説明

電力特性を強化した電荷保存デバイス

本発明は、広義には、電力特性を強化した電荷保存デバイス(ECSD)に関するものである。より詳しくは、本発明は、コンデンサ、バッテリー、燃料電池およびその他の電荷保存デバイスのような種々の素子ないしはデバイスの電流密度、電圧定格、電力伝達特性、周波数応答および電荷保存密度を改善する技術に関する。例えば、本発明は、一態様として、滑らかな構造により導体の表面積を大きくすることによって導体間の距離を小さくし、かつ原子レベル、分子レベル、および巨視的レベルの作製技術を用いることにより実効誘電特性を改善したソリッドステートコンデンサおよび電解コンデンサを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2003年3月5日出願の米国仮特許出願第60/452,266号に基づく優先権を主張した出願である。
【0002】
(技術分野)
本発明は、広義には、電力特性を強化した電荷保存デバイス(ECSD)に関するものである。より詳しくは、本発明は、コンデンサ、バッテリー、燃料電池およびその他の電荷保存デバイスのような種々の素子ないしはデバイスの電流密度、電圧定格、電力伝達特性、周波数応答および電荷保存密度を改善する技術に関する。例えば、本発明は、一態様として、滑らかな構造により導体の表面積を大きくすることによって導体間の距離を小さくし、かつ原子レベル、分子レベル、および巨視的レベルでの作製技術を用いることにより実効誘電特性を改善したソリッドステートコンデンサおよび電解コンデンサを提供する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
コンデンサは、一般に、互いに誘電体で分離された一対の導体で構成される電荷保存デバイスである。コンデンサは、エネルギー貯蔵、信号カップリング、モータ始動、モータ運転、力率補正、電圧調整、VA(ボルト−アンペア)効率改善、同調、共振、サージ抑制、およびろ波を含め、様々な目的のために直流(DC)用途にも交流(AC)用途にも使用される。交流回路網あるいは直流回路網では、コンデンサは直列、並列および直並列混成回路構成に配設することにより、過渡状態においても定常状態においても多くの動作上の利点を得ることが可能である。例えば、並列コンデンサ(分路コンデンサとも称する)は、交流用途でも直流用途でも電流源あるいは電圧源としての役割を果たし、交流用途ではVARサポートおよび力率補正の手段をもたらす。
【0004】
過渡交流回路網においては、コンデンサを用いて過渡状態時の力率を改善することができ、その結果として、効率改善あるいはその他の望ましい改善を達成することができる。直列コンデンサの過渡応用には、電圧サージ保護、モータ始動、電流制限(限流)、開閉動作などがある。例えば、低力率の過渡電流は、モータ始動や変圧器励磁による障害電流および突入電流に付きものである。直列コンデンサは、過渡状態における総合力率および回路網電圧調整を改善することによりこれらの作用を緩和することができる。さらに、直列容量は、コンデンサの直列インピーダンスの結果として、過渡状態時にある程度の電流制限効果をもたらし、これによって障害電流の大きさを減じ、その結果として、発電機、変圧器、開閉装置、母線および送電線路の要求条件を縮小することができる。さらに、発電容量増設により線路に作用する力学的応力も直列容量結合の存在によって緩和することができる。直列コンデンサについては、上記およびそれ以外の多くの利点が周知であるが、単位原価、寸法要件、電圧的制約、電流的制約、dv/dt(電圧変化率)に関する制約、di/dt(電流変化率)に関する制約、絶縁上の制約、誘電体に関する制約、電気機械的制約および熱力学的制約の故に、直列コンデンサの広範な実施、特に低周波用途における実施は阻まれてきた。
【0005】
また、定常状態の交流回路網特性もコンデンサを導入することによって改善することができる。例えば、高いキャパシタンスを直列にかけると、低い定常状態交流電圧がコンデンサに印加されるが、これは電力伝送装置を直列コンデンサバンクと共に使用する際に有用である。同様に、電気波形歪みもキャパシタンスを変えることによって少なくすることができる。一部の電気回路パラメータは、直列コンデンサのインピーダンス整合または離調を通じて最適化される。その他いくつかの回路は、コンデンサを用いて電流制限および/または電圧分割を行うことにより能力を強化することができる。定常状態における直列コンデンサ応用には、モータ運転、ろ波、力率補正、効率的電力伝送、電圧ブーストなどがある。直列、並列および直並列混成のコンデンサ構成を用いて、モータのトルク、速度、効率、電力、力率、VA効率、電気的結合などを改善することができる。また、種々のコンデンサバンクとモータ巻線の構成によって、誘導発電機および誘導電動機の両方に所要の励磁電流を供給することにより、誘導発電機に誘導電動機の駆動電力を供給させることもできる。このような応用技術によれば、電力品質を改善することができる一方で、配電網の代替電源、非常電源、工事用電源機器、および可搬型発電装置のコストを低減することができる。さらに、キャパシタンスおよび容量リアクタンスの動作変動を利用して、電気回路網の定常状態性能を強化することができる。
【0006】
また、コンデンサを用いて直流回路網の特性を改善することができる。直流回路網では、コンデンサを用いて直流回路網電圧の急速な変化を緩和することができ、急激な需要増に備えてエネルギーを蓄えることができ、また直流回路網が電源電流の急激な増加あるいは負荷電流の急激な減少にさらされたときエネルギーを吸収することができる。コンデンサは、直流成分を阻止するために使用される。さらに、コンデンサは、圧倒的に直流が多い用途、および共振直流リンクで信号を結合するために用いられる。しかしながら、全保存エネルギーに対する瞬間的定常状態電力能力の比が低いために、直流用途におけるコンデンサの使用上の有用性は制限されがちである。等価直列抵抗(ESR)値が高いことや過熱が大きいことによっても、直流用途および信号カップリング用途における電解コンデンサのような従来選択されるコンデンサの有用性が制約される。
【0007】
コンデンサは、通常、無極性あるいは有極性に分類され、これらの各部類において多くの形態により実施されている。無極性コンデンサは、一般に、直流用にも交流用にも利用される。残念なことには、無極性コンデンサは(特に直列接続構成の場合)、大きさ、キャパシタンス、重さ、効率、エネルギー密度、およびコスト面の制約の故に、多くの交流および直流用途にそれほど適してはいない。単個型の有極性コンデンサは、従来、単向性の順バイアスが要求されるため、直流および小さな交流信号カップリングの用途に限定されてきた。さらに、逆直列(anti−series)有極性コンデンサはモータ始動のような過渡用途に用いることができ、順バイアス逆直列コンデンサは、交流用途において連続動作させることができる。直流用途においては、有極性コンデンサが直流電源装置の出力段におけるようなろ波用に広範に使用されている。また、有極性コンデンサは、増幅段間で信号を結合するためにも用いられる。最後に、有極性コンデンサは歴史的にとして利用されてきた。
【0008】
無極性コンデンサは、通常、互いに誘電体または絶縁体で隔てられた2枚の導体で作られている。これらの導体は、通常、銅、アルミニウム、その他の金属のような導電性材料、あるいはドープ半導体で作られる。誘電体あるいは絶縁体は、空気、雲母、油、プラスチックまたは他の化合物で形成することができる。また、無極性コンデンサは、表面をメタライズ加工したプラスチック薄膜層よりなるメタライズドフィルムコンデンサとして形成することも可能である。無極性コンデンサのキャパシタンスは、一般に、個別の導体の表面積、導体を隔てる距離、および誘電率によって制限される。このようなコンデンサの定格電圧は、誘電率、絶縁耐力、および材料欠陥並びに製造欠陥によって制限される。電流および電流変化率(すなわち、di/dt)は、各特定のコンデンサ材料および構造の等価直列抵抗(ESR)、力学的強度および熱力学的性質に寄って制限される。メタライズドフィルムコンデンサは、誘電体最小圧さの箇所で日常的に短絡が生じる。単ランクに続くバーンスルーあるいは障害除去は、自己回復作用と呼ばれることもある。おそらく、漸進的自壊という方がこの挙動をより正確な説明になるのではないかと思われる。短絡およびその後のバーンスルーの故障メカニズムは、デジタルデバイスのような敏感な回路では破壊的結果になり得る。さらに、メタライズドフィルムコンデンサは、どちらかというと熱の放散が不十分である。これによって、内部に高温箇所を生じさせ、コンデンサ故障を助長するよう作用する。
【0009】
一般に、平行板コンデンサは、最も一般的な無極性コンデンサの商用実現形態になっている。このような実現形態にあっては、それらの形態のコンデンサの絶縁破壊および故障が、導体板の角隅部や鋭くとがった箇所における電荷蓄積の集中および材料欠陥並びに高電界状態における厚さ変動に付随して起こることがしばしばある。コンデンサが理論的にこのような条件に耐えられるようにコンデンサを設計し、また誘電体材料を選ぶことは可能であるが、従来の肉眼的レベルの製造方法は、往々にして、製造したコンデンサをして確実にその理論的能力を発揮させるのに必要な精度と制御をもたらさないことがある。例えば、従来の技術では、導体にとがった角部やまくれが生じないようにする、誘電体材料の厚さを全面にわたって一様にする、あるいは誘電体を導体上に共形状に配設するといった点を確実ならしめることはできない。さらに、平行板コンデンサの表面積は、一般に、平坦箇所の構造および極板シェアリング(plate sharing)やらせん巻回パッケージングのような通常の増大化技術に限定されてきた。
【0010】
有極性コンデンサは、無極性コンデンサと比較して増大した表面積(増大表面積)を有するが、残念なことには、コンデンサの構成要素がより多く必要であり、電荷移動機構が必要であり、また損失が大きくなる。例えば、一つの最も一般的に用いられている有極性コンデンサ、すなわち電解コンデンサの物理的構成は、導体、陽極フォイル、陽極酸化層、液体含浸紙層、絶縁紙層、およびもう一つの導体よりなる。スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサおよび電気二重層コンデンサのような他の有極性デバイス(対称型および非対称型)の作製方法および損失メカニズムについても、同様に周知である。しかしながら、有極性コンデンサ(および他の有極性電荷(PECS)デバイス)は、一般に、これらに対応する無極性デバイスと比較して、単位キャパシタンス当たりのコストが低く、低質量で寸法も小さい。これらの特徴からは、無極性コンデンサより有極性コンデンサを用いる方が有利である。
【0011】
これらの有利な特徴があるにもかかわらず、有極性コンデンサにはそれなりの短所がある。電気的に方向性を持つキャパシタンス対電子トンネル効果による整流回路挙動の関係も不利に作用することがしばしばある。もう一つの例として、有極性コンデンサは、紙/電解液の抵抗および酸化膜(すなわち誘電体)層における電力損の故に、電源周波数で無極性型のものより高い等価直列抵抗を示す。さらに、電解コンデンサは、水の電気分解で生じる水素を放出し、またイオン移動制限および導体終端処理の慣行法は、急峻な周波数応答曲線の一因になりがちである。その上さらに、電解コンデンサで許容可能な最大交流リップル電流は、コンデンサパッケージを結果的に生じる熱および圧力の蓄積に耐えさせるコンデンサパッケージの等価直列抵抗(ESR)、定格電圧および熱力学的特性、力学的特性、および通気特性によって制限される。さらに、最も一般的に使用される材料、アルミニウムは、精錬するのに多大のエネルギーが必要である。また、次の陽極エッチング・形成プロセスは、さらに大きなエネルギー、化学処理および化学的操作の投入を必要とする。他の従来技術で作製される有極性電荷保存デバイスも、非常に多くの同様の欠点を免れない。
【0012】
有極性コンデンサの熱力学的特性を改善するについては、いくつかの公知の方法がある。これらの方法として、フォイルを厚くする、液量を増やす、またより厚い缶材を使用することにより熱質量を大きくする技術がある。また、熱流に対する熱抵抗を小さくすることにより熱放散を大きくすることができる。これは、缶体に対して陰極フォイルに縮みしわをつける、缶体の表面積を内部、外部で大きくする、またコールドフィンガ、ヘッダおよびスタッドマウントのような別の熱構造を付加するといった方法で行う。別の公知の方法として、空気流量を増やす、循環流体やその他の外部熱制御方法を用いるものがある。最後に、コンデンサの許容動作温度をたかくすることによって放射および熱伝導を大きくすることができる。これらの方法は、ある程度効果があるものの、コストを大幅に増大させ、多くの場合物理寸法および重量を大幅に増大させることにつながる。
【0013】
通常、有極性および無極性の単個型コンデンサに関しては、材料欠陥、不正確な製造プロセス、および界面の問題故に、理論的絶縁耐力も理論的誘電率も実際には達成されていない。これらの要因は、その結果として、所与のコンデンサ手段で達成することが可能なデバイスの最大定格電圧およびキャパシタンスを制限することになる。しかもさらに、伝導電流能力と変位電流能力との不平衡が相容れない材料特性と合わさって、所与のコンデンサついての過渡電流能力および持続電流能力を制限する。構造的な熱力学的制約要因が、さらに、過渡電流能力と定常状態電流能力およびコンデンサの使用寿命に制限するよう作用する。したがって、現在、改善されたコンデンサ、およびキャパシタンス、電圧・電流定格および電力配送の増加をもたらすコンデンサの製造方法を提供することが求められている。
平 板コンデンサのキャパシタンスは、下記の式で決定されるということは周知である:
C=EA/d
式中、Eは自由空間の誘電率、Eは誘電体の比誘電率、Aは導体の共通表面積であり、dは導体間の距離を表す。上記式から、キャパシタンスは導体の共通表面積を大きくすることにより増やせるということが分かる。図1は、導電層としての平面を有する一般概念図として描いたコンデンサ15の導体板10および11上のある瞬間の電荷蓄積状態を示す。誘電体中の微視的電荷移動によって電流の流れが生じる。正負の電荷が示されている。導体板10と11との間には誘電体層13が配設されている。
【0014】
導体フォイル22および24を持つ有極性電解コンデンサ20の従来における実現態様の一例の拡大断面図を示す図2に表面積を増やすための公知技術の一例を見ることができる。フォイル22および24の表面積は、導体をマイクロチャンネルが形成されるように酸エッチングすることにより増加する。マイクロチャンネル26は、通常、40μm×1μm程度の大きさで、鋭利な端縁を持つ。高純度アルミニウム陽極22は、公知の大規模製造方法により酸化して結晶質、多結晶質または非晶質形の酸化アルミニウムの薄膜を作ることにより、比誘電率Eが約9の誘電体層28を形成する。このような誘電率に対応する絶縁定格は、一般に、1.1nM/V程度である。
【0015】
図2から、導体フォイルの有効表面積は、わら箒のわら状構造を用いることによって大幅に増加するということが分かる。しかしながら、このコンデンサは、わら箒のわら状構造における先端間の空間距離のばらつきおよびこれに伴い変位電流が制限されることによって、充電、特に高い電圧で充電することが困難である。この固有の弱点を解消するために、電解液で湿潤させた紙の形のさらなる電荷移動機構を導入することにより、充電過程で電荷を導体の増大表面部分に到達させるための経路を設ける。
【0016】
