説明

電力変換装置及び電力変換システム

【課題】スイッチングアームの中点と接地ラインとの浮遊容量が高周波漏れ電流の主要経路にならない場合でも他の浮遊容量によるコモンモード成分を効果的に低減した電力変換装置を提供する。
【解決手段】1以上のスイッチング素子を1アームとして2アームを直列に接続したスイッチングアームを複数例並列に接続し、少なくとも2列のスイッチングアームの各中点間に交流電源を接続した電力変換装置であって、前記複数列のスイッチングアームのうち、前記中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有し、当該スイッチングアームを制御するための制御回路が絶縁回路を介して接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力変換装置及び電力変換システムに関し、特に電力変換装置における主回路部と制御回路部との絶縁構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置には、例えばコンバータやインバータ、あるいは無停電電源装置など種々のものがある。この電力変換の主要部分はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のトランジスタに代表されるスイッチング素子である。回路を断続するスイッチング素子を含む電力変換装置としては、CISPR(国際無線障害特別委員会)やVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)にて規制の対象になっているようにノイズの発生が避けられない。ノイズとしては、電圧・電流リプルをノイズ源とするノーマルモード成分の他、大地(接地ライン)との浮遊容量を介して流れる高周波漏れ電流をノイズ源とするコモンモード成分に分類される。殊に、コモンモード成分は、最近要請されている高速スイッチングに伴うノイズとしては支配的な存在であり、伝導ノイズ及び放射ノイズの障害防止のためには、低減すべきものである。
【0003】
図8は、電力変換装置の具体例としての三相モータの速度制御システムを示しており、同時に汎用インバータの雑音端子電圧測定システムを図示する。この図8に示す構成は、三相電源1、インピーダンス整合のための擬似電源回路網(LISNという)2、ダイオード整流器3、平滑コンデンサ4、スイッチング素子であるIGBTとそれと逆並列接続されたダイオードとを1アームとして2アームを直列に接続したスイッチングアームを三相分3列備えた汎用インバータ5、汎用インバータ5の各スイッチングアームの中点から導出されるケーブル6、このケーブル6に接続されてスイッチング素子のスイッチングにて駆動電流を制御して速度制御が行われる三相モータ7を備え、更にLISN2内の各相ラインから接地ラインに接続した抵抗素子の端子電圧を取得するスペクトラムアナライザ(妨害波強度計)8を備える。
【0004】
ノイズのコモンモード成分の原因となる浮遊容量としては、主に、スイッチングアームの中点と接地ラインとの浮遊容量、この浮遊容量と並列なケーブル6と接地ラインとの浮遊容量並びに三相モータ7の巻線とモータフレーム(接地ラインと接続される)との浮遊容量がある。そして、これら浮遊容量からなる経路が高周波漏れ電流の主要経路となり、雑音端子電圧測定システムとしては、接地ラインを経由したこの漏れ電流による端子電圧をスペクトラムアナライザ8にて取り出し雑音を測定・評価するものである。
【0005】
この図8に示す三相モータの速度制御システムに例示される高周波漏れ電流の電流経路の等価回路としては、図9に示すようなコモンモード成分等価回路にて表示することができる。図9では、中性点電位変動E(V)、漏れ電流経路のインダクタンスL(H)、漏れ電流経路の抵抗分R(Ω)、浮遊容量C(F)の直列回路として簡略して表示する。ここで、この図9の高周波漏れ電流は、システムや装置内部での浮遊容量を介して接地ラインを流れる電流として定義付けされ得る。そして、この浮遊容量は、スイッチングアームの中点と接地ラインからなる浮遊容量が支配的であり、図9中の高周波の電位変動Eが印加される浮遊容量となっている。したがって、この浮遊容量に流れる高周波漏れ電流を低減することで、ノイズのコモンモード成分の伝導ノイズを低減することができる。なお、放射ノイズは伝導ノイズの流れにて発生するものであるので、伝導ノイズの低減は、放射ノイズの低減にもつながる。
【0006】
従来、上記浮遊容量に流れるコモンモード成分のノイズ低減の方策として、特許文献1には、スイッチングアームの中点に三相一括短絡回路を接続してインバータ出力の3相を短絡し、この短絡点を電位固定回路にて固定することで中性点の電位変動を低く固定しノイズを低減するものが開示されている。
また、特許文献2には、モータフレームと接地ラインとの間、電力変換器の冷却フィンと接地ラインとの間、ACリアクトルと接地ラインとの間、それぞれにダンピングインピーダンスを挿入して、ノイズ電流を抑制するものが開示されている。
【0007】
