防振架台
【課題】長尺状の架台ユニットを横並びに配置して梁部材により連結する簡易な構造を基本とし、組み立てが容易で重量やコストの削減を図るとともに、ぐらつきが少なく設置作業の容易な防振架台を提供する。
【解決手段】互いに対をなす架台ユニット1の上架台2同士を連結するよう、その両端部間にそれぞれ直線的に梁部材7を架け渡す。一例として梁部材7は丸棒材であり、その両端には各々下向きに折り曲げた軸部7aを設ける。この軸部7aの付け根付近で梁部材7を、上架台2の端部のブラケット5に設けた嵌合部に嵌め込む。軸部7aは、ブラケット5の床部、その下方の耐震ストッパ機構6のガイドプレート及び下架台3のベースプレート等の丸穴に嵌め入れる。
【解決手段】互いに対をなす架台ユニット1の上架台2同士を連結するよう、その両端部間にそれぞれ直線的に梁部材7を架け渡す。一例として梁部材7は丸棒材であり、その両端には各々下向きに折り曲げた軸部7aを設ける。この軸部7aの付け根付近で梁部材7を、上架台2の端部のブラケット5に設けた嵌合部に嵌め込む。軸部7aは、ブラケット5の床部、その下方の耐震ストッパ機構6のガイドプレート及び下架台3のベースプレート等の丸穴に嵌め入れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空調装置等、振動の大きな設備機器を設置するための防振架台に関し、特に長尺状の架台ユニットを2つ並べて連結した構造のものに係る。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の防振架台としてはコストの低減を図るとともに、運搬時の利便性を考慮して分解できるように、その構成部材を溶接ではなく、ボルト等により締結する構造としたものがある。例えば特許文献1に記載のものでは、載架枠や基台枠を構成する枠材同士をコーナー部において突き合わせ、連結金具を介してネジにより締結するようにしている。
【0003】
しかし、前記文献に記載のものでは、載架枠及び基台枠の双方を矩形の枠状に構成しているため、全体として重量が嵩むことになり運搬時の利便性はあまり高いとは言えないし、設置場所での組み立てにも手間が掛かる。また、コストの削減も十分とは言い難い。
【0004】
この点、例えば特許文献2、3に開示されるように、長尺の架台ユニット(防振ユニット、レール形防振台)を横に並べて、その上に設備機器を搭載する構成とすれば、軽量で運搬しやすく、組み立てに手間の掛かることもないし、コストも大幅に削減可能である。
【0005】
そうした場合に各架台ユニットの下架台(下部支持部材、基台)は、アンカーボルトによって基礎に固定することになり、一方、上架台(上部支持部材、架台)は機器の底部に固定することになるが、機器の底部は剛性の不足することもあるので、上架台同士の間には梁部材を架け渡して連結することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−304335号公報
【特許文献2】特開平7−139589号公報
【特許文献3】実開昭55−039870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記後者の従来例(特許文献2、3)のように、一対の架台ユニットを並べたり、その上架台同士を梁部材によって連結しただけでは、架台ユニットがぐらつきやすく、設置作業が非常にやり難いという問題がある。例えば並べた架台ユニットの上に仮置きした機器を横にずらそうとすると、架台ユニットが捩れてぐらつくことになるし、下架台をアンカー固定する前であれば架台ユニットが倒れる心配もある。
【0008】
このような不具合は、前者の従来例のように下架台同士も梁部材によって連結する構造とすれば概ね解消できると思われるが、これでは重量やコストの削減が不十分になってしまい、組み立てにも手間の掛かることは上述した通りである。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、長尺状の架台ユニットを横並びに設けた簡易な構造を基本とし、組み立ての手間が掛からず重量やコストを十分に削減できるものでありながら、ぐらつきが少なく設置作業の容易な防振架台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために本発明では、一対の架台ユニットの上架台若しくは下架台同士を連結するように梁部材を設けるとともに、その両端部に上下それぞれの被嵌部を設けて、上架台及び下架台の双方に嵌め合わせるようにした。
【0011】
すなわち、請求項1の発明は、各々長尺状の上架台及び下架台の間に防振体を介在させてなる一対の架台ユニットが、横並びに配設されるとともに、互いに対をなす上架台ないし下架台の両端部同士が梁部材によって連結されている防振架台を対象として、その梁部材の両端部にそれぞれ、上架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる上被嵌部と、下架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる下被嵌部と、を設けたものである。
【0012】
斯かる構成の防振架台では、例えば上架台の両端部をぞれぞれ梁部材によって連結することで、全体として矩形の枠状として剛性を確保しやすいのみならず、その梁部材の端部には、上架台に嵌合する上被嵌部の他に下架台に嵌合する下被嵌部も設けられていて、これにより上下の架台同士が連結されているので、架台ユニットの捩れに対する剛性が高くなって、その倒れ防止が図られる。
【0013】
好ましくは、対をなす上架台の端部間に梁部材を直線的に架け渡すことであり、こうすれば、機器が直接、搭載される上架台の剛性を確保しやすい。そして、梁部材の両端部にはそれぞれ下方に延びる丸棒状の軸部を設けて、これを下架台の丸穴(嵌合部)に上方から嵌め込む構造とするのがよい(請求項2)。こうすれば、横並びに配置した一対の架台ユニットに対し梁部材を上方から容易に取り付けることができる。また、その軸部を中心として梁部材を水平方向に回動させることにより、架台ユニット同士を梁部材によって連結したままコンパクトに折り畳むことができるようになる。
【0014】
より好ましいのは上架台の嵌合部についても、梁部材の上被嵌部が上方から嵌め込まれ、所定の嵌合位置で固定されるような構造とし、その上で上架台及び下架台の少なくとも一方に、梁部材を前記の嵌合位置から所定量、即ち例えば梁部材の軸部(下被嵌部)が下架台の丸穴から殆ど抜け出すくらい持ち上げた状態で、その軸部を回動自在に保持する保持部を設けることである(請求項3)。
【0015】
こうすれば、一旦、取り付けた梁部材を持ち上げて、上下の被嵌部の嵌め合いを緩めた状態でも、その梁部材の軸部が回動自在に保持されるようになり、この軸部の周りに梁部材を容易に回動させることができる。よって、防振架台の折り畳みが容易に行える。
【0016】
また、好ましい構造として、前記梁部材を第1及び第2の2つの部材に分割しかつ該両部材同士を水平方向に折り畳み可能に連結してもよく(請求項4)、こうすれば防振架台をよりコンパクトに折り畳むことができる。その場合に、第1部材を相対的に剛性の高いものとし、これを梁部材の長手方向全体に、即ち防振架台の幅方向全体に亘って設けるのがよい(請求項5)。一方で第2部材は相対的に剛性の低いものでよく、その端部を前記第1部材の途中に回動可能に連結すればよい。
【0017】
また、別の好ましい構造として、前記梁部材のいずれか一方の端部において軸部を、当該梁部材の長手方向にスライド移動可能に設けた別体の軸部材としてもよい(請求項6)。こうすれば、上述の如く梁部材を軸部の周りに回動させて、防振架台を折り畳んだ後にその軸部に対して梁部材を長手方向にスライド移動させることにより、折り畳んだ防振架台の長さを短縮することができる。
【0018】
その場合に梁部材の他方の端部においては、当該梁部材の側方に偏位して(即ち、側方に出っ張るようにして)軸部を設けることが好ましい(請求項7)。こうすれば、前記のように軸部の周りに回動させた梁部材を架台ユニットの上架台に沿わせて、防振架台をよりコンパクトに折り畳むことができる。
【0019】
さらにまた、前記梁部材の下被嵌部と前記下架台の嵌合部との間には弾性体を介在させることが好ましく、こうすれば機器の振動が上架台から梁部材の軸部を介して下架台に伝わることを抑制できる(請求項8)。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように本発明の防振架台は、一対の長尺状の架台ユニットを横並びに配設した簡易な構造を基本とし、組み立ての手間が掛からず重量やコストの削減も容易なものでありながら、それら架台ユニットの上架台ないし下架台同士を連結する梁部材を利用して上下の架台同士も連結する構造としたから、架台ユニットの捩れに対する剛性が高くなってその倒れ防止が図られる。よって、防振架台のぐらつきが少なくなって、設置作業も容易に行える。
【0021】
また、前記梁部材を上架台の間に直線的に架け渡す構造とすれば、機器が直接、搭載される上架台の剛性を確保しやすい。その両端部に設けた丸棒状の軸部を下架台の丸穴(嵌合部)に嵌め込む構造とすれば、防振架台を折り畳むこともできる。
【0022】
さらに、梁部材を2つの部材に分割して折り畳み可能に連結する構造としたり、或いは軸部の一方を梁部材の長手方向にスライド移動可能な別体の軸部材とすることによって、防振架台をよりコンパクトに折り畳めるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1の防振架台の平面図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。
