の乾燥品の出口側から内部に吹き込まれる。
【0026】
ここで、冷却塔52及び第2冷却塔57での循環液は一部を回収液として系外に排出される。また、窒素ガスNは、加圧下で乾燥機11、12内に吹き込まれる。窒素ガスNの供給位置としては、たとえば第1バグフィルタ47及び第2バグフィルタ48とされる。
なお、符号Sは加熱管に送るスチーム、Cは凝縮液である。
【0027】
本実施形態では、図1に示すように、前記第1の乾燥機から排出のキャリアガスの集塵に第1バグフィルタを、前記第2の乾燥機から排出のキャリアガスの集塵に第2バグフィルタをそれぞれ設け、集塵したそれぞれのダストを前記第1の乾燥機から排出される乾燥物に混合する混合手段を備えることが好ましい。これによって、以下に示す作用効果を奏する。乾燥機からの排ガス中の飛散ダストを捕集して回収するためには、一般には、バグフィルタを使用するのが望ましい。バグフィルタは、湿式スクラバーなどに対して、粒径の小さいダストまで高い集塵効率をもって回収でき、かつ捕集ダストの含液率を低くすることができるためである。また、バグフィルタは湿式スクラバーにおいて必須となる排水処理も不要である。しかし、キャリアガスの露点が高い場合には、バグフィルタ内で結露が生じるために採用できない。そこで、本発明によれば次記の理由によって、バグフィルタの採用が可能となる。第1の乾燥機では、乾燥機のキャリアガス出口側、つまり被乾燥物出口側では、キャリアガスは蒸発液分を含み、その露点は高くなっているが、被乾燥物の乾燥は進んでおり、また被乾燥物とガスの温度は高くなっている。そのため、ガス温度と露点の温度差を大きくすることができ、第1バグフィルタ内で結露が生じ難い。また、飛散するダストは、第1バグフィルタで捕集され、第2の乾燥機に供給され、さらに乾燥されることとなるので未乾燥品となることはない。他方、第2の乾燥機では、第1の乾燥機により被乾燥物が限界含液率程度まで乾燥が進んでおり温度が上がっているため、キャリアガス温度と露点の温度差を大きくすることができ、第2の乾燥機に対して設けられた第2バグフィルタ内で結露が生じ難くなる。また、飛散するダストは、第2の乾燥機内において必要な滞留時間を確保できない場合があるが、ダストは第2バグフィルタで捕集され、前記第1の乾燥機から排出される乾燥物に混合され、再び第2の乾燥機に装入され、乾燥されるため未乾燥品となることはない。混合手段は、たとえば、前記第1の乾燥機から排出される乾燥物の搬送装置にダストを戻す設備や、前記乾燥物を一時的に貯留するホッパへダストを供給する設備でよく、第1バグフィルタで捕集されたダストと第2バグフィルタで捕集ダストをそれぞれ返送しても、まとめて返送してもよい。なお、前記第1の乾燥機から排出のキャリアガスの集塵と、前記第2の乾燥機から排出のキャリアガスの集塵とは、上記したように別々に行ってもよいが、一括して同時に行ってもよい。また集塵したダストは、上記したように前記第1の乾燥機から排出される乾燥物に混合してもよいが、混合することなく製品として用いても良い。
【0028】
また本実施形態では、図1に示すように、前記第1の乾燥機から排出のキャリアガス及び前記第2の乾燥機から排出のキャリアガスの混合キャリアガスを、第1の乾燥機の送入側に戻す第1のキャリアガス循環系と、第2の乾燥機の送入側に戻す第2のキャリアガス循環系とを有し、少なくとも第2のキャリアガス循環系の途中に冷却手段を設け、前記第2の乾燥機へ送入するキャリアガスの露点の低下を図るようにすることが好ましい。これによって、以下に示す作用効果を奏する。第2の乾燥機で減率乾燥を行う場合、到達含液率を低くし、必要な滞留時間を短くするためには、一般に、キャリアガスの露点を低くするほうが有利である。そのためには、キャリアガスを循環系とする場合、蒸発分を凝縮させて回収するために一端コンデンサ等でガス温度を下げ、その後に、加熱して再び乾燥機に供給することが必要となる。第1および第2の乾燥機から排出の混合キャリアガスを、冷却手段(たとえばコンデンサ)が共通する系のみで循環させた場合、第1の乾燥機に戻されるキャリアガスまでも、第2の乾燥機に戻されるキャリアガスと同程度の露点を有するようになる。これでは、キャリアガスの露点を低くするためのキャリアガスの冷却及び加熱のためにユーティリティ使用量が大きくなってしまう。そこで、第1および第2の乾燥機から排出の混合キャリアガスを、第1の乾燥機に戻す第1のキャリアガス循環系と第2の乾燥機に戻す第2のキャリアガス循環系とに分けて循環させ、第2の乾燥機に戻すキャリアガスを選択的に十分に冷却させて露点の低下を図る。これによって、第2の乾燥機に供給されるキャリアガスの露点を、第1の乾燥機に供給されるキャリアガスの露点より低くする。これによって、ユーティリティの使用量を削減でき、それによって乾燥にかかるエネルギーコストを削減できる。
