間隙を持たない半導体ナノ結晶層を含む発光素子およびその製造方法
【課題】半導体ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たした半導体ナノ結晶層を有する発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】正孔を注入する第1電極と、前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、を含む発光素子である。
【解決手段】正孔を注入する第1電極と、前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、を含む発光素子である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ナノ結晶層を含む発光素子およびその製造方法に係り、より詳細には、半導体ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たした半導体ナノ結晶層を含む発光素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
量子閉じ込め効果を有する半導体ナノ結晶は、結晶の大きさを調節することによって電気的・光学的特性を調節できる点から、受光素子、発光素子などの種々の素子に応用されている。ナノ結晶を種々の素子に適用させナノ結晶の特性を発揮できるようにするには、それぞれのナノ結晶を均一に配列させナノ結晶の薄膜を形成することが必要であるが、ナノ結晶の特性上、粒子間の凝集力が大きいためにナノ結晶が凝集体を形成し、単一膜に形成されず、配列された膜上にナノ結晶が存在しない空間である間隙(Void)が発生するという問題があった。
【0003】
特に、ナノ結晶を使用した電界発光素子(Electroluminescence Device)では、発光層となるナノ結晶層のナノ結晶粒子の間に空間があると、正孔と電子がナノ結晶粒子で結合せず、その他の領域(間隙など)で結合するため励起子(exciton)を形成せず、結果として発光できず、電流漏洩を招くことになる。
【0004】
より詳細な説明のために図1を提示する。図1は、間隙を持つナノ結晶層を発光層とした電界発光素子の概略的な断面図である。
【0005】
図1に示すように、陽極100、正孔輸送層200、半導体ナノ結晶層300、電子輸送層400、陰極500で構成された電界発光素子において、電圧が印加されると、陽極100は、正孔を正孔輸送層200内に注入し、陰極500は、電子を電子輸送層400内に注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ反対の電気を帯電している電極500および100に向かって移動し、それぞれの移動路は、正孔移動路700および電子移動路800で表されている。正孔および電子が会合する部分は会合部900で表されているが、正孔および電子が半導体ナノ結晶層300中の半導体ナノ結晶310で会合すると励起子(exciton)が形成され、この励起子が再結合する過程で光を放出するようになる。しかしながら、正孔および電子が半導体ナノ結晶層300中の間隙320で会合すると、正孔および電子が直接結合されるため、電流が漏洩され、発光効率が減少することにつながる。なお、間隙320において抵抗が極端に小さくなるため、オームの法則に従って多量の電流が間隙320に集中してしまい、結果として発光素子の寿命が低減し、電気的な安定性が低下するという問題が発生する。
【0006】
このような問題を解決するために、従来は、ナノ結晶層の被覆率(coverage)を高めてナノ結晶層中の空間を除去しようとしたが、公知のナノ結晶薄膜の製造方法では、製造方法の特性上、空間のないナノ結晶薄膜を製造することができない、あるいは、極めて困難であった。
【0007】
ナノ結晶薄膜の製造方法の一つであるLB(Langmuir−Blodgett)法は、水溶液と空気層との界面で薄膜を形成する方法であるが、粒子と粒子、または粒子と基板の間の弱いファンデルワールス力を用いるため、基板へ転移される比率である転移比(transfer ratio)が1以下となり、ナノ結晶薄膜上に欠陥が多発し、均一な単一膜を製造できなくなる。
【0008】
また、粒子の水溶液に連続的に基板を浸漬してから除去する工程を繰返し、基板に吸着された粒子の被覆率を高めるディッピング(Dipping)法が知られているが、数回ディッピングをしてもナノ結晶の被覆率が70%を越えないという問題点があった。
【0009】
また、粒子と基板間に反対電荷を与えて薄膜を形成する静電的自己組織化(Electrostatic Self Assembly)法が知られているが、実際工程に用いる場合、ナノ粒子が凝集体を形成してしまうため、欠陥が生じ、完成度が落ちるという問題点があった。
【0010】
熱分解法(pyrolysis)やレーザー溶融法(laserablation)、化学気相成長法(CVD)等、ガス形態に供給される原料で気相反応によって基板にナノ粒子を直接生成させ、パシベーションして成長させることによってナノ粒子を配列する方法も知られているが、ナノ結晶が均一に塗布された単一膜を製造できないという問題点があった。
【0011】
より詳細な説明のために図2を提示する。図2は、スピンコーティング法で製造されたナノ結晶薄膜を示すTEM写真である。該写真には、PbSe薄膜上においてPbSeナノ結晶粒子と粒子間に不規則な間隙が存在している。この場合、ナノ結晶の基板に対する被覆率は、約91%だった。このように、ナノ結晶薄膜自体に多数の間隙が存在することになり、間隙を持つナノ結晶薄膜を電界発光素子に使用する場合、電流が間隙に集中するため、発光素子の寿命が低減し、電気的な安定性が低下することになる。
【0012】
従来より、ナノ結晶を発光物質とする幾つかの電界発光素子が知られている。
【0013】
例えば、特許文献1は、複数個の半導体ナノ結晶を含む電界発光素子に関するもので、複数個の半導体ナノ結晶が分散されていることが記載されているが、ナノ結晶粒子間の間隙の存在およびこれら間隙による電流の漏洩については言及していない。
【0014】
例えば、特許文献2は、絶縁体前駆体とナノサイズの金属粉末を混合した後、熱処理して金属酸化物の量子点を形成する方法、および金属酸化物量子点が分散された高分子薄膜に関するもので、量子点と絶縁体が混在してなる高分子薄膜が開示されているが、この方法によって製造された高分子薄膜は、量子点が単一膜形態に形成されず、量子点と絶縁体が3次元的にランダムに配列されている形態であるため、電界発光素子の発光層に使用する場合に発光効率が非常に低く、結果として発光素子としては使用できない。
【0015】
例えば、特許文献3は、量子点構造の活性層を含む高輝度発光素子に関するもので、量子点構造の活性層上に絶縁層が存在することが記載されているが、量子点間の間隙の存在およびこれら間隙による電流の漏洩については言及していない。
【0016】
以上で説明したように、従来技術により提供されているナノ結晶を含有する発光素子は、ナノ結晶の被覆率を高めようと努力しただけで、ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たし、高効率と電気的安全性を有する発光素子とする工夫はしていなかった。
【特許文献1】米国特許公開第2004/0023010号明細書
【特許文献2】韓国特許公開第2005−7661号明細書
【特許文献3】韓国特許公開第2004−98798号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記の従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、半導体ナノ結晶層における間隙を充填物質で満たすことによって、間隙から電流が漏洩されず駆動電流の量が減少して素子寿命が向上し、高効率が得られる発光素子を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、半導体ナノ結晶層における間隙を充填物質で満たすことによって生じるパッケージング効果によって周辺層との界面(interface)が単純化し、安全性が増大した発光素子、および形成工程が容易な発光素子製造方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、上記発光素子を採用したディスプレイ、照明装置およびバックライトユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、正孔を注入する第1電極と、前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、を含む発光素子を提供する。
【0021】
また、本発明の別の態様は、互いに対向する1対の電極間に半導体ナノ結晶層を含む発光素子の製造において、前記半導体ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たす段階を含むことを特徴とする、発光素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明による発光素子は、半導体ナノ結晶層のナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たし、間隙による漏洩電流を最小限に抑えているため、駆動電流量の減少並びにそれによる素子寿命の向上および高発光効率を全て達成できるという効果がある。
【0023】
なお、本発明による発光素子の製造方法は、半導体ナノ結晶粒子層の間隙を充填物質で満たし、周辺層と半導体ナノ結晶層間の界面(interface)を単純化させるため、素子形成が容易となり且つ安全性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態は、正孔を注入する第1電極(正孔注入第1電極)と、前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極(電子注入第2電極)と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、を含む発光素子である。
【0025】
また、本発明の他の実施形態は、前記第1電極と接触する正孔輸送層と、前記第2電極と接触する電子輸送層とをさらに含むことができ、好ましくは、正孔を注入する第1電極と、前記第1電極と接触する正孔輸送層と、前記第1電極に対向する電子を注入する第2電極と、前記第2電極と接触する電子輸送層と、および前記正孔輸送層と前記電子輸送層との間に位置し、多数の半導体ナノ結晶粒子と粒子間の間隙(Void)を満たす充填物質と、からなる半導体ナノ結晶層を含む発光素子である。
【0026】
本発明の半導体ナノ結晶層に使用される半導体ナノ結晶の材質は、その大きさから、量子閉じ込め効果を有するものであればいずれも使用可能であり、具体的には、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上の物質である。
【0027】
前記II−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeなどの二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeなどの三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeなどの四元化合物よりなる群から選ばれる選択される一種以上の物質でありうる。
【0028】
前記III−V族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbなどの二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPなどの三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上の物質でありうる。