【図2】梁部材の端部が嵌め込まれる架台ユニットの端部の拡大斜視図である。
【図3】架台ユニットの端部を防振架台の外側から視た斜視図である。
【図4】架台ユニットの端部を防振架台の内側から視た斜視図である。
【図5】防振架台の折り畳みを示す図1(a)相当図である。
【図6】実施形態2の防振架台に係る図1相当図である。
【図7】梁部材を分解して架台ユニットとの連結構造を示す図6(b)相当図である。
【図8】梁部材の端部が嵌め込まれる架台ユニットの端部の拡大斜視図である。
【図9】防振架台の折り畳みを示す図6(a)相当図である。
【図10】実施形態3に係る図1相当図である。
【図11】防振架台の折り畳みを示す図10(a)相当図である。
【図12】架台ユニットの一端部における折り畳みの動作を示す拡大斜視図である。
【図13】架台ユニットの他端部における図12相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
(実施形態1)
図1には、本発明に係る防振架台を所謂エアコン防振台とした実施形態の一例を示し、同図(a)は平面図、(b)、(c)はそれぞれ正面図、側面図である。この防振架台は、図示しない空調装置の室外機を設置するためのものであり、図の例では長尺状の架台ユニット1(所謂レール式防振台である)を横並びに一対、並べて配設し、それらの両端に後述する梁部材7,7を架け渡して、連結している。
【0026】
この例では一対の架台ユニット1,1は同じものであり、各々断面矩形状の角パイプ(例えば構造用角形鋼管等)からなる長尺状の上架台2及び下架台3が、互いに上下方向に所定の間隔を空けて配置され、その間には上架台2及び下架台3の長手方向に離れて2つのアイソレータ4,4が介設されている。アイソレータ4は、上架台2及び下架台3の間の振動伝達を軽減する防振体であり、例えばコイルばねとゴムを一体成形したものや樹脂ケース内にコイルばねを内蔵したものが用いられる。
【0027】
図示の架台ユニット1においては上架台2よりも下架台3が長く、その両端部がそれぞれ上架台2の端部よりも外方まで突出している。この突出する部位を覆うように、下架台3の両端部にはそれぞれ、鉄板をコ字状に折り曲げてなるベースプレート31,31,…が嵌着されている。一方、上架台2の両端部にはそれぞれ、鉄板を折り曲げてなるブラケット5が取り付けられていて、下方のベースプレート31との間に、上架台2と下架台3との相対変位を規制するための耐震ストッパ機構6が構成されている。
【0028】
すなわち、図1(a)において右下に位置するものについて図2、3に拡大して示すと、ブラケット5は、その長辺が上下の架台2,3の長手方向に延びる概略矩形状の床部50と、この床部50の短辺の縁から上方に立ち上がる竪壁部51と、床部50の長辺の縁から上方に立ち上がる側壁部52とを備え、それら竪壁部51及び側壁部52の側縁同士が接合されている。竪壁部51の上縁は、角パイプである上架台2の下壁の端縁に沿って折れ曲がり、その下壁の上面に沿って延びる延出部が形成されていて、ここにおいて上架台2の下壁にネジ留め(符号21がネジの頭部を示す)により締結されている。一方、側壁部52にも上架台2の側壁の内面に沿って延びる延出部が形成され、この延出部が側壁にネジ留め(図4にネジ22及びナット23を示す)されている。
【0029】
また、前記ブラケット5の床部50の略中央には、図示は省略するがボルト貫通穴が開口していて、ここにストッパボルト60の軸部が遊嵌状態で挿通されている。このストッパボルト60は、角パイプである下架台3の上壁にナット61(図3にのみ破線で示す)により締結されていて、そこから上方に延びる軸部がベースプレート31とガイドプレート62とを貫通している。ガイドプレート62は、ナット61の厚み分だけベースプレート31から離れていて、このナット61とナット63との間に挟持されている。
【0030】
さらに、そうして上方に延びるストッパボルト60の軸部は、前記のようにブラケット5の床部50のボルト貫通穴に挿通されていて、その床部50よりも上の部位にはリング状のゴムブッシュ64と平座金65とが外挿されるとともに、ナット66が螺合されている。両図にはブラケット5の床部50の上面にゴムブッシュ64の接触している状態を示しているが、防振架台を使用するときにはナット66の位置を調整して、両者の間に適当な大きさ(約2〜3mm程度)の隙間を形成する。このことで、地震等による上架台2及び下架台3の相対変位が制限される。
【0031】
そして、この実施形態では、前記のように耐震ストッパ機構6を構成するためのブラケット5等を利用し、ここに梁部材7の端部を嵌め込んで固定するようにしている。すなわち、前記図2、3の他に図4にも示すように、梁部材7は鋼製の丸棒材からなり、その両端部にそれぞれ下向きに略直角に折れ曲がって延びる軸部7aが設けられている。この軸部7aは上架台2のブラケット5の床部50を貫通し、その下方のガイドプレート62、さらにはベースプレート31や下架台3の上壁も貫通している。
【0032】
すなわち、まず、梁部材7の端部において軸部7aの付け根付近の部分7bが、ブラケット5の側壁部52の上縁に開口するU字状の切り欠き52aに嵌め込まれている。換言すればその切り欠き52aが、梁部材7の上被嵌部7b(前記した軸部7aの付け根付近の部分)が嵌め込まれる上架台2の嵌合部であり、それがU字状、即ち下窄まりの形状になっていて、図示の嵌合位置においてしっかりと梁部材7と嵌合するようになる。
【0033】
また、ブラケット5の床部50には、梁部材7の軸部7aが挿通される丸穴50aが開口しており、これを貫通して下方に延びる軸部7aの下側の部分は、ガイドプレート62に開口する丸穴62aに挿通され、さらにはベースプレート31の丸穴31a及びこれに連通する下架台3上壁の丸穴3a(以下、両者を合わせて下架台3上の丸穴31a,3aと略称する)に嵌入されている。
【0034】
それらの丸穴50a,62a,31a,3aの開口径はいずれも軸部7aの外径よりもやや大きめの適切な大きさに設定され、ルーズな嵌め合いになっている。特に、ブラケット5の床部50の丸穴50aとガイドプレート62の丸穴62aとは相対的に大きめで、軸部7aの挿入ガイドとして機能する。一方、下架台3上の丸穴31a,3aは、やや小さめとされて、そこに嵌め込まれる軸部7aの下端を保持しながら、振動の伝達は抑制するようになっている。つまり、この実施形態では前記下架台3上の丸穴31a,3aが、梁部材7の軸部7a(下被嵌部)が嵌め込まれる嵌合部である。
【0035】
そうして、図示のように梁部材7の上下の被嵌部がそれぞれ上架台2及び下架台3の嵌合部に嵌め込まれた状態(嵌合位置)から、梁部材7を所定量、持ち上げれば、図4に仮想線で示すように軸部7aの周りに回動させることができる。こうして持ち上げたときに軸部7aの下端は下架台3上の丸穴31a,3aからは概ね抜け出すことになるが、軸部7aの中間の部位は、ブラケット5の床部50の丸穴50aとガイドプレート62の丸穴62aとに挿入されたままで、ぐらつかずスムーズに回動させることができる。つまり、それらの丸穴50a,62aは、梁部材7を嵌合位置から所定量、持ち上げた状態でその軸部7aを回動自在に保持する機能も有している。
【0036】
さらに、図2、4に示すように、ブラケット5の側壁部52の上縁において切り欠き52aに対応する部位には、当該ブラケット5の内方に向かって略水平に延びる半円環状のガイド部52bが設けられている。このガイド部52bは、梁部材7の軸部7aを挿入する際のガイドとなるものであるが、前記のように梁部材7を持ち上げた状態では、ガイドプレート62の丸穴62a等と同じく軸部7aを保持する機能も有している。
【0037】
尚、図3、4における符号31b,3bは、前記した丸穴31a,3aと同じく互いに連通するようにベースプレート31及び下架台3上壁に形成された丸穴であり、その下架台3を基礎に固定するアンカーボルトが挿通される。また、図1、2、5における符号2aは、上架台2を室外機の底部に固定する締結ボルトの挿通される丸穴である。
【0038】
したがって、上述した実施形態1に係る防振架台によると、例えば空調装置の室外機を設置するときには、長尺状の一対の架台ユニット1,1を横並びに配設して、その両端部にそれぞれ梁部材7の両端の軸部7aを嵌め込む。こうすると軸部7aは、上架台2の端部のブラケット5の床部50やガイドプレート62を貫通して、下架台3上の丸穴31aに嵌め込まれるとともに、その軸部7aの付け根付近(上被嵌部7b)がブラケット5の側壁部52の切り欠き52aに嵌め込まれ、それぞれの嵌合位置にしっかりと固定される(図2〜4を参照)。
【0039】
この状態では、対をなす上架台2,2の両端部がぞれぞれ直線状の梁部材7,7によって連結されて矩形の枠状をなし、全体として高い剛性が確保されるのみならず、その梁部材7の軸部7aによって上下の架台2,3同士が連結されることになり、架台ユニット1の捩れに対する剛性が高くなって、その倒れ防止が図られる。見方を変えれば、下架台3,3同士も梁部材7によって連結されて矩形枠状になっていると言うこともできる。
【0040】
さらに、そうして防振架台を組み立てるときには、前記のように横並びに配置した架台ユニット1,1の両端部に、それぞれ梁部材7の両端の軸部7aを上方から押し込めばよく、組み立ての手間が掛からないし、組み立てる前の架台ユニット1と梁部材7とはコンパクトに梱包できるので、設置場所への運搬もしやすい。また、予め工場で防振架台を組み立てた後に折り畳んで運搬し、設置場所で展開することもできる。