図2に示す構成は、コンデンサの性能および寿命を最終的に制限することにつながる多くの特徴がある。例えば、充電過程で陰極フォイルから湿潤紙を通って陽極フォイルへ移動する負イオンが、コンデンサの等価直列抵抗(ESR)を増加させ、これによってリップル電流定格が制限される。充電過程で水の電気分解により放出される水素ガスを外に逃がさなければならない。構造の機械的弱さおよび必要な陽極酸化の厚さによってコンデンサの定格電圧に制限が生じる。また、マイクロチャンネルは導体の表面積を増加させるのに役立つが、この面積増加の効果は定格電圧が上がるに従って2桁のオーダーから1桁のオーダーに低下する。
【0017】
アルミ電解コンデンサに付随するもう一つの欠点は、製造に莫大な量のエネルギーが必要なことである。アルミニウムは電気の塊と呼ばれてきた。陽極フォイルに必要なような高純度アルミニウムを得るために要するエネルギーはさらに大きい。従来の製造方法では、通常、電界を印加した中でまず強アルカリ、次いで強酸の化学薬品浴による処理が必要である。高純度水による数回の洗浄も必要である。アルミフォイルおよびタブ材料を加熱し、酸化し、成形するために多大な量の電力が必要である。電解液としては、しばしば、水および酸または塩基のような他の化学薬品と混合したエチレングリコールのような石油化学製品が用いられる。ワインディング、ウェッティングおよびスタッフィング工程の後、最後に電気化成工程が行われる。これらの工程および投入原料は高度にエネルギー集約的である。このように、従来のアルミ電解コンデンサの製造技術は、相当大きなエネルギー量を必要とする。
【0018】
対状の逆直列有極性コンデンサにはいくつか欠点が伴う。まず、コンデンサ対が無バイアスであると、一方はコンデンサとして作用するが、もう一方はダイオードとして作用する。この動作状態は半サイクル毎に交番して、コンデンサアセンブリの寿命を大きく縮めると共に、高調波電流および接地基準電圧外乱の原因となる。サイズが同じ場合、逆直列コンデンサをバイアスすると、そのコンデンサアセンブリのキャパシタンスはほぼ半分に減少する。このコンデンサアセンブリの等価直列抵抗(ESR)および散逸率は、直列加法性の電気現象であり、大きくなる。
【0019】
コンデンサを作るための小規模製造技術も知られている。例えば、ソリッドステート集積回路デバイスにコンデンサを作り込むために半導体製造技術が用いられる。集積回路メモリ設計の目的は、低い電圧における電荷半減時間の短い回路を作り出すことであるから、このような設計では、キャパシタンスを減らすことに重点を置くことがしばしばあり、キャパシタンスを大きくしたり、電力伝達特性を強化するよりも誘電率をより低くすることが優先される。これらの用途では高い誘電率と電流密度が好まれてきたが、その目的は、一般に、小型化および常により小さいキャパシタンスを追求しようということである。デカップリングコンデンサは、局部的な低インピーダンス電圧源として作用し、その結果、ノイズのない電力を同期集積回路に供給する。プリント回路基板の電気的、熱的そして機械的制限要因は、集積コンデンサの材料および製作技術に厳しい制限をもたらす。また、集積キャパシタンスの変動は、従来の製造技術を用いて容易に制御することはできない。
【0020】
他の有極性電荷保存デバイス研究は、これまで総エネルギー貯蔵量を増加させることを中心に展開され、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサあるいは電気二重層コンデンサの開発をもたらした。このようなコンデンサは、電気化学電池と、液体タンタル電解コンデンサやアルミ電解コンデンサのような有極性コンデンサとの間の橋渡しをしようとするものである。スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサおよび電気二重層コンデンサにおいては、「多孔質炭素材料およびこれを用いたコンデンサの製造方法(Process of Manufacturing a Porous Carbon Material and Capacitor having the Same)という名称の米国特許第5,876,787号に記載されているような大規模製造技術により導体表面積および容積の電荷保存能力を増強することによって、エネルギー保存能力を増強する。
【0021】
しかしながら、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサおよび電気二重層コンデンサは、電力用途における用途を阻害する多くの制限要因的特性がある。例えば、このようなコンデンサは、電圧定格が比較的低く(すなわち、1V〜3V/セル)、またESRが比較的高くなりがちで、これらはいずれも、電力伝達を目的とする用途にとってプラスの属性ではない。さらに、これらは有極性電荷保存デバイスであり、そのために交流電力用途における有用性が限定される。さらに、このようなデバイスは、要求に応じて全保存電荷を放出することができないことがしばしばある。多量の保存電荷が利用されないまま残ることになり得る。観察に基づくこの特性は、時間従属要素と共に時間不変要素とを持つ。利用することができる保存エネルギーのすべてを必ずしも瞬時に放出できるわけではなく、それ故、高速充放電用途にはこれらのデバイスはそれほど適していない。保存電荷が都合よく利用できないまま残るもう一つのメカニズムは、エネルギートラップ現象である。種々のサイズと電荷レベルのコンデンサからなる直列コンデンサアセンブリには、放電期間が終っても、内部に閉じこめられたかなり大きい測定可能な電圧が保持される。スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサおよび電気二重層コンデンサは、セル電圧が低いため、普通のシステム電圧を達成するのに多くのセルが必要である。この現象は、電気化学電池の放電でも観察され、電池逆転と呼ばれることがある。
【0022】
電力配送および最終消費システムの改善は、今日の経済および環境に重大な影響を及ぼし得る。より詳しく言うと、電動機は現在、測定実電力の約65%を消費する。実現可能な改善を例示によって説明するため、ここで、一例の電動機が50%の力率を持ち、測定負荷の残りの35%は純抵抗性の負荷であると仮定する。したがって、複合負荷の総ボルトアンペア(VA)は実電力の119.27%で、35%の抵抗負荷は総VA負荷の僅か29.24%でしかない。したがって、この例における電動機負荷は系の総VA負荷の70.75%より大きい。直列、並列および直並混成接続構成に配設されたコンデンサは、経済的に電動機力率を補正し、力率に伴う経済的・環境的影響を低減するのに役立つ。さらに、一部のLC電動機の設計は、純磁気的設計に比べて電動機の効率、トルク、力率、振動、位相レッグ損およびその他の望ましい電動機特性のよりいっそうの改善をもたらし、またその結果、経済および環境的要素も改善されるということが実証されている。
【0023】
電力配送および最終消費システムにおけるこのような改善並びにこれに伴う種々の望ましい効果は、キャパシタンス、熱放散、および電力伝達能力を強化した高性能の単個型無極性コンデンサにより達成することができる。このような改善は、キャパシタンスを大きくし、電圧定格およびリップル電流定格を高くし、等価直列抵抗を小さくし、熱放散および電力伝達特性を強化した高性能の単個型有極性コンデンサによっても達成することができる。このように改善された単個型コンデンサの特性および方法は、集積回路、デジタルチップ、および他の電気デバイスにも効果的に適用することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の要約)
本願で使用する「a」または「an」は1つ以上を意味し得る。本願で使用する「claim(s)(請求項)」において、「comprising」と共に使用する場合、「a」または「an」は、1つ以上を意味し得る。本願で使用する、「もう一つの(another)」は少なくとも第2以降のということを意味し得る。
【0025】
本願で、「交流(AC)」および「交流(AC)電源」という用語は広義の意味で使用する。本願で、交流および交流電源という用語は、固定周波数、可変周波数、固定振幅、可変振幅、周波数変調、振幅変調、および/またはパルス幅変調方式の交流を含むが、これらに限定されるものではない。交流および交流電源は、側波帯および重ね合わせ信号並びに他の線形、非線形、アナログまたはデジタル信号を含むその他の信号および/または通信技術をも明示的に含む。交流電源は、高調波成分を含み得る。交流および交流電源は時変信号(時間的に変化する信号)を言うものと考えられる。これらの信号はデータおよび/または電力を含み得る。交流または交流電源には、複合的な方法および/または方式で変化するハイブリッド交流電源も同様に含まれる。本願で単一の交流電源について言及する場合、それは複数の交流電源を排除する意味に解釈するべきではない。
【0026】
本願で使用する「接合させる(adhese)」、「接合(adhesion)」、「接合した(adhesed)」および「接合する(adhere)」という用語は、制限なく、原子対原子間、分子対分子間および層対層間で、結合(bonding)、接着(gluing)、固着(sticking)、接合(adhering)、吸着(attraction)、親和化(affinity)、共有化(sharing)、およびその他の方法、力および材料を使用して、同様のかつまたは異なる材料を固着し、固定し、結合し、接続し、相互に接続し、織り、織り合わせ、キーロックし、あるいは他の仕方で一つに統合する方法、力、機構、技術および材料を含めて言う。このプロセスは、制限なく、ナノ、マイクロおよびマクロの接続および相互接続を含むものとする。
【0027】
本願で使用する「陽極酸化」という用語は、金属に保護膜、絶縁膜または装飾膜を被覆するために、セルの陽極で電解作用にさらすことを意味するものとする。
【0028】
本願で使用する「コンデンサ」という用語は、電界に伴う現象に基づく電気回路要素・素子を意味するものとする。電界の発生源は、電荷の分離、あるいは電圧である。電圧が時間に従って変化する、すなわち時変性である場合、電界も時間に従って変化する。時変性電界は、電界が占有する空間に変位電流を発生させる。キャパシタンスの回路パラメータによりこの変位電流は電圧と関連づけられる。エネルギーは電界に蓄えられ、従ってコンデンサに蓄えられる。コンデンサの瞬間電圧と電流の関係およびこれがコンデンサにもたらす物理作用は、コンデンサの改良にとって決定的に重要である。
【0029】
本願で使用する「導体」という用語は、本来的に自由な多数の電荷キャリヤを含有する金属のような材料意味するものとする。ただし、導体という用語は金属のみに限定されるものではない。これらの電荷キャリヤは、導電性材料全体にわたって自由に動き回る。電荷キャリヤは、ほぼ無限小の電界に反応し、また、場がかかっている限り動き続ける性質がある。これらの自由電荷キャリヤは、外部エネルギー源によって導体中に電界が保たれているとき電流を運搬する。静的条件下では、導体中の電界は消滅する。導体には、導体としての目的に使用される限りにおいて、制限なく、超伝導体、高温超伝導体、ドープ半導体、ドープ超伝導体、メタライズドフィルムなどを含む。導電層は、導体をなすコンデンサの層である。導電層は、導電性ポリマーで形成することが可能である。
【0030】
本願で使用する「共形状(conformal)」という用語は、制限なく、互いに適合する寸法の同じ使用可能形状を持つことを意味するものとする。
【0031】
本願で使用する「共形状コーティング」という用語は、制限なく、1つの層を別の層に接合することおよび/または結合することを意味するものとする。2つの層の界面または境界における形状は可能な限り厳密に一致させるものとする。層「A」がある領域で凹ならば、共形という効果を達成するためには、層「B」はこの領域で凸形でなければならない。また、この効果を達成するためには、凸形層「B」は凹形層「A」より小さくなければならない。一般に、共形状コーティングの嵌合が堅いほど、共形状コーティングの結合強度および共形性は大きくなり、その結果、境界特性が優れたものになる。好ましくは、共形状コーティングの厚さの一様性が望まれる。
【0032】
本願で使用する「直流(DC)」、「直流電気」および「直流電流」という用語は、電子、イオンおよび正孔を含む(ただし、これらに限定されない)1つ以上の電荷キャリヤの単向性または主として単向性の流束、変位、伝達および/または流れを作り出し、生じさせ、もたらし、支持し、あるいは助長する任意の技術、設計、状態、物理的状態または装置を意味する。これは、互いに逆極性に帯電した粒子の二方向の移動を除外する意味に解釈するべきではない。直流(DC)とは、広義には、実質的に時間的に変化しない定常状態電圧を指す。
【0033】
本願で、「直流(DC)電流源」、「直流電圧源」または「直流電力源」という用語は広義の意味で使用する。この用語は、一般に、直流電気を作り出すための発電、発生または交流整流に使用する、あるいは役立つ任意の方法および装置を網羅し、包括する。直流電源装置は、明示的に、直流発電機、電気化学電池、光起電デバイス、整流器、燃料電池、直流量子デバイス、一部の真空管デバイスなどを含む(ただしこれらに限定されない)。直流電源装置は、調整型、非調整型、フィルタ型および非フィルタ型を含むものとする。直流電源は、明示的に、非電気絶縁型電源により電力を供給される整流器、単巻変圧器、絶縁変圧器、および鉄共振変圧器を含むものとする(これらに限定されない)。同様に、DC−DC電源装置、スイッチング直流電源装置、パルスチャージャなども含まれる。単数表現の用語は、並列、直列および/または逆直列の接続構成で設けた複数および/またはバックアップ用の直流電源を除外する意味に解釈するべきではない。単層および多相整流型直流電源および/または充電器も含まれる。同様に、直流バイアスレベルをリアルタイムで調整できる機能も含まれる。「ダイオードドロッパデバイス」および精密調整フローティング直流電源電圧を使用すると、特に電気化学電池がバックアップ電源に備えられている場合、あるいは逆直列光電気化学(PEC)デバイスを用いる場合、動作および設計上の望ましい効果を得ることができる。
【0034】
本願で使用する「誘電体」という用語は、すべての帯電粒子が幾分強く構成分子に結合されている物質を意味するものとする。これらの帯電粒子は、電界に応じて僅かに位置を変えることができるが、それらの構成分子の近傍を離れることはない。真の誘電体は微弱な導電性を呈するが、一般には、非導電性として特徴づけることができる。電界は、各帯電粒子に力を作用させ、正電荷は電界の方向に押され、負電荷はその反対方向に押されるので、各分子の正の部分と負の部分はそれらの平衡位置から反対向きに移動させられる。誘電体は、キャパシタンスを増加させ、最大動作電圧増加を高くし、そしてコンデンサの導体板間に機械的支持手段をもたらす。利用することのできる特徴を持った様々な種類の誘電体が存在する。誘電体層は、コンデンサの誘電体を形成する層である。
【0035】
本願で使用する「誘電率」という用語は、真空の誘電率と比較した誘電率を意味するものとする。
【0036】
本願で使用する「絶縁耐力」という用語は、誘電体が破壊することなく耐えることができる最大強度を意味するものとする。誘電体中の電界が非常に強くなると、伝導体内部で多数の電子を励起し始める。これによって、励起電子は完全に分子外に押しのけられ、材料は絶縁破壊として知られている作用で導電性になる。
【0037】
本願で使用する「電解質」という用語は、導体と誘電体の中間の電気特性を示す物質を意味するものとする。電解質は、通常、周囲気象条件の中で液相を取る。電解質および電解液の電気的特性は、添加物および不純物によって変わる。
【0038】
