説明

電子写真画像形成装置

【課題】一般ユーザも容易にアクセスできるユーザビリティー性を有し、かつ小型、低コストの画像形成装置の提供。
【解決手段】サイドオリエント構成において、プロセスカートリッジ装着のユーザビリティー性向上のため、プロセスカートリッジPの第一の筐体部7と第二の筐体部9の間にガイド手段51を設ける。ガイド手段は、プロセスカートリッジに当接可能な部位58を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジを装置本体に取り外し可能に装着した状態で、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と記す)は、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザプリンタ、LEDプリンタ)、フアクシミリ装置、及びワードプロセッサがある。また、画像形成装置としては、モノクロ、カラーのいずれも含まれる。また、記録媒体は、画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、用紙、OHPシート等が含まれる。また、中間転写体も含まれる。
【0003】
プロセスカートリッジは、感光ドラムと、ドラムに作用するプロセス手段と、を一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されて、記録媒体に画像を形成する画像形成プロセスに寄与するものである。従って、カートリッジには、プロセス手段としての現像手段と、ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。また、カートリッジには、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と、ドラムとを一体的にカートリッジ化して、装置本体に取り外し可能に装着するものも含まれる。ドラムと現像手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂一体型と称する。また、ドラムと現像手段以外のプロセス手段とを一体的に有するプロセスカートリッジを所謂分離型と称する。プロセスカートリッジは、使用者自身によって装置本体に対する着脱を行うことができる。そのため、装置本体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【背景技術】
【0004】
特許文献1には、プロセスカートリッジを装置本体に着脱するためのガイドを、カートリッジの上方部分と下方部分をガイドする2部品構成に分け、かつカートリッジの外装回りをガイドする構成の電子写真画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−216331号公報(第6頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の画像形成装置では、装置本体の小型化のために、ガイド部材を分割して小型化し、複数箇所設置している。しかし、ガイド部材を分割し小型化した場合、小型でありつつも、ユーザのプロセスカートリッジ操作力に耐えうる部品強度を有している必要があるため、ガイド部材の材質として金属のような強度の高い素材を用いる必要がある。このためコストアップしてしまっていた。また、ガイド部材の材質を金属すると、電気的弊害、例えばリーク現象、電磁放射ノイズの低化等の問題が発生するため、それらの対策部品を設置する必要があり、コスト高、スペースの圧迫という問題があった。
【0007】
そこで本発明では、小型で低コストの電子写真画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明に係る電子写真画像形成装置の代表的な構成は、感光ドラムと、前記感光ドラムを挟んで設けられた第一の筐体部と、第二の筐体部と、を備えるプロセスカートリッジを、前記感光ドラムの軸方向とほぼ平行な方向で装置本体に対して取り外し可能に装着した状態で、前記感光ドラムを前記第一の筐体部と前記第二の筐体部の間から露光することで、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する、及び、前記装置本体から取り外す際に、前記プロセスカートリッジに当接して前記プロセスカートリッジをガイドするためのガイド手段を有し、前記ガイド手段は、前記第一の筐体部と前記第二の筐体部との間で前記プロセスカートリッジに当接可能な部位を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型で低コストの電子写真画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)は実施例1の電子写真画像形成装置の外観斜視図、(b)は前ドアを開いてプロセスカートリッジの1つを装置本体内の装着部から引き出している途中状態或いは挿入している途中状態の装置の外観斜視図
【図2】(a)は同装置の縦断正面図、(b)は(a)の部分的な拡大図
【図3】プロセスカートリッジの外観斜視図であり、(a)は非駆動側から見た図、(b)は駆動側から見た図
【図4】(a)はガイド部の斜視図、(b)はガイド部を下面側から見た斜視図
【図5】ガイド部のガイド作用の説明図
【図6】実施例2の要部の説明図
【図7】実施例3の要部の説明図
【図8】実施例3のガイド部の斜視図
【図9】(a)は実施例4の前ドアを開いてプロセスカートリッジの1つを装置本体内の装着部から引き出している途中状態或いは挿入している途中状態の外観斜視図、(b)は同装置の部分的な拡大縦断正面図
【図10】(a)は実施例4のガイド部の斜視図、(b)は実施例4のガイド部を下面側から見た斜視図
【図11】ガイド部およびプロセスカートリッジの1つを装置本体内の装着部から引き出している途中状態或いは挿入している途中状態の縦断面側面図の部分的な拡大図
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
《電子写真画像形成装置例の概略構成》