【0041】
そうして折り畳んだり展開したりするときには、前記のように架台ユニット1,1の間に架け渡した梁部材7を少しだけ持ち上げて、上下の架台2,3の嵌合部との嵌め合いを緩めておき、この状態で梁部材7が軸部7aの周りに回動するように架台ユニット1,1同士を近づける。こうすると、図5に示すように架台ユニット1,1を梁部材7,7によって連結したまま、防振架台を平行四辺形状に変形させてコンパクトに折り畳むことができる。
【0042】
しかも、そうして梁部材7を少し持ち上げた状態でその両端の軸部7aが、ブラケット5の側壁部52のガイド部52bや同床部50の丸穴50a、さらにはガイドプレート62の丸穴62aによって回動自在に保持されているから、梁部材7の回動がスムーズなものになり、前記防振架台の折り畳みや展開が容易に行える。
【0043】
ところで、この実施形態では梁部材7を鋼製の丸棒材によって構成しているが、これは鋼製或いはアルミ合金の丸パイプ等であってもよいし、後述する実施形態2のようにL字アングルを利用することもできる。
【0044】
また、前記したように梁部材7の端部をブラケット5の側壁部52の切り欠き52aに嵌め込み、かつその軸部7aを下架台3上の丸穴31a,3aに嵌め込む構造は、一例に過ぎない。例えば、軸部7aの中間に下窄まりのテーパ状部を形成し、これをブラケット5の床部50の丸穴50aやガイドプレート62の丸穴62aに嵌め込む構造としてもよい。
【0045】
同様に下架台3上の丸穴31a,3aに嵌め込む軸部7aの下端にも下窄まりのテーパ状部を形成してもよいし、この下架台3上の丸穴31aには、後述する実施形態2のようにゴムブッシュ等を嵌め込んでもよい。
【0046】
(実施形態2)
次に、図6〜9には本発明の実施形態2に係る防振架台を示す。この実施形態2は、主に梁部材8の構造が実施形態1と異なっていて、その両端が取り付けられる上架台2及び下架台3の嵌合部の構造にも異なる部分があるが、それ以外の構造は実施形態1のものと同じなので、以下、概ね同じ構造の部材には同じ符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0047】
この実施形態の梁部材8は、図の例ではL字アングル80(第1部材)と丸棒部材81(第2部材)とを組合せて、水平方向に折り畳み可能に連結したものであり、この梁部材8の両端からそれぞれ下方に延びる丸棒状の軸部81a,82aが上架台2及び下架台3に連繋されている。すなわち、まず、L字アングル80は、図6のように展開した状態では実施形態1の梁部材7と同様に、対をなす架台ユニット1,1の上架台2,2の端部間に直線的に架け渡されている。
【0048】
そして、その一端(同図(a)の左下及び右上に示す端)には、図7や図8(a)にも示すように、板材を折り曲げてなる矩形ボックス状の部材83を介して、L字状の丸棒からなる軸部材82が取り付けられている。この軸部材82のうち水平方向に延びる部分は、図7,8(a)に破線で示すようにボックス状部材83内に収容されて、溶接若しくはネジ留めにより固定されている。一方、軸部材82の垂直部分、即ち上下方向に延びる軸部82aは、ブラケット5の側壁部52に設けられた突片部53を貫通して下方に延び、さらにガイドプレート62及びベースプレート31を貫通している。
【0049】
ここで、この実施形態のブラケット5は、実施形態1のものと同様に床部50、竪壁部51及び側壁部52を備えているが、細部の構造は異なっている。すなわち、竪壁部51の上縁から折れ曲がって延びる延出部は上架台2の下壁に下方から重ね合わされ、その両側縁からそれぞれ上方に立ち上がる延出側壁54,55と併せて、上方に開口するコ字状に形成されている。尚、図の例では延出側壁55が側壁部52に連続している。そして、それら両延出側壁54,55が上架台2の側壁に外側から重ね合わされて、横方向に貫通するネジ24とナット25とにより締結されている。
【0050】
また、この実施形態のブラケット5において側壁部52には、実施形態1のようなU字状の切り欠き52aや環状のガイド部52bが設けられておらず、その代わりに側壁部52の側縁(図8(a)の手前の縁)に開口する切り欠き52cと、側壁部52の上縁から外方に延びるガイド部56とが設けられている。このガイド部56は、図8(a)の手前側に開口する切り欠きを有し、以下に述べる突片部53の丸穴53a(同図(b)を参照)等に軸部材82の軸部82aを嵌め入れるときのガイドとして機能する。
【0051】
すなわち、前記の突片部53には、実施形態1における床部50の丸穴50aと同じく軸部材82の軸部82aが貫通する丸穴53aが形成され、この丸穴を通過して下方に延びる軸部82aの下側の部分が、ガイドプレート62の丸穴62aとベースプレート31の丸穴31aとに嵌め込まれる。図の例では突片部53がブラケット5の側壁部52から上架台2の幅方向外方(図の右方)に突出し、これに対応してガイドプレート62及びベースプレート31の一部分が下架台3の外方に延出していて、この延出部分に丸穴62a,31aが形成されている。
【0052】
また、図の例では、それらの丸穴31a,62aに共通のゴムブッシュ32が嵌め込まれており、このゴムブッシュ32を間に介在させて軸部82aの下側の部分が嵌め込まれている。つまり、図8(a)に示す梁部材8の一端部においては、ベースプレート31及びガイドプレート62の丸穴31a,62aが、当該梁部材8(L字アングル80)の一端の軸部82aが嵌め込まれる下架台3の嵌合部であり、この嵌合部と下被嵌部である軸部82aとの間にゴムブッシュ32が介在されることで、振動の伝達が抑制されるようになっている。
【0053】
さらに、前記ブラケット5の側壁部52の切り欠き52cには、ボックス状部材83の端部に取り付けられた締付ボルト84の軸部が嵌め込まれて、ナット85を締め付けることにより梁部材8(L字アングル80)の一端部が締結されるようになっている。また、そうして締め付けたナット85を緩めてからL字アングル80を、図8(a)において奥に向かうよう軸部82aの周りに回動させと、締付ボルト84の軸部は切り欠き52cから抜け出すことになる。つまり、この締付ボルト84の軸部が梁部材8の上被嵌部であり、これが嵌め込まれる切り欠き52cが、上架台2の嵌合部である。
【0054】
前記のように構成されたL字アングル80に組み合わされる丸棒部材81は、図7に分解して示すように、L字アングル80に沿って略水平に延びる部分の先端(同図の左端)が、当該L字アングル80の途中に回動可能にピン留めされている。すなわちL字アングル80の長手方向の中間部においてその上壁部から下方に垂下するようにボルト86が配設されていて、その軸部に、丸棒部材81の先端に設けられた環状部81bが外挿され、ナット87により抜け止めがなされている。
【0055】
また、丸棒部材81の基端(図の右端)には下向きに略直角に折れ曲がって延びる軸部81aが設けられていて、この軸部81aが前記した軸部材82の軸部82aと同様に、上架台2のブラケット5の突片部53と、ガイドプレート62及びベースプレート31とを貫通するようになっている。すなわち、図8(b)に示すように梁部材8の他端部におけるブラケット5は、前記した一端部のものと略同様に構成され、その側壁部52に設けられた突片部53の丸穴53aに丸棒部材81の軸部81aが挿通されている。
【0056】
一方、この他端のブラケット5においては側壁部52の側方に開口する切り欠き52cは設けられておらず、その代わりに実施形態1のもの(切り欠き52a)と同様に上縁に開口する切り欠き52dが設けられている。この切り欠き52dには、L字アングル80の他端部に配設された締付ボルト88の軸部が上方から嵌め込まれ、ナット89により締め付けられる。換言すれば、この締付ボルト88の軸部が梁部材8の他端部における上被嵌部であり、これが嵌め込まれる前記切り欠き52dが上架台2の嵌合部である。
【0057】
そして、以上のように構成された実施形態2の防振架台は、図6のように展開された状態では、対をなす架台ユニット1,1の間に高剛性のL字アングル80が架け渡されて、その両端部がそれぞれ上架台2の端部のブラケット5に締付ボルト84,88により締結され、両端の軸部81a,82aによる嵌め合いとも併せて強固に固定される。よって、上架台2,2と梁部材8,8とがしっかりとした枠状をなし、全体として高い剛性を確保することができる。
【0058】
一方で相対的に剛性の低い丸棒部材81は、防振架台を折り畳むときにL字アングル80を支えるものである。すなわち、前記のように展開されている防振架台を折り畳むときには、まず、梁部材8の両端部においてそれぞれL字アングル80の端部のナット85,89を緩める。それからL字アングル80の他端部(図8(b)に示す)を上方に持ち上げて、締付ボルト88の軸部を切り欠き52dから取り出した後に、同図において奥に向かうよう軸部81aの周りに少しだけ回動させる。
【0059】
そうしておいて、図9(a)に示すように架台ユニット1,1同士を近づけると、L字アングル80がその一端部の軸部82aの周りに回動するとともに、丸棒部材81がその軸部81aの周りに回動して、両者を併せた梁部材8全体がパンタグラフのように折り畳まれる。こうして、架台ユニット1,1を梁部材8,8によって連結したまま、同図(b)に示すように防振架台をコンパクトに折り畳むことができる。
【0060】
尚、この実施形態2においては前記したようにL字アングル80の両端にそれぞれ締付ボルト84,88を設けて、ブラケット5の側壁部52に締結するようにしているが、これはしなくてもよい。また、梁部材8をL字アングル80と丸棒部材81とによって構成する必要もなく、両者をいずれもL字アングルによって構成することも、また、棒部材やパイプによって構成することも可能である。
