電子承認システム、電子承認方法およびそのコンピュータ・プログラム
【課題】人事異動などがあった場合でも利用者管理DBのメンテナンス作業を削減することが可能な電子承認システムを提供すること。
【解決手段】利用者管理DB装置2は、利用者に関する情報を格納する利用者DB22を含み、利用者PC装置1からの要求に応じて、利用者DB22に格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに利用者PC装置1に利用者情報を送信する。利用者PC装置1は、利用者管理DB装置2に対して利用者の認証を要求し、利用者管理DB装置2において認証が確認されたときに利用者情報を受信する。そして、受信した利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成して押印履歴として押印情報ファイル13に格納する。したがって、利用者管理DB装置2は履歴管理などを行なう必要がなくなり、既存の人事DBのフィールド構成などを変更することなく利用者管理DBとして利用することが可能になる。
【解決手段】利用者管理DB装置2は、利用者に関する情報を格納する利用者DB22を含み、利用者PC装置1からの要求に応じて、利用者DB22に格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに利用者PC装置1に利用者情報を送信する。利用者PC装置1は、利用者管理DB装置2に対して利用者の認証を要求し、利用者管理DB装置2において認証が確認されたときに利用者情報を受信する。そして、受信した利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成して押印履歴として押印情報ファイル13に格納する。したがって、利用者管理DB装置2は履歴管理などを行なう必要がなくなり、既存の人事DBのフィールド構成などを変更することなく利用者管理DBとして利用することが可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、承認対象の書類に対して電子的に押印を行なう技術に関し、特に、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、利用者PC装置と呼ぶ。)から利用者を管理するデータベース(以下、利用者管理DB装置と呼ぶ。)にアクセスして承認を行なう電子承認システム、電子承認方法およびそのコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、書類に対して押印を行なう承認処理が電子化されてきている。このような電子承認システムにおいては、承認対象の書類が各部署の承認者に回覧され、電子的な押印が行なわれるというものがある。
【0003】
後述のように、ワークフローによる電子承認システムにおいては、利用者PC装置とデータベースサーバ(以下、DBサーバと呼ぶ。)とがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続される。DBサーバの記憶領域において、利用者管理用のデータ領域、押印履歴を格納する領域、業務ごとに検認手順を定義したフローを格納する領域、検認前に検認フローの各段階の用紙を格納する領域などが確保される。
【0004】
そして、電子承認のフローを構築する場合に、用紙のデザイン、その用紙をどのような順番で各承認者に回覧するか、承認者に承認された場合の経路、承認者に承認されなかった場合の経路などを業務毎のワークフローに定義し、DBサーバに格納する必要がある。また、同一の書類でも部署が異なれば承認者が異なるため、ワークフローを再定義してDBサーバに格納する必要がある。
【0005】
ワークフローの定義が終了すると、そのワークフローにより実際の起票、承認の回覧などが実施され、業務ステップ毎の押印履歴がDBサーバ内に格納される。このように、一般的な電子承認システムにおいては、対象となる書類に押印するというよりも、押印対象書類もファイルデータとして扱い、そのファイルデータに対する承認記録をデータベースに記録することで、承認の確認と保証とを行なっている。
【0006】
これに関連する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。特許文献1に開示された電子文書承認装置は、文書を電子化して電子文書に変換する電子文書作成部と、承認する上で必要な承認項目から承認メディアを作成する承認メディア作成部と、承認ツールの印影である承認イメージメディアを作成する承認イメージメディア作成部と、電子文書に承認メディアを合成する承認メディア合成手段と、承認メディアに承認イメージメディアを合成、あるいは電子文書に承認イメージメディアを合成する承認イメージメディア合成手段と、承認された文書を表示する表示装置とで構成される。このような構成により、実際の押印方法に類似した柔軟性のある電子文書承認装置を提供することできる。
【特許文献1】特開平9−223085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の電子承認システムにおいては、押印が必要な書類の種類毎にワークフローの定義が必要であり、その定義を作成するのにも手間がかかる。したがって、利用頻度が高い基幹業務などの書類にはこのシステムを利用することができるが、利用頻度が少ない種々雑多な押印が必要な書類には立ち上げコストの面からこのシステムを適用することは実質的に難しい。
【0008】
また、DBサーバに登録された押印記録によって承認の保証を行なうため、DBサーバと接続可能な社内LANなどの環境下で運用されるのが一般的である。したがって、承認者が出張中の場合には書類に押印することができない。
【0009】
また、履歴管理を行なうDBサーバに利用者の登録を行なう必要があるため、組織変更などによって利用者の登録の変更があった場合にはメンテナンスのためのランニングコストが高くなってしまう。
【0010】
上述の特許文献1に開示された発明を用いたとしても、このような問題点を解決することはできない。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、人事異動などがあった場合でも利用者管理DBのメンテナンス作業を削減することが可能な電子承認システム、電子承認方法およびそのコンピュータ・プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によれば、利用者PC装置と利用者管理DB装置とがネットワークで接続された電子承認システムが提供される。利用者管理DB装置は、利用者に関する情報を格納する利用者DBを含み、利用者PC装置からの要求に応じて、利用者DBに格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに利用者PC装置に利用者情報を送信する。利用者PC装置は、利用者管理DB装置に対して利用者の認証を要求し、利用者管理DB装置において認証が確認されたときに利用者情報を受信する。そして、受信した利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成して押印履歴として押印情報ファイルに格納する。
【発明の効果】
【0013】
この実施例によれば、作成した押印情報を利用者PC装置内の押印情報ファイルに格納するので、利用者管理DB装置は履歴管理などを行なう必要がなくなり、既存の人事DBのフィールド構成などを変更することなく利用者管理DBとして利用することが可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、一般的な電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置101と、DBサーバ102と、利用者PC装置101とDBサーバ102とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク103とを含む。
【0015】
DBサーバ102の記憶領域には、専用利用者DB202と、業務毎ワークフロー定義ファイル203と、用紙、業務書類保管ファイル204とが設けられている。電子承認のフローを構築する場合に、用紙のデザイン、その用紙をどのような順番で各承認者に回覧するか、承認者に承認された場合の経路、承認者に承認されなかった場合の経路などが業務毎のワークフローに定義され、業務毎ワークフロー定義ファイル203に格納される。
【0016】
ワークフローにより実際の起票、承認の回覧などを実施する場合、業務毎ワークフロー定義ファイル203に定義されたワークフローが実施され、用紙、業務書類保管ファイル204に格納されるファイルデータが順次承認者に回覧される。
【0017】
利用者PC装置101には電子押印プログラム201がインストールされている。そして、承認者が回覧された書類に押印する場合、電子押印プログラム201を起動して押印を行なう。承認者による押印履歴は、DBサーバ102の専用利用者DB202に格納される。
【0018】
図2は、図1に示す電子承認システムにおいて行なわれる電子的な押印処理の一例を示す図である。承認者は、利用者PC装置101にインストールされている電子押印プログラム201を起動して実行させることにより、回覧された押印対象ファイル301に対して電子的な印影を付加して押印を行なう。この押印図形自体は、印影の真偽の判定機能を有していない。
【0019】
図3は、図2に示す押印図形をDBサーバ102に押印履歴として格納して印影の真偽を判定する場合の処理の一例を示す図である。承認者が電子押印プログラム201を起動して印影図形を作成する際、利用者PC装置101とDBサーバ102との間で押印者の照合が行なわれる。そして、押印図形が作成されたときに、その押印履歴がDBサーバ102の専用利用者DB202に格納される。したがって、専用利用者DB202の押印履歴を参照することにより、印影の真偽を判定することができる。
【0020】
(第1の実施の形態)
図4は、本発明の第1の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置1と、利用者管理DB装置2と、利用者PC装置1と利用者管理DB装置2とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク3とを含む。
【0021】
利用者PC装置1には電子押印プログラム12がインストールされており、コンピュータ11が電子押印プログラム12を起動して利用者管理DB装置2から必要な利用者情報を取得して印影を作成し、押印情報ファイル13に格納する。
【0022】
利用者管理DB装置2は、利用者を管理するのに必要な情報を保持する利用者DB22を有しており、DBサーバ21が利用者PC装置1から利用者IDとパスワードとを受信すると利用者の認証を行ない、利用者の確認が取れたときに利用者情報を利用者PC装置1に送信する。
【0023】
図5は、本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の概略構成を示すブロック図である。この利用者PC装置1は、コンピュータ本体71、ディスプレイ装置72、FD(Flexible Disk)74が装着されるFDドライブ73、キーボード75、マウス76、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)78が装着されるCD−ROM装置77、およびネットワーク通信装置79を含む。電子押印プログラム12は、FD74またはCD―ROM78等の記憶媒体によって供給される。電子押印プログラム12はコンピュータ本体71によって実行され、押印情報の作成、押印情報の保管などを行なう。また、電子押印プログラム12は他のコンピュータより通信回線を経由し、コンピュータ本体71に供給されてもよい。
