説明

電動機の安全装置

【課題】 単純な構造で電動機の停止状態を含む低回転状態を検出できること。
【解決手段】 回転速度センサに、予め設定された値に基づいて所定の周期のトグル信号を発生する信号発生手段と、回転速度信号とトグル信号とに基づいて電動機が低回転状態か否かを判定し、低回転状態を検出した場合は、トグル信号よりも長い予め定められた周期の交流信号を低回転速度信号として出力する低回転速度信号生成手段とを設け、信号伝送回線を介して接続される異常検出手段は、この低回転速度信号を入力して、低回転速度信号が予め定められた周期であった場合のみ、電動機が低回転状態であるとして低回転状態検出信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータやサーボアンプなどの電力変換器から供給される電力により駆動される電動機の低回転状態(停止状態を含む)を検出する電動機の安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー化の必要性からインバータやサーボアンプなど電動機を可変速駆動する電力変換器の普及が進んでいる。一方、エレベータや回転ドアの事故などが社会問題化しており、電気・機械機器の異常動作が人体に大きな影響を与える場合があるので、特に装置の異常を監視して、異常検出時には安全かつ確実に機器を停止させる機能が重要になる。
【0003】
電動機については、運転可能範囲を定めた安全機能の条件から逸脱していることを検出して安全に減速・停止させる必要がある。この検出方法として、回転速度センサを用いて回転速度を監視するという方法が一般に採られている。
【0004】
しかし、回転速度センサによって電動機の回転速度の監視を行う場合は、使用する回転速度センサの故障についても考慮する必要がある。すなわち、電動機が停止または速度制限されているために回転速度センサの出力信号が変化しないのか、回転速度センサの故障あるいは出力信号を伝送する信号伝送回線の異常のために出力信号が変化していないのかを正確に判別しなければならない。
【0005】
回転速度センサの故障を検出する技術として、例えば、特許文献1に記載の回転速度センサでは、3系統以上のセンサ出力を用い出力信号のパルスパターンやパルスパターンの変移からセンサの故障を検出している。
【0006】
また、特許文献2に記載の回転速度センサでは、センサ出力にアナログ値を用い出力信号のピーク値の大小によりセンサの故障を検出している。また、正常動作時にはセンサ出力が電源やGNDと異なる電圧値となっていることを利用し、出力端子が電源やGNDの電位に固定している場合をセンサ出力端子や信号伝送回線の短絡故障・開放故障として検出するという技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−184774号公報
【特許文献2】特開2006−266727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記の従来の技術では、回転速度センサの故障を検出するために、回転速度センサの複数使用や回転速度センサの出力端子数の増加による冗長化や回転速度センサのアナログ化を行う必要がある。このため、装置が複雑化し、さらに部品点数の増加により装置のコストが上がるという問題がある。
【0009】
本発明は上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、単純な構造で電動機の停止状態を含む低回転状態を検出でき、また低回転状態であっても回転速度センサおよび信号伝送回線の故障を確実に検出することのできる電動機の安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係る電動機の安全装置は、電動機の回転速度信号をもとに該電動機の低回転状態を検出して低回転速度信号を出力する回転速度センサと、該回転速度センサから信号伝送回線を介して送られてくる低回転速度信号に基づいて電動機が低回転状態であることを外部に出力する異常検出手段とを有する電動機の安全装置であって、回転速度センサは、予め設定された値に基づいて所定の周期のトグル信号を発生する信号発生手段と、電動機の回転速度信号と信号発生手段からのトグル信号とに基づいて電動機が低回転状態か否かを判定し、電動機が低回転状態であると判定した場合は、トグル信号よりも長い周期の交流信号を低回転速度信号として出力する低回転速度信号生成手段とを備え、異常検出手段は、低回転速度信号生成手段から送られてくる低回転速度信号を入力して、低回転速度信号が予め定められた周期であった場合のみ、電動機が低回転状態であるとして低回転状態検出信号を出力することを特徴とする。
【0011】
本発明では、回転速度センサに電動機が停止状態を含む低回転状態であるか否かを判定して、低回転状態の場合には低回転速度信号を出力する機能を設ける。回転速度センサは、低回転状態を検出するために予め設定された値に基づいて所定の周期のトグル信号を発生させる。この周期は低回転状態判定の基準となる。そして、回転速度センサの低回転速度信号生成手段は、電動機の回転速度信号とこのトグル信号とに基づいて低回転状態か否かを判定し、低回転状態であると判定した場合は、トグル信号よりも長い周期の交流信号を低回転速度信号として出力する。なお、低回転速度信号は、トグル信号を分周した交流信号を用いることによって、効率的に生成することができる。
