説明

電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体

【課題】三相の直列補償、並列補償を同時に行う補償制御をより簡素化する。
【解決手段】交流電源1と接続する交流入力端子として、R相入力、S相入力、T相入力を有し、これら交流入力端子から入力される電力を直流に変換する電源側コンバータ回路40と、交流出力端子として、U相出力、V相出力、W相出力を有しており、電源側コンバータ回路40から出力される直流を、交流に変換して交流出力端子から出力するための負荷側インバータ回路50とを備えており、電源側コンバータ回路40と負荷側インバータ回路50とが、それぞれ逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列に接続してなるレグを、3つ並列に接続して構成されてなると共に、電源側コンバータ回路40と負荷側インバータ回路50とが、一のレグを共有する。これにより、電力変換制御装置の構成に必要なレグ数を少なくすることができ、回路の簡素化が図られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相の交流電源と、この交流電源で駆動される負荷の間に接続されて、交流電源の電圧降下や歪みを補償するための電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体に関し、特に高調波電流補償と負荷端子電圧補償とを行う電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を用いた電源機器の用途が拡大している近年において、非線形負荷が発生する高調波電流と、それによる電源電圧波形歪みの電源品質の低下が起きている。また電源を使用する需要家たるユーザ自身でも、高調波電流を発生するパワーエレクトロニクス機器の総容量が増加して、電源電圧波形歪みの原因となり、ユーザが利用する他の周辺機器に悪影響を与えることが懸念されている。
【0003】
これらの対策として、高調波電流補償には、並列インバータを用いたアクティブフィルタが使用され、一方電圧補償には、各相のトランスを有する直列インバータが一般的に用いられている。電流補償と電圧補償を同時に行うには、それぞれのインバータが必要であり、装置は大掛かりなものとなって複雑化する。
【0004】
また、高調波電流補償と負荷端子電圧の補償を同時に行い、かつ端子電圧の電圧/周波数可変が可能なものとして交直交流変換を行うコンバータ−インバータ変換方式が用いられている。しかしながら、この方式ではインバータとコンバータそれぞれに3相電力変換器が必要とされ、またコンバータ−インバータの交流部には各相にフィルタ回路が付加されるため、やはり装置は大掛かりなものとなる。
【0005】
一方で高調波電流及び負荷端子電圧波形歪み補償を行うためには、交流入力起電力源に同期して制御をする必要がある。この同期信号は、電源電圧の検出信号に基づいて、接続される電力源の位相情報を得て、各制御に使用される。しかしながら、この方式は電源電圧に含まれる高調波や歪みが大きい場合、同期の誤検出を起こしやすいという欠点がある。このため、この方式の電源品質補償装置では、その適応条件には同期検出が可能な範囲内という一定品質以上の電源であることが要求され、このような制限が課されることから利用範囲が狭められ、また信頼性の低下を招くという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4022630号公報
【特許文献2】特開2008−72773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、三相の直列補償、並列補償を同時に行う際のシステム構成とその制御手法の簡略化を図り、かつその適応範囲に制限を有せず、幅広い電力系統に適応可能な電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の電力変換制御装置によれば、三相の交流電源1と、該交流電源1で駆動される三相負荷2の間に接続される、該交流電源1の交流電力を補償するための電力変換制御装置であって、該交流電源1と接続する交流入力端子として、R相入力、S相入力、T相入力を有し、これら交流入力端子から入力される電力を直流に変換する電源側コンバータ回路40と、交流出力端子として、U相出力、V相出力、W相出力を有しており、前記電源側コンバータ回路40から出力される直流を、交流に変換して前記交流出力端子から出力するための負荷側インバータ回路50とを備えており、前記電源側コンバータ回路40と前記負荷側インバータ回路50とが、それぞれ逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列に接続してなるレグを、3つ並列に接続して構成されてなると共に、前記電源側コンバータ回路40と前記負荷側インバータ回路50とが、一のレグを共有することができる。これにより、電力変換制御装置の構成に必要なレグ数を少なくすることができ、回路の簡素化が実現できる。
【0009】
また、第2の電力変換制御装置によれば、前記電源側コンバータ回路40が、前記R相入力、S相入力、T相入力から入力される交流電流の高調波成分を並列補償して直流に変換する高調波電流補償制御を行い、前記負荷側インバータ回路50が、前記電源側コンバータ回路40から出力される直流電圧を交流電圧に変換して、交流電圧の高調波成分を直列補償する高調波電圧補償制御を行うことができる。これにより、並列補償を行う電源側コンバータ回路及び直列補償を行う負荷側インバータ回路で、高調波電流補償制御と高調波電圧補償制御とを同時に行うことができる。
【0010】
さらに、第3の電力変換制御装置によれば、R相、S相、T相の三相の交流電源1と、該交流電源1で駆動される三相負荷2の間に接続され、入力側に接続された該交流電源1の交流電力を補償して、U相、V相、W相として出力するための電力変換制御装置であって、逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるR相レグ8、T相レグ9、共通レグ10、U相レグ11、W相レグ12を備えており、前記R相レグ8、T相レグ9、共通レグ10、U相レグ11、W相レグ12は、並列接続点を介して互いに並列に接続されており、前記R相レグ8の直列接続点を、R相入力とし、前記T相レグ9の直列接続点を、T相入力とし、前記共通レグ10の直列接続点を、S相入力兼V相出力とし、前記U相レグ11の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ12の直列接続点を、W相出力とし、前記R相レグ8と前記T相レグ9で、R相入力、T相入力をコンバータ制御により高調波電流補償制御を行い、前記U相レグ11と前記W相レグ12で、U相出力、W相出力をインバータ制御により高調波電圧補償制御を行い、前記共通レグ10で、S相入力及びV相出力を共通として、直並列補償動作を行うよう構成できる。
【0011】
さらにまた、第4の電力変換制御装置によれば、前記R相レグ8と前記T相レグ9で、R相入力、T相入力の高調波電流補償制御を行う電源側コンバータ回路40を構成し、前記U相レグ11と前記W相レグ12で、U相出力、W相出力の高調波電圧補償制御を行う負荷側インバータ回路50を構成し、前記共通レグ10で、S相入力及びV相出力を共通として、直並列補償動作を行う共通レグ回路を構成することができる。