【0024】
また、コンピュータ本体71は、CPU80、ROM(Read Only Memory)81、RAM(Random Access Memory)82およびハードディスク83を含む。CPU80は、ディスプレイ装置72、FDドライブ73、キーボード75、マウス76、CD−ROM装置77、ネットワーク通信装置79、ROM81、RAM82またはハードディスク83との間でデータを入出力しながら処理を行なう。FD74またはCD−ROM78に記録された電子押印プログラム12は、CPU80によりFDドライブ73またはCD−ROM装置77を介してハードディスク83に格納される。CPU80は、ハードディスク83から適宜電子押印プログラム12をRAM82にロードして実行することによって押印情報の作成、押印情報の保管などの処理を行なう。
【0025】
なお、図4に示す利用者管理DB装置2も、図5に示す利用者PC装置1の構成と同様の構成を有している。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成を示すブロック図である。利用者PC装置1は、押印情報ファイル13と、送受信部14と、利用許可確認部15と、押印情報作成部16と、押印情報抽出部17とを含む。
【0027】
押印情報ファイル13は、作成された押印情報を保持する部分であり、図5に示すハードディスク83などに設けられる。送受信部14は、LANなどのネットワークを介して利用者管理DB装置2との間でデータを送受信する部分であり、図5に示すネットワーク通信装置79に相当する。
【0028】
利用許可確認部15は、送受信部14を介して利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信し、利用者管理DB装置2で利用者の認証が確認されたときに電子押印を作成する際に必要となる押印者名などの利用者情報を利用者管理DB装置2から受信する。
【0029】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって受信された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。この押印情報には、対象ファイル識別名、押印識別名、押印者名、押印日付などの情報が含まれる。
【0030】
この押印情報ファイル13は対象ファイルとは別に設けなくてもよく、その場合は対象ファイルの一部に押印情報が保持されることになり、便宜上その部分を押印情報ファイル13と呼ぶこととする。
【0031】
押印情報抽出部17は、図示しない外部装置が対象ファイルの押印の真偽を判定する際に外部装置から対象ファイルの押印情報の送信要求を送受信部14を介して受信し、対象ファイルの押印情報を押印情報ファイル13から抽出する。そして、送受信部14を介して要求があった外部装置に対象ファイルの押印情報を送信する。
【0032】
ここで、この真偽判定は必ずしも外部装置が行なう必要はなく、利用者PC装置1内のプログラムが実施することもできる。その場合は押印情報の送信要求は図示されていない真偽判定部から押印情報抽出部17に直接なされ、抽出された押印情報は真偽判定部に押印情報抽出部から送受信部14を介さずに渡される。
【0033】
図7は、利用者PC装置1における押印情報作成時の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、対象ファイルの承認要求がメールによって利用者PC装置1に送信される。このとき、対象ファイルがメールに添付されていてもよいし、利用者PC装置1が所定の場所から対象ファイルを読み出すようにしてもよい。
【0034】
まず、押印対象のファイルがオープンされる(S11)。そして、利用許可確認部15は、利用者(承認者)によって入力された利用者IDおよびパスワードを送受信部14を介して利用者管理DB装置2に送信する(S12)。
【0035】
次に、利用許可確認部15は、送受信部14を介して利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信し、利用者管理DB装置2によって許可されたか否かを判定する(S13)。利用者管理DB装置2によって許可されなければ(S13,No)、処理を終了する。
【0036】
また、利用者管理DB装置2によって許可されれば(S13,Yes)、押印情報作成部16は、利用者管理DB装置2から受信された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象ファイルに押印する(S14)。そして、押印情報作成部16は、押印情報を押印情報ファイル13に保存し(S15)、対象ファイルを保存して(S16)、処理を終了する。
【0037】
図8は、利用者PC装置1における押印情報送信要求の受信時の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、送受信部14が外部装置から対象ファイルのファイル名を受信すると(S21)、押印情報抽出部17は押印情報ファイル13を検索して対象ファイルの押印情報を抽出する(S22)。
【0038】
そして、押印情報抽出部17は、抽出した押印情報を送受信部14を介して送信要求があった外部装置に送信し(S23)、処理を終了する。
【0039】
ここで、真偽判定が利用者PC上で実施される場合は押印情報の送信要求の変わりに、真偽判定部からの押印情報抽出の要求がなされ、送受信部を介さずに押印情報抽出部17と真偽判定部の間で要求と押印情報が受け渡される。また、押印情報ファイル13が対象ファイル内に作成される場合は押印情報ファイル13は対象ファイル毎に格納されるので対象ファイルの検索は簡略化される。
【0040】
図9は、本発明の第1の実施の形態における利用者管理DB装置2の機能的構成を示すブロック図である。利用者管理DB装置2は、利用者DB22と、送受信部23と、認証部24とを含む。
【0041】
利用者DB22は、利用者ID、パスワード、利用者名(押印者名)、所属部署名、役職などの利用者に関する情報が格納されており、図5に示すハードディスク83などに設けられる。送受信部23は、LANなどのネットワークを介して利用者PC装置1との間でデータを送受信する部分であり、図5に示すネットワーク通信装置79に相当する。
【0042】
認証部24は、利用者PC装置1から利用者の照会があったときに、利用者DB22に格納される利用者情報を参照して利用者の認証を行なう。利用者の認証は、送受信部23を介して受信した利用者IDおよびパスワードを照合することにより行なわれる。
【0043】
図10は、利用者管理DB装置2における利用者認証時の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、送受信部23が利用者PC装置1から利用者IDおよびパスワードを受信すると(S31)、利用者IDが利用者DB22に登録されているか否かを判定する(S32)。
【0044】
利用者IDが利用者DB22に登録されていなければ(S32,No)、ステップS35に処理が進む。また、利用者IDが利用者DB22に登録されていれば(S32,Yes)、パスワードが利用者DB22に登録されているものと一致するか否かを判定する(S33)。
【0045】
パスワードが利用者DB22に登録されているものと一致しない場合には(S33,No)、ステップS35に処理が進む。また、パスワードが利用者DB22に登録されているものと一致する場合には(S33,Yes)、利用者PC装置1から要求された情報、たとえば押印者名などの情報を利用者DB22から抽出する(S34)。
【0046】
ステップS35において、認証部24は、照合結果および抽出データを送受信部23を介して利用者PC装置1に送信し(S35)、処理を終了する。なお、認証が確認されなかった場合には照合結果のみを送信し、抽出データは送信されない。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用者PC装置1が作成した押印情報を利用者管理DB装置2に書き込まずに、利用者PC装置1内の押印情報ファイル13に保存し、外部装置から押印情報の送信要求があったときに対象ファイルの押印情報を送信するようにした。または、真偽判定が利用者PC1内で実施される場合は真偽判定部からの要求があったときに対象ファイルの押印情報を引き渡すようにした。この構成によって、利用者管理DB装置2は履歴管理などを行なう必要がなくなり、既存の人事DBのフィールド構成などを変更することなく利用者管理DBとして利用することができる。したがって、専用のDBを構築する必要がなく、人事異動があった場合でも専用のメンテナンス作業を行なう必要がなくなるため、メンテナンスのためのランニングコストを削減することが可能となった。
【0048】
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置1と、利用者管理DB装置2と、押印DB装置4と、利用者PC装置1と利用者管理DB装置2と押印DB装置4とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク3とを含む。なお、第1の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0049】
第2の実施の形態における電子承認システムにおいては、押印DB装置4内に押印情報ファイル42が設けられており、利用者PC装置1によって作成された押印情報がDBサーバ41に転送されて、押印情報ファイル42に保存される。なお、押印DB装置4は、図5に示す利用者PC装置1の構成と同様の構成を有している。
【0050】
図12は、本発明の第2の実施の形態における押印DB装置4の機能的構成を示すブロック図である。押印DB装置4は、押印情報ファイル42と、送受信部43と、押印情報登録部44とを含む。
【0051】
押印情報ファイル42は、利用者PC装置1から受信した押印情報を保持する部分であり、図5に示すハードディスク83などに設けられる。送受信部43は、LANなどのネットワークを介して利用者PC装置1との間でデータを送受信する部分であり、図5に示すネットワーク通信装置79に相当する。
【0052】
押印情報登録部44は、利用者PC装置1から押印情報を受信すると、押印情報ファイル42に登録する。また、押印情報登録部44は、図示しない外部装置が対象ファイルの押印の真偽を判定する際に外部装置から対象ファイルの押印情報の送信要求を送受信部43を介して受信し、対象ファイルの押印情報を押印情報ファイル42から抽出する。そして、送受信部43を介して要求があった外部装置に対象ファイルの押印情報を送信する。
【0053】
図13は、押印DB装置4における押印情報の登録の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、送受信部43が利用者PC装置1から利用者ID、対象ファイルのファイル名、日付などの情報を含む押印情報を受信すると、その押印情報を押印情報登録部44に与える(S41)。
