説明

電圧変換装置

【課題】2以上の電圧値に電圧変換して出力する場合、出力間短絡が生じても負荷側の装置を保護する。
【解決手段】DC-DC変換部21a,22aは、入力電圧を異なる2種類の直流電圧に変換して出力端子DC1,DC2より出力し、出力間短絡検知部23は、変換された直流電圧の出力端子DC1,DC2間での短絡を検知し、ラッチ部24は、短絡が検知された場合、短絡が検知されたことを記憶すると共に、前記短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す短絡検知信号を出力し、接地短絡部26は、短絡検知信号に基づいて、最大電圧以外の出力電圧となる出力端子DC2をグランドに短絡させ、トランジスタTr21,Tr22は、短絡検知信号に基づいて、DC-DC変換部21a,22aの動作を停止させる。本発明は、電圧変換装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧変換装置に関し、特に、電源回路および負荷回路を、過電圧および過電流から保護できるようにした電圧変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直流電圧を別の電圧の直流電圧に変換する装置として、スイッチング電源装置が知られている。この装置は、直流電圧から異なる電圧の直流電圧に変換することからDC-DC(Direct Current to Direct Current)コンバータと呼ばれている。以降において、このスイッチング電源装置を、単に、DC-DCコンバータと称するものとする。
【0003】
交流電圧を整流平滑して得られた直流電圧を、DC-DCコンバータによりDC5V(直流電圧5Vの直流電源)とDC15V(直流電圧15Vの直流電源)との2種類の直流電圧に変換可能なDC-DCコンバータが、例えば、遊技店などに設けられた遊技機などに日常的に使用されている。
【0004】
ところで、遊技機においては、遊技機の筺体の扉の開閉が繰り返されることが多く、このため、何らかの原因により、DC5Vの直流電圧と、DC15Vの直流電圧とが短絡してしまう恐れがあった。このような短絡が発生すると、DC5Vの端子に、DC15Vが印加されてしまうことにより電源回路やDC5Vで駆動する負荷回路を破損してしまう恐れがあった。
【0005】
また、負荷回路としてDC5Vで駆動するものについては、代表的なものとしてマイクロコンピュータなどが存在するため、マイクロコンピュータにDC15Vが印加されることにより被害がより大きなものとなってしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、DC-DCコンバータの前段にスイッチを設け、DC-DCコンバータの出力に過電圧検知回路を備え、過電圧検知回路により出力電圧が基準電圧よりも超えた場合、スイッチを開放することで過電圧から保護したり、DC-DCコンバータの内部スイッチが短絡により故障したとき、スイッチを開放し過電圧から保護する技術が提案されている(特許文献1の図1参照)。
【0007】
また、出力電圧が所定値より大きくなると溶断するヒューズを設け、過電圧が発生した場合、過電圧から保護する技術が提案されている(特許文献2の図1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平9−284994号公報
【特許文献2】特開平5−130730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術については、単純にスイッチ2個を使ってDC-DCコンバータを形成し、いずれか1つが故障した場合、過電圧から保護するものであると言える。したがって、例えば、過電圧が検知されて、スイッチが開放されても、出力間で短絡が生じるような場合、逆流により生じる過電圧から負荷回路を保護することができない可能性がある。また、仮に出力間短絡が解消されたとしても、負荷が無負荷に近い状態の場合、残留電荷により電圧が所定値以下となるまでに時間が必要とされることになる。
【0010】
結果として、負荷回路の電子部品は、すべて電源回路において最も高い出力電圧値を保証する高耐圧のものとる必要があるので、コスト高となる恐れがある。
【0011】
また、特許文献2においては、過電圧保護回路がラッチ型ではない(過電圧状態を検知した後、その検知状態を記憶する形式とはなっていない)ため、過電圧検知時にサイリスタに大電流が流れ続けてしまうため、保護回路のための放熱機構が必要となる。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、電圧変換装置において、過電圧または過電流が生じた場合、電源装置、および負荷装置を保護し、さらに、復帰できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面の電圧変換装置は、入力電圧を、少なくとも異なる2種類の直流電圧に変換して出力する電圧変換手段と、前記電圧変換手段により変換された直流電圧の出力間での短絡を検知する短絡検知手段と、前記短絡検知手段により短絡が検知された場合、前記短絡が検知されたことを記憶すると共に、前記短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す信号を出力する出力手段と、前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、いずれかの出力端子をグランドに短絡させる短絡手段と、前記電圧変換手段への電力供給を開閉する開閉手段と、前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させる停止手段とを含む。
