説明

限定受信システム、限定受信方法、および限定受信プログラム

【課題】限定受信方式において、携帯端末にて操作することができる全てのコンテンツ受信装置で同時にコンテンツの視聴を可能とする。
【解決手段】限定受信システム1は、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツ、およびワーク鍵で暗号化した共通情報を多重化して、1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信するとともに、マスター鍵で暗号化したワーク鍵を、携帯端末20に送信するコンテンツ送信装置10と、受信した暗号化ワーク鍵を予め設定されているマスター鍵で復号し、受信した暗号化スクランブル鍵をワーク鍵で復号し、スクランブル鍵を1以上のコンテンツ受信装置30それぞれに送信する携帯端末20と、暗号化スクランブル鍵を携帯端末20に送信し、受信したスクランブル鍵で、受信した暗号化コンテンツを復号するコンテンツ受信装置30と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送の限定受信システム、限定受信方法、および限定受信プログラムに関し、特に、送信装置、受信装置、および受信装置を操作するための携帯端末を備えた限定受信システム、限定受信方法、および限定受信プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の限定受信方式において、ストリーミング配信されるコンテンツ(映像および音声)は、デジタル暗号化技術によりスクランブルされて、受信装置に送信される。コンテンツ提供者(例えば、放送事業者)は、契約者に、スクランブルされたコンテンツをデスクランブルするためのデスクランブル情報を交付する。デスクランブル情報には、契約に基づく特定のコンテンツをデスクランブルするための鍵、およびコンテンツの視聴可否に関する情報(以下、視聴権利という)が含まれている。デスクランブル情報が受信装置に設定されることにより、受信したコンテンツのスクランブルが解除され、契約者は受信装置にてコンテンツを視聴することができる。
【0003】
コンテンツを受信する受信装置として市販されているテレビ受信機においては、B−CAS(登録商標)方式と呼ばれる限定受信システムが採用されており、上述したデスクランブル情報を記憶したB−CASカードが用いられている。B−CASカードが装着されたテレビ受信機は、B−CASカードに記憶されているデスクランブル情報を用いて、受信したコンテンツのスクランブルを解除し、表示可能な状態とした後のコンテンツを表示する。
【0004】
コンテンツ提供者は、デスクランブル情報に含まれる鍵、並びに視聴権利の交付、更新、および削除により、契約者のコンテンツの視聴可否を制御することができる。例えば、デジタル放送では、社団法人電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)の標準規格「ARIB STD−B25」(非特許文献1)に準拠したCAS(Conditional Access Systems)によって、コンテンツのスクランブルが行われ、視聴の可否をコンテンツ提供者が制御している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ARIB STD−B25」、社団法人電波産業会、5.0版、平成19年3月14日
【非特許文献2】株式会社 ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ http://www.b−cas.co.jp/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、B−CAS方式を採用するテレビ受信機の構成ではB−CASカードに記憶されているデスクランブル情報に基づいて、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を抽出する装置(KDA:Key Device Agent)、契約者の視聴権利を判断する装置(RMPI:Right Management and Protection Information)およびコンテンツをデスクランブルする装置がテレビ受信機に一体として構成されているため、一つの契約で交付されたコンテンツの視聴権利を複数のテレビ受信機で同時に使用することができず、不便であるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を取得する装置KDAの機能を携帯端末に備えることにより、限定受信方式において、携帯端末にて操作することができる全ての受信装置で同時にコンテンツの視聴が可能となる限定受信システム、限定受信方法、および限定受信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