【0012】
さらにまた、第5の電力変換制御装置によれば、前記負荷側インバータ回路50による高調波電圧補償制御が、前記U相レグ11の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ12の直列接続点を、W相出力とし、前記共通レグ10の直列接続点を、前記S相入力兼V相出力として、該三相負荷2との接続をV結線方式とした、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことができる。これにより、高調波電流補償は、交流電源のR相、S相、T相の電源系統との並列接続により補償動作を行う一方、負荷側の高調波電圧補償においては、交流負荷の出力端子をV結線方式と捉えることで、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより負荷端子電圧の正弦波補償が可能となる。
【0013】
さらにまた、第6の電力変換制御装置によれば、前記共通レグ10が、前記電源側コンバータ回路40で直交二軸逆変換したS相成分と、前記負荷側インバータ回路50で直交二軸逆変換したV相成分を加算演算した信号を、PWMスイッチング信号により変換することで、直並列補償動作の協調制御を行うことができる。
【0014】
さらにまた、第7の電力変換制御装置によれば、前記共通レグ10の協調制御によって、負荷側の出力電圧の実効値を電源側の入力電圧に対して0%〜100+α%までの任意の補償が可能な負荷側出力電圧の可変機能を有することができる。
【0015】
さらにまた、第8の電力変換制御装置によれば、R相入力と交流電源R相との間にR相連系リアクトル5aを接続し、T相入力と交流電源T相との間にT相連系リアクトル5bを接続し、U相出力と三相負荷2との間にU相フィルタリアクトル6aを接続し、W相出力と三相負荷2との間にW相フィルタリアクトル6bを接続し、前記共通レグ10のS相入力兼V相出力には、連系リアクトル及びフィルタリアクトルの機能を兼用した協調リアクトル7を接続することができる。
【0016】
さらにまた、第9の電力変換制御装置によれば、前記協調リアクトル7により、三相交流電源1の中性点と負荷側出力の中性点とを同電位とすることができる。
【0017】
さらにまた、第10の電力変換制御装置によれば、さらに前記電源側コンバータ回路40及び負荷側インバータ回路50の制御を行う制御部を備え、前記制御部が、前記電源側コンバータ回路40の並列補償制御を行うコンバータ制御部と、前記負荷側インバータ回路50の直列補償制御を行うインバータ制御部とを備えることができる。
【0018】
さらにまた、第11の電力変換制御装置によれば、前記負荷側インバータ回路50が、前記制御部から誤差量を成分毎に演算して得られた有効電流指令、無効電流指令に上限値を設定する電流制限機能を有することができる。
【0019】
さらにまた、第12の電力変換制御装置によれば、さらに前記電源側コンバータ回路40及び負荷側インバータ回路50の制御で使用される有効成分電流と無効成分電流に変換する直交二軸変換部を備えることができる。
【0020】
さらにまた、第13の電力変換制御装置によれば、さらに三相負荷2に並列接続されたフィルタコンデンサ13と、前記フィルタコンデンサ13の交流電圧を検出するための交流電圧検出器17と、前記電圧検出器で検出された前記フィルタコンデンサ13の交流電圧値を用いて有効成分電流と無効成分電流の指令値を演算する二軸電流設定部とを備えることができる。
【0021】
さらにまた、第14の電力変換制御装置によれば、さらに前記コンバータ制御部にて、前記直交二軸変換部が出力する2つの成分電流である有効成分電流と無効成分電流と、前記二軸電流設定部が決定する2つの設定値とを入力し、それらの誤差量を成分毎に演算して前記電源側コンバータ回路40の振幅指令値を成分毎に出力する二軸電流調節部と、振幅指令値に基づいて前記電源側コンバータ回路40をPWM制御するPWM信号を発生するPWM信号発生部と、交流電源1の周波数を、無効成分電流に対する振幅指令値、又は前記電源側コンバータ回路40の出力電圧から得られる前記振幅指令値に対応する値を零に導く値に推定する周波数演算部27と、前記周波数演算部27の出力を積分して位相角を決定する積分演算部28とを備え、位相角に基づいて前記直交二軸変換部で直交二軸電流変換を行い、前記PWM信号発生部で前記振幅指令値のPWMスイッチング信号変換を行うことができる。
【0022】
さらにまた、第15の電力変換制御装置によれば、前記周波数演算部27は、振幅指令値を入力として、有効成分電流に対する振幅指令値を用いて交流電源の周波数を推定することができる。
【0023】
さらにまた、第16の電力変換制御装置によれば、前記周波数演算部27が、前記電源側コンバータ回路40の入力電流を直交座標変換して、有効成分電流に対する振幅指令値を用いて交流電源の周波数を推定することができる。
【0024】
さらにまた、第17の電力変換制御装置によれば、前記二軸電流設定部は、設定値の決定に前記周波数演算部27が出力する交流電源の周波数を用いる手段を含むことができる。
【0025】
さらにまた、第18の電力変換制御装置によれば、前記二軸有効電流設定部は、設定値の決定に前記負荷側インバータ回路50の直流側電圧値を用いる手段を含むことができる。
【0026】
さらにまた、第19の電力変換制御装置によれば、交流電源1として商用電源を利用できる。
【0027】
さらにまた、第20の電力変換制御装置によれば、交流電源1として交流発電機を利用できる。
【0028】
さらにまた、第21の電力変換制御装置によれば、前記スイッチング素子としてFET又はIGBTを利用できる。
【0029】
さらにまた、第22のコンバータ制御回路によれば、上記電力変換制御装置の並列補償を行うコンバータ制御回路であって、前記二軸電流設定部の力率を任意に設定するために、無効電流の設定値を調整可能とできる。
【0030】
さらにまた、第23のコンバータ制御回路によれば、前記二軸電流設定部の無効電流の設定値を、前記負荷側インバータ回路50の出力の力率が1となる値に設定することができる。
【0031】
さらにまた、第24の電力変換制御方法によれば、R相、S相、T相の三相の交流電源1と、該交流電源1で駆動される三相負荷2の間に接続され、入力側に接続された該交流電源1の交流電力を補償して、U相、V相、W相として出力する電力変換制御方法であって、逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるR相レグ8、T相レグ9、共通レグ10、U相レグ11、W相レグ12の内、前記R相レグ8の直列接続点に、該交流電源1のR相を入力し、前記T相レグ9の直列接続点に、T相を入力し、前記共通レグ10の直列接続点に、S相を入力した状態で、前記R相レグ8と前記T相レグ9で構成される電源側コンバータ回路40により、交流電源1のR相、S相、T相の電源系統との並列接続により高調波電流補償制御を行う工程と、前記U相レグ11の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ12の直列接続点を、W相出力とし、前記共通レグ10の直列接続点を、前記S相入力兼V相出力として、前記U相レグ11と前記W相レグ12で構成される負荷側インバータ回路50により、該三相負荷2との接続をV結線方式とした、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより高調波電圧補償制御を行う工程とを含むことができる。これにより、高調波電流補償は、交流電源のR相、S相、T相の電源系統との並列接続により補償動作を行う一方、負荷側の高調波電圧補償においては、交流負荷の出力端子をV結線方式と捉えることで、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより負荷端子電圧の正弦波補償が可能となる。