【0029】
前記IV−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeなどの二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeなどの三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上の物質である。
【0030】
前記IV族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SiおよびGeなどの単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeなどの二元化合物よりなる群から選択される一種以上の物質を使用することができる。
【0031】
前記半導体ナノ結晶層が2種以上の半導体ナノ結晶の混合物を含む場合には、前記半導体ナノ結晶は、各々均一な濃度で粒子内に存在しても、同一粒子内で濃度分布が部分的に分けられて存在しても、または、合金形態で存在してもよい。
【0032】
また、上記半導体ナノ結晶は、保護膜をさらに含むことでコア−シェル構造を形成することができ、前記保護膜の材質は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上でありうる。
【0033】
保護膜に使われる物質のうち、前記II−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeなどの二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeなどの三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0034】
前記III−V族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbなどの二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPなどの三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0035】
前記IV−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeなどの二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeなどの三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0036】
前記IV族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SiおよびGeなどの単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeなどの二元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0037】
本発明の半導体ナノ結晶層のナノ結晶粒子間の間隙(void)は、充填物質で満たされ、前記充填物質は、有機絶縁物質または無機絶縁物質を使用することができる。
【0038】
本発明において使用できる絶縁物質は、特に限定されるものではなく、好ましくは、抵抗値が104Ω・cm以上の物質を使用することができる。前記無機絶縁物質としては、以下に制限されることはないが例えば、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4などの金属酸化物、Si3N4、ならびにTiNなどよりなる群から選択される一種以上の物質が使用可能であり、前記有機絶縁物質としては、以下に制限されることはないが例えば、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などのポリマー、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、ならびに3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールなどよりなる群から選択される1種以上の物質が使用可能である。そして、前記有機絶縁物質または前記無機絶縁物質を単独で使用することも、両者を混合して用いることも可能である。
【0039】
本発明の半導体ナノ結晶層は間隙を充填物質で満たしているために、特定の部位に多量の電流が集中することがなく、結果として、発光素子の寿命が低減したり、電気的な安定性が低下するという、従来の問題を解決することができる。
【0040】
また、充填物質が満たされた本発明の半導体ナノ結晶層は、パッケージング効果によって周辺層との界面(interface)が単純化するため、素子形成工程が容易となり、素子の安全性が向上する。
【0041】
本発明の半導体ナノ結晶層は、半導体ナノ結晶粒子が単一の層中に配列された単層構造を有することができる。そして、前記単層構造は、前記半導体ナノ結晶粒子が単一の層状に配列され、半導体ナノ結晶粒子間の間隙が充填物質で満たされた状態となりうる。
【0042】
なお、本発明の半導体ナノ結晶層は、前記単層を複数含む多層構造を有してもよい。
【0043】
本発明の正孔を注入する第1電極の材質は、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide、IZO)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)およびこれらの酸化物よりなる群から選択される1種以上を使用することができる。
【0044】
本発明の正孔輸送層は、有機物質も無機物質も使用でき、以下に制限されることはないが例えば、有機物質としては、ポリ3,4−エチレンチオフェン(poly3,4−ethylenedioxythiophene、PEDOT)/ポリスチレンパラスルホネート(polystyrene parasulfonate、PSS)誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール(poly−N−Vinylcarbazole)誘導体、ポリフェニレンビニレン(polyphenyleneVinylene)誘導体、ポリパラフェニレン(polyparaphenylene)誘導体、ポリメタクリレート(polymethacrylate)誘導体、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン(poly9,9−octylfluorene)誘導体、ポリスピロ−フルオレン(polyspiro−fluorene)誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス3−メチルフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N’−ジフェニル−ベンジジン、トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン(TFB)、銅フタロシアニン(Copper phthalocyanine)、およびスターバースト系列の物質が可能であり、前記無機物質としては、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4などの金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSのようなバンドギャップが2.4eV以上の半導体が可能であり、これらの物質より選択される1種以上でありうる。
【0045】
本発明の電子を注入する第2電極の材質は、ITO、I、Ca、Ba、Ca/Al、LiF/Ca、BaF2/Al、BaF2/Ca/Al、Al、MgおよびAg/Mg合金よりなる群から選択される1種以上でありうる。
【0046】
本発明の電子輸送層は、有機物質も無機物質も使用可能であり、以下に制限されることはないが例えば、前記有機物質としては、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、トリアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキシジアゾール化合物、チアジアゾール化合物、ペリレン化合物などが可能であり、前記無機物質としては、アルミニウム錯体、そしてTiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4などの金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSのようなバンドギャップが2.4eV以上の半導体が可能であり、これらの物質より選択される1種以上でありうる。
【0047】
本発明の発光素子の製造方法は、ナノ結晶層の形成方法以外は、通常の電界発光素子製造方法と同様であり、半導体ナノ結晶の合成方法は、いずれの公知技術も適用可能である。
【0048】
本発明の発光素子の製造方法は、互いに対向する1対の電極間に半導体ナノ結晶層を含む発光素子の製造において、前記半導体ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たす段階を含むことを特徴とする。
【0049】
より具体的には、電極間に電子輸送層と正孔輸送層とを有する発光素子の製造方法は、正孔を注入する第1電極を形成する段階と、前記第1電極上に正孔輸送層を形成する段階と、前記正孔輸送層上に半導体ナノ結晶層を形成する段階と、前記半導体ナノ結晶層上に電子輸送層を形成する段階と、および前記電子輸送層上に電子を注入する第2電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする。なお、本実施形態で用いる構成要素のうち、前述したものについては説明が重複するため詳細を省略する。
【0050】
前記正孔輸送層を形成する段階では、正孔を注入する第1電極上に、前述した本発明に使用可能な正孔輸送層の形成物質を有機溶媒に分散させた溶液を、スピンコーティング(spin coating)、キャスティング(casting)、プリンティング、スプレイング、真空蒸着法、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、e−ビーム蒸着法(e−beam evaporation)などの種々のコーティング法でコーティングし、正孔輸送層を形成することができる。
【0051】
前記半導体ナノ結晶層を形成する段階では、(I)半導体ナノ結晶を形成した後に充填物質で間隙を満たすことによって製造する方法、または(II)半導体ナノ結晶と充填物質とを混合して製造する方法などを使用することができる。
【0052】
前記半導体ナノ結晶を配列した後に充填物質を満たす方法(I)は、公知の方法で製造された半導体ナノ結晶を有機溶媒に分散させた溶液を、ナノ結晶配列方法を用いて単層形態に製造した後、充填物質を満たすことができる。このとき、スピンコーティング(spin coating)、ディッピング(dipping)、噴霧コーティング(spray coating)およびブレードコーティング(blade coating)などの公知の半導体ナノ結晶配列方法、ならびに韓国特許出願第2005−0060215号に記載された方法を用いる。具体的には、ナノ結晶の表面を置換し改質した後、有機溶媒(例えばクロロホルム)を真空乾燥して除去し、さらにその後水溶液に分散し、遠心分離で粒子の凝集体および不純物を除去して得られたナノ結晶の水溶液を用いて、スピンコーティングやディップコーティングのような湿式工程で薄膜を形成する方法などを使用することができる。
【0053】