(1) 本発明は、コンテンツ送信装置と、1以上のコンテンツ受信装置と、前記1以上のコンテンツ受信装置を操作する携帯端末とを備える限定受信システムであって、前記コンテンツ送信装置は、コンテンツをスクランブル鍵で暗号化するスクランブル手段(例えば、図1のスクランブル部11)と、前記コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵で前記スクランブル鍵を暗号化するワーク鍵暗号化手段(例えば、図1のワーク鍵暗号化部12)と、暗号化されたコンテンツと、暗号化されたスクランブル鍵とを多重化して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第1の送信手段(例えば、図1の多重送信部13)と、前記ワーク鍵をコンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化するマスター鍵暗号化手段(例えば、図1のマスター鍵暗号化部14)と、暗号化されたワーク鍵を前記携帯端末に送信する第2の送信手段(例えば、図1の鍵送信部15)と、を備え、前記携帯端末は、予め設定されている前記マスター鍵で、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたワーク鍵を復号するワーク鍵復号化手段(例えば、図1のワーク鍵復号化部21)と、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれから暗号化されたスクランブル鍵を受信し、受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記ワーク鍵で復号するスクランブル鍵復号化手段(例えば、図1のスクランブル鍵復号化部22)と、前記スクランブル鍵を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第3の送信手段(例えば、図1のスクランブル鍵復号化部22)と、を備え、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれは、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記携帯端末に送信する第4の送信手段(例えば、図1の多重分離部31)と、前記携帯端末からスクランブル鍵を受信し、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたコンテンツを、受信したスクランブル鍵で復号するデスクランブル手段(例えば、図1のデスクランブル部32)と、を備えることを特徴とする限定受信システムを提案している。
【0010】
この発明によれば、スクランブル手段は、コンテンツをスクランブル鍵で暗号化する。ワーク鍵暗号化手段は、コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵でスクランブル鍵を暗号化する。第1の送信手段は、暗号化されたコンテンツと、暗号化されたスクランブル鍵とを多重化して、1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。マスター鍵暗号化手段は、ワーク鍵をコンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化する。第2の送信手段は、暗号化されたワーク鍵を携帯端末に送信する。ワーク鍵復号化手段は、予め設定されているマスター鍵で、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたワーク鍵を復号する。スクランブル鍵復号化手段は、1以上のコンテンツ受信装置それぞれから暗号化されたスクランブル鍵を受信し、受信した暗号化されたスクランブル鍵をワーク鍵で復号する。第3の送信手段は、スクランブル鍵を1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。第4の送信手段は、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を携帯端末に送信する。デスクランブル手段は、携帯端末からスクランブル鍵を受信し、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたコンテンツを、受信したスクランブル鍵で復号する。したがって、携帯端末において、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を取得することにより、携帯端末にて操作できる1以上のコンテンツ受信装置それぞれで、同一若しくは異なるコンテンツを同時に、視聴や録画予約等をすることができる。
【0011】
(2) 本発明は、(1)の限定受信システムについて、前記ワーク鍵暗号化手段は、前記スクランブル鍵とともに、少なくともコンテンツに関する情報を、前記ワーク鍵で暗号化した共通情報を作成し、前記第1の送信手段は、前記共通情報を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信し、前記マスター鍵暗号化手段は、前記ワーク鍵とともに、少なくともコンテンツを視聴判定するための契約情報を、前記マスター鍵で暗号した個別情報を作成し、前記第2の送信手段は、前記個別情報を前記携帯端末に送信し、前記第4の送信手段は、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化された前記共通情報を前記携帯端末に送信し、前記ワーク鍵復号化手段は、前記予め設定されているマスター鍵で前記個別情報を復号化し、前記ワーク鍵と前記契約情報とを取得し、前記スクランブル鍵復号化手段は、前記ワーク鍵で前記共通情報を復号化し、前記スクランブル鍵と前記コンテンツに関する情報を取得し、前記携帯端末は、前記ワーク鍵復号化手段で取得された前記コンテンツに関する情報に含まれるコンテンツの視聴可否に関する情報と、前記スクランブル鍵復号化手段で取得された前記契約情報に基づいて、前記コンテンツの視聴可否を判断する視聴判断手段(例えば、図1の視聴判断部23)を備え、前記第3の送信手段は、前記視聴判断手段により前記コンテンツを視聴可と判断された場合に、前記スクランブル鍵を前記コンテンツ受信装置に送信することを特徴とする限定受信システムを提案している。