【0029】
(多孔質炭を原料とする固形燃料の製造方法および製造装置)
以下、本発明に係る固形燃料の製造方法の実施形態について図3〜図7を参照しながら詳説する。
本実施形態において、多孔質炭から固形燃料は、基本的に
多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合工程;
該原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る蒸発工程;
該脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する固液分離工程;および
分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる最終乾燥工程;
を経て製造される。
【0030】
本発明は、上記製造工程のうち、最終乾燥工程において、前記被乾燥物の間接加熱乾燥方法を実施する。すなわち、キャリアガス流方向を改質多孔質炭搬送方向と並流とする第1乾燥工程およびキャリアガス流方向を改質多孔質炭搬送方向に対して向流とする第2乾燥工程を順次、行う。
【0031】
以下、各工程について詳しく説明する。
混合工程では、多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る(図3の混合工程)。
【0032】
多孔質炭とは、多量の水分を含有し、脱水することが望まれるいわゆる低品位炭であり、例えば20〜70重量%もの水分を含有する石炭である。そのような多孔質炭として、例えば、褐炭、亜炭、亜れき青炭等が挙げられる。褐炭には、例えば、ビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等がある。亜れき青炭には、例えば、西バンゴ炭、ビヌンガン炭、サマランガウ炭、エココール炭等がある。多孔質炭は上記例示のものに限定されず、多量の水分を含有し、脱水することが望まれる石炭であれば、いずれも本発明に係る多孔質炭に含まれる。多孔質炭は通常、予め粉砕して使用される(図3の粉砕工程)。多孔質炭の粒子径は特に制限されるものではなく、例えば平均粒子径0.05〜2.0mm、特に0.1〜0.5mm程度でよい。
【0033】
重質油分とは、真空残渣油の如く、例えば400℃でも実質的に蒸気圧を示すことがない様な重質分あるいはこれを多く含む油である。従って重質油分のみを使用してこれを多孔質炭の細孔に侵入し得る様な流動性になるまで加熱しようとすると、多孔質炭自体が熱分解を起こす。また本発明で用いる重質油分は前述の如く殆んど蒸気圧を示さないものであるから、これを気化させキャリヤガスに乗せて蒸着させようとすることは一層無理である。結局、重質油分のみでは高粘性の為良好なスラリー状を得難いだけでなく、殆んど揮発性を有しない為、細孔内への侵入性が低くなる。従って何らかの溶剤あるいは分散剤の協力が必要となる。
【0034】
そこで本発明では、重質油分を溶媒油分中に溶解させて含浸作業性、スラリー形成性を良好にしてから使用する。上記重質油分を分散させる溶媒油分としては、重質油分との親和性、スラリーとしてのハンドリング性、細孔内への侵入容易性等の観点から軽沸油分が好まれるが、水分蒸発温度での安定性を考慮すれば、沸点100℃以上、好ましくは300℃以下の石油系油(軽油あるいは重油等)を使用することが推奨される。この様な重質油分含有混合油を使用すると、これが適切な流動性を示す為、重質油分単独では果たし得ない様な細孔内への侵入が促進される。
【0035】
尚上記の様な重質油分含有混合油は、(イ)元々重質油分と溶媒油分の両方を含む混合油として得られるもの、或は(ロ)重質油分と溶媒油分を混合して得られるもののいずれであっても良い。前者(イ)としては、例えば、石油系の重油;精製未済で重質油分を含む石油系の軽油留分、灯油留分、潤滑油成分;コールタール;溶剤あるいは洗浄剤として用いた為、重質油分の不純物を含んでしまった軽油や灯油;繰り返し使用したことによって劣化した留分を含んでしまった熱媒油等が使用される。後者(ロ)としては、例えば、石油アスファルト、天然アスファルト、石炭系重質油、石油系若しくは石炭系の蒸留残渣、あるいはこれらを多く含むものを、石油系の軽油、灯油、潤滑油等と混合したもの;前者(イ)の混合油を石油系の軽油、灯油、潤滑油で希釈したもの等が用いられる。尚アスファルト類はそれ自体が安価であると共に、一旦活性点に付着した後は離れ難いという特性があるので、特に好適なものとして使用される。