図1の(a)は本実施例の電子写真画像形成装置100の外観斜視図、(b)は前ドア101を開いてプロセスカートリッジの1つを装置本体100A内の装着部から引き出している途中状態或いは挿入している途中状態の装置100の外観斜視図である。図2の(a)は装置100の縦断正面図、(b)は(a)の部分的な拡大図である。図3はプロセスカートリッジPの外観斜視図であり、(a)は非駆動側から見た図、(b)は駆動側から見た図である。装置100は、感光ドラムを有する4つのプロセスカートリッジをそれぞれ装置本体100A内の装着部に取り外し可能に装着した状態で、記録媒体にカラー画像を形成する、インライン方式、中間転写方式のカラー電子写真画像形成装置である。ドラムを露光する露光装置にはレーザスキャナーユニットを用いている。より詳しくは、装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザビームプリンタである。該プリンタはパソコン・イメージリーダ等のホスト装置200から制御回路部102に入力する電気的な画像信号に基づいてシート状の記録媒体(以下、記録材と記す)Sにカラー画像形成を行う。
【0012】
以下の説明において、装置100に関して、前側(正面側)とは装置開閉用のドア(前ドア)101を配設した側である。後側(奥側)とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。上下とは重力方向において上または下である。装置本体100Aとはカートリッジを除いた装置100の構成部分である。
【0013】
本体100A内には左側から右側にかけて第1乃至第4の4つのプロセスカートリッジ装着部50(50Y、50M、50C、50K)がほぼ水平に並べられて配設されている。そして、各装着部50に対してそれぞれ第1乃至第4の4つのプロセスカーリッジP(PY、PM、PC、PK)が取り外し可能に装着されている。各装着部50はプロセスカーリッジPを本体100Aに挿入する、及び、本体100Aから抜き出す際に、プロセスカーリッジPをガイドするガイド部(ガイド手段)51を有する。ガイド部51については後述する。
【0014】
各カートリッジPは、収容されている現像剤の色が異なるだけで、互いに同様の電子写真プロセス機構である。本実施例のカートリッジPは、ドラムユニット8と現像ユニット(現像装置)3とを備えており、その両ユニット8・3が後側カバー部材14と前側カバー部材15とで所定の配置関係をもって一体的に結合されてカートリッジ化されている。
【0015】
ユニット8は、第一の筐体部としてのクリーニング枠体7に対して、感光ドラム1と、ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電装置2及びクリーニング装置4が所定の配置関係をもって組み付けられている。ドラム1は枠体7に対して一端側と他端側がそれぞれ軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持されている。帯電装置2はドラム1の周面を所定の極性・電位に一様に帯電する装置であり、本実施例では、帯電ローラを用いている。帯電ローラ2はドラム1に対してほぼ平行に配列されて枠体7に対して一端側と他端側がそれぞれ軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持されている。また、帯電ローラ2はドラム1に対して所定の押圧力で当接していて、ドラム1の回転に従動して回転する。クリーニング装置4は後述する中間の記録媒体である中間転写ベルト21に対する現像剤像の1次転写後のドラム表面から転写残現像剤を除去する装置であり、本実施例では、弾性クリーニングブレードを用いている。ブレード4は基部を支持させた板金5を枠体7に固定し、ブレード先端部をドラム1に対してドラム回転方向にカウンターに当接させて配設されている。枠体7の内部は廃現像剤収容部6とされている。
【0016】
ユニット3は、第二の筐体部としての現像枠体9に対して、現像ローラ10と、現像剤供給ローラ11が所定の配置関係をもって組み付けられている。ローラ10は、ドラム1に対して現像剤を供給してドラム1に形成された静電潜像を現像剤像として現像する現像部材である。ローラ10はドラム1に対してほぼ平行に、かつ、ドラム1に接触させて或いは所定の僅少な隙間を存して非接触に配列されて、枠体9に対して一端側と他端側がそれぞれ軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持されている。ローラ10はドラム1の回転方向に順の方向に所定の速度で回転駆動される。ローラ11はローラ10に対して現像剤を供給する現像剤供給部材である。ローラ11はローラ10に対してほぼ平行に、かつ、ローラ10に接触させて配列されて、枠体9に対して一端側と他端側がそれぞれ軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持されている。ローラ11はローラ10と同じ方向(ローラ10との接触部において逆方向)に所定の速度で回転駆動される。枠体9の内部は現像剤収容部12とされている。収容部12に所定量の現像剤(トナー:不図示)が収容されている。収容部12には軸13aを中心に回転駆動される現像剤攪拌翼13が配設されている。翼13が回転することで、収容部12内の現像剤が攪拌されると共に、ローラ11に対して現像剤が供給される。
【0017】
カートリッジPはドラム1の軸線方向(回転軸線方向)を長手方向とするアセンブリであり、ドラム1の軸線方向の一端側(カバー部材14側)が駆動側、他端側(カバー部材15側)が非駆動側である。ドラム1の上面側はカートリッジ上面から外部に露呈している。第一の筐体部であるクリーニング枠体7と第二の筐体部である現像枠体9はドラム1を挟んで設けられている。枠体7と枠体9との間にはカートリッジ底部からドラム下面に至る細長い隙間空間部(スリット空間部)16が存在している。後側カバー部材14は上記の空間部16に対応する位置に後述するガイド手段としてのプロセスカートリッジガイド部51が入り込める凹形状部(スリット開口部)17を有する。また、前側カバー部材15も上記の空間部16に対応する位置に凹形状部(スリット開口部)18を有する。ただし、この凹形状部18は、ガイド部51が入り込まなくてもよいので、カートリッジPの筐体強度を高めるためになくてもよい。本実施例では、使用者がガイド部51を目視しやすい程度に凹形状部18を残した形状とすることで、カートリッジPの筐体強度を高めると同時に使用者の操作性を損なわないようにしている。各カートリッジPは本体100A内の対応する装着部50に対して駆動側を奥側にして装着されている。カートリッジPの後側カバー部材14には、ドラム1の軸線と同心に駆動入力部19が配設されている。
【0018】