【0014】
前記電圧変換手段において、過電流を検知する過電流検知手段をさらに含ませるようにすることができ、前記停止手段には、前記過電流検知手段により過電流が検知された場合、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させるようにすることができる。
【0015】
前記過電流検知手段には、前記開閉手段の前後の電位差に基づいて、前記過電流を検知させるようにすることができる。
【0016】
前記開閉手段の前段において電圧降下させる抵抗からなる抵抗手段をさらに含ませるようにすることができ、前記過電流検知手段には、前記抵抗手段の前後の電位差に基づいて、前記過電流を検知させるようにすることができる。
【0017】
前記短絡検知手段には、少なくとも1つのツェナーダイオードと、少なくとも1つの抵抗とからなる直列回路を含ませるようにすることができる。
【0018】
前記短絡手段には、少なくとも1つのトランジスタを含ませるようにすることができ、前記トランジスタには、前記出力手段により出力される、前記短絡が検知されたことを示す信号に基づいてオンの状態となるようにさせ、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、いずれかの出力端子をグランドに短絡させるようにすることができる。
【0019】
前記開閉手段には、少なくとも1つのトランジスタを含ませるようにすることができる。
【0020】
本発明の一側面の電圧変換装置においては、入力電圧が、少なくとも異なる2種類の直流電圧に変換されて出力され、変換された直流電圧の出力間での短絡が検知され、出力間での短絡が検知された場合、出力間での短絡が検知されたことが記憶されると共に、出力間での短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す信号が出力され、出力された信号に基づいて、出力される電圧のうち、いずれかの出力端子がグランドに短絡され、電力供給が開閉され、出力された信号に基づいて、電力供給が開放されて動作が停止される。
【0021】
本発明の一側面の電圧変換装置における、入力電圧を、少なくとも異なる2種類の直流電圧に変換して出力する電圧変換手段とは、例えば、DC-DC変換部であり、前記電圧変換手段により変換された直流電圧の出力間での短絡を検知する短絡検知手段とは、例えば、出力間短絡検知部であり、前記短絡検知手段により短絡が検知された場合、前記短絡が検知されたことを記憶すると共に、前記短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す信号を出力する出力手段とは、ラッチ部であり、前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、最大電圧以外の出力電圧となる出力端子をグランドに短絡させる短絡手段とは、例えば、接地短絡部であり、前記電圧変換手段への電力供給を開閉する開閉手段とは、例えば、オンオフ部により駆動されるMOSFETからなるスイッチング素子であり、前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させる停止手段とは、例えば、オンオフ部を動作させるトランジスタである。
【0022】
すなわち、DC-DC変換部において、出力間短絡検知部により出力間短絡が検知されると、ラッチ部により出力間短絡が生じたことを示す信号が出力される。接地短絡部は、ラッチ部より出力されてくる信号に基づいて、DC-DC変換部の出力端子のうち、いずれかの出力端子について、接地短絡することにより、出力電荷をグランドに開放すると共に、トランジスタをONとすることにより、オンオフ部によりスイッチング素子を開放させてOFFとすることにより、DC-DCコンバータへの電力供給を停止させて、電圧変換を停止させる。
【0023】
結果として、出力間短絡が生じても、最高電圧となる出力端子以外は、接地短絡されるため、いずれの出力電圧の端子に接続されている負荷装置への電荷をも急速にグランドに開放することができるので、負荷装置を保護することが可能となる。また、DC-DC変換部の動作も停止されるので、電源装置を保護することが可能となる。さらに、いずれにおいても、電源装置、および負荷装置が保護されるので、電源の再投入により、動作を復帰させることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電圧変換装置において、過電圧または過電流が生じた場合、電源装置、および負荷装置を保護し、さらに、復帰することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0026】