【0061】
(実施形態3)
次に図10〜13には、本発明の実施形態3に係る防振架台を示す。この実施形態3の防振架台も梁部材9とその両端が嵌め込まれる上架台2や下架台3の嵌合部の構造に、実施形態1、2とは異なる部分があるが、それ以外の構造は実施形態1、2のものと同じなので、以下、概ね同じ構造の部材には同じ符号を付し、異なる部分のみ説明する。
【0062】
この実施形態3の特徴は、図11に示すように防振架台を折り畳むと梁部材9が上下の架台2,3に沿って概ね平行に延びるようになり(同図(a))、その後、梁部材9を角パイプである上架台2の内部に収容することで(同図(b))、全長が短縮されることにある。そのために、例えば同図において下側の架台ユニット1(上架台2)の一端(図の左端)においては、拡大して図12に示すように梁部材9の一端の軸部が別体の軸部材91により構成されて、丸棒材からなる梁部材9の本体部90に対してその長手方向にスライド移動可能に取り付けられている。一方、架台ユニット1の他端(図の右端)においては、拡大して図13にも示すように、梁部材9の本体部90の端部にはその側方に偏位するようにクランク部材92を介して軸部材93が取り付けられている。
【0063】
詳しくは、まず、前記のように上架台2の両端にそれぞれ配設されているブラケット5は、実施形態1、2のものと同じく床部50、竪壁部51及び側壁部52を有し、その床部50に開口する丸穴50aには梁部材9の軸部である軸部材91,93が挿通されている。また、それら軸部材91,93の下側の部分は、ガイドプレート62の丸穴62aと下架台3上の丸穴31a(下架台3の嵌合部)とに嵌入されている。
【0064】
同様にブラケット5の側壁部52には、その上縁に開口するU字状の切り欠き52aが形成されて、梁部材9の両端部が嵌め込まれるようになっている。すなわち、上架台2の一端部のブラケット5においては、図12(a)に示すように側壁部52の切り欠き52aに、梁部材本体部90の端部付近(上被嵌部90a)が上方から嵌め込まれる。この部位よりも先端側で梁部材本体部90は、軸部材91の上端に形成された平板部の丸穴91aを貫通しており、その先端には抜け止めのための矩形片90bが溶接されている。
【0065】
一方、上架台2の他端部おいては、図13(a)に示すようにブラケット5の側壁部52の切り欠き52aに、クランク部材92の折曲部付近(上被嵌部92a)が上方から嵌め込まれる。図示のようにクランク部材92は下方に開口する断面コ字状のものであり、その基端部には軸部材93の上端が下方から嵌め込まれて溶接されている一方、先端側には梁部材本体部90の端部が挿入されて溶接ないしネジ留めされている。
【0066】
そして、前記図11(a)に示すように防振架台を折り畳むときには、図13(a)に仮想線の矢印で示すように、梁部材9を少し持ち上げてから軸部材93の周りに約90°回動させることになるが、こうすると同図(b)に示すように梁部材9は、クランク部材92を上架台2上に乗り上げた状態で当該上架台2の側方を概ね平行に延びるようになる。
【0067】
このとき、図12に示した上架台2の一端部においても梁部材9の本体部90が軸部材91の周りに約90°回動して、同図(b)や前記図11(a)にも示すように上架台2と直列に並んで概ね一直線上に位置するようになる。そこで、この状態から軸部材91の丸穴91aをガイドにして、同図に仮想線の矢印で示すように梁部材本体部90をその軸心方向に移動させ、角パイプである上架台2の内部に挿入することができる(図11(b))。
【0068】
したがって、この実施形態3に係る防振架台によると、図10のように展開された状態では、実施形態1のものと同様に梁部材9の両端の上被嵌部90a,92aが上架台2のブラケット5に嵌め合わされるとともに、その付近から下方に延びる軸部材91,93(下被嵌部)がブラケット5の床部50とガイドプレート62とを貫通して、下架台3上の丸穴31aに嵌め込まれることで、上架台2,2と梁部材9,9とがしっかりとした枠状をなすとともに、軸部材91,93によって上下の架台2,3同士が連結されて、架台ユニット1の捩れに対する剛性が高くなり、その倒れ防止が図られる。
【0069】
また、図11(a)に示すように防振架台を折り畳むときには、まず、梁部材9を持ち上げてその両端部の軸部材91,93の上下の架台2,3との嵌め合いを緩めた後に、梁部材9,9がそれぞれ軸部材91,93の周りに回動するように架台ユニット1,1同士をその幅方向に近づけて、同図に実線で示すように一対の架台ユニット1,1を梁部材9,9によって連結したまま直線状に折り畳む。
【0070】
このとき、図示のように梁部材9,9は、その一端部が軸部材91を介して連結されている架台ユニット1の上架台2とは、概ね一直線上に直列に位置し、また、他端部がクランク部材92及び軸部材93を介して連結されている架台ユニット1の上架台2とは、略平行に並ぶようになる。よって、この状態から架台ユニット1,1同士を今度は長手方向に移動させて、その上架台2の内部に軸部材9を挿入すれば、同図(b)のように防振架台の全長が短縮される。
【0071】
尚、この実施形態3においては梁部材9の本体部90の他端部に別体のクランク部材92と軸部材93とを取り付けているが、梁部材9の本体部90を折り曲げてクランク部や軸部を設けることも可能である。また、そうしてクランク部を設けなくても梁部材9の一部を上架台2の内部に収容することは可能である。
【0072】
さらに、本発明に係る防振架台の構造は、前記した実施形態1〜3のものに限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。例えば各実施形態ではいずれも、梁部材7〜9を架台ユニット1,1の上架台2,2の間に架け渡しているが、これに限らず、下架台3,3の間に架け渡し、上方に延びる軸部等を上架台2に嵌め込むようにしてもよい。或いは梁部材を上下の架台2,3の中間の高さに架け渡して、その両端から上下にそれぞれ延びる軸部を上架台2、下架台3に嵌め込むようにしてもよい。
【0073】
また、上架台2や下架台3は角パイプによって構成する必要はないし、梁部材7〜9も含めて前記した実施形態1〜3に記載されている部材の形状や材料等は全て単なる例示に過ぎないことは言うまでもない。
【0074】
さらにまた、本発明に係る防振架台は、上述の実施形態のようなエアコン防振台に限定されず、例えば液体ポンプユニットやボイラー等、種々の設備機器の防振架台としても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上、説明したように本発明は、長尺状の架台ユニットを横並びに設けた簡易な構造で組み立ての手間が掛からず、重量やコストを削減できる上に設置作業も容易になるから、汎用の防振架台として有用なものである。
【符号の説明】
【0076】
1 架台ユニット
2 上架台
3 下架台
3a 丸穴(下架台の嵌合部)
31 ベースプレート
31a 丸穴(下架台の嵌合部)
32 ゴムブッシュ(弾性体)
4 アイソレータ(防振体)
5 ブラケット
50 床部
51 竪壁部
52 側壁部
52a 切り欠き(上架台の嵌合部)
52b ガイド部(保持部)
52c、52d 切り欠き(上架台の嵌合部)
53 突片部
53a 丸穴(上架台の嵌合部)
6 耐震ストッパ機構
62 ガイドプレート
62a 丸穴(保持部)
7 梁部材
7a 軸部(下被嵌部)
7b 上被嵌部
8 梁部材
80 L字アングル(第1部材)
81 丸棒部材(第2部材)
81a 軸部(下被嵌部)
82 軸部材(軸部、下被嵌部)
84,88 締付ボルト(上被嵌部)
9 梁部材
90 本体部
90a 上被嵌部
91 軸部材(軸部、下被嵌部)
92 クランク部材
92a 上被嵌部
93 軸部材(軸部、下被嵌部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空調装置等、振動の大きな設備機器を設置するための防振架台に関し、特に長尺状の架台ユニットを2つ並べて連結した構造のものに係る。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の防振架台としてはコストの低減を図るとともに、運搬時の利便性を考慮して分解できるように、その構成部材を溶接ではなく、ボルト等により締結する構造としたものがある。例えば特許文献1に記載のものでは、載架枠や基台枠を構成する枠材同士をコーナー部において突き合わせ、連結金具を介してネジにより締結するようにしている。
【0003】
しかし、前記文献に記載のものでは、載架枠及び基台枠の双方を矩形の枠状に構成しているため、全体として重量が嵩むことになり運搬時の利便性はあまり高いとは言えないし、設置場所での組み立てにも手間が掛かる。また、コストの削減も十分とは言い難い。
【0004】
この点、例えば特許文献2、3に開示されるように、長尺の架台ユニット(防振ユニット、レール形防振台)を横に並べて、その上に設備機器を搭載する構成とすれば、軽量で運搬しやすく、組み立てに手間の掛かることもないし、コストも大幅に削減可能である。
【0005】
そうした場合に各架台ユニットの下架台(下部支持部材、基台)は、アンカーボルトによって基礎に固定することになり、一方、上架台(上部支持部材、架台)は機器の底部に固定することになるが、機器の底部は剛性の不足することもあるので、上架台同士の間には梁部材を架け渡して連結することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−304335号公報