第1のカートリッジPYは、収容部12にイエロー(Y)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にY色の現像剤像を形成する。第2のカートリッジPMは、収容部12にマゼンタ(M)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にM色の現像剤像を形成する。第3のカートリッジPCは、収容部12にシアン(C)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にC色の現像剤像を形成する。第4のカートリッジPKは、収容部12にブラック(K)色の現像剤が収容されていて、ドラム1面にK色の現像剤像を形成する。
【0019】
各カートリッジPが対応する装着部50に所定に装着されて画像形成位置H(潜像形成位置)に位置している状態において、駆動入力部19に対して本体100A側の駆動出力部(不図示)が結合している。カートリッジPの画像形成位置Hは後述する中間の記録媒体であるベルト21に対して画像を形成するのに寄与する位置である。
【0020】
装着部50の上方部には、転写部材としての中間転写ベルトユニット20が配設されている。ユニット20は、中間転写体としての可撓性を有するエンドレスベルト(中間転写ベルト)21と、ベルト21を懸回張設して循環移動させる駆動ローラ22、2次転写対向ローラ23、テンションローラ24、4つの1次転写ローラ25を有する。ローラ22とローラ23は本体100A内の右側に配設されている。ローラ24は本体100A内の左側に配設されている。4つの1次転写ローラ25はそれぞれ第1乃至第4のカートリッジPY・PM・PC・PKに対応している。そして、各ローラ25は、画像形成位置Hに位置している各カートリッジPのドラム1の上面に対して、それぞれ、ローラ24とローラ22との間の下行側ベルト部分を介して当接している。各カートリッジPのドラム1とベルト21との当接部が1次転写部T1である。また、ローラ23にはベルト21を介して2次転写ユニット26の2次転写ローラ27が当接している。ローラ27とベルト21との当接部が2次転写部T2である。ローラ24のベルト巻回部にはベルトクリーニング装置28が配設されている。
【0021】
装着部50の下方部には、レーザスキャナーユニット29が本体100Aに対して位置が固定されて配設されている。ユニット29は各装着部50に装着されている各カートリッジPのドラム1に対してそれぞれ画像情報に対応して変調されたレーザ光Lを照射して走査露光することでドラム面に静電潜像を形成する露光装置である。ユニット29は、図には省略したけれども、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー、F−θレンズ等で構成されている。各装着部50にはカートリッジPを挿抜する際のガイドとして働くガイド部51が配設されている。ガイド部51は前後方向に長く、上方に突出している薄板状の部材であり、基部52がユニット29の上面フレーム30に対して固定して配設されている。各カートリッジPは装着部50に対して所定に装着されている状態において、第一の筐体部である枠体7と第二の筐体部である枠体9との間の隙間空間部16に対してガイド部51が入り込んでいる。ガイド部51は、内部が中空部53にされており、中空部53の底部と上部には長手に沿ってスリット開口部54と55が形成されている。開口部54はユニット29の上面フレーム30に設けられたレーザ光出射開口部31に対応している。開口部55はドラム1の下面に対向している。
【0022】
ユニット29の下方部には給送ユニット32が配設されている。ユニット32は、給送トレイ33、給送ローラ34等を有する。トレイ33にはシート状の記録材Sが積載されている。トレイ33は装置100の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。33aはトレイ33の前面板に設けられた取手部である。本体100A内の右側にはローラ34から本体100A内の右側の上部に至る記録材搬送路Zが配設されている。搬送路Zは搬送ガイド板等で構成されている。搬送路Zを下から上に沿って、記録材分離搬送ローラ対35、レジストローラユニット36、2次転写ローラ27、定着ユニット(定着装置)37、排紙ローラ対39を有する排紙ユニット38が配設されている。ユニット37は定着フィルムユニットと加圧ローラを有するものを用いている。本体100Aの上面には、画像形成済みの記録材を受ける排出トレイ40が配設されている。
【0023】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。画像形成スタート信号に基づいて、本体100A側の駆動出力部からカートリッジP側の駆動入力部19に駆動が入力される。これにより、ドラム1が図2の(b)の矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ2はドラム1の回転に従動して回転する。また、現像ローラ10、供給ローラ11が矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。翼13も矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト21も矢印の反時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジPにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ2に対して所定の帯電バイアスが印加されてドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。ユニット29の上面フレーム30の開口部31から、画像情報に対応して変調されたレーザ光Lが上向きに出射される。そのレーザ光Lはガイド部51の底面部の開口部54から中空部53に入射し、上面部の開口部54から外に出てドラム1の下面に結像する。即ち、ガイド部51の中空部53がユニット29からドラム1に対する露光光路となっている。これにより、帯電ローラ2により帯電処理されたドラム1の表面がユニット29から出射されるレーザ光Lにより主走査露光されて、各ドラム1の表面にそれぞれ対応色の画像信号に応じた静電潜像が所定の制御タイミングで形成される。形成された静電潜像は、現像ローラ10により現像剤像として現像される。現像ローラ10には所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。