すなわち、本発明の一側面の電圧変換装置(例えば、図1の電圧変換装置)は、入力電圧を、少なくとも異なる2種類の直流電圧に変換して出力する電圧変換手段(例えば、図1のDC-DC変換部21a,22a)と、前記電圧変換手段により変換された直流電圧の出力間での短絡を検知する短絡検知手段(例えば、図1の出力間短絡検知部23)と、前記短絡検知手段により短絡が検知された場合、前記短絡が検知されたことを記憶すると共に、前記短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す信号を出力する出力手段(例えば、図1のラッチ部24)と、前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、いずれかの出力端子をグランドに短絡させる短絡手段(例えば、図1の接地短絡部26)と、前記電圧変換手段への電力供給を開閉する開閉手段(例えば、図1のオンオフ部41aにより開閉される図2のMOSFETからなるスイッチング部SW11)と、前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させる停止手段(例えば、図1のオンオフ部41aによる図2のスイッチング部SW11のOFFの動作を促す図1のトランジスタTr21,Tr22)とを含む。
【0027】
前記電圧変換手段において、過電流を検知する過電流検知手段(例えば、図2の過電流検知部42)をさらに含ませるようにすることができ、前記停止手段には、前記過電流検知手段により過電流が検知された場合、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させるようにすることができる。
【0028】
前記開閉手段の前段において電圧降下させる抵抗からなる抵抗手段(例えば、図2の抵抗R51)をさらに含ませるようにすることができ、前記過電流検知手段には、前記抵抗手段の前後の電位差に基づいて、前記過電流を検知させるようにすることができる。
【0029】
前記短絡検知手段には、少なくとも1つのツェナーダイオード(例えば、図1のツェナーダイオードZD1)と、少なくとも1つの抵抗(例えば、図1の抵抗R1)の直列回路を含ませるようにすることができる。
【0030】
前記短絡手段(例えば、図1の接地短絡部26)には、少なくとも1つのトランジスタ(例えば、図1のスイッチング部SW1)を含ませるようにすることができ、前記トランジスタには、前記出力手段により出力される、前記短絡が検知されたことを示す信号に基づいてオンの状態となるようにさせ、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、いずれかの出力端子をグランドに短絡させるようにすることができる。
【0031】
前記開閉手段(例えば、図2のスイッチング部SW11)には、少なくとも1つのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を含ませるようにすることができる。
【0032】
図1は、本発明に係る電圧変換装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0033】
図1の電圧変換装置は、例えば、遊技機に設けられるものであり、交流電源で発生された電力を2種類の電圧値の直流電源に変換し、例えば、一方を制御装置動作用に出力し、他方を機器動作用の出力するものである。
【0034】
AC電源11は、交流電源を発生し、ダイオードD1乃至D4からなるダイオードブリッジBに供給する。ダイオードブリッジBは、ダイオードD1乃至D4から構成されている。ダイオードD1のアノードはダイオードD2のカソードおよびAC電源11に接続され、カソードはダイオードD4のカソード、コンデンサC1の一方の端部、DC-DC(Direct Current to Direct Current)変換部21,22、およびラッチ部24に接続されている。ダイオードD2のアノードはダイオードD3のアノード、およびコンデンサC1の他方の端部と共に接地され、カソードはAC電源11およびダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD3のアノードはダイオードD2のアノード、およびコンデンサC1の他方の端部と共に接地され、カソードはダイオードD4のアノード、およびAC電源11に接続されている。ダイオードD4のアノードはダイオードD3のカソード、およびAC電源11に接続されており、カソードはダイオードD1のカソード、およびコンデンサC1の一方の端部、DC-DC変換部21a,22a、およびラッチ部24に接続されている。このような構成により、ダイオードブリッジBは、AC電源11より供給されてくる交流電力を全波整流して、直流電源に変換し、コンデンサC1により平滑化させてDC-DC変換部21a,22a、およびラッチ部24に直流電圧Vを印加する。
【0035】
DC-DC変換ブロック21は、DC-DC変換部21aを備え、端子P1を介してダイオードブリッジBより供給されてくる直流電圧Vを直流電圧V1に変換し、端子P4を介して、コンデンサC2により平滑化して出力端子DC1より機器動作用に出力する。尚、直流電圧V1は、例えば、15Vである。DC-DC変換部21aは、端子P2が接地されている。また、DC-DC変換部21aは、端子P3が停止部25に接続され、端子P3を介して、停止部25より停止信号が入力されると動作を停止する。
【0036】