【0036】
混合油における重質油分の含有量は通常、混合油全量に対して重量比で0.25〜15%の範囲である。
【0037】
多孔質炭に対する混合油の混合割合は特に限定されるものではなく、通常は多孔質炭に対する重質油分の混合割合が無水炭に対して重量比で0.5〜30%、特に0.5〜5%となるような範囲が妥当である。重質油分の混合割合が少なすぎると、細孔内への吸着量が不十分となって自然発火性を抑える効果が弱くなる。重質油分の混合割合が多すぎると油のコストが負担となって経済性が薄れる。
【0038】
混合条件は特に制限されず、通常は、大気圧下、40〜100℃で混合する。
【0039】
混合工程で得られた原料スラリーは蒸発工程に先立って通常、予熱する(図3の予熱工程)。なお、予熱工程は実施しなくてもよい。
予熱条件は特に制限されず、通常は操作圧での水の沸点近傍まで加熱される。
【0040】
蒸発工程では、原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る(図3の蒸発工程)。すなわち、原料スラリーを、例えば100〜250℃に加熱する。これによって多孔質炭の細孔内水分が気化蒸発した後の空席部に前記混合油が入れ替わり、付着される。こうして細孔内水分の気化蒸発が進行するのに応じて前記混合油の付着・被覆が行なわれる。また若干の水蒸気が残存していても、それが冷却過程で凝縮するときに負圧が形成されて重質油分含有混合油が細孔内に吸引されていくので、細孔内表層部は重質油分を含有する混合油によって次々被覆され、遂には細孔開口部のほぼ全域が重質油分含有混合油によって充満しつくされる。しかも混合油中の重質油分は活性点に選択的に吸着され易すく、また付着すると離れ難いため、結果的に溶媒油分よりも優先的に付着していくことが期待される。こうして細孔内表層部が外気から遮断されることによって自然発火性を失わせることが可能となる。また大量の水分が脱水除去されると共に重質油分含有混合油、特に重質油分が優先して細孔内を充満することになるので、多孔質炭全体としてのカロリーアップが安価に達成される。
【0041】
加熱は加圧下で行うことが好ましく、通常は200〜1500kPaが好適である。
加熱時間は、一連の工程が通常は連続運転により実施されるため一概に規定できるものではなく、多孔質炭の脱水と細孔内への混合油の含浸とを達成できればよい。
【0042】
蒸発工程において加熱により発生した水蒸気は除去される。本工程で発生・除去される水蒸気は回収して昇圧し、予熱工程や蒸発工程における加熱源に用いることができる。
【0043】
固液分離工程では、脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する(図3の固液分離工程)。
分離方法は種々の方法を用いることができ、例えば、遠心分離法、沈降法、濾過法、圧搾法等が使用可能である。これらの方法を組み合わせて使用することもできる。分離効率の観点から、遠心分離法を使用することが好ましい。
【0044】
固液分離工程で分離回収された固体分(改質多孔質炭)は通常は混合油により未だ湿潤しているので、乾燥させる(図3の最終乾燥工程)。
【0045】
乾燥方法は、分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる方法において、キャリアガス流方向を改質多孔質炭搬送方向と並流(同じ)とする第1乾燥工程およびキャリアガス流方向を改質多孔質炭搬送方向に対して向流(反対)とする第2乾燥工程を順次、行う前記被乾燥物の間接加熱乾燥方法を採用する。
【0046】
例えば、図4(A)および(B)に示すように、改質多孔質炭10の搬送方向D10において上流側より順に、第1乾燥工程を行う第1の乾燥機11、および第2乾燥工程を行う第2の乾燥機12を用い、第1乾燥機11ではキャリアガス(CG)を改質多孔質炭搬送方向D10と並流(同じ)方向に流し、第2乾燥機12ではキャリアガス(CG)を改質多孔質炭搬送方向D10に対して向流(反対)方向に流す。第1乾燥機、第1乾燥工程、第2乾燥機および第2乾燥工程は、前記被乾燥物の間接加熱乾燥方法においてと同様である。
【0047】