【0032】
さらにまた、第25の電力変換制御方法によれば、前記共通レグ10が、前記電源側コンバータ回路40で直交二軸逆変換されるS相成分と、前記負荷側インバータ回路50で直交二軸逆変換されるV相成分を加算演算した信号を、PWMスイッチング信号により変換して制御を行うことにより、直並列補償動作の協調制御を行うよう機能させることができる。
【0033】
さらにまた、第26の電力変換制御プログラムによれば、R相、S相、T相の三相の交流電源1と、該交流電源1で駆動される三相負荷2の間に接続され、入力側に接続された該交流電源1の交流電力を補償して、U相、V相、W相として出力する電力変換制御プログラムであって、逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるR相レグ8、T相レグ9、共通レグ10、U相レグ11、W相レグ12の内、前記R相レグ8の直列接続点に、該交流電源1のR相を入力し、前記T相レグ9の直列接続点に、T相を入力し、前記共通レグ10の直列接続点に、S相を入力した状態で、前記R相レグ8と前記T相レグ9で構成される電源側コンバータ回路40により、該R相入力及びT相入力の高調波電流補償制御を行う機能と、前記U相レグ11の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ12の直列接続点を、W相出力とし、前記共通レグ10の直列接続点を、前記S相入力兼V相出力として、前記U相レグ11と前記W相レグ12で構成される負荷側インバータ回路50により、該三相負荷2との接続をV結線方式とした、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより高調波電圧補償制御を行う機能とをコンピュータにより実現させることができる。これにより、高調波電流補償は、交流電源のR相、S相、T相の電源系統との並列接続により補償動作を行う一方、負荷側の高調波電圧補償においては、交流負荷の出力端子をV結線方式と捉えることで、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより負荷端子電圧の正弦波補償が可能となる。
【0034】
さらにまた、第27の電力変換制御プログラムによれば、前記共通レグ10が、前記電源側コンバータ回路40で直交二軸逆変換されるS相成分と、前記負荷側インバータ回路50で直交二軸逆変換されるV相成分を加算演算した信号を、PWMスイッチング信号により変換して制御を行うことにより、直並列補償動作の協調制御を行うよう機能させることができる。
【0035】
さらにまた、第28の記録媒体によれば、上記プログラムを格納できる。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記憶した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施の形態1に係る電力変換制御装置を用いた電源システムを示すブロック図である。
【図2】図1の電力変換制御装置の主回路構成図である。
【図3】図2の電力変換制御装置の基本原理図である。
【図4】実施の形態2に係る電力変換制御装置の制御ブロック図である。
【図5】実施の形態3に係る電力変換制御装置のブロック図である。
【図6】図5の電力変換制御装置の制御ブロック図である。
【図7】実施例に係る電力変換制御装置の回路図である。
【図8】実施例1に係る電力変換制御装置の動作結果を示すグラフである。
【図9】実施例2に係る電力変換制御装置の動作結果を示すグラフである。
【図10】実施例3に係る電力変換制御装置の動作結果を示すグラフである。
【図11】実施例4に係る電力変換制御装置の動作結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体を例示するものであって、本発明は電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施の形態、実施例において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
【0038】
図1に、実施の形態1に係る電力変換制御装置を用いた電源システムのブロック図を示す。この図に示す電力変換制御装置100は、三相の交流電源(三相電源系統)1と、この交流電源1で駆動される三相負荷2の間に接続されて、交流電源1の交流電力を補償する三相直並列補償装置である。具体的には、高調波電流補償と負荷端子電圧補償を同時に行う。
【0039】
電力変換制御装置100は、電源側コンバータ回路40と負荷側インバータ回路50で構成されるレグ回路と、このレグ回路を駆動する制御部とを備える。レグ回路は、逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるレグ(R相レグ8、T相レグ9、共通レグ10、U相レグ11、W相レグ12)を5つ、並列に接続している。ここで「レグ(leg:「レッグ」ともいう。)」とは、スイッチング素子が二個直列に接続されたものである。またスイッチング素子には、FETやIGBT等が好適に利用できる。さらにスイッチング素子は逆導通機能を備える。このため、例えばトランジスタの導通方向と逆並列に接続されたダイオードなどを付加する。この電力変換制御装置は、5レグのスイッチング素子のみならず、各相リアクトル及びフィルタコンデンサを用いて高調波補償機能を実現しており、いわゆる5レグインバータとは構成及び制御方法を異にするものである。
【0040】
図2に、電力変換制御装置100の回路例を示す。この図に示すように、電源側コンバータ回路40と負荷側インバータ回路50は、それぞれレグを3つ並列に接続して構成される。すなわち、一のレグを共通レグ10(Common Leg)として、電源側コンバータ回路40と負荷側インバータ回路50とで共有している。また三相負荷2は、三相交流で駆動する負荷を接続したり、必要に応じてブリッジ回路で整流、あるいは平滑化コンデンサで平滑化して直流駆動の負荷に接続する。
【0041】
図3に、電力変換制御装置100の基本原理図を示す。この図において、電流源とする系統電源eである交流電源1の高調波電流補償を行う電源側コンバータ回路40が、交流電源1と並列に接続されている。具体的には、図3において、電流源iCUが並列形R相電流補償3aを担い、電流源iCVが並列形S相電流補償3bを担い、電流源iCWが並列形T相電流補償3cを担う。また負荷端子側は、負荷側インバータ回路50の出力がV結線接続されている。具体的には、交流電圧源ecuが直列形R(U)相電圧補償4aを担い、交流電圧源ecwが直列形T(W)相電圧補償4bを担う。これにより、電圧歪みの補償にはR相とU相間、及びT相とW相間の電圧を調整することで、負荷端子電圧の正弦波供給を可能としている。但し、図2に示すように系統側S相と負荷側V相は共通ラインであり、共通レグ10はこの共通ラインに並列接続される。