【0012】
この発明によれば、ワーク鍵暗号化手段は、スクランブル鍵とともに、少なくともコンテンツに関する情報を、ワーク鍵で暗号化した共通情報を作成する。第1の送信手段は、共通情報を1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。マスター鍵暗号化手段は、ワーク鍵とともに、少なくともコンテンツを視聴判定するための契約情報を、マスター鍵で暗号した個別情報を作成する。第2の送信手段は、個別情報を携帯端末に送信する。第4の送信手段は、コンテンツ送信装置から受信した暗号化された共通情報を携帯端末に送信する。ワーク鍵復号化手段は、予め設定されているマスター鍵で個別情報を復号化し、ワーク鍵と契約情報とを取得する。視聴判断手段は、ワーク鍵復号化手段で取得されたコンテンツに関する情報に含まれるコンテンツの視聴可否に関する情報と、スクランブル鍵復号化手段で取得された契約情報に基づいて、コンテンツの視聴可否を判断する。第3の送信手段は、視聴判断手段によりコンテンツを視聴可と判断された場合に、スクランブル鍵をコンテンツ受信装置に送信する。したがって、携帯端末がコンテンツに関する情報と契約情報とを取得することにより、携帯端末において、コンテンツの視聴可否の判断を行うことができる。また、契約情報に視聴可能なコンテンツ受信装置の台数や、視聴可能な時間を含めることにより、1以上のコンテンツ受信装置それぞれでのコンテンツ視聴の制御を、携帯端末でまとめて行うことができる。
【0013】
(3) 本発明は、(2)の限定受信システムについて、前記携帯端末は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力手段を備え、前記スクランブル鍵復号化手段は、前記入力手段を介して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに対する、ユーザによるコンテンツ選択の入力を受け付けたことに応じて、コンテンツ選択が行われたコンテンツ受信装置にスクランブル鍵を送信することを特徴とする限定受信システムを提案している。
【0014】
この発明によれば、入力手段は、ユーザからの操作入力を受け付ける。スクランブル鍵復号化手段は、入力手段を介して、1以上のコンテンツ受信装置それぞれに対する、ユーザによるコンテンツ選択の入力を受け付けたことに応じて、コンテンツ選択が行われたコンテンツ受信装置それぞれにスクランブル鍵を送信する。したがって、携帯端末が、コンテンツ選択の入力に応じて、スクランブル鍵を送信することにより、再生するコンテンツの復号に必要なスクランブル鍵のみをコンテンツ受信装置に送信することができる。
【0015】
(4) 本発明によれば、(1)から(3)の限定受信システムについて、前記携帯端末は、前記マスター鍵を前記コンテンツ送信装置との通信により取得することを特徴とする限定受信システムを提案している。
【0016】
この発明によれば、携帯端末は、マスター鍵をコンテンツ送信装置との通信により取得する。したがって、より携帯端末はより安全な方法でマスター鍵を取得することができる。
【0017】
(5) 本発明によれば、コンテンツ送信装置と、1以上のコンテンツ受信装置と、前記1以上のコンテンツ受信装置を操作する携帯端末とを備える限定受信システムにおける限定受信方法であって、前記コンテンツ送信装置が、前記コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵を、コンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化し、暗号化したワーク鍵を前記携帯端末に送信する第1のステップ(例えば、図1のステップS1)と、前記コンテンツ送信装置が、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、前記ワーク鍵で暗号化した前記スクランブル鍵と、を多重化して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第2のステップ(例えば、図1のステップS2)と、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれが、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記携帯端末に送信する第3のステップ(例えば、図1のステップS3)と、前記携帯端末が、予め設定されている前記マスター鍵で、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたワーク鍵を復号し、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれから受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記ワーク鍵で復号し、前記スクランブル鍵を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第4のステップ(例えば、図1のステップS4)と、を含むことを特徴とする限定受信方法を提案している。