そのような特定方向でキャリアガスを流すことによって、乾燥機内面への多孔質炭の付着を低減できる。そのメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のメカニズムに基づくものと考えられる。十分に湿った材料の乾燥を行うとき、予熱区間、恒率乾燥区間および減率乾燥区間が存在する。恒率乾燥区間中は材料温度はほぼ一定で、材料への流入熱量はすべて油分の蒸発に費やされる。減率乾燥区間に入ると、材料温度は上昇し、材料内部に温度分布を生じるようになる。本発明において第1乾燥工程では改質多孔質炭ケーキとキャリアガスとは並流であり、第1乾燥機の入口側Xでケーキは常に油分の少ないキャリアガスに曝される。そのため、第1乾燥工程においてケーキ表面はドライな状態に維持され、出口側Yまでに恒率乾燥区間の終点まで乾燥が進行し、比較的多量で存在する多孔質炭表層部の油分が蒸発分離される。第2乾燥工程では、ケーキとキャリアガスとは向流であるが、入口側Xにおいて、既に大半の油分を蒸発除去されたケーキが流入する。そのため、第2乾燥工程でもケーキ表面はドライな状態に維持され、出口側Yまでに減率乾燥区間の終点まで乾燥が進行し、多孔質炭内部の残留油分が表面に拡散・滲出して蒸発分離される。以上のように2段式の乾燥を行うことで、最終乾燥工程中、多孔質炭に含まれる油分の蒸発分離を行いながらも、蒸発油分の凝縮を有効に防止し、ケーキ表面をドライな状態に維持するので、多孔質炭の乾燥機内面への付着が有効に抑制されると考えられる。また第2乾燥工程は減率乾燥区間の乾燥工程であって、滞留時間が必要になるだけで、油分の蒸発によるスチーム消費は少なく、ほとんどのスチーム熱量は第2乾燥工程での保温に使用される。よって、第2乾燥機では保温と攪拌に必要なチューブを設置するだけでよいので、第2乾燥工程での装置規模およびスチーム消費量を低減できる。
【0048】
第1乾燥機11および第2乾燥機12の全体構成は、図4(A)に示すように2つの乾燥機を連結部を介して結合させた間接連結型であってもよいし、または図4(B)に示すように2つの乾燥機を直接連結させた直接連結型であってもよい。乾燥装置の構造を容易にする観点から前者が好ましい。特に後者の場合は、1つの乾燥機を第1乾燥部(第1乾燥機)と第2乾燥部(第2乾燥機)とに区切り、キャリアガスを第1乾燥部と第2乾燥部とで所定の方向に流すようにしてもよい。
【0049】
第1乾燥機および第2乾燥機は前記と同様の間接加熱型回転乾燥機であり、内部で被処理物を連続的に搬送しつつ当該被処理物を加熱可能なものであればよい。例えば、ドラム内面に複数の加熱用スチームチューブが軸方向に配設された前記スチームチューブドライヤが使用される。加熱媒体はスチームに制限されず、例えば、オイル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等のような約200℃まで加熱可能な公知の加熱媒体であってもよい。
【0050】
第1乾燥機および第2乾燥機はチューブ式ドライヤ、特にスチームチューブドライヤから構成させることが好ましい。第1乾燥工程では上記したように比較的多量で存在する多孔質炭表層部の油分を蒸発分離させ、エネルギー律速であるので、たとえ短時間であっても、比較的多くの熱エネルギーを付与する必要がある。一方、第2乾燥工程では多孔質炭内部の残留油分を表面に拡散・滲出させて蒸発分離させ、時間律速であるので、比較的長い時間をかけて熱エネルギーを付与する必要がある。よって、第2乾燥工程で付与される熱エネルギーは、第1乾燥工程よりも小さく設定でき、またこれが乾燥効率の観点から好ましい。チューブ式ドライヤは、そのような設定に際し、チューブの数を設定変更するだけで、付与する熱エネルギー量を容易に制御できる。
【0051】
第1乾燥機用スチームチューブドライヤおよび第2乾燥機用スチームチューブドライヤの具体例を図5に示す。図5において、第1スチームチューブドライヤ11aのチューブ数は第2乾燥機用スチームチューブドライヤ12aよりも多く設定される。ドライヤ11aおよび12aはいずれも自身が回転しながら、内部で改質多孔質炭10を撹拌・加熱し、かつD10方向に搬送させる。一方、キャリアガスは両端から流し込まれ、中央部で一括して、または別々に取り出される。
【0052】
第1乾燥機11を通過したキャリアガスおよび第2乾燥機12を通過したキャリアガスは一括して、または別々に再生され、再利用されてよい。すなわち、それらのキャリアガスはいずれも蒸発油分を含むので、通常は一括混合され、蒸発油分を冷却によって凝縮させて回収する。それらのキャリアガスには多孔質炭微粉(微粉炭)も含有されるので、当該微粉炭を捕捉・除去してもよい。その結果、蒸発油分が回収され、さらに所望により微粉炭が除去されたキャリアガスは循環され再利用される。
【0053】