DC-DC変換ブロック22は、DC-DC変換部22aを備え、端子P11を介してダイオードブリッジBより供給されてくる直流電圧Vを直流電圧V2に変換し、端子P14を介して、コンデンサC3により平滑化して出力端子DC2より制御装置動作用に出力する。尚、直流電圧V2は、例えば、5Vである。DC-DC変換部21aは、端子P12が接地されている。また、DC-DC変換部21aは、端子P13が停止部25に接続され、端子P13を介して、停止部25より停止信号が入力されると動作を停止する。
【0037】
すなわち、DC-DC変換部21a,22aは、供給される直流電圧Vの電力を、それぞれ異なる直流電圧V1,V2(V1>V2)に変換して出力する。
【0038】
出力間短絡検知部23は、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、および抵抗R1,R2より構成されている。ツェナーダイオードZD1は、カソードが出力端子DC2に接続されており、アノードがダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1のアノードは、ツェナーダイオードZD1のアノードに接続され、カソードは抵抗R1の一方の端部に接続されている。抵抗R1の一方の端部は、ダイオードD1のカソードに接続されており、他方の端部は、ラッチ部24および抵抗R2の一方の端部に接続されている。抵抗R2の一方の端部は、抵抗R1の他方の端部およびラッチ部24に接続され、他方の端部は、接地されている。
【0039】
上述したように、出力端子DC2の直流電圧V2は、出力端子DC1の直流電圧V1よりも低い電圧であるため、出力端子DC1,DC2が何らかの原因により短絡するような場合、出力端子DC1の直流電圧V1が逆流することにより、直流電圧V2よりも高電圧となることがある。そこで、出力間短絡検知部23は、DC-DC変換部21a,22aから出力端子DC1,DC2が何らかの原因により短絡したとき、短絡を検知して検知結果となる信号をラッチ部24に出力する。より具体的には、ツェナーダイオードZD1のツェナー電位を出力端子DC2の直流電圧V2よりも若干高い電位(例えば、DC6V)に設定し、ツェナー電位を越えた場合、ダイオードD1、抵抗R1,R2の分圧電位を、出力間短絡検知を示す信号としてラッチ部24に出力する。
【0040】
ラッチ部24は、抵抗R11乃至R13、PNPトランジスタTr1、およびNPNトランジスタTr2から構成されている。抵抗R11の一方の端部は、ダイオードブリッジBおよび停止部25のトランジスタTr11のエミッタに接続され、他方の端部は抵抗R12の一方の端部、トランジスタTr1のエミッタ、および抵抗R13の他方の端部に接続されている。抵抗R12の一方の端部は、トランジスタTr1のエミッタ、抵抗R11,R13の他方の端部に接続され、他方の端部は、トランジスタTr1のベース、およびトランジスタTr2のコレクタに接続されている。抵抗R13の一方の端部は、停止部25のツェナーダイオードZD11のアノードに接続され、他方の端部は、抵抗R11の他方の端部、抵抗R12の一方の端部、およびトランジスタTr1のエミッタに接続されている。
【0041】
トランジスタTr1のエミッタは、抵抗R11,R13の他方の端部、および抵抗R12の一方の端部に接続されており、コレクタは、トランジスタTr2のベース、および出力間短絡検知部23に接続されており、ベースは、抵抗R12の他方の端部、およびトランジスタTr2のコレクタに接続されている。トランジスタTr2のエミッタは接地されており、コレクタは、抵抗R12の他方の端部、およびトランジスタTr1のベースに接続されており、ベースはトランジスタTr1のコレクタ、および出力間短絡検知部23に接続されている。
【0042】
以上のような構造から、ラッチ部24は、出力間短絡検知部23より出力間短絡検知を示す信号が供給されてくると、短絡が検知されたことを示す状態を記憶し、ダイオードブリッジBからの電力供給が停止されるまで、抵抗R13の一方の端部より電流を引き込み続ける。
【0043】
停止部25は、ツェナーダイオードZD11,ZD12、PNPトランジスタTr11、抵抗R21,R31乃至R35、およびNPNトランジスタTr21,Tr22から構成されている。
【0044】
ツェナーダイオードZD11は、アノードがラッチ部24に接続され、カソードがトランジスタTr11のベースに接続されている。トランジスタTr11は、エミッタがダイオードブリッジBおよびラッチ部24の抵抗R11の一方の端部に接続され、コレクタが抵抗R21の一方の端部に接続され、ベースがツェナーダイオードZD11のカソードに接続されている。
【0045】
抵抗R21は、一方の端部がトランジスタTr11のコレクタに接続されており、他方の端部がツェナーダイオードZD12のカソード、接地短絡部26、抵抗R31,R33の他方の端部に接続されている。ツェナーダイオードZD12は、カソードが抵抗R21の他方の端部、接地短絡部26、抵抗R31,R33の他方の端部に接続されおり、アノードが接地されている。
【0046】
