説明

障害物検出方法及び障害物検出装置

【課題】レーザ光の照射効率を向上させるとともに、垂直方向の分解能を向上させることができる障害物検出方法及び障害物検出装置を提供する。
【解決手段】レーザ光を投受光するレーザレーダ1を設置する設置工程(SP101)と、監視範囲Aに向かってレーザ光を照射して監視範囲Aの位置を特定する監視範囲位置特定工程(SP102)と、レーザレーダ1の俯角φ0を調整する俯角調整工程(SP103)と、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最小値φminを算出する最小値算出工程(SP104)と、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最大値φmaxを算出する最大値算出工程(SP105)と、垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxに基づいてレーザレーダ1の垂直画角Δφを設定する垂直画角設定工程(SP106)と、を有し、垂直画角Δφの範囲内でレーザ光を垂直方向に走査させて障害物Tを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害物検出方法及び障害物検出装置に関し、特に、レーザレーダの計測可能範囲内に踏切等の特定の監視範囲を有し、該監視範囲内の障害物の検出に適した障害物検出方法及び障害物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザレーダを使用した障害物検出装置は、監視範囲に照射されたレーザ光の反射光を受光することによって物体を検知し、監視範囲内で一定時間滞留した物体を障害物として検出している。かかるレーザレーダは、一般に、監視範囲を俯瞰できる高さに配置され、レーザレーダの計測可能範囲内に監視範囲が含まれるように設置され、極座標系の三次元データを取得している。したがって、検出した障害物の位置を特定するためには、レーザレーダの極座標系の三次元データを監視範囲の地上座標系に変換する必要がある。かかる座標変換処理に要するレーザレーダの設定作業等を容易に行う手法として、例えば、特許文献1に記載されたものが既に提案されている。
【0003】
特許文献1に記載された発明は、監視範囲の頂点に反射体を設定した後、レーザレーダからレーザ光を投光させつつ走査させて、前記反射体で反射したレーザ光に基づいて、レーザレーダの極座標系により反射体の各位置を測定し、続いて、反射体の各極座標系位置データをレーザレーダの直交座標系に座標変換するとともに、反射体の各直交座標系位置データに基づいて、最小二乗法により反射体を含む平面の平面データを算出し、次いで、この平面データから原点位置を地上座標系により定義して、この原点位置に対するレーザレーダの距離測定原点位置を求めるとともに、互いに直交する三軸に対する回転角を設置姿勢として求めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−44050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された発明では、レーザレーダの計測可能範囲内において監視範囲を自動で設定することができ、施工時間の大幅な短縮を実現できるとともに、施工作業員の熟練度の多寡にかかわらず高い精度で監視範囲を設定することができる。しかしながら、レーザレーダの姿勢が多少ずれていたとしても監視範囲を自動で設定することができるように、レーザレーダの計測可能範囲内に監視範囲が含まれるようにする必要があり、かつ、レーザレーダの計測可能範囲内の全領域においてレーザ光を照射する必要があった。
【0006】
例えば、レーザレーダの計測可能範囲が、水平画角約60度、垂直画角約30度に設定されており、監視範囲の計測に必要な水平画角は約20度、垂直画角は約10度である場合には、レーザ光を照射している範囲に対して計測に必要な範囲は約1/9の面積しかなく、残りの部分のレーザ光の照射は無駄になっていた。
【0007】
また、垂直画角は、障害物の垂直方向の分解能にも影響するものであり、レーザレーダの計測可能範囲を基準にレーザ光を走査している場合には、垂直方向の分解能の性能向上に限界があった。
【0008】
本発明は上述した問題点に鑑み創案されたものであり、レーザ光の照射効率を向上させるとともに、垂直方向の分解能を向上させることができる障害物検出方法及び障害物検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、監視範囲の水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査しながら照射し、前記レーザ光の反射光を受光して前記監視範囲内の障害物を検出する障害物検出方法であって、前記レーザ光を投受光するレーザレーダを設置する設置工程と、前記監視範囲に向かって前記レーザ光を照射して前記監視範囲の位置を特定する監視範囲位置特定工程と、前記レーザレーダの俯角を調整する俯角調整工程と、前記監視範囲における垂直走査角度の最小値を算出する最小値算出工程と、前記監視範囲における垂直走査角度の最大値を算出する最大値算出工程と、前記垂直走査角度の最小値及び最大値に基づいて前記レーザレーダの垂直画角を設定する垂直画角設定工程と、を有し、前記垂直画角の範囲内で前記レーザ光を前記垂直方向に走査させて前記障害物を検出するようにした、ことを特徴とする障害物検出方法が提供される。