前記充填物質を満たす方法は、公知の種々の方法を使用すればよく、以下に制限されることはないが例えば、物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)または化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などを使用することができる。物理気相成長法には、スパッタリング、電子ビーム蒸着法(E−beam evaporation)、熱蒸着法(Thermal evaporation)、レーザー分子ビーム蒸着法(Laser Molecular Beam Epitaxy)およびパルスレーザー蒸着法(Pulsed Laser Deposition)などがある。一方、化学気相成長法には、MOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)およびHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)などがある。
【0054】
一方、半導体ナノ結晶と充填物質とを混合して製造する方法(II)では、界面活性剤交換(surfactant exchange)、界面活性剤挿入(surfactant insertion)およびポリマーラッピング(polymer wrapping)などの界面活性剤の前処理方法(surfactant pre−treatment)を用いてナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たすことが可能である。
【0055】
ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で蒸着する場合、前記充填物質の高さは、図3に示すように、間隙を満たす種々の方法を用いて様々なパターンで行うことができる。すなわち、ナノ結晶の高さまで充填物質を満たしてもよく(図3左側の図)、ナノ結晶の高さよりも低い高さまで充填物質を満たしてもよく(図3中央の図)、充填物質でナノ結晶粒子間の間隙を満たすと共にナノ結晶の上まで満たしてもよい(図3右側の図)。
【0056】
好ましくは、充填物質が間隙を満たしながらナノ結晶の高さと同じ程度に満たされる状態が、ナノ結晶の発光効率を高める点から好ましい。また、充填物質がナノ結晶の上まで満たされる場合には、ナノ結晶上に存在する充填物質の厚さが、ナノ結晶の量子効果を発揮できる厚さ、すなわち、10nm以下であることが好ましい。
【0057】
このように、本発明の半導体ナノ結晶層は、間隙に充填物質が満たされているため、半導体ナノ結晶層の界面(interface)が単純化し、素子形成が容易となり、安全性が向上する。
【0058】
本発明において半導体ナノ結晶層を形成した後、50〜120℃の温度でアニーリングすることができ、こうして製造された半導体ナノ結晶層上に熱蒸着法、分子蒸着法および化学蒸着法などを用いて電子輸送層を形成し、その上に、電子を注入する第2電極を形成することができる。
【0059】
以下に、本発明の発光素子の構造をより詳細に説明する。なお、本実施形態で用いる構成要素のうち、前述したものについては説明が重複するため詳細を省略する。
【0060】
図4Aおよび図4Bは、本発明の実施形態による発光素子を示す概略断面図である。
【0061】
図4Aに示すように、本発明の一実施形態による発光素子は、基板10上に形成された透明電極である第1電極(陽極)20と、仕事関数の低い金属を用いた第2電極(陰極)70との間に、半導体ナノ結晶層40を含み、半導体ナノ結晶層40の間隙(void)が充填物質50で満たされている。半導体ナノ結晶層40は、半導体ナノ結晶41が均一に単一の層状に配列される単層であることが好ましく、前記単層が複数存在する多層構造としてもよい。なお、前記基板の材質は特に制限されず、例えばガラス基板、有機基板などが使用可能である。
【0062】
図4Bは、本発明の他の実施形態による発光素子を示す概略断面図である。本発明の他の実施形態による発光素子は、第1電極(陽極)20と半導体ナノ結晶層40との間に正孔輸送層30を含み、半導体ナノ結晶層40と第2電極(陰極)70との間に電子輸送層60をさらに含むこともできる。好ましくは、本発明の他の実施形態による発光素子は、図4Bに示すように、基板10上に第1電極20、正孔輸送層30、間隙が充填物質50で満たされた半導体ナノ結晶層40、電子輸送層60、第2電極70を順に含む構造とする。
【0063】
この発光素子に電圧が印加されると、正孔が第1電極20から正孔輸送層30に注入され、電子が第2電極70から電子輸送層60に注入される。注入された正孔と電子はそれぞれ反対に帯電された電極に向かって移動し、電子と正孔が同じナノ結晶粒子内で会合して励起子が形成され、この励起子が再結合しながら発光するようになる。
【0064】
本発明の発光素子は、ナノ結晶層上に間隙が存在しないため、多量の電流が特定部分に集中せず、したがって、発光素子の寿命が向上し、また、漏洩電流が低減するため発光効率が向上する。
【0065】
本発明の発光素子では、励起子が再結合して発光する領域が、半導体ナノ結晶層であってもよく、半導体ナノ結晶層と正孔輸送層または電子輸送層との界面であってもよい。選択的に、この発光は、電子輸送層および正孔輸送層の両方で起きてもよい。
【0066】
使用された半導体ナノ結晶の発光特性によって様々な色を発光できるため、本発明の発光素子は、約300〜3000nmの広い発光波長を有することができる。
【0067】
また、本発明の発光素子は、それぞれの発光体から発される光を混合して白色光を発光することができる。すなわち、互いに異なる波長の光を発光する2種以上の半導体ナノ結晶を混合し半導体ナノ結晶層を形成することで白色光を具現できるか、或いは、半導体ナノ結晶層の発光された波長の光と、ナノ結晶層以外の発光領域で発生する波長の光とを混合することで白色光を具現できる。
【0068】
本発明の発光素子はカラーフィルターと共に、全ての天然色を具現するディスプレイ装置を構成することができる。なお、本発明の発光素子は、各種デバイスのバックライトユニットおよび照明装置などにも使用されることができる。
【実施例】
【0069】
以下、具体的な実施例に挙げて本発明についてより詳細に説明する。ただし、これら実施例は、説明の目的のために例示されたもので、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0070】
実施例1.ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たした発光素子製造
パターニングされたITO基板上に、TiO2前駆体(DuPont Tyzor、BTP、ブタノール中濃度2.5wt%)を窒素雰囲気下、2000rpmで30秒間スピンコーティングし、窒素雰囲気下で約5分間乾燥させた後、150℃で15分間アニーリングし、約20nm厚の非晶質TiO2薄膜を形成した。
【0071】
製造されたTiO2薄膜上に、約0.3wt%の赤色(642nm)を発光するクロロホルム中のCdSe/ZnSコアシェル量子点(粒子径約6nm、Evident Tech.INC.)を2000rpmで30秒間スピンコーティングし、50℃で5分間乾燥させて量子点を1層に配列した後、PVD法を用いて、TAZ(3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール)で5nm厚に埋め立て、半導体ナノ結晶層を形成した。
【0072】
形成された半導体ナノ結晶層上に、グローブボックス内に設置された熱蒸発器(Thermal evaporator)を用いてα−NPB(N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N’−ジフェニル−ベンジジン)を約40nm厚に形成した。その上に、パターニングされたマスクを用いて金(Au)を約100nm厚になるように電極を形成し、封入ガラスを用いて、素子を酸素と水分が侵入しないように封入し、発光素子を完成した。完成した発光素子のエネルギーバンドギャップの模式図を、図5に示す。
【0073】
比較例1.ナノ結晶層に間隙が存在する発光素子製造
半導体ナノ結晶層形成時に、量子点を1層に配列した後、Tazで埋め立てる(満たす)工程を実施しない以外は、実施例1と同様にして発光素子を製造した。完成した発光素子のエネルギーバンドギャップの模式図を、図6に示す。
【0074】
実験例1.発光素子の安全性比較実験
実施例1の方法で製造された発光素子と比較例1の方法で製造された発光素子に電圧を漸増させつつ印加し、常温、常圧条件で発光スペクトル、単位面積当たり光の強度、電流量変化を測定し、それぞれの発光素子の安全性を試験した。
【0075】
図7Aおよび図7Bは、印加電圧上昇時に、実施例1および比較例1で製造された発光素子の発光スペクトラムをそれぞれ示すグラフで、図8Aおよび図8Bは、印加電圧上昇時に、実施例1および比較例1で製造された発光素子の単位面積当たりの光強度の変化をそれぞれ示すグラフである。
【0076】
図7A〜図8Bに示すように、実施例1と比較例1の発光素子はいずれも、印加電圧を上昇させた時に、発光する光が明るくなることがわかる。
【0077】
図9Aおよび図9Bは、印加電圧上昇時に、実施例1と比較例1で製造された発光素子における電流量の変化をそれぞれ示すグラフである。
【0078】
図9Bに示すように、比較例1の発光素子は、印加電圧が16Vになるまでは電流量が増加し、それ以上の電圧が加えられると電流量が急減して18Vを越える電圧が加えられると電流量は約0Aとなる。これに対し、図9Aに示す実施例1の発光素子は、印加電圧が21Vになるまで電流量が増加し、それ以上の電圧が加えられると電流量が減少するものの、電流量が0Aまで落ちずに一定水準を保持できる。この結果から、比較例1では発光素子の間隙に多量の電流が集まるため、発光素子がダメージを受けながら電流が迅速に漏洩されるのに対し、実施例1の発光素子は、発光素子の間隙が充填物質で満たされているため、多量の電流が特定の部位に集まることなく、電流が徐々に漏洩されるということが確認できた。
【0079】
実験例2.発光素子の発光効率比較実験
実施例1の方法で製造された発光素子と比較例1の方法で製造された発光素子に、電圧を漸次上昇させつつ印加し、常温、常圧条件で単位電流当たりの明るさを測定することによって、それぞれの発光素子の発光効率を試験した。
【0080】
図10Aおよび図10Bは、印加電圧上昇時に、実施例1と比較例1で製造された発光素子における単位電流当たりの発光効率の変化をそれぞれ示すグラフである。
【0081】
比較例1の発光素子は、印加電圧が増加するにつれ、単位電流当たりの発光効率が徐々に増加し13Vで最高の発光効率を表すが、それ以上の電圧が加えられると発光効率が保持されず急速に落ちることが確認できた。これに対し、実施例1の発光素子は、光が出始める時点から高い発光効率を続けて維持し、21Vの電圧が印加されると発光効率が減少することが観察された。この結果から、実施例1の発光素子が、比較例1の間隙を持つ発光素子に比べて安定的に高い効率を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】間隙を有するナノ結晶層を発光層とした従来の電界発光素子を示す概略断面図である。
【図2】スピンコーティング法でPbSe薄膜を製造した場合のTEM写真である。
【図3】充填物質で満たされた本発明のナノ結晶層を示す概略断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態による発光素子を示す概略断面図である。
【図4B】本発明の他の実施形態による発光素子を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施例1による発光素子のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【図6】本発明の比較例1による発光素子のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【図7A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子の発光スペクトラムを示すグラフである。
