説明

電子入力装置及びその製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置

【課題】静電容量型電子入力装置のXY電極の形成において、真空プロセスを用いずに、工程が短く、製品の品位低下の問題を軽減し、コストダウン化にも繋がる作成方法を提供する。
【解決手段】透明基板の表面の同一レイヤーに、X軸方向及びこれと直交するY軸方向に間欠的に配列される複数の第1の透光性電極3と、互いに絶縁された、X軸方向及びY軸方向に配列され、各々が第1の透光性電極3の行間及び列間に配置される複数の第2の透光性電極4とを備え、第1の透光性電極3の各々は複数のジャンパー8によって相互に電気的に接続され、第1の透光性電極3と第2の透光性電極4とのパネル端部のそれぞれに金属電極を備える電子入力装置において、少なくとも第1の透光性電極3と第2の透光性電極4とは、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上の導電性材料を含有する感光性樹脂組成物を用いて形成された透明導電性薄膜から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル式液晶ディスプレイ等に用いられる、タッチパネル機能を有する電子入力装置に関し、タッチパネル電極をガラス基板の表面に形成した電子入力装置及びその製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリックス方式のカラー液晶表示装置では、一般に、ガラス基板上に各画素ごとにアクティブ素子(薄膜トランジスタ、TFT)を形成したアレイ基板と、対向基板としてガラス基板上にカラーフィルタと一様な透明電極を形成したカラーフィルタ基板とが、間に液晶を挟んで対向して配置されている。なお、アレイ基板の各TFT素子のスイッチング作用によって各画素の液晶のシャッター作用を制御している。
【0003】
近年、カラー液晶表示装置は、液晶カラーテレビや液晶表示装置一体型のノートパソコンとして大きな市場を形成するに至っている。また、携帯電話機や、携帯情報端末、カーナビゲーションシステムを始め、タッチパネルを液晶表示パネルと一体型で構成した、タッチパネル式液晶ディスプレイが市場に普及してきた。タッチパネルは、その構造及び検出方式の違いにより、抵抗膜型や静電容量型等の様々なタイプがある。このうち、静電容量型タッチパネルは、1枚の基板上に透光性導電膜(透光性電極)を有し、指またはペン等が接触(タッチ)することによって形成される静電容量を介して流れる微弱電流量の変化を検出する事によって被接触位置を特定するもので、指示される内容を入力信号として受け取り液晶表示装置を駆動する。静電容量型タッチパネルは、抵抗膜型タッチパネルと比べて、より高い透過率が得られる利点がある。
【0004】
例えば、特許文献1及び特許文献2には、基板上に透明導電性薄膜からなる、X軸方向に等間隔に配置し相互に平行配列する複数のX軸トレース、及び、Y軸方向に等間隔に配置し相互に平行配列する複数のY軸トレースを備え、並びに、X軸トレース及びY軸トレースは、同一平面上において行列式に交差配置されており、個別のX軸トレース上の各センサユニットは相互連結し、個別のY軸トレース上の各センサユニットは連結せず間隔を空けて配列し、導電性の材料よりなるジャンパーを介して電気的に接続している、コンデンサ式タッチパッド(静電容量型タッチパネル電極)が開示されている。なお、パネル端部のセンサには金属電極が存在し、電気信号を検出するための検出器に接続される。
【0005】
上記した、静電容量型のタッチパネル電極を形成する場合、XY電極の重なり部分に、例えば、MAM(Moモリブデン/Alアルミニウム/Moモリブデン)等の金属やITO(酸化インジウムすず)等でジャンパーを形成し、XYを認識可能な電極形成を行なう。
【0006】
上記したセンサ層であるXY電極の形成とジャンパーの形成は主にスパッタリングで行われるのが主流である。例えば、ジャンパーをITOで形成する場合、センサ層の導電体用ITOの真空装置内での成膜、パターニング(エッチング)、剥膜、ジャンパー用ITOの成膜・パターニング・剥膜、金属電極用金属膜の成膜・パターニング・剥膜と、3回のスパッタリングとエッチングそして剥膜が必要となる。
【0007】
一方、スパッタリング等の真空プロセスを用いない電子入力装置の作成方法としては、従来から酸化すずや酸化インジュウム等の微粉末を練りこんだインクを用いた透明導電部を有する印刷物が知られている(特許文献3参照)。また、近年では、金属あるいは金属酸化物以外に導電性高分子を用いたものも提案されており、例えば特許文献5には、π共
役系導電性高分子とポリアニオンドーパントと粘着剤とレべリング剤とを含んだ導電性インクを用いた入力デバイスや表示デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】登録実用新案第3144563号公報
【特許文献2】登録実用新案第3144241号公報
【特許文献3】実開昭62−127568号公報