本願で使用する「増大表面(enhanced surface)」という用語は、導体層の全部または一部あるいは誘電体層の全部または一部にわたって大きくした表面部分を意味するものとする。表面または領域の公称寸法の2%以上の総面積について表面積が増大している場合、当該部分は増大表面部分であると見なすものとする。例えば、ごく普通に、増大表面部分のない境界または境界領域が表面積を大きくした部分を取り囲んでいる場合がある。例えば、導体層または誘電体層の増大表面積は、長さ×幅で求まる面積を持つ平坦表面より表面積が大きい特定の層(導体層または誘電体層)についての表面積である。
【0039】
本願で使用する「モアティ(moiety)」という用語は、全体を分けた2つのほぼ等しい部分または全体の基本部分と相補部分を意味するものとする。
【0040】
本願で使用する「半導体」という用語は、導体と誘電体の中間の電気特性を持つ物質を意味するものとする。半導体は、通常、周囲気象条件の中で固相を取る。半導体の電気的特性は、添加物、不純物およびドーパントによって変わる。
【0041】
本願で使用する「有極性コンデンサ」という用語は、制限なく、電気化学電池、燃料電池、液体タンタルコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサ、量子コンデンサなどのような他の有極性電荷保存(PEC)デバイスを含む。
【0042】
本願で使用する「シャーピー(sharpy)」という用語は、鋭くとがった先端、角、向きの急激な変化、くぼみ、打痕(strike)、および傾斜面(pitch)を持つ、さらには急激な区切りを持つことで特徴づけることができる表面を意味するものとする。
【0043】
本願で使用する「滑らかな」という用語は、鋭くとがった先端、角、向きの急激な変化、くぼみ、打痕(strike)、および傾斜面(pitch)がない、さらには最低限の急激な区切りもないことで特徴づけることができる表面を意味するものとする。
【0044】
本願で使用する「地形様表面(topographical surface)」という用語は、三次元形状の表面を意味するものとする。三次元表面は、表面から伸び出す任意の構造または突起部を含み得る。
【0045】
本願で使用する「起伏」および「起伏状」という用語は、波状に上がり下がりすることについて言うものとする。起伏状表面は、波のような外観、表面、境界または縁部を呈するものである。
【0046】
本願で使用する「一様(uniform)」という用語は、導電層と誘電体層の対向表面間の距離が等しい場合における距離に関して言うものとする。誘電体層の厚さに関して言う場合は、誘電体操が比較的一定の厚さを有することを意味する。
【0047】
以下の説明では、本発明を実施するための実施態様の説明および例を記載する。しかしながら、これらは発明を限定するための例ではない。本発明を実施するに際しては、他の例および方法も可能である。
【0048】
本発明は、導体表面積を滑らかな構造で増加させ、導体を隔てる距離を減じ、実効誘電特性を原子レベルおよび分子レベルの製作技術を採用することにより改善することによって、ソリッドステートコンデンサおよび電解コンデンサの電流密度、電圧定格、電力伝達特性、および電荷保存密度を改善する技術に関するものである。
【0049】
本発明は、広義には、電力特性を強化した電荷保存デバイス(ECSD)に関するものである。より詳しくは、本発明は、コンデンサ、バッテリー、燃料電池およびその他の電荷保存デバイスのような種々の素子ないしはデバイスの電流密度、電圧定格、電力伝達特性、および電荷保存密度を改善する技術に関する。電荷保存デバイスの電気的作用には、伝導電流および変位電流がある。また、これらの電気的作用には、電気化学手段による質量移動、イオン移動、および電荷発生も含まれる。電荷保存デバイスの熱的作用には、発熱、熱伝導および熱放射がある。例えば、本発明は、一態様として、滑らかな構造で導体の表面積を大きくすることによって導体間の距離を小さくし、かつ原子レベル、分子レベル、および巨視的レベルの作製技術を用いることにより実効誘電特性を改善したソリッドステートコンデンサおよび電解コンデンサを提供する。導体および誘電体を形成する、また電解液を使用する場合におけるその化学成分を形成する原子および分子の大きさ、物理特性、量子特性および電気特性は、大きく異なる。同様に、用途で要求される温度、圧力、力学的力および容積の束縛要件は広範囲にわたって異なる。同様に、電気的用途も、電圧、電流、周波数、必要キャパシタンス、過渡需要、定常状態需要、周波数応答、望ましい安定度および動作変動選択によって広範囲にわたってことなる。したがって、本発明の幾多の実現態様および実施形態においては、多くの特定の材料、材料特性、構造、空間配列構成、表面増大法、温度制御機構、強度、作製機構、規模、サイズおよびパッケージ方法を採用されることになる。
【0050】
本発明の一局面は、強化された電力特性を示す電荷保存デバイスである。
【0051】
本発明もう一局面は、空間面積または容積内の表面積を増加させる技術である。
【0052】
本発明のもう一局面は、電荷分離距離を減じつつ表面積を増加させる技術である。
本発明のさらにもう一局面は、構造強度を高めた電荷保存デバイスである。
【0053】
結晶のようなソリッドステート物質の基本的物理特性は、固有の寸法尺度にわたる、通常はナノメートル域における固体の周期性によって決まる。これらの物理特性としては、誘電率、絶縁耐力、導電率、バンドギャップ、イオン化電位、融点および磁気飽和がある。ナノ結晶、多結晶、結晶、格子間化合物、非晶質材料、金属および合金のようなソリッドステート物質の大きさおよび表面を精密に制御することにより、これらの物質の特性を最適化することができる。原子および分子集合体のいろいろな技術によって、格子間化合物、ナノ結晶およびナノ多結晶質ベースの材料のような新しい材料および製品を作り出すことができる。
【0054】
本発明の一実現態様においては、基礎的な層および層数を変えることにより分子構成を変えて、電荷保存メカニズムを構成するための導電性構造および非導電性構造を達成する。
【0055】
本発明は、一実現態様において、力学的に相互に支持し合うことによって強度を高めるようにした導電層および誘電体層を有する。本発明のデバイスに電位を印加しても、電荷が集中的に溜まるようなとがった角部はない。短絡時、電動機の電源回路再投入時、電動機始動時、電動機の回転子ロック時および変圧器の励磁突入時には、本発明のデバイスの力学的強度は機械的損傷を防ぐのに役立つ。電流対キャパシタンス能力の増大によって、熱損傷を伴うことなくより高い電流が可能である。ボイド、不純物の減少、およびモアティを大きくしたことが、原子単位の作製方法および量子力と相まって、本発明におけるデバイスの強度をさらに大きくする効果をもたらす。
【0056】
臨界原子数を超えると、拡張固体(extended solid)を特徴的に表すある特定の結合幾何(bonding geometry)が常在的に現れる(locks in)。さらに原子が加わっても、表面原子の数および空間容積は変化するが、クラスタにおける化学結合の基本的性質は変化しない。ナノ結晶特性は、スケーリング則および発見的方法にしたがって、ゆっくりかつ滑らかに大規模域の特性に結びつけられる。
【0057】
一実施形態において、本発明は、巨視的には表面積を大きくするよう構成された平板コンデンサ、同軸コンデンサ/導体または他の電気ウェーブガイド(waveguide)と見なされる電荷保存デバイスである。
【0058】
一実施形態において、本発明は、巨視的には電気特性を強化するよう構成された平板コンデンサ、同軸コンデンサ/導体または他の電気ウェーブガイドと見なされる電荷保存デバイスである。
【0059】
一実施形態において、本発明は、巨視的には熱力学的特性を強化するよう構成された平板コンデンサ、同軸コンデンサ/導体または他の電気ウェーブガイドと見なされる電荷保存デバイスである。
【0060】
一実施形態において、本発明は、巨視的には機械的特性を強化するよう構成された平板コンデンサ、同軸コンデンサ/導体または他の電気ウェーブガイドと見なされる電荷保存デバイスである。
【0061】
一実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは少なくとも1つの滑らかな起伏状の導電基板表面を有する。誘電体からなる第2の滑らかな層を導電層と密着させて形成し、この誘電体層は基板を共形状に被覆する。実質的にすべての点で、起伏状の誘電体表面は導体基板とのモアティ関係を保持する。導電性の滑らかな起伏状材料よりなる第3の滑らかな層を誘電体層と密着させて形成する。モアティ関係は、これらの3つの層が三次元合致して起伏状をなすように、これらの表面全体にわたって維持される。その一例の単純な構造は、概念的に2枚の波形薄鉄板の間に波形プラスチックシートを挟んだだけの構造に似ていると説明することができる。誘電体の厚さおよび絶縁耐力が変わると、それに応じて所与の誘電体の比誘電率におけるコンデンサ定格電圧が変わる。波形の大きさと周期によって、平板に対する表面積増加が変わる。誘電体の比誘電率が変化すると、所与の電圧に対する必要離隔距離が変わる。キャパシタンスは、比誘電率、有効表面積および離隔距離によって決まる。さらに、容量リアクタンスは、電気周波数、材料の構造および周波数応答によって決まる。他方、2つの波形鉄板片が平たい硬質プラスチック片で隔てられており、波形薄鉄板の最上層と最下層の相対的にとがった部分が互いに近接しているとしても、表面積は広くなるが、有効表面積は広がらない。
【0062】
本発明の一実施形態で、電荷保存デバイスは、第1の導電面を持つ第1の導電層と;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の導電面と実質的に共形の表面を持つ誘電体層と;該第2の誘電体面に近接して配設された第2の導電面を持つ第2の導電層と;を有する。第1および/または第2の導電面は、滑らかな増大表面部分が作られた導体基板を有する。さらに、該基板と密着させて滑らかな共形誘電体層を堆積する。次に、共形状の第2の導電層または基板を共形誘電体層の自由面側と密着させて(モアティとして)形成することにより、コンデンサセルを形成する。局所的に対称形の誘電体層は、上記誘電体層に電位がかけられると、変位電流を生じさせる。少なくとも2つの導体基板を、他の電気回路要素との電気的接続ために成端加工(terminate)することができる。あるいは、別の態様では、このプロセスを続けて、さらにコンデンサ層を形成して直列接続または並列接続することもできる。
【0063】
本発明のもう一つの実施形態で、電荷保存デバイスは、導電曲線面を持つ少なくとも1つの第1の導電層と;導電曲線面を持つ少なくとも1つの第2の導電層と;該第1の導電曲線面と該第2の導電曲線面との間に配設された少なくとも1つの誘電体層と;を有する。
【0064】
本発明のもう一つの実施形態で、電荷保存デバイスは、第1の導電曲線面を持つ第1の導電層と、相対向する第1および第2の誘電体曲線面を持ち、該第1の誘電体曲線面が該第1の導電曲線面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の導電曲線面にその全体にわたって倣う(following)第1の誘電体層と、第2の導電曲線面を持ち、該第2の導電曲線面が該第2の誘電体曲線面に近接して配設されるとともに、実質的に該第2の導電曲線面にその全体にわたって倣う第2の導電層と;を有する。
【0065】
本発明のさらにもう一つの実施形態で、電荷保存デバイスは、第1の滑らかな増大導電面を持つ第1の導電層と;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の滑らかな増大誘電体面が該第1の導電面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の滑らかな増大導電面に倣う誘電体層と;第2の滑らかな増大導電面を持ち、該第2の滑らかな増大導電面が該第2の誘電体面に近接して配設されるとともに、実質的に該第2の滑らかな増大導電面に倣う第2の導電層と;を有する。
【0066】
本発明のもう一つの実施形態で、電荷保存デバイスは、第1の導電面を持つ第1の導電層と;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の導電面と実質的に共形の表面を持つ誘電体層と;該第2の誘電体面に近接して配設された第2の導電面を持つ第2の導電層と;を有する。
【0067】
本発明のもう一つの実施形態で、電荷保存デバイスは、第1の導電面を持つ第1の導電層と;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が実質的に該第1の導電面とのモアティ関係を保持する誘電体層と;該第2の誘電体面に近接して配設された第2の導電面を持つ第2の導電層と;を有する。
【0068】
本発明のもう一つの実施形態で、電荷保存デバイスは、成形された地形様表面を持つ少なくとも1つの第1の導電層と;成形された導電性の地形様表面を持つ少なくとも1つの第2の導電層と;該第1の成形された導電性の地形様表面と該第2の導電曲線面との間に配設された少なくとも1つの誘電体層と;を有する。
【0069】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、互いに実質的に共形状をなす第1の導電面および第1の誘電体面を有する。
【0070】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、実質的に共形状をなす第2の導電面および第2の誘電体面を有する。
【0071】
一実施形態の電荷保存デバイスの上記第1の導電面は、実質的に上記第1の誘電体面との モアティ関係を持つ。
【0072】
一実施形態の電荷保存デバイスの上記第2の導電面は、実質的に上記第2の誘電体面とのモアティ関係を持つ。
【0073】
一実施形態の電荷保存デバイスは、上記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が上記第1の誘電体面の近接部分と共形状をなす。この特定のパーセンテージの部分が共形状をなすと、電荷保存デバイスは、強化された電力特性を呈する。好ましくは、これら2つの部分は実質的に共形状とするべきである。しかしながら、いくつかの例においては、これらの表面は正確に共形状となるように形成することが可能である。例えば、これら2つの部分は、互いに他の実質的に正確にそっくりの形状とすることもできる。ただし、これらの部分は、デバイスの電力特性の増加が達成されるように実質的に共形状とすることが可能である。
【0074】
一実施形態の電荷保存デバイスは、上記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が上記第1の誘電体面の近接部分とのモアティ関係を保持する。さらに、上記第2の導電面部分も好ましくは上記第2の誘電体面の近接部分とのモアティ関係を保持する。この特定のパーセンテージの部分が互いにモアティ関係保持すると、電荷保存デバイスは、強化された電力特性を呈する。好ましくは、これらの2つの部分は正確なモアティ関係を保持する。ただし、これらの部分は、デバイスの電力特性の増加が達成されるように実質的にモアティ関係を保持することが可能である。例えば、ごく普通に、誘電体面の面積、厚さ、広がり、幅および/または奥行きが対応する導体層を上回る界面部分を取り囲む境界または境界領域がある。同様に、電気的接続点、あるいはヒートシンク部分では、導体層は誘電体層と寸法的に異なるのが普通である。