【0042】
ここで、高調波電流補償は並列接続された負荷側コンバータ回路により補償動作を行うものの、R相、T相、S相では、負荷側コンバータ回路が行う補償量は異なるものとなる。系統電源eを流れる電源側の各相の電流iSR、iST、iSSは、負荷側の各相の電流iLU、iLV、iLWに対して、次式で表現できる。
【0043】
【数1】

【0044】
また出力電圧補償は、R−U相間及びT−W相間に直列接続された負荷側インバータ回路50により補償動作が行われ、その動作はV結線方式での補償動作となる。ここで負荷側の各相の電圧eOU、eOW、eOVは、電源側の各相の電圧eSR、eSS、eSTに対して、次式で表現できる。
【0045】
【数2】

【0046】
図2に示すように、電源システムに使用するリアクトルは各レグと、対象とされるラインに直列接続される。交流電源側R相及びT相のリアクトルは、連系リアクトルとして機能し、負荷側U相及びW相のレグに直列接続されるリアクトルはフィルタリアクトルとして機能する。このため共通レグ10に直列接続されるリアクトルは、連系及びフィルタの両機能を共有して機能する。
【0047】
負荷側は、端子電圧制御となるため交流負荷端子に並列にコンデンサを接続しており、フィルタリアクトルと組み合わせてのスイッチングフィルタとして機能する。
【0048】
実施の形態1に係る電力変換制御装置100では、レグ数に合わせたリアクトル数での対応で機能するため、通常の高調波電流補償と端子電圧波形歪み補償を同時に行う際に使用する場合と比較し、トランスを不要でき、レグ数を低減でき、さらにレグ数に対応してのリアクトルを低減できる。
(実施の形態2)
【0049】
実施の形態2に適応した制御ブロック図を図4に示す。実施の形態2では、図2で示した主回路構成に図4に示す制御ブロック図を適応することによりその機能を発揮する。制御には高調波電流補償を行うコンバータ制御ループと、負荷端子電圧補償を行うインバータ制御ループが存在する。
(コンバータ制御部)
【0050】
コンバータ制御部は、R相レグ8、T相レグ9を流れる電流をそれぞれ検出するR相電流検出器14、T相電流検出器31と、直流母線DLの直流電圧を検出する直流電圧検出器15を有している。またこのコンバータ制御部内には、コンバータ直交二軸変換部18、コンバータ二軸電流設定部19、コンバータ二軸電流調整部20、コンバータPWM信号発生部21を備える。
【0051】
図4のコンバータ制御部において、コンバータ直交二軸変換部18は電流検出器の検出信号を、位相角信号θによって直交二軸変換より、有効成分及び無効成分の二軸電流を演算して出力する。コンバータ二軸電流設定部19は、直流電圧検出器15で検出された電力変換制御装置100の直流電圧母線電圧値を用いて、有効成分電流の指令値を演算する。検出した直流電圧と直流電圧指令値とを比較して、電圧調節器を介してその出力を有効成分電流の指令値として用いる。尚、無効成分指令は任意の値でもよい。
【0052】
コンバータ二軸電流調節部20は、コンバータ直交二軸電流変換部18の出力とコンバータ二軸電流設定部19の出力との差から誤差量を演算して、二軸成分ごとに誤差量に応じた振幅指令値を出力する。コンバータPWM信号発生部21は、コンバータ二軸電流調整部20の出力を位相角信号θによって直交二軸逆変換し、三角比較法等によりR相レグ8、T相レグ9の制御信号であるPWM信号を生成して対象となるレグに供給する。この信号はR相レグ8、T相レグ9にのみ直接供給する。
(インバータ制御部)
【0053】
一方でインバータ制御部は、U相レグ11、W相レグ12を流れる電流を検出するU相電流検出器16、W相電流検出器32と、負荷端子電圧と並列に接続されたフィルタコンデンサ13の電圧を検出する交流電圧検出器17を有している。またこのインバータ制御部内には、インバータ直交二軸変換部22、インバータ二軸電流設定部23、インバータ二軸電流調節部24、インバータPWM信号発生部25を備える。
【0054】
図4のインバータ制御部において、インバータ直交二軸変換部22は、U相電流検出器16、W相電流検出器32の検出信号を、位相角信号θによって直交二軸変換より、有効成分及び無効成分の二軸電流を演算して出力する。インバータ二軸電流設定部23は、交流電圧検出器17で検出された、三相負荷2に並列接続されたフィルタコンデンサ13の交流電圧値を用いて、有効成分電流と無効成分電流の指令値を演算する。検出した交流電圧を位相角信号θによって直交二軸変換し、有効成分及び無効成分に相当する出力とそれぞれの指令値とを比較して、電圧調節器を介してその出力を有効成分電流の指令値及び無効電流の指令値として用いる。
【0055】
インバータ二軸電流調節部24は、インバータ直交二軸電流変換部22の出力とインバータ二軸電流設定部23の出力との差から誤差量を演算して二軸成分ごとに誤差量に応じた振幅指令値を出力する。インバータPWM信号発生部25は、インバータ二軸電流調節部24の出力を位相角信号θによって直交二軸逆変換し、三角比較法等によりU相レグ11、W相レグ12の制御信号であるPWM信号を生成して、対象となるレグに供給する。この信号はU相レグ11、W相レグ12にのみ直接供給する。
【0056】
共通レグ10へのPWM信号は、コンバータ制御部におけるコンバータPWM信号発生部21内の直交二軸逆変換により得られたS相信号と、インバータ制御部におけるインバータPWM信号発生部25内の直交二軸逆変換により得られたV相信号を、共通レグPWM信号発生部26でそのまま加算し、三角比較法等によりPWM信号を生成して、共通レグ10へ供給する協調制御を行う。
【0057】
インバータ制御部のインバータ二軸電流設定部23においては、高調波成分の補償制御のみでなく、端子電圧の実効値を直流分としてそのまま制御を行っており、また共通レグ10にはコンバータとインバータの両機能の情報が共有された協調信号を用いている。これによりインバータの可変電圧範囲は、0Vからの任意可変が可能となる。特に負荷端子電圧の可変範囲を電力系統の入力電圧に対し0%から100+α%(αは直流電圧に依存)の範囲で、任意に設定が可能となる。
(実施の形態3)
【0058】
このような電力変換制御装置に、同期位相制御として位相追従制御機能を付加することで、その適応範囲を拡大できる。この例を実施の形態3として、制御部に位相追従制御機能を付加した電力変換制御装置200のブロック図を図5に示す。この図に示す電力変換制御装置200は、三相の交流電源1と、この交流電源1で駆動される負荷の間に接続されており、負荷に流れる電流を電流検出器29で検出した検出信号に基づいて、制御部がレグ回路を制御する。制御部は、レグ回路の運転周波数を決定して運転周波数信号を出力する周波数演算部27と、周波数演算部27の出力から積分により位相角信号を求めて出力する積分演算部28と、電流検出器29の検出信号及び積分演算部28の位相角信号に基づいて、直交二軸変換により有効成分及び無効成分の二軸電流を演算して出力する直交二軸変換部34と、二軸電流の指令値を決定して出力する二軸電流設定部35と、直交二軸変換部34の出力と二軸電流設定部35の出力との差から誤差量を演算して二軸成分ごとに誤差量に応じた振幅指令値を出力する二軸電流調節部36と、二軸電流調節部36の出力及び積分演算部28の位相角信号に基づいて、レグ回路を制御するPWM信号を生成するPWM信号発生部37とを備える。周波数演算部27は、二軸電流調節部36の出力である振幅指令値の内、無効成分電流に対応する振幅指令値を零に導くようにレグ回路の運転周波数を決定する。これによってレグ回路の電力変換制御を高精度に行える。