この低回転速度信号は、信号伝送回線を介して異常検出手段に送られる。異常検出手段は、入力した低回転速度信号が予め定められた周期であった場合のみ、電動機が低回転状態であるとして低回転状態検出信号を出力する。
【0012】
本発明によれば、トグル信号よりも長い予め定められた周期の交流信号として低回転速度信号を出力するので、信号伝送回線を介して送信するような場合でも信号の短絡や開放等の異常を検知することができる。
【0013】
低回転速度信号生成手段は、次のいずれかの手法によって、電動機が低回転状態であることを検知することができる。
(1)電動機の回転速度信号の変化点を検出し、トグル信号の周期ごとにこの回転速度信号の変化点が存在するか否かを判定し、変化点が存在しないと判定したときは電動機が低回転状態であるとする。
(2)電動機の回転速度信号の変化点を検出し、変化点間ごとにトグル信号が変化したか否かを判定し、変化ありと判定したときは電動機が低回転状態であるとする。
(3)電動機の回転速度信号のパルス幅とトグル信号のパルス幅とを比較して、回転速度信号のパルス幅の方がトグル信号のパルス幅より広いと判定した場合は、電動機が低回転状態であるとする。
【0014】
なお、低回転速度信号生成手段に、一定周期間における回転速度信号の出力パルス数をカウントするカウント手段を設けて、このカウント手段のカウント値が設定値より小さいと判定した場合に低回転速度信号を出力するようにしても良い。
【0015】
好ましくは、回転速度センサに自己診断手段を設けておき、自己診断手段は回転速度センサの故障診断を実施して正常であることを確認した場合にのみ低回転速度信号の出力を許可するようにするとよい。
【0016】
また、本発明に係る電動機の安全装置では、回転速度センサの低回転速度信号生成手段は低回転速度信号と夫々の回転速度信号との排他的論理和をとった信号を回転速度信号の夫々の出力端子に出力し、異常検出手段は信号伝送回線上の回転速度信号のパルスパターンから低回転速度信号の復元を行うとともに信号伝送回線の故障検出を行う。そして、異常検出手段は信号伝送回線に故障がないと判定した場合は、復元した低回転速度信号と夫々の回転速度信号との排他的論理和をとることによって、回転速度信号の復元を行う。
【0017】
これにより、信号伝送回線を削減して、回転速度センサから異常検出手段へ夫々の回転速度信号を伝送するとともに、低回転状態を通知することができる。また、回転速度センサでは、電動機の状態に応じて出力信号を切り替えることになるので、低回転状態でない場合に回転速度信号を出力する端子と、低回転状態において低回転速度信号を出力する端子とを共通化することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、回転速度信号の信号伝送回線の故障時においても、回転速度信号と別に設けた低回転速度信号により電動機の状態を伝達することができる。また、信号伝送回線を介してこの低回転速度信号を送信する際に、低回転状態か否かを判定するための基準となる信号の周期よりも長い周期の交流信号として送信することにより、受信側において、信号伝送回線の短絡故障、開放故障、および、信号伝送回線と低回転速度信号の信号伝送回線の混触等の故障を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電動機の安全装置の機能ブロック図である。
【図2】図1の低回転速度信号生成部6の第1の実施例による回路構成図である。
【図3】図1の低回転速度信号復元部10の第1の実施例による回路構成図である。
【図4】図2の動作波形図である。
【図5】正常時の図3の動作波形図である。
【図6】異常時の図3の動作波形図である(その1)。
【図7】異常時の図3の動作波形図である(その2)。
【図8】図1の低回転速度信号生成部6の第2の実施例による回路構成図である。
【図9】図1の低回転速度信号復元部10の第2の実施例による回路構成図である。
【図10】図8の動作波形図である。
【図11】図1の低回転速度信号生成部6の第3の実施例による回路構成図である。
【図12】図1の低回転速度信号復元部10の第3の実施例による回路構成図である。
【図13】図11の動作波形図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態による電動機の安全装置の機能ブロック図である。
【図15】図14の低回転速度信号復元部10の動作説明図である。
【図16】図14において信号伝送回線に故障がない場合の動作波形図である。
【図17】図14において信号伝送回線に故障が発生している場合の動作波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、第1の実施の形態による電動機の安全装置1の機能ブロック図である。
【0021】
図1において、電動機の安全装置1は、電動機の回転速度を検知する回転速度センサ2、回転速度センサ2から出力される回転速度信号や監視信号を伝送する信号伝送回線7、および監視信号によって異常を検知して出力する異常検出部3から構成されている。
【0022】