【0054】
次に、押印情報登録部44は、送受信部43から受けた利用者ID、対象ファイルのファイル名、日付などの情報を含む押印情報を押印情報ファイル42に登録して(S42)、処理を終了する。外部装置から対象ファイルの押印情報の送信要求があったときに、これらの情報を用いて押印情報が検索され、検索結果が外部装置に送信される。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用者PC装置1によって作成された押印情報を、別途設けられた押印DB装置4に格納するようにしたので、第1の実施の形態において説明した効果と同様の効果を奏することが可能となった。
【0056】
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。第1の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0057】
第3の実施の形態における電子承認システムにおいては、利用者PC装置1内に利用許可ファイル18が設けられており、利用者管理DB装置2によって利用者の認証が確認された場合に、利用者管理DB装置2から送信された利用者情報が利用許可ファイル18に格納される。
【0058】
本発明の第3の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成は、図6に示す第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成と比較して、利用許可確認部15の機能が異なる点および利用許可ファイル18が追加されている点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。
【0059】
利用許可確認部15は、最初に対象ファイルの押印を行なう場合にのみ、送受信部14を介して利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信し、送受信部14を介して利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信する。そして、利用者管理DB装置2によって許可された場合に、利用者情報を利用許可ファイル18に格納する。そして、次回の対象ファイルの押印の際に、利用者管理DB装置2にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。
【0060】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって読み出された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。
【0061】
以上の説明においては、最初の押印の際に利用者管理DB装置2から受信した利用者情報を利用許可ファイル18に格納し、それ以降の押印の際に利用許可ファイル18から利用者情報を読み出して押印を行なうようにしたが、利用許可ファイル18に格納された利用者情報に有効期限を持たせることも可能である。
【0062】
この場合、利用者が対象ファイルに押印を行なう際に、利用許可確認部15は利用許可ファイル18に格納された利用者情報が有効期限内であるか否かを判定する。そして、有効期限内であれば、利用許可確認部15は利用者管理DB装置2にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。また、有効期限内でなければ、利用許可確認部15は利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信して利用者の認証を行なう。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用許可ファイル18に利用者情報が格納されている場合には、利用者管理DB装置2にアクセスせずに、利用許可ファイル18に格納された利用者情報を用いて押印情報を作成するようにしたので、第1の実施の形態において説明した効果に加えて、利用者管理DB装置2へのアクセスを削減することができ、対象ファイルの承認に要する時間を削減することが可能となった。
【0064】
(第4の実施の形態)
図15は、本発明の第4の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置1と、利用者管理DB装置2と、Webサーバ装置5と、利用者管理DB装置2とWebサーバ装置5とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク3と、利用者PC装置1とWebサーバ装置5とを接続するインターネットなどの広域ネットワーク6とを含む。なお、第1の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0065】
Webサーバ装置5にはWebページ作成プログラム52がインストールされており、Webサーバ51がWebページ作成プログラム52を起動してWebページの作成を行なう。Webページ作成プログラム52は、http(hyper text transfer protocol)でのアクセスが可能なプログラム言語、たとえばCGI(Common Gateway Interface)などで作成されている。なお、Webサーバ装置5は、図5に示す利用者PC装置1の構成と同様の構成を有している。
【0066】
Webサーバ装置5は、利用者PC装置1からのhttpアクセスに応じてWebページを作成して利用者PC装置1に表示し、そのときに利用者PC装置1から入力された利用者IDおよびパスワードをネットワーク6を介して受信する。そして、ネットワーク3を介して利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信する。
【0067】
Webサーバ装置5は、利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信すると、これらの情報をWebページに表示して利用者PC装置1に与える。利用者PC装置1は、Webページに表示された利用者情報を取得して対象ファイルに対する押印処理を行なう。なお、これらの情報を実際にWebページに表示せずに、目視できない仮想画面によって提示するようにしてもよい。
【0068】
本発明の第4の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成は、図6に示す第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成と比較して、利用許可確認部15の機能が異なる点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。
【0069】
利用許可確認部15は、利用者によってWebページに入力された利用者IDおよびパスワードをWebサーバ装置5に送信し、送受信部14を介してWebサーバ装置5からWebページに表示された照合結果および利用者情報を受信する。
【0070】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって読み出された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。
【0071】
図16は、本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の機能的構成を示すブロック図である。このWebサーバ装置5は、送受信部53と、アクセス受付部54と、Webページ作成部55とを含む。
【0072】
アクセス受付部54は、送受信部53を介して利用者PC装置1からのアクセス要求を受信すると、Webページ作成部55に対して利用者IDおよびパスワードが入力可能なWebページの作成を指示する。
【0073】
また、アクセス受付部54は、送受信部53を介してWebページに入力された利用者IDおよびパスワードを利用者PC装置1から受信すると、利用者管理DB装置2にこれらの情報を送信して利用者の認証を行なわせる。そして、利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信すると、Webページ作成部55に対して照合結果および利用者情報を表示可能なWebページの作成を指示する。
【0074】
Webページ作成部55はアクセス受付部54からWebページの作成指示を受けると、利用者IDおよびパスワードの入力が可能なWebページ、または照合結果および利用者情報を表示可能なWebページを作成し、送受信部53を介して利用者PC装置1に送信する。
【0075】
図17は、本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、アクセス受付部54は、送受信部53を介して利用者PC装置1からWebアクセス要求を受け付けると、Webページ作成部55に対して利用者IDおよびパスワードの入力が可能なWebページを作成させ、利用者PC装置1に送信させる。そして、アクセス受付部54は、Webページに入力された利用者IDおよびパスワードを受信すると、それらの情報をパラメータとしてアクセスを受け付ける(S51)。
【0076】
次に、アクセス受付部54は、Webページに入力された利用者IDおよびパスワードを抽出し、送受信部53を介してこれらの情報を利用者管理DB装置2に送信する(S52)。そして、アクセス受付部54は、送受信部53を介して利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報などの抽出データを受信し、これらの情報をWebページ作成部55に転送してWebページの作成を指示する(S53)。
【0077】
Webページ作成部55は、アクセス受付部54から受けた照合結果および利用者情報などの抽出データを表示したWebページを作成し、送受信部53を介して利用者PC装置1に送信し(S54)、処理を終了する。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、Webサーバ装置5がWebページに入力された利用者IDおよびパスワードを利用者管理DB装置2に送信し、利用者管理DB装置2から受信した照合結果および利用者情報をWebページに表示して利用者PC装置1に送信するようにしたので、社内のイントラWebへのhttpプロトコルによる経路さえ確保されていれば利用者PC装置1から利用者管理DB装置2にアクセスすることができ、承認者は外出先などのLANに接続できない環境下にあっても承認を行なうことが可能となった。
【0079】
(第5の実施の形態)
図18は、本発明の第5の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。第4の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0080】
第5の実施の形態における電子承認システムにおいては、利用者PC装置1内に利用許可ファイル18が設けられており、利用者管理DB装置2によって利用者の認証が確認された場合に、Webサーバ装置5から送信された利用者情報が利用許可ファイル18に格納される。
【0081】