【0024】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム1にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像剤像が形成される。その現像剤像が転写部T1にてベルト21に転写(中間転写)される。第2のカートリッジPMのドラム1にはフルカラー画像のM色成分に対応するM色現像剤像が形成される。その現像剤像がベルト21にすでに転写されているY色の現像剤像に重畳されて転写部T1にて転写される。第3のカートリッジPCのドラム1にはフルカラー画像のC色成分に対応するC色現像剤像が形成される。その現像剤像がベルト21にすでに転写されているY色+M色の現像剤像に重畳されて転写部T1にて転写される。第4のカートリッジPKのドラム1にはフルカラー画像のK色成分に対応するK色現像剤像が形成される。その現像剤像がベルト21にすでに転写されているY色+M色+C色の現像剤像に重畳されて転写部T1にて転写される。このようにして、ベルト21にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。各1次転写ローラ25には電源部(不図示)から現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の1次転写バイアスが所定の制御タイミングにて印加される。各カートリッジPにおいて、ベルト21に対する現像剤像の1次転写後にドラム1の表面に残留した現像剤はブレード4により除去されて収容部6に貯留される。
【0025】
一方、所定の制御タイミングでローラ16が駆動されて、リフタ板33bで持ち上げられている記録材Sの左側の上面がローラ34に接触することにより、トレイ33内の最上位の記録材が左方に繰り出され、ローラ対35により1枚分離されて送出される。送出された記録材Sはユニット36でベルト21に対する画像形成と同期がとられて所定の制御タイミングで2次転写部T2に導入される。ローラ27には電源部(不図示)から現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録材Sが転写部T2を搬送されていく過程で、ベルト21上の4色重畳の現像剤像が記録材Sの面に順次に一括して転写される。記録材Sは転写部T2を出てベルト21の面から分離され、ユニット37へ導入されて定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、現像剤像の記録材Sに対する定着がなされる。記録材Sはユニット37を出て、フルカラー画像形成物としてユニット38のローラ対39によりトレイ40上に排出される。記録材分離後のベルト21の表面の2次転写残現像剤は、装置28により除去される。
【0026】
両面画像形成モードが選択されている場合は、ユニット37を出た片面画像形成済みの記録材Sがユニット38の両面フラッパ41の動作により、反転ローラ対42側に進路切換えされ、ローラ対42によりトレイ40側に排出搬送される。そして、記録材Sの後端部がフラッパ41に到達すると、フラッパ41が戻り動作するとともに、ローラ対42が反転駆動される。これにより、記録材Sが両面搬送路43に導入され、搬送ローラ対44・45で中継ぎ搬送され、表裏反転された状態で再びレジストローラ対ユニット36に送られる。以下、片面画像形成時と同様に、記録材Sは2次転写部T2、ユニット37、ユニット38のローラ対39の経路を搬送されて両面画像形成物としてトレイ40に排出される。
【0027】
装置100の右側面側には手差し給紙トレイ46が配設されている。トレイ46は不使用時には装置100の右側面側に畳み込んで格納しておくことが出来る。図1はトレイ46が格納されている状態を示している。手差し給紙時にはトレイ46は図1の(a)のように2点鎖線示のように開き状態にして使用される。
【0028】
[カートリッジ交換方式]
各カートリッジPは画像形成に使用されるにつれて収容部12に収容されている現像剤が消費される。そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤の残量を検知する検知手段(不図示)をカートリッジPに設ける。そして、本体100Aの制御回路部102において、前記検知手段によって検知した残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、前記残量値が閾値よりも少ない残量値まで現像剤が減少したカートリッジについては、プリンタ操作部105の表示部或いはホスト装置200の表示部に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持している。
【0029】
本実施例の装置100において、カートリッジPの交換は次の要領でなされる。本体100Aの前面側にはドア101が設けられている。ドア101が開かれることで、本体100Aの前面側の開口部104が開放されて、各装着部50に装着されている各カートリッジPの非駆動側が露呈する。また、ドア101の開き動作に連動する連動機構(不図示)により中間転写ベルトユニット20が装着部50から上方の退避位置に移動されて、各装着部50に装着されている各カートリッジPのドラム1からユニット20のベルト21が離間する。これにより、使用者は装置本体100Aの各装着部50に装着されている個々のカートリッジPにアクセスしてカートリッジPをフロントアクセスにより抜き出すことが可能となる。及び、各カートリッジPを装置本体100Aの対応する装着部50に対してフロントアクセスにより挿入することが可能となる。カートリッジPの本体100Aの装着部50に対する着脱は、カートリッジPの有するドラム1の軸線方向とほぼ平行な方向で、かつ、装置本体正面側で着脱可能なサイドオリエンテッド構成となっている。図1の(b)は、第1のカートリッジPYを本体100A内の装着部50Yから引き出している途中状態或いは挿入している途中状態を示している。XはカートリッジPの本体100Aに対する挿入方向、Yは引き出し方向である。上記のようにドア101を開いてカートリッジPの新旧交換をしたら、ドア101を閉じ込む。このドア101の閉じ動作に連動する連動機構(不図示)によりユニット20が退避位置から、ベルト21が各装着部50に装着されている各カートリッジPのドラム1の上面に接触した状態になる位置に下降動する。これにより、装置100は画像形成動作が可能な状態に復帰する。