【図7B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子の発光スペクトラムを示すグラフである。
【図8A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子の単位面積当たり光強度の変化を示すグラフである。
【図8B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子の単位面積当たり光強度の変化を示すグラフである。
【図9A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子における電流量の変化を示すグラフである。
【図9B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子における電流量の変化を示すグラフである。
【図10A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子における単位電流当たり発光効率の変化を示すグラフである。
【図10B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子における単位電流当たり発光効率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0083】
100,20 陽極、(正孔を注入する)第1電極
200,30 正孔輸送層
300,40 半導体ナノ結晶層
310,41 半導体ナノ結晶
320 間隙
50 充填物質
400,60 電子輸送層
500,70 陰極、(電子を注入する)第2電極
700 正孔移動路
800 電子移動路
900 会合部
10 基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ナノ結晶層を含む発光素子およびその製造方法に係り、より詳細には、半導体ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たした半導体ナノ結晶層を含む発光素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
量子閉じ込め効果を有する半導体ナノ結晶は、結晶の大きさを調節することによって電気的・光学的特性を調節できる点から、受光素子、発光素子などの種々の素子に応用されている。ナノ結晶を種々の素子に適用させナノ結晶の特性を発揮できるようにするには、それぞれのナノ結晶を均一に配列させナノ結晶の薄膜を形成することが必要であるが、ナノ結晶の特性上、粒子間の凝集力が大きいためにナノ結晶が凝集体を形成し、単一膜に形成されず、配列された膜上にナノ結晶が存在しない空間である間隙(Void)が発生するという問題があった。
【0003】
特に、ナノ結晶を使用した電界発光素子(Electroluminescence Device)では、発光層となるナノ結晶層のナノ結晶粒子の間に空間があると、正孔と電子がナノ結晶粒子で結合せず、その他の領域(間隙など)で結合するため励起子(exciton)を形成せず、結果として発光できず、電流漏洩を招くことになる。
【0004】
より詳細な説明のために図1を提示する。図1は、間隙を持つナノ結晶層を発光層とした電界発光素子の概略的な断面図である。
【0005】
図1に示すように、陽極100、正孔輸送層200、半導体ナノ結晶層300、電子輸送層400、陰極500で構成された電界発光素子において、電圧が印加されると、陽極100は、正孔を正孔輸送層200内に注入し、陰極500は、電子を電子輸送層400内に注入する。注入された正孔と電子はそれぞれ反対の電気を帯電している電極500および100に向かって移動し、それぞれの移動路は、正孔移動路700および電子移動路800で表されている。正孔および電子が会合する部分は会合部900で表されているが、正孔および電子が半導体ナノ結晶層300中の半導体ナノ結晶310で会合すると励起子(exciton)が形成され、この励起子が再結合する過程で光を放出するようになる。しかしながら、正孔および電子が半導体ナノ結晶層300中の間隙320で会合すると、正孔および電子が直接結合されるため、電流が漏洩され、発光効率が減少することにつながる。なお、間隙320において抵抗が極端に小さくなるため、オームの法則に従って多量の電流が間隙320に集中してしまい、結果として発光素子の寿命が低減し、電気的な安定性が低下するという問題が発生する。
【0006】
このような問題を解決するために、従来は、ナノ結晶層の被覆率(coverage)を高めてナノ結晶層中の空間を除去しようとしたが、公知のナノ結晶薄膜の製造方法では、製造方法の特性上、空間のないナノ結晶薄膜を製造することができない、あるいは、極めて困難であった。
【0007】
ナノ結晶薄膜の製造方法の一つであるLB(Langmuir−Blodgett)法は、水溶液と空気層との界面で薄膜を形成する方法であるが、粒子と粒子、または粒子と基板の間の弱いファンデルワールス力を用いるため、基板へ転移される比率である転移比(transfer ratio)が1以下となり、ナノ結晶薄膜上に欠陥が多発し、均一な単一膜を製造できなくなる。
【0008】
また、粒子の水溶液に連続的に基板を浸漬してから除去する工程を繰返し、基板に吸着された粒子の被覆率を高めるディッピング(Dipping)法が知られているが、数回ディッピングをしてもナノ結晶の被覆率が70%を越えないという問題点があった。
【0009】
また、粒子と基板間に反対電荷を与えて薄膜を形成する静電的自己組織化(Electrostatic Self Assembly)法が知られているが、実際工程に用いる場合、ナノ粒子が凝集体を形成してしまうため、欠陥が生じ、完成度が落ちるという問題点があった。
【0010】
熱分解法(pyrolysis)やレーザー溶融法(laserablation)、化学気相成長法(CVD)等、ガス形態に供給される原料で気相反応によって基板にナノ粒子を直接生成させ、パシベーションして成長させることによってナノ粒子を配列する方法も知られているが、ナノ結晶が均一に塗布された単一膜を製造できないという問題点があった。
【0011】
より詳細な説明のために図2を提示する。図2は、スピンコーティング法で製造されたナノ結晶薄膜を示すTEM写真である。該写真には、PbSe薄膜上においてPbSeナノ結晶粒子と粒子間に不規則な間隙が存在している。この場合、ナノ結晶の基板に対する被覆率は、約91%だった。このように、ナノ結晶薄膜自体に多数の間隙が存在することになり、間隙を持つナノ結晶薄膜を電界発光素子に使用する場合、電流が間隙に集中するため、発光素子の寿命が低減し、電気的な安定性が低下することになる。
【0012】
従来より、ナノ結晶を発光物質とする幾つかの電界発光素子が知られている。
【0013】
例えば、特許文献1は、複数個の半導体ナノ結晶を含む電界発光素子に関するもので、複数個の半導体ナノ結晶が分散されていることが記載されているが、ナノ結晶粒子間の間隙の存在およびこれら間隙による電流の漏洩については言及していない。
【0014】
例えば、特許文献2は、絶縁体前駆体とナノサイズの金属粉末を混合した後、熱処理して金属酸化物の量子点を形成する方法、および金属酸化物量子点が分散された高分子薄膜に関するもので、量子点と絶縁体が混在してなる高分子薄膜が開示されているが、この方法によって製造された高分子薄膜は、量子点が単一膜形態に形成されず、量子点と絶縁体が3次元的にランダムに配列されている形態であるため、電界発光素子の発光層に使用する場合に発光効率が非常に低く、結果として発光素子としては使用できない。
【0015】
例えば、特許文献3は、量子点構造の活性層を含む高輝度発光素子に関するもので、量子点構造の活性層上に絶縁層が存在することが記載されているが、量子点間の間隙の存在およびこれら間隙による電流の漏洩については言及していない。
【0016】
以上で説明したように、従来技術により提供されているナノ結晶を含有する発光素子は、ナノ結晶の被覆率を高めようと努力しただけで、ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たし、高効率と電気的安全性を有する発光素子とする工夫はしていなかった。
【特許文献1】米国特許公開第2004/0023010号明細書
【特許文献2】韓国特許公開第2005−7661号明細書
【特許文献3】韓国特許公開第2004−98798号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は上記の従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、半導体ナノ結晶層における間隙を充填物質で満たすことによって、間隙から電流が漏洩されず駆動電流の量が減少して素子寿命が向上し、高効率が得られる発光素子を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、半導体ナノ結晶層における間隙を充填物質で満たすことによって生じるパッケージング効果によって周辺層との界面(interface)が単純化し、安全性が増大した発光素子、および形成工程が容易な発光素子製造方法を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、上記発光素子を採用したディスプレイ、照明装置およびバックライトユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、正孔を注入する第1電極と、前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、を含む発光素子を提供する。
【0021】
また、本発明の別の態様は、互いに対向する1対の電極間に半導体ナノ結晶層を含む発光素子の製造において、前記半導体ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たす段階を含むことを特徴とする、発光素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明による発光素子は、半導体ナノ結晶層のナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たし、間隙による漏洩電流を最小限に抑えているため、駆動電流量の減少並びにそれによる素子寿命の向上および高発光効率を全て達成できるという効果がある。
【0023】
なお、本発明による発光素子の製造方法は、半導体ナノ結晶粒子層の間隙を充填物質で満たし、周辺層と半導体ナノ結晶層間の界面(interface)を単純化させるため、素子形成が容易となり且つ安全性が向上するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態は、正孔を注入する第1電極(正孔注入第1電極)と、前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極(電子注入第2電極)と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、を含む発光素子である。
【0025】
また、本発明の他の実施形態は、前記第1電極と接触する正孔輸送層と、前記第2電極と接触する電子輸送層とをさらに含むことができ、好ましくは、正孔を注入する第1電極と、前記第1電極と接触する正孔輸送層と、前記第1電極に対向する電子を注入する第2電極と、前記第2電極と接触する電子輸送層と、および前記正孔輸送層と前記電子輸送層との間に位置し、多数の半導体ナノ結晶粒子と粒子間の間隙(Void)を満たす充填物質と、からなる半導体ナノ結晶層を含む発光素子である。
【0026】
本発明の半導体ナノ結晶層に使用される半導体ナノ結晶の材質は、その大きさから、量子閉じ込め効果を有するものであればいずれも使用可能であり、具体的には、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上の物質である。
【0027】