更に、特許文献3には、電源の次段にコモンモードトランスを介在させ、この2次巻線とコンデンサとの共振周波数をコモンモード成分の周波数帯域に設定して、ノイズを抑制するものが開示されている。
非特許文献1には、インバータの中点各相にリアクトルであるコモンモードチョークを接続してノイズピークの抑制を図ることが開示されている。
【特許文献1】特開2004−222421号公報
【特許文献2】特開2006−25467号公報
【特許文献3】特開2006−136058号公報
【非特許文献1】「電圧形PWMインバータが発生する高周波漏れ電流のモデリングと理論解析」小笠原・藤田・赤木、電学論D,115巻1号77−83頁、平成7年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の文献にも開示されているようにコモンモード成分のノイズ低減のための方策は、主にスイッチングアームの中点と接地ラインとの間の浮遊容量に着目してこれに流れる高周波漏れ電流を抑制しようとするものである。
ここで、今までの高周波漏れ電流の主要経路となる浮遊容量は、前述したように主にスイッチングアームの中点と接地ラインとの間の浮遊容量(この浮遊容量と並列なケーブルと接地ラインとの浮遊容量並びに三相モータの巻線と接地ライン(モータフレーム)との浮遊容量も含む)であり、この浮遊容量が高周波漏れ電流の主要な経路とされてきた。他の個所にも浮遊容量は存在するものの、高周波の電位変動が印加されないことから、主要な漏れ電流経路にはならないとされている。
【0009】
このため、上記従来例では、電力変換装置を構成する各スイッチングアームの中点と接地ラインとの間の浮遊容量に流れる高周波漏れ電流を抑制するために、インバータの出力側に出力短絡回路とこの出力短絡回路の電位を固定する電位固定回路とを接続してモータ地気を整定の電位変動を抑制したり(特許文献1)、モータフレーム、電力変換機の冷却フィン及びACリアクトルとアースとの間にそれぞれダンピングインピーダンスを挿入したり(特許文献2)、電源とコンバータとの間に介装したコモンモードトランスの2次巻線とコンデンサとから形成されるLC並列共振回路の共振周波数をコモンモードノイズの周波数帯域に設定したり(特許文献3)、インバータの出力側にコモンモードチョークとLCフィルタを介して誘導電動機を接続し、LCフィルタのフィルタコンデンサの中性点をコンデンサを介してインバータの直流側(N側)に接続したりしている(非特許文献1)。
【0010】
しかしながら、上記各従来例では、上述したように、漏れ電流の主要経路が、スイッチングアームの中点と接地ラインとの間の浮遊容量に流れる高周波漏れ電流であることに着目しているので、電力変換装置が前述した図8に示すように各スイッチングアームの中点と接地ラインとの間の浮遊容量を通じて高周波漏れ電流が流れる回路構成である場合には効果的であるが、主要な漏れ電流経路が上記とは異なり、特定のスイッチングアームで中点と接地ラインとの間の浮遊容量以外の浮遊容量が主要な漏れ電流経路となる場合には適用することができない場合や効果的ではない場合がある(特許文献1および特許文献2、非特許文献1)という未解決の課題がある。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、スイッチングアームの中点と接地ラインとの浮遊容量が高周波漏れ電流の主要経路にならず、特定のスイッチングアームで中点と接地ラインとの浮遊容量以外の浮遊容量が主要な漏れ電流経路となる場合に高周波ノイズのコモンモード成分を効果的に低減した電力変換装置、電力変換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1による電力変換装置は、1以上のスイッチング素子を1アームとして2アームを直列に接続したスイッチングアームを複数例並列に接続し、少なくとも2列のスイッチングアームの各中点間に交流電源を接続した電力変換装置であって、前記複数列のスイッチングアームのうち、前記中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有し、当該スイッチングアームを制御するための制御回路が絶縁回路を介して接続されたことを特徴とする。
【0013】
中点に接続されるインピーダンスが相対に小さいスイッチングアームでは、その中点と接地ラインとの間に生じる浮遊容量以外の浮遊容量が主要な洩れ電流経路となる。このため、主要な洩れ電流経路となるスイッチングアームにおけるスイッチング素子についての制御回路とを絶縁することにより、制御回路とアースとの間の浮遊容量が、高周波漏れ電流経路となることを防止でき、アース線を流れる伝導ノイズなどを低減できる。
【0014】
本発明の請求項2による電力変換装置は、請求項1において、前記絶縁回路は、前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御部に制御電源を供給する絶縁トランスと、前記スイッチング部に対する制御信号を供給するフォトカプラとを備えていることを特徴とする。絶縁トランス及びフォトカプラを利用することで電源系統及び制御信号系統の双方で絶縁状態を確保することができ、制御回路とアースとの間の浮遊容量が、高周波漏れ電流経路となることを防止でき、アース線を流れる伝導ノイズなどを低減できる。