【特許文献4】特開2008−300063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、タッチパネルの電極は非常に高精細(L/S=10/10μm程度)なパターンが求められる為、従来の透明導電性インクを用いた印刷方式では、形成が不可能である。また、前記したように、通常のITO電極形成は真空中でのスッパタリング後、エッチング工程、剥膜工程を経て形成される為、工程が長く、設備も高額となり、コストが嵩む問題がある。さらに、タッチパネル、カラーフィルタに使用される透明電極のITOは、希少金属であるIn(インジウム)からなるため入手の困難性に加えて、非常に高価である為、パネル自体のコストも高騰してしまう問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、透明基板の表面に静電容量型のタッチパネル電極が形成された電子入力装置のXY電極を、ITO等の希少金属の真空プロセスを用いた成膜・パターニングに代わり、塗布型の透明導電性感光性樹脂を用いた通常のフォトリソ方式で形成することで、工程が短く製品の品位低下の問題を軽減し、且つ、工程削減によるコストダウンにも繋がる電子入力装置とその製造方法、並びにそれを用いた液晶表示装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に係る発明は、透明基板の表面の同一レイヤーに、X軸方向及びこれと直交するY軸方向に間欠的に配列される複数の第1の透光性電極と前記X軸方向及び前記Y軸方向に配列されると共に各々が前記第1の透光性電極の行間及び列間に配置される複数の第2の透光性電極とを備え、前記第1の透光性電極と第2の透光性電極とは透明絶縁膜によって互いに絶縁され、X軸方向に整列する前記第1の透光性電極の各々は前記第1の透光性電極上の前記透明絶縁膜のスルーホールを通じて前記X軸方向及び前記Y軸方向に配列される導電性材料からなる複数のジャンパーによって相互に電気的に接続され、前記第1の透光性電極と第2の透光性電極とのパネル端部のそれぞれには電気信号を検出するための検出器に接続されている金属電極を備える、電子入力装置において、
少なくとも前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極とは、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上の導電性材料を含有する感光性樹脂組成物を用いて形成された透明導電性薄膜から成ることを特徴とする電子入力装置である。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る発明は、少なくとも前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極とは、フォトリソグラフィー法でパターニング形成された透明導電性薄膜から成ることを特徴とする請求項1に記載する電子入力装置である。
【0013】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記金属微粒子は、スズドープ酸化インジウム
(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれる1種以上の金属微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載する電子入力装置である。
【0014】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記導電性高分子が、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリ(p−フェニレン)系、ポリ(フェニレンビニレン)系、ポリ(フェニレンエチニレン)系、ポリアセン系、又はポリビニルカルバゾール系から選ばれる1種以上の導電性高分子であることを特徴とする請求項1または2に記載する電子入力装置である。
【0015】
次に、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載する電子入力装置の製造方法であって、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上の導電性材料を含有する感光性樹脂組成物を、前記透明基板の表面の同一レイヤーに塗布した後、配線部分を開口部としたフォトマスクを介して紫外線で露光し、その後現像処理することで、少なくとも前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極とを一括して所定の位置に形成する工程を含むことを特徴とする電子入力装置の製造方法である。
【0016】
次に、本発明の請求項6に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載する電子入力装置を備えることを特徴とする液晶表示装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子入力装置は、上記したように、少なくともXY電極が、少なくとも、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上の導電性材料を含有する感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法でパターニング形成された透明導電性薄膜から成ることで、従来の金属ITOターゲットを用いた真空中でのスパッタリング工程を使用せず、且つ、カラーフィルタ製造等で用いられている一般的なフォトリソ工程を使用した高精細なパターニングが可能となる。また、酸エッチング工程や剥膜工程を削除する事が可能になる為、製造設備が安価で、短い工程で作製可能であり、工程内不良軽減につながりコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る電子入力装置の、一実施形態例を斜視で説明する模式図である。