【特許文献2】特開平7−139589号公報
【特許文献3】実開昭55−039870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記後者の従来例(特許文献2、3)のように、一対の架台ユニットを並べたり、その上架台同士を梁部材によって連結しただけでは、架台ユニットがぐらつきやすく、設置作業が非常にやり難いという問題がある。例えば並べた架台ユニットの上に仮置きした機器を横にずらそうとすると、架台ユニットが捩れてぐらつくことになるし、下架台をアンカー固定する前であれば架台ユニットが倒れる心配もある。
【0008】
このような不具合は、前者の従来例のように下架台同士も梁部材によって連結する構造とすれば概ね解消できると思われるが、これでは重量やコストの削減が不十分になってしまい、組み立てにも手間の掛かることは上述した通りである。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、長尺状の架台ユニットを横並びに設けた簡易な構造を基本とし、組み立ての手間が掛からず重量やコストを十分に削減できるものでありながら、ぐらつきが少なく設置作業の容易な防振架台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために本発明では、一対の架台ユニットの上架台若しくは下架台同士を連結するように梁部材を設けるとともに、その両端部に上下それぞれの被嵌部を設けて、上架台及び下架台の双方に嵌め合わせるようにした。
【0011】
すなわち、請求項1の発明は、各々長尺状の上架台及び下架台の間に防振体を介在させてなる一対の架台ユニットが、横並びに配設されるとともに、互いに対をなす上架台ないし下架台の両端部同士が梁部材によって連結されている防振架台を対象として、その梁部材の両端部にそれぞれ、上架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる上被嵌部と、下架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる下被嵌部と、を設けたものである。
【0012】
斯かる構成の防振架台では、例えば上架台の両端部をぞれぞれ梁部材によって連結することで、全体として矩形の枠状として剛性を確保しやすいのみならず、その梁部材の端部には、上架台に嵌合する上被嵌部の他に下架台に嵌合する下被嵌部も設けられていて、これにより上下の架台同士が連結されているので、架台ユニットの捩れに対する剛性が高くなって、その倒れ防止が図られる。
【0013】
好ましくは、対をなす上架台の端部間に梁部材を直線的に架け渡すことであり、こうすれば、機器が直接、搭載される上架台の剛性を確保しやすい。そして、梁部材の両端部にはそれぞれ下方に延びる丸棒状の軸部を設けて、これを下架台の丸穴(嵌合部)に上方から嵌め込む構造とするのがよい(請求項2)。こうすれば、横並びに配置した一対の架台ユニットに対し梁部材を上方から容易に取り付けることができる。また、その軸部を中心として梁部材を水平方向に回動させることにより、架台ユニット同士を梁部材によって連結したままコンパクトに折り畳むことができるようになる。
【0014】
より好ましいのは上架台の嵌合部についても、梁部材の上被嵌部が上方から嵌め込まれ、所定の嵌合位置で固定されるような構造とし、その上で上架台及び下架台の少なくとも一方に、梁部材を前記の嵌合位置から所定量、即ち例えば梁部材の軸部(下被嵌部)が下架台の丸穴から殆ど抜け出すくらい持ち上げた状態で、その軸部を回動自在に保持する保持部を設けることである(請求項3)。
【0015】
こうすれば、一旦、取り付けた梁部材を持ち上げて、上下の被嵌部の嵌め合いを緩めた状態でも、その梁部材の軸部が回動自在に保持されるようになり、この軸部の周りに梁部材を容易に回動させることができる。よって、防振架台の折り畳みが容易に行える。
【0016】
また、好ましい構造として、前記梁部材を第1及び第2の2つの部材に分割しかつ該両部材同士を水平方向に折り畳み可能に連結してもよく(請求項4)、こうすれば防振架台をよりコンパクトに折り畳むことができる。その場合に、第1部材を相対的に剛性の高いものとし、これを梁部材の長手方向全体に、即ち防振架台の幅方向全体に亘って設けるのがよい(請求項5)。一方で第2部材は相対的に剛性の低いものでよく、その端部を前記第1部材の途中に回動可能に連結すればよい。
【0017】
また、別の好ましい構造として、前記梁部材のいずれか一方の端部において軸部を、当該梁部材の長手方向にスライド移動可能に設けた別体の軸部材としてもよい(請求項6)。こうすれば、上述の如く梁部材を軸部の周りに回動させて、防振架台を折り畳んだ後にその軸部に対して梁部材を長手方向にスライド移動させることにより、折り畳んだ防振架台の長さを短縮することができる。
【0018】
その場合に梁部材の他方の端部においては、当該梁部材の側方に偏位して(即ち、側方に出っ張るようにして)軸部を設けることが好ましい(請求項7)。こうすれば、前記のように軸部の周りに回動させた梁部材を架台ユニットの上架台に沿わせて、防振架台をよりコンパクトに折り畳むことができる。
【0019】
さらにまた、前記梁部材の下被嵌部と前記下架台の嵌合部との間には弾性体を介在させることが好ましく、こうすれば機器の振動が上架台から梁部材の軸部を介して下架台に伝わることを抑制できる(請求項8)。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように本発明の防振架台は、一対の長尺状の架台ユニットを横並びに配設した簡易な構造を基本とし、組み立ての手間が掛からず重量やコストの削減も容易なものでありながら、それら架台ユニットの上架台ないし下架台同士を連結する梁部材を利用して上下の架台同士も連結する構造としたから、架台ユニットの捩れに対する剛性が高くなってその倒れ防止が図られる。よって、防振架台のぐらつきが少なくなって、設置作業も容易に行える。
【0021】
また、前記梁部材を上架台の間に直線的に架け渡す構造とすれば、機器が直接、搭載される上架台の剛性を確保しやすい。その両端部に設けた丸棒状の軸部を下架台の丸穴(嵌合部)に嵌め込む構造とすれば、防振架台を折り畳むこともできる。
【0022】
さらに、梁部材を2つの部材に分割して折り畳み可能に連結する構造としたり、或いは軸部の一方を梁部材の長手方向にスライド移動可能な別体の軸部材とすることによって、防振架台をよりコンパクトに折り畳めるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態1の防振架台の平面図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。
【図2】梁部材の端部が嵌め込まれる架台ユニットの端部の拡大斜視図である。
【図3】架台ユニットの端部を防振架台の外側から視た斜視図である。
【図4】架台ユニットの端部を防振架台の内側から視た斜視図である。
【図5】防振架台の折り畳みを示す図1(a)相当図である。
【図6】実施形態2の防振架台に係る図1相当図である。
【図7】梁部材を分解して架台ユニットとの連結構造を示す図6(b)相当図である。
【図8】梁部材の端部が嵌め込まれる架台ユニットの端部の拡大斜視図である。
【図9】防振架台の折り畳みを示す図6(a)相当図である。
【図10】実施形態3に係る図1相当図である。
【図11】防振架台の折り畳みを示す図10(a)相当図である。
【図12】架台ユニットの一端部における折り畳みの動作を示す拡大斜視図である。
【図13】架台ユニットの他端部における図12相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
(実施形態1)
図1には、本発明に係る防振架台を所謂エアコン防振台とした実施形態の一例を示し、同図(a)は平面図、(b)、(c)はそれぞれ正面図、側面図である。この防振架台は、図示しない空調装置の室外機を設置するためのものであり、図の例では長尺状の架台ユニット1(所謂レール式防振台である)を横並びに一対、並べて配設し、それらの両端に後述する梁部材7,7を架け渡して、連結している。
【0026】
この例では一対の架台ユニット1,1は同じものであり、各々断面矩形状の角パイプ(例えば構造用角形鋼管等)からなる長尺状の上架台2及び下架台3が、互いに上下方向に所定の間隔を空けて配置され、その間には上架台2及び下架台3の長手方向に離れて2つのアイソレータ4,4が介設されている。アイソレータ4は、上架台2及び下架台3の間の振動伝達を軽減する防振体であり、例えばコイルばねとゴムを一体成形したものや樹脂ケース内にコイルばねを内蔵したものが用いられる。
【0027】
図示の架台ユニット1においては上架台2よりも下架台3が長く、その両端部がそれぞれ上架台2の端部よりも外方まで突出している。この突出する部位を覆うように、下架台3の両端部にはそれぞれ、鉄板をコ字状に折り曲げてなるベースプレート31,31,…が嵌着されている。一方、上架台2の両端部にはそれぞれ、鉄板を折り曲げてなるブラケット5が取り付けられていて、下方のベースプレート31との間に、上架台2と下架台3との相対変位を規制するための耐震ストッパ機構6が構成されている。
【0028】