【0075】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、上記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が近接の上記第1の誘電体面から実質的に一様な距離にある。この所与の部分の場合、導電面の各原子または分子距離は、誘電体面の相対向する原子または分子と実質的に一様な距離関係にある。
【0076】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が第1の誘電体面から0.0001μm〜2,000μmの選択された距離の位置にある。さらに、もう一つの実施形態においては、第2の導電面は第2の誘電体面から0.0001μm〜2,000μmの選択された距離の位置にあることが望ましい。種々の実施形態における0.0001μm〜2,000μmの範囲の距離は、各特定の電荷保存デバイス毎に選択可能である。この距離の選択によって、所与の選択された距離についての各特定の選択可能な公差は変わり得る。例えば、選択された距離は、その距離のある特定のパーセンテージだけの変動が許容される。
【0077】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、その導電層および/または誘電体層について滑らかな増大表面部分を持つことができる。好ましくは、互いに接触する導電層および誘電体層の表面は、同様の滑らかな表面部分構造を有する。本発明のデバイスの種々の実施形態において、滑らかな表面部分構造としては、下記が可能である:i)胞状(肺胞のような)、ii)シヌソイド(正弦)曲線の列形状、iii)垂直方向に透過性を持つよう埋め込まれた形(スポンジ様)、iv)放物線形状、v)反転状または外転状(すなわち、凸形または凹形でもよい)、vi)らせん形状、vii)不規則渦巻き線形上、viii)数学的に定義できる形状(sin(X)sin(Y)、(A)sin(bX)sin(bY)、放物線、円錐形、など)、ix)管状、x)環状、xi)トロイド形状。
【0078】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、滑らかな構造の使用によって誘電加熱が小さくなる。
【0079】
もう一つの実施形態の電荷保存デバイスでは、1つの基板とこれに近接する共形誘電体層との間に共形状フィルタ媒体が形成される。この共形状フィルタ媒体は、近接する基板および誘電体を周知組成の電解液で湿潤状態にする。共形状フィルタ媒体は、イオン移動によって共形状誘電体層内に変位電流を生じさせる。次に、この構造に密着させて第2の共形状導体基板を形成することにより、電解コンデンサセルが完成する。上記の少なくとも2つの導体基板を、他の電気回路要素との電気的接続ために成端加工することができる。あるいは、他の実施形態においては、このプロセスを続けて、さらに他のコンデンサ層を形成することもできる。
【0080】
一実施形態の電荷保存デバイスにおいは、導電層および誘電体層に使用される材料は作製または製造プロセスで互いに接合される。
【0081】
一実施形態の電荷保存デバイスにおいては、接合パラメータを変えることによってデバイス構造を変更する。
【0082】
一実施形態の電荷保存デバイスにおいては、少なくとも1つの導電層は、アルミニウム、鉄、銅、銀、金またはこれらの組合せ(ただし、これらに限定されるものではない)を含む合金および/または金属よりなる。
【0083】
もう一つの実施形態の電荷保存デバイスは、下記を含む基板を用いて作製する:鉄基板、アルミニウム基板、セラミック基板、シリコン基板、および炭素基板、またはこれらの組合せ(ただし、これらに限定されない)。
【0084】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、誘電体層は下記の任意の基板を用いて作製する:結晶質基板、多結晶質基板、または非晶質基板。
【0085】
本発明一実施形態のデバイスは、結晶質形(例えば、サファイヤ)、多結晶質形、層状、非晶質形(ガラス様)またはこれらの混成形の酸化アルミニウム誘電体層を用いて作製する。
【0086】
本発明の一実施形態においては、導電面の材料の分子配向および構造を最大の電気伝導が可能なように選択する。
【0087】
本発明の一実施形態においては、誘電体面の材料の分子配向および構造を電気伝導が最小となるように選択する。
【0088】
本発明の種々の実施形態の電荷保存デバイスの作製には、下記の任意の誘電体よりなる誘電体層を使用する:二酸化ケイ素誘電体、セラミック誘電体、二酸化チタンセラミック誘電体、チタンセラミック誘電体、チタン酸バリウム誘電体、チタン酸ストロンチウム誘電体、チタン酸ジルコン酸鉛誘電体、ダイヤモンド誘電体、またはダイヤモンドマトリクス誘電体、有機誘電体、ポリマー誘電体、あるいは有機物質。
【0089】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスはコンデンサとして形成する。
【0090】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスはバッテリーとして形成する。
【0091】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスは燃料電池として形成する。
【0092】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスは単個型コンデンサとして形成する。
【0093】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスは電気二重層ケミカルコンデンサとして形成される。
【0094】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層は半導体よりなる。
【0095】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、誘電率と絶縁耐力を同時に高めるために、多層誘電体を堆積形成する。
【0096】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、誘電率と絶縁耐力を同時に高めるために、化合物誘電体を堆積形成する。
【0097】
一実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは、フィルタ構造を含むか、あるいはさらに備える。
【0098】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、イオン移動構造を含むか、あるいはさらに備える。
【0099】
一実施形態において、電荷保存デバイスは、電解液を含むか、あるいはさらに備える。
【0100】
一実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは、イオン移動をサポートする。
【0101】
一実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは電荷分離をサポートする。
【0102】
一実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは電気伝導をサポートする。
【0103】
一実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは変位電流をサポートする。
【0104】
本発明の一実施形態では、電荷保存デバイスに電圧を印加する。
【0105】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスに電界を形成する。
【0106】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、従来の平板コンデンサに比べてより大きい体積電荷密度が達成される。
【0107】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、従来の電解コンデンサよりも高い定格電圧が達成される。
【0108】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、25℃で固体または25℃で液体の材料を含むか、あるいはさらに備える。
【0109】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、25℃で過冷却液体の材料を含むか、あるいはさらに備える。
【0110】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、25℃で気体の材料を含むか、あるいはさらに備える。
【0111】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスの誘電体層の充電プロセスをアルコール、水またはポリマーのような電解液によって促進する。
【0112】
本発明の一実施形態においては、誘電体層の充電を下記の物質:塩基、溶剤、塩、酸、酸化剤または還元剤の任意の1つを含むか、あるいはさらに備える電解液によって促進する。
【0113】
本発明の一実施形態において、誘電体層は雲母からなる。
【0114】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層との密着によって誘電体の熱上昇を低減する。
【0115】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つのヒートシンクとの密着によって誘電体の熱上昇を低減する。
【0116】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの熱交換器との作用関係を持った接続によって誘電体の熱上昇を低減する。
【0117】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの冷却機構との作用関係を持った接続によって誘電体の熱上昇を低減する。
【0118】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの極低温冷却機構との作用関係を持った接続によって誘電体の熱上昇を低減する。
【0119】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、デバイスの電気特性を少なくとも1つの冷却機構との作用関係を持った接続によって変える。
【0120】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、デバイスの電気特性を少なくとも1つの極低温冷却機構との作用関係を持った接続によって変える。
【0121】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、誘電体の電気特性を少なくとも1つの極低温冷却機構との作用関係を持った接続によって変える。
【0122】
一実施形態の電荷保存デバイスにおいては、第1および/または第2の導電層の電気特性を少なくとも1つの極低温冷却機構との作用関係を持った接続によって変える。
【0123】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、デバイスの電気特性を1つの温度変化機構によって変える。
【0124】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つのヒートシンクとの密着によって電解質の熱上昇を低減する。
【0125】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの熱交換器との作用関係をもった接続によって電解質の熱上昇を低減する。
【0126】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの冷却機構との作用関係を持った接続によって誘電体の熱上昇を低減する。
【0127】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、イオン移動距離を短くすることによって電解質加熱を低減する。
【0128】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、イオン移動経路を改善することによって電解質加熱を低減する。
【0129】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層の導電率をドーピングによって変える。
【0130】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、誘電体層の電気的特性をドーピングによって変える。
【0131】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの原子を少なくとも1つの原子または分子に結合する。
【0132】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの分子を少なくとも1つの原子または分子に結合する。
【0133】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、導電性の原子または分子を少なくとも1つの誘電体の原子または分子に結合する。
【0134】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの原子を少なくとも1つの基板に結合する。
【0135】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、基板を誘電体層に結合する。
【0136】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの接着剤で少なくとも1つの導電層を少なくとも1つの誘電体層に接着する。
【0137】
一実施形態の電荷保存デバイスは、さらに、電流を第1の導電層と第1の誘電体層との界面に運ぶ少なくとも1つの導電チャンネルを備える。
【0138】
一実施形態の電荷保存デバイスは、さらに、電流を第2の導電性層と第2の誘電体層との間の界面に運ぶ少なくとも1つの導電チャンネルを備える。
【0139】
一実施形態の電荷保存デバイスは、さらに、少なくとも1つのイオンを導電層/電解液間の界面に運ぶ少なくとも1つの導電チャンネルを備える。
【0140】
一実施形態の電荷保存デバイスは、フリンジング効果を小さくするために端縁部を絶縁した少なくとも1つの導電層を有する。
【0141】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、アーク放電を防ぐために少なくとも1つの導電層の端縁部を絶縁処理する。
【0142】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層を少なくとも1本のワイヤに接合する。
【0143】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、コンデンサの短絡を防ぐために、少なくとも1つの導電層を絶縁処理する。
【0144】
一実施形態の電荷保存デバイスは、少なくとも1つの圧力逃し通気手段を備える。
【0145】
一実施形態の電荷保存デバイスは、シール(ガスケット材またはゴムなど)を備える。
【0146】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つのタブを少なくとも1つの導電層に接続する。タブは、電解コンデンサのような有極性電荷保存デバイスの正端子を陽極フォイルに接続する薄メタルストリップである。他のタブで陰極フォイルを負端子に接続することが可能である。
【0147】