【0018】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、コンテンツ送信装置は、コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵を、コンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化し、暗号化したワーク鍵を、携帯端末に送信する。次に、第2のステップにおいて、コンテンツ送信装置は、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、ワーク鍵で暗号化したスクランブル鍵と、を多重化して、1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。次に、第3のステップにおいて、1以上のコンテンツ受信装置それぞれが、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を携帯端末に送信する。次に、第4のステップにおいて、携帯端末が、予め設定されているマスター鍵で、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたワーク鍵を復号し、1以上のコンテンツ受信装置それぞれから受信した暗号化されたスクランブル鍵をワーク鍵で復号し、スクランブル鍵を1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。したがって、携帯端末において、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を取得することにより、携帯端末にて操作できる1以上のコンテンツ受信装置それぞれで、同一若しくは異なるコンテンツを同時に、視聴や録画予約等をすることができる。
【0019】
(6) 本発明によれば、コンテンツ送信装置と、1以上のコンテンツ受信装置と、前記1以上のコンテンツ受信装置を操作する携帯端末とを備える限定受信システムにおける限定受信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンテンツ送信装置が、前記コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵を、コンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化し、暗号化したワーク鍵を前記携帯端末に送信する第1のステップ(例えば、図1のステップS1)と、前記コンテンツ送信装置が、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、前記ワーク鍵で暗号化した前記スクランブル鍵と、を多重化して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第2のステップ(例えば、図1のステップS2)と、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれが、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記携帯端末に送信する第3のステップ(例えば、図1のステップS3)と、前記携帯端末が、予め設定されている前記マスター鍵で、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたワーク鍵を復号し、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれから受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記ワーク鍵で復号し、前記スクランブル鍵を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第4のステップ(例えば、図1のステップS4)と、をコンピュータに実行させるプログラムを提案している。
【0020】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、コンテンツ送信装置は、コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵を、コンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化し、暗号化したワーク鍵を携帯端末に送信する。次に、第2のステップにおいて、コンテンツ送信装置は、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、ワーク鍵で暗号化したスクランブル鍵と、を多重化して、1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。次に、第3のステップにおいて、1以上のコンテンツ受信装置それぞれが、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を携帯端末に送信する。次に、第4のステップにおいて、携帯端末が、予め設定されているマスター鍵で、コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたワーク鍵を復号し、1以上のコンテンツ受信装置それぞれから受信した暗号化されたスクランブル鍵をワーク鍵で復号し、スクランブル鍵を1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する。したがって、携帯端末において、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を取得することにより、携帯端末にて操作できる1以上のコンテンツ受信装置それぞれで、同一若しくは異なるコンテンツを同時に、視聴や録画予約等をすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を取得する装置KDAの機能を携帯端末に備えることにより、限定受信方式において、携帯端末にて操作することができる全ての受信装置で同時にコンテンツの視聴が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る限定受信システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る限定受信システムの処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含むさまざまなバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0024】