抵抗R31の一方の端部は、トランジスタTr21のベース、および抵抗R32の一方の端部に接続され、他方の端部は、ツェナーダイオードZD12のカソード、抵抗R21の他方の端部、接地短絡部26、および抵抗R33の他方の端部に接続されている。抵抗R32の一方の端部は、トランジスタTr21のベース、および抵抗R31の一方の端部に接続され、他方の端部は、トランジスタTr21のエミッタと共に接地されている。トランジスタTr21のベースは、抵抗R31,R32の一方の端部に接続され、コレクタはDC-DC変換ブロック21の端子P3に接続され、エミッタは、抵抗R32の他方の端部と共に接地されている。
【0047】
抵抗R33の一方の端部は、トランジスタTr22のベース、および抵抗R34の一方の端部に接続され、他方の端部は、ツェナーダイオードZD12のカソード、抵抗R21の他方の端部、接地短絡部26、および抵抗R31の他方の端部に接続されている。抵抗R34の一方の端部は、トランジスタTr22のベース、および抵抗R32の一方の端部に接続され、他方の端部は、トランジスタTr22のエミッタと共に接地されている。トランジスタTr22のベースは、抵抗R33,R34の一方の端部に接続され、コレクタはDC-DC変換ブロック22の端子P13に接続され、エミッタは、抵抗R34の他方の端部と共に接地されている。
【0048】
抵抗R35の一方の端部は、DC-DC変換部22aの出力端子DC2と接続されており、他方の端部は、接地短絡部26を構成するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)からなるスイッチング部SW1のドレインに接続されている。
【0049】
停止部25は、以上のような構成から、ラッチ部24が出力間短絡を示す状態を記憶すると、抵抗R13の一方の端部より、電流が引き込まれて、ツェナーダイオードZD11を介してトランジスタTr11がONにされ、さらに、抵抗R21を介してツェナーダイオードZD12方向に電流が流れることにより、抵抗R31,R33を介して電流が流れて、トランジスタTr21,Tr22がONにされることにより、DC-DC変換部21a,22aを停止させる。
【0050】
接地短絡部26は、N型MOSFETから構成されたスイッチング部SW1から構成されており、ドレインが抵抗R35の他方の端部に接続され、ソースが接地され、ゲートが抵抗R21の他方の端部、ツェナーダイオードZD12のカソード、抵抗R31,R33の他方の端部に接続されている。接地短絡部26は、以上のような構成から、ラッチ部24が出力間短絡を示す状態を記憶すると、抵抗R13の一方の端部より、電流が引き込まれて、ツェナーダイオードZD11を介してトランジスタTr11がONにされ、さらに、抵抗R21を介してツェナーダイオードZD12方向に電流が流れることにより、スイッチング部SW1を構成するMOSFETのゲートに電流が流れて、スイッチング部SW1がONにされるので、出力端子DC2に残留する電荷がグランド側に開放される。
【0051】
次に、図2を参照して、図1のDC-DC変換ブロック21のDC-DC変換部21aの構成例について説明する。
【0052】
DC-DC変換ブロック21のDC-DC変換部21aは、制御部41、および過電流検知部42、並びに、抵抗R51、スイッチング部SW11、ダイオードD11、リアクトル部L1、および平滑化用のコンデンサC11から構成されている。
【0053】
制御部41は、DC-DC変換部21aの動作の全体を制御しており、内蔵するオンオフ部41aを制御して、端子P3より供給されてくる停止信号に基づいて、動作を停止させる。より具体的には、制御部41は、スイッチング部SW11のゲートへの電力供給を停止することにより、電圧変換処理を実行できない状態とすることで動作を停止させる。また、制御部41は、過電流検知部42からの過電流検知信号に基づいて、スイッチング部SW11のゲートへの電力供給を停止させることで、リアクトル部L1への電力供給が停止されるので、DC-DC変換部21aの動作が停止される。
【0054】
抵抗R51の一方の端部は、端子P1、および過電流検知部42の一方の端部に接続され、他方の端部は、P型MOSFETから構成されたスイッチング部SW11のソースに接続されている。過電流検知部42は、抵抗R51に並列に接続され、両端の電圧を監視することにより、過電流を検知し、検知結果を制御部41に供給する。尚、過電流検知部42は、スイッチング部SW11の両端の電圧を監視して、過電流を検知する構成とするようにしてもよい。
【0055】
スイッチング部SW11は、P型MOSFETから構成されており、ゲートが制御部41に接続され、ソースが抵抗R51の他方の端部、および過電流検知部42の他方の端部に接続され、ドレインがリアクトル部L1の一方の端部、およびダイオードD11のカソードに接続されている。ダイオードD11は、アノードがスイッチング部SW11のドレイン、およびリアクトル部L1の一方の端部に接続され、カソードが端子P2と共に接地されている。リアクトル部L1の一方の端部は、スイッチング部SW11のドレイン、およびダイオードD11のカソードに接続され、他方の端部が制御部41、コンデンサC11の一方の端部、および端子P4に接続されている。コンデンサC11は、一方の端部がリアクトルL1の他方の端部、制御部41、および端子P4に接続され、他方の端部が端子P2と共に接地されている。
【0056】
DC-DC変換部21aは、制御部41によりスイッチング部SW11がONにされると、端子P1より抵抗R51を介して供給される直流電圧Vの電力が、リアクトル部L1により変圧されて、平滑化コンデンサC11により平滑化されて、端子P4を介して、出力端子DC1に出力する。