【0059】
このような制御部の一例として、電源側コンバータ回路40の位相追従制御を行うコンバータ制御部のブロック図を図6に示す。このコンバータ制御部は、電流検出器29からの検出信号を直交二軸変換し、変換された二軸量Iγ、Iδを二軸電流調整部に出力する。二軸電流調整部は変換された二軸量Iγ、Iδが二軸電流設定部35の出力である二軸電流の指令値Iγ、Iδと一致するように二軸電流調節器に含まれる2組の電流調節器1、2を介して二軸制御電圧すなわちコンバータの振幅指令値Vγ、Vδを生成する。
【0060】
周波数演算部27は振幅指令値Vγ、Vδのその一軸電圧量Vγが零となるような運転周波数ωを決定し、積分演算部28はその運転周波数ωを積分することにより運転位相角信号θeを得てコンバータ制御及びインバータ制御部内での二軸直交変換及び二軸直交逆変換での位相角信号θとして用いる。これにより電力系統側の位相情報を通常の同期検出の手法である電源電圧検出器を用いることなく、レグに流れる電流の検出制御のみにより得ることが可能となるため、システムの適応範囲が拡大し信頼性の向上に貢献することができる。
(位相追従制御機能)
【0061】
このように、電源電圧からの同期信号を必要としない位相追従制御回路を付加することで、電圧波形に依らず同期をとることが可能となるため、電圧変動の大きい低品質の電力系統であってもセンサレスで位相追従制御が可能となり、多様な電源条件に対応できる。例えば、一般の電源装置では電源電圧が低下すると同期が外れて、回転機等の駆動においては脱調により電源装置が停止する。このような場合において、バックアップ用の無停電電源装置(UPS)を備えることで、動作を継続できるものの、この場合はUPSの容量によって連続使用可能時間が決定されるため、長時間の稼働を補償するためには、大容量のUPSが必要となる。一方、本装置では電源が変動しても同期を維持できるため、電圧が低下しても電源装置を使用継続でき、不足分の電力のみをUPSから供給を受ければ足りる。この結果、UPSの容量が小さくても長期間の連続稼働が可能となって、UPSの容量が小さくても済むので、システム構築のコストを削減できる利点も得られる。
【0062】
また、以上の制御はハードウェア回路で実行する他、コンピュータで実行するプログラムとしてソフトウェア的に実現することも可能であることはいうまでもない。このようなコンピュータとしては、汎用のパーソナルコンピュータの他、ワークステーションや専用コンピュータなどとしてもよい。
【0063】
以上説明した本発明に係る電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体の第1の観点では、逆導通機能を持つスイッチング素子を2つ直列に接続するスイッチ回路をレグとすると、5つのレグが並列接続され、レグの並列接続点が直流側端子となりスイッチング素子の直列接続点が交流側端子であり、交流入力R相、T相と交流出力U相、W相を各レグに接続し、交流入力S相と交流出力V相を共通ラインとして共通レグ10に接続する主回路構成から成り、交流入力R相レグ8、T相レグ9を両相に流れる電流検出によるコンバータ制御を用いた高調波電流補償制御を行い、交流出力U相レグ11、W相レグ12は負荷端子電圧検出と両相電流検出によるインバータ制御にて負荷端子電圧補償制御を行うこととなり、共通レグ10はこれらより得られた協調信号により制御を行う、三相交流電源用補償装置を提供する。
【0064】
上記第1の観点による電力変換制御装置は、交流回路と交流負荷との間に、R相、T相、U相レグ11、W相レグ12をリアクトルと直列に接続し、共通レグ10はリアクトルとの直列接続を介して、電源系統もしくは負荷の共通ラインに並列接続され、コンデンサは交流負荷端子に並列に接続し、スイッチングフィルタとする。高調波電流補償はR相、S相、T相の電源系統との並列接続により補償動作を行うが、負荷端子電圧補償においては交流負荷出力端子をV結線方式ととらえ、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより負荷端子電圧の正弦波補償が可能となる。
【0065】
第2の観点では、負荷端子電圧の補償動作において高調波及び波形歪みの補償だけでなく、実効値の大きさも任意に可変することが可能となる。上記第2の観点による電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体では、共通レグ10へのPWM信号はコンバータ制御におけるS相信号とインバータ制御におけるV相信号の加算信号にて制御行うことにより負荷端子電圧の可変範囲は電力系統の入力電圧に対し0%から100+α%(αは直流電圧に依存)までの範囲で任意に設定が可能となり、また出力側にS相制御成分を加えることで負荷端子における中性点と電力系統側中性点との電位は同電位となり、共通接続して使用することが可能となる。
【0066】
第3の観点では、コンバータ制御において同期位相制御手法として電源電圧センサレスによる位相追従制御を適応し、システムの適応範囲を拡大する。
【0067】
上記第3の観点による電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体では、2相の電流Iu、Iwを検出して直交二軸変換として回転座標変換を行い、変換された2軸量がそれらの基準値Iγ、Iδと一致するように2組の電流調節器を介して、コンバータの二軸制御電圧を発生させ、その一軸電圧量Vγが零となるような運転周波数ωを決定し、それを積分することにより交流回路の起電力電源に同期した位相情報を得て交流電流の回転座標変換を行うと共に二軸電圧量からPWMスイッチング信号を発生させてコンバータを働かせることにより、電力系統の位相情報を電源電圧検出により得ることなく電流の検出制御により、同期位相制御を可能にしている。
【0068】
以上のように、高調波電流補償及び負荷端子電圧補償を同時に行う場合、従来であれば通常6レグとトランスを用いて行うのに対し、本発明に係る電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体によれば、トランスを使用することなく、5レグでの構成にて補償を行うため、必要な部品点数も少なくなり、また主回路レグ数の低減と共通レグ10での電流は補償電流のみとなるため、レグ数以上のスイッチング損失の低減が期待でき、その分システム効率の向上に繋がるという利点が得られる。また、同期位相制御に電源電圧センサレスの位相追従制御を用いることにより、極めて弱い、又は不安定な電力系統への接続も可能となり、電圧歪みの多い三相電力系統と三相負荷2との間に介在させて安定した正弦波電圧を負荷へ供給することが可能となる。さらには、負荷端子電圧の任意可変が可能であることから、国内のみでなく異電圧規格である海外でも利用可能となって、国内仕様の電気機器も使用可能となるという優れた効果を奏する。