【0015】
本発明の請求項3による電力変換システムは、1以上のスイッチング素子を1アームとして2アームを直列に接続したスイッチングアームを複数例並列に接続し、少なくとも2列のスイッチングアームの各中点間に交流電源を接続した第1の電力変換装置と、蓄電装置からの電力を電力変換して前記スイッチングアームの両端に供給する第2の電力変換装置とを有する電力変換システムであって、前記複数列のスイッチングアームは、前記中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有し、前記第2の電力変換装置は、少なくとも1つのスイッチング素子を含んで構成され、前記第2の電力変換装置のスイッチング素子を制御する制御回路が、絶縁回路を介して接続されていることを特徴とする。
【0016】
複数列のスイッチングアームが、中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有する場合には、高周波電位変動がスイッチングアームの両端に接続される正極ライン及び負極ラインに波及することから、スイッチングアームの中点と接地ラインとの間の浮遊容量が高周波漏れ電流の主要経路とはならず、他の浮遊容量によって高周波漏れ電流の主要経路が形成されることになり、スイッチングアームの両端に接続される第2の電力変換装置についてもスイッチング素子の制御回路を絶縁することにより、第2の電力変換装置とアースとの間の浮遊容量が高周波漏れ電流の経路となることを防止して、アース線を流れる伝導ノイズなどを低減できる。
【0017】
本発明の請求項4による電力変換システムは、請求項3において、前記絶縁回路は、前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御部に制御電源を供給する絶縁トランスと、前記スイッチング部に対する制御信号を供給するフォトカプラとを有することを特徴とする。絶縁トランス及びフォトカプラを利用することで電源系統及び制御信号系統の双方で絶縁状態を確保することができ、制御回路とアースとの間の浮遊容量が、高周波漏れ電流経路となることを防止でき、アース線を流れる伝導ノイズなどを低減できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電力変換装置が、複数列のスイッチングアームが、中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有する場合に、電力変換装置に含まれるスイッチング素子についての制御回路を絶縁する構成を採用することで、スイッチングアームの中点と接地ラインとの間を高周波漏れ電流の主要な経路とせず、他の浮遊容量を高周波漏れ電流の主要な経路となる場合に、制御回路とアースとの間の浮遊容量が、高周波漏れ電流経路となることを防止でき、アース線を流れる伝導ノイズなどを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(第1の実施形態)
図1は、電力変換装置として単相PWM(Pulse Width Modulation)コンバータを例示した回路図である。この回路図を用いて本発明者が見出したスイッチングアームの中点と接地ラインとの浮遊容量が高周波漏れ電流の主要経路にならない場合について述べる。まずは、図1の回路について述べる。
【0020】
図1において、単相の交流電源10から出力される単相交流電力がインピーダンス整合のための疑似電源回路網(以下、LISNと称す)11に供給されている。このLISN11の出力側のR相はノーマルリアクトル12を介して単相PWMコンバータ13に接続され、またS相は直接単相PWMコンバータ13に接続されている。
単相PWMコンバータ13は、2列のスイッチングアームSA1及びSA2を有し、各列のスイッチングアームSA1及びSA2の中点にLISN11のR相ライン及びS相ラインがそれぞれ接続されている。
【0021】
スイッチングアームSA1は、直列に接続された例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成されるスイッチング素子S1及びS2と、各スイッチング素子S1及びS2に個別に逆並列接続されたダイオードD1及びD2とで構成されている。
同様に、スイッチングアームSA2も、直列に接続された例えばIGBTで構成されるスイッチング素子S3及びS4と、各スイッチング素子S3及びS4に個別に逆並列に接続されたダイオードD3及びD4とで構成されている。
【0022】
そして、スイッチングアームSA1のスイッチング素子S1及びS2の中点にLISN11のR相がノーマルリアクトル12を介して接続され、スイッチングアームSA2のスイッチング素子S3及びS4の中点がLISN11のS相に接続されている。また、スイッチングアームSA1及びSA2のスイッチング素子S1及びS3のコレクタが正極ラインPに接続され、スイッチングアームSA1及びSA2のスイッチング素子S2及びS4のエミッタが負極ラインNに接続されている。そして、出力側の正極ラインP及び負極ラインN間に平滑用コンデンサCdcが接続されている。