【0010】
前記最大値算出工程は、監視対象物の高さを考慮して前記垂直走査角度の最大値を算出するようにしてもよい。
【0011】
前記レーザレーダの水平走査角度を監視し、該水平走査角度から算出される水平走査位置が前記監視範囲内である場合に前記レーザ光を投光し、前記水平走査位置が前記監視範囲外である場合に前記レーザ光を投光しないようにしてもよい。
【0012】
前記監視範囲を含む前記水平走査角度の最小値及び最大値によって設定される照射範囲を設定し、前記水平走査位置が前記照射範囲内である場合に前記レーザ光を投光するようにしてもよい。また、前記監視範囲の前記水平方向の上流側に判定領域を設定し、前記水平走査位置が前記判定領域内である場合に前記レーザ光を投光するようにしてもよい。
【0013】
前記監視範囲は、例えば、踏切を含む範囲、遮断桿を含む範囲又は踏切及び遮断桿を含む範囲のいずれかに設定される。
【0014】
また、本発明によれば、監視範囲の水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査しながら照射し、前記レーザ光の反射光を受光して前記監視範囲内の障害物を検出する障害物検出装置であって、前記レーザ光を投光する投光部と、前記レーザ光を前記水平方向に走査させる水平走査手段と、前記レーザ光を前記垂直方向に走査させる垂直走査手段と、前記レーザ光の反射光を受光して受光情報を発信する受光部と、前記受光情報から前記障害物の距離を算出する距離演算部と、前記投光部、前記水平走査手段及び前記垂直走査手段の制御を行う制御部と、を有するレーザレーダを備え、前記制御部は、前記監視範囲における垂直走査角度の最小値及び最大値の範囲内で前記レーザ光を前記垂直方向に走査させるように前記垂直走査手段を制御する、ことを特徴とする障害物検出装置が提供される。
【0015】
前記制御部は、監視対象物の高さを考慮して前記垂直走査角度の最大値を算出するようにしてもよい。
【0016】
前記制御部は、前記水平走査手段の水平走査角度を監視し、該水平走査角度から算出される水平走査位置が前記監視範囲内である場合に前記レーザ光を投光し、前記水平走査位置が前記監視範囲外である場合に前記レーザ光を投光しないように前記投光部を制御するようにしてもよい。
【0017】
前記制御部は、前記監視範囲を含む前記水平走査角度の最小値及び最大値によって設定される照射範囲を設定し、前記水平走査位置が前記照射範囲内である場合に前記レーザ光を投光するように前記投光部を制御するようにしてもよい。また、前記制御部は、前記監視範囲の前記水平方向の上流側に判定領域を設定し、前記水平走査位置が前記判定領域内である場合に前記レーザ光を投光するように前記投光部を制御するようにしてもよい。
【0018】
前記制御部は、前記監視範囲を、踏切を含む範囲、遮断桿を含む範囲又は踏切及び遮断桿を含む範囲のいずれかに設定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
上述した本発明の障害物検出方法及び障害物検出装置によれば、監視範囲における垂直走査角度の最小値及び最大値を算出して垂直画角を設定し、かかる垂直画角の範囲でレーザ光を照射して走査させるようにしたことから、レーザレーダの計測可能範囲における監視範囲以外の垂直方向の部分にレーザ光を走査させる必要がなく、レーザ光の照射効率を向上させることができる。また、垂直方向走査範囲を監視範囲の領域に限定したことにより、垂直方向の走査密度を密にすることができ、垂直方向の分解能を向上させることができる。
【0020】
また、レーザレーダの水平走査角度を監視して、監視範囲内にのみレーザ光を投光させるようにしたことにより、レーザレーダの計測可能範囲における監視範囲以外の水平方向の部分にレーザ光を照射させる必要がなく、レーザ光の照射効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態に係る障害物検出方法を示すフロー図である。
【図2】図1に示した障害物検出方法を実行するレーザレーダの構成図であり、(a)は第一実施形態、(b)は変形例、を示している。
【図3】図1に示した障害物検出方法の説明図であり、(a)は俯角調整工程、(b)は垂直分解能の算出方法、を示している。
【図4】図1に示した障害物検出方法の説明図であり、(a)は本実施形態における垂直画角設定方法、(b)は従来技術における垂直画角設定方法、を示している。
【図5】垂直分解能を示す図であり、(a)は本実施形態の場合、(b)は従来技術の場合、を示している。
【図6】本発明の他の実施形態に係る障害物検出方法を示すフロー図であり、(a)は第二実施形態、(b)は第三実施形態、を示している。
【図7】図6に示した障害物検出方法の説明図であり、(a)は第二実施形態、(b)第二実施形態の変形例、(c)は第三実施形態、を示している。