【0030】
ドア101は、開口部104を閉じる閉じ位置(閉鎖位置)Eと、開口部104を開く開放位置Fと、の間を移動可能な開閉部材として本体100Aの前面側に設けられている。本実施例においては、ドア101は、ドア下辺側に設けられ、本体100A側の軸受部材(不図示)に軸受保持されている左右方向の横軸(ヒンジ軸)101bを中心に本体100Aの前面に対して開閉回動可能である。ドア101は使用者が軸101bを中心に立て起こし方向に回動して、開口部104を閉じた閉じ位置Eに移動させることができる。ドア101の閉じ状態は係止部材(不図示)により保持される。また、閉じ位置Eにあるドア101は使用者が取手部101aに手指を掛けて、また係止を解除して軸101bを中心に本体100Aの手前側にほぼ水平に倒し回動することができる。ドア101の閉じ状態は係止部材(不図示)により保持される。これにより、開口部104を大きく開放した開放位置Fに移動させることができる。開口部104は各カートリッジPを本体100A内の対応の装着部50に対して挿入するために、及び、取り出すためにカートリッジPを通過させるための開口部である。
【0031】
《ガイド部》
各装着部50において、カーリッジPを本体100Aに挿入する、及び、本体100Aから抜き出す際に、カーリッジPをガイドするガイド部(ガイド手段)51について詳述する。各装着部50のガイド部51は同じ構成である。ガイド部51は、前記のように、前後方向に長く、上方に突出している薄板状の部材であり、基部52がユニット29の上面フレーム30に対して固定して配設されている。カートリッジPは装着部50に対して所定に装着されている状態において、第一の筐体部である枠体7と第二の筐体部である枠体9との間の隙間空間部16に対してガイド部51が入り込んでいる。即ち、ガイド部51はカートリッジPの第一の筐体部7と第二の筐体部9の間に配設されている。また、ガイド部51は、後述するように、カートリッジPに当接可能な部位58を有する。
【0032】
カートリッジガイドをドラムの長手方向に移動させて着脱する構成においては、カートリッジPの着脱方向を正面にしたとき、カートリッジPの左右両側にカートリッジガイドを配置していた。その場合、4個のカートリッジPY・PM・PC・PKに対応してカートリッジガイドを設けると、カートリッジガイドは5個必要になる。またカートリッジPYの左側とカートリッジPKの右側に置かれるカートリッジガイドの領域によって、装置本体の幅方向のサイズが大きくなる。また4個のカートリッジPY・PM・PC・PKの間にカートリッジガイドのスペースが必要になり、カートリッジPY・PM・PC・PK同士の間隔を広く取る必要がある。
【0033】
本実施例のように、カートリッジPの第一の筐体部7と第二の筐体部9の間にプロセスガイド部51を配置することによって、両端に配置されるカートリッジPYとPKの左右にガイドを配置する必要がない。また、カートリッジPY・PM・PC・PK同士の間隔をつめることが出来る。それにより製品の小型化と部品の削減が可能となる。
【0034】
図4の(a)はガイド部51の斜視図、(b)はガイド部51を下面側から見た斜視図である。本実施例のガイド部51は、ドラム1に静電潜像を形成するために、ユニット29からドラム1に至る露光光路を確保する為に、内部が中空部53にされており、その中空部53の底部と上部には長手に沿ってスリット開口部54・55を有している。スリット開口部54・55の幅W54・W55は光路を妨げない幅である2mm〜6mmを確保している。本実施例のガイド部51はそのカートリッジ装着方向前後部に前壁面56と後壁面57を配置することによって、ガイド部51が樹脂部材でも十分な強度を有することが出来る。
【0035】
また、ガイド部51は、カートリッジPの左右方向をガイドする幅方向規制壁(カートリッジPに当接可能な部位)58、カートリッジPの縦方向をガイドする縦方向規制壁59を有する。縦方向規制壁59はガイド部51の基部52においてガイド部51の左右両側にガイド部51の長手に沿って設けられている。また、ガイド部51は、カートリッジPの装着が容易になるように、高さ方向受入形状部59aと幅方向受入形状部56aを有する。高さ方向受入形状部59aは縦方向規制壁59の前側部をカートリッジ挿入方向に上り斜面部として形成されている。幅方向受入形状部56aはガイド部51の前側壁面56の左右の角部の面取り部として形成されている。
【0036】
カートリッジPの装着部50に対する挿入は次のような要領により行うことが出来る。ほぼ水平の姿勢に開かれているドア101の上にカートリッジPの駆動側を先にして対応する装着部50に対向させて乗せる。そのカートリッジPをドア101上をスライドさせて開口部104から装置本体100A内に挿入移動する。その移動により、カートリッジPの後側カバー部材14の凹形状部17がガイド部51の前側壁面56に対応して位置する。そして、凹形状部17に前側壁面56が入り込む。この場合、前側壁面56には幅方向受入形状部56aが形成されているから、凹形状部17に前側壁面56が容易に入り込む。また、後側カバー部材14の下辺部の凹形状部17を中にした左右部が、それぞれ、ガイド部51の左右部の高さ方向受入形状部としての上り斜面部59aに対応して位置する。そして、カートリッジPの引き続く挿入移動により、カートリッジPは上り斜面部59aにガイドされて上昇移動しながら本体100A内に進入して、第一の筐体部7の下面と第二の筐体部9の下面がそれぞれの側の縦方向規制壁59の上に乗り上がる。また、ガイド部51が第一の筐体部7の下面と第二の筐体部9の間の隙間空間部16に入り込む。以後、カートリッジPは、ガイド部51の幅方向規制壁58により左右方向がガイドされながら、また、縦方向規制壁59により縦方向がガイドされながら、ガイド部51に沿って装置本体100A内に挿入される。そして、カートリッジPは所定の挿入装着位置まで十分に挿入されると、ストッパ部(不図示)によりそれ以上の挿入移動が阻止される。また、カートリッジPはその挿入装着位置に例えばトグル機構(不図示)の動作により保持される。ガイド部51は第一の筐体部7の下面と第二の筐体部9の間に入り込んで位置している。このカートリッジPの挿入装着位置がカートリッジPの画像形成位置Hである。カートリッジPの本体10Aに対する挿入移動時にはユニット20は前述したようにドア101が開かれていることで退避位置に移動して保持されているから、ドラム1とベルト21が摺擦し合うことはない。カートリッジPの本体100Aからの抜き出しは上記の挿入移動と逆の動作となる。