本発明の第5の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成は、図6に示す第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成と比較して、利用許可確認部15の機能が異なる点および利用許可ファイル18が追加されている点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。
【0082】
利用許可確認部15は、最初に対象ファイルの押印を行なう場合にのみ、Webページに利用者IDおよびパスワードを入力してWebサーバ装置5に送信し、送受信部14を介してWebサーバ装置5からWebページに表示された照合結果および利用者情報を受信する。そして、利用者管理DB装置2によって許可された場合に、Webサーバ装置5から受信した利用者情報を利用許可ファイル18に格納する。そして、次回の対象ファイルの押印の際に、Webサーバ5にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。
【0083】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって読み出された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。
【0084】
以上の説明においては、最初の押印の際にWebページに表示された利用者情報を利用許可ファイル18に格納し、それ以降の押印の際に利用許可ファイル18から利用者情報を読み出して押印を行なうようにしたが、利用許可ファイル18に格納された利用者情報に有効期限を持たせることも可能である。
【0085】
この場合、利用者が対象ファイルに押印を行なう際に、利用許可確認部15は利用許可ファイル18に格納された利用者情報が有効期限内であるか否かを判定する。そして、有効期限内であれば、利用許可確認部15はWebサーバ装置5にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。また、有効期限内でなければ、利用許可確認部15はWebページに利用者IDおよびパスワード入力してWebサーバ装置5に送信して利用者の認証を行なう。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用許可ファイル18に利用者情報が格納されている場合には、利用者管理DB装置2にアクセスせずに、利用許可ファイル18に格納された利用者情報を用いて押印情報を作成するようにしたので、第4の実施の形態において説明した効果に加えて、Webサーバ装置5へのアクセスを削減することができ、対象ファイルの承認に要する時間を削減することが可能となった。
【0087】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】一般的な電子承認システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す電子承認システムにおいて行なわれる電子的な押印処理の一例を示す図である。
【図3】図2に示す押印図形をDBサーバ102に押印履歴として格納して印影の真偽を判定する場合の処理の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】利用者PC装置1における押印情報作成時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】利用者PC装置1における押印情報送信要求の受信時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における利用者管理DB装置2の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】利用者管理DB装置2における利用者認証時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における押印DB装置4の機能的構成を示すブロック図である。
【図13】押印DB装置4における押印情報の登録の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の機能的構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図18】本発明の第5の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1,101 利用者PC装置、2 利用者管理DB装置、3,6 ネットワーク、11 コンピュータ、12,201 電子押印プログラム、13 押印情報ファイル、14,23,43,53 送受信部、15 利用許可確認部、16 押印情報作成部、17 押印情報抽出部、21,41,102 DBサーバ、22 利用者DB、24 認証部、42 押印情報ファイル、44 押印情報登録部、51 Webサーバ、52 Webページ作成プログラム、54 アクセス受付部、55 Webページ作成部、71 コンピュータ本体、72 ディスプレイ装置、73 FDドライブ、74 FD、75 キーボード、76 マウス、77 CD−ROM装置、78 CD−ROM、79 ネットワーク通信装置、202 専用利用者DB、203 業務毎ワークフロー定義ファイル、204 用紙、業務書類保管ファイル、301 押印対象ファイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、承認対象の書類に対して電子的に押印を行なう技術に関し、特に、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、利用者PC装置と呼ぶ。)から利用者を管理するデータベース(以下、利用者管理DB装置と呼ぶ。)にアクセスして承認を行なう電子承認システム、電子承認方法およびそのコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、書類に対して押印を行なう承認処理が電子化されてきている。このような電子承認システムにおいては、承認対象の書類が各部署の承認者に回覧され、電子的な押印が行なわれるというものがある。
【0003】
後述のように、ワークフローによる電子承認システムにおいては、利用者PC装置とデータベースサーバ(以下、DBサーバと呼ぶ。)とがLAN(Local Area Network)などのネットワークで接続される。DBサーバの記憶領域において、利用者管理用のデータ領域、押印履歴を格納する領域、業務ごとに検認手順を定義したフローを格納する領域、検認前に検認フローの各段階の用紙を格納する領域などが確保される。
【0004】
そして、電子承認のフローを構築する場合に、用紙のデザイン、その用紙をどのような順番で各承認者に回覧するか、承認者に承認された場合の経路、承認者に承認されなかった場合の経路などを業務毎のワークフローに定義し、DBサーバに格納する必要がある。また、同一の書類でも部署が異なれば承認者が異なるため、ワークフローを再定義してDBサーバに格納する必要がある。
【0005】
ワークフローの定義が終了すると、そのワークフローにより実際の起票、承認の回覧などが実施され、業務ステップ毎の押印履歴がDBサーバ内に格納される。このように、一般的な電子承認システムにおいては、対象となる書類に押印するというよりも、押印対象書類もファイルデータとして扱い、そのファイルデータに対する承認記録をデータベースに記録することで、承認の確認と保証とを行なっている。
【0006】
これに関連する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。特許文献1に開示された電子文書承認装置は、文書を電子化して電子文書に変換する電子文書作成部と、承認する上で必要な承認項目から承認メディアを作成する承認メディア作成部と、承認ツールの印影である承認イメージメディアを作成する承認イメージメディア作成部と、電子文書に承認メディアを合成する承認メディア合成手段と、承認メディアに承認イメージメディアを合成、あるいは電子文書に承認イメージメディアを合成する承認イメージメディア合成手段と、承認された文書を表示する表示装置とで構成される。このような構成により、実際の押印方法に類似した柔軟性のある電子文書承認装置を提供することできる。
【特許文献1】特開平9−223085号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の電子承認システムにおいては、押印が必要な書類の種類毎にワークフローの定義が必要であり、その定義を作成するのにも手間がかかる。したがって、利用頻度が高い基幹業務などの書類にはこのシステムを利用することができるが、利用頻度が少ない種々雑多な押印が必要な書類には立ち上げコストの面からこのシステムを適用することは実質的に難しい。
【0008】
また、DBサーバに登録された押印記録によって承認の保証を行なうため、DBサーバと接続可能な社内LANなどの環境下で運用されるのが一般的である。したがって、承認者が出張中の場合には書類に押印することができない。
【0009】
また、履歴管理を行なうDBサーバに利用者の登録を行なう必要があるため、組織変更などによって利用者の登録の変更があった場合にはメンテナンスのためのランニングコストが高くなってしまう。
【0010】
上述の特許文献1に開示された発明を用いたとしても、このような問題点を解決することはできない。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、人事異動などがあった場合でも利用者管理DBのメンテナンス作業を削減することが可能な電子承認システム、電子承認方法およびそのコンピュータ・プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によれば、利用者PC装置と利用者管理DB装置とがネットワークで接続された電子承認システムが提供される。利用者管理DB装置は、利用者に関する情報を格納する利用者DBを含み、利用者PC装置からの要求に応じて、利用者DBに格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに利用者PC装置に利用者情報を送信する。利用者PC装置は、利用者管理DB装置に対して利用者の認証を要求し、利用者管理DB装置において認証が確認されたときに利用者情報を受信する。そして、受信した利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成して押印履歴として押印情報ファイルに格納する。
【発明の効果】
【0013】
この実施例によれば、作成した押印情報を利用者PC装置内の押印情報ファイルに格納するので、利用者管理DB装置は履歴管理などを行なう必要がなくなり、既存の人事DBのフィールド構成などを変更することなく利用者管理DBとして利用することが可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、一般的な電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置101と、DBサーバ102と、利用者PC装置101とDBサーバ102とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク103とを含む。
【0015】