【図8】監視範囲に遮断桿を含む場合における障害物検出方法の説明図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、(c)は第三変形例、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図1〜図8を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る障害物検出方法を示すフロー図である。図2は、図1に示した障害物検出方法を実行するレーザレーダの構成図であり、(a)は第一実施形態、(b)は変形例、を示している。図3は、図1に示した障害物検出方法の説明図であり、(a)は俯角調整工程、(b)は垂直分解能の算出方法、を示している。図4は、図1に示した障害物検出方法の説明図であり、(a)は本実施形態における垂直画角設定方法、(b)は従来技術における垂直画角設定方法、を示している。
【0023】
本発明の第一実施形態に係る障害物検出方法は、図1に示したように、監視範囲Aの水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査しながら照射し、レーザ光の反射光を受光して監視範囲A内の障害物Tを検出する障害物検出方法であって、レーザ光を投受光するレーザレーダ1を設置する設置工程(SP101)と、監視範囲Aに向かってレーザ光を照射して監視範囲Aの位置を特定する監視範囲位置特定工程(SP102)と、レーザレーダ1の俯角φ0を調整する俯角調整工程(SP103)と、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最小値φminを算出する最小値算出工程(SP104)と、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最大値φmaxを算出する最大値算出工程(SP105)と、垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxに基づいてレーザレーダ1の垂直画角Δφを設定する垂直画角設定工程(SP106)と、を有し、垂直画角設定工程(SP106)により求められた垂直画角Δφの範囲内でレーザ光を垂直方向に走査させて障害物Tを検出するようにしている。
【0024】
前記レーザレーダ1は、監視範囲Aの水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査しながら照射し、レーザ光の反射光を受光して監視範囲A内の障害物Tを検出する障害物検出装置の主要構成部品である。具体的には、図2(a)及び(b)に示したように、本実施形態における障害物検出装置は、レーザ光を投光する投光部11と、レーザ光を水平方向に走査させる水平走査手段12と、レーザ光を垂直方向に走査させる垂直走査手段13と、レーザ光の反射光を受光して受光情報d4を発信する受光部14と、受光情報d4から障害物Tの距離を算出する距離演算部15と、投光部11、水平走査手段12及び垂直走査手段13の制御を行う制御部16と、を有するレーザレーダ1を備え、制御部16は、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxの範囲内(すなわち、垂直画角Δφの範囲内)でレーザ光を垂直方向に走査させるように垂直走査手段13を制御している。
【0025】
前記投光部11は、レーザ光を発光して照射する部品である。かかる投光部11は、例えば、光源となるレーザダイオードと、レーザ光をコリメートする投光レンズと、レーザダイオードを操作するLDドライバと、から構成される。LDドライバは、制御部16からの投光指令s1に基づいてレーザ光を発光するようにレーザダイオードを操作する。なお、LDドライバは、レーザ光の発光と同時にパルス状の発光同期信号を距離演算部15に発信するようにしてもよい。
【0026】
前記水平走査手段12は、例えば、ポリゴンスキャナであり、六面体の四側面が鏡面化されたポリゴンミラー12aと、鏡面化された四側面を所定の方向に回転させる駆動モータ12bと、ポリゴンミラー12a及び駆動モータ12bを支持する筐体12cと、を有する。鏡面化された四側面を回転させることにより、投光部11からパルス状に投光されたレーザ光は、水平方向の角度が変更され、監視範囲Aの水平方向に高速に走査される。
【0027】
ポリゴンミラー12aは、鏡面化されていない一対の二面の中心を回転軸として駆動モータ12bにより高速回転される。駆動モータ12bは、モータドライバ(図示せず)により操作される。モータドライバは、制御部16から送信される速度指令s2に基づいて、駆動モータ12bの回転速度を制御する。また、モータドライバは、ポリゴンミラー12aの角度情報d2を制御部16に発信する。なお、かかる水平走査手段12の構成は単なる一例であり、図示した構成に限定されるものではない。
【0028】
垂直走査手段13は、図2(a)に示したように、例えば、平面鏡を構成するミラー13aと、ミラー13aの鏡面を揺動させる駆動モータ13bと、を有する。駆動モータ13bにより、ミラー13aを揺動させることにより、ポリゴンミラー12aを反射したレーザ光の水平方向の角度が変更され、監視範囲Aの垂直方向に走査される。このとき、レーザ光は正弦波動作をするように垂直方向に走査される。駆動モータ13bは、モータドライバ(図示せず)により操作される。モータドライバは、制御部16から送信される速度指令s3に基づいて、駆動モータ13bの揺動方向及び揺動速度を制御する。また、モータドライバは、ミラー13aの角度情報d3を制御部16に発信する。なお、かかる垂直走査手段13の構成は単なる一例であり、図示した構成に限定されるものではなく、例えば、ガルバノミラーを有するガルバノスキャナにより構成するようにしてもよい。