【0037】
図5の(a)に示すように、カートリッジPは、ガイド部51と接触する当接部71・91を有する。ガイド部51が入り込むカートリッジPの隙間空間部16の幅W16はガイド部51を入れやすくする為にガイド部51の幅W51よりも大きくして、ガイド部51との間に隙間xを設けている。しかし、カートリッジPの挿入装着途中では、この隙間xのために、カートリッジPは矢印のA方向やB方向に微小ながら回転する。ここで、この隙間xが大きいと、使用者がカートリッジPを装置本体100Aに装着するには良好になるが、カートリッジPが回転する角度が大きくなり、逆にユーザビリティーは低化する。そこで、隙間xは、カートリッジPの装着時も装着途中でもユーザビリティーが低化しない0.5mm程度に設ける。図5の(b)にカートリッジPが矢印A方向に回転した図を示す。前記幅方向規制壁(カートリッジPに当接可能な部位)58は、カートリッジPの回転も防止する。
【0038】
ここで、前記隙間xに起因するカートリッジPの回転を防止する為に、カートリッジPの幅方向を規制する幅方向規制壁58の高さは高く設定している。即ち、ガイド部51が、少なくともカートリッジPの重心位置高さGまでガイドしている構成にする。特に、ユーザビリティーを向上させるためには、カートリッジPの重心位置Gよりも高くする。つまり、ガイド部51は、鉛直方向において、プロセスカートリッジPの重心位置よりも下方でプロセスカートリッジに当接可能な部位と、プロセスカートリッジPの重心位置Gよりも上方でプロセスカートリッジに当接可能な部位を有している。図5の(b)に示すように、カートリッジPの重心位置Gよりも高い位置までガイドできれば、カートリッジPと前記幅方向規制壁58は接触点Cにて接触する。そのとき、矢印A方向に掛かる力の内、水平方向の力は、接触点Cを中心に時計回りの回転モーメント、矢印D方向の力を得る。矢印D方向は、矢印A方向とは逆になり、カートリッジPを点Jを中心に水平に戻す。よって、ユーザビリティーは向上する。
【0039】
ここで、従来の装置本体の小型化のために、ガイド部材を分割して小型化し、複数箇所設置した構成では、ガイド部材がカートリッジの重心から離れた位置をガイドしている。このため、カートリッジの着脱時にカートリッジを十分に安定して支える事ができず、ユーザビリティーの向上が必要であった。本発明のようにガイド部51を第一の筐体部7と第二の筐体部9の間に配置し、重心位置Gよりも高い位置をガイドすることによりユーザビリティーを向上することができる。
【0040】
また、本実施例では、第一の筐体部7と第二の筐体部9との間にガイド部51を配置することで、ガイド部51の形状をある程度大きくすることができる。このため、ガイド部51の素材を合成樹脂等の比較的強度の弱い素材を用いても確保しやすくなる。即ち、このためガイド部51を金属でなく樹脂で形成しても十分な強度を有するガイド部51とすることができる。そのため、コストを下げることができる。また、ガイド部材51を金属製にすることによる電気的弊害、例えばリーク現象、電磁放射ノイズの低化等の問題も発生せず、その為の対策部品を設置する必要もなくなる為、低コストで小型化の装置を提供できる。
【0041】
[実施例2]
本実施例は、実施例1の装置100において、各カートリッジPのドラム1を露光する露光装置としてレーザスキャナーユニット29に代えて、発光部材ユニット29Aを用いたものである。その他の装置構成は実施例1と同様であるから再度の説明を省略する。
【0042】
発光部材ユニット29Aは、列状に配置された複数の発光素子を有する発光部材と、発光素子から発光された光線を収束してドラム1に露光するためのレンズと、を有する。発光部材は、ドラム1の長手方向に並んで設けられ、ドラム1を画像情報に応じて露光するために画像情報に応じて発光する複数個の発光素子を有する。発光部材6の発光素子としては、例えば、液晶素子、半導体発光ダイオード(LED)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの電界発光素子が使用される。半導体発光ダイオードは、電圧を印加することにより発光する半導体素子である。有機EL素子は、電圧をかけると光る有機化合物でできた電子材料で、自発光するものである。有機EL素子は、例えば、有機分子発光層を二つの電極で挟み、電圧をかける。これにより、電極から注入された電子と正孔が再結合して有機分子を励起し、励起された有機分子が基底状態に戻るときに発光する。本実施例においては、発光部材ユニット29AとしてLEDアレイユニット(LED露光手段)を用いている。
【0043】
図6の(a)は、ユニット29Aをガイド部51の上端部の内側に配設してある。即ち、ユニット29Aがガイド部51に内包された位置に配置されている。カートリッジPが本体100Aの装着部50に所定に装着された状態において、ユニット29Aはガイド部51の上端部に長手に沿って設けられたスリット開口部55を介してドラム1の下面と所定の光路距離を存して対向してドラム1を露光する。図6の(b)は、ユニット29Aをガイド部51の上端部の外側(ドラム1とガイド部51の間)に配設してある。カートリッジPが本体100Aの装着部50に所定に装着された状態において、ユニット29Aはドラム1の下面と所定の光路距離を存して対向してドラム1を露光する。本実施例のような装置構成とした場合も、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0044】
[実施例3]
本実施例の装置100は基本的には実施例1の装置100と同様である。本実施例の装置においては、図7の(a)のように、カートリッジPの現像ユニット3に、収容部12に収容されている現像剤量を検知するためのカートリッジ側検知ユニット95を有する。また、ガイド部51に前記ユニット95と組となる本体側検知ユニット62を有する。そして、カートリッジPが本体100Aに装着されている状態において、ユニット95とユニット62とが現像剤量検知可能に対応する。
【0045】