本発明のデバイスと他のデバイスとの組合せ
本発明の電荷保存デバイスは、種々のデバイス、装置および他の電子素子、機器と共に使用することができる。本願に記載する実施形態は、本発明の電荷保存デバイスの使用形態を制限する意味を持つものではなく、本発明のコンデンサの一部の関連利用形態を明らかにするためのものである。
【0148】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層を作用関係をもって少なくとも1本のワイヤに接続する。
【0149】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの電荷保存デバイスを少なくとも1つの別のコンデンサおよび/または少なくとも1つの他の電荷保存デバイスに作用関係をもって接続する。
【0150】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、単個型コンデンサとして構成され、単個型コンデンサとして構成された少なくとも1つの別の本発明のデバイスに作用関係をもって接続される。
【0151】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層を直流電源に作用関係をもって接続する。
【0152】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層を交流電源に作用関係をもって接続する。
【0153】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層を直流電源および交流電源に作用関係をもって接続する。
【0154】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1つの導電層を直流バイアス電源および交流電源に作用関係をもって接続する。
【0155】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、少なくとも1対の有極性コンデンサを逆直列接続構成で接続する。
【0156】
一実施形態の電荷保存デバイスでは、その少なくとも1つの導電層を少なくとも1つのヒートシンクに作用関係をもって接続する。
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは、少なくとも1つの電気的構成部品に作用関係をもって接続する。
【0157】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスを少なくとも1つの電気的抵抗器に作用関係をもって接続する。
【0158】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスを少なくとも1つの半導体に作用関係をもって接続する。
【0159】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスを少なくとも1つのダイオードに作用関係をもって接続する。
【0160】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスを少なくとも1つの整流器に作用関係をもって接続する。
【0161】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスを少なくとも1つの制御整流器に作用関係をもって接続する。
【0162】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスを少なくとも1つのインダクタに作用関係をもって接続する。
【0163】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスの動作温度を外部的な方法によって設定し、維持する。
【0164】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスの動作圧力を外部的な方法によって設定し、維持する。
【0165】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスの動作の向きを外部的な方法によって設定し、維持する。
【0166】
本発明のデバイスの作製技術および方法
電荷保存デバイスは、種々のサイズ、例えば、ナノスケール、マイクロスケール、分子スケールあるいはマイクロスケールで作ることができる。本発明のデバイスは、その種々の構成要素を原子単位または分子単位で、あるいはこれらを組み合わせた単位で作り、あるいは作製するようにして作ることが可能である。導電層および誘電体層は層単位あるいは原子単位で作製することができる。好ましくは、本発明の電荷保存デバイスを作製するにはナノ技術プロセスおよび技術を使用する。しかしながら、マクロ技術を用いてエネルギー貯蔵特性および電力特性の強化、増大表面積モアティなどを達成することもできる。ここで、ナノ技術およびマクロ技術は、例示説明のためのものであり、本願に対して限定的な意味を有するものではないということに留意すべきである。導電層および誘電体層の作製は、これらの層の同時作製を含め、任意の順序で作製することができる。
【0167】
本発明のデバイスの導電層および誘電体層は、表面積の増加、電荷分離距離の減少および電力特性強化という結果が等しく再現されるよう巨視的な方法により、層単位でも、あるいは原子単位でも作製することが可能である。
【0168】
本発明のデバイスを作製する一方法では、導電層および誘電体層は分子単位で作製する。
【0169】
本発明のデバイスを作製するもう一つの方法では、導電層および誘電体層は原子単位で作製する。
【0170】
本発明の電荷保存デバイスを製造する一つの方法のプロセスは、導電曲線面を持つ少なくとも1つの第1の導電層を作製するステップと;導電曲線面を持つ少なくとも1つの第2の導電層を作製するステップと;該第1の導電曲線面と該第2の導電曲線面との間に配設された少なくとも1つの誘電体層を作製するステップと;を包含する。
【0171】
本発明の電荷保存デバイスを製造するもう一つの方法のプロセスは、第1の導電曲線面を持つ第1の導電層を作製するステップと;相対向する第1および第2の誘電体曲線面を持ち、該第1の誘電体曲線面が該第1の導電曲線面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の導電曲線面にその全体にわたって倣う第1の誘電体層を作製するステップと;第2の導電曲線面を持ち、該第2の導電曲線面が該第2の誘電体曲線面に近接して配設されるとともに、実質的に該第2の導電曲線面にその全体にわたって倣う第2の導電層を作製するステップと;を包含する。
【0172】
本発明の電荷保存デバイスを製造するもう一つの方法のプロセスは、第1の滑らかな増大導電面を持つ第1の導電層を作製するステップと;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の滑らかな増大誘電体面が該第1の導電面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の滑らかな増大導電面に倣う誘電体層を作製するステップと;第2の滑らかな増大導電面を持ち、該第2の滑らかな増大導電面が該第2の誘電体面に近接して配設されるとともに、実質的に該第2の滑らかな増大導電面に倣う第2の導電層を作製するステップと;を包含する。
【0173】
本発明の電荷保存デバイスを製造するもう一つの方法のプロセスは、第1の導電面を持つ第1の導電層を作製するステップと;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の導電面と実質的に共形の表面を持つ誘電体層を作製するステップと;該第2の誘電体面に近接して配設された第2の導電面を持つ第2の導電層を作製するステップと;を包含する。
【0174】
本発明の電荷保存デバイスを製造するもう一つの方法のプロセスは、第1の導電面を持つ第1の導電層を作製するステップと;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が実質的に該第1の導電面とのモアティ関係を保持する誘電体層を作製するステップと;該第2の誘電体面に近接して配設された第2の導電面を持つ第2の導電層を作製するステップと;を包含する。
【0175】
本発明の電荷保存デバイスを製造するもう一つの方法のプロセスは、第1の導電面を持つ第1の導電層を作製するステップと;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の導電面と実質的に共形の表面を持つ誘電体層を作製するステップと;該第2の誘電体面に近接して配設された第2の導電面を持つ第2の導電層を作製するステップと;を包含する。
【0176】
本発明の電荷保存デバイスを製造するもう一つの方法のプロセスは、第1の表面を持つ第1の導電層を作製するステップと;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の表面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の表面に倣う誘電体層を作製するステップと;第2の導電面を持ち、該第2の導電面が該第2の誘電体面に近接して配設されるとともに、実質的に該第2の誘電体面に倣う第2の導電層を作製するステップと;を包含し、該第1および/または第2の誘電体面の少なくとも一部がシャーピー構造を持つ。
【0177】
本発明の電荷保存デバイスを作るあるいは作製する一つの方法では、誘電体膜を堆積形成する。
【0178】
本発明の電荷保存デバイスを作るあるいは作製する一つの方法では、多孔質媒体を堆積形成する。電解液型の電荷保存デバイスの含液部分内。紙層のような多孔質媒体は、イオン移動を可能にし、スポンジと同様に考えることができる。含液部内の多孔質媒体は各層を湿潤化し、電流の流れを可能にする。これらの多孔質媒体では、電気化学製品を採用することができる(自動車のバッテリー、タンタルコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサ、燃料電池など、すなわちあらゆるPECSデバイスにおけるように)。
【0179】
本発明の電荷保存デバイスを作るあるいは作製する一つの方法では、透過性媒体を堆積形成する。電解液型の電荷保存デバイスの含液部分内。紙層のような多孔質媒体は、イオン移動を可能にし、スポンジと同様に考えることができる。含液部内の多孔質媒体は各層を湿潤化し、電流の流れを可能にする。これらの透過性媒体では、電気化学製品を採用することができる(自動車のバッテリー、タンタルコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーコンデンサ、ウルトラコンデンサ、燃料電池など、すなわちあらゆるPECSデバイスにおけるように)。
【0180】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、デバイスの物理的構造を変えるために、化学パラメータを時間的、空間的に制御可能に変化させる。
【0181】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、化学気相成長法(CVD)を用いる。
【0182】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、プラズマ励起化学気相法(PECVD)を用いる。
【0183】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、硬化/アニールプロセスを行う。
【0184】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、活性酸素供給源を用いる。
【0185】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、ナノ操作の技術、装置およびプロセスを用いて、リード線、導体、電解液、湿潤化機構または誘電体の中の任意のものを作る。
【0186】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、マイクロスケールの実装技術、装置およびプロセスを用いて、リード線、導体、電解液、湿潤化機構または誘電体の中の任意のものを作る。
【0187】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、リソグラフィ法のツール、装置およびプロセスを用いて、リード線、導体、電解液、湿潤化機構または誘電体の中の任意のものを作る。
【0188】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、エッチング法のツール、装置およびプロセスを用いて、リード線、導体、電解液、湿潤化機構または誘電体の中の任意のものを作る。
【0189】
本発明の電荷保存デバイスを作るいくつかの方法では、下記の中の1つ以上のものを使用することが可能である:マイクロ電気機械デバイス、少なくとも1つのマイクロセンサ、少なくとも1つのナノセンサ、少なくとも1つのアレイ形プローブ、少なくとも1つのアレイ形ナノチューブ、少なくとも1つの電磁場、少なくとも1つの操作可能電磁場、および/または少なくとも1つのナノ電気機械デバイス。
【0190】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、表面コーティング法を用いる。
【0191】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、接合法を用いる。
【0192】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、接合パラメータを制御可能に変えることによって、デバイスの物理的構造を変える。
【0193】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、エッチング法のツール、装置およびプロセスを用いてリード線、導体および誘電体を作る。
【0194】
本発明のデバイスを作るに際しては、次の装置およびプロセスを用いることが可能である:i)大規模装置およびプロセス、ii)小規模装置およびプロセス、iii)マイクロスケールの装置およびプロセス、またはiv)ナノスケールの装置およびプロセス。
【0195】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスは湿潤化機構を有する。本発明のもう一つの実施形態では、少なくとも1つのマイクロ流体チャンネルを湿潤化機構に備える。
【0196】
本発明の一実施形態においては、電荷保存デバイスは少なくとも1本のナノチューブからなる湿潤化機構を有する。
【0197】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、感光性基板を用いる。
【0198】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、感光層を堆積形成する。
【0199】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、感光領域を堆積形成する。
【0200】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、マスクパターンを用いる。
【0201】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、電極を第1および/または第2の導電層に作用関係をもって接続する。
