説明

電子楽器の画像表示装置

【課題】 鍵盤自身を使用してそこに様々な表示が行える電子楽器の画像表示装置を提供する。
【解決手段】 鍵盤10と、鍵盤10の上面内側面に夫々貼着された画像表示部11と、画像表示部11に表示される画像を記憶する画像データ記憶部12と、鍵盤10の鍵盤全体の表示を1フレームとして、画像データ記憶部12に記憶された画像データに関し、鍵盤10の画像表示部11の各位置に応じてデータマッピングを行う画像配置演算部13と、データマッピングに従って、フレーム毎の画像データを画像表示部11に表示させる表示制御部14とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽器に備えられた鍵盤部分を、画像表示用に使用する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子鍵盤楽器の練習機能として、鍵盤上に液晶や発光ダイオードなどの表示装置を設けて鍵盤を光らせたり(後述する特許文献1参照)、プロジュエクタで映像を鍵盤に投影したり(後述する特許文献2参照)するものがある。
【特許文献1】特開2002−372967
【特許文献2】特開平15−280641号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前者の構成は、次の順番でどの鍵盤を押さえればよいか分かり易いものの、どの指で押さえればよいかは、初心者には分かりづらいものであった。また後者の構成は、投影される映像が手の位置によっては、該手に邪魔されてしまい、その部分が投影されないという欠点があった。
【0004】
さらにこれらの表示に関しては、該表示装置が、全体として1つの画像表示装置として使用されることはなく、あくまで電子鍵盤楽器の練習用としての演奏キーを指示するにとまるものである。
【0005】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、電子楽器に備えられた鍵盤自身を使用してそこに様々な表示が行える画像表示装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため本発明に係る電子楽器の画像表示装置は、
電子楽器に備えられた鍵盤と、
該鍵盤の少なくとも白鍵上面に備えられた画像表示装置と、
上記画像表示装置に表示される画像を記憶する画像データ記憶手段と、
上記鍵盤の少なくとも白鍵相当部分全体の表示を1フレームとして、上記画像データ記憶手段に記憶された画像データに関し、上記鍵盤の画像表示装置の各位置に応じてデータマッピングを行う画像配置演算手段と、
上記データマッピングに従って、フレーム毎の画像データを上記画像表示装置に表示させる表示制御手段と
を有することを基本的特徴としている。
【0007】
上記画像配置演算手段により、上記画像データ記憶手段に記憶された画像データに関し、鍵盤の少なくとも白鍵相当部分全体の表示を1フレームとして、鍵盤の画像表示装置の各位置に応じてデータマッピングが行われる。そうして表示制御手段により、上記データマッピングに従って、フレーム毎の画像データが上記画像表示装置に表示される。
【0008】
このような構成によれば、鍵盤全体が1つの画像表示装置として使用されることになり、自由な画像表示が可能となる。
【0009】
上記鍵盤部分の少なくとも白鍵相当部分の上面が、透明状乃至半透明状になった構成とし、さらに上記画像表示装置が、該鍵盤の白鍵相当部分の少なくとも透明状乃至半透明状上面の内側に備えられた構成とすることで、上記構成と略同じ作用が得られることになる(請求項3)。
【0010】
また上記請求項1の構成で、上記画像表示装置には、その表面に、透明メンブレン状の感圧素子が備えられており、該感圧素子に加えられた印可電圧に変化が生じた部分を感知して、電子楽器のタッチパネル操作子として使用する(画像表示と操作指示が一緒にできる、例えば操作を選択するための選択スイッチ・ボタンやスライドボリュームなどのの操作子表示、所謂タッチパネルとする)こともできる(請求項2)。
【0011】
請求項3の構成では、上記鍵盤上面に、透明メンブレン状の感圧素子が備えられ、該感圧素子に加えられた印可電圧に変化が生じた部分を感知して、電子楽器のタッチパネル操作子として使用することになる(請求項4)。
【0012】