【0029】
垂直走査手段13は、図2(b)に示した変形例のように、水平走査手段12を上下に揺動させる駆動モータにより構成してもよい。具体的には、垂直走査手段13を構成する駆動モータは、水平走査手段12を構成するポリゴンスキャナの筐体12cに接続される。かかる駆動モータの回転方向を正転及び反転させることにより、ポリゴンミラー12aを反射したレーザ光の垂直方向の角度が変更され、監視範囲Aの垂直方向に走査される。駆動モータは、モータドライバ(図示せず)により操作される。モータドライバは、制御部16から送信される速度指令s3に基づいて、駆動モータの揺動方向及び揺動速度を制御する。また、モータドライバは、ポリゴンミラー12aの角度情報d3を制御部16に発信する。なお、垂直走査手段13を構成する駆動モータは、ポリゴンスキャナではなく、レーザレーダ1の全体を揺動させるようにしてもよい。
【0030】
前記受光部14は、監視範囲Aに照射されたレーザ光の反射光を受光する部品である。ここでは、投光部11と受光部14とを個別に設けて投光軸と受光軸とがずれるように構成しているが、投光軸と受光軸とが一致するように投光部11と受光部14が一体に形成されていてもよい。かかる受光部14は、例えば、反射光を集光する受光レンズと、集光された反射光を受光して電圧に変換する光電変換素子や増幅・圧縮・デコード等の処理を施す機器等を有する受光部本体と、から構成される。
【0031】
照射窓17を透過した反射光は、投光されるレーザ光と同様に、ポリゴンミラー12aを介して受光レンズに導かれる。そして、反射光を受光した受光部本体は、電圧値に変換された受光情報d4を距離演算部15に発信する。受光情報d4には、受光強度や受光時間が含まれている。なお、光電変換素子は、受光素子とも呼ばれる部品であり、例えば、フォトダイオードが使用される。
【0032】
前記距離演算部15は、計測点の距離情報d5を算出する部品である。距離演算部15は、制御部16から発信された投光指令s1と受光部14から発信された受光情報d4とを受信し、レーザ光が監視範囲A内の物体(障害物T)に照射されて反射した計測点の距離を算出し、距離情報d5を制御部16に発信する。また、距離情報d5とともに、受光情報d4に含まれる受光強度を距離情報d5と関連付けて制御部16に発信するようにしてもよい。
【0033】
距離演算部15は、投光指令s1が発信された時間と反射光を受光した時間とからレーザ光の飛行した時間を算出し、レーザ光の速度からレーザ光の飛行距離を算出する。この飛行距離はレーザ光の往復距離であるため、具体的には飛行距離の半分の値が、障害物Tの距離情報d5として算出される。このとき、レーザレーダ1内の飛行距離(投光部11から照射窓17までのレーザ光の飛行距離)を幾何学的に算出し、その分を差し引くことにより、距離情報d5の精度を向上させるようにしてもよい。
【0034】
また、距離演算部15は、受光時間が著しく短い受光情報d4については距離情報d5を算出しないようにするゲート機能を有していてもよい。かかるゲート機能により、レーザレーダ1の内部等に反射した散乱光を除外することができる。
【0035】
前記制御部16は、投光部11に投光指令s1を発信し、水平走査手段12,垂直走査手段13に各速度指令s2,s3を発信することにより、投光部11、水平走査手段12及び垂直走査手段13の制御を行う。また、制御部16は、水平走査手段12及び垂直走査手段13の各角度情報d2,d3を受信し、距離演算部15の距離情報d5を受信し、レーザ光を反射した障害物Tの位置情報d6を出力する。かかる位置情報d6の出力は、離れた建物内に配置されたモニタ等に表示される。
【0036】
ここで、距離演算部15は、受光距離が著しく短い距離情報d5については位置情報d6を算出しないようにするゲート機能を有していてもよい。かかるゲート機能により、レーザレーダ1の内部等に反射した散乱光を除外することができる。
【0037】
また、制御部16は、位置情報d6に基づいてモニタ等の出力機器に表示する画像を生成する画像処理機能を有していてもよい。かかる画像処理機能は、モニタ等に接続されたコンピュータに配置されていてもよい。モニタは、出力機器の一例であり、プリンタや警報機等の出力機器であってもよい。さらに、位置情報d6や位置情報d6に基づいて生成された画像等の出力データは、記憶装置に保存するようにしてもよい。かかる出力データを保存することにより、過去の監視データを事後的にチェックしたり、分析したりすることができる。
【0038】
かかるレーザレーダ1を備えた障害物検出装置を用いて、上述した第一実施形態に係る障害物検出方法を実施する場合について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
【0039】