キャリアガスを一括して再生する乾燥装置は、例えば図6に示すように、第1乾燥機11、第2乾燥機12、ガス冷却器13、およびガス加熱器14を含んでなり、通常はさらに集塵装置15およびヒーター16を含むものである。
【0054】
図6に示す乾燥装置6では、固液分離工程で分離された改質多孔質炭(ケーキ)10を第1乾燥機11中、例えば、約30〜120分かけて搬送しながら約150〜250℃まで加熱して多孔質炭粒子表層部中の油分、特に溶媒油分を蒸発させる。それと同時に、キャリアガス(CG)を改質多孔質炭搬送方向D10と並流(同じ)方向で流して蒸発油分を第1乾燥機11から移送して取り除き、第1乾燥工程を終える。次いで、第1乾燥工程を終えた改質多孔質炭を第2乾燥機12中、例えば、約30〜120分かけて搬送しながら約150〜250℃まで加熱して多孔質炭粒子内部中の油分、特に溶媒油分を蒸発させる。それと同時に、キャリアガス(CG)を改質多孔質炭搬送方向D10と向流(反対)方向で流して蒸発油分を第2乾燥機12から移送して取り除き、第2乾燥工程を終え、乾燥多孔質炭20を得る。一方、第1乾燥機11を通過したキャリアガスおよび第2乾燥機12を通過したキャリアガスは一括混合されて、集塵装置15において微粉炭を取り除く。その後、キャリアガスはガス冷却器13において冷却によって蒸発油分を凝縮させると共に、凝縮油分の噴霧によってキャリアガス中の微粉炭を捕捉・除去する。微粉炭および蒸発油分を除去されたキャリアガス(CG)はガス加熱器14により加熱され循環され、第1乾燥工程のためのキャリアガス(CG)および第2乾燥工程のためのキャリアガス(CG)として再利用される。乾燥機(11,12)から集塵装置15へのキャリアガス配管および集塵装置15からガス冷却器13へのキャリアガス配管には通常、キャリアガス搬送中の蒸発油分の凝縮を防止するために、ヒーター16が配設される。ガス冷却器13で回収された油分(混合油)は混合工程へ戻され、原料スラリー形成の為の媒体(循環油(CO))として循環使用できる。
【0055】
乾燥された改質多孔質炭は所望により冷却および成型され、固形燃料が得られる(図3の冷却工程および成型工程)。例えば、冷却工程で冷却され、粉末状固形燃料として用いることもできるし、あるいは冷却工程での冷却の後、成型工程で成型され、成型固形燃料として用いることもできる。また冷却されることなく、成型工程で成型されて成型固形燃料を得ても良い。
【0056】
本発明に係る固形燃料の製造装置の一例を図7に示す。図7は、図3に示す本発明の固形燃料の製造方法における粉砕工程〜最終乾燥工程を採用した固形燃料の製造装置の一例の模式図である。詳しくは図7における粉砕機(図示せず)、混合槽2、予熱器3、蒸発器4、固液分離器5、および乾燥装置6はそれぞれ、上記した図3に示す粉砕工程、混合工程、予熱工程、蒸発工程、固液分離工程、および最終乾燥工程を実施するための手段である。特に、乾燥装置6は図6に示す乾燥装置と同様のものである。
【0057】
本発明に係る固形燃料の製造装置は、例えば図7に示すように、少なくとも
多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合槽2;
該原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る蒸発器4;
該脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する固液分離器5;
分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガス(CG)を流して乾燥させる乾燥装置6;
を含み、
乾燥装置6が前記間接加熱乾燥装置であって、改質多孔質炭10の搬送方向(D10)において上流側より順に、キャリアガス流(CG)方向を改質多孔質炭搬送方向と並流とする第1乾燥機11およびキャリアガス流(CG)方向を改質多孔質炭搬送方向に対して向流とする第2乾燥機12を有するものである。
【0058】
本発明の装置は通常、図7に示すように、粉砕機(図示せず)および予熱器3、ならびに所望により冷却器(図示せず)および成型機(図示せず)を含む。
【0059】
蒸発器4で蒸発された水蒸気は圧縮されて予熱器3の加熱源として使用された後、廃棄されるようになっている。
【実施例】
【0060】
(実験例1;間接加熱乾燥装置および間接加熱乾燥方法)
高沸点の炭化水素類を液分として含む鉱物の湿潤ケーキを乾燥し製品を得るとともに、その炭化水素類を回収する乾燥工程の例であり、製品量は約30Ton/hである。