すなわち、図1(a)において右下に位置するものについて図2、3に拡大して示すと、ブラケット5は、その長辺が上下の架台2,3の長手方向に延びる概略矩形状の床部50と、この床部50の短辺の縁から上方に立ち上がる竪壁部51と、床部50の長辺の縁から上方に立ち上がる側壁部52とを備え、それら竪壁部51及び側壁部52の側縁同士が接合されている。竪壁部51の上縁は、角パイプである上架台2の下壁の端縁に沿って折れ曲がり、その下壁の上面に沿って延びる延出部が形成されていて、ここにおいて上架台2の下壁にネジ留め(符号21がネジの頭部を示す)により締結されている。一方、側壁部52にも上架台2の側壁の内面に沿って延びる延出部が形成され、この延出部が側壁にネジ留め(図4にネジ22及びナット23を示す)されている。
【0029】
また、前記ブラケット5の床部50の略中央には、図示は省略するがボルト貫通穴が開口していて、ここにストッパボルト60の軸部が遊嵌状態で挿通されている。このストッパボルト60は、角パイプである下架台3の上壁にナット61(図3にのみ破線で示す)により締結されていて、そこから上方に延びる軸部がベースプレート31とガイドプレート62とを貫通している。ガイドプレート62は、ナット61の厚み分だけベースプレート31から離れていて、このナット61とナット63との間に挟持されている。
【0030】
さらに、そうして上方に延びるストッパボルト60の軸部は、前記のようにブラケット5の床部50のボルト貫通穴に挿通されていて、その床部50よりも上の部位にはリング状のゴムブッシュ64と平座金65とが外挿されるとともに、ナット66が螺合されている。両図にはブラケット5の床部50の上面にゴムブッシュ64の接触している状態を示しているが、防振架台を使用するときにはナット66の位置を調整して、両者の間に適当な大きさ(約2〜3mm程度)の隙間を形成する。このことで、地震等による上架台2及び下架台3の相対変位が制限される。
【0031】
そして、この実施形態では、前記のように耐震ストッパ機構6を構成するためのブラケット5等を利用し、ここに梁部材7の端部を嵌め込んで固定するようにしている。すなわち、前記図2、3の他に図4にも示すように、梁部材7は鋼製の丸棒材からなり、その両端部にそれぞれ下向きに略直角に折れ曲がって延びる軸部7aが設けられている。この軸部7aは上架台2のブラケット5の床部50を貫通し、その下方のガイドプレート62、さらにはベースプレート31や下架台3の上壁も貫通している。
【0032】
すなわち、まず、梁部材7の端部において軸部7aの付け根付近の部分7bが、ブラケット5の側壁部52の上縁に開口するU字状の切り欠き52aに嵌め込まれている。換言すればその切り欠き52aが、梁部材7の上被嵌部7b(前記した軸部7aの付け根付近の部分)が嵌め込まれる上架台2の嵌合部であり、それがU字状、即ち下窄まりの形状になっていて、図示の嵌合位置においてしっかりと梁部材7と嵌合するようになる。
【0033】
また、ブラケット5の床部50には、梁部材7の軸部7aが挿通される丸穴50aが開口しており、これを貫通して下方に延びる軸部7aの下側の部分は、ガイドプレート62に開口する丸穴62aに挿通され、さらにはベースプレート31の丸穴31a及びこれに連通する下架台3上壁の丸穴3a(以下、両者を合わせて下架台3上の丸穴31a,3aと略称する)に嵌入されている。
【0034】
それらの丸穴50a,62a,31a,3aの開口径はいずれも軸部7aの外径よりもやや大きめの適切な大きさに設定され、ルーズな嵌め合いになっている。特に、ブラケット5の床部50の丸穴50aとガイドプレート62の丸穴62aとは相対的に大きめで、軸部7aの挿入ガイドとして機能する。一方、下架台3上の丸穴31a,3aは、やや小さめとされて、そこに嵌め込まれる軸部7aの下端を保持しながら、振動の伝達は抑制するようになっている。つまり、この実施形態では前記下架台3上の丸穴31a,3aが、梁部材7の軸部7a(下被嵌部)が嵌め込まれる嵌合部である。
【0035】
そうして、図示のように梁部材7の上下の被嵌部がそれぞれ上架台2及び下架台3の嵌合部に嵌め込まれた状態(嵌合位置)から、梁部材7を所定量、持ち上げれば、図4に仮想線で示すように軸部7aの周りに回動させることができる。こうして持ち上げたときに軸部7aの下端は下架台3上の丸穴31a,3aからは概ね抜け出すことになるが、軸部7aの中間の部位は、ブラケット5の床部50の丸穴50aとガイドプレート62の丸穴62aとに挿入されたままで、ぐらつかずスムーズに回動させることができる。つまり、それらの丸穴50a,62aは、梁部材7を嵌合位置から所定量、持ち上げた状態でその軸部7aを回動自在に保持する機能も有している。
【0036】
さらに、図2、4に示すように、ブラケット5の側壁部52の上縁において切り欠き52aに対応する部位には、当該ブラケット5の内方に向かって略水平に延びる半円環状のガイド部52bが設けられている。このガイド部52bは、梁部材7の軸部7aを挿入する際のガイドとなるものであるが、前記のように梁部材7を持ち上げた状態では、ガイドプレート62の丸穴62a等と同じく軸部7aを保持する機能も有している。
【0037】
尚、図3、4における符号31b,3bは、前記した丸穴31a,3aと同じく互いに連通するようにベースプレート31及び下架台3上壁に形成された丸穴であり、その下架台3を基礎に固定するアンカーボルトが挿通される。また、図1、2、5における符号2aは、上架台2を室外機の底部に固定する締結ボルトの挿通される丸穴である。
【0038】
したがって、上述した実施形態1に係る防振架台によると、例えば空調装置の室外機を設置するときには、長尺状の一対の架台ユニット1,1を横並びに配設して、その両端部にそれぞれ梁部材7の両端の軸部7aを嵌め込む。こうすると軸部7aは、上架台2の端部のブラケット5の床部50やガイドプレート62を貫通して、下架台3上の丸穴31aに嵌め込まれるとともに、その軸部7aの付け根付近(上被嵌部7b)がブラケット5の側壁部52の切り欠き52aに嵌め込まれ、それぞれの嵌合位置にしっかりと固定される(図2〜4を参照)。
【0039】
この状態では、対をなす上架台2,2の両端部がぞれぞれ直線状の梁部材7,7によって連結されて矩形の枠状をなし、全体として高い剛性が確保されるのみならず、その梁部材7の軸部7aによって上下の架台2,3同士が連結されることになり、架台ユニット1の捩れに対する剛性が高くなって、その倒れ防止が図られる。見方を変えれば、下架台3,3同士も梁部材7によって連結されて矩形枠状になっていると言うこともできる。
【0040】
さらに、そうして防振架台を組み立てるときには、前記のように横並びに配置した架台ユニット1,1の両端部に、それぞれ梁部材7の両端の軸部7aを上方から押し込めばよく、組み立ての手間が掛からないし、組み立てる前の架台ユニット1と梁部材7とはコンパクトに梱包できるので、設置場所への運搬もしやすい。また、予め工場で防振架台を組み立てた後に折り畳んで運搬し、設置場所で展開することもできる。
【0041】
そうして折り畳んだり展開したりするときには、前記のように架台ユニット1,1の間に架け渡した梁部材7を少しだけ持ち上げて、上下の架台2,3の嵌合部との嵌め合いを緩めておき、この状態で梁部材7が軸部7aの周りに回動するように架台ユニット1,1同士を近づける。こうすると、図5に示すように架台ユニット1,1を梁部材7,7によって連結したまま、防振架台を平行四辺形状に変形させてコンパクトに折り畳むことができる。
【0042】
しかも、そうして梁部材7を少し持ち上げた状態でその両端の軸部7aが、ブラケット5の側壁部52のガイド部52bや同床部50の丸穴50a、さらにはガイドプレート62の丸穴62aによって回動自在に保持されているから、梁部材7の回動がスムーズなものになり、前記防振架台の折り畳みや展開が容易に行える。
【0043】
ところで、この実施形態では梁部材7を鋼製の丸棒材によって構成しているが、これは鋼製或いはアルミ合金の丸パイプ等であってもよいし、後述する実施形態2のようにL字アングルを利用することもできる。
【0044】
また、前記したように梁部材7の端部をブラケット5の側壁部52の切り欠き52aに嵌め込み、かつその軸部7aを下架台3上の丸穴31a,3aに嵌め込む構造は、一例に過ぎない。例えば、軸部7aの中間に下窄まりのテーパ状部を形成し、これをブラケット5の床部50の丸穴50aやガイドプレート62の丸穴62aに嵌め込む構造としてもよい。
【0045】
同様に下架台3上の丸穴31a,3aに嵌め込む軸部7aの下端にも下窄まりのテーパ状部を形成してもよいし、この下架台3上の丸穴31aには、後述する実施形態2のようにゴムブッシュ等を嵌め込んでもよい。
【0046】
(実施形態2)
次に、図6〜9には本発明の実施形態2に係る防振架台を示す。この実施形態2は、主に梁部材8の構造が実施形態1と異なっていて、その両端が取り付けられる上架台2及び下架台3の嵌合部の構造にも異なる部分があるが、それ以外の構造は実施形態1のものと同じなので、以下、概ね同じ構造の部材には同じ符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0047】
この実施形態の梁部材8は、図の例ではL字アングル80(第1部材)と丸棒部材81(第2部材)とを組合せて、水平方向に折り畳み可能に連結したものであり、この梁部材8の両端からそれぞれ下方に延びる丸棒状の軸部81a,82aが上架台2及び下架台3に連繋されている。すなわち、まず、L字アングル80は、図6のように展開した状態では実施形態1の梁部材7と同様に、対をなす架台ユニット1,1の上架台2,2の端部間に直線的に架け渡されている。
【0048】