【実施例1】
【0069】
以下、本発明の実施例を説明する。ここでは図7に示す回路を用いて、まず実施例1に係る三相直並列補償動作を確認するためのシミュレーションを行った。電源系統は三相200Vを基本とし、負荷には非線形負荷が接続されコンデンサインプット型の電流が流れるものとしている。負荷の定数設定は負荷インダクタンスは1mH、負荷コンデンサ容量6800μF、負荷抵抗25Ωとしている。また、電力変換制御装置の回路定数は、直流母線電圧に接続されているコンデンサ容量は6800μF、各リアクタンスは1mHとしフィルタコンデンサ13は20μFとする。制御部内の設定値は直流電圧設定が400Vdc、負荷端子電圧設定は200Vacとなっている。
【0070】
図8は、電源系統ラインにコンデンサインプット型の負荷が接続されているため、すでに入力される電圧波形に歪みが生じている場合のシミュレーション結果を示す。この図より、系統側の高調波電流補償と負荷側の端子電圧補償の動作が確認できる。
【実施例2】
【0071】
次に実施例2として、図8と同ライン条件において、負荷端子電圧設定を0から200Vacまで徐々に上昇させた場合のシミュレーション結果を、図9のグラフに示す。この図から明らかなとおり、負荷端子電圧が交流電圧指令値に追従して可変制御できていることが確認できた。
【実施例3】
【0072】
また実施例3として、電源系統ラインに−10%、50msecの瞬時電圧低下が発生した場合のシミュレーション結果を、図10のグラフに示す。この図より、系統側電源に瞬時低下が発生しても、負荷端子電圧は歪みの補償と実効値の制御が行われており、負荷への影響はないことが確認できた。
【実施例4】
【0073】
さらに実施例4として、電源系統の基本電圧を150Vacとして、R相に30Vac400Hzを重畳し、S相に20Vac120Hzを重畳し、T相に10Vac500Hzを重畳することにより、電源系統に大きな歪みを発生させた場合のシミュレーション結果を、図11のグラフに示す。この図より、電源系統に大きな電圧波形歪みがある場合においても、位相追従制御により同期位相制御が実現されており、また高調波電流補償及び端子電圧補償動作が正常に機能して、安定した電力供給が行われていることが確認できた。
【0074】
以上のように、各実施例によれば高調波電流補償と負荷端子電圧補償とを実現するために必要なレグ数を、通常の6レグから5レグに低減し、また高調波電流の並列補償を行うコンバータ制御と負荷端子電圧の直列補償を行うインバータ制御とを組み合わせて、従来利用可能な範囲が制限されていた利用可能範囲の制限を大幅に緩和した三相電源品質補償装置を実現できた。
【0075】
さらに、この三相電源品質補償装置によれば、電源電圧センサレスの位相追従制御方式の同期位相制御と共通レグ10への協調制御を行うことにより、安定した位相追従制御も可能となる。すなわち、電源電圧からの同期信号を必要としない位相追従制御回路を付加することで、電圧波形に依らず同期をとることが可能となるため、電圧変動の大きい低品質の電源装置であってもセンサレスで位相追従制御が可能となり、多様な電源条件に対応できる。例えば、一般の電源装置では電源電圧が低下すると同期が外れて、回転機等の駆動においては脱調により電源装置が停止する。このような場合において、バックアップ用の無停電電源装置(UPS)を備えることで、動作を継続できるものの、この場合はUPSの容量によって連続使用可能時間が決定されるため、長時間の稼働を補償するためには、大容量のUPSが必要となる。一方、本装置では電源が変動しても同期を維持できるため、電圧が低下しても電源装置を使用継続でき、不足分の電力のみをUPSから供給を受ければ足りる。この結果、UPSの容量が小さくても長期間の連続稼働が可能となって、UPSの容量が小さくても済むので、システム構築のコストを削減できる利点も得られる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る電力変換制御装置、コンバータ制御回路、電力変換制御方法、電力変換制御用プログラム及び記録媒体は、非線形負荷を接続する溶接工場や半導体製造工場等において、電源波形を補償する三相直並列電源品質補償装置として好適に利用できる。例えば、ディーゼル発電機などの自家発電、太陽光発電、風力発電など、不安定な電力源や劣悪な電力事情の下でも、三相の交流電源と、この交流電源で駆動される負荷の間に接続されて、交流電源の電圧降下や歪みを補償し、特に高調波電流補償と負荷端子電圧補償とを行うことができる。このような良質な電力供給を安定して行うことのできる補償装置を、簡素な回路構成によって実現
【符号の説明】
【0077】
100、200…電力変換制御装置
1…交流電源(系統電源)
2…三相負荷
3a…並列形R相電流補償
3b…並列形S相電流補償
3c…並列形T相電流補償
4a…直列形R(U)相電圧補償
4b…直列形T(W)相電圧補償
5a…R相連系リアクトル
5b…T相連系リアクトル
6a…U相フィルタリアクトル
6b…W相フィルタリアクトル
7…協調リアクトル
8…R相レグ
9…T相レグ
10…共通レグ(S相−V相レグ)
11…U相レグ
12…W相レグ
13…フィルタコンデンサ
14…R相電流検出器
15…直流電圧検出器
16…U相電流検出器
17…交流電圧検出器
18…コンバータ直交二軸変換部
19…コンバータ二軸電流設定部
20…コンバータ二軸電流調節部
21…コンバータPWM信号発生部
22…インバータ直交二軸変換部
23…インバータ二軸電流設定部
24…インバータ二軸電流調節部
25…インバータPWM信号発生部
26…共通レグPWM信号発生部
27…周波数演算部
28…積分演算部
29…電流検出器
31…T相電流検出器
32…W相電流検出器
34…直交二軸変換部
35…二軸電流設定部
36…二軸電流調節部
37…PWM信号発生部
40…電源側コンバータ回路
50…負荷側インバータ回路
DL…直流母線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相の交流電源(1)と、該交流電源(1)で駆動される三相負荷(2)の間に接続される、該交流電源(1)の交流電力を補償するための電力変換制御装置であって、
該交流電源(1)と接続する交流入力端子として、R相入力、S相入力、T相入力を有し、これら交流入力端子から入力される電力を直流に変換する電源側コンバータ回路(40)と、
交流出力端子として、U相出力、V相出力、W相出力を有しており、前記電源側コンバータ回路(40)から出力される直流を、交流に変換して前記交流出力端子から出力するための負荷側インバータ回路(50)と、
を備えており、
前記電源側コンバータ回路(40)と前記負荷側インバータ回路(50)とが、それぞれ逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列に接続してなるレグを、3つ並列に接続して構成されてなると共に、
前記電源側コンバータ回路(40)と前記負荷側インバータ回路(50)とが、一のレグを共有してなることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の電力変換制御装置であって、