【図2】図1に示す電子入力装置の、一実施形態例の構成を断面で示す模式図である。
【図3】図1に示す電子入力装置の、タッチパネル電極の配線結合を平面で示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の電子入力装置を、一実施形態に基いて以下に詳細に説明する。
【0020】
一般に、タッチパネル式液晶表示装置は、表示パネル、パネル駆動部、タッチ位置検出部等から構成され、表示パネルはアレイ基板と対向基板および液晶層からなる。本発明の電子入力装置は、複数の画素部とタッチ位置を感知するための信号ラインとが形成された対向基板として、アレイ基板との中間に液晶層を挟持する形で用いられる。
【0021】
図1は、本発明に係る電子入力装置の、一実施形態例を斜視で説明する模式図である。また、図2は、図1に示す電子入力装置の、一実施形態例の構成を断面で示す模式図である。さらに、図3は、そのタッチパネル電極の配線結合を平面で示す模式図である。本発
明に係る電子入力装置1は、図1、図2及び図3に示すように、透明基板2の表面の同一レイヤーに、X軸方向及びこれと直交するY軸方向に間欠的に配列される複数の第1の透光性電極3とX軸方向及びY軸方向に配列されると共に各々が第1の透光性電極3の行間及び列間に配置される複数の第2の透光性電極4とを備え、第1の透光性電極3と第2の透光性電極4とは透明絶縁膜6によって互いに絶縁され、X軸方向に整列する第1の透光性電極3の各々は第1の透光性電極上の透明絶縁膜6のスルーホール7を通じてX軸方向及びY軸方向に配列される導電性材料からなる複数のジャンパー8によって相互に電気的に接続される。また、第1の透光性電極3と第2の透光性電極4とのそれぞれのパネル端部には電気信号を検出するための図示しない検出器に接続されている金属電極9を備える。さらに、その上に透明絶縁性の保護膜10を備える。
【0022】
なお、本発明の電子入力装置を、カラー液晶表示装置に適用する場合には、透明基板2の裏面には、図示しないが、ブラックマトリックスで画定された赤(R)、緑(G)、青(B)等複数色の着色画素と、一様な透明電極が形成されているカラーフィルタ層が形成される。なお、本発明の電子入力装置は、裏面側の構成に制限されるものではない。
【0023】
透明基板2は、可視光に対して80%以上の透過率を有するものを用いることができ、好ましくは95%以上の透過率を有するものを用いることができる。一般に液晶表示装置に用いられているものでよく、ガラス等の無機透明基板、またはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、環状オレフィンコポリマー等の透明樹脂基板が使用可能である。本発明に係るタッチパネル機能は静電容量型であるため、従来のタッチスクリーン方式のように外力による歪みの必要は無く、適用する表示パネルの仕様によって材質及び厚みは適宜選択できる。
【0024】
図2,3に示すように、この電子入力装置1は、同一レイヤー内に、X軸方向及びこれと直交するY軸方向に間欠的に配列される複数の第1の透光性電極3と、X軸方向及びY軸方向に配列されると共に各々が第1の透光性電極3の行間及び列間に配置される複数の第2の透光性電極4とを備える。まず、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上を含有する感光性樹脂組成物を、透明基板2の表面の同一レイヤーに塗布した後、配線部分を開口部としたフォトマスクを介して紫外線で露光し、その後現像処理してパターニングし、第1の透光性電極3と第2の透光性電極4とを一括して所定形状で所定の位置に形成する。現像後、必要に応じて加熱処理を施してもかまわない。
【0025】
ここで、感光性樹脂組成物は、上記した金属微粒子、および/または、導電性高分子以外に、少なくとも、透明樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤、溶剤からなる。透光性電極の形成に用いる感光性樹脂組成物は、例えば、透明樹脂バインダに上記した導電性材料を、分散剤を用いて分散させ、この分散液に光重合性モノマー、光重合開始剤、増感剤、溶剤などを添加して調製される。
【0026】
金属微粒子としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)の導電性金属酸化物微粒子のほかに、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)の微粒子が使用可能である。
【0027】
透光性電極として使用する透明導電性薄膜としての透明性を得るためには、金属微粒子の分散粒径は、レイリー散乱によるヘーズ(曇価)を抑制するために光の波長より十分小さい粒子径とする。少なくとも200nmよりはるかに小さい必要がある。また、金属微粒子が分散した透明導電性薄膜では、金属微粒子同士の接触により導電経路画形成されるため、微粒子化に伴い透明導電性薄膜中の導電経路が切断されて表面抵抗率が高くなる。粒子径を5nmより小さくすることで透明性は上がることになるが、上記したように良好