【0057】
尚、DC-DC変換ブロック22のDC-DC変換部22aの構成については、DC-DC変換ブロック21における端子P1乃至P4に代えて、端子P11乃至P14が設けられる点、および、変換後の出力電圧が異なる点を除き、基本的な構造は同様であるので、その説明は省略するものとする。
【0058】
次に、図3のフローチャートを参照して、図1の電圧変換装置の電圧変換処理について説明する。尚、図3のフローチャートを参照して説明する処理は、各ブロックの動作を示すものである。そこで、図3のフローチャートにおける判定処理については、所定のブロックが主体となる判定処理のみではなく、各ブロックの動作状態毎の場合分けの例も含むものである。
【0059】
ステップS1において、AC電源11がONであるか否かにより処理が別れており、AC電源11がONとされていない場合、その状態がそのまま維持される。ステップS1において、例えば、図示せぬ電源ボタンが操作されるなどして、AC電源11がONとされた場合、ステップS2において、DC-DC変換部21a,22aが、いずれも図示せぬ操作ボタンが操作されるなどして、電源が入っており、電圧変換可能な状態であるか否かにより処理が別れる。
【0060】
ステップS2において、DC-DC変換部21a,22aのいずれも、図示せぬ電源ボタンが操作されるなどして、制御部41が、スイッチング部SW11のゲートに対して電力を供給し、スイッチング部SW11がONの状態であるとき、DC-DC変換部21a,22aは、いずれも動作中であるので、そのような場合、処理は、ステップS3に進む。
【0061】
ステップS3において、AC電源11より供給されてくる交流電源の電力は、ダイオードブリッジBにより全波整流された後、平滑化コンデンサC1により平滑化されて、直流電圧Vの電力として、DC-DC変換部21a,22aの端子P1,P11にそれぞれ供給される。DC-DC変換部21a,22aのそれぞれのリアクトル部L1は、抵抗R51、およびスイッチング部SW11を介して供給される電力の直流電圧Vを、それぞれ直流電圧V1,V2に変圧し、端子P4,P14を介して出力端子DC1,DC2より出力する。
【0062】
ステップS4において、出力間短絡検知部23が出力間短絡を検知したか否かが判定される。例えば、出力間短絡が発生しない場合、ステップS5において、AC電源11の図示せぬ電源ボタンが操作されてOFFにされるか、または、DC-DC変換部21a,22aの図示せぬ電源ボタンが操作されてOFFされたか否かにより処理が別れる。ステップS5において、いずれもOFFではない場合、ステップS6において、過電流検知部42が過電流を検知したか否かが判定される。例えば、ステップS6において、過電流が検知されていない場合、処理は、ステップS3に戻る。
【0063】
すなわち、ステップS3の処理により、直流電圧Vの電力が、DC-DC変換部21a,22aにより、それぞれ直流電圧V1,V2に変換される状態となった後、出力間短絡がなく、かつ、AC電源11、若しくはDC-DC変換部21a,22aがOFFにされることなく、かつ、過電流が検知されない状態が継続されると、ステップS3乃至S6の状態が繰り返されて、直流電圧Vの電力が、DC-DC変換部21a,22aにより直流電圧V1,V2に変換され続けて、安定的に出力端子DC1,DC2より出力され続ける。
【0064】
ステップS4において、例えば、出力間短絡が発生すると、処理は、ステップS7に進む。
【0065】
ステップS7において、出力間短絡検知部23のツェナーダイオードZD1のツェナー電位を超えた電圧が印加されることにより、ダイオードD1から抵抗R1方向に電流が流れることにより、出力間短絡検知部23の抵抗R1の他方の端部より出力短絡が検知されたことを示す信号がラッチ部24に供給される。ラッチ部24においては、出力間短絡検知部23より供給される電流が、トランジスタTr2のベースに電流が流れ込むことにより、トランジスタTr2がONの状態となることにより、出力間短絡が発生したことを記憶し、抵抗R11,R12、およびトランジスタTr2のコレクタ−エミッタ方向に電流が流れ続ける。
【0066】
ステップS8において、ラッチ部24は抵抗R13より電流を引き込むので、停止部25のトランジスタTr11は、ベースに電流が流れて、ONの状態となり、トランジスタTr11のエミッタ−コレクタ、抵抗R21、およびツェナーダイオードZD12の方向に電流が流れる。この電流の流れにより、接地短絡部26のスイッチング部SW1のMOSFETのゲートに電流が流れるので、スイッチング部SW1がONの状態となり、DC-DC変換部22aの出力端子DC2が、抵抗R25、およびスイッチング部SW1を介して接地される。このため、DC-DC変換部22aの出力端子DC2より、出力間短絡により逆流の可能性のある残留電荷が、開放されるので、出力端子DC2に接続されている負荷回路などが保護される。
【0067】