前記設置工程(SP101)は、図3(a)に示したように、レーザレーダ1を所定の据付高さHsの位置に設置する工程である。レーザレーダ1の据付高さHsは、障害物検出装置を配置する場所の環境によって変化するものである。かかる据付高さHsは、踏切等の監視範囲Aを俯瞰できる高さ、例えば、3〜10m程度、好ましくは5m前後に設定される。このとき、レーザレーダ1の俯角φ0は、監視範囲Aを含み得る仮の俯角に設定される。この仮の俯角は、レーザレーダ1の設計条件、監視範囲Aの広さ、レーザレーダ1の据付位置及び据付高さ等の条件から算出される。
【0040】
前記監視範囲位置特定工程(SP102)は、レーザレーダ1の照射可能範囲から監視範囲Aを特定する工程である。具体的には、監視範囲Aの頂点(角部)に反射体を配置し、レーザレーダ1によりレーザ光を、例えば、水平走査角度60度、垂直走査角度30度の範囲で走査し、反射体の位置を特定することによって、監視範囲Aの位置を特定する。
【0041】
前記俯角調整工程(SP103)は、レーザレーダ1の俯角φ0を本決めする工程である。具体的には、図3(a)に示したように、監視範囲Aの近端P1及び遠端P2を算出し、近端P1及び遠端P2の垂直走査角度から垂直画角Δφpを求め、垂直画角Δφpの中心線を構成する垂直走査角度を俯角φ0として設定する。ここで、近端P1の水平距離をL1、遠端P2の水平距離をL2とすれば、俯角φ0は、幾何学的な計算により、φ0={arctan(L1/Hs)+arctan(L2/Hs)}/2と求めることができる。
【0042】
前記最小値算出工程(SP104)は、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最小値φminを算出する工程である。具体的には、図4(a)に示したように、監視範囲Aの近端P1の垂直走査角度を最小値φminとして設定する。この垂直走査角度の最小値φminは、俯角調整工程(SP103)で既に算出されている場合には、その数値をそのまま流用することができる。近端P1に障害物Tが存在している場合であっても、近端P1においては、遠端P2までの走査により必ず障害物Tを検出することができるため、障害物Tの高さを考慮する必要はない。
【0043】
前記最大値算出工程(SP105)は、監視範囲Aにおける垂直走査角度の最大値φmaxを算出する工程である。具体的には、図4(a)に示したように、監視範囲Aの遠端P2における障害物Tを検出できる垂直走査角度が最大値φmaxとして設定される。すなわち、最大値算出工程(SP105)は、監視対象物(障害物T)の高さHtを考慮して垂直走査角度の最大値φmaxを算出するように構成されている。障害物Tの高さHtは、監視場所や監視目的等の条件によって任意に変更されるものである。
【0044】
前記垂直画角設定工程(SP106)は、垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxに基づいてレーザレーダ1の垂直画角Δφを設定する工程である。具体的には、図4(a)に示したように、垂直画角Δφは、垂直走査角度の最大値φmaxと最小値φminの差分をとることによって設定される。例えば、レーザレーダ1の据付高さHsを5m、監視範囲Aの近端P1の水平距離L1を10m、監視範囲Aの遠端P2の水平距離L2を20m、障害物Tの高さHtを2m、と設定すれば、幾何学的な計算により、Δφ=arctan(L2/(Hs-Ht)-arctan(L1/Hs)と求めることができ、垂直画角Δφは約18度に設定される。
【0045】
ここで、図4(b)は、従来技術における垂直画角の設定方法を示している。図4(b)に示した従来技術では、俯角φ0が算出された後、レーザレーダ1の垂直画角は、レーザレーダ1の照射可能範囲である垂直画角(30度)と同じ数値に設定されていた。したがって、図の斜線を引いた部分のレーザ光は無駄な照射となっていた。一方、図4(a)に示した本実施形態では、新たに設定された垂直画角Δφの範囲内でレーザ光を垂直方向に走査させて障害物Tを検出するようにしたことから、無駄なレーザ光の照射を低減することができ、レーザ光の照射効率を向上させることができる。
【0046】
ところで、垂直方向の分解能Hnは、図3(b)に示した計算式により算出することができる。いま、監視範囲A内の計測点Pnについて考える。計測点Pnにおける水平距離をLn、垂直走査角度をφnとする。また、水平距離Lnにおける垂直分解能は、次の走査線のレーザ光(垂直走査角度φn+1)が水平距離Lnで通過する高さHnにより定義されるものとする。とすれば、Ln=Hs・tan(φn)、Hn=Hs−Ln/tan(φn+1)、と求めることができる。
【0047】
ここで、図5は、垂直分解能を示す図であり、(a)は本実施形態の場合、(b)は従来技術の場合、を示している。各図において、横軸は水平距離Ln(m)、縦軸は垂直分解能Hn(m)を表示している。いま、監視範囲Aは水平距離Lnが10〜20mの範囲であるとする。図5(a)に示したように、監視範囲A内における垂直分解能Hnの最大値は0.19mである。すなわち、本実施形態に係る障害物検出装置及び方法によれば、19cmまでの高さHtを有する障害物Tであれば検出することができる。
【0048】