【0023】
この単相PWMコンバータ13では、各スイッチングアームSA1及びSA2を構成する各スイッチング素子S1〜S4を入力される交流電力に応じて同一スイッチングアームSA1及びSA2のスイッチング素子S1,S2及びS3,S4が同時にオン状態とならないようにPWM制御によるオンオフ制御を行なうことにより正極ラインP及び負極ラインNに直流電力を出力する。なお、この回路では、単相PWMコンバータ13の負荷側から電源側への電力の回生についても電力変換を行なうことができる。
【0024】
このような図1に示す回路において、高速スイッチングに基づく高周波漏れ電流の主要経路について述べる。スイッチング素子S1及びS2(スイッチングアームSA1)でのスイッチングにより浮遊容量を通って流れる高周波漏れ電流は、このスイッチングによるスイッチングアーム中点の電位変動によって引き起こされる。従って、この電位変動を抑制できれば浮遊容量を充放電する高周波漏れ電流は低減できることになる。これは、図8に示した従来技術の高周波漏れ電流の流出原理である。
【0025】
しかしながら、R相ラインに接続されるスイッチングアームSA1のスイッチングとS相ラインに接続されるスイッチングアームSA2のスイッチングとは、回路構成上ノーマルリアクトル12の有無が異なっており、この有無によりスイッチングアームSA1及びSA2の中点の電位変動が異なる。これのため、スイッチングアームSA1がスイッチングした際に流れる高周波漏れ電流経路とスイッチングアームSA2がスイッチングした際に流れる高周波漏れ電流経路が異なることになる。
【0026】
以下、それぞれについて詳細に説明する。
(R相ラインに接続されるスイッチングアームのスイッチング)
スイッチング素子S1またはS2のスイッチングで発生する高周波漏れ電流は、スイッチングアームSA1中点と接地ラインとの浮遊容量Cs2を通って流れる。すなわち、接地ラインの電位はLISN11内部の回路構成上R相電位及びS相電位の中性点の電位であり、このためR相電位及びS相電位にスイッチングによる高周波電位変動が生じてもそれは大きなものではない。しかも、R相にスイッチングにて高周波電位変動が生じてもこの電位変動についてはノーマルリアクトル12と浮遊容量Cs2とで電圧分担が行われる。従って、この分担された電位変動は、浮遊容量Cs2のみを充放電しこれを介して高周波漏れ電流となって接地ラインに流れる。この点、スイッチングアームの中点と接地ラインとの浮遊容量が高周波漏れ電流の主要経路となることは図8の場合と同じである。
【0027】
(S相ラインに接続されるスイッチングアームのスイッチング)
スイッチング素子S3、S4のスイッチングによって発生する高周波漏れ電流については、次のようになる。前述したように接地ラインの電位はLISN11内部の回路構成上R相電位及びS相電位の中性点の電位であり、このためR相電位及びS相電位にスイッチングによる高周波電位変動が生じても大きなものではない。すなわち、スイッチング素子S3、S4からなるスイッチングアームSA2の中点電位は、安定電位となるS相電位であり大きな電位変動は生ずることなく浮遊容量Cs4には大きな高周波漏れ電流は生じない。
【0028】
ところが、スイッチング素子S3、S4からなるスイッチングアームSA2と正極ラインP及び負極ラインNとを含むブロック全体を見るとき、大きな電位変動が生ずる。この場合、正極ラインP及び負極ラインN間の電位変動は、平滑用コンデンサCdcの端子間電圧でなる直流中間電圧Vcdcに相当する。すなわち、次のような動作となる。
<S3オン、S4オフの場合>
正極ラインPの電位変動はS相電位であり、Nラインの電位変動はS相電位−直流中間電圧Vcdcである。
<S3オフ、S4オンの場合>
正極ラインPの電位変動はS相電位+直流中間電圧Vcdcであり、負極ラインNの電位変動はS相電位である。
【0029】
従って、スイッチングアームSA2の中点の電位は、スイッチング状態により正極ラインPか負極ラインNの電位となり、電位変動は、直流中間電圧Vcdcになる。
この結果、スイッチング素子S1、S2のスイッチングアームSA1がスイッチングした場合には、前述のように高周波電位変動に基づく高周波漏れ電流は浮遊容量Cs2を主要回路として流れるのに対し、スイッチング素子S3、S4のスイッチングアームSA2がスイッチングした場合には、高周波電位変動が正極ラインP及び負極ラインNに波及し、浮遊容量Cs4以外のたとえばスイッチング素子S1、S3のコレクタと接地ラインとの浮遊容量Cs1、Cs3等、全てのスイッチング素子と接地ラインEとの浮遊容量を主要経路とする高周波漏れ電流が流れる(ここで、スイッチング素子S1及びS2で構成されるスイッチングアームSA1の中点電位は常に正極ラインPまたは負極ラインNに接続されることからこの中点と接地ラインEとの間に生じる浮遊容量Cs2も高周波漏れ電流経路となる)。
【0030】
従って、スイッチングアームSA2の中点と接地ラインとの浮遊容量が高周波漏れ電流の主要経路にならない場合でも、他の浮遊容量によって高周波漏れ電流の主要経路が形成されることとなり、この他の浮遊容量を介して最も大きな高周波漏れ電流が流れることになる。