原料となる湿潤ケーキの含液率は20〜30wt%WBで、100〜150℃で乾燥機へ供給される。製品として要求される含液率は1.5〜0.5wt%WBである。限界含液率は10〜2wt%WBにあり、本乾燥工程を行うには、恒率乾燥区間と減率乾燥区間の乾燥が必要である。蒸発した液分の回収を行うため、キャリアガスはNガスを使った循環系としている。液分の沸点は150〜250℃にあり、製品としての含液率を得るには、減率乾燥区間において低露点の雰囲気で品温を210℃以上に保持する必要がある。
【0061】
比較例1(従来例)はスチームチューブドライヤー1基で恒率及び減率乾燥区間の乾燥を行い、キャリアガスの流入方式を向流の循環系としたものである。
実施例1(図1に示す本発明例)はスチームチューブドライヤーを2基直列に配置し、前段の乾燥機で、キャリアガスの流入方式を並流とし恒率乾燥区間の乾燥を行い、後段の乾燥機で、キャリアガスの流入方式を向流とし、減率乾燥区間の乾燥を行い、それぞれの集塵機にバグフィルタを採用し、キャリアガスを個別の循環系としたものである。
この二つの乾燥工程の比較を表1に示す。
【0062】
【表1】

【0063】
表1により、乾燥機を直列2基とした場合(実施例1)は、乾燥機の入口部での付着の発生が少なく、安定した含液率の製品が得られるという大きな利点がある。また、排ガスに同伴して飛散するダストは製品として回収できるため、スラリーの発生がないという長所も持つ。さらに、付着の発生が少ないため、伝熱係数を高くとれ、乾燥機の伝熱面積が小さくできる。さらに、キャリアガス流量を少なくできるとともに、そのキャリアガスの加熱に必要な蒸気量も少なくできる。しかも、乾燥品の含液率は安定したものとなる。
【0064】
より具体的に説明すると、乾燥工程を、従来例に従って、乾燥機1基、キャリアガス流入方式を向流で行う場合(比較例1)、排ガスは蒸発液分を含み露点の高い状態となっている。その排ガスは、温度の低い湿潤状態の被処理物と接触し、ガス温度が下がり、露点との温度差が小さくなる。従来例では、キャリアガスの流量を調整することにより、露点約125℃に対し、ガス温度は約140℃となっているが、温度差が約1〜2℃以下になる場合もあり、結露発生のためバグフィルタを設置できない。
【0065】
本発明に従って、乾燥機を2基直列に設置し、キャリアガスの流入方式を、前段は並流、後段は向流とした場合(実施例1)、前段の乾燥機の排ガスは、露点は高いものの、ガス出口部で接触する被処理物の温度は高くなっているため、ガス温度が下がらない。後段の乾燥機の排ガスは、減率乾燥区間の蒸発液分のみを含むため、容易に低い露点に設定できる。また、接触する被乾燥物の温度も高いため、ガス温度が高いままとなる。本実施例では被乾燥物と排ガス温度との温度差が約70〜100℃となっており、結露を発生することなく、前段、後段の両乾燥機の排気処理にバグフィルタを設置できる。
【0066】
他方、減率乾燥区間での乾燥で、ある滞留時間内に目的の含液率に到達するには、キャリアガスの露点を低くする必要がある。乾燥工程を、従来例に従って、乾燥機1基で行う場合、そのキャリアガス全量の露点を下げる必要があり、乾燥機へ戻すに当たり、再び昇温するため、大きなエネルギーロスになる。本発明に従えば、減率乾燥区間の乾燥に使われる後段の乾燥機のキャリアガスの露点だけを下げればよい。実施例1では、減率乾燥区間を行うには、約45℃の露点のキャリアガスが必要であるが、約45℃とするのは後段の乾燥機に供給されるキャリアガスだけで良く、前段の乾燥機に供給されるキャリアガスの露点は約80℃としている。これにより、キャリアガスの昇温に必要な蒸気量は約20%削減できる。
【0067】
(実験例2;固形燃料の製造方法および製造装置)
本発明を以下の実験例によりさらに詳しく説明する。「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0068】
実施例2
予熱器を有さないこと以外、図7の装置と同様の装置を、以下の条件で連続運転した。
・粉砕工程
サマランガウ炭(最大粒子径3000μm、平均粒子径約150μm)
・混合工程
サマランガウ炭180kg/時と循環油248kg/時に新規調製混合油[灯油1kg/時、アスファルト1kg/時]が供給されて原料スラリーが調製された(70℃、100kPa)。
【0069】
・蒸発工程
原料スラリーの蒸発器への供給速度;430kg/時
137℃、400kPa
・固液分離工程
130℃、100kPa
【0070】
・最終乾燥工程
第1乾燥機;スチームチューブ式ドライヤ(チューブ数;12本、軸方向長さ;5000mm、加熱温度(キャリアガス(CG)温度);約210℃、改質多孔質炭滞留時間60分