一方、図5(b)に示したように、従来技術における垂直分解能Hnの最大値は0.31mである。すなわち、従来技術における障害物検出装置及び方法によれば、31cmまでの高さHtを有する障害物Tであれば検出することができる。このように、本実施形態によれば、障害物Tとして認識し得る垂直分解能Hnを0.31mから0.19mまで小さくすることができ、垂直方向走査範囲を監視範囲Aの領域に限定したことにより、垂直方向の走査密度を密にすることができ、垂直分解能Hnを向上させることができる。
【0049】
なお、図2に示したレーザレーダ1において、上述した工程のうち、監視範囲位置特定工程(SP102)〜垂直画角設定工程(SP106)の工程は、レーザレーダ1の制御部16が処理を行う。また、制御部16にコンピュータを接続して、遠隔操作により制御部16を操作して監視範囲位置特定工程(SP102)〜垂直画角設定工程(SP106)の工程を処理するようにしてもよい。
【0050】
次に、本発明の他の実施形態に係る障害物検出方法について説明する。ここで、図6は、本発明の他の実施形態に係る障害物検出方法を示すフロー図であり、(a)は第二実施形態、(b)は第三実施形態、を示している。図7は、図6に示した障害物検出方法の説明図であり、(a)は第二実施形態、(b)第二実施形態の変形例、(c)は第三実施形態、を示している。図8は、監視範囲に遮断桿を含む場合における障害物検出方法の説明図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、(c)は第三変形例、を示している。なお、上述した第一実施形態と同じ構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0051】
図6(a)に示した第二実施形態に係る障害物検出方法は、レーザレーダ1の水平走査角度θを監視し、水平走査角度θから算出される水平走査位置が監視範囲A内である場合にレーザ光を投光し、水平走査位置が監視範囲A外である場合にレーザ光を投光しないようにしたものである。
【0052】
具体的には、ポリゴンミラー12aの角度情報d2に基づいて水平走査角度θを監視する監視工程(SP201)と、水平走査角度θから算出される水平走査位置が監視範囲A内であるか否かを判断する投光開始判断工程(SP202)と、水平走査位置が監視範囲A内である場合(Yes)にレーザ光の投光を開始する投光開始工程(SP203)と、水平走査角度θから算出される水平走査位置が監視範囲A内であるか否かを判断する投光終了判断工程(SP204)と、水平走査位置が監視範囲A外である場合(No)にレーザ光の投光を終了する投光終了工程(SP205)と、を有する。かかる処理は、レーザレーダ1の制御部16が行う。
【0053】
なお、投光開始判断工程(SP202)において、水平走査位置が監視範囲A外である場合(No)にはレーザ光の投光を開始しないようにし、投光終了判断工程(SP204)において、水平走査位置が監視範囲A内である場合(Yes)にレーザ光の投光を終了しないようにする。
【0054】
例えば、図7(a)に示した模式図は、レーザレーダ1の照射可能範囲(垂直画角30度、水平画角60度の範囲)において、道路71と線路72との交差点である踏切73を監視範囲Aとするものである。監視範囲Aの頂点に配置された菱形は監視範囲位置特定工程(SP102)等で使用する反射体74を示している。反射体74は、初期設定時にのみ使用し、実際に障害物検出を実施する場合には除去するようにしてもよい。
【0055】
図7(a)において、白丸(○)はレーザ光を投光していない箇所(レーザ光を投光したとすれば照射されるであろう仮想的な計測点)、黒丸(●)はレーザ光を投光した箇所(レーザ光が照射された計測点)を意味している。また、走査線については、監視範囲Aの近端、遠端、中央部の三本のみを代表線として図示しているが、実際には、監視範囲Aには数十本の走査線が存在し得る。なお、走査線の本数は、障害物Tの大きさ、監視時間、監視間隔等の条件によって適宜変更されるものである。
【0056】
図7(a)に示したように、ポリゴンミラー12aの水平走査角度θを監視することによって、監視範囲Aに照射されないレーザ光の投光を抑制することができ、レーザ光の照射効率をさらに向上させることができ、投光部11の部品の寿命を延ばすこともできる。また、無駄な処理をする必要がなく、電力消費量の削減や処理の高速化を図ることも可能である。
【0057】
図7(b)に示した第二実施形態の変形例は、監視範囲Aを含む水平走査角度の最小値θmin及び最大値θmaxによって設定される照射範囲Sを設定し、水平走査位置が照射範囲S内である場合にレーザ光を投光するようにしたものである。換言すれば、監視範囲Aを照射範囲Sの拡張したものである。また、本実施形態では、垂直走査角度は最小値φmin及び最大値φmaxにより規制されていることから、照射範囲Sは、水平走査角度の最小値θmin及び最大値θmaxと垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxにより囲まれる領域に設定される。このように照射範囲Sを設定した場合であっても、従来の照射可能範囲に比較すれば格段にレーザ光の照射範囲を縮小することができ、実質的に第二実施形態と同様の効果を奏する。
【0058】