DBサーバ102の記憶領域には、専用利用者DB202と、業務毎ワークフロー定義ファイル203と、用紙、業務書類保管ファイル204とが設けられている。電子承認のフローを構築する場合に、用紙のデザイン、その用紙をどのような順番で各承認者に回覧するか、承認者に承認された場合の経路、承認者に承認されなかった場合の経路などが業務毎のワークフローに定義され、業務毎ワークフロー定義ファイル203に格納される。
【0016】
ワークフローにより実際の起票、承認の回覧などを実施する場合、業務毎ワークフロー定義ファイル203に定義されたワークフローが実施され、用紙、業務書類保管ファイル204に格納されるファイルデータが順次承認者に回覧される。
【0017】
利用者PC装置101には電子押印プログラム201がインストールされている。そして、承認者が回覧された書類に押印する場合、電子押印プログラム201を起動して押印を行なう。承認者による押印履歴は、DBサーバ102の専用利用者DB202に格納される。
【0018】
図2は、図1に示す電子承認システムにおいて行なわれる電子的な押印処理の一例を示す図である。承認者は、利用者PC装置101にインストールされている電子押印プログラム201を起動して実行させることにより、回覧された押印対象ファイル301に対して電子的な印影を付加して押印を行なう。この押印図形自体は、印影の真偽の判定機能を有していない。
【0019】
図3は、図2に示す押印図形をDBサーバ102に押印履歴として格納して印影の真偽を判定する場合の処理の一例を示す図である。承認者が電子押印プログラム201を起動して印影図形を作成する際、利用者PC装置101とDBサーバ102との間で押印者の照合が行なわれる。そして、押印図形が作成されたときに、その押印履歴がDBサーバ102の専用利用者DB202に格納される。したがって、専用利用者DB202の押印履歴を参照することにより、印影の真偽を判定することができる。
【0020】
(第1の実施の形態)
図4は、本発明の第1の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置1と、利用者管理DB装置2と、利用者PC装置1と利用者管理DB装置2とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク3とを含む。
【0021】
利用者PC装置1には電子押印プログラム12がインストールされており、コンピュータ11が電子押印プログラム12を起動して利用者管理DB装置2から必要な利用者情報を取得して印影を作成し、押印情報ファイル13に格納する。
【0022】
利用者管理DB装置2は、利用者を管理するのに必要な情報を保持する利用者DB22を有しており、DBサーバ21が利用者PC装置1から利用者IDとパスワードとを受信すると利用者の認証を行ない、利用者の確認が取れたときに利用者情報を利用者PC装置1に送信する。
【0023】
図5は、本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の概略構成を示すブロック図である。この利用者PC装置1は、コンピュータ本体71、ディスプレイ装置72、FD(Flexible Disk)74が装着されるFDドライブ73、キーボード75、マウス76、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)78が装着されるCD−ROM装置77、およびネットワーク通信装置79を含む。電子押印プログラム12は、FD74またはCD―ROM78等の記憶媒体によって供給される。電子押印プログラム12はコンピュータ本体71によって実行され、押印情報の作成、押印情報の保管などを行なう。また、電子押印プログラム12は他のコンピュータより通信回線を経由し、コンピュータ本体71に供給されてもよい。
【0024】
また、コンピュータ本体71は、CPU80、ROM(Read Only Memory)81、RAM(Random Access Memory)82およびハードディスク83を含む。CPU80は、ディスプレイ装置72、FDドライブ73、キーボード75、マウス76、CD−ROM装置77、ネットワーク通信装置79、ROM81、RAM82またはハードディスク83との間でデータを入出力しながら処理を行なう。FD74またはCD−ROM78に記録された電子押印プログラム12は、CPU80によりFDドライブ73またはCD−ROM装置77を介してハードディスク83に格納される。CPU80は、ハードディスク83から適宜電子押印プログラム12をRAM82にロードして実行することによって押印情報の作成、押印情報の保管などの処理を行なう。
【0025】
なお、図4に示す利用者管理DB装置2も、図5に示す利用者PC装置1の構成と同様の構成を有している。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成を示すブロック図である。利用者PC装置1は、押印情報ファイル13と、送受信部14と、利用許可確認部15と、押印情報作成部16と、押印情報抽出部17とを含む。
【0027】
押印情報ファイル13は、作成された押印情報を保持する部分であり、図5に示すハードディスク83などに設けられる。送受信部14は、LANなどのネットワークを介して利用者管理DB装置2との間でデータを送受信する部分であり、図5に示すネットワーク通信装置79に相当する。
【0028】
利用許可確認部15は、送受信部14を介して利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信し、利用者管理DB装置2で利用者の認証が確認されたときに電子押印を作成する際に必要となる押印者名などの利用者情報を利用者管理DB装置2から受信する。
【0029】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって受信された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。この押印情報には、対象ファイル識別名、押印識別名、押印者名、押印日付などの情報が含まれる。
【0030】
この押印情報ファイル13は対象ファイルとは別に設けなくてもよく、その場合は対象ファイルの一部に押印情報が保持されることになり、便宜上その部分を押印情報ファイル13と呼ぶこととする。
【0031】
押印情報抽出部17は、図示しない外部装置が対象ファイルの押印の真偽を判定する際に外部装置から対象ファイルの押印情報の送信要求を送受信部14を介して受信し、対象ファイルの押印情報を押印情報ファイル13から抽出する。そして、送受信部14を介して要求があった外部装置に対象ファイルの押印情報を送信する。
【0032】
ここで、この真偽判定は必ずしも外部装置が行なう必要はなく、利用者PC装置1内のプログラムが実施することもできる。その場合は押印情報の送信要求は図示されていない真偽判定部から押印情報抽出部17に直接なされ、抽出された押印情報は真偽判定部に押印情報抽出部から送受信部14を介さずに渡される。
【0033】
図7は、利用者PC装置1における押印情報作成時の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、対象ファイルの承認要求がメールによって利用者PC装置1に送信される。このとき、対象ファイルがメールに添付されていてもよいし、利用者PC装置1が所定の場所から対象ファイルを読み出すようにしてもよい。
【0034】
まず、押印対象のファイルがオープンされる(S11)。そして、利用許可確認部15は、利用者(承認者)によって入力された利用者IDおよびパスワードを送受信部14を介して利用者管理DB装置2に送信する(S12)。
【0035】
次に、利用許可確認部15は、送受信部14を介して利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信し、利用者管理DB装置2によって許可されたか否かを判定する(S13)。利用者管理DB装置2によって許可されなければ(S13,No)、処理を終了する。
【0036】
また、利用者管理DB装置2によって許可されれば(S13,Yes)、押印情報作成部16は、利用者管理DB装置2から受信された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象ファイルに押印する(S14)。そして、押印情報作成部16は、押印情報を押印情報ファイル13に保存し(S15)、対象ファイルを保存して(S16)、処理を終了する。
【0037】
図8は、利用者PC装置1における押印情報送信要求の受信時の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、送受信部14が外部装置から対象ファイルのファイル名を受信すると(S21)、押印情報抽出部17は押印情報ファイル13を検索して対象ファイルの押印情報を抽出する(S22)。
【0038】
そして、押印情報抽出部17は、抽出した押印情報を送受信部14を介して送信要求があった外部装置に送信し(S23)、処理を終了する。
【0039】
ここで、真偽判定が利用者PC上で実施される場合は押印情報の送信要求の変わりに、真偽判定部からの押印情報抽出の要求がなされ、送受信部を介さずに押印情報抽出部17と真偽判定部の間で要求と押印情報が受け渡される。また、押印情報ファイル13が対象ファイル内に作成される場合は押印情報ファイル13は対象ファイル毎に格納されるので対象ファイルの検索は簡略化される。
【0040】
図9は、本発明の第1の実施の形態における利用者管理DB装置2の機能的構成を示すブロック図である。利用者管理DB装置2は、利用者DB22と、送受信部23と、認証部24とを含む。
【0041】
利用者DB22は、利用者ID、パスワード、利用者名(押印者名)、所属部署名、役職などの利用者に関する情報が格納されており、図5に示すハードディスク83などに設けられる。送受信部23は、LANなどのネットワークを介して利用者PC装置1との間でデータを送受信する部分であり、図5に示すネットワーク通信装置79に相当する。
【0042】
認証部24は、利用者PC装置1から利用者の照会があったときに、利用者DB22に格納される利用者情報を参照して利用者の認証を行なう。利用者の認証は、送受信部23を介して受信した利用者IDおよびパスワードを照合することにより行なわれる。
【0043】
図10は、利用者管理DB装置2における利用者認証時の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、送受信部23が利用者PC装置1から利用者IDおよびパスワードを受信すると(S31)、利用者IDが利用者DB22に登録されているか否かを判定する(S32)。
【0044】
利用者IDが利用者DB22に登録されていなければ(S32,No)、ステップS35に処理が進む。また、利用者IDが利用者DB22に登録されていれば(S32,Yes)、パスワードが利用者DB22に登録されているものと一致するか否かを判定する(S33)。
【0045】
パスワードが利用者DB22に登録されているものと一致しない場合には(S33,No)、ステップS35に処理が進む。また、パスワードが利用者DB22に登録されているものと一致する場合には(S33,Yes)、利用者PC装置1から要求された情報、たとえば押印者名などの情報を利用者DB22から抽出する(S34)。
【0046】