な導電性を得るためには添加量を多くする必要があり、また微粒子の製造そのものがコスト高となる。そこで、本発明に係る金属微粒子の分散粒径は、10nm以上100nm以下が好ましく、20nm〜50nmがより好ましい。なおこのとき一次粒子径は5〜10nmである。
【0028】
この金属微粒子の感光性樹脂への添加量は、感光性樹脂固形分に対して0.05〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%である。また、透明導電性薄膜の厚みは、0.1〜3μmである。
【0029】
また、導電性高分子としては、ポリ−3,4−エチレンジオキシンチオフェン(PEDOT)に代表されるポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリ(p−フェニレン)系、ポリ(フェニレンビニレン)系、ポリ(フェニレンエチニレン)系、ポリアセン系、又はポリビニルカルバゾール系から選ばれる導電性高分子である。また、これら導電性高分子にドーピング操作により、正電荷もしくは負電荷のキャリアを生成したものが使用できる。
【0030】
導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3,4−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ−(3,4−エチレンジオキシンチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
【0031】
この導電性高分子の感光性樹脂への添加量は、感光性樹脂固形分に対して0.05〜30質量%、好ましくは1〜15質量%である。また、透明導電性薄膜の厚みは、0.02〜10μmである。
【0032】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型レジストの形態で調製することができる。感光性樹脂組成物を構成する透明樹脂は、可視光領域の400
〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上である透明樹脂である。この透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。透明樹脂には、必要に応じて、その前駆体である、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0033】
このような樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、スチレンーマレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、およびこれらを変性したもの等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂と不飽和基含有カルボン酸またはその無水物の反応物にさらに多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させて得られた光重合性不飽和基含有樹脂、あるいはノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等のフェノール性水酸基を有する樹脂またはこれらの変性樹脂が挙げられる。
【0034】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0035】
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
【0036】
用いることのできる多官能重合性モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。また、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレートを用いることが好ましい。なお、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートとの組み合わせは任意であり、特に限定されるものではない。また、1種の多官能ウレタンアクリレートを単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
【0037】
この感光性樹脂組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ-ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の使用量は、感光性樹脂組成物の全固形分量を基準として0.5〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。
【0038】
さらに、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の化合物、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60質量%が好ましく、より好ましくは3〜40質量%である。また、重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、を併用することもできる。
【0039】
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、界面活性剤、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオール、組成物の経時粘度を安定化させるための貯蔵安定剤、基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