そして、その一端(同図(a)の左下及び右上に示す端)には、図7や図8(a)にも示すように、板材を折り曲げてなる矩形ボックス状の部材83を介して、L字状の丸棒からなる軸部材82が取り付けられている。この軸部材82のうち水平方向に延びる部分は、図7,8(a)に破線で示すようにボックス状部材83内に収容されて、溶接若しくはネジ留めにより固定されている。一方、軸部材82の垂直部分、即ち上下方向に延びる軸部82aは、ブラケット5の側壁部52に設けられた突片部53を貫通して下方に延び、さらにガイドプレート62及びベースプレート31を貫通している。
【0049】
ここで、この実施形態のブラケット5は、実施形態1のものと同様に床部50、竪壁部51及び側壁部52を備えているが、細部の構造は異なっている。すなわち、竪壁部51の上縁から折れ曲がって延びる延出部は上架台2の下壁に下方から重ね合わされ、その両側縁からそれぞれ上方に立ち上がる延出側壁54,55と併せて、上方に開口するコ字状に形成されている。尚、図の例では延出側壁55が側壁部52に連続している。そして、それら両延出側壁54,55が上架台2の側壁に外側から重ね合わされて、横方向に貫通するネジ24とナット25とにより締結されている。
【0050】
また、この実施形態のブラケット5において側壁部52には、実施形態1のようなU字状の切り欠き52aや環状のガイド部52bが設けられておらず、その代わりに側壁部52の側縁(図8(a)の手前の縁)に開口する切り欠き52cと、側壁部52の上縁から外方に延びるガイド部56とが設けられている。このガイド部56は、図8(a)の手前側に開口する切り欠きを有し、以下に述べる突片部53の丸穴53a(同図(b)を参照)等に軸部材82の軸部82aを嵌め入れるときのガイドとして機能する。
【0051】
すなわち、前記の突片部53には、実施形態1における床部50の丸穴50aと同じく軸部材82の軸部82aが貫通する丸穴53aが形成され、この丸穴を通過して下方に延びる軸部82aの下側の部分が、ガイドプレート62の丸穴62aとベースプレート31の丸穴31aとに嵌め込まれる。図の例では突片部53がブラケット5の側壁部52から上架台2の幅方向外方(図の右方)に突出し、これに対応してガイドプレート62及びベースプレート31の一部分が下架台3の外方に延出していて、この延出部分に丸穴62a,31aが形成されている。
【0052】
また、図の例では、それらの丸穴31a,62aに共通のゴムブッシュ32が嵌め込まれており、このゴムブッシュ32を間に介在させて軸部82aの下側の部分が嵌め込まれている。つまり、図8(a)に示す梁部材8の一端部においては、ベースプレート31及びガイドプレート62の丸穴31a,62aが、当該梁部材8(L字アングル80)の一端の軸部82aが嵌め込まれる下架台3の嵌合部であり、この嵌合部と下被嵌部である軸部82aとの間にゴムブッシュ32が介在されることで、振動の伝達が抑制されるようになっている。
【0053】
さらに、前記ブラケット5の側壁部52の切り欠き52cには、ボックス状部材83の端部に取り付けられた締付ボルト84の軸部が嵌め込まれて、ナット85を締め付けることにより梁部材8(L字アングル80)の一端部が締結されるようになっている。また、そうして締め付けたナット85を緩めてからL字アングル80を、図8(a)において奥に向かうよう軸部82aの周りに回動させと、締付ボルト84の軸部は切り欠き52cから抜け出すことになる。つまり、この締付ボルト84の軸部が梁部材8の上被嵌部であり、これが嵌め込まれる切り欠き52cが、上架台2の嵌合部である。
【0054】
前記のように構成されたL字アングル80に組み合わされる丸棒部材81は、図7に分解して示すように、L字アングル80に沿って略水平に延びる部分の先端(同図の左端)が、当該L字アングル80の途中に回動可能にピン留めされている。すなわちL字アングル80の長手方向の中間部においてその上壁部から下方に垂下するようにボルト86が配設されていて、その軸部に、丸棒部材81の先端に設けられた環状部81bが外挿され、ナット87により抜け止めがなされている。
【0055】
また、丸棒部材81の基端(図の右端)には下向きに略直角に折れ曲がって延びる軸部81aが設けられていて、この軸部81aが前記した軸部材82の軸部82aと同様に、上架台2のブラケット5の突片部53と、ガイドプレート62及びベースプレート31とを貫通するようになっている。すなわち、図8(b)に示すように梁部材8の他端部におけるブラケット5は、前記した一端部のものと略同様に構成され、その側壁部52に設けられた突片部53の丸穴53aに丸棒部材81の軸部81aが挿通されている。
【0056】
一方、この他端のブラケット5においては側壁部52の側方に開口する切り欠き52cは設けられておらず、その代わりに実施形態1のもの(切り欠き52a)と同様に上縁に開口する切り欠き52dが設けられている。この切り欠き52dには、L字アングル80の他端部に配設された締付ボルト88の軸部が上方から嵌め込まれ、ナット89により締め付けられる。換言すれば、この締付ボルト88の軸部が梁部材8の他端部における上被嵌部であり、これが嵌め込まれる前記切り欠き52dが上架台2の嵌合部である。
【0057】
そして、以上のように構成された実施形態2の防振架台は、図6のように展開された状態では、対をなす架台ユニット1,1の間に高剛性のL字アングル80が架け渡されて、その両端部がそれぞれ上架台2の端部のブラケット5に締付ボルト84,88により締結され、両端の軸部81a,82aによる嵌め合いとも併せて強固に固定される。よって、上架台2,2と梁部材8,8とがしっかりとした枠状をなし、全体として高い剛性を確保することができる。
【0058】
一方で相対的に剛性の低い丸棒部材81は、防振架台を折り畳むときにL字アングル80を支えるものである。すなわち、前記のように展開されている防振架台を折り畳むときには、まず、梁部材8の両端部においてそれぞれL字アングル80の端部のナット85,89を緩める。それからL字アングル80の他端部(図8(b)に示す)を上方に持ち上げて、締付ボルト88の軸部を切り欠き52dから取り出した後に、同図において奥に向かうよう軸部81aの周りに少しだけ回動させる。
【0059】
そうしておいて、図9(a)に示すように架台ユニット1,1同士を近づけると、L字アングル80がその一端部の軸部82aの周りに回動するとともに、丸棒部材81がその軸部81aの周りに回動して、両者を併せた梁部材8全体がパンタグラフのように折り畳まれる。こうして、架台ユニット1,1を梁部材8,8によって連結したまま、同図(b)に示すように防振架台をコンパクトに折り畳むことができる。
【0060】
尚、この実施形態2においては前記したようにL字アングル80の両端にそれぞれ締付ボルト84,88を設けて、ブラケット5の側壁部52に締結するようにしているが、これはしなくてもよい。また、梁部材8をL字アングル80と丸棒部材81とによって構成する必要もなく、両者をいずれもL字アングルによって構成することも、また、棒部材やパイプによって構成することも可能である。
【0061】
(実施形態3)
次に図10〜13には、本発明の実施形態3に係る防振架台を示す。この実施形態3の防振架台も梁部材9とその両端が嵌め込まれる上架台2や下架台3の嵌合部の構造に、実施形態1、2とは異なる部分があるが、それ以外の構造は実施形態1、2のものと同じなので、以下、概ね同じ構造の部材には同じ符号を付し、異なる部分のみ説明する。
【0062】
この実施形態3の特徴は、図11に示すように防振架台を折り畳むと梁部材9が上下の架台2,3に沿って概ね平行に延びるようになり(同図(a))、その後、梁部材9を角パイプである上架台2の内部に収容することで(同図(b))、全長が短縮されることにある。そのために、例えば同図において下側の架台ユニット1(上架台2)の一端(図の左端)においては、拡大して図12に示すように梁部材9の一端の軸部が別体の軸部材91により構成されて、丸棒材からなる梁部材9の本体部90に対してその長手方向にスライド移動可能に取り付けられている。一方、架台ユニット1の他端(図の右端)においては、拡大して図13にも示すように、梁部材9の本体部90の端部にはその側方に偏位するようにクランク部材92を介して軸部材93が取り付けられている。
【0063】
詳しくは、まず、前記のように上架台2の両端にそれぞれ配設されているブラケット5は、実施形態1、2のものと同じく床部50、竪壁部51及び側壁部52を有し、その床部50に開口する丸穴50aには梁部材9の軸部である軸部材91,93が挿通されている。また、それら軸部材91,93の下側の部分は、ガイドプレート62の丸穴62aと下架台3上の丸穴31a(下架台3の嵌合部)とに嵌入されている。
【0064】
同様にブラケット5の側壁部52には、その上縁に開口するU字状の切り欠き52aが形成されて、梁部材9の両端部が嵌め込まれるようになっている。すなわち、上架台2の一端部のブラケット5においては、図12(a)に示すように側壁部52の切り欠き52aに、梁部材本体部90の端部付近(上被嵌部90a)が上方から嵌め込まれる。この部位よりも先端側で梁部材本体部90は、軸部材91の上端に形成された平板部の丸穴91aを貫通しており、その先端には抜け止めのための矩形片90bが溶接されている。
【0065】
一方、上架台2の他端部おいては、図13(a)に示すようにブラケット5の側壁部52の切り欠き52aに、クランク部材92の折曲部付近(上被嵌部92a)が上方から嵌め込まれる。図示のようにクランク部材92は下方に開口する断面コ字状のものであり、その基端部には軸部材93の上端が下方から嵌め込まれて溶接されている一方、先端側には梁部材本体部90の端部が挿入されて溶接ないしネジ留めされている。
【0066】