ステップS35において、認証部24は、照合結果および抽出データを送受信部23を介して利用者PC装置1に送信し(S35)、処理を終了する。なお、認証が確認されなかった場合には照合結果のみを送信し、抽出データは送信されない。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用者PC装置1が作成した押印情報を利用者管理DB装置2に書き込まずに、利用者PC装置1内の押印情報ファイル13に保存し、外部装置から押印情報の送信要求があったときに対象ファイルの押印情報を送信するようにした。または、真偽判定が利用者PC1内で実施される場合は真偽判定部からの要求があったときに対象ファイルの押印情報を引き渡すようにした。この構成によって、利用者管理DB装置2は履歴管理などを行なう必要がなくなり、既存の人事DBのフィールド構成などを変更することなく利用者管理DBとして利用することができる。したがって、専用のDBを構築する必要がなく、人事異動があった場合でも専用のメンテナンス作業を行なう必要がなくなるため、メンテナンスのためのランニングコストを削減することが可能となった。
【0048】
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置1と、利用者管理DB装置2と、押印DB装置4と、利用者PC装置1と利用者管理DB装置2と押印DB装置4とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク3とを含む。なお、第1の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0049】
第2の実施の形態における電子承認システムにおいては、押印DB装置4内に押印情報ファイル42が設けられており、利用者PC装置1によって作成された押印情報がDBサーバ41に転送されて、押印情報ファイル42に保存される。なお、押印DB装置4は、図5に示す利用者PC装置1の構成と同様の構成を有している。
【0050】
図12は、本発明の第2の実施の形態における押印DB装置4の機能的構成を示すブロック図である。押印DB装置4は、押印情報ファイル42と、送受信部43と、押印情報登録部44とを含む。
【0051】
押印情報ファイル42は、利用者PC装置1から受信した押印情報を保持する部分であり、図5に示すハードディスク83などに設けられる。送受信部43は、LANなどのネットワークを介して利用者PC装置1との間でデータを送受信する部分であり、図5に示すネットワーク通信装置79に相当する。
【0052】
押印情報登録部44は、利用者PC装置1から押印情報を受信すると、押印情報ファイル42に登録する。また、押印情報登録部44は、図示しない外部装置が対象ファイルの押印の真偽を判定する際に外部装置から対象ファイルの押印情報の送信要求を送受信部43を介して受信し、対象ファイルの押印情報を押印情報ファイル42から抽出する。そして、送受信部43を介して要求があった外部装置に対象ファイルの押印情報を送信する。
【0053】
図13は、押印DB装置4における押印情報の登録の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、送受信部43が利用者PC装置1から利用者ID、対象ファイルのファイル名、日付などの情報を含む押印情報を受信すると、その押印情報を押印情報登録部44に与える(S41)。
【0054】
次に、押印情報登録部44は、送受信部43から受けた利用者ID、対象ファイルのファイル名、日付などの情報を含む押印情報を押印情報ファイル42に登録して(S42)、処理を終了する。外部装置から対象ファイルの押印情報の送信要求があったときに、これらの情報を用いて押印情報が検索され、検索結果が外部装置に送信される。
【0055】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用者PC装置1によって作成された押印情報を、別途設けられた押印DB装置4に格納するようにしたので、第1の実施の形態において説明した効果と同様の効果を奏することが可能となった。
【0056】
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。第1の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0057】
第3の実施の形態における電子承認システムにおいては、利用者PC装置1内に利用許可ファイル18が設けられており、利用者管理DB装置2によって利用者の認証が確認された場合に、利用者管理DB装置2から送信された利用者情報が利用許可ファイル18に格納される。
【0058】
本発明の第3の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成は、図6に示す第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成と比較して、利用許可確認部15の機能が異なる点および利用許可ファイル18が追加されている点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。
【0059】
利用許可確認部15は、最初に対象ファイルの押印を行なう場合にのみ、送受信部14を介して利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信し、送受信部14を介して利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信する。そして、利用者管理DB装置2によって許可された場合に、利用者情報を利用許可ファイル18に格納する。そして、次回の対象ファイルの押印の際に、利用者管理DB装置2にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。
【0060】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって読み出された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。
【0061】
以上の説明においては、最初の押印の際に利用者管理DB装置2から受信した利用者情報を利用許可ファイル18に格納し、それ以降の押印の際に利用許可ファイル18から利用者情報を読み出して押印を行なうようにしたが、利用許可ファイル18に格納された利用者情報に有効期限を持たせることも可能である。
【0062】
この場合、利用者が対象ファイルに押印を行なう際に、利用許可確認部15は利用許可ファイル18に格納された利用者情報が有効期限内であるか否かを判定する。そして、有効期限内であれば、利用許可確認部15は利用者管理DB装置2にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。また、有効期限内でなければ、利用許可確認部15は利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信して利用者の認証を行なう。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用許可ファイル18に利用者情報が格納されている場合には、利用者管理DB装置2にアクセスせずに、利用許可ファイル18に格納された利用者情報を用いて押印情報を作成するようにしたので、第1の実施の形態において説明した効果に加えて、利用者管理DB装置2へのアクセスを削減することができ、対象ファイルの承認に要する時間を削減することが可能となった。
【0064】
(第4の実施の形態)
図15は、本発明の第4の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。この電子承認システムは、利用者PC装置1と、利用者管理DB装置2と、Webサーバ装置5と、利用者管理DB装置2とWebサーバ装置5とを接続するLANなどの専用のプロトコルを有するネットワーク3と、利用者PC装置1とWebサーバ装置5とを接続するインターネットなどの広域ネットワーク6とを含む。なお、第1の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0065】
Webサーバ装置5にはWebページ作成プログラム52がインストールされており、Webサーバ51がWebページ作成プログラム52を起動してWebページの作成を行なう。Webページ作成プログラム52は、http(hyper text transfer protocol)でのアクセスが可能なプログラム言語、たとえばCGI(Common Gateway Interface)などで作成されている。なお、Webサーバ装置5は、図5に示す利用者PC装置1の構成と同様の構成を有している。
【0066】
Webサーバ装置5は、利用者PC装置1からのhttpアクセスに応じてWebページを作成して利用者PC装置1に表示し、そのときに利用者PC装置1から入力された利用者IDおよびパスワードをネットワーク6を介して受信する。そして、ネットワーク3を介して利用者管理DB装置2に利用者IDおよびパスワードを送信する。
【0067】
Webサーバ装置5は、利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信すると、これらの情報をWebページに表示して利用者PC装置1に与える。利用者PC装置1は、Webページに表示された利用者情報を取得して対象ファイルに対する押印処理を行なう。なお、これらの情報を実際にWebページに表示せずに、目視できない仮想画面によって提示するようにしてもよい。
【0068】
本発明の第4の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成は、図6に示す第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成と比較して、利用許可確認部15の機能が異なる点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。
【0069】
利用許可確認部15は、利用者によってWebページに入力された利用者IDおよびパスワードをWebサーバ装置5に送信し、送受信部14を介してWebサーバ装置5からWebページに表示された照合結果および利用者情報を受信する。
【0070】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって読み出された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。
【0071】
図16は、本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の機能的構成を示すブロック図である。このWebサーバ装置5は、送受信部53と、アクセス受付部54と、Webページ作成部55とを含む。
【0072】
アクセス受付部54は、送受信部53を介して利用者PC装置1からのアクセス要求を受信すると、Webページ作成部55に対して利用者IDおよびパスワードが入力可能なWebページの作成を指示する。
【0073】
また、アクセス受付部54は、送受信部53を介してWebページに入力された利用者IDおよびパスワードを利用者PC装置1から受信すると、利用者管理DB装置2にこれらの情報を送信して利用者の認証を行なわせる。そして、利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報を受信すると、Webページ作成部55に対して照合結果および利用者情報を表示可能なWebページの作成を指示する。