また上記画像表示装置として、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)を用いたり(請求項5)、液晶表示装置を用いたり(請求項6)することもできる。特に前者は、ジアミン類などの有機物を発光体とし、該発光体をガラス基板に蒸着して、5〜10Vの直流電圧をかけて表示を行なう構成であり、鍵盤上面(押鍵面)自身がガラスで構成されていれば、鍵盤押鍵面の裏面に該発光体を蒸着して作成することもできる。このような有機エレクトロルミネセンスで薄型の画像表示装置が構成されれば、低電力で高い輝度が得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れた表示装置とすることが可能となる。また有機エレクトロルミネセンス自身は、丸めたりしても壊れない構造であるため、押鍵面としても好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1〜請求項6記載の電子楽器の画像表示装置によれば、電子楽器に備えられた鍵盤自身を使用してそこに様々な表示が行えるようになるという優れた効果を奏し得る。例えば、鍵盤楽器の練習用に使用される場合、演奏時の指使いが該画像表示装置に、例えば三次元的に動画表示されれば、それを見るだけで学ぶことができるようになる。また黒鍵相当部分も含めて画像表示装置がセットされることで、白鍵と黒鍵との既成概念にとらわれることなく、自由に鍵盤の色を変えることができるようになる。さらに鍵盤全体が1つの画像表示装置として用いることができるため、各種設定情報や、諸種の情報の表示、デモ演奏時などの観賞用映像の表示、ライブ演奏時などの視覚的効果の演出など、種々の映像表示をさせることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図4は、本発明に係る画像表示装置を有する電子鍵盤楽器の実施例構成を示している。
【0015】
まず図1は、電子鍵盤楽器の回路構成の概略を示している。同図に示すように、本電子鍵盤楽器は、システムバス200を介して、CPU201、ROM202、RAM203、MIDIインターフェース204、鍵盤スキャン回路205、パネルスキャン回路206、楽音発生部208、及び後述する画像データ記憶部12が相互に接続されて構成されている。システムバス200は、アドレス信号、データ信号又は制御信号等を送受するために使用される(アドレスバス、データバス、コントロール信号ラインよりなる信号バス)。
【0016】
CPU201は、本電子楽器の制御をつかさどる中央演算装置であって、後述するROM202に格納されているプログラムに従って、鍵盤スキャン回路205とパネルスキャン回路206を制御して後述する鍵盤10のキー、操作パネル207の音色設定スイッチなどを走査し、鍵盤10の押鍵・離鍵に伴う押鍵データ[キーON・OFF、キー識別情報(キー番号など)、キータッチレスポンス:キーデータ]の楽音発生部208への割り当て処理、操作パネル207の音色設定スイッチ、ボリュームに応じて楽音発生部208より所望の楽音信号を発生させるように制御する。また後述するように、この図では、別構成として表示されているが、後述する画像配置演算部13及び表示制御部14の実行機能を有しており、画像表示に拘わる演算・制御を行っている。尚、このCPU201の代わりに、GPU(グラフィックプロセッサユニット)を用いて、上記画像配置演算部13及び表示制御部14の実行機能を果たすようにしても良い。
【0017】
上記ROM202は、上述したCPU201用のプログラムの他に、CPU201が楽音発生に参照する種々のパラメータデータを格納する読み出し専用メモリである。
【0018】
上記RAM203は、CPU201におけるプログラム処理での処理段階のデータを一時記憶しておいたり、エディット可能なパラメータデータを記憶しておく、読み書き可能でメモリである。また、このRAMには、必要に応じてレジスタ、カウンタ、フラグ機能等が定義されている。
【0019】
MIDIインターフェース204は、MIDI関係の入出力機器との間でMIDIデータを送受信するためのインターフェースである。
【0020】
上記鍵盤スキャン回路205は、鍵盤10で生成される押鍵データを検出する検出回路である。すなわち、これらの鍵盤10には、夫々2点スイッチが設けられており、任意の鍵盤10が所定以上の深さまで押し下げられたことを検出すると、その鍵盤の音高データ(キー番号)の押鍵信号を生成すると共に、2点スイッチ間を通過する速度からベロシティを生成し、それらを押鍵データとして、鍵盤スキャン回路205に送る。2点スイッチとしては、鍵が所定以上の深さまで押し下げられたことを検出できる光センサ、圧力センサ、その他のセンサを使用できる。鍵盤スキャン回路205は、2点スイッチからの押鍵データを受け取ると、それをCPU201に送る。またこの鍵盤10(黒鍵に相当する部分を含む)は、後述するように、透明状又は半透明状のプラスチックなどの樹脂で形成されている。