また、回転速度センサ2は、電動機の回転速度を検出して電動機の回転位置に応じた回転速度信号を出力する回転速度検出部4、所定の周期のトグル信号を発生する発振器5、および電動機が低回転状態にあることを検知して低回転速度信号を出力する低回転速度信号生成部6を備え、異常検出部3は、低回転速度信号生成部6から送られてくる低回転速度信号を復元する低回転速度信号復元部10を備えている。なお、低回転状態とは停止状態も含む概念である。図1において、回転速度センサ2に供給する電源の基準電位をM、供給電圧をVcc、回転速度信号をU/AとV/BとW/Z、低回転速度信号をStopSig、信号伝送回線7に異常が無くかつ低回転状態であることを示す信号をStopOKで表している。
【0023】
さらに、回転速度センサ2の回転速度検出部4は、発光部21、回転ディスク22、および受光部23を備えている。電動機と連動して回転する回転ディスク22には回転速度検出のためのスリットが刻まれており、発光部21からの光をスリットで透過/遮断することによって、受光部23からパルス状の出力を得ている。
【0024】
この回転速度検出部4は、接続されている電動機の回転位置(回転ディスクの位置)に応じた回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)を出力する。
【0025】
低回転速度信号生成部6は、発振器5の出力信号から得られる基準クロックの一定周期内に入力される回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)を用いて電動機の回転速度が設定値以上か否かを判定する。この結果、低回転速度信号生成部6は、電動機の回転速度が設定値より低いと判定した場合は、低回転速度信号(StopSig)として予め定められた所定の周期の交流信号を出力する。この低回転速度信号(StopSig)は、信号伝送回線7を介して異常検出部3の低回転速度信号復元部10へ送られる。
低回転速度信号復元部10は、低回転速度信号(StopSig)として所定の周期の交流信号が受信されている場合には、低回転速度信号が正常に受信されていることを示す信号である低回転状態検出信号(StopOK)を出力する。
【0026】
次に、低回転速度信号生成部6と低回転速度信号復元部10の具体的な実現方法について説明する。
(実施例1)
図2は図1の低回転速度信号生成部6の実施例1による回路構成図である。図2において、エッジ検出回路61,62は、発振器5から出力されたトグル信号(Timer)を入力して、それぞれ信号(Timer)の立上りエッジと立下りエッジを検出してパルス信号を出力する。このパルス信号はOR回路63に入力され、クロック信号(clk)が生成される。このクロック信号(clk)が予め設定された所定の周期(設定値)となるように発振器5から基準となる信号(Timer)を出力するのである。OR回路63から出力されたクロック信号(clk)は、カウント回路65,66のリセット端子およびD型フリップフロップ(D−FF)68のクロック端子に入力される。このクロック信号(clk)は、回転速度の検出タイミングを決める信号になる。
【0027】
一方、EXOR回路64は回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)の排他的論理和を出力し、この出力(U^V^W/A^B^Z)は、カウント回路65,66のカウントアップ用クロック端子に入力される。このEXOR回路64の排他的論理和出力は、回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)のいずれか1つが変化した場合に出力信号が反転する信号である。なお、カウント回路65は、この排他的論理和出力の立上りエッジでカウントされ、カウント回路66は、排他的論理和出力の立下りエッジでカウントされる。すなわち、カウント回路65,66の機能はクロック信号(clk)の1周期の間に、排他的論理和出力(U^V^W/A^B^Z)にそれぞれ立上りエッジまたは立下りエッジが存在したか否かを判定するものである。この判定の結果1周期の間に立上りエッジが存在した場合には、カウント回路65の出力(Judge Up)が‘H’レベルを出力する。また、1周期の間に立下りエッジが存在した場合には、カウント回路66の出力(Judge Dn)が‘H’レベルを出力する。このカウント回路65およびカウント回路66の出力はAND回路67に入力される。AND回路67はクロック信号(clk)の1周期の間に立上りエッジと立下りエッジが共に存在した場合に‘H’レベルを出力し、立上りエッジと立下りエッジの少なくともいずれか一方が存在しない場合に‘L’レベルを出力する。
【0028】
AND回路67の出力は、D−FF68のD入力端子に接続される。D−FF68の反転出力はクロックの1周期の間に立上りエッジと立下りエッジが共に存在した場合に‘L’レベルを出力し、立上りエッジと立下りエッジの少なくともいずれか一方が存在しない場合に‘H’レベルを出力する。このD−FF68の反転出力を回転速度が設定値以下であることを示す信号(Flg(stop)、以下「低回転状態信号」という。)として使用する。この信号(Flg(stop))は、主に信号伝送回線7を介さずに低回転状態の出力を行うような場合に使用される。
【0029】
また、AND回路69,71とT型フリップフロップ(T−FF)70は、低回転状態信号(Flg(stop))が‘H’レベルである場合に発振器5の出力信号を2分周した一定周期の交流信号を出力する。このAND回路71の出力を低回転速度信号生成部6の出力信号(StopSig)として使用する。