【0074】
Webページ作成部55はアクセス受付部54からWebページの作成指示を受けると、利用者IDおよびパスワードの入力が可能なWebページ、または照合結果および利用者情報を表示可能なWebページを作成し、送受信部53を介して利用者PC装置1に送信する。
【0075】
図17は、本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、アクセス受付部54は、送受信部53を介して利用者PC装置1からWebアクセス要求を受け付けると、Webページ作成部55に対して利用者IDおよびパスワードの入力が可能なWebページを作成させ、利用者PC装置1に送信させる。そして、アクセス受付部54は、Webページに入力された利用者IDおよびパスワードを受信すると、それらの情報をパラメータとしてアクセスを受け付ける(S51)。
【0076】
次に、アクセス受付部54は、Webページに入力された利用者IDおよびパスワードを抽出し、送受信部53を介してこれらの情報を利用者管理DB装置2に送信する(S52)。そして、アクセス受付部54は、送受信部53を介して利用者管理DB装置2から照合結果および利用者情報などの抽出データを受信し、これらの情報をWebページ作成部55に転送してWebページの作成を指示する(S53)。
【0077】
Webページ作成部55は、アクセス受付部54から受けた照合結果および利用者情報などの抽出データを表示したWebページを作成し、送受信部53を介して利用者PC装置1に送信し(S54)、処理を終了する。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、Webサーバ装置5がWebページに入力された利用者IDおよびパスワードを利用者管理DB装置2に送信し、利用者管理DB装置2から受信した照合結果および利用者情報をWebページに表示して利用者PC装置1に送信するようにしたので、社内のイントラWebへのhttpプロトコルによる経路さえ確保されていれば利用者PC装置1から利用者管理DB装置2にアクセスすることができ、承認者は外出先などのLANに接続できない環境下にあっても承認を行なうことが可能となった。
【0079】
(第5の実施の形態)
図18は、本発明の第5の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。第4の実施の形態における電子承認システムと同じ構成および機能を有する部分には同じ参照符号を付すものとし、その詳細な説明は繰り返さない。
【0080】
第5の実施の形態における電子承認システムにおいては、利用者PC装置1内に利用許可ファイル18が設けられており、利用者管理DB装置2によって利用者の認証が確認された場合に、Webサーバ装置5から送信された利用者情報が利用許可ファイル18に格納される。
【0081】
本発明の第5の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成は、図6に示す第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成と比較して、利用許可確認部15の機能が異なる点および利用許可ファイル18が追加されている点のみが異なる。したがって、重複する構成および機能の詳細な説明は繰り返さない。
【0082】
利用許可確認部15は、最初に対象ファイルの押印を行なう場合にのみ、Webページに利用者IDおよびパスワードを入力してWebサーバ装置5に送信し、送受信部14を介してWebサーバ装置5からWebページに表示された照合結果および利用者情報を受信する。そして、利用者管理DB装置2によって許可された場合に、Webサーバ装置5から受信した利用者情報を利用許可ファイル18に格納する。そして、次回の対象ファイルの押印の際に、Webサーバ5にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。
【0083】
押印情報作成部16は、利用許可確認部15によって読み出された利用者情報を用いて電子的な印影を作成し、対象となる書類(対象ファイル)に押印して押印情報ファイル13に押印情報として保管する。
【0084】
以上の説明においては、最初の押印の際にWebページに表示された利用者情報を利用許可ファイル18に格納し、それ以降の押印の際に利用許可ファイル18から利用者情報を読み出して押印を行なうようにしたが、利用許可ファイル18に格納された利用者情報に有効期限を持たせることも可能である。
【0085】
この場合、利用者が対象ファイルに押印を行なう際に、利用許可確認部15は利用許可ファイル18に格納された利用者情報が有効期限内であるか否かを判定する。そして、有効期限内であれば、利用許可確認部15はWebサーバ装置5にアクセスして認証を行なわずに、利用許可ファイル18に格納される利用者情報を読み出して押印情報作成部16に与える。また、有効期限内でなければ、利用許可確認部15はWebページに利用者IDおよびパスワード入力してWebサーバ装置5に送信して利用者の認証を行なう。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態における電子承認システムによれば、利用許可ファイル18に利用者情報が格納されている場合には、利用者管理DB装置2にアクセスせずに、利用許可ファイル18に格納された利用者情報を用いて押印情報を作成するようにしたので、第4の実施の形態において説明した効果に加えて、Webサーバ装置5へのアクセスを削減することができ、対象ファイルの承認に要する時間を削減することが可能となった。
【0087】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】一般的な電子承認システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示す電子承認システムにおいて行なわれる電子的な押印処理の一例を示す図である。
【図3】図2に示す押印図形をDBサーバ102に押印履歴として格納して印影の真偽を判定する場合の処理の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における利用者PC装置1の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】利用者PC装置1における押印情報作成時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】利用者PC装置1における押印情報送信要求の受信時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態における利用者管理DB装置2の機能的構成を示すブロック図である。
【図10】利用者管理DB装置2における利用者認証時の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態における押印DB装置4の機能的構成を示すブロック図である。
【図13】押印DB装置4における押印情報の登録の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第3の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の機能的構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態におけるWebサーバ装置5の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図18】本発明の第5の実施の形態における電子承認システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1,101 利用者PC装置、2 利用者管理DB装置、3,6 ネットワーク、11 コンピュータ、12,201 電子押印プログラム、13 押印情報ファイル、14,23,43,53 送受信部、15 利用許可確認部、16 押印情報作成部、17 押印情報抽出部、21,41,102 DBサーバ、22 利用者DB、24 認証部、42 押印情報ファイル、44 押印情報登録部、51 Webサーバ、52 Webページ作成プログラム、54 アクセス受付部、55 Webページ作成部、71 コンピュータ本体、72 ディスプレイ装置、73 FDドライブ、74 FD、75 キーボード、76 マウス、77 CD−ROM装置、78 CD−ROM、79 ネットワーク通信装置、202 専用利用者DB、203 業務毎ワークフロー定義ファイル、204 用紙、業務書類保管ファイル、301 押印対象ファイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末装置と利用者管理データベース装置とがネットワークで接続された電子承認システムであって、
前記利用者管理データベース装置は、利用者に関する情報を格納する利用者データベースと、
前記利用者端末装置からの要求に応じて、前記利用者データベースに格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに前記利用者端末装置に利用者情報を送信する認証手段とを含み、
前記利用者端末装置は、前記利用者管理データベース装置に対して利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信する利用許可確認手段と、
前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成する押印情報作成手段と、
前記押印情報作成手段によって作成された押印情報を押印履歴として格納する押印情報格納手段とを含む、電子承認システム。
【請求項2】
前記利用者端末装置はさらに、外部装置からの要求に応じて、前記押印情報格納手段から対象ファイルの押印情報を抽出し、当該対象ファイルの押印情報を前記外部装置に送信する押印情報抽出手段を含む、請求項1記載の電子承認システム。
【請求項3】
前記利用者端末装置はさらに、前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を格納する利用許可格納手段を含み、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記利用者管理データベース装置に対する認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項1または2記載の電子承認システム。
【請求項4】
前記利用許可格納手段に格納された利用者情報は有効期限を有し、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記利用許可格納手段に格納される利用者情報の有効期限を参照し、有効期限内であれば前記利用者管理データベース装置に対する認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項3記載の電子承認システム。
【請求項5】
利用者端末装置とWebサーバ装置とが第1のネットワークで接続され、前記Webサーバ装置と利用者管理データベース装置とが第2のネットワークで接続された電子承認システムであって、