ステップS9において、また、同様に、ラッチ部24は抵抗R13より電流を引き込むので、停止部25のトランジスタTr11は、ベースに電流が流れて、ONの状態となり、トランジスタTr11のエミッタ−コレクタ、抵抗R21、およびツェナーダイオードZD12の方向に電流が流れる。この電流の流れにより、抵抗R31,R33を介して、トランジスタTr21,Tr22のベースに電流が流れるため、トランジスタTr21,Tr22のコレクタ−エミッタ間で接地方向に電流が流れるので、DC-DC変換部21a,22aの端子P3,P13に停止信号が供給される。そこで、この停止信号に基づいて、DC-DC変換部21a,22aのオンオフ部41aが、スイッチング部SW11のゲートへの電力供給を停止させるので、スイッチング部SW11がOFFとなる。
【0068】
この結果、ステップS10において、DC-DC変換部21a,22aは、いずれもリアクトル部L1への電力供給が停止されるので、電圧変換処理を停止する。
【0069】
ステップS11において、AC電源11がOFFの状態であるか否かに処理が別れるが、AC電源11がOFFの状態とされるまで、同様の状態が継続される。すなわち、ステップS7の処理により、ラッチ部24は、出力間短絡検知部23により出力間短絡が一瞬でも検知されると、その状態を記憶し続けるため、AC電源11がOFFの状態とされるまで、DC-DC変換部21a,22aは、いずれもリアクトル部L1への電力供給が停止されて、電圧変換処理が停止された状態が継続される。
【0070】
ステップS11において、例えば、図示せぬ電源ボタンが操作されて、AC電源11がOFFにされると、ラッチ部24への電力供給が停止されるため、ステップS12において、ラッチ部24は、出力間短絡が検知された状態を記憶した状態をリセットし、処理は、ステップS1に戻る。すなわち、出力間短絡が検知される前の状態に戻り、AC電源11が再びONにされたか否かが判定される状態となる。
【0071】
一方、ステップS5において、AC電源11がOFFにされるか、または、DC-DC変換部21a,22aがOFFにされた場合、電圧変換処理が停止されて、処理は、ステップS1に戻る。
【0072】
さらに、ステップS6において、過電流検知部42が過電流を検知すると、ステップS13において、過電流検知部42は、過電流を検知したことを示す過電流検知信号を制御部41に供給する。この信号に伴って、制御部41は、スイッチング部SW11のゲートへの電力供給を停止する。
【0073】
このため、ステップS14において、スイッチング部SW11がOFFの状態となり、DC-DC変換部21a,22aは、電圧変換処理を停止し、処理は、ステップS2に戻る。
【0074】
以上の処理により、DC-DC変換部21a,22aによる電圧変換処理がなされている状態において、過電流、または、出力間短絡が検知されない場合、そのままの電圧変換処理が継続される。また、過電流が検知された場合、AC電源11は、電力供給が継続されるが、DC-DC変換部21a,22aによる電圧変換処理が停止される。
【0075】
さらに、出力間短絡が検知された場合、ラッチ部24により出力間短絡が検知されたことが記憶され、ラッチ部24の抵抗R13からの電流の引き込みにより、停止部25が接地短絡部26のスイッチング部SW1をONの状態とすることで、DC-DC変換部21a,22aにおける最大値の直流電圧ではない、電圧変換後の出力端子、すなわち、この例においては、(出力端子DC1の直流電圧V1)>(出力端子DC2の直流電圧V2)であるので、出力端子DC2に残留する残留電荷が、がONの状態となることにより、迅速に電荷が開放されるので、負荷側の装置の破損を抑制することが可能となる。
【0076】
また、ラッチ部24により出力間短絡が検知されたことが記憶され、ラッチ部24の抵抗R13からの電流の引き込みにより、停止部25のトランジスタTr21,Tr22がONにされることにより、DC-DC変換部21a,22aの動作が停止される。この結果、DC-DC変換部21a,22aによる発熱を抑制することが可能となるので、発熱対策として、放熱機構を設ける必要がないので、装置の小型化とコスト低減を実現することが可能となる。
【0077】
より具体的には、特許文献1で示されるような構成の場合、例えば、出力間短絡により過電圧を検知した後、DC-DC変換部の動作を停止させても、図4で示されるように、時刻t1において、電圧変換を停止させても、電荷が開放されないことにより残留電荷が残るため出力電圧は徐々にか低下しないことが示されている。したがって、このような場合、負荷側の装置には、過電圧によるダメージを抑制することができない恐れがある。尚、図4においては、縦軸が電圧であり、1目盛りが2ボルトを示し、横軸が時刻tであり、1目盛りが40msである例が示されており、時刻t1において、約10Vの出力間短絡が検知されてDC-DC変換部の動作を停止させてから、5Vの出力電圧に戻るのに、約120ms程度の時間が必要とされていることが示されている。
【0078】
これに対して、図1で示される電圧変換装置を用いた場合、図5で示されるように、時刻t11において、出力間短絡により過電圧を検知した後、DC-DC変換部の動作を停止させ、さらに、接地短絡部46より電荷をグランドに開放すると、約1μs後には、3V程度まで降下しており、従来に比べて、出力間短絡が発生してから高速に電圧を降下させることが可能となっている。尚、図5においては、縦軸が電圧であり、1目盛りが2ボルトを示し、横軸が時刻tであり、1目盛りが1μsである例が示されており、時刻t11において、約6Vの出力間短絡が検知されてDC-DC変換部の動作を停止させてから、3Vの出力電圧にまで降下させるために、約1μs程度の時間で済んでいることが示されている。