本実施例においては、ユニット95とユニット62は光学式検知ユニットであり、ユニット95は入射側と出射側の2つのライトガイド96を有する。また、ユニット62は光源と受光素子を有する。ユニット95の2つのライトガイド96の下端部は現像ユニット3の底面に露呈している。ユニット62はガイド部材51の左側の縦方向規制壁59の内側に配設してあり、図8の(a)のように、壁59の面に出射側(光源側)と入射側(受光素子)の2つの穴63が開口している。カートリッジPが装着部50に所定に装着されている状態において、現像ユニット3側の上記2つのライトガイド96の下端部と、ガイド部材51側の上記2つの穴63が対応して、ユニット95とユニット62が組となる。そして、ユニット62側の光源の光がユニット95側のライトガイド96を通ってユニット62側の受光素子に戻って受光される。この場合、翼13が回転している状態時において、収容部12に収容されている現像剤の量に応じて、ユニット95側からユニット62の受光素子に戻る断続光に基づく受光素子のオン時間とオフ時間の割合が変化する。制御回路部102は受光素子から出力される上記のオン時間とオフ時間の割合信号に基づいて、収容部12内の現像剤量を演算して検出する。上記のユニット95とユニット62による光学的現像剤量検知手段は公知であるからその詳細説明は省略する。
【0046】
また、カートリッジPには、カートリッジの使用状況等の情報を記録するための電子情報記録素子(メモリ部材、カートリッジメモリ、半導体メモリ:読み書き可能なRAMなどの記憶手段)93が設けられている。本実施例においては、記録素子93は、第二の筐体部9のガイド部51と接触する当接部91に配設されている。また、この記録素子93に情報を書き込み及び読み取りを行うための情報授受ユニット61がガイド部51の左側の幅方向規制壁58に配設されている。カートリッジPが装着部50に所定に装着されている状態において、記録素子93とユニット61とが対応して通信可能となる。制御回路部102は、記録素子93の情報伝達部94とユニット61の両者間の通信により、記録素子93に情報を書き込み及び読み取りを行う。記録素子93とユニット61との間の通信方法は、接触式、非接触式のどちらでもかまわない。
【0047】
また、カートリッジPにはカートリッジ側電気接点92を具備させてある。本実施例においては、接点92は、第二の筐体部9のガイド部51と接触する当接部91の後端部側に配設されている。また、その接点92に対する本体側電気接点60がガイド部51の左側の幅方向規制壁58の後端部側に配設されている。接点60は導電性弾性部材で構成されている。カートリッジPが装着部50に所定に装着されている状態において、接点60が接点92に対して弾性的に接触して電気的に導通する。これにより本体100A側からカートリッジP側に接点60・92を介してバイアス印加がなされる。
【0048】
接点60は、偶数個配置し、互いに対向する位置に配置するとよい。それによって、接点60でカートリッジPに対して与える力を相殺することができる。さらに、接点60をガイド部材51に配置することで、カートリッジPが本体100Aより抜け出る方向Yに力が作用しない。それにより、カートリッジPに駆動を伝達する本体100A側の駆動出力部とカートリッジP側の駆動入力部19の位置が変化しにくくなり、駆動伝達が安定化し、良好な画像を得ることができる。また、カートリッジPが本体100Aの手前側にわずかに移動したとしても、接点60の接点圧は低下することなく、安定的に導通が確保できる。
【0049】
本実施例の装置構成とした場合も実施例1と同様の効果を有している。また、従来の画像形成装置では、カートリッジの残りトナー検知手段、電子情報記録素子、電気接点をカートリッジを装置本体に装着された状態において、カートリッジ外側に配置しなければならず、画像形成装置の小型化が困難であった。本実施例の装置100は上記の構成により、カートリッジを装置本体に装着した状態においてカートリッジの内側に残りトナー検知手段、電子情報記録素子、電気接点等を設けることができる。そのため、カートリッジ外側の空間を他の用途に用いることができ、画像形成装置を小型化できる。複数のカートリッジPY・PM・PC・PKを並んで有する画像形成装置の場合、複数のカートリッジ同士の間隔をつめることが出来る。それにより製品の小型化が可能となる。接点60、ユニット61、ユニット62の位置は、本実施例のガイド部材51に対する配置に限定されるものではない。また、現像剤残量検知手段62・95は、実施例の光学式センサーに限定するものではない。実施例1乃至3の装置100は、インライン方式のカラープリンタであるが、モノカラーのプリンタ・複写機等の電子写真画像形成装置であってもよい。
【0050】
[実施例4]
本実施例の装置100は基本的には実施例1の装置100と同様である。本実施例の装置においては、図9の(a)のように、ガイド部(ガイド手段)51が飛び出す構成を有する。図9の(b)に示すように、ガイド部51には、レール溝51cを有し、上面フレーム30には、レール溝51cに対応したレール30aを有し、レール30aに沿って、前後方向に移動可能に配設されている。図10(a)はガイド部51を上方から見た図、図10(b)はガイド部51を下方から見た図である。図10に示すようにガイド部51の前側には、ガイド部51を装置前側に引き出す際にユーザがアクセスできる把手64を有している。
【0051】
《カートリッジ挿入手順》
カートリッジPの装着部50に対する挿入は次のような要領により行うことが出来る。挿入するカートリッジPに対応したガイド部51を前面側に引き出した状態で、カートリッジPの隙間空間部16をガイド部51に入り込むようにガイド部51上に置くと、図9(a)に示すカートリッジPYのような状態となる。縦方向規制壁59とカートリッジPの底面67が接する。この際、カートリッジPの挿入が容易になるように、ガイド部51の上部の左右両側に、長手に沿って斜面部58aが形成されている。次に図11に示すように、矢印方向Xに前側カバー部材15を後側に押すと、ガイド部51は、当接面65と当接面66が当接することにより、または、底面67と縦方向規制壁59の摩擦により、装置本体100A内に挿入移動する。また、カートリッジPは、ガイド部51の幅方向規制壁58により左右方向がガイドされながら、また、縦方向規制壁59により縦方向がガイドされながら、ガイド部51に沿って装置本体100A内に挿入される。そして、カートリッジPは所定の挿入装着位置まで十分に挿入されると、ガイド部51はストッパ部(不図示)によりそれ以上の挿入移動が阻止される。また、カートリッジPはその挿入装着位置に例えばトグル機構(不図示)の動作により保持される。このカートリッジPの挿入装着位置が、カートリッジPの画像形成位置Hである。カートリッジPの装置本体100Aに対する挿入移動時にはユニット20は前述したようにドア101が開かれていることで退避位置に移動して保持されているから、ドラム1とベルト21が摺擦し合うことはない。