前記利用者管理データベース装置は、利用者に関する情報を格納する利用者データベースと、
前記Webサーバ装置からの要求に応じて、前記利用者データベースに格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに前記Webサーバ装置に利用者情報を送信する認証手段とを含み、
前記利用者端末装置は、前記Webサーバ装置に対してWebページにより利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信する利用許可確認手段と、
前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成する押印情報作成手段と、
前記押印情報作成手段によって作成された押印情報を押印履歴として格納する押印情報格納手段とを含み、
前記Webサーバ装置は、前記利用者端末装置からのアクセス要求を受け付けて、前記利用者管理データベース装置に対して利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信するアクセス受付手段と、
前記アクセス受付手段によって受信された前記利用者情報を表示したWebページを作成して、前記利用者端末装置に送信するWebページ作成手段とを含む、電子承認システム。
【請求項6】
前記利用者端末装置はさらに、外部装置からの要求に応じて、前記押印情報格納手段から対象ファイルの押印情報を抽出し、当該対象ファイルの押印情報を前記外部装置に送信する押印情報抽出手段を含む、請求項5記載の電子承認システム。
【請求項7】
前記利用者端末装置はさらに、前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を格納する利用許可格納手段を含み、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記Webサーバ装置に対して認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項5または6記載の電子承認システム。
【請求項8】
前記利用許可格納手段に格納された利用者情報は有効期限を有し、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記利用許可格納手段に格納される利用者情報の有効期限を参照し、有効期限内であれば前記Webサーバ装置に対して認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項7記載の電子承認システム。
【請求項9】
利用者端末装置と利用者管理データベース装置とがネットワークで接続されたシステムにおける電子承認方法であって、
前記利用者管理データベース装置が、前記利用者端末装置からの要求に応じて、利用者データベースに格納される利用者に関する情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに前記利用者端末装置に利用者情報を送信するステップと、
前記利用者端末装置が、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信するステップと、
前記利用者端末装置が、前記受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成するステップと、
前記利用者端末装置が、前記作成された押印情報を押印履歴として前記利用者端末装置内に格納するステップとを含む、電子承認方法。
【請求項10】
利用者端末装置と利用者管理データベース装置とがネットワークで接続された電子承認システムにおいて、前記利用者端末装置に押印情報を作成させるコンピュータ・プログラムであって、
前記利用者管理データベース装置に対して利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに利用者情報を受信するステップと、
前記受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成するステップと、
前記作成された押印情報を押印履歴として前記利用者端末装置内に格納するステップとを前記利用者端末装置に実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項1】
利用者端末装置と利用者管理データベース装置とがネットワークで接続された電子承認システムであって、
前記利用者管理データベース装置は、利用者に関する情報を格納する利用者データベースと、
前記利用者端末装置からの要求に応じて、前記利用者データベースに格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに前記利用者端末装置に利用者情報を送信する認証手段とを含み、
前記利用者端末装置は、前記利用者管理データベース装置に対して利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信する利用許可確認手段と、
前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成する押印情報作成手段と、
前記押印情報作成手段によって作成された押印情報を押印履歴として格納する押印情報格納手段とを含む、電子承認システム。
【請求項2】
前記利用者端末装置はさらに、外部装置からの要求に応じて、前記押印情報格納手段から対象ファイルの押印情報を抽出し、当該対象ファイルの押印情報を前記外部装置に送信する押印情報抽出手段を含む、請求項1記載の電子承認システム。
【請求項3】
前記利用者端末装置はさらに、前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を格納する利用許可格納手段を含み、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記利用者管理データベース装置に対する認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項1または2記載の電子承認システム。
【請求項4】
前記利用許可格納手段に格納された利用者情報は有効期限を有し、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記利用許可格納手段に格納される利用者情報の有効期限を参照し、有効期限内であれば前記利用者管理データベース装置に対する認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項3記載の電子承認システム。
【請求項5】
利用者端末装置とWebサーバ装置とが第1のネットワークで接続され、前記Webサーバ装置と利用者管理データベース装置とが第2のネットワークで接続された電子承認システムであって、
前記利用者管理データベース装置は、利用者に関する情報を格納する利用者データベースと、
前記Webサーバ装置からの要求に応じて、前記利用者データベースに格納される情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに前記Webサーバ装置に利用者情報を送信する認証手段とを含み、
前記利用者端末装置は、前記Webサーバ装置に対してWebページにより利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信する利用許可確認手段と、
前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成する押印情報作成手段と、
前記押印情報作成手段によって作成された押印情報を押印履歴として格納する押印情報格納手段とを含み、
前記Webサーバ装置は、前記利用者端末装置からのアクセス要求を受け付けて、前記利用者管理データベース装置に対して利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信するアクセス受付手段と、
前記アクセス受付手段によって受信された前記利用者情報を表示したWebページを作成して、前記利用者端末装置に送信するWebページ作成手段とを含む、電子承認システム。
【請求項6】
前記利用者端末装置はさらに、外部装置からの要求に応じて、前記押印情報格納手段から対象ファイルの押印情報を抽出し、当該対象ファイルの押印情報を前記外部装置に送信する押印情報抽出手段を含む、請求項5記載の電子承認システム。
【請求項7】
前記利用者端末装置はさらに、前記利用許可確認手段によって受信された利用者情報を格納する利用許可格納手段を含み、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記Webサーバ装置に対して認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項5または6記載の電子承認システム。
【請求項8】
前記利用許可格納手段に格納された利用者情報は有効期限を有し、
前記利用許可確認手段は、次回の押印情報作成時に前記利用許可格納手段に格納される利用者情報の有効期限を参照し、有効期限内であれば前記Webサーバ装置に対して認証要求を行なわずに、前記押印情報作成手段に対して前記利用許可格納手段に格納された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成させる、請求項7記載の電子承認システム。
【請求項9】
利用者端末装置と利用者管理データベース装置とがネットワークで接続されたシステムにおける電子承認方法であって、
前記利用者管理データベース装置が、前記利用者端末装置からの要求に応じて、利用者データベースに格納される利用者に関する情報を参照して利用者の認証を行ない、認証が確認されたときに前記利用者端末装置に利用者情報を送信するステップと、
前記利用者端末装置が、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに前記利用者情報を受信するステップと、
前記利用者端末装置が、前記受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成するステップと、
前記利用者端末装置が、前記作成された押印情報を押印履歴として前記利用者端末装置内に格納するステップとを含む、電子承認方法。
【請求項10】
利用者端末装置と利用者管理データベース装置とがネットワークで接続された電子承認システムにおいて、前記利用者端末装置に押印情報を作成させるコンピュータ・プログラムであって、
前記利用者管理データベース装置に対して利用者の認証を要求し、前記利用者管理データベース装置において認証が確認されたときに利用者情報を受信するステップと、
前記受信された利用者情報を用いて対象ファイルの押印情報を作成するステップと、
前記作成された押印情報を押印履歴として前記利用者端末装置内に格納するステップとを前記利用者端末装置に実行させる、コンピュータ・プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−175944(P2009−175944A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12666(P2008−12666)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]