【0030】
この低回転速度信号(StopSig)は、信号伝送回線7を介して異常検出部3の低回転速度信号復元部10へ送られる。
【0031】
図3は、図2の低回転速度信号生成部6と共に用いられ、低回転速度信号生成部6から送られてくる低回転速度信号(StopSig)を入力して低回転状態検出信号(StopOK)を出力する低回転速度信号復元部10の回路構成図である。
【0032】
図3において、エッジ検出回路61a,62aは、信号伝送回線7を通して回転速度センサ2側から送られてくる基準信号(Timer)を入力して、それぞれ信号(Timer)の立上りエッジと立下りエッジを検出する。なお信号(Timer)は、信号伝送回線7を通して送信する代わりに異常検出部3側に別に発振器5を設けて新たに生成するようにしても良い。
【0033】
エッジ検出回路61a,62aの出力はOR回路63aに入力され、クロック信号(clk)が生成される。OR回路63aから出力されたクロック信号(clk)は、カウント回路65a,66aのリセット端子、D−FF68aおよびD−FF82aのクロック端子にそれぞれ入力される。
【0034】
一方、信号伝送回線7を通して送られてくる低回転速度信号(StopSig)は、カウント回路65a,66aのカウントアップ用クロック端子に入力される。なお、カウント回路65aは低回転速度信号(StopSig)の立上りエッジでカウントされ、カウント回路66aは、低回転速度信号(StopSig)の立下りエッジでカウントされる。すなわち、カウント回路65a,66aは、クロック信号(clk)の1周期の間に、低回転速度信号(StopSig)にそれぞれ立上りエッジまたは立下りエッジが存在したか否かを判定する機能を有する。この判定の結果1周期の間に立上りエッジが存在した場合には、カウント回路65aの出力(Judge Up(a))が‘H’レベルを出力する。1周期の間に立下りエッジが存在した場合には、カウント回路66aの出力(Judge Dn(a))が‘H’レベルを出力する。このカウント回路65aおよびカウント回路66aの出力はOR回路81aに入力される。OR回路81aはクロック信号(clk)の1周期の間に立上りエッジと立下りエッジの少なくともいずれか一方が存在した場合に‘H’レベルを出力し、立上りエッジと立下りエッジの両方が共に存在しない場合に‘L’レベルを出力する。
【0035】
OR回路81aの出力が接続されるD−FF68aの出力はクロックの1周期の間に立上りエッジと立下りエッジの少なくともいずれか一方が存在した場合に‘H’レベルを出力する。このD−FF68aの出力は、D−FF88aに入力され、さらに、D−FF68aの出力とD−FF88aの出力は、EXOR回路83aに入力され排他的論理和がとられる。このEXOR回路83aの出路が低回転状態検出信号(StopOK)として出力される。これにより、D−FF68aの入力に変化のあったときのみ低回転状態検出信号(StopOK)が出力される。
【0036】
図4は、本実施例による低回転速度信号生成部6の動作波形例である。図4の動作波形の前半期間において、カウント回路65,66の出力(Judge Up, Judge Dn)が両方ともクロック信号(clk)のタイミングに‘H’レベルであるため、低回転状態信号(Flg(stop))および低回転速度信号(StopSig)は‘L’レベルを出力する。なお、クロック信号(clk)は、図4では図示していないが、信号(Timer)の立上りと立下りに短時間一ショット出力される信号である。
【0037】
図4の動作波形後半の低回転状態継続期間において、カウント回路65,66の出力(Judge Up, Judge Dn)の一方または両方がクロック信号(clk)のタイミングに‘L’レベルであるため、低回転状態信号(Flg(stop))は‘H’レベルを出力し、低回転速度信号生成部6の出力(StopSig)はクロック信号(clk)を分周した交流信号を出力する。
【0038】
図5は、信号伝送回線7に故障がない場合の本実施例による低回転速度信号復元部10の動作波形例である。
信号(Timer)と信号(StopSig)が図5のタイミングで入力されたとき、D−FF68aの出力は、この図に示すように信号(Timer)の位相をシフトした形になる。また、D−FF82aの出力波形は、D−FF68aをクロック信号(clk)の1周期分すなわち信号(Timer)の半周期分ずらした形になる。したがって、D−FF68aとD−FF82aの排他的論理和をとることにより、正常に低回転速度信号(StopSig)が出力されているときは、図5の低回転状態検出信号(StopOK)のような波形になる。なお、低回転状態検出信号(StopOK)の実際の波形は、信号(Timer)と信号(StopSig)の位相差や素子の遅延時間によって、信号(Timer)の半周期程度ずれる可能性があるが、基本的に低回転状態検出中は常時‘H’レベルの波形になる。
【0039】
次に、信号伝送回線7等の故障により、信号(StopSig)が他の信号と混触した場合の低回転速度信号復元部10の動作波形例について説明する。
図6は信号(StopSig)が回転速度信号のU信号と混触した場合の動作波形例、図7は信号(StopSig)が信号(Timer)と混触した場合の動作波形例である。それぞれ低回転状態検出信号(StopOK)が常時‘H’レベルにはならず途中で‘L’レベルに変化していることがわかる。したがって、低回転状態検出信号(StopOK)が所定以上の長さ、たとえば、信号(Timer)の2周期以上の長さであれば正しい低回転状態検出信号(StopOK)であると判定することによって、異常検出部3側で電動機の低回転状態を正確に検知することができる。