前記電源側コンバータ回路(40)が、前記R相入力、S相入力、T相入力から入力される交流電流の高調波成分を並列補償して直流に変換する高調波電流補償制御を行い、
前記負荷側インバータ回路(50)が、前記電源側コンバータ回路(40)から出力される直流電圧を交流電圧に変換して、交流電圧の高調波成分を直列補償する高調波電圧補償制御を行うことを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項3】
R相、S相、T相の三相の交流電源(1)と、該交流電源(1)で駆動される三相負荷(2)の間に接続され、入力側に接続された該交流電源(1)の交流電力を補償して、U相、V相、W相として出力するための電力変換制御装置であって、
逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるR相レグ(8)、T相レグ(9)、共通レグ(10)、U相レグ(11)、W相レグ(12)を備えており、
前記R相レグ(8)、T相レグ(9)、共通レグ(10)、U相レグ(11)、W相レグ(12)は、並列接続点を介して互いに並列に接続されており、
前記R相レグ(8)の直列接続点を、R相入力とし、
前記T相レグ(9)の直列接続点を、T相入力とし、
前記共通レグ(10)の直列接続点を、S相入力兼V相出力とし、
前記U相レグ(11)の直列接続点を、U相出力とし、
前記W相レグ(12)の直列接続点を、W相出力とし、
前記R相レグ(8)と前記T相レグ(9)で、R相入力、T相入力をコンバータ制御により高調波電流補償制御を行い、
前記U相レグ(11)と前記W相レグ(12)で、U相出力、W相出力をインバータ制御により高調波電圧補償制御を行い、
前記共通レグ(10)で、S相入力及びV相出力を共通として、直並列補償動作を行うよう構成してなることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電力変換制御装置であって、
前記R相レグ(8)と前記T相レグ(9)で、R相入力、T相入力の高調波電流補償制御を行う電源側コンバータ回路(40)を構成し、
前記U相レグ(11)と前記W相レグ(12)で、U相出力、W相出力の高調波電圧補償制御を行う負荷側インバータ回路(50)を構成し、
前記共通レグ(10)で、S相入力及びV相出力を共通として、直並列補償動作を行う共通レグ回路を構成してなることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電力変換制御装置であって、
前記負荷側インバータ回路(50)による高調波電圧補償制御が、前記U相レグ(11)の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ(12)の直列接続点を、W相出力とし、前記共通レグ(10)の直列接続点を、前記S相入力兼V相出力として、該三相負荷(2)との接続をV結線方式とした、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の電力変換制御装置であって、
前記共通レグ(10)は、前記電源側コンバータ回路(40)で直交二軸逆変換したS相成分と、前記負荷側インバータ回路(50)で直交二軸逆変換したV相成分を加算演算した信号を、PWMスイッチング信号により変換することで、直並列補償動作の協調制御を行うことを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電力変換制御装置であって、
前記共通レグ(10)の協調制御によって、負荷側の出力電圧の実効値を電源側の入力電圧に対して0%〜100+α%までの任意の補償が可能な負荷側出力電圧の可変機能を有することを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、
R相入力と交流電源R相との間にR相連系リアクトル(5a)を接続し、
T相入力と交流電源T相との間にT相連系リアクトル(5b)を接続し、
U相出力と三相負荷(2)との間にU相フィルタリアクトル(6a)を接続し、
W相出力と三相負荷(2)との間にW相フィルタリアクトル(6b)を接続し、
前記共通レグ(10)のS相入力兼V相出力には、連系リアクトル及びフィルタリアクトルの機能を兼用した協調リアクトル(7)を接続してなることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項9】
請求項8記載の電力変換制御装置であって、
前記協調リアクトル(7)により、三相交流電源(1)の中性点と負荷側出力の中性点とを同電位とすることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、さらに、
前記電源側コンバータ回路(40)及び負荷側インバータ回路(50)の制御を行う制御部を備え、
前記制御部が、
前記電源側コンバータ回路(40)の並列補償制御を行うコンバータ制御部と、
前記負荷側インバータ回路(50)の直列補償制御を行うインバータ制御部と、
を備えることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項11】
請求項10記載の電力変換制御装置であって、
前記負荷側インバータ回路(50)が、前記制御部から誤差量を成分毎に演算して得られた有効電流指令、無効電流指令に上限値を設定する電流制限機能を有することを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の電力変換制御装置であって、さらに、
前記電源側コンバータ回路(40)及び負荷側インバータ回路(50)の制御で使用される有効成分電流と無効成分電流に変換する直交二軸変換部を備えることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の電力変換制御装置であって、さらに、
三相負荷(2)に並列接続されたフィルタコンデンサ(13)と、
前記フィルタコンデンサ(13)の交流電圧を検出するための交流電圧検出器(17)と、
前記電圧検出器で検出された前記フィルタコンデンサ(13)の交流電圧値を用いて有効成分電流と無効成分電流の指令値を演算する二軸電流設定部と、
を備えることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の電力変換制御装置であって、さらに、
前記コンバータ制御部にて、前記直交二軸変換部が出力する2つの成分電流である有効成分電流と無効成分電流と、前記二軸電流設定部が決定する2つの設定値とを入力し、それらの誤差量を成分毎に演算して前記電源側コンバータ回路(40)の振幅指令値を成分毎に出力する二軸電流調節部と、
振幅指令値に基づいて前記電源側コンバータ回路(40)をPWM制御するPWM信号を発生するPWM信号発生部と、
交流電源(1)の周波数を、無効成分電流に対する振幅指令値、又は前記電源側コンバータ回路(40)の出力電圧から得られる前記振幅指令値に対応する値を零に導く値に推定する周波数演算部(27)と、
前記周波数演算部(27)の出力を積分して位相角を決定する積分演算部(28)と、
を備え、
位相角に基づいて前記直交二軸変換部で直交二軸電流変換を行い、