前記II−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeなどの二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeなどの三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeなどの四元化合物よりなる群から選ばれる選択される一種以上の物質でありうる。
【0028】
前記III−V族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbなどの二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPなどの三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上の物質でありうる。
【0029】
前記IV−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeなどの二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeなどの三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上の物質である。
【0030】
前記IV族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SiおよびGeなどの単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeなどの二元化合物よりなる群から選択される一種以上の物質を使用することができる。
【0031】
前記半導体ナノ結晶層が2種以上の半導体ナノ結晶の混合物を含む場合には、前記半導体ナノ結晶は、各々均一な濃度で粒子内に存在しても、同一粒子内で濃度分布が部分的に分けられて存在しても、または、合金形態で存在してもよい。
【0032】
また、上記半導体ナノ結晶は、保護膜をさらに含むことでコア−シェル構造を形成することができ、前記保護膜の材質は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上でありうる。
【0033】
保護膜に使われる物質のうち、前記II−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeなどの二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeなどの三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTeなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0034】
前記III−V族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbなどの二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPなどの三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0035】
前記IV−VI族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeなどの二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeなどの三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeなどの四元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0036】
前記IV族化合物は、以下に制限されることはないが例えば、SiおよびGeなどの単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeなどの二元化合物よりなる群から選択される一種以上でありうる。
【0037】
本発明の半導体ナノ結晶層のナノ結晶粒子間の間隙(void)は、充填物質で満たされ、前記充填物質は、有機絶縁物質または無機絶縁物質を使用することができる。
【0038】
本発明において使用できる絶縁物質は、特に限定されるものではなく、好ましくは、抵抗値が104Ω・cm以上の物質を使用することができる。前記無機絶縁物質としては、以下に制限されることはないが例えば、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4などの金属酸化物、Si3N4、ならびにTiNなどよりなる群から選択される一種以上の物質が使用可能であり、前記有機絶縁物質としては、以下に制限されることはないが例えば、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などのポリマー、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、ならびに3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールなどよりなる群から選択される1種以上の物質が使用可能である。そして、前記有機絶縁物質または前記無機絶縁物質を単独で使用することも、両者を混合して用いることも可能である。
【0039】
本発明の半導体ナノ結晶層は間隙を充填物質で満たしているために、特定の部位に多量の電流が集中することがなく、結果として、発光素子の寿命が低減したり、電気的な安定性が低下するという、従来の問題を解決することができる。
【0040】
また、充填物質が満たされた本発明の半導体ナノ結晶層は、パッケージング効果によって周辺層との界面(interface)が単純化するため、素子形成工程が容易となり、素子の安全性が向上する。
【0041】
本発明の半導体ナノ結晶層は、半導体ナノ結晶粒子が単一の層中に配列された単層構造を有することができる。そして、前記単層構造は、前記半導体ナノ結晶粒子が単一の層状に配列され、半導体ナノ結晶粒子間の間隙が充填物質で満たされた状態となりうる。
【0042】
なお、本発明の半導体ナノ結晶層は、前記単層を複数含む多層構造を有してもよい。
【0043】
本発明の正孔を注入する第1電極の材質は、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide、IZO)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)およびこれらの酸化物よりなる群から選択される1種以上を使用することができる。
【0044】
本発明の正孔輸送層は、有機物質も無機物質も使用でき、以下に制限されることはないが例えば、有機物質としては、ポリ3,4−エチレンチオフェン(poly3,4−ethylenedioxythiophene、PEDOT)/ポリスチレンパラスルホネート(polystyrene parasulfonate、PSS)誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール(poly−N−Vinylcarbazole)誘導体、ポリフェニレンビニレン(polyphenyleneVinylene)誘導体、ポリパラフェニレン(polyparaphenylene)誘導体、ポリメタクリレート(polymethacrylate)誘導体、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン(poly9,9−octylfluorene)誘導体、ポリスピロ−フルオレン(polyspiro−fluorene)誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス3−メチルフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N’−ジフェニル−ベンジジン、トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン(TFB)、銅フタロシアニン(Copper phthalocyanine)、およびスターバースト系列の物質が可能であり、前記無機物質としては、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4などの金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSのようなバンドギャップが2.4eV以上の半導体が可能であり、これらの物質より選択される1種以上でありうる。
【0045】
本発明の電子を注入する第2電極の材質は、ITO、I、Ca、Ba、Ca/Al、LiF/Ca、BaF2/Al、BaF2/Ca/Al、Al、MgおよびAg/Mg合金よりなる群から選択される1種以上でありうる。
【0046】
本発明の電子輸送層は、有機物質も無機物質も使用可能であり、以下に制限されることはないが例えば、前記有機物質としては、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、トリアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキシジアゾール化合物、チアジアゾール化合物、ペリレン化合物などが可能であり、前記無機物質としては、アルミニウム錯体、そしてTiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4などの金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSのようなバンドギャップが2.4eV以上の半導体が可能であり、これらの物質より選択される1種以上でありうる。
【0047】
本発明の発光素子の製造方法は、ナノ結晶層の形成方法以外は、通常の電界発光素子製造方法と同様であり、半導体ナノ結晶の合成方法は、いずれの公知技術も適用可能である。
【0048】
本発明の発光素子の製造方法は、互いに対向する1対の電極間に半導体ナノ結晶層を含む発光素子の製造において、前記半導体ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たす段階を含むことを特徴とする。
【0049】
より具体的には、電極間に電子輸送層と正孔輸送層とを有する発光素子の製造方法は、正孔を注入する第1電極を形成する段階と、前記第1電極上に正孔輸送層を形成する段階と、前記正孔輸送層上に半導体ナノ結晶層を形成する段階と、前記半導体ナノ結晶層上に電子輸送層を形成する段階と、および前記電子輸送層上に電子を注入する第2電極を形成する段階と、を含むことを特徴とする。なお、本実施形態で用いる構成要素のうち、前述したものについては説明が重複するため詳細を省略する。
【0050】
前記正孔輸送層を形成する段階では、正孔を注入する第1電極上に、前述した本発明に使用可能な正孔輸送層の形成物質を有機溶媒に分散させた溶液を、スピンコーティング(spin coating)、キャスティング(casting)、プリンティング、スプレイング、真空蒸着法、スパッタリング、化学気相成長法(CVD)、e−ビーム蒸着法(e−beam evaporation)などの種々のコーティング法でコーティングし、正孔輸送層を形成することができる。
【0051】
前記半導体ナノ結晶層を形成する段階では、(I)半導体ナノ結晶を形成した後に充填物質で間隙を満たすことによって製造する方法、または(II)半導体ナノ結晶と充填物質とを混合して製造する方法などを使用することができる。
【0052】