なお、信号(StopSig)が信号伝送回線7等の不具合によって‘L’レベルまたは‘H’レベルに固定された場合は、低回転状態検出信号(StopOK)は、常時‘L’レベルの波形になる。
【0040】
本実施例による低回転速度信号生成部6によって生成される低回転速度信号(StopSig)の源信号、すなわちT−FF70の出力は、発振器5の出力信号の周波数より低い周波数の信号になっているので、信号伝送回線7の故障(地絡,混触,電磁誘導等)のため低回転速度信号(StopSig)の信号伝送回線7に回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)が印加された場合においても、低回転速度信号復元部10において交流信号の周波数を判別することで正常な低回転速度信号(StopSig)ではないということが確認できる。これにより、異常検出部3側の低回転状態検出信号(StopOK)の出力を停止することができる。
【0041】
(実施例2)
図8に第2の実施例における低回転速度信号生成部6の回路構成図を示す。図8の低回転速度信号生成部6は、図2に対して低回転状態検出の判定方法を変えたものである。
【0042】
本実施例による低回転速度信号生成部6では、回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)の排他的論理和であるEXOR回路64の出力をエッジ検出回路61,62に入力する。OR回路63の入力にエッジ検出回路61,62の出力を接続することで、回転速度の検出タイミングを決めるクロック信号(clk)を生成する。
【0043】
カウント回路65,66はクロック信号(clk)の1周期の間に、発振器出力に立上りエッジまたは立下りエッジが存在したか否かを判定する。AND回路67とD−FF68はクロックの1周期の間に立上りエッジと立下りエッジが共に存在した場合に‘H’レベルを出力し、立上りエッジと立下りエッジのいずれか一方が存在しない場合に‘L’レベルを出力する。このD−FF68の出力を低回転状態信号(Flg(stop))として使用する。
【0044】
AND回路69,71とT−FF70は、低回転状態信号(Flg(stop))が‘H’レベルである場合に発振器5の出力信号を分周した一定周期の交流信号を出力する。このAND回路71の出力を低回転速度信号生成部6の出力信号(StopSig)として使用する。
【0045】
図9は、図8の低回転速度信号生成部6と共に用いられ、低回転速度信号生成部6から送られてくる低回転速度信号(StopSig)を入力して低回転状態検出信号(StopOK)を出力する低回転速度信号復元部10の回路構成図である。
【0046】
図9において、信号伝送回線7を通して回転速度センサ2側から送られてくる低回転速度信号(StopSig)は、エッジ検出回路61a,62aに入力される。エッジ検出回路61a,62aの出力はOR回路63aに接続され、OR回路63aから回転速度の検出タイミングを決めるクロック信号(clk)が出力される。このクロック信号(clk)は、カウント回路65a,66aのリセット端子、およびD−FF68aのクロック端子にそれぞれ入力される。
【0047】
一方、信号伝送回線7を通して回転速度センサ2側から送られてくる信号(Timer)を入力して、T−FF84aによって2倍周期に変換する。なお、実施例1と同様に、信号(Timer)は、信号伝送回線7を通して送信する代わりに異常検出部3側に別に発振器5を設けて新たに生成するようにしても良い。
【0048】
T−FF84aの出力信号は、カウント回路65a,66aのカウントアップ用クロック端子に入力される。カウント回路65a,66aはの間に、発振器出力に立上りエッジまたは立下りエッジが存在したか否かを判定する。AND回路67aはクロックの1周期の間に立上りエッジと立下りエッジが共に存在した場合に‘H’レベルを出力し、立上りエッジと立下りエッジのいずれか一方が存在しない場合に‘L’レベルを出力する。AND回路67aの出力をD−FF68aによってクロック信号(clk)の1周期の間ラッチして、低回転状態検出信号(StopOK)を生成する。
【0049】
図10は、本実施例による低回転速度信号生成部6の動作波形例である。図10の動作波形の前半期間において、回路65,66の出力(Judge Up, Judge Dn)の一方または両方がクロック信号(clk)のタイミングに‘L’レベルであるため、低回転状態信号(Flg(stop))および低回転速度信号(StopSig)は‘L’レベルを出力する。
【0050】
図10の動作波形の低回転状態継続期間において、カウント回路65,66の出力(Judge Up,Judge Dn)の両方がクロック信号(clk)のタイミングに‘H’レベルであるため、低回転状態信号(Flg(stop))は‘H’レベルを出力し、低回転速度信号生成部6の出力(StopSig)はクロック信号(clk)を分周した交流信号を出力する。
【0051】