そして、前記図11(a)に示すように防振架台を折り畳むときには、図13(a)に仮想線の矢印で示すように、梁部材9を少し持ち上げてから軸部材93の周りに約90°回動させることになるが、こうすると同図(b)に示すように梁部材9は、クランク部材92を上架台2上に乗り上げた状態で当該上架台2の側方を概ね平行に延びるようになる。
【0067】
このとき、図12に示した上架台2の一端部においても梁部材9の本体部90が軸部材91の周りに約90°回動して、同図(b)や前記図11(a)にも示すように上架台2と直列に並んで概ね一直線上に位置するようになる。そこで、この状態から軸部材91の丸穴91aをガイドにして、同図に仮想線の矢印で示すように梁部材本体部90をその軸心方向に移動させ、角パイプである上架台2の内部に挿入することができる(図11(b))。
【0068】
したがって、この実施形態3に係る防振架台によると、図10のように展開された状態では、実施形態1のものと同様に梁部材9の両端の上被嵌部90a,92aが上架台2のブラケット5に嵌め合わされるとともに、その付近から下方に延びる軸部材91,93(下被嵌部)がブラケット5の床部50とガイドプレート62とを貫通して、下架台3上の丸穴31aに嵌め込まれることで、上架台2,2と梁部材9,9とがしっかりとした枠状をなすとともに、軸部材91,93によって上下の架台2,3同士が連結されて、架台ユニット1の捩れに対する剛性が高くなり、その倒れ防止が図られる。
【0069】
また、図11(a)に示すように防振架台を折り畳むときには、まず、梁部材9を持ち上げてその両端部の軸部材91,93の上下の架台2,3との嵌め合いを緩めた後に、梁部材9,9がそれぞれ軸部材91,93の周りに回動するように架台ユニット1,1同士をその幅方向に近づけて、同図に実線で示すように一対の架台ユニット1,1を梁部材9,9によって連結したまま直線状に折り畳む。
【0070】
このとき、図示のように梁部材9,9は、その一端部が軸部材91を介して連結されている架台ユニット1の上架台2とは、概ね一直線上に直列に位置し、また、他端部がクランク部材92及び軸部材93を介して連結されている架台ユニット1の上架台2とは、略平行に並ぶようになる。よって、この状態から架台ユニット1,1同士を今度は長手方向に移動させて、その上架台2の内部に軸部材9を挿入すれば、同図(b)のように防振架台の全長が短縮される。
【0071】
尚、この実施形態3においては梁部材9の本体部90の他端部に別体のクランク部材92と軸部材93とを取り付けているが、梁部材9の本体部90を折り曲げてクランク部や軸部を設けることも可能である。また、そうしてクランク部を設けなくても梁部材9の一部を上架台2の内部に収容することは可能である。
【0072】
さらに、本発明に係る防振架台の構造は、前記した実施形態1〜3のものに限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。例えば各実施形態ではいずれも、梁部材7〜9を架台ユニット1,1の上架台2,2の間に架け渡しているが、これに限らず、下架台3,3の間に架け渡し、上方に延びる軸部等を上架台2に嵌め込むようにしてもよい。或いは梁部材を上下の架台2,3の中間の高さに架け渡して、その両端から上下にそれぞれ延びる軸部を上架台2、下架台3に嵌め込むようにしてもよい。
【0073】
また、上架台2や下架台3は角パイプによって構成する必要はないし、梁部材7〜9も含めて前記した実施形態1〜3に記載されている部材の形状や材料等は全て単なる例示に過ぎないことは言うまでもない。
【0074】
さらにまた、本発明に係る防振架台は、上述の実施形態のようなエアコン防振台に限定されず、例えば液体ポンプユニットやボイラー等、種々の設備機器の防振架台としても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上、説明したように本発明は、長尺状の架台ユニットを横並びに設けた簡易な構造で組み立ての手間が掛からず、重量やコストを削減できる上に設置作業も容易になるから、汎用の防振架台として有用なものである。
【符号の説明】
【0076】
1 架台ユニット
2 上架台
3 下架台
3a 丸穴(下架台の嵌合部)
31 ベースプレート
31a 丸穴(下架台の嵌合部)
32 ゴムブッシュ(弾性体)
4 アイソレータ(防振体)
5 ブラケット
50 床部
51 竪壁部
52 側壁部
52a 切り欠き(上架台の嵌合部)
52b ガイド部(保持部)
52c、52d 切り欠き(上架台の嵌合部)
53 突片部
53a 丸穴(上架台の嵌合部)
6 耐震ストッパ機構
62 ガイドプレート
62a 丸穴(保持部)
7 梁部材
7a 軸部(下被嵌部)
7b 上被嵌部
8 梁部材
80 L字アングル(第1部材)
81 丸棒部材(第2部材)
81a 軸部(下被嵌部)
82 軸部材(軸部、下被嵌部)
84,88 締付ボルト(上被嵌部)
9 梁部材
90 本体部
90a 上被嵌部
91 軸部材(軸部、下被嵌部)
92 クランク部材
92a 上被嵌部
93 軸部材(軸部、下被嵌部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々長尺状の上架台及び下架台の間に防振体を介在させてなる一対の架台ユニットが、横並びに配設されるとともに、互いに対をなす上架台ないし下架台の両端部同士が梁部材によって連結されている防振架台であって、
前記梁部材の両端部には、それぞれ、上架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる上被嵌部と、下架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる下被嵌部と、が設けられていることを特徴とする防振架台。
【請求項2】
前記梁部材は、対をなす上架台の端部間に直線的に架け渡されていて、その両端部からそれぞれ下方に延びる丸棒状の軸部が、前記下架台の嵌合部である丸穴に嵌め込まれている、請求項1の防振架台。
【請求項3】
前記上架台の嵌合部は、前記梁部材の上被嵌部が上方から嵌め込まれて所定の嵌合位置で固定されるように構成され、
前記上架台及び下架台の少なくとも一方には、前記梁部材を前記嵌合位置から所定量、持ち上げた状態で当該梁部材の軸部を回動自在に保持する保持部が設けられている、
請求項2の防振架台。
【請求項4】
前記梁部材が第1及び第2の2つの部材に分割され、かつ該両部材同士が水平方向に折り畳み可能に連結されている、請求項2又は3のいずれかの防振架台。
【請求項5】
前記第1部材が梁部材の長手方向全体に亘るものであり、この第1部材の途中に第2部材の端部が回動可能に連結されている、請求項4の防振架台。
【請求項6】
前記梁部材のいずれか一方の端部において軸部は、該梁部材の長手方向にスライド移動可能に設けられた別体の軸部材からなる、請求項2〜5のいずれか1つの防振架台。
【請求項7】
前記梁部材の他方の端部において軸部が梁部材の側方に偏位して設けられている、請求項6の防振架台。
【請求項8】
前記梁部材の下被嵌部と前記下架台の嵌合部との間には弾性体が介在されている、請求項1〜7のいずれか1つの防振架台。
【請求項1】
各々長尺状の上架台及び下架台の間に防振体を介在させてなる一対の架台ユニットが、横並びに配設されるとともに、互いに対をなす上架台ないし下架台の両端部同士が梁部材によって連結されている防振架台であって、
前記梁部材の両端部には、それぞれ、上架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる上被嵌部と、下架台の端部の嵌合部に嵌め合わされる下被嵌部と、が設けられていることを特徴とする防振架台。
【請求項2】
前記梁部材は、対をなす上架台の端部間に直線的に架け渡されていて、その両端部からそれぞれ下方に延びる丸棒状の軸部が、前記下架台の嵌合部である丸穴に嵌め込まれている、請求項1の防振架台。
【請求項3】
前記上架台の嵌合部は、前記梁部材の上被嵌部が上方から嵌め込まれて所定の嵌合位置で固定されるように構成され、
前記上架台及び下架台の少なくとも一方には、前記梁部材を前記嵌合位置から所定量、持ち上げた状態で当該梁部材の軸部を回動自在に保持する保持部が設けられている、
請求項2の防振架台。
【請求項4】
前記梁部材が第1及び第2の2つの部材に分割され、かつ該両部材同士が水平方向に折り畳み可能に連結されている、請求項2又は3のいずれかの防振架台。
【請求項5】
前記第1部材が梁部材の長手方向全体に亘るものであり、この第1部材の途中に第2部材の端部が回動可能に連結されている、請求項4の防振架台。
【請求項6】
前記梁部材のいずれか一方の端部において軸部は、該梁部材の長手方向にスライド移動可能に設けられた別体の軸部材からなる、請求項2〜5のいずれか1つの防振架台。
【請求項7】
前記梁部材の他方の端部において軸部が梁部材の側方に偏位して設けられている、請求項6の防振架台。
【請求項8】
前記梁部材の下被嵌部と前記下架台の嵌合部との間には弾性体が介在されている、請求項1〜7のいずれか1つの防振架台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−7232(P2011−7232A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149509(P2009−149509)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【Fターム(参考)】
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