また、図1の負極ラインNは、一般に制御回路の基準電位と等しくなる場合が多い。このときには、制御回路の配線と接地ラインEとの間の浮遊容量も高周波漏れ電流の主要経路となり、多くの回路構成やプリントパターンがコモンモード成分の影響を受けることになる。
【0031】
図2は、単相無停電電源装置のコンバータ及びインバータを取り出して例示したものである。この図2において、(a)、(b)、(c)は、それぞれフィルタとなるリアクトルL1〜L3の設置位置が異なる例を示している。なお、図1の例からも判明するが、図1でもR相ラインのみならずS相ラインにもノーマルリアクトルを介装することにより、他の浮遊容量による高周波漏れ電流の防止対策も普通考えるところである。しかし、実際問題として大型のノーマルリアクトルを複数設置することは、電力変換装置の嵩が大きなものとなって装置の小型化に逆行する。このためになるべくリアクトルを少なくしようとすると、上述のように他の浮遊容量によって高周波漏れ電流の主要経路が形成されるという問題が顕在化する。その点、図2の例示も同じであり、図2(a)〜(c)は少なくとも1つのスイッチングアームがリアクトル(すなわちインピーダンス素子)を接続せず相対的にインピーダンスが小さいスイッチングアームとなるものである。
【0032】
図2(a)〜(c)において、単相電源20にはLISN21が接続され、LISN21のR相ラインはコンバータ22に接続されている。このコンバータ22は、スイッチング素子S1、S2とこれに逆並列接続されたダイオードD1,D2からなるスイッチングアームSA1及びスイッチング素子S5、S6とこれと逆並列接続されたダイオードD5,D6からなるスイッチングアームSA3がそれぞれ中点を中心に上下に2個直列に接続された2列のスイッチングアームからなる構造である。そして、R相ライン及びS相ラインはこのスイッチングアームSA1及びSA2の中点に接続されている。また、このコンバータ22内には平滑コンデンサCdcが備えられている。
【0033】
コンバータ22の次段には、インバータ23が配置される。このインバータ23では、スイッチング素子S5、S6とこれと逆並列接続されたダイオードD5,D6からなるアームがそれぞれ中点を中心に上下に2個直列に接続されたスイッチングアームSA3をコンバータ22と共用している。すなわち、このインバータ23は2列のスイッチングアームSA3及びSA4を有し、各スイッチングアームSA3及びSA4にはスイッチング素子S5,S6及びS7,S8とこれに逆並列接続されたダイオードD5,D6及びD7,D8とからなるアームが中点を中心に上下に2個直列に接続されている。ここで、インバータ23の出力側のスイッチングアームSA4の中点は負荷24に接続されている。また、この回路にはコンバータ22の入力側及びインバータ23の出力側それぞれにR相及びS相間にフィルタとなるコンデンサC1、C2が備えられている。
【0034】
更に、図2(a)において、コンバータ22の入力側スイッチングアームSA1の中点、及びインバータ23の出力側スイッチングアームSA4の中点にはそれぞれリアクトルL1、L3が備えられ、コンバータ22及びインバータ23の共用スイッチングアームSA3の中点は直接S相ラインに直結されている。また、図2(b)において、共用スイッチングアームSA3の中点とS相ラインとはリアクトルL2を介して接続され、インバータ23の出力側スイッチングアームSA4の中点にはリアクトルL3が備えられる。更に、図2(c)において、コンバータ22の入力側スイッチングアームSA1の中点にはリアクトルL1が備えられ、共用スイッチングアームSA3の中点とS相ラインとはリアクトルL2を介して接続されている。
【0035】
従って、この図2(a)〜図2(c)の各回路には、それぞれリアクトルに接続されないスイッチングアームすなわち接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームの中点が存在することになる。そして、そのリアクトルすなわちインピーダンス素子が接続されないスイッチングアームの中点は、電気的には図1に示すコンバータ13のスイッチング素子S3、S4のスイッチングアームSA2の中点と同様の電圧変動が生ずる中点となる。
【0036】
すなわち、図2(a)では、スイッチング素子S5、S6を有するスイッチングアームSA3のスイッチングにより、図2(b)では、スイッチング素子S1、S2を有するスイッチングアームSA1のスイッチングにより、図2(c)では、スイッチング素子S7、S8を有するスイッチングアームSA4のスイッチングにより、それぞれのスイッチングアームの中点と接地ラインEとの間に形成される浮遊容量が主要経路とならないような最も大きな高周波漏れ電流が流れる。
【0037】
前述したように、図1の負極ラインNは、一般に、制御回路の基準電位と等しくなる場合が多い。これは、負極ラインNを制御電源の基準電位と同一とすることで、図1中の下アームのスイッチング素子S2、S4を、絶縁することなく駆動できるためである。このように負極ラインNと制御電源の基準電位を等しくするのは、できる限り簡単な回路構成で所望の動作を実現するような場合には特に多く用いられている。本特許で説明した、図2に示すようなコンバータ部とインバータ部を共用アームを用いて実現するような回路構成が、特にこれに相当する。