前記半導体ナノ結晶を配列した後に充填物質を満たす方法(I)は、公知の方法で製造された半導体ナノ結晶を有機溶媒に分散させた溶液を、ナノ結晶配列方法を用いて単層形態に製造した後、充填物質を満たすことができる。このとき、スピンコーティング(spin coating)、ディッピング(dipping)、噴霧コーティング(spray coating)およびブレードコーティング(blade coating)などの公知の半導体ナノ結晶配列方法、ならびに韓国特許出願第2005−0060215号に記載された方法を用いる。具体的には、ナノ結晶の表面を置換し改質した後、有機溶媒(例えばクロロホルム)を真空乾燥して除去し、さらにその後水溶液に分散し、遠心分離で粒子の凝集体および不純物を除去して得られたナノ結晶の水溶液を用いて、スピンコーティングやディップコーティングのような湿式工程で薄膜を形成する方法などを使用することができる。
【0053】
前記充填物質を満たす方法は、公知の種々の方法を使用すればよく、以下に制限されることはないが例えば、物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)または化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などを使用することができる。物理気相成長法には、スパッタリング、電子ビーム蒸着法(E−beam evaporation)、熱蒸着法(Thermal evaporation)、レーザー分子ビーム蒸着法(Laser Molecular Beam Epitaxy)およびパルスレーザー蒸着法(Pulsed Laser Deposition)などがある。一方、化学気相成長法には、MOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)およびHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)などがある。
【0054】
一方、半導体ナノ結晶と充填物質とを混合して製造する方法(II)では、界面活性剤交換(surfactant exchange)、界面活性剤挿入(surfactant insertion)およびポリマーラッピング(polymer wrapping)などの界面活性剤の前処理方法(surfactant pre−treatment)を用いてナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で満たすことが可能である。
【0055】
ナノ結晶粒子間の間隙を充填物質で蒸着する場合、前記充填物質の高さは、図3に示すように、間隙を満たす種々の方法を用いて様々なパターンで行うことができる。すなわち、ナノ結晶の高さまで充填物質を満たしてもよく(図3左側の図)、ナノ結晶の高さよりも低い高さまで充填物質を満たしてもよく(図3中央の図)、充填物質でナノ結晶粒子間の間隙を満たすと共にナノ結晶の上まで満たしてもよい(図3右側の図)。
【0056】
好ましくは、充填物質が間隙を満たしながらナノ結晶の高さと同じ程度に満たされる状態が、ナノ結晶の発光効率を高める点から好ましい。また、充填物質がナノ結晶の上まで満たされる場合には、ナノ結晶上に存在する充填物質の厚さが、ナノ結晶の量子効果を発揮できる厚さ、すなわち、10nm以下であることが好ましい。
【0057】
このように、本発明の半導体ナノ結晶層は、間隙に充填物質が満たされているため、半導体ナノ結晶層の界面(interface)が単純化し、素子形成が容易となり、安全性が向上する。
【0058】
本発明において半導体ナノ結晶層を形成した後、50〜120℃の温度でアニーリングすることができ、こうして製造された半導体ナノ結晶層上に熱蒸着法、分子蒸着法および化学蒸着法などを用いて電子輸送層を形成し、その上に、電子を注入する第2電極を形成することができる。
【0059】
以下に、本発明の発光素子の構造をより詳細に説明する。なお、本実施形態で用いる構成要素のうち、前述したものについては説明が重複するため詳細を省略する。
【0060】
図4Aおよび図4Bは、本発明の実施形態による発光素子を示す概略断面図である。
【0061】
図4Aに示すように、本発明の一実施形態による発光素子は、基板10上に形成された透明電極である第1電極(陽極)20と、仕事関数の低い金属を用いた第2電極(陰極)70との間に、半導体ナノ結晶層40を含み、半導体ナノ結晶層40の間隙(void)が充填物質50で満たされている。半導体ナノ結晶層40は、半導体ナノ結晶41が均一に単一の層状に配列される単層であることが好ましく、前記単層が複数存在する多層構造としてもよい。なお、前記基板の材質は特に制限されず、例えばガラス基板、有機基板などが使用可能である。
【0062】
図4Bは、本発明の他の実施形態による発光素子を示す概略断面図である。本発明の他の実施形態による発光素子は、第1電極(陽極)20と半導体ナノ結晶層40との間に正孔輸送層30を含み、半導体ナノ結晶層40と第2電極(陰極)70との間に電子輸送層60をさらに含むこともできる。好ましくは、本発明の他の実施形態による発光素子は、図4Bに示すように、基板10上に第1電極20、正孔輸送層30、間隙が充填物質50で満たされた半導体ナノ結晶層40、電子輸送層60、第2電極70を順に含む構造とする。
【0063】
この発光素子に電圧が印加されると、正孔が第1電極20から正孔輸送層30に注入され、電子が第2電極70から電子輸送層60に注入される。注入された正孔と電子はそれぞれ反対に帯電された電極に向かって移動し、電子と正孔が同じナノ結晶粒子内で会合して励起子が形成され、この励起子が再結合しながら発光するようになる。
【0064】
本発明の発光素子は、ナノ結晶層上に間隙が存在しないため、多量の電流が特定部分に集中せず、したがって、発光素子の寿命が向上し、また、漏洩電流が低減するため発光効率が向上する。
【0065】
本発明の発光素子では、励起子が再結合して発光する領域が、半導体ナノ結晶層であってもよく、半導体ナノ結晶層と正孔輸送層または電子輸送層との界面であってもよい。選択的に、この発光は、電子輸送層および正孔輸送層の両方で起きてもよい。
【0066】
使用された半導体ナノ結晶の発光特性によって様々な色を発光できるため、本発明の発光素子は、約300〜3000nmの広い発光波長を有することができる。
【0067】
また、本発明の発光素子は、それぞれの発光体から発される光を混合して白色光を発光することができる。すなわち、互いに異なる波長の光を発光する2種以上の半導体ナノ結晶を混合し半導体ナノ結晶層を形成することで白色光を具現できるか、或いは、半導体ナノ結晶層の発光された波長の光と、ナノ結晶層以外の発光領域で発生する波長の光とを混合することで白色光を具現できる。
【0068】
本発明の発光素子はカラーフィルターと共に、全ての天然色を具現するディスプレイ装置を構成することができる。なお、本発明の発光素子は、各種デバイスのバックライトユニットおよび照明装置などにも使用されることができる。
【実施例】
【0069】
以下、具体的な実施例に挙げて本発明についてより詳細に説明する。ただし、これら実施例は、説明の目的のために例示されたもので、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。
【0070】
実施例1.ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たした発光素子製造
パターニングされたITO基板上に、TiO2前駆体(DuPont Tyzor、BTP、ブタノール中濃度2.5wt%)を窒素雰囲気下、2000rpmで30秒間スピンコーティングし、窒素雰囲気下で約5分間乾燥させた後、150℃で15分間アニーリングし、約20nm厚の非晶質TiO2薄膜を形成した。
【0071】
製造されたTiO2薄膜上に、約0.3wt%の赤色(642nm)を発光するクロロホルム中のCdSe/ZnSコアシェル量子点(粒子径約6nm、Evident Tech.INC.)を2000rpmで30秒間スピンコーティングし、50℃で5分間乾燥させて量子点を1層に配列した後、PVD法を用いて、TAZ(3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール)で5nm厚に埋め立て、半導体ナノ結晶層を形成した。
【0072】
形成された半導体ナノ結晶層上に、グローブボックス内に設置された熱蒸発器(Thermal evaporator)を用いてα−NPB(N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N’−ジフェニル−ベンジジン)を約40nm厚に形成した。その上に、パターニングされたマスクを用いて金(Au)を約100nm厚になるように電極を形成し、封入ガラスを用いて、素子を酸素と水分が侵入しないように封入し、発光素子を完成した。完成した発光素子のエネルギーバンドギャップの模式図を、図5に示す。
【0073】
比較例1.ナノ結晶層に間隙が存在する発光素子製造
半導体ナノ結晶層形成時に、量子点を1層に配列した後、Tazで埋め立てる(満たす)工程を実施しない以外は、実施例1と同様にして発光素子を製造した。完成した発光素子のエネルギーバンドギャップの模式図を、図6に示す。
【0074】
実験例1.発光素子の安全性比較実験
実施例1の方法で製造された発光素子と比較例1の方法で製造された発光素子に電圧を漸増させつつ印加し、常温、常圧条件で発光スペクトル、単位面積当たり光の強度、電流量変化を測定し、それぞれの発光素子の安全性を試験した。
【0075】
図7Aおよび図7Bは、印加電圧上昇時に、実施例1および比較例1で製造された発光素子の発光スペクトラムをそれぞれ示すグラフで、図8Aおよび図8Bは、印加電圧上昇時に、実施例1および比較例1で製造された発光素子の単位面積当たりの光強度の変化をそれぞれ示すグラフである。
【0076】
図7A〜図8Bに示すように、実施例1と比較例1の発光素子はいずれも、印加電圧を上昇させた時に、発光する光が明るくなることがわかる。
【0077】
図9Aおよび図9Bは、印加電圧上昇時に、実施例1と比較例1で製造された発光素子における電流量の変化をそれぞれ示すグラフである。
【0078】
図9Bに示すように、比較例1の発光素子は、印加電圧が16Vになるまでは電流量が増加し、それ以上の電圧が加えられると電流量が急減して18Vを越える電圧が加えられると電流量は約0Aとなる。これに対し、図9Aに示す実施例1の発光素子は、印加電圧が21Vになるまで電流量が増加し、それ以上の電圧が加えられると電流量が減少するものの、電流量が0Aまで落ちずに一定水準を保持できる。この結果から、比較例1では発光素子の間隙に多量の電流が集まるため、発光素子がダメージを受けながら電流が迅速に漏洩されるのに対し、実施例1の発光素子は、発光素子の間隙が充填物質で満たされているため、多量の電流が特定の部位に集まることなく、電流が徐々に漏洩されるということが確認できた。
【0079】
実験例2.発光素子の発光効率比較実験
実施例1の方法で製造された発光素子と比較例1の方法で製造された発光素子に、電圧を漸次上昇させつつ印加し、常温、常圧条件で単位電流当たりの明るさを測定することによって、それぞれの発光素子の発光効率を試験した。
【0080】
図10Aおよび図10Bは、印加電圧上昇時に、実施例1と比較例1で製造された発光素子における単位電流当たりの発光効率の変化をそれぞれ示すグラフである。
【0081】
比較例1の発光素子は、印加電圧が増加するにつれ、単位電流当たりの発光効率が徐々に増加し13Vで最高の発光効率を表すが、それ以上の電圧が加えられると発光効率が保持されず急速に落ちることが確認できた。これに対し、実施例1の発光素子は、光が出始める時点から高い発光効率を続けて維持し、21Vの電圧が印加されると発光効率が減少することが観察された。この結果から、実施例1の発光素子が、比較例1の間隙を持つ発光素子に比べて安定的に高い効率を有することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】間隙を有するナノ結晶層を発光層とした従来の電界発光素子を示す概略断面図である。
【図2】スピンコーティング法でPbSe薄膜を製造した場合のTEM写真である。
【図3】充填物質で満たされた本発明のナノ結晶層を示す概略断面図である。
【図4A】本発明の一実施形態による発光素子を示す概略断面図である。