図6(b)に示した第三実施形態に係る障害物検出方法は、監視範囲Aの水平方向の上流側に判定領域Jを設定し、水平走査位置が判定領域J内である場合にレーザ光を投光するようにしたものである。
【0059】
具体的には、ポリゴンミラー12aの角度情報d2に基づいて水平走査角度θを監視する監視工程(SP301)と、水平走査角度θから算出される水平走査位置が判定領域J内であるか否かを判断する投光開始判断工程(SP302)と、水平走査位置が判定領域J内である場合にレーザ光の投光を開始する投光開始工程(SP303)と、水平走査角度θから算出される水平走査位置が監視範囲A内であるか否かを判断する投光終了判断工程(SP304)と、水平走査位置が監視範囲A外である場合にレーザ光の投光を終了する投光終了工程(SP305)と、を有する。かかる処理は、レーザレーダ1の制御部16が行う。
【0060】
なお、投光開始判断工程(SP302)において、水平走査位置が判定領域J外である場合(No)にはレーザ光の投光を開始しないようにし、投光終了判断工程(SP304)において、水平走査位置が監視範囲A内である場合(Yes)にレーザ光の投光を終了しないようにする。
【0061】
図7(c)に示したように、第三実施形態では、監視範囲Aの水平方向の上流側(ここでは、図の左側)に判定領域Jが隣接するように設定される。判定領域Jの幅は、少なくとも一つの仮想的な計測点を含むように設定される。例えば、判定領域Jの幅は、水平方向の走査速度(deg/s)×レーザ光の投光間隔(s)によって設定することができる。このように判定領域Jを設定することにより、判定領域Jに含まれる仮想的な計測点の次の計測点からレーザ光が投光されるため、監視範囲Aにおけるレーザ光の照射漏れを効果的に抑制することができる。この判定領域Jは、図7(b)に示した第二実施形態の変形例のように、監視範囲Aを照射範囲Sに拡張した場合であっても、同様に設定することができる。
【0062】
ところで、監視範囲Aが踏切73の場合には、監視範囲Aの近傍に遮断桿75が存在している。この遮断桿75が所定の位置にあるか否かを検出することによって、障害物検出装置を作動させる、計測データを取得する又は障害物検知を行うタイミングを把握することができる。なお、レーザレーダ1は、遮断桿75を下ろす信号を受信して同様のタイミングを把握するようにしてもよい。
【0063】
そこで、図8(a)に示した第一実施形態における第一変形例では、監視範囲Aの他に、遮断桿75用の監視範囲G,Gを設定している。このように、レーザレーダ1の照射可能範囲(垂直画角30度、水平画角60度の範囲)内に複数の監視範囲A,G,Gが設定された場合であっても、第一実施形態の場合と同様にして、垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxを算出して、最適な垂直画角Δφを設定することができる。また、かかる第一変形例には、図6及び図7に示した第二実施形態及び第三実施形態を適用することもできる。
【0064】
また、遮断桿75は、車両との衝突によって破損することも少なくない。図8(a)に示したように、遮断桿75の全長を監視する監視範囲Gを設定した場合には、遮断桿75の長さが足りない場合に誤検出又は誤信号を発信してしまうおそれがある。そこで、図8(b)に示した第一実施形態における第二変形例では、遮断桿75の一部(例えば、全長の1/2〜1/3の長さの根元部分)を監視する監視範囲G,Gを設定することにより、誤検出や誤信号の発生を抑制し、監視結果の信頼性を向上させることができる。この第二変形例においても、第一実施形態の場合と同様にして、垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxを算出して、最適な垂直画角Δφを設定することができる。また、かかる第二変形例には、図6及び図7に示した第二実施形態及び第三実施形態を適用することもできる。
【0065】
第一変形例及び第二変形例では、監視範囲Aの近傍に遮断桿75が存在する場合に、個別に監視範囲Gを設定していたが、図8(c)に示したように、踏切73及び遮断桿75の全体を含む範囲を監視範囲Wに設定するようにしてもよい。この第三変形例においても、第一実施形態の場合と同様にして、垂直走査角度の最小値φmin及び最大値φmaxを算出して、最適な垂直画角Δφを設定することができる。また、かかる第二変形例には、図6及び図7に示した第二実施形態及び第三実施形態を適用することもできる。
【0066】
上述した第一実施形態、第一変形例〜第三変形例によれば、監視範囲は、踏切73を含む範囲(監視範囲A)、遮断桿75を含む範囲(監視範囲G)又は踏切73及び遮断桿75を含む範囲(監視範囲W)のいずれかに設定される。この監視範囲の設定は、反射体74を計測したい箇所を配置して、監視範囲位置特定工程(SP102)により制御部16の処理によって自動的に設定できるようにしてもよいし、制御部16に接続されたコンピュータによって設定するようにしてもよい。
【0067】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
1 レーザレーダ
11 投光部
12 水平走査手段
13 垂直走査手段
14 受光部
15 距離演算部
16 制御部
73 踏切