【0052】
本実施例のように、ガイド部51を前後方向に移動可能に配設することで次のような利点がある。即ち、カートリッジPを装置本体100Aに挿入する際、ガイド部51にカートリッジPを載せ、ガイド部51がカートリッジPの自重を支え状態で、カートリッジP又はガイド部51をドラム1の軸方向に押圧すればよくなる。このため、ユーザがカートリッジPの自重を支える負担を軽減し、容易にカートリッジPを装置本体100Aに挿入することが可能となる。このため、更にユーザビリティーを向上することができる。
【0053】
《カートリッジ引き出し手順》
カートリッジPの装着部50からの引き出しは、次のような要領により行うことが出来る。前述のように、ドア101を開放位置Fに移動させ、開口部104を開放すると、カートリッジPの非駆動側と把手64が露呈する。引き出すカートリッジPを保持しているガイド51の把手64をつまみ、前面側に引き出す。これにより、ガイド部51とカートリッジPの前後方向の当接面(ガイド51側)65と当接面(カートリッジP側)66が当接し、ガイド部51とカートリッジPは前面に引き出される。このようにカートリッジPを前面に引き出すまでは、ガイド部51がカートリッジPの自重を支えているので、ユーザの負担を軽減することができる。
【0054】
また、ガイド部51を装置本体100Aから引き出した状態において、カートリッジPの重心が、装置本体100Aの前面より前になるようにすることにより、ユーザはカートリッジPの重心位置を掴むことができる。このため、ユーザがカートリッジPの重心位置と異なる位置を掴むことにより、カートリッジPの自重によるモーメントを受ける虞を低減することが可能となる。このため、更にユーザビリティーを向上することができる。
【0055】
このように、本実施例の装置構成は、実施例1と同様の効果を有している。さらに、本実施例ではガイド部を引き出し可能な構成としたことで、カートリッジPを装置本体に着脱する際のユーザの負担を軽減し、ユーザビリティーを向上することができる。
【符号の説明】
【0056】
P・・プロセスカートリッジ、1・・電子写真感光体ドラム、7・・第一の筐体部、9・・第二の筐体部、100・・電子写真画像形成装置、100A・・装置本体、S・・記録媒体、51・・ガイド手段、58・・当接可能な部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、前記感光ドラムを挟んで設けられた第一の筐体部と、第二の筐体部と、を備えるプロセスカートリッジを、前記感光ドラムの軸方向とほぼ平行な方向で装置本体に対して取り外し可能に装着した状態で、前記感光ドラムを前記第一の筐体部と前記第二の筐体部の間から露光することで、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着する、及び、前記装置本体から取り外す際に、前記プロセスカートリッジに当接して前記プロセスカートリッジをガイドするためのガイド手段を有し、前記ガイド手段は、前記第一の筐体部と前記第二の筐体部との間で前記プロセスカートリッジに当接可能な部位を有していることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド手段は、鉛直方向において、少なくとも前記プロセスカートリッジの重心位置よりも下方で前記プロセスカートリッジに当接可能な部位と、前記プロセスカートリッジの重心位置よりも上方で前記プロセスカートリッジに当接可能な部位を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記露光をするための露光手段が、前記感光ドラムの長手方向に並んで設けられ、前記感光ドラムを画像情報に応じて露光するために画像情報に応じて発光する複数個の発光素子を有する発光部材を有する発光部材ユニットであり、前記ガイド手段に内包された位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記露光手段が、前記ガイド手段と前記感光ドラムとの間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセスカートリッジと前記ガイド手段とに、前記プロセスカートリッジの現像剤収容部に収容されている現像剤量を検知するためのカートリッジ側検知ユニットと本体側検知ユニットが配置されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されている状態において、前記カートリッジ側検知ユニットと前記本体側検知ユニットとが現像剤量検知可能に対応することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセスカートリッジと前記ガイド手段とに、カートリッジ側電気接点と本体側電気接点が配置されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されている状態において、前記カートリッジ側電気接点と前記本体側電気接点とが対応して電気的に導通することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセスカートリッジと前記ガイド手段とに、電子情報記録素子と前記電子情報記録素子に情報を書き込み及び読み取りを行うための情報授受ユニットが配置されており、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されている状態において、前記電子情報記録素子と前記情報授受ユニットとが対応して通信可能となることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記ガイド手段は、前記プロセスカートリッジの前記装置本体に対する挿入、及び、引き出し方向にほぼ平行に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−253159(P2011−253159A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128897(P2010−128897)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】