<限定受信システムの構成>
図1は、本発明の実施形態に係る限定受信システム1の構成図である。限定受信システム1は、限定受信方式によりコンテンツの配信を行うシステムであって、図1に示すように、コンテンツ送信装置10、携帯端末20、およびコンテンツ受信装置30a、30bを備える。本実施形態において、コンテンツ受信装置は2台とするが、1台であってもよいし、2台以上であってもよい。なお、以下、コンテンツ受信装置30a、30bを区別しない場合には、単にコンテンツ受信装置30とする。
【0025】
コンテンツ送信装置10とコンテンツ受信装置30とは、衛星や地上波、IP網、またはCATV網により接続され、デジタル放送波でコンテンツ送信装置10からコンテンツ受信装置30にコンテンツが送信される。コンテンツ送信装置10と携帯端末20とは、通信ネットワークを介して接続され、情報の送受信が行われる。コンテンツ受信装置30と携帯端末20とは、赤外線や無線電波等の無線回線により接続され、情報の送受信が行われる。
【0026】
コンテンツ送信装置10は、コンテンツ提供者側にある装置であって、視聴者の端末(後述するコンテンツ受信装置30)にコンテンツを送信するための装置である。なお、本実施形態において、視聴者とは、コンテンツ提供者とコンテンツの視聴契約をした契約者であって、視聴契約したコンテンツを視聴する者である。コンテンツ送信装置10は、図1に示すように、スクランブル部11、ワーク鍵暗号化部12、マスター鍵暗号化部14、多重送信部13、鍵送信部15を備える。
【0027】
スクランブル部11は、コンテンツを暗号化するために利用するスクランブル鍵Ksを生成し、生成したスクランブル鍵Ksでコンテンツ受信装置30に送信するコンテンツを暗号化する。スクランブル鍵Ksは、数秒毎に、例えば、乱数を用いて生成される。
【0028】
ワーク鍵暗号化部12は、ワーク鍵Kwを生成し、生成したワーク鍵Kwでコンテンツの暗号化に用いたスクランブル鍵Ksを暗号化する。スクランブル鍵Ksが数秒毎に変更されるため、ワーク鍵暗号化部12は、そのたびにスクランブル鍵Ksをワーク鍵Kwで暗号化する。ワーク鍵Kwは、コンテンツ毎に、1カ月毎等のように定期的に生成される。また、ワーク鍵Kwもスクランブル鍵Ks同様に、例えば、乱数を用いて生成される。
【0029】
また、ワーク鍵暗号化部12は、スクランブル鍵Ksのみではなく、スクランブル鍵Ksと併せて、コンテンツに関する情報を少なくとも含む共通情報(ECM:Entitlement Control Message)をワーク鍵Kwで暗号化してもよい。ここで、コンテンツに関する情報には、コンテンツの視聴可否や録画可否に関する情報等が含まれる。
【0030】
マスター鍵暗号化部14は、ワーク鍵Kwをマスター鍵Kmで暗号化する。マスター鍵Kmは、契約者固有の鍵であって、契約者毎に用意されている。マスター鍵Kmは、契約者によりコンテンツの視聴の申請があったときに生成され、記憶部(図示せず)に格納されている。また、マスター鍵Kmは、スクランブル鍵Ksやワーク鍵Kw同様、例えば、乱数を用いて生成される。
【0031】
また、マスター鍵暗号化部14は、ワーク鍵Kwのみではなく、ワーク鍵Kwと併せて、契約者それぞれの契約情報を含む個別情報(EMM:Entitlement Management Message)をワーク鍵Kwで暗号化してもよい。ここで、契約情報とは、契約者が視聴権利有するコンテンツに関する情報である。契約情報は、コンテンツ提供者が、契約者によりコンテンツの視聴の申請があったときに、作成または更新され、マスター鍵Kmと併せて記憶部に格納されている。
【0032】
多重送信部13は、スクランブル部11で暗号化されたコンテンツと、ワーク鍵暗号化部12で暗号化されたスクランブル鍵Ksとを多重化し、デジタル放送波としてコンテンツ受信装置30に送信する。なお、ワーク鍵暗号化部12で、スクランブル鍵Ksを含むECMが暗号化された場合には、暗号化されたコンテンツとECMとが多重化されて、デジタル放送波として送信される。
【0033】
鍵送信部15は、マスター鍵暗号化部14で暗号化されたワーク鍵Kwを携帯端末20に送信する。また、マスター鍵暗号化部14でワーク鍵Kwを含むEMMが暗号化された場合には、鍵送信部15は、暗号化されたEMMを携帯端末20に送信する。
【0034】
携帯端末20は、視聴者側の端末であって、コンテンツ受信装置30のリモコンとして機能を有する端末である。携帯端末20は、通信機能およびリモコン機能を有していればよく、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、ゲーム機等である。携帯端末20は、図1に示すように、ワーク鍵復号化部21、スクランブル鍵復号化部22、マスター鍵記憶部24、および視聴判断部23を備える。
【0035】
マスター鍵記憶部24は、予めコンテンツ提供者から交付されたマスター鍵Kmを格納している。
【0036】