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、電極を導体基板に作用関係をもって接続する。
【0202】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、電極を半導体に作用関係をもって接続する。
【0203】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、電極を誘電体に作用関係をもって接続する。
【0204】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、プローブを用いる。
【0205】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、試薬を用いる。
【0206】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、ウェーハを用いる。
【0207】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、マイクロ流体分析法を行う。
【0208】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料をナノチューブによってデバイスへ送り届ける。
【0209】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料を単層ナノチューブによってデバイスへ送り届ける。
【0210】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料を多層ナノチューブによってデバイスへ送り届ける。
【0211】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、レーザを用いる。
【0212】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料をナノチューブによってデバイスに融着する。
【0213】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、下記の任意の1つ以上の手段を用いることが可能である。顕微鏡、熱源、またはヒートシンク。
【0214】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料をナノチューブを介して監視する。
【0215】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料をナノチューブによって操作する。
【0216】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料の温度を測定する。
【0217】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料の化学特性を測定する。
【0218】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料の電気特性を測定する。
【0219】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料の物理特性を測定する。
【0220】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、材料の量子特性を測定する。
【0221】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、腐食プロセスを用いる。
【0222】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、エッチングプロセスを用いる。
【0223】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、導電層および誘電体層をプリント回路基板内部に実装する。
【0224】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、導電層および誘電体層を集積回路内部に実装する。
【0225】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、導電層および誘電体層を、i)パッケージに封入するか、あるいはii)カプセル封入する。
【0226】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、導電層および電解液をパッケージに封入する。
【0227】
本発明の電荷保存デバイスを作る一つの方法では、電荷保存デバイスを金属パッケージ、プラスチックパッケージ、シリコンベースのパッケージ、炭素ベースのパッケージ、またはセラミックパッケージに封入する。
【0228】
本発明の電荷保存デバイスを作る少なくとも1つの方法のプロセスは、下記のような微視的構造を成長させるステップを包含する:結晶、マット、フィルタマット、ベッド、ウェブおよび粒子雲。
【0229】
本発明のデバイスは、平形、円筒形、球形あるいは平形以外の形のような任意の適切な形状に作ることが可能である。
【0230】
本発明のデバイスは、まず平形のような1つの形に形成し、その後巻回または他の加工によって、平形、円筒形、球形、あるいは平形以外の他の形のような任意の適切な形状とすることが可能である。
【0231】
本発明のデバイスのパッケージング
本発明のデバイスを作り、あるいは作製したならば、特に平形の場合、最終のパッケージング工程に送るために、巻回加工(roll)することができる。本発明のデバイスは、1つ以上のデバイスをパッケージ容器に収納または収容することができる。パッケージ容器は、円筒状に、環状の部分、矩形、平行六面体、さらには他の容器形状など、任意の形とすることができる。容器は、防水加工、耐圧定格、あるいは防振取り付け(緩衝取り付け)とすることが可能である。
【0232】
絨毛状(villiform)小形構造滑らかなキャップを持つ電荷保存デバイス
本発明の一実施態様においては、絨毛状マイクロ構造を持つ滑らかな全体構造を作る。滑らかな全体構造の全体的な力学的強度は保たれる。狭い場所に、とがった剛毛を導入する。強度および表面積を増加させるような構造に作られたこれらの剛毛は、大きな電荷の集中を分散させて蓄積するのに役立つ。ここで、大きくて滑らかな山を考えてみる。なだらかな各斜面はほんの僅かしか湾曲していない。上り下り、谷、峰、高原および頂上がある。この山の各地点は、東西何北どの方向にも容易に移動することができる。人は、ほとんど同じ労力で登ったり、下ったり、あるいはトラバースすることができる。ちょっとここで、もう少し細かく調べてみよう。草の緑の絨毯が我々の目を捉える。より細かく観察すると、見かけ上滑らかな山の構造が最も小さいレベルでは遮られる。草の茎や葉が、我々が目にしている高山草原の連続性および滑らかさを遮断する。草は、エネルギー取り込みのために最大の日光被曝を求める。草の小枝は、山の強度を低減していないのに、山の表面積を大規模に増加させている。
【0233】
本発明の一実施態様においては、絨毛状ナノ構造を持つ滑らかな全体構造を作る。「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラは、厚地のカーテンを縫い直したビロードのドレスを着てレット・バトラーを訪ねる。上記のように、とても小さいレベルでは、恋に夢中の二人だけしか、売出し中の若手女優のしとやかな線がビロードの毛羽によって急に途絶えていることに気づくことはなかった。ほどよさを越えたビロードの絨毛も、クラーク・ゲーブルにとってのビビアンリーの魅力を減殺することはない。実際、柔らかいビロードの毛羽からは、全く独自の力がにじみ出てくる。とても小さくても目に見える剛毛は、他の大方の生地では及びもつかない深みを作り出す。これと同じようにして、絨毛状突起のあるナノ構造は、本発明のコンデンサに電荷蓄積、故障状態および電圧強度に関する強い力学的構造をもたらす。
【0234】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、導電層および誘電体層は、絨毛状ナノ構造を持つ絨毛状マイクロ構造による滑らかな全体構造によって作る。高い力学的強度と実効絶縁耐力が保持される。シャーピーな空間配列構成(トポロジー)を用いることにより、大きい表面積が達成され、従って高い電荷の密度および蓄積が達成される。その結果、高電圧および高電流状態を特徴とする種々の力、トルク、応力および熱作用に遭遇するが、大きなコンデンサ劣化を伴うことはない。
【0235】
シャーピー構造を持つ電荷保存デバイス
本発明の電荷保存デバイスのもう一局面は、シャーピー構造を持つ電荷保存デバイスである。一実施形態の電荷保存デバイスは、導電層および/または誘電体層の少なくとも一部にシャーピー構造を有する。
【0236】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスは、第1の導電面を持つ第1の導電層と;相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の導電面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の導電面に倣う誘電体層と;第2の導電面を持ち、該第2の導電面が該第2の誘電体面に近接して配設されるとともに、実質的に該第2の誘電体面に倣う第2の導電層と;を備え、該第1および/または第2の誘電体面の少なくとも一部がシャーピー構造を持つ。
【0237】
本発明の一実施形態において、電荷保存デバイスは、第1の表面を持つ第1の導電層と、相対向する第1および第2の誘電体面を持つ誘電体層を備える。導電層の第1の表面は、誘電体層の第1の誘電体面に近接して配設され、実質的に該第1の誘電体面に倣う。また、この実施形態のデバイスは、第2の導電面を持ち、該第2の導電面が該第2の誘電面に近接して配設され、実質的に該第2の誘電面に倣う第2の導電層を備える。
【0238】
この実施形態のデバイスの1つの特徴は、該第1および/または第2の導電面の少なくとも一部がシャーピー構造を持つことである。さらに、該第1または第2の誘電体面の少なくとも一部もシャーピー構造を持つことが可能である。本発明に対する制限的意味を持つことなく、これらのシャーピー構造の中には、実質的に樹木と葉の構造、ほぼ神経様構造、ほぼシナプス様構造、あるいはほぼ血管様および毛細血管様構造のような樹枝状結晶構造を備えたものがある。
【0239】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、導電層および誘電体層は、樹枝状結晶、フレネル、樹木と葉およびその他の非常に角張った構造を持つ滑らかな全体構造によって作る。導体を織り合わせ、絶縁し、ランダムに絡み合った状態(蛇を一杯に入れた麻袋またはスパゲッティ一杯のコランダーのような)。これらの種々の構造によれば、電力特性の強化が、もたらされる。
【0240】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、シャーピー構造の使用によってコンデンサの表面積が拡大される。
【0241】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、シャーピー構造の使用によって電荷保存密度が高くなる。
【0242】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、シャーピー構造の使用によってコンデンサの総電荷密度が高くなる。
【0243】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、シャーピー構造の使用によってコンデンサの瞬間電流能力が高くなる。
【0244】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、シャーピー構造の使用によってコンデンサの電荷蓄積速度が高くなる。
【0245】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、接合法を用いることによって斥力が阻止される。
【0246】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、接合法を用いることによってエントロピーが阻止される。
【0247】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、接合法を用いることによって材料が正しい位置に保持される。
【0248】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、接合法を用いることによって材料を接合する。
【0249】
本発明の電荷保存デバイスの一実施態様においては、誘電体層と導電層とのモアティ関係によって本発明のコンデンサの冷却が助長される。
ここで留意しなければならないのは、大方の本発明の実施形態について上にその概要を説明したが、それ以外の実施態様については請求範囲に記載する。それらの実施態様も、参照によって本発明の要約における記載として包括される。
【0250】
以上の説明では、以下の発明の詳細な説明をよりよく理解できるように、本発明の特徴および技術的特長をかなり大まかに概括した。本発明のさらなる特徴および長所については、この後説明するが、これらは本発明の請求範囲に記載する発明をなすものである。当業者ならば、本願で開示した概念および個々の実施形態を本発明と同じ目的を果たすための他の構造を修正し、あるいは設計するための基礎として容易に利用可能であるということを理解するべきである。また、当業者ならば、そのような等価の構造は請求範囲に記載する発明の趣旨および範囲を逸脱するものではないということを理解するべきである。本発明の特徴をなすと考えられる新規な特徴は、以下の詳細な説明を添付図面との関連で考察するとき、さらなる目的および長所と共に、よりよく理解されると思われる。しかしながら、これらの各図は例示説明を目的として添付したものであり、本発明の限定を意図したものではないということを明確に理解するべきである。
【0251】
本発明のより完全な理解を期すために、以下、下記の添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0252】
(発明の詳細な説明)
コンデンサは、この技術分野の精通者によっては一般に数学的に説明がなされる。これには、広く採用されている単位と換算の方式がいくつかある。これらの異なる方式の間を行ったり来たりすることは普通行われない。基本的な物理的・数学的な定義と関係は、できる限り受動符号回路規約(passive sign circuit convention)を用いて、下記のように表される:
Q=8.9874×10Nmou (電荷の単位、クーロン)
E0=8.854×1012ou/NM (自由空間の誘電率)
C=Q/V
v=(1/C)Σidt+vt (tからtまでの合計または積分)
i=C dv/dt
p=vi=Cv dv/dt
w=Cv/2
C=E(A/d) (平行板コンデンサの幾何学形状)
コンデンサは、一定の定性的回路作用と反作用で特徴づけられる。この回路挙動は、下記の発見的方法によって要約される:i)コンデンサは端子電流の瞬間的変化を許容する、ii)コンデンサは端子電圧の瞬間的変化に抗する、iii)充電したコンデンサは、一定(直流)電圧に対しては開回路の様に見える。
【0253】