しかしながら、この場合、制御回路部(プリントパターンやスイッチング素子、受動素子を含むすべて)とアースとの間の浮遊容量すべてが高周波漏れ電流の主要経路となることから、大幅に伝導ノイズが増加する。
【0038】
そこで、本発明では、図3に示すように制御回路部30と電力変換装置としての単相PWMコンバータ13とを、絶縁回路を介して接続する。この絶縁回路は、例えば、電源電力に対しては絶縁トランスによって絶縁し、制御信号に対してはフォトカプラによって絶縁した構成を採用する。すなわち、図3のように、絶縁トランス33及びフォトカプラ31を介して、少なくとも接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアーム(図1の場合SA2、図2(a)の場合SA3、図2(b)の場合SA1、図2(c)の場合SA4)の上側のスイッチング素子Si(i=3、5、1、7)を駆動する構成を採用する。
【0039】
この場合、制御電源32の出力電圧を絶縁トランス33の二次側に伝達し、二次側の整流ダイオード34a及び平滑コンデンサ35a、整流ダイオード34b及び平滑コンデンサ35bによって、それぞれ整流する。整流ダイオード34a及び平滑コンデンサ35aによる整流出力は、スイッチング素子S1を駆動するコンプリメンタリ接続され、且つ中点がスイッチング素子S1のゲートに接続されたトランジスタTr1及びTr2に印加される。
【0040】
一方、整流ダイオード34b及び平滑コンデンサ35bによる整流出力は、電源としてCPU36に印加される。CPU36は、スイッチング素子S1のオンオフタイミングを決定する機能を有している。このCPU36の出力は、抵抗37を介してフォトカプラ31の発光側に入力される。フォトカプラ31の受光側は、トランジスタTr1及びTr2のベースに接続されている。
【0041】
このような構成によれば、CPU36の制御により、フォトカプラ31を介してトランジスタTr1及びTr2のオンオフ状態が制御され、その結果スイッチング素子S1が駆動される。なお、スイッチングアーム(図1の場合SA2、図2(a)の場合SA3、図2(b)の場合SA1、図2(c)の場合SA4)の下側のスイッチング素子Sj(j=4、6、2、8)についても同様の構成によって、絶縁トランス及びフォトカプラを介して駆動される。
【0042】
ところで、従来技術においては、主回路部の負極ラインNの電位と、制御電源の負極ラインMの電位とが同一であり、駆動信号と制御電源とを非絶縁でスイッチングアームの上側及び下側のスイッチング素子が駆動されることになる。これに対し、本発明では、負極ラインNと負極ラインMとを同電位にせず、スイッチングアームの上側のスイッチング素子Si及び下側のスイッチング素子Sjも同様に、絶縁トランス及びフォトカプラ(図示せず)を介して駆動される。その他の図示せぬスイッチングアームについても、上側及び下側のスイッチング素子が、絶縁トランス及びフォトカプラ(図示せず)を介して駆動される。
【0043】
なお、同図のようにフォトカプラを用いる構成に限らず、パルストランスを用いる構成等を採用してもよい。また、正極ラインPと負極ラインNとの間の電圧Vdcを検出する電圧検出部を設ける場合は、それについても絶縁が必要となる。負極ラインNと負極ラインMとが同電位の場合は分圧抵抗によって電圧Vdcを検出することができるが、本発明のように負極ラインNと負極ラインMとが同電位でない場合は、トランス、フォトカプラなどを含む絶縁回路を有する電圧検出器が必要となる。
【0044】
以上のように本発明では、電力変換装置が、中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有する場合に、電力変換装置とそれに含まれるスイッチング素子についての制御回路部とが絶縁回路を介して接続されている。このように、電力変換装置と制御回路部とを絶縁する構成を採用することで、制御回路部とアースとの間に形成される浮遊容量が、高周波漏れ電流経路となることを確実に防止できる。これにより、アース線を流れる伝導ノイズを低減できる。なお、絶縁回路が追加されることからコストアップとなるものの、高周波漏れ電流を低減できるために、ノイズ対策部品を簡略化できるメリットがある。
【0045】
(第2の実施形態)
図1や図2に示す回路構成において、スイッチングアームSA1〜SA4の両端電圧(P−N間の電圧)を確保するのに、PWMコンバータ13又は22と並列にバッテリ等の蓄電装置から供給するモードを持つ電力変換装置を接続する構成が知られている。その代表的な装置は、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply)である。
ここで、一般的に、バッテリ等の蓄電装置の蓄電電圧と正極ラインP及び負極ラインN間の電圧とは値が異なる。すなわち、バッテリ等の蓄電装置の出力電圧値よりも正極ラインP及び負極ラインN間の電圧値の方が高い。このため、バッテリ等の蓄電装置と図1、図2の電力変換装置との間に、変圧機能を持つ第2の電力変換装置が追加される。