前記PWM信号発生部で前記振幅指令値のPWMスイッチング信号変換を行うことを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項15】
請求項14記載の電力変換制御装置であって、
前記周波数演算部(27)は、振幅指令値を入力として、有効成分電流に対する振幅指令値を用いて交流電源(1)の周波数を推定することを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項16】
請求項15記載の電力変換制御装置であって、
前記周波数演算部(27)は、前記電源側コンバータ回路(40)の入力電流を直交座標変換して、有効成分電流に対する振幅指令値を用いて交流電源(1)の周波数を推定することを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、
前記二軸電流設定部は、設定値の決定に前記周波数演算部(27)が出力する交流電源(1)の周波数を用いる手段を含むことを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項18】
請求項12〜16のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、
前記二軸有効電流設定部は、設定値の決定に前記負荷側インバータ回路(50)の直流側電圧値を用いる手段を含むことを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、
交流電源(1)は、商用電源であることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、
交流電源(1)は、交流発電機であることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一に記載の電力変換制御装置であって、
前記スイッチング素子が、FET又はIGBTで構成されてなることを特徴とする電力変換制御装置。
【請求項22】
請求項12〜21のいずれか一に記載の電力変換制御装置の並列補償を行うコンバータ制御回路であって、
前記二軸電流設定部の力率を任意に設定するために、無効電流の設定値を調整可能としてなることを特徴とするコンバータ制御回路。
【請求項23】
請求項22に記載のコンバータ制御回路であって、
前記二軸電流設定部の無効電流の設定値を、前記負荷側インバータ回路(50)の出力の力率が1となる値に設定することを特徴とするコンバータ制御回路。
【請求項24】
R相、S相、T相の三相の交流電源(1)と、該交流電源(1)で駆動される三相負荷(2)の間に接続され、入力側に接続された該交流電源(1)の交流電力を補償して、U相、V相、W相として出力する電力変換制御方法であって、
逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるR相レグ(8)、T相レグ(9)、共通レグ(10)、U相レグ(11)、W相レグ(12)の内、
前記R相レグ(8)の直列接続点に、該交流電源(1)のR相を入力し、前記T相レグ(9)の直列接続点に、T相を入力し、前記共通レグ(10)の直列接続点に、S相を入力した状態で、前記R相レグ(8)と前記T相レグ(9)で構成される電源側コンバータ回路(40)により、交流電源(1)のR相、S相、T相の電源系統との並列接続により高調波電流補償制御を行う工程と、
前記U相レグ(11)の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ(12)の直列接続点を、W相出力とし、前記共通レグ(10)の直列接続点を、前記S相入力兼V相出力として、前記U相レグ(11)と前記W相レグ(12)で構成される負荷側インバータ回路(50)により、該三相負荷(2)との接続をV結線方式とした、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより高調波電圧補償制御を行う工程と、
を含むことを特徴とする電力変換制御方法。
【請求項25】
請求項24に記載の電力変換制御方法であって、
前記共通レグ(10)が、前記電源側コンバータ回路(40)で直交二軸逆変換されるS相成分と、前記負荷側インバータ回路(50)で直交二軸逆変換されるV相成分を加算演算した信号を、PWMスイッチング信号により変換して制御を行うことにより、直並列補償動作の協調制御を行うよう機能させてなることを特徴とする電力変換制御方法。
【請求項26】
R相、S相、T相の三相の交流電源(1)と、該交流電源(1)で駆動される三相負荷(2)の間に接続され、入力側に接続された該交流電源(1)の交流電力を補償して、U相、V相、W相として出力する電力変換制御プログラムであって、
逆導通機能を有する2つのスイッチング素子を、直列接続点を介して直列にそれぞれ接続してなるR相レグ(8)、T相レグ(9)、共通レグ(10)、U相レグ(11)、W相レグ(12)の内、
前記R相レグ(8)の直列接続点に、該交流電源(1)のR相を入力し、前記T相レグ(9)の直列接続点に、T相を入力し、前記共通レグ(10)の直列接続点に、S相を入力した状態で、前記R相レグ(8)と前記T相レグ(9)で構成される電源側コンバータ回路(40)により、該R相入力及びT相入力の高調波電流補償制御を行う機能と、
前記U相レグ(11)の直列接続点を、U相出力とし、前記W相レグ(12)の直列接続点を、W相出力とし、前記共通レグ(10)の直列接続点を、前記S相入力兼V相出力として、前記U相レグ(11)と前記W相レグ(12)で構成される負荷側インバータ回路(50)により、該三相負荷(2)との接続をV結線方式とした、R相とU相間及びT相とW相間の2相の制御を行うことにより高調波電圧補償制御を行う機能と、
をコンピュータにより実現させることを特徴とする電力変換制御プログラム。
【請求項27】
請求項26に記載の電力変換制御プログラムであって、
前記共通レグ(10)が、前記電源側コンバータ回路(40)で直交二軸逆変換されるS相成分と、前記負荷側インバータ回路(50)で直交二軸逆変換されるV相成分を加算演算した信号を、PWMスイッチング信号により変換して制御を行うことにより、直並列補償動作の協調制御を行うよう機能させてなることを特徴とする電力変換制御プログラム。
【請求項28】
請求項26又は27に記載のプログラムを格納した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−172387(P2011−172387A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34109(P2010−34109)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者:平成21年度電気関係学会四国支部連合大会実行委員会 刊行物名:平成21年度電気関係学会四国支部連合大会講演論文集 発行年月日:平成21年9月15日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発・要素技術開発・レアアースレス電動機に適用可能なセンサレス制御に関する研究開発委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304020292)国立大学法人徳島大学 (307)
【Fターム(参考)】