【0079】
尚、以上においては、ラッチ部の構成において、トランジスタTr1,Tr2を用いた例について説明してきたが、出力間短絡が検知されたことを示す信号を記憶し、記憶した状態の信号を出力することができればよいものであるので、2個のトランジスタによるものでなくてもよく、例えば、サイリスタにより構成するようにしてもよい。
【0080】
また、以上においては、最高電圧ではない出力端子側に接地短絡部46を設け、出力間短絡が発生した場合、最高電圧ではない出力端子側の接地短絡部46が、電荷をグランドに開放する例について説明してきた。しかしながら、出力間短絡が発生した場合、出力端子は、設定電圧に関わらず同電位となっているため、最高電圧の出力端子に対して接地短絡部46を設け、最高電圧の出力端子側から、電荷をグランドに開放するようにしても同様の効果が得られる。このため、接地短絡部は、出力端子のいずれかに、少なくとも1箇所を設けるようにすればよいものである。
【0081】
以上によれば、少なくとも異なる2種類の直流電圧に変換された直流電圧の出力間での短絡が検知され、出力間での短絡が検知された場合、出力間での短絡が検知されたことが記憶されると共に、出力間での短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す出力間短絡信号が出力され、出力間短絡信号に基づいて、出力される電圧のうち、いずれかの出力端子がグランドに短絡され、出力間短絡信号に基づいて、電圧を変換するリアクトル部への電力供給が停止されて、電圧変換が停止されるので、残留電荷の開放による負荷側の装置を保護することが可能となる。また、出力端子からグランドへの短絡部位の発熱が抑制されるので、装置の小型化とコスト低減を実現することが可能となる。
【0082】
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明を適用した電圧変換装置の実施の形態の構成例を示す図である。
【図2】図1のDC-DC変換部の構成例を示す図である。
【図3】電圧変換処理を説明する図である。
【図4】従来の電圧変換装置による過電圧検知時の処理を説明する図である。
【図5】図1の電圧変換装置による過電圧検知時の処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0084】
11 AC電源
21,22 DC-DC変換部
23 出力間短絡検知部
24 ラッチ部
25 停止部
26 接地短絡部
41 制御部
41a オンオフ部
42 過電流検知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を、少なくとも異なる2種類の直流電圧に変換して出力する電圧変換手段と、
前記電圧変換手段により変換された直流電圧の出力間での短絡を検知する短絡検知手段と、
前記短絡検知手段により短絡が検知された場合、前記短絡が検知されたことを記憶すると共に、前記短絡が検知されたことが記憶されている状態を示す信号を出力する出力手段と、
前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、いずれかの出力端子をグランドに短絡させる短絡手段と、
前記電圧変換手段への電力供給を開閉する開閉手段と、
前記出力手段により出力された信号に基づいて、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させる停止手段と
を含む電圧変換装置。
【請求項2】
前記電圧変換手段において、過電流を検知する過電流検知手段をさらに含み、
前記停止手段は、前記過電流検知手段により過電流が検知された場合、前記開閉手段を開放して前記電圧変換手段への電力供給を停止させる
請求項1に記載の電圧変換装置。
【請求項3】
前記過電流検知手段は、前記開閉手段の前後の電位差に基づいて、前記過電流を検知する
請求項2に記載の電圧変換装置。
【請求項4】
前記開閉手段の前段に設けられた抵抗からなる抵抗手段をさらに含み、
前記過電流検知手段は、前記抵抗手段の前後の電位差に基づいて、前記過電流を検知する
請求項2に記載の電圧変換装置。
【請求項5】
前記短絡検知手段は、少なくとも1つのツェナーダイオードと、少なくとも1つの抵抗とからなる直列回路を含む
請求項1に記載の電圧変換装置。
【請求項6】
前記短絡手段は、少なくとも1つのトランジスタを含み、
前記トランジスタは、前記出力手段により出力される、前記短絡が検知されたことを示す信号に基づいてオンの状態となり、前記電圧変換手段により出力される電圧のうち、いずれかの出力端子をグランドに短絡させる
請求項1に記載の電圧変換装置。
【請求項7】
前記開閉手段は、少なくとも1つのMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を含む
請求項1に記載の電圧変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−11566(P2010−11566A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165333(P2008−165333)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】