すなわち、図4に示すように、前述した第1の実施形態における図1の構成において、単相PWMコンバータ13の出力側にバッテリ等の蓄電装置39に接続された第2の電力変換装置40が並列に接続されている。
【0046】
この第2の電力変換装置40の主回路構成は種々考えられる。例えば、図5(a)、(b)に示すように、トランスを含む回路構成が考えられる。図5(a)を参照すると、第2の電力変換装置40は、バッテリなどの蓄電装置による直流電源39によって充電されるコンデンサ41と、直流電源39の出力を二次側に伝達するトランス42と、トランス42に直列に接続されたトランジスタ及びそれと逆並列接続されたダイオードDからなるスイッチング素子Sと、トランス42の二次側に接続された整流ダイオード43と、平滑コンデンサ44とを含んで構成されている。そして、平滑コンデンサ44の両端が単相PWMコンバータ13の出力側の正極ラインP、負極ラインNに接続される。
【0047】
また、図5(b)を参照すると、第2の電力変換装置40は、電池などによる直流電源39によって充電されるコンデンサ41と、スイッチング素子SA、SB、SC及びSDとこれらに逆並列接続されたダイオードDA、DB、DC及びDDによって構成されるトランジスタブリッジTBと、スイッチング素子SA及びSBの接続点とスイッチング素子SC及びSDの接続点に接続されたトランス42と、トランス42の二次側に接続されたダイオードブリッジ45とを含んで構成されている。そして、ダイオードブリッジ45の両端が図1中の単相PWMコンバータ13の出力側の正極ラインP、負極ラインNに接続される。
【0048】
ここで、図5(a)、(b)に示す第2の電力変換装置40にもスイッチング素子が含まれている。このとき、図5(a)、(b)中の負極ラインN′と、第1の電力変換装置(図1、図2)に接続される負極ラインNとは、制御回路を介して同電位となる場合が多い。
これは、図5の第2の電力変換装置40に含まれているトランス42が、絶縁を目的としたものではなく、変圧作用を目的としていることに起因し、制御回路と非絶縁で接続しスイッチング素子を駆動した方が、制御回路が簡単化でき、コストダウンできるためである。
しかしながら、このような構成とした場合、上述した制御回路とアースとの間の浮遊容量のみならず、第2の電力変換装置40とアースとの間の浮遊容量も、伝導ノイズ源となる高周波漏れ電流経路となり、大幅にノイズが増加する課題がある。
【0049】
これを解決するためには、図3を参照して上述したように、絶縁トランス及びフォトカプラによって絶縁した構成を採用する。すなわち、図6のように、フォトカプラ30を介して、図5(a)中のスイッチング素子Sを駆動する構成を採用する。図5(b)中の各スイッチング素子SA〜SDについても同様に、フォトカプラを介して、駆動する構成を採用する。つまり、絶縁回路を介して、第2の電力変換装置40とそれに含まれるスイッチング素子についての制御回路部とが接続されている。このように、第2の電力変換装置40と制御回路部30とを絶縁する構成を採用することで、第2の電力変換装置40の制御回路部30とアースとの間の浮遊容量が、高周波漏れ電流経路となることを防止できる。これにより、アース線を流れる伝導ノイズを低減できる。
【0050】
また、絶縁トランス42の1次−2次間には浮遊容量が存在することから、高周波領域においては絶縁されていない。しかしながらこの場合であっても、高周波漏れ電流経路となる浮遊容量は、大幅に低減できる。すなわち、高周波漏れ電流経路となる浮遊容量は、「トランスの1次−2次間浮遊容量と第2の電力変換装置とアースとの間の浮遊容量との直列回路」となり、一般にトランスの1次−2次間浮遊容量の方が小さいことから合成容量が小さくなるためである。
【0051】
なお、第2の実施形態においては、第1の電力変換装置となる単相PWMコンバータ13からの出力電圧の供給ができない状態となったときに、第2の電力変換装置40からの出力電圧によって、後段のインバータへの供給電圧を確保することができるものであるが、この場合、単相PWMコンバータ13の出力電圧から第2の電力変換装置40の出力電圧に切換える際の電圧変動を抑制するために、第2の電力変換装置40の出力電圧を調整する必要がある。このためには、図7に示すように、単相PWMコンバータ13の出力電圧を電圧検出器50で検出し、検出した電圧に基づいて第2の電力変換装置40のスイッチング素子S又はSA〜SDを制御する制御回路を構成するCPU36でトランジスタTr1及びTr2をPWM制御する周波数を制御する。
【0052】
このとき、電圧検出器50としては、図7に示すように、平滑用コンデンサCdcの出力側に接続した接続ラインP1及びN1間に分圧抵抗R1及びR2を接続するとともに、所定の直流電源Vccと接続ラインN1間に抵抗R3及び定電圧ダイオードZDの直列回路を接続し、分圧抵抗R1及びR2の接続中点と抵抗R3及び定電圧ダイオードZDの接続中点とを誤差アンプ51の入力側に接続し、この誤差アンプ51の出力側及び接続ラインN1間にフォトカプラ52の発光側を接続する構成とする。そして、フォトカプラ52の受光側を制御回路を構成するCPU36に接続する。