第2乾燥機;スチームチューブ式ドライヤ(チューブ数;6本(+6本はスチームを供給せず)、軸方向長さ;5000mm、加熱温度(キャリアガス(CG)温度);約210℃、改質多孔質炭滞留時間60分
【0071】
実施例2では最終乾燥工程直後において改質多孔質炭を100kg/時で得た。
【0072】
比較例2
以下の乾燥装置を用いたこと以外、実施例2と同様の方法により連続運転を行った。
乾燥装置;
第2乾燥機として、第1乾燥機と同じスチームチューブ式ドライヤを用いたこと、キャリアガス(CG)を用いることなく、キャリアガス(CG)を図8に示す方向で第1乾燥機にも流したこと、および第1乾燥機11を出たキャリアガスを集塵装置15に供給したこと以外、図6と同様の乾燥装置を用いた。
【0073】
比較例2では、第1乾燥機における多孔質炭入り口付近、特に加熱用チューブに改質多孔質炭が付着したので、実施例2と同様の条件では十分な乾燥を行えなかった。そのため、第1乾燥機および第2乾燥機における多孔質炭搬送速度を遅くして、乾燥時間を確保し、十分な乾燥を行ったところ、最終乾燥工程直後において改質多孔質炭を60kg/時で得た。
また比較例2でのスチーム消費量は、実施例2と比較して、改質多孔質炭重量に対して約10%増大した。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る間接加熱乾燥装置および被乾燥物の間接加熱乾燥方法は各種の粉体または粒体、例えば、多孔質炭、バイオマス等の粉体または粒体の乾燥に有用である。
本発明に係る固形燃料の製造方法および製造装置は、多孔質炭(石炭)、特に低品位炭を原料とする固形燃料の製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る間接加熱乾燥装置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】スチームチューブ式ドライヤーの一例の構造を示す模式図である。
【図3】本発明に係る固形燃料の製造方法の一実施形態を示すプロセスフロー図である。
【図4】(A)および(B)は共に、本発明に係る固形燃料の製造方法における最終乾燥工程の一実施形態を示す模式図である。
【図5】本発明に係る固形燃料の製造方法における最終乾燥工程の一具体例を示す式図である。
【図6】本発明に係る固形燃料の製造方法における最終乾燥工程の一実施形態を示す全体構成図である。
【図7】本発明に係る固形燃料の製造装置の一実施形態を示す模式図である。
【図8】比較例2における最終乾燥工程において採用した第1乾燥機、第2乾燥機およびキャリアガスの流れ方向の関係を示す模式図である。
【図9】従来技術における固形燃料の製造方法を示すプロセスフロー図である。
【図10】従来技術における乾燥方法のフロー図である。
【符号の説明】
【0076】
2:混合槽、3:熱交換器、4:蒸発器、5:固液分離器、6:乾燥装置、10:改質多孔質炭(ケーキ)、11:第1の間接加熱型回転乾燥機(第1乾燥機)、11a:第1スチームチューブ式ドライヤ、12:第2の間接加熱型回転乾燥機(第2乾燥機)、12a:第2スチームチューブ式ドライヤ、13:ガス冷却器、14:ガス加熱器、15:集塵装置、16:ヒーター、41:スクリューコンベア、42:装入筒、43:スクリューコンベア、44:排出ケーシング、45:コンベア、46:一時貯槽、47:第1バグフィルタ、48:第2バグフィルタ、49:スクリューコンベア、51:排出ケーシング、52:冷却塔、53:ブロワー、54:返送経路、55:加熱器、56:返送経路、57:第2冷却塔、58:加熱器、310:回転筒、311:加熱管、321:装入口、322:排出口、331a:331b:基台、330a:330b:支承ローラ、312a:312b:タイヤ、350:従動ギア、353:駆動ギア、351:原動機、352:減速機、360:回転継手、361:熱媒体入口管、101:遠心分離機、102:スクリューフィーダ、103:装入筒、104:スクリューフィーダ、105:回転筒、106:排出シュート、110:スクリューフィーダ、111:湿式スクラバー、112:加熱器、113:貯留タンク、114:冷却器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心方向周りに回動自在な回転筒と、前記回転筒内に前記回転筒軸心と平行に配置される複数の加熱管と、前記回転筒の一方側から前記回転筒内にキャリアガスを送入し、他方側から蒸発液分と共に機外に排出するキャリアガスの処理系とを有し、前記回転筒の第1側から被乾燥物を装入し反対の第2側から乾燥物を排出するようにした間接加熱型回転乾燥機を備えた間接加熱乾燥装置において、