ワーク鍵復号化部21は、コンテンツ送信装置10から暗号化されたワーク鍵Kwを受信する。そして、ワーク鍵復号化部21は、受信した暗号化されたワーク鍵Kwをマスター鍵記憶部24に格納されているマスター鍵Kmで復号し、ワーク鍵Kwを取得する。なお、コンテンツ送信装置10から暗号化されたEMMを受信した場合には、EMMをマスター鍵Kmで復号し、ワーク鍵Kwとともに契約情報を取得する。
【0037】
スクランブル鍵復号化部22は、コンテンツ受信装置30から暗号化されたスクランブル鍵Ksを受信する。そして、スクランブル鍵復号化部22は、受信した暗号化されたスクランブル鍵Ksをワーク鍵復号化部21で取得されたワーク鍵Kwで復号し、スクランブル鍵Ksを取得する。なお、コンテンツ受信装置30から暗号化されたECMを受信した場合には、ECMをワーク鍵Kwで復号し、スクランブル鍵Ksとともにコンテンツに関する情報を取得する。
【0038】
また、スクランブル鍵復号化部22は、取得したスクランブル鍵Ksをコンテンツ受信装置30に送信する。なお、携帯端末20の入力部(図示せず)を介して、ユーザによるコンテンツ選択の入力を受け付けたことに応じて、スクランブル鍵復号化部22は、コンテンツ受信装置30にスクランブル鍵Ksを送信してもよい。その際、ユーザにより選択されたコンテンツの視聴や録画や予約を行うためのリモコン信号も、コンテンツ受信装置30に送信される。
【0039】
視聴判断部23は、コンテンツ送信装置10から暗号化されたEMMを、コンテンツ受信装置30から暗号化されたECMを受信した場合に、コンテンツの視聴可否の判断を行う。具体的には、視聴判断部23は、ワーク鍵復号化部21で取得された契約情報と、スクランブル鍵復号化部22で取得されたコンテンツに関する情報とを比較し、コンテンツの視聴可否を判断する。
【0040】
視聴判断部23は、コンテンツの視聴が可能であると判断した場合には、スクランブル鍵復号化部22で取得したスクランブル鍵Ksをコンテンツ受信装置30に送信する。一方、コンテンツの視聴が可能でないと判断した場合には、スクランブル鍵復号化部22で取得したスクランブル鍵Ksをコンテンツ受信装置30に送信しない。このようにして、従来、コンテンツ受信装置30で行っていたコンテンツ視聴可否の判断を、携帯端末20において行うことができる。
【0041】
コンテンツ受信装置30は、携帯端末20同様、視聴者側の装置であって、コンテンツ送信装置10から受信したコンテンツを再生する装置である。コンテンツ受信装置30は、デジタル放送波を受信する機能を有すればよく、例えば、テレビ受像機や表示装置を備えたSTB(Set Top Box)等である。コンテンツ受信装置30は、図1に示すように、コンテンツ受信装置は、多重分離部31、デスクランブル部32を備える。
【0042】
多重分離部31は、コンテンツ送信装置10から受信したデジタル放送波から、暗号化されたコンテンツおよび暗号化されたスクランブル鍵Ksを分離する。そして、多重分離部31は、分離したスクランブル鍵Ksを携帯端末20に送信する。また、多重分離部31は、分離した暗号化されたコンテンツをデスクランブル部32に送信する。
【0043】
デスクランブル部32は、携帯端末20からスクランブル鍵Ksを受信すると、受信したスクランブル鍵Ksで、多重分離部31から受信した暗号化されたコンテンツをデスクランブルし、ディスプレイ等の表示部(図示せず)へ渡してコンテンツとして再生する。
【0044】
<限定受信システムの処理>
本発明の実施形態に係る限定受信システム1の処理を図2に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0045】
コンテンツ送信装置10のマスター鍵暗号化部14は、コンテンツ送信装置10のワーク鍵暗号化部12で生成されたワーク鍵Kwを、予め記憶部に格納しているマスター鍵Kmで暗号化する。暗号化されたワーク鍵Kwは、コンテンツ送信装置10の鍵送信部15により携帯端末20に送信される。通常、ワーク鍵KwはEMMに含まれ、マスター鍵暗号化部14は、ワーク鍵Kwを含むEMMを暗号化し、コンテンツ送信装置10の鍵送信部15により携帯端末20に送信する(ステップS1)。例えば、ワーク鍵Kwはコンテンツの利用料金の請求支払い周期に合わせて更新され、更新されたことに応じてワーク鍵Kwは暗号化されて携帯端末20に送信される。
【0046】
コンテンツ送信装置10のスクランブル部11が、コンテンツを取得すると、スクランブル鍵Ksの生成を開始する。スクランブル鍵Ksが生成されるたびに、コンテンツ送信装置10のスクランブル部11は、生成されたスクランブル鍵Ksでコンテンツを暗号化する。また、コンテンツ送信装置10のワーク鍵暗号化部12は、コンテンツ送信装置10のスクランブル部11がスクランブル鍵Ksを生成すると、ワーク鍵Kwを生成する。そして、コンテンツ送信装置10のワーク鍵暗号化部12は、生成されたワーク鍵Kwでコンテンツ送信装置10のスクランブル部11で生成されたスクランブル鍵Ksを暗号化する。通常、スクランブル鍵KsはECMに含まれ、ワーク鍵暗号化部12は、スクランブル鍵Ksを含むECMを暗号化する。暗号化されたコンテンツと、暗号化されたECMとを、コンテンツ送信装置10の多重送信部13は多重化し、デジタル放送波としてコンテンツ受信装置30に送信する(ステップS2)。
【0047】
コンテンツ受信装置30の多重分離部31は、コンテンツ送信装置10から受信したデジタル放送波から暗号化されたスクランブル鍵Ksを分離し、分離したスクランブル鍵Ksを携帯端末20に送信する(ステップS3)。
【0048】