本実施例では、低回転速度信号(StopSig)の源信号として、発振器5の出力信号の1/4以下の十分低い周波数の信号を用いている。低回転速度信号復元部10は、入力した低回転速度信号(StopSig)が、本来受信すべき所定の周波数か否かを判定し、所定の周波数の場合は、低回転状態検出信号(StopOK)を出力し、所定の周波数でない場合は、低回転状態検出信号(StopOK)の出力を停止する。これにより、安全装置1の異常検出部3は、伝送回路の故障(地絡,混触,電磁誘導等)のため低回転速度信号(StopSig)の信号伝送回線7に回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)が印加されたような場合は、低回転状態検出信号(StopOK)の出力をしないようにすることができる。
【0052】
(実施例3)
図11に実施例3における低回転速度信号生成部6の回路構成図を示す。本実施例では、回転速度信号に同期した一定パルス幅の信号を出力する発振器5を設ける。低回転速度信号生成部6は、この発振器5の出力パルス幅と回転速度信号のパルス幅とを比較し回転速度が設定値以下であるか否かを判定する。回転速度の検出タイミングを決めるクロック信号(clk)の生成方法は、実施例2と同様であるので説明を省略する。
【0053】
図11において、発振器5は、コンデンサ72と定電流源73からなる充電回路と、定電圧源74と比較器75からなる判定回路と、OR回路76と定電流源77からなる放電回路で構成される。比較器75はコンデンサ72の電圧と定電圧源74を比較しコンデンサ72の電圧の方が高い場合に‘H’レベルを出力し、コンデンサ72の電圧の方が低い場合に‘L’レベルを出力する。定電流源77は、OR回路63の出力が‘H’レベルの場合または比較器75の出力が‘H’レベルの場合にコンデンサ72を放電する回路構成になっており、発振器5をリセットする。OR回路63の出力が‘L’レベルである場合において、発振器5はコンデンサ72の静電容量と定電流源73により設定された一定パルス幅の信号を出力する。RSフリップフロップ(RS−FF)78は、クロック信号(clk)が入力されてから次のクロック信号(clk)が入力されるまでに比較器75の出力が‘H’レベルになったか否かを保持する。RS−FF78の出力は、発振器5の出力信号よりもクロック信号(clk)のパルス幅の方が広い場合には‘H’レベルを出力し、狭い場合には‘L’レベルを出力する。D−FF68は、クロック信号(clk)が入力されるタイミングにおけるRS−FF78の出力を保持する。このD−FF68の出力を低回転状態信号(Flg(stop))として使用する。
【0054】
信号発生器79とAND回路71は、低回転状態信号(Flg(stop))が‘H’レベルである場合に予め設定された一定周波数の交流信号を出力する。このAND回路71の出力を低回転速度信号生成部6の出力(StopSig)として使用する。
【0055】
図12は、図11の低回転速度信号生成部6と共に用いられ、低回転速度信号生成部6から送られてくる低回転速度信号(StopSig)を入力して低回転状態検出信号(StopOK)を出力する低回転速度信号復元部10の回路構成図である。
【0056】
図12の発振器5aは、図11と同様なので説明を割愛する。なお、図12は、低回転速度信号復元部10で発振器5aを備える構成なので、図1において、信号伝送回線7を介して信号(Timer)を伝送する必要はない。
【0057】
図12において、低回転速度信号(StopSig)は、エッジ検出回路61a,62aに入力される。そして、OR回路63aの入力にエッジ検出回路61a,62aの出力を接続することで、回転速度の検出タイミングを決めるクロック信号(clk)を生成する。このクロック信号(clk)は、RS−FF78aのリセット入力端子、およびD−FF68aのクロック端子にそれぞれ入力される。一方、発振器5aの出力は、RS−FF78aのセット入力端子に接続され、RS−FF78aの出力はD−FF68aのD入力端子に入力される。このD−FF68aの出力を低回転状態検出信号(StopOK)として使用する。
【0058】
図13は、本実施例による低回転速度信号生成部6の動作波形例である。図13の動作波形の前半期間において、コンデンサ72の電圧(VC72)は定電圧源74の電圧(Vref)に達する前にリセットされているため、低回転状態信号(Flg(stop))および低回転速度信号(StopSig)は‘L’レベルを出力する。
【0059】
図13の動作波形の低回転状態継続期間において、コンデンサ72の電圧(VC72)は定電圧源74の電圧(Vref)に達するため、低回転状態信号(Flg(stop))は‘H’レベルを出力し、低回転速度信号生成部6の出力(StopSig)は一定周期の交流信号を出力する。
【0060】
信号発生器79は、定電流源73の電流値以下の電流を流す定電流源とコンデンサ72の静電容量以上の静電容量を持つコンデンサを用いて交流信号を発生させる。これにより発振器5が発生する信号のパルス幅より低回転速度信号(StopSig)のパルス幅を広くすることが可能である。
【0061】
低回転速度信号生成部6は、回転速度信号のパルス幅と発振器5の出力信号のパルス幅を直接比較して、回転速度信号のパルス幅の方が広い場合のみ低回転速度信号を出力する。
【0062】
上記の実施例2および実施例3については、低回転速度復元部10の動作波形図を省略するが、いずれも予め定められた周期の低回転速度信号(StopSig)を入力しているときにのみ、‘H’レベルの低回転状態検出信号(StopOK)を出力するものである。