【0040】
感光性樹脂組成物には、必要に応じて有機溶剤を含有することができる。有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
【0041】
透明基板上に透明導電性薄膜を形成する場合はフォトリソグラフィ法を適用し、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した上記感光性樹脂組成物を、透明基板の表面の同一レイヤーに乾燥膜厚が0.02〜10μmとなるように塗布する。塗布する手段はスピンコート、ディップコート、ダイコートなどが通常用いられるが、基板上に均一な膜厚で塗布可能な方法ならばこれらに限定されるものではない。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。プリベークは50〜120℃で1〜20分ほどすることが好ましい。次に、感光性樹脂組成物を塗布した基板に接触あるいは非接触状態で設けられた配線部分を開口部とした所定のパターンを有するフォトマスクを介して紫外線露光を行う。光源には通常の高圧水銀灯などを用いればよい。
【0042】
続いて現像を行う。溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して、第1の透光性電極と第2の透光性電極とを一括して所定の位置に形成する。現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像後、水洗、乾燥する。さらに、感光性樹脂の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。
【0043】
次に、透光性の絶縁材料を透光性電極3、透光性電極4及び透明基板2の表面全体を覆うように積層することにより絶縁膜6を形成する。第1の透光性電極3とジャンパー8とが重なり合う部分の所定位置と、透光性電極3、透光性電極4のパネル端部の金属電極を設ける部分の所定位置の絶縁膜には、フォトリソ法により透光性電極表面に達するコンタクトホール7が設けられる。
【0044】
次に、ジャンパー8及び金属電極9を形成する。ジャンパーは、導電性材料から形成され、透明基板2の表面にX軸方向及びY軸方向に行列状に配列されている。ジャンパー8の各々は、X軸方向に整列する第1の透光性電極3をX軸方向に接続するためのものであり、両端部がX軸方向に隣接する1対の第1の透光性電極3の各々と重なり合うような位置及び寸法で所定の位置に形成される。また、金属電極9は、第1の透光性電極3と第2の透
光性電極4とのそれぞれのパネル端部で電気信号を検出するための検出器に接続する所定の位置に形成する。
【0045】
ジャンパーは、通常、メタル(MAM:Mo(モリブデン)/Al(アルミニウム)/Moの略称で3層構造の導電材料、APC:銀/パラジウム/銅の合金、その他)からなる金属薄膜の上にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムすず)等の透明導電性薄膜が積層された導電性材料から形成されたものを用いるが、本発明の電子入力装置ではは、ジャンパーと金属電極とが同じ導電性材料で形成されていることが好ましく、先に説明した透光性電極と同じ材料を用いることも可能である。少なくとも、ジャンパーと金属電極とを一括して所定の位置に形成することが工程削減の点で好ましく、本発明の目的とする、真空プロセスを用いないで電子入力装置を製造する点から、ジャンパーと金属電極とを、上記したように、金属微粒子を含有する感光性樹脂組成物を用いてフォトリソ法で形成することが特に好ましい。
【0046】
X軸方向に整列する第1の透光性電極3の各々は、X軸方向及びY軸方向のいずれにも相互に接続されていないが、スルーホール7を介してジャンパー8に電気的に接続された状態となる。一方、第2の透光性電極4の各々は、X軸方向及びY軸方向に配列されると共に各々が第1の透光性電極の行間及び列間に配置され、第2の透光性電極4と同時にパターニングされる接続部5を介してY軸方向に相互に連結されている。ジャンパー8及び金属電極9を形成した後、さらに、その上に透明絶縁性の保護膜9を全面に形成して電子入力装置とする。
【0047】
以上、本発明の電子入力装置の一実施形態を説明したが、上記したジャンパー及び金属電極を形成する工程を始めに行い、透光性電極の形成を後にすることも可能である。
【0048】
本発明の電子入力装置を、カラー液晶表示装置に適用する場合には、透明基板の裏面に、公知の方法を用いて図示しないブラックマトリックスで画定された赤(R)、緑(G)、青(B)等複数色の着色画素、一様な透明電極が形成されているカラーフィルタを形成することができる。カラーフィルタには、図示しないアレイ基板との中間に液晶層を挟持する間隙を規定するフォトスペーサーをもうける。
【0049】
同一の透明基板に、表面側に本発明の電子入力装置を形成し、続いて裏面にカラ−フィルタを形成することで対向基板が得られた。この対向基板とアレイ基板とに、必要な配向処理をおこなって、中間に液晶層を挟持することでパネルとして組み立て、偏光板や、駆動電極、バックライト等と組み合わせることで、本発明の電子入力装置を備えたタッチパネル機能を有する液晶表示装置が得られる。