携帯端末20のワーク鍵復号化部21は、コンテンツ送信装置10から受信した暗号化されたワーク鍵Kwを記憶部に格納されているマスター鍵Kmで復号し、ワーク鍵Kwを取得する。携帯端末20のスクランブル鍵復号化部22は、取得したワーク鍵Kwで、コンテンツ受信装置30から受信した暗号化されたスクランブル鍵Ksを復号し、スクランブル鍵Ksをコンテンツ受信装置30に送信する(ステップS4)。
【0049】
コンテンツ受信装置30のデスクランブル部32は、多重分離部31がコンテンツ送信装置10から受信したデジタル放送波から分離した暗号化されたコンテンツを、携帯端末20から受信したスクランブル鍵Ksで復号し、ディスプレイ等の表示部へ渡してコンテンツとして再生する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯端末において、コンテンツが含まれるデジタル放送波からコンテンツを復号するスクランブル鍵を取得することにより、携帯端末にて操作できる1以上のコンテンツ受信装置で、同一若しくは異なるコンテンツを同時に、視聴や録画予約等を実現することができる。また、携帯端末において、コンテンツの視聴可否の判断を行うことができる。さらに、契約情報に視聴可能なコンテンツ受信装置の台数や、視聴可能な時間を含めることにより、1以上のコンテンツ受信装置それぞれでのコンテンツ視聴の制御を、携帯端末でまとめて行うことができる。
【0051】
なお、限定受信システムの処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを、限定受信システムを構成する各機器に読み込ませ、実行することによって本発明の限定受信システムを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0052】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0053】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0054】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 限定受信システム
10 コンテンツ送信装置
11 スクランブル部
12 ワーク鍵暗号化部
13 多重送信部
14 マスター鍵暗号化部
15 鍵送信部
20 携帯端末
21 ワーク鍵復号化部
22 スクランブル鍵復号化部
23 視聴判断部
24 マスター鍵記憶部
30 コンテンツ受信装置
31 多重分離部
32 デスクランブル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ送信装置と、1以上のコンテンツ受信装置と、前記1以上のコンテンツ受信装置を操作する携帯端末とを備える限定受信システムであって、
前記コンテンツ送信装置は、
コンテンツをスクランブル鍵で暗号化するスクランブル手段と、
前記コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵で前記スクランブル鍵を暗号化するワーク鍵暗号化手段と、
暗号化されたコンテンツと、暗号化されたスクランブル鍵とを多重化して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第1の送信手段と、
前記ワーク鍵をコンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化するマスター鍵暗号化手段と、
暗号化されたワーク鍵を前記携帯端末に送信する第2の送信手段と、
を備え、
前記携帯端末は、
予め設定されている前記マスター鍵で、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたワーク鍵を復号するワーク鍵復号化手段と、
前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれから暗号化されたスクランブル鍵を受信し、受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記ワーク鍵で復号するスクランブル鍵復号化手段と、
前記スクランブル鍵を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第3の送信手段と、
を備え、
前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれは、
前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記携帯端末に送信する第4の送信手段と、
前記携帯端末からスクランブル鍵を受信し、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたコンテンツを、受信したスクランブル鍵で復号するデスクランブル手段と、
を備えることを特徴とする限定受信システム。
【請求項2】
前記ワーク鍵暗号化手段は、前記スクランブル鍵とともに、少なくともコンテンツに関する情報を、前記ワーク鍵で暗号化した共通情報を作成し、
前記第1の送信手段は、前記共通情報を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信し、
前記マスター鍵暗号化手段は、前記ワーク鍵とともに、少なくともコンテンツを視聴判定するための契約情報を、前記マスター鍵で暗号した個別情報を作成し、
前記第2の送信手段は、前記個別情報を前記携帯端末に送信し、
前記第4の送信手段は、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化された前記共通情報を前記携帯端末に送信し、