【0063】
以上、本実施の形態によれば、簡単な回路構成によって、設定値よりも回転速度が低い状態を検知して、低回転速度信号(StopSig)を生成することができる。また、低回転速度信号生成部6で生成した低回転速度信号(StopSig)をそのまま低回転速度信号復元部10へ送るのではなく、低回転状態を検出するための基準信号よりも長い周期の交流信号に変換して送るようにしたので、低回転速度信号復元部10において、信号伝送回線での短絡や開放等の故障を検知することができる。例えば低回転速度信号(StopSig)が信号伝送回線上で回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)と混触したような場合でも、低回転速度信号復元部において交流信号の周波数を判別することで低回転速度信号(StopSig)に異常が発生したことを検知して、低回転状態検出信号(StopOK)の出力を停止することができる。
【0064】
次に、図14を用いて本発明の第2の実施形態による電動機の安全装置について説明する。まず、図1との違いを中心に電動機の安全装置1の構成を説明する。なお、回転速度センサ2の基本動作や低回転速度信号生成部6の構成および動作は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0065】
図14において、EXOR回路91,92,93は、回転速度センサ2から出力される回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)と低回転速度信号生成部6から出力される停止状態を含む低回転速度信号(StopSig)との排他的論理和を演算し、信号伝送回線7に出力する。低回転速度信号復元部10は、伝送回路上の回転速度信号(U/StopSig,V/StopSig,W/StopSig)のパルスパターンから、低回転速度信号(StopSig)の復元と信号伝送回線7の故障検出を行う。そして、低回転速度信号復元部10は、信号伝送回線7に故障がないと判定した場合は、異常検出部3側の低回転状態検出信号(StopOK)として復元した低回転状態検出信号(StopOK)を出力する。EXOR回路94,95,96は、異常検出部3側の回転速度信号(U/StopSig’,V/StopSig’,W/StopSig’)と異常検出部3側の低回転状態検出信号(StopOK)の排他的論理和を演算し、回転速度信号(U/A,V/B,W/Z)を復元する。
【0066】
図15にU/V/W相式の回転速度センサにおける低回転速度信号復元部10の動作説明図を示す。また、図16に信号伝送回線7に故障がない場合の動作波形例、図17に信号伝送回線7に故障が発生している場合の動作波形例を示す。
【0067】
まず、図15において、矢印で接続された複数の円は入力信号(U,V,W)の組合せに対応する状態を示す。また、実線矢印は正転時の状態遷移、破線矢印は逆転時の状態遷移、一点破線の矢印は低回転速度信号の出力信号の論理反転動作による状態遷移をそれぞれ示している。低回転速度でなくかつ信号伝送回線7に故障がない場合は、入力信号により実線矢印や破線矢印に従った状態遷移を行う。
【0068】
低回転速度信号復元部10は、一点破線の矢印で示した状態遷移が生じた場合は、回転速度センサ2側の低回転速度信号(StopSig)を出力し、出力信号の論理反転動作が生じたと判定して、異常検出部3側の低回転状態検出信号(StopOK)を反転させる。また、低回転速度信号復元部10は、実線,破線、および一点破線の矢印で示した状態遷移以外の状態となる信号を入力した場合には、伝送回路の故障と判定して、故障状態(Fault)に遷移する。
【0069】
次に、図16の動作波形について説明する。図16の前半期間は、図4と同様の動作であるので説明を省略する。図16の低回転状態継続期間において、図4と同様の動作で導出される低回転速度信号(StopSig)が反転する際に、信号伝送回路7上の回転速度信号(U/StopSig,V/StopSig,W/StopSig)が同時に反転する。
【0070】
低回転速度信号復元部10はこの反転動作を検出して、異常検出部3側の低回転状態検出信号(StopOK)を生成する。
【0071】
図17の動作波形の故障期間以外においては、図16と同様の動作により、信号伝送回路7上の回転速度信号(U/StopSig,V/StopSig,W/StopSig)を同時に反転させることで異常検出部3側に低回転状態であることを伝達する。一方、図17の故障期間(Fault)においては、伝送回路上の回転速度信号(U/StopSig,V/StopSig,W/StopSig)の出力がすべて‘H’レベルとなっている。この遷移は図15における実線,破線、および一点破線の矢印で記載した遷移ではないため、低回転速度信号復元部10は信号伝送回線7の故障と判定する。そして、低回転速度信号復元部10は異常検出部3側の低回転状態検出信号(StopOK)として‘L’レベルを出力する。出力がすべて‘L’レベルになる場合や2相の信号が同時に反転する場合等の他の故障モードにおいても同様に遷移の不一致から検出が可能である。
【0072】