図3は、滑らかな2次元形状を図解したものである。1つ以上の導電層の表面を滑らかな表面に形成することができる。さらに、誘電体層も、同様に滑らかな表面を持たせて形成することができる。二次元の滑らかな形状の一つの数学モデル化が正弦波である。滑らかな谷31および峰33は、図4に示すように、物理的にいくつかの滑らかな三次元面に延長することができる。例えば、この図は、滑らかな三次元の溝または丘と谷の構造と考えることができる。
【0254】
図4は、本発明で利用することが可能な滑らかな三次元構造を図解したものである。この構造は、谷31と峰33の構造または正弦波あるいは平面に線形的に展開された同様の起伏形状と考えることができる。勾配の変化が緩やかである限り、この構造は滑らかであると考えることができる。表面の傾斜の緩やかな変化は作ることが可能である。
【0255】
図5は、層間のモアティの概念を図解したものである。上面と下面の構造は共形状である。図5は、上面41と下面43の半部間の離隔距離を誇張して示してある。図示のように、これらの表面は、第1の表面45と第2の表面47との間にモアティ関係を保持する。本発明のいくつかの実施形態では、導電層が誘電体層とのモアティ関係を保持する。
【0256】
図6は、電荷保存デバイスの多くの目的の中の1つを図解したもので、その1つの目的は電荷保存デバイスの電力特性を強化することである。図6は、例示のためのもので、限定的な意味を有するものではない。図6は、本発明の電荷保存デバイスの電気エネルギー貯蔵特性と電力伝達面の特性との相対的関係を図解したものである。図6は、エネルギー61を縦軸に、電力62を横軸に取って示す。「関心対象の部分」として枠で囲った部分は、総じて、本発明の技術の一実施態様が現在利用可能な他の技術と対比してどの位置にあるかを示している。ブロック67の「関心対象の部分」は、エネルギー対電力のグラフで本発明の電荷保存デバイスが他の現行技術と比較して占める領域を示していると考えられる。図に示すように、各技術間には著しい格差がある。例えば、鉛カルシウムバッテリー63は、高いエネルギー貯蔵設計になるディープサイクル形である。他方、同等のアンペア時の始動バッテリーは、その総エネルギー量を貯蔵するものではないが、ディープサイクル形に比べて非常に大きい瞬間電力を供給することができる。同様に、種々の対称形および非対称形のスーパーおよびウルトラコンデンサの設計64があって、これらは広範多岐にわたるエネルギー密度と電力密度の特性を持つ。さらに、タンタルコンデンサ65は、様々な電力とエネルギーの特性を持つ。無極性コンデンサ66は、良好な電力特性を持ち得るが、エネルギー貯蔵能力は小さい。本発明の電荷保存デバイスは、既存技術に比べて電力およびエネルギー共増強指された能力を示している。
【0257】
図7は、平行板コンデンサアセンブリで導電層の数が少なくなる作製方法を図解したものである。導体の数を少なくすることは、本発明の1つの目的である。
【0258】
図8は、直列コンデンサアセンブリで導電層および相互接続配線の数を減らす作製方法を図解したものである。
【0259】
図9AおよびBは、逆直列コンデンサアセンブリで導電層および相互接続配線を減らす作製方法を図解したものである。この技術は、連続形交流用途で順バイアスの有極性コンデンサを使用する中で用いることができる。
【0260】
図10は、表面積がお大きくなる任意スケールのコンデンサ設計を図解したものである。この形態の全体的構造は、容積電荷保存を増加させるのに役立つ。図10は、一定の高有角性を示しており、シャーピー構造と見なすことができる。
【0261】
図11は、高有角性を持つ構造の一例を図解したものである。一部の実施形態において、本発明の電荷保存デバイスは、電荷蓄積およびエネルギー貯蔵を最大化するよう作用する樹枝状結晶構造を用いる。樹枝状結晶構造は樹木と葉、神経とシナプス、血管と毛細血管を有する。このようなシャーピー構造は、高エネルギー密度コンデンサ用として好適である。
【0262】
図12は、Z=A・Sin(bX)Sin(bY)で表されるシヌソイド(正弦)曲線様の空間配列構成を持つ増大表面積部分を図解したものである。いくつかの実施形態では、導電層および誘電体層は曲線面を用いる。Z=A[Sin(bX)Sin(bY)]のような連続した簡単な数学的面の場合、正確に積分を導き出すことができる。上記面における表面積の増加は、振幅AとbXおよびbYの周期の関数である。この形状で、bXとbYの周期は等しい。共形状誘電体および第2の共形状導電層が含まれるこのような滑らかな曲線面を持つ物体は、電解コンデンサに見られるような脆い構造と比較して、高い物理的強度を持つということを実証することができる。ある単位シヌソイド周期にわたる線積分(長さ)は、2πの長さを持つ。従って、シヌソイド単位構造の面積分は4πになる。上に示したようなZのより一般的な場合は、定数Aおよびbが含まれる。表面積は、面積分の数学的性質の故に、定数Aの大きさに正比例して増加し、また定数bに反比例して増加することになる。この表面積の増加は、物理的に、波の大きさの増加および波長の減少(周波数の増加)に伴うエネルギーの増加と類似している。Z=A・Sin(bX)Sin(bY)のシヌソイド様トポロジーは滑らかで、導体故の大きい物理的強度を示すことができる。強く結合され、物理的に強い共形状の誘電体が離隔空間を埋める結果、著しい力学的支持効果がもたらされる。結晶形炭素(ダイヤモンド)のような良好な熱伝達特性および耐熱性を持つ誘電体では、大きな変位電流が可能である。共形層のトポロジーによれば、誘電体内部の電荷移動の最短距離として、曲線面の各点における導体間の直交経路がもたらされる。このように、材料強度、トポロジー、および熱力学的性質が誘電率および絶縁耐力と相まって、コンデンサの許容過渡電流密度および定常状態電流密度が決定される。構造寸法がそこに介在する原子および分子に比較して相対的に大きい場合、一様な共形状コーティングとの非常に緊密な近似状態を保持することができる。
【0263】
図13は、峰と谷が本質的に矩形の平行六面体である拡大表面積領域を図解したもので、単位鋸歯またはピラミッド様の空間配列構成が示されている。本発明の電荷保存デバイスのいくつかの実施形態では、導電性面および誘電体面は増大表面部を有する。鋸歯二次元曲線線積分を4で示し、三次元表面の表面積を(6)で示す。このように、三次元鋸歯状トポロジーでは、平坦面の6倍の表面積が得られるが、シヌソイドトポロジーの表面積よりは表面積が相当小さい。この形状は、四角い箱の半分を傾け、僅かにずらした状態と説明することができる。図13のトポロジー構造は、表面積の増加と共に、著しい物理的強度を示す。上記シヌソイドトポロジー場合のように、ピラミッド構造は振幅および周波数の増加に伴って表面積が増加する。また、変位電流ベクトルは、一般に、上記のシヌソイド構造の直交最短経路の特性を保持する。比較的直線的に達成可能な表面と端縁部は、結晶質および多結晶質の成長構造と相容れる。
【0264】
本願明細書中で言及する特許および刊行物はすべて、本発明が関係する分野の当業者のレベルを示すものである。すべての特許および刊行物は、それらの刊行物が特定的に個別に参照により援用すると明記されているのと同じ程度において、参照により本願に援用する。
【0265】
米国特許文書:
米国特許第5,362,526号、名称「Plasma−Enhanced CVD Process Using TEOS for Depositing Silicon Oxide」、参照により本願に援用する。
【0266】
米国特許第5,876,787号、名称「process of manufacturing a porous carbon material and capacitor having the same」、Avarbz他、1999年
米国特許第5,081,559号、名称「enclosed ferroelectric stacked capacitor」、Fazan他、1992年
公開米国特許出願:
US PTO 20020017893、W.B.Duff,Jr.2002年2月14日公開、「Method and Circuit For Using Polarized Device In AC Applications」
US PTO 20030006738、W.B.Duff,Jr.2003年1月9日公開、「Method and Circuit For Using Polarized Device In AC Applications」
非仮米国特許出願第09/170,998号、名称「Method and Circuit For Using Polarized Device In AC Applications」、2000年11月9日出願:2000年1月4日出願の「Method and Circuit For Using Polarized Device In AC Applications」という名称の仮特許出願第60/174,433号の特典を主張
USPTO 20030010910、Colbert,Daniel T.、他、2003年1月9日公開、名称:「Continuous Fiber of Single Wall Carbon Nanotubes」
その他の参考文献:
「Solid State Electronic Devices」、第3版、Ben G.Streetman,Prentice−Hall,Englewood Cliffs,N.J.、1990年
「Economic AC Capacitors」、W.B.Duff,Jr.、IEEE Power Engineering Review,巻22,No.1,2002年月,米国電気電子学会、ニューヨーク州ニューヨーク
以上、本発明およびその長所について詳細に説明したが、本願において特許請求の範囲に明確に記載する発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、種々の変更、置換および修正をなすことが可能であるということを理解するべきである。さらに、本願の範囲は、明細書に記載するプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定することを意図したものではない。当業者ならば本願の開示内容から容易に理解されるように、本願記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすか、あるいは同じ結果を達成する既存のまたは将来開発されるプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、あるいはステップは、これらを本発明に基づいて利用することが可能である。したがって、特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法またはステップをその範囲に包括するものである。
【図面の簡単な説明】
【0267】
【図1】図1は、平面状の導体面を持つコンデンサの概念図の導体板における瞬間電荷蓄積状態を示す。
【図2】図2は、導体フォイルを持つ従来技術の電解コンデンサの一例の拡大横断面図である。
【図3】図3は、滑らかな二次元模様を図解したものである。
【図4】図4は、滑らかな三次元構造を図解したものである。
【図5】図5は、上面と下面の構造とが共形状をなすことを示すモアティを図解したものである。
【図6】図6は、この技術における電気エネルギー貯蔵特性と電力伝達面の特性との相対的関係を図解したものである。
【図7】図7は、並列コンデンサアセンブリで導電層の数を減らす作製方法を図解したものである。
【図8】図8は、直列コンデンサアセンブリで導電層および相互接続配線の数を減らす作製方法を図解したものである。
【図9】図9AおよびBは、逆直列コンデンサアセンブリで導電層および相互接続配線を減らす作製方法を図解したものである。
【図10】図10は、表面積がお大きくなる任意スケールのコンデンサ設計を図解したものである。
【図11】図11は、高い有角性のナノ構造を図解したものである。
【図12】図12は、シヌソイド曲線様空間配列構成を持つ表面積の拡大様相を図解したものである。
【図13】図13は、峰と谷が本質的に矩形の平行六面体である拡大表面積領域を図解したもので、単位鋸歯またはピラミッド様のトポロジー(空間配列構成)が示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電曲線面を持つ少なくとも1つの第1の導電層と;
導電曲線面を持つ少なくとも1つの第2の導電層と;
該第1の導電曲線面と該第2の導電曲線面との間に配設された少なくとも1つの誘電体層と;
を備えた、電荷保存デバイス。
【請求項2】
前記誘電体層が相対向する第1および第2の誘電体曲線面を持ち、該第1の誘電体曲線面が前記第1の導電曲線面に近接して配設されるとともに、該第1の導電曲線面にその全体にわたって倣う、請求項1に記載の電荷保存デバイス。
【請求項3】
第2の導電曲線面を持ち、該第2の導電曲線面が前記第2の誘電曲線面に近接して配設され、実質的に該第2の誘電曲線面にその全体にわたって倣う第2の導電層を備えた、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項4】
前記第1の導電面と前記第1の誘電体面が実質的に共形状をなす、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項5】
前記第2の導電面と前記第2の誘電体面が実質的に共形状をなす、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項6】
前記第1の導電面が実質的に前記第1の誘電体面とモアティ関係を保持する、請求項1または2のいずれか1に項記載の電荷保存デバイス。
【請求項7】
前記第2の導電面が実質的に前記第2の誘電体面とモアティ関係を保持する、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項8】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第1の誘電体面の部分と実質的に共形状をなす、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項9】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第1の誘電体面の部分と実質的にモアティ関係を保持する、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項10】
前記第1の導電面の部分が、前記第1の誘電体面の部分から実質的に一様な距離の位置にある、請求項8または9のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項11】
前記第1の導電面が前記第1の誘電体面から0.0001〜2,000μmの範囲の選択された距離の位置に配設され、該選択された距離が選択可能な公差内で変化する、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項12】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第2の誘電体面の部分と実質的に共形状をなす、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項13】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第2の誘電体面の部分と実質的にモアティ関係を保持する、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項14】
前記第2の導電面の部分が、前記第2の誘電体面の部分より実質的に一様な距離の位置にある、請求項12または13のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項15】