【図4B】本発明の他の実施形態による発光素子を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施例1による発光素子のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【図6】本発明の比較例1による発光素子のエネルギーバンドギャップを示す模式図である。
【図7A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子の発光スペクトラムを示すグラフである。
【図7B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子の発光スペクトラムを示すグラフである。
【図8A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子の単位面積当たり光強度の変化を示すグラフである。
【図8B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子の単位面積当たり光強度の変化を示すグラフである。
【図9A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子における電流量の変化を示すグラフである。
【図9B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子における電流量の変化を示すグラフである。
【図10A】印加電圧上昇時に、実施例1で製造された発光素子における単位電流当たり発光効率の変化を示すグラフである。
【図10B】印加電圧上昇時に、比較例1で製造された発光素子における単位電流当たり発光効率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0083】
100,20 陽極、(正孔を注入する)第1電極
200,30 正孔輸送層
300,40 半導体ナノ結晶層
310,41 半導体ナノ結晶
320 間隙
50 充填物質
400,60 電子輸送層
500,70 陰極、(電子を注入する)第2電極
700 正孔移動路
800 電子移動路
900 会合部
10 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正孔を注入する第1電極と、
前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、
を含む発光素子。
【請求項2】
前記第1電極と接触する正孔輸送層と、
前記第2電極と接触する電子輸送層と、
をさらに含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記半導体ナノ結晶の材質は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上である、請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeを含む二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeを含む三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbを含む二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPを含む三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeを含む二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeを含む三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV族化合物は、SiおよびGeを含む単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeを含む二元化合物よりなる群から選択される一種以上である、請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記半導体ナノ結晶は、保護膜をさらに含み、前記保護膜の材質は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeを含む二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeを含む三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbを含む二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPを含む三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeを含む二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeを含む三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV族化合物は、SiおよびGeを含む単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeを含む二元化合物よりなる群から選択される一種以上である、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記充填物質は、無機絶縁物質または有機絶縁物質である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記無機絶縁物質は、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、Si3N4、ならびにTiNよりなる群から選択される一種以上であり、
前記有機絶縁物質は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を含むポリマー、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、ならびに3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選択される一種以上である、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記充填物質の抵抗値が、104Ω・cm以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項10】
前記半導体ナノ結晶層は、前記半導体ナノ結晶の粒子が単一の層中に配列された単層構造を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項11】
前記半導体ナノ結晶層は、単一の層中に配列された複数の前記半導体ナノ結晶の粒子を有する単層を複数含む多層構造を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項12】
前記第1電極の材質は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)およびこれらの酸化物よりなる群から選択される一種以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記正孔輸送層の材質は、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンパラスルホネート(PSS)誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン誘導体、ポリスピロ−フルオレン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス3−メチルフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N’−ジフェニル−ベンジジン、トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン(TFB)、銅フタロシアニン、スターバースト系列の物質、そしてTiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSを含む、バンドギャップが2.4eV以上の半導体より選択される一種以上である、請求項2〜12のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項14】
前記第2電極の材質は、ITO、I、Ca、Ba、Ca/Al、LiF/Ca、BaF2/Al、BaF2/Ca/Al、Al、Mg、およびAg/Mgの合金よりなる群から選択される一種以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項15】
前記電子輸送層は、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、トリアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキシジアゾール化合物、チアジアゾール化合物、ペリレン化合物、アルミニウム錯体、そしてTiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSを含む、バンドギャップが2.4eV以上の半導体よりなる群から選択される一種以上である、請求項2〜14のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載された発光素子を含む、ディスプレイ装置。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか1項に記載された発光素子を含む、照明用装置。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか1項に記載された発光素子を含む、バックライトユニット。
【請求項19】
互いに対向する1対の電極間に半導体ナノ結晶層を含む発光素子の製造において、前記半導体ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たす段階を含むことを特徴とする、発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記段階は、半導体ナノ結晶と前記充填物質とを混合して前記半導体ナノ結晶層を形成することを特徴とする、請求項19に記載の発光素子の製造方法。
【請求項21】
前記段階は、界面活性剤の前処理によって、前記半導体ナノ結晶層中の半導体ナノ結晶粒子間の間隙に前記充填物質を満たすことを特徴とする、請求項20に記載の発光素子の製造方法。
【請求項22】
前記段階は、前記半導体ナノ結晶を形成し、その後、前記充填物質で満たすことを特徴とする、請求項19に記載の発光素子の製造方法。
【請求項23】
前記段階は、物理気相成長法(PVD)または化学気相成長法(CVD)を使用することを特徴とする、請求項22に記載の発光素子の製造方法。
【請求項24】
前記充填物質は、無機絶縁物質または有機絶縁物質であることを特徴とする、請求項19〜23のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
【請求項25】
前記無機絶縁物質は、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、Si3N4、ならびにTiNよりなる群から選択される2種以上の物質であり、
前記有機絶縁物質は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を含むポリマー、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、ならびに3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選択される2種以上の物質であることを特徴とする、請求項24に記載の発光素子の製造方法。