以上の如く、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に停止状態を含む電動機の低回転状態を検出することができる。また、信号伝送回線の回線数を増加させずに信号伝送回線の故障を検出することができる。これにより、電動機の状態、すなわち、停止を含む低回転状態であるか否かを確実に伝達することが可能となる。
【0073】
本発明は、上述の実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実現することができる。例えば、上記の説明ではU/V/W相式の回転速度センサを例に説明したが、A/B/Z相式の回転速度センサにも適用することができる。また、回転速度センサに自己診断手段を設けて、回転速度センサの故障診断を実施して正常である場合にのみ低回転速度信号の出力を許可するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 安全装置
2 回転速度センサ
3 異常検出部(異常検出手段)
4 回転速度検出部(回転速度検出手段)
5,5a 発振器(信号発生手段)
6 低回転速度信号生成部(低回転速度信号生成手段)
7 信号伝送回線
10 低回転速度信号復元部(低回転速度信号復元手段)
21 発光部
22 回転ディスク
23 受光部
61,61a,62,62a エッジ検出回路
63,63a,81,81a OR回路
64,83,83a EXOR回路
67,67a,69,71 AND回路
68,68a,82,82a D−FF
70,84,84a T−FF
72,72a コンデンサ
73,73a,77,77a 定電流源
74,74a 定電圧源
75,75a 比較器
78,78a RS−FF
79 信号発生器(Signal Generator)
91〜96 EXOR回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機の回転速度信号をもとに該電動機の低回転状態を検出して低回転速度信号を出力する回転速度センサと、該回転速度センサから信号伝送回線を介して送られてくる前記低回転速度信号に基づいて前記電動機が低回転状態であることを外部に出力する異常検出手段とを有する電動機の安全装置であって、
前記回転速度センサは、
予め設定された値に基づいて所定の周期のトグル信号を発生する信号発生手段と、
前記回転速度信号と前記トグル信号とに基づいて前記電動機が低回転状態か否かを判定し、前記電動機が低回転状態であると判定した場合は、前記トグル信号よりも長い予め定められた周期の交流信号を前記低回転速度信号として出力する低回転速度信号生成手段と、を備え、
前記異常検出手段は、
前記低回転速度信号を入力して、前記予め定められた周期であった場合のみ、前記電動機が低回転状態であるとして低回転状態検出信号を出力することを特徴とする電動機の安全装置。
【請求項2】
前記低回転速度信号生成手段は、前記回転速度信号の変化点を検出すると共に前記トグル信号の周期ごとに前記回転速度信号の変化点が存在するか否かを判定し、変化点が存在しないと判定したときは前記低回転速度信号を出力することを特徴とする電動機の安全装置。
【請求項3】
前記低回転速度信号生成手段は、前記回転速度信号の変化点を検出すると共に前記変化点間ごとに前記トグル信号が変化したか否かを判定し、変化ありと判定したときは前記低回転速度信号を出力することを特徴とする電動機の安全装置。
【請求項4】
前記低回転速度信号生成手段は、前記回転速度信号のパルス幅と前記トグル信号のパルス幅とを比較して、前記回転速度信号のパルス幅の方が前記トグル信号のパルス幅より広いと判定した場合は、前記低回転速度信号を出力することを特徴とする。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の電動機の安全装置において、前記低回転速度信号として前記トグル信号を分周して生成した交流信号を用いることを特徴とする電動機の安全装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電動機の安全装置において、前記回転速度センサは自己診断手段を有し、前記自己診断手段は前記回転速度センサの故障診断を実施して正常であることを確認した場合にのみ前記低回転速度信号の出力を許可することを特徴とする電動機の安全装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の電動機の安全装置において、前記低回転速度信号生成手段は、前記低回転速度信号を出力する場合に、前記低回転速度信号と夫々の前記回転速度信号との排他的論理和をとった信号を前記回転速度信号の夫々の出力端子に出力し、前記異常検出手段は、前記信号伝送回線を介して入力される前記回転速度信号のパルスパターンから低回転速度信号の復元を行うとともに前記信号伝送回線の故障の有無を判定し、故障が無いと判定した場合は、前記復元した低回転速度信号と夫々の前記回転速度信号との排他的論理和をとることによって前記回転速度信号の復元を行うことを特徴とする電動機の安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−288390(P2010−288390A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140848(P2009−140848)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】