75 遮断桿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視範囲の水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査しながら照射し、前記レーザ光の反射光を受光して前記監視範囲内の障害物を検出する障害物検出方法であって、
前記レーザ光を投受光するレーザレーダを設置する設置工程と、
前記監視範囲に向かって前記レーザ光を照射して前記監視範囲の位置を特定する監視範囲位置特定工程と、
前記レーザレーダの俯角を調整する俯角調整工程と、
前記監視範囲における垂直走査角度の最小値を算出する最小値算出工程と、
前記監視範囲における垂直走査角度の最大値を算出する最大値算出工程と、
前記垂直走査角度の最小値及び最大値に基づいて前記レーザレーダの垂直画角を設定する垂直画角設定工程と、を有し、
前記垂直画角の範囲内で前記レーザ光を前記垂直方向に走査させて前記障害物を検出するようにした、ことを特徴とする障害物検出方法。
【請求項2】
前記最大値算出工程は、監視対象物の高さを考慮して前記垂直走査角度の最大値を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検出方法。
【請求項3】
前記レーザレーダの水平走査角度を監視し、該水平走査角度から算出される水平走査位置が前記監視範囲内である場合に前記レーザ光を投光し、前記水平走査位置が前記監視範囲外である場合に前記レーザ光を投光しないようにした、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検出方法。
【請求項4】
前記監視範囲を含む前記水平走査角度の最小値及び最大値によって設定される照射範囲を設定し、前記水平走査位置が前記照射範囲内である場合に前記レーザ光を投光するようにした、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物検出方法。
【請求項5】
前記監視範囲の前記水平方向の上流側に判定領域を設定し、前記水平走査位置が前記判定領域内である場合に前記レーザ光を投光するようにした、ことを特徴とする請求項3に記載の障害物検出方法。
【請求項6】
前記監視範囲は、踏切を含む範囲、遮断桿を含む範囲又は踏切及び遮断桿を含む範囲のいずれかに設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の障害物検出方法。
【請求項7】
監視範囲の水平方向及び垂直方向にレーザ光を走査しながら照射し、前記レーザ光の反射光を受光して前記監視範囲内の障害物を検出する障害物検出装置であって、
前記レーザ光を投光する投光部と、前記レーザ光を前記水平方向に走査させる水平走査手段と、前記レーザ光を前記垂直方向に走査させる垂直走査手段と、前記レーザ光の反射光を受光して受光情報を発信する受光部と、前記受光情報から前記障害物の距離を算出する距離演算部と、前記投光部、前記水平走査手段及び前記垂直走査手段の制御を行う制御部と、を有するレーザレーダを備え、
前記制御部は、前記監視範囲における垂直走査角度の最小値及び最大値の範囲内で前記レーザ光を前記垂直方向に走査させるように前記垂直走査手段を制御する、ことを特徴とする障害物検出装置。
【請求項8】
前記制御部は、監視対象物の高さを考慮して前記垂直走査角度の最大値を算出する、ことを特徴とする請求項7に記載の障害物検出装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記水平走査手段の水平走査角度を監視し、該水平走査角度から算出される水平走査位置が前記監視範囲内である場合に前記レーザ光を投光し、前記水平走査位置が前記監視範囲外である場合に前記レーザ光を投光しないように前記投光部を制御する、ことを特徴とする請求項7に記載の障害物検出装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記監視範囲を含む前記水平走査角度の最小値及び最大値によって設定される照射範囲を設定し、前記水平走査位置が前記照射範囲内である場合に前記レーザ光を投光するように前記投光部を制御する、ことを特徴とする請求項9に記載の障害物検出装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記監視範囲の前記水平方向の上流側に判定領域を設定し、前記水平走査位置が前記判定領域内である場合に前記レーザ光を投光するように前記投光部を制御する、ことを特徴とする請求項9に記載の障害物検出装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記監視範囲を、踏切を含む範囲、遮断桿を含む範囲又は踏切及び遮断桿を含む範囲のいずれかに設定する、ことを特徴とする請求項7に記載の障害物検出装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−29375(P2013−29375A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164585(P2011−164585)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】