【請求項26】
抵抗値が104Ω・cm以上である前記充填物質を選択することを特徴とする、請求項19〜25のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
【請求項1】
正孔を注入する第1電極と、
前記第1電極に対向する、電子を注入する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、半導体ナノ結晶の粒子と、前記半導体ナノ結晶の粒子間の間隙を満たす充填物質とを含む半導体ナノ結晶層と、
を含む発光素子。
【請求項2】
前記第1電極と接触する正孔輸送層と、
前記第2電極と接触する電子輸送層と、
をさらに含む、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記半導体ナノ結晶の材質は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上である、請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeを含む二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeを含む三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbを含む二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPを含む三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeを含む二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeを含む三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV族化合物は、SiおよびGeを含む単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeを含む二元化合物よりなる群から選択される一種以上である、請求項3に記載の発光素子。
【請求項5】
前記半導体ナノ結晶は、保護膜をさらに含み、前記保護膜の材質は、II−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、IV族化合物およびこれらの混合物から選択される一種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項6】
前記II−VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSeおよびHgTeを含む二元化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnSおよびHgZnSeを含む三元化合物、ならびにCdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記III−V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAsおよびInSbを含む二元化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSbおよびGaAlNPを含む三元化合物、ならびにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSbを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV−VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSeおよびPbTeを含む二元化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSeおよびSnPbTeを含む三元化合物、ならびにSnPbSSe、SnPbSeTe、およびSnPbSTeを含む四元化合物よりなる群から選択される一種以上であり、
前記IV族化合物は、SiおよびGeを含む単一化合物、ならびにSiCおよびSiGeを含む二元化合物よりなる群から選択される一種以上である、請求項5に記載の発光素子。
【請求項7】
前記充填物質は、無機絶縁物質または有機絶縁物質である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項8】
前記無機絶縁物質は、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、Si3N4、ならびにTiNよりなる群から選択される一種以上であり、
前記有機絶縁物質は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を含むポリマー、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、ならびに3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選択される一種以上である、請求項7に記載の発光素子。
【請求項9】
前記充填物質の抵抗値が、104Ω・cm以上であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項10】
前記半導体ナノ結晶層は、前記半導体ナノ結晶の粒子が単一の層中に配列された単層構造を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項11】
前記半導体ナノ結晶層は、単一の層中に配列された複数の前記半導体ナノ結晶の粒子を有する単層を複数含む多層構造を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項12】
前記第1電極の材質は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)およびこれらの酸化物よりなる群から選択される一種以上である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項13】
前記正孔輸送層の材質は、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンパラスルホネート(PSS)誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン誘導体、ポリスピロ−フルオレン誘導体、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス3−メチルフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N−N’−ジフェニル−ベンジジン、トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)−トリフェニルアミン(m−MTDATA)、ポリ9,9’−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン(TFB)、銅フタロシアニン、スターバースト系列の物質、そしてTiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSを含む、バンドギャップが2.4eV以上の半導体より選択される一種以上である、請求項2〜12のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項14】
前記第2電極の材質は、ITO、I、Ca、Ba、Ca/Al、LiF/Ca、BaF2/Al、BaF2/Ca/Al、Al、Mg、およびAg/Mgの合金よりなる群から選択される一種以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項15】
前記電子輸送層は、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、トリアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキシジアゾール化合物、チアジアゾール化合物、ペリレン化合物、アルミニウム錯体、そしてTiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、ならびにCdS、ZnSeおよびZnSを含む、バンドギャップが2.4eV以上の半導体よりなる群から選択される一種以上である、請求項2〜14のいずれか1項に記載の発光素子。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載された発光素子を含む、ディスプレイ装置。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか1項に記載された発光素子を含む、照明用装置。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか1項に記載された発光素子を含む、バックライトユニット。
【請求項19】
互いに対向する1対の電極間に半導体ナノ結晶層を含む発光素子の製造において、前記半導体ナノ結晶層の間隙を充填物質で満たす段階を含むことを特徴とする、発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記段階は、半導体ナノ結晶と前記充填物質とを混合して前記半導体ナノ結晶層を形成することを特徴とする、請求項19に記載の発光素子の製造方法。
【請求項21】
前記段階は、界面活性剤の前処理によって、前記半導体ナノ結晶層中の半導体ナノ結晶粒子間の間隙に前記充填物質を満たすことを特徴とする、請求項20に記載の発光素子の製造方法。
【請求項22】
前記段階は、前記半導体ナノ結晶を形成し、その後、前記充填物質で満たすことを特徴とする、請求項19に記載の発光素子の製造方法。
【請求項23】
前記段階は、物理気相成長法(PVD)または化学気相成長法(CVD)を使用することを特徴とする、請求項22に記載の発光素子の製造方法。
【請求項24】
前記充填物質は、無機絶縁物質または有機絶縁物質であることを特徴とする、請求項19〜23のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
【請求項25】
前記無機絶縁物質は、TiO2、ZnO、SiO2、SnO2、WO3、ZrO2、HfO2、Ta2O5、BaTiO3、BaZrO3、Al2O3、Y2O3およびZrSiO4を含む金属酸化物、Si3N4、ならびにTiNよりなる群から選択される2種以上の物質であり、
前記有機絶縁物質は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を含むポリマー、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾール、ならびに3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールよりなる群から選択される2種以上の物質であることを特徴とする、請求項24に記載の発光素子の製造方法。
【請求項26】
抵抗値が104Ω・cm以上である前記充填物質を選択することを特徴とする、請求項19〜25のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【公開番号】特開2007−95685(P2007−95685A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259091(P2006−259091)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】
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