第1の間接加熱型回転乾燥機からの乾燥物を、第2の間接加熱型回転乾燥機において被乾燥物として受け入れて乾燥を行うように、第1の間接加熱型回転乾燥機と第2の間接加熱型回転乾燥機とを直列に配置し、
被乾燥物から乾燥物への流れに対し、前記第1の間接加熱型回転乾燥機においては、前記キャリアガスの流れを並流に、前記第2の間接加熱型回転乾燥機においては、前記キャリアガスの流れを向流に前記キャリアガスを供給する供給手段を備えたことを特徴とする間接加熱乾燥装置。
【請求項2】
前記第1の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガスの集塵に第1バグフィルタを、前記第2の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガスの集塵に第2バグフィルタをそれぞれ設け、集塵したそれぞれのダストを前記第1の間接加熱型回転乾燥機から排出される乾燥物に混合する混合手段を備えた請求項1に記載の間接加熱乾燥装置。
【請求項3】
前記第1の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガス及び前記第2の間接加熱型回転乾燥機から排出のキャリアガスをそれぞれ送入側に戻すキャリアガス循環系をそれぞれ構成し、少なくとも第2のキャリアガス循環系の途中に冷却手段を設け、前記第2の間接加熱型回転乾燥機への送入するキャリアガスの露点の低下を図るようにした請求項1または2に記載の間接加熱乾燥装置。
【請求項4】
軸心方向周りに回動自在な回転筒と、前記回転筒内に前記回転筒軸心と平行に配置される複数の加熱管と、前記回転筒の一方側から前記回転筒内にキャリアガスを送入し、他方側から蒸発液分と共に機外に排出するキャリアガスの処理系とを有し、前記回転筒の第1側から被乾燥物を装入し反対の第2側から乾燥物を排出するようにした間接加熱型回転乾燥機を複数用い、
第1の間接加熱型回転乾燥機において、被乾燥物の流れに対し、前記キャリアガスの流れを並流として乾燥させる第1乾燥工程と、乾燥された前記被乾燥物を、第2の間接加熱型回転乾燥機において、被乾燥物の流れに対し、前記キャリアガスの流れを向流として乾燥させる第2乾燥工程を備えたことを特徴とする被乾燥物の間接加熱乾燥方法。
【請求項5】
前記第2の間接加熱型回転乾燥機に供給される前記キャリアガスの露点が、第1の間接加熱型回転乾燥機に供給されるキャリアガスの露点より低いことを特徴とする請求項4に記載の被乾燥物の間接加熱乾燥方法。
【請求項6】
多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合工程;
該原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る蒸発工程;
該脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する固液分離工程;および
分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる最終乾燥工程;
を含んでいる固形燃料の製造方法であり、
最終乾燥工程において、請求項4または5に記載の被乾燥物の間接加熱乾燥方法を実施すること特徴とする固形燃料の製造方法。
【請求項7】
多孔質炭を、重質油分および溶媒油分を含む混合油と混合して原料スラリーを得る混合手段;
該原料スラリーを加熱して多孔質炭の脱水を進めると共に、多孔質炭の細孔内に混合油を含浸せしめ、脱水スラリーを得る蒸発手段;
該脱水スラリーから改質多孔質炭と混合油とを分離する固液分離手段;および
分離された改質多孔質炭を加熱・搬送しながらキャリアガスを流して乾燥させる乾燥手段;
を含んでいる固形燃料の製造装置であり、
乾燥手段が、請求項1〜3のいずれかに記載の間接加熱乾燥装置であること特徴とする固形燃料の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−97783(P2009−97783A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269278(P2007−269278)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000165273)月島機械株式会社 (253)
【Fターム(参考)】