【0050】
本発明の液晶表示装置に係るアレイ基板は、透明基板上に、モリブデンやタングステンもしくはその合金等の金属からなるゲート線およびゲート電極を配置し、これらを覆うように酸化ケイ素・窒化ケイ素等からなるゲート絶縁膜が配置されている。また、ゲート絶縁膜上にはアモルファス・シリコンなどの半導体層が配置され、更にモリブデンやアルミニウムからなるソース線、ソース電極、ドレイン電極が配置されスイッチング素子を形成している。スイッチング素子の上には、酸化ケイ素・窒化ケイ素等からなる保護層が配置される。スイッチング素子は、表示装置の表面側の電子入力装置のタッチパネル電極の操作によっても駆動可能に配線される。
【0051】
本発明の電子入力装置を備えた対向基板とアレイ基板とに、液晶を所定の方向ダイレクターに配向させる性質をもつ配向膜を塗布する。所定の液晶モードに合せて配向膜を選定する必要があり、配向膜の材料としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などの感光性または非感光性のものが好ましく用いられるが、これ
らに限られるものではない。ただし、配向膜の耐熱性・信頼性の点からポリイミド系樹脂が好ましい。
【0052】
液晶表示装置に使用される液晶材料としては、表示モード、駆動方式に応じて適宜選択することができる。例えば、ネマティック液晶やスメクチック液晶が良好な表示を得るために用いられる。スメクチック液晶には強誘電性液晶や反強誘電性液晶などが含まれる。ネマティック液晶としては、表示方式に応じて誘電異方性の正のもの、負のものを適宜用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・電子入力装置 2・・・透明基板 3・・・第1の透光性電極
4・・・第2の透光性電極 5・・・(第2の透光性電極の)接続部
6・・・絶縁膜 7・・・スルーホール 8・・・ジャンパー 9・・・保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板の表面の同一レイヤーに、X軸方向及びこれと直交するY軸方向に間欠的に配列される複数の第1の透光性電極と前記X軸方向及び前記Y軸方向に配列されると共に各々が前記第1の透光性電極の行間及び列間に配置される複数の第2の透光性電極とを備え、前記第1の透光性電極と第2の透光性電極とは透明絶縁膜によって互いに絶縁され、X軸方向に整列する前記第1の透光性電極の各々は前記第1の透光性電極上の前記透明絶縁膜のスルーホールを通じて前記X軸方向及び前記Y軸方向に配列される導電性材料からなる複数のジャンパーによって相互に電気的に接続され、前記第1の透光性電極と第2の透光性電極とのパネル端部のそれぞれには電気信号を検出するための検出器に接続されている金属電極を備える、電子入力装置において、
少なくとも前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極とは、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上の導電性材料を含有する感光性樹脂組成物を用いて形成された透明導電性薄膜から成ることを特徴とする電子入力装置。
【請求項2】
少なくとも前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極とは、フォトリソグラフィー法でパターニング形成された透明導電性薄膜から成ることを特徴とする請求項1に記載する電子入力装置。
【請求項3】
前記金属微粒子は、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)から選ばれる1種以上の金属微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載する電子入力装置。
【請求項4】
前記導電性高分子は、ポリチオフェン系、ポリアセチレン系、ポリピロール系、ポリアニリン系、ポリ(p−フェニレン)系、ポリ(フェニレンビニレン)系、ポリ(フェニレンエチニレン)系、ポリアセン系、又はポリビニルカルバゾール系から選ばれる1種以上の導電性高分子であることを特徴とする請求項1または2に記載する電子入力装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載する電子入力装置の製造方法であって、金属微粒子、および/または、導電性高分子から選ばれる一種以上の導電性材料を含有する感光性樹脂組成物を、前記透明基板の表面の同一レイヤーに塗布した後、配線部分を開口部としたフォトマスクを介して紫外線で露光し、その後現像処理することで、少なくとも前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極とを一括して所定の位置に形成する工程を含むことを特徴とする電子入力装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載する電子入力装置を備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−185699(P2012−185699A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48680(P2011−48680)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】