前記第2の導電面が前記第2の誘電体面から0.0001〜2,000μmの範囲の選択された距離の位置に配設され、該選択された距離が選択可能な公差内で変化する、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項16】
前記第1および第2の導電曲線面および誘電体曲線面が各々実質的に滑らかな構造を持つ、請求項1または2のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項17】
前記第1および第2の導電曲線面および誘電体曲線面が各々、これらのいずれかの面の滑らかな構造の少なくとも一部に形成された絨毛様構造を備え、該絨毛様構造が該滑らかな構造に比して相対的に小規模である、請求項16に記載の電荷保存デバイス。
【請求項18】
前記第1および第2の導電曲線面および誘電体曲線面が各々、これらのいずれかの面の滑らかな構造の少なくとも一部に形成された樹枝状結晶構造を備え、該樹枝状結晶構造が該滑らかな構造に比して相対的に小規模である、請求項16に記載の電荷保存デバイス。
【請求項19】
第1の滑らかな増大導電面を持つ第1の導電層と;
相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の滑らかな増大誘電体面が該第1の滑らかな増大導電面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の滑らかな増大導電面に倣う誘電体層と;
第2の滑らかな増大導電面を持ち、該第2の滑らかな増大導電面が該第2の誘電体面に近接して配設されるとともに、該第2の滑らかな増大誘電体面に倣う第2の導電層と;
を備えた、電荷保存デバイス。
【請求項20】
前記第1の滑らかな増大誘電体面が前記第1の滑らかな増大導電面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の滑らかな増大導電面に倣う、請求項19に記載の電荷保存デバイス。
【請求項21】
前記第1の導電面と前記第1の誘電体面が実質的に共形状をなす、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項22】
前記第2の導電面と前記第2の誘電体面が実質的に共形状をなす、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項23】
前記第1の導電面が実質的に前記第1の誘電体面とモアティ関係を保持する、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項24】
前記第2の導電面が実質的に前記第2の誘電体面とモアティ関係を保持する請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項25】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第1の誘電体面の部分と実質的に共形状をなす、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項26】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第1の誘電体面の部分と実質的にモアティ関係を保持する、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項27】
前記第1の導電面の部分が、前記第1の誘電体面の部分から実質的に一様な距離の位置にある、請求項25または26のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項28】
前記第1の導電面が前記第1の誘電体面から0.0001〜2,000μmの範囲の選択された距離の位置に配設され、該選択された距離が選択可能な公差内で変化する、請求項25乃至26のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項29】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第2の誘電体面の部分と実質的に共形状をなす、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項30】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第2の誘電体面の部分と実質的にモアティ関係を保持する、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項31】
前記第2の導電面の部分が、前記第2の誘電体面の部分から実質的に一様な距離の位置にある、請求項29または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項32】
前記第1および第2の滑らかな増大導電面および滑らかな増大誘電体面が各々実質的に滑らかな構造を持つ、請求項19または20のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項33】
前記第1および第2の滑らかな増大導電面および滑らかな増大誘電体面が各々、これらのいずれかの面の滑らかな構造の少なくとも一部に形成された絨毛様構造を備え、該絨毛様構造が該滑らかな構造に比して相対的に小規模である、請求項32に記載の電荷保存デバイス。
【請求項34】
前記第1および第2の滑らかな増大導電面および滑らかな増大誘電体面が各々、これらのいずれかの面の滑らかな構造の少なくとも一部に形成された樹枝状結晶構造を備え、該樹枝状結晶構造が該滑らかな構造に比して相対的に小規模である、請求項32に記載の電荷保存デバイス。
【請求項35】
成形された地形様導電面を持つ少なくとも1つの第1の導電層と;
成形された地形様導電面を持つ少なくとも1つの第2の導電層と;
該第1の成形された地形様導電面と該第2の地形様導電面との間に配設された少なくとも1つの誘電体層と;
を備えた、電荷保存デバイス。
【請求項36】
前記誘電体層が相対向する第1および第2の地形様誘電体面を持ち、該第1の地形様誘電体面が前記第1の地形様導電面に近接して配設されるとともに、該第1の地形様導電面にその全体にわたって倣う、請求項35に記載の電荷保存デバイス。
【請求項37】
前記第1の導電面と前記第1の誘電体面が実質的に共形状をなす、請求項35または36のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項38】
前記第2の導電面と前記第2の誘電体面が実質的に共形状をなす、請求項35または36のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項39】
前記第1の導電面が実質的に前記第1の誘電体面とモアティ関係を保持する、請求項35または36のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項40】
前記第2の導電面が実質的に前記第2の誘電体面とモアティ関係を保持する、請求項35または36のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項41】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が成形された地形様表面を持ち、該2%の部分が滑らかな構造を画定する請求項35または36のいずれか1項記載の電荷保存デバイス。
【請求項42】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が成形された地形様表面を持ち、該2%の部分が滑らかな構造を画定する、請求項35または36のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項43】
前記第1の誘電体面の少なくとも2%の面積の部分が成形された地形様表面を持ち、該2%の部分が滑らかな構造を画定する、請求項41または42のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項44】
前記第2の誘電体面の少なくとも2%の面積の部分が成形された地形様表面を持ち、該2%の部分が滑らかな構造を画定する、請求項42または42のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項45】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第1の誘電体面の部分と実質的に共形状をなす、請求項41または42のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項46】
前記第1の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第1の誘電体面の部分と実質的にモアティ関係を保持する、請求項41または42のいずれか1項記載の電荷保存デバイス。
【請求項47】
前記第1の導電面の部分が、前記第1の誘電体面の部分より実質的に一様な距離の位置にある、請求項43乃至46のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項48】
前記第1の導電面が前記第1の誘電体面から0.0001〜2,000μmの範囲の選択された距離の位置に配設され、該選択された距離が選択可能な公差内で変化する、請求項43乃至47のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項49】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第2の誘電体面の部分と実質的に共形状をなす、請求項41または42のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項50】
前記第2の導電面の少なくとも2%の面積の部分が前記第2の誘電体面の部分と実質的にモアティ関係を保持する、請求項41または42のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項51】
前記第2の導電面の部分が、前記第2の誘電体面の部分から実質的に一様な距離の位置にある、請求項49または50のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項52】
前記第2の導電面が前記第2の誘電体面から0.0001〜2,000μmの範囲の選択された距離の位置に配設され、該選択された距離が選択可能な公差内で変化する、請求項49乃至51のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項53】
前記第1および第2の導電面および誘電体面が各々実質的に滑らかな構造を持つ、請求項41または42のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項54】
前記第1および第2の導電面および誘電体面が各々、これらのいずれかの面の滑らかな構造の少なくとも一部に形成された絨毛様構造を備え、該絨毛様構造が該滑らかな構造に比して相対的に小規模である、請求項53に記載の電荷保存デバイス。
【請求項55】
前記第1および第2の導電面および誘電体面が各々、これらのいずれかの面の滑らかな構造の少なくとも一部に形成された樹枝状結晶構造を備え、該樹枝状結晶構造が該滑らかな構造に比して相対的に小規模である、請求項53に記載の電荷保存デバイス。
【請求項56】
前記滑らかな構造の少なくとも一部が反復パターンを持つ、請求項16乃至18、32乃至34、41乃至44、および53乃至55のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項57】
前記第1および/または第2の導電層の前記滑らかな構造の少なくとも一部が、胞状形、シヌソイド曲線の列形状、放物線形状、反転状、外転状、凹形状、凸形状、ランダム渦巻き線形状、数学的に(A)sin(bX)sin(bY)として定義される形状、数学的に放物線として定義される形状、数学的に円錐として定義される形状、管状、環状、またはトロイド形、あるいは垂直方向に透過性を持つよう埋め込まれた形の部分を持つ、請求項16乃至18、32乃至34、41乃至44、および53乃至55のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項58】
前記誘電体層の前記滑らかな構造の少なくとも一部が、胞状形、シヌソイド曲線の列形状、放物線形状、反転状、外転状、凹形状、凸形状、ランダム渦巻き線形状、数学的に(A)sin(bX)sin(bY)として定義される形状、数学的に放物線として定義される形状、数学的に円錐として定義される形状、管状、環状、またはトロイド形、あるいは垂直方向に透過性を持つよう埋め込まれた形の部分を持つ、請求項16乃至18、32乃至34、41乃至44、および53乃至55のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項59】
第1の表面を持つ第1の導電層と;
相対向する第1および第2の誘電体面を持ち、該第1の誘電体面が該第1の表面に近接して配設されるとともに、実質的に該第1の表面に倣う誘電体層と;
表面を持ち、該第2の導電面が該第2の誘電体面に近接して配設されるとともに、実質手金該第2の誘電体面に倣う第2の導電層と;を備え、
該第1および/または第2の誘電体面の少なくとも一部がシャーピー構造を持つ、電荷保存デバイス。
【請求項60】
該第1および/または第2の誘電体層の表面積の少なくとも2%の部分がシャーピー構造を持つ、請求項59に記載の電荷保存デバイス。
【請求項61】
シャーピー構造の同様の形状を少なくとも表面積の2%の部分にわたって反復状にパターニングした、請求項59または60のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項62】
シャーピー構造の異なる形状を少なくとも表面積の2%の部分にわたって反復状にパターニングした、請求項59または60のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項63】
前記第1および/または第2の導電面の少なくとも一部がシャーピー構造を持つ、請求項59乃至62のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項64】
前記シャーピー構造が樹枝状結晶構造である、請求項59乃至63のいずれか1項に記載の電荷保存デバイス。
【請求項65】
前記樹枝状結晶構造が、実質的に樹木と葉構造、または実質的に神経様構造、または実質的にシナプス様構造、または実質的に血管および毛細血管様構造である、請求項64に記載の電荷保存デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−523384(P2006−523384A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509060(P2006−509060)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006532
【国際公開番号】WO2004/079793
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(502238497)
【Fターム(参考)】