前記ワーク鍵復号化手段は、前記予め設定されているマスター鍵で前記個別情報を復号化し、前記ワーク鍵と前記契約情報とを取得し、
前記スクランブル鍵復号化手段は、前記ワーク鍵で前記共通情報を復号化し、前記スクランブル鍵と前記コンテンツに関する情報を取得し、
前記携帯端末は、
前記ワーク鍵復号化手段で取得された前記コンテンツに関する情報に含まれるコンテンツの視聴可否に関する情報と、前記スクランブル鍵復号化手段で取得された前記契約情報に基づいて、前記コンテンツの視聴可否を判断する視聴判断手段を備え、
前記第3の送信手段は、前記視聴判断手段により前記コンテンツを視聴可と判断された場合に、前記スクランブル鍵を前記コンテンツ受信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の限定受信システム。
【請求項3】
前記携帯端末は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力手段を備え、
前記スクランブル鍵復号化手段は、前記入力手段を介して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに対する、ユーザによるコンテンツ選択の入力を受け付けたことに応じて、コンテンツ選択が行われたコンテンツ受信装置にスクランブル鍵を送信することを特徴とする請求項2に記載の限定受信システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、前記マスター鍵を前記コンテンツ送信装置との通信により取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の限定受信システム。
【請求項5】
コンテンツ送信装置と、1以上のコンテンツ受信装置と、前記1以上のコンテンツ受信装置を操作する携帯端末とを備える限定受信システムにおける限定受信方法であって、
前記コンテンツ送信装置が、前記コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵を、コンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化し、暗号化したワーク鍵を前記携帯端末に送信する第1のステップと、
前記コンテンツ送信装置が、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、前記ワーク鍵で暗号化した前記スクランブル鍵とを、多重化して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第2のステップと、
前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれが、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記携帯端末に送信する第3のステップと、
前記携帯端末が、予め設定されている前記マスター鍵で、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたワーク鍵を復号し、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれから受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記ワーク鍵で復号し、前記スクランブル鍵を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第4のステップと、
を含むことを特徴とする限定受信方法。
【請求項6】
コンテンツ送信装置と、1以上のコンテンツ受信装置と、前記1以上のコンテンツ受信装置を操作する携帯端末とを備える限定受信システムにおける限定受信方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンテンツ送信装置が、前記コンテンツ送信装置に固有の鍵であるワーク鍵を、コンテンツ受信者に固有の鍵であるマスター鍵で暗号化し、暗号化したワーク鍵を前記携帯端末に送信する第1のステップと、
前記コンテンツ送信装置が、スクランブル鍵で暗号化したコンテンツと、前記ワーク鍵で暗号化した前記スクランブル鍵とを、多重化して、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第2のステップと、
前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれが、前記コンテンツ送信装置から受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記携帯端末に送信する第3のステップと、
前記携帯端末が、予め設定されている前記マスター鍵で、前記コンテンツ送信装置から受信した前記暗号化されたワーク鍵を復号し、前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれから受信した暗号化されたスクランブル鍵を前記ワーク鍵で復号し、前記スクランブル鍵を前記1以上のコンテンツ受信装置それぞれに送信する第4のステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−151747(P2012−151747A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9942(P2011−9942)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】