そして、CPU36で、電圧検出器50で検出した単相PWMコンバータ13の出力電圧と第2の電力変換装置40の出力電圧とが一致するようにスイッチング素子S又はDA〜DDを制御することにより、電源切換時に単相PWMコンバータ13から第2の電力変換装置40に切換えたときの電圧変動を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、電力変換装置が発生する伝導ノイズなどの対策に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態を説明するためのコンバータの概略構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態としての電力変換装置の概略構成を示す回路図である。
【図3】制御回路部と電力変換装置とを接続する絶縁回路の構成例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の概略構成を示す回路図である。
【図5】スイッチングアーム直列回路の両端電圧を確保するための第2の電力変換装置の構成例を示す図である。
【図6】制御回路部と第2の電力変換装置とを接続する絶縁回路の構成例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に電圧検出器を付加した回路図である。
【図8】モータの速度制御において雑音端子電圧測定システムを示す回路図である。
【図9】ノイズのコモンモード成分等価回路図である。
【符号の説明】
【0055】
1 三相電源
2 擬似電源回路網
3 ダイオード整流器
4 平滑コンデンサ
5 汎用インバータ
6 ケーブル
7 三相モータ
8 スペクトラムアナライザ
10 交流電源
12 ノーマルリアクトル
13、22 コンバータ
20 単相電源
23 インバータ
24 負荷
30 制御回路部
31 フォトカプラ
32 制御電源
33 トランス
34a、34b 整流ダイオード
35a、35b 平滑コンデンサ
36 CPU
37 抵抗
39 直流電源
40 第2の電力変換装置
41 コンデンサ
42 トランス
43 整流ダイオード
44 平滑コンデンサ
45 ダイオードブリッジ
L インダクタンス
L1〜L3 リアクトル
S、S1〜S8 、SA〜SC スイッチング素子
TB トランジスタブリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のスイッチング素子を1アームとして2アームを直列に接続したスイッチングアームを複数例並列に接続し、少なくとも2列のスイッチングアームの各中点間に交流電源を接続した電力変換装置であって、
前記複数列のスイッチングアームのうち、前記中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有し、当該スイッチングアームを制御するための制御回路が絶縁回路を介して接続されたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記絶縁回路は、前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御部に制御電源を供給する絶縁トランスと、前記スイッチング部に対する制御信号を供給するフォトカプラとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
1以上のスイッチング素子を1アームとして2アームを直列に接続したスイッチングアームを複数例並列に接続し、少なくとも2列のスイッチングアームの各中点間に交流電源を接続した第1の電力変換装置と、蓄電装置からの電力を電力変換して前記スイッチングアームの両端に供給する第2の電力変換装置とを有する電力変換システムであって、
前記複数列のスイッチングアームは、前記中点に接続されるインピーダンスが相対的に小さいスイッチングアームを有し、前記第2の電力変換装置は、少なくとも1つのスイッチング素子を含んで構成され、前記第2の電力変換装置のスイッチング素子を制御する制御回路が、絶縁回路を介して接続されていることを特徴とする電力変換システム。
【請求項4】
前記絶縁回路は、前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御部に制御電源を供給する絶縁トランスと、前記スイッチング部に対する制御信号を供給するフォトカプラとを有することを特徴とする請求項3に記載の電力変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−63284(P2010−63284A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227069(P2008−227069)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】