【0021】
鍵盤スキャン回路205からの押鍵データは、CPU201により、RAM203上の音色設定フラグが参照され、夫々のチャンネルに対応する楽音発生部208に送られることになる。
【0022】
パネルスキャン回路206は、CPU201からの指令に応答して操作パネル207上の各スイッチをスキャンし、このスキャンにより得られた各スイッチの開閉状態を示す信号に基づいて、各スイッチを1ビットに対応させたパネルデータを作成する。各ビットは、例えば「1」でスイッチオン状態、「0」でスイッチオフ状態を表す。このパネルデータは、システムバス200を介してCPU201に送られる。このパネルデータは、操作パネル207上のスイッチのオンイベント又はオフイベントが発生したかどうかを判断するために使用される。
【0023】
また、パネルスキャン回路206は、CPU201から送られてきた表示データを操作パネル207上のLED表示器及びLCDに送る。これにより、CPU201から送られてきたデータに従って、LED表示器が点灯/消灯され、またLCDにメッセージが表示される。
【0024】
パネルスキャン回路206には、操作パネル207が接続されている。操作パネル207には、音色選択及び設定するためのスイッチやボリュームや、選択及び設定状態を表示する上記LCD乃至LED表示器などより構成される表示部を有している。尚、図1のパネルスキャン回路206と操作パネル207の間には、後述する画像表示部11から延出した波線が示されているが、これは、仮に鍵盤10の上面に、透明メンブレン状の感圧素子(図示無し)が備えられ、該感圧素子に加えられた印可電圧に変化が生じた部分を感知して、電子鍵盤楽器のタッチパネル操作子として使用された場合に、上記パネルスキャン回路206がそのチパネル操作子の操作状況をスキャンし、パネルデータを作成することになる構成の状態を示している。
【0025】
楽音発生部208は、専用のLSIで設計されており、上記操作パネル207で選択及び設定された音色で、鍵盤10で演奏されたキーに応じた読み出しアドレスを発生して、波形メモリ209から原データを読み出し、さらに、該原データの補間処理を行った後、同じく同回路で生成された音色毎のエンベロープを乗算し、夫々の音色の波形データを設定されたチャンネル分累算して、外部に楽音信号を発生する。さらに、楽音発生部208から出力された楽音信号は、D/A変換回路210に入力され、デジタル−アナログ変換され、アンプ211で増幅されて、スピーカ212から外部に楽音として放出される。
【0026】
波形メモリ209には、楽音波形データが記憶されており、該楽音波形データは、音色及び音域(音高)に対応しているため、音色選択及び押鍵データに応じて、所望の楽音周波数に従って上記楽音発生部208からの読み出し信号で該データが読み出されることになる。
【0027】
D/A変換回路210は、上記楽音発生部208で生成されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換するデジタル−アナログ変換器である。
【0028】
アンプ211は、アナログ処理されたアナログ楽音信号をスピーカ212で発生させるために増幅するパワーアンプである。
【0029】
スピーカ212は、アナログ信号を可聴信号として放音するスピーカであり、1乃至複数個よりなる。
【0030】
本実施例構成における画像表示装置は、上記鍵盤10と、該鍵盤10の上面内側面に夫々貼着された画像表示部11と、該画像表示部11に表示される画像を記憶する画像データ記憶部12と、上記鍵盤10の鍵盤全体の表示を1フレームとして、上記画像データ記憶部12に記憶された画像データに関し、上記鍵盤10の画像表示部11の各位置に応じてデータマッピングを行う画像配置演算部13と、上記データマッピングに従って、フレーム毎の画像データを上記画像表示部11に表示させる表示制御部14とを備えている。
【0031】
上記鍵盤10は、上述のように、黒鍵に相当する部分を含んで、透明状又は半透明状のプラスチックなどの樹脂で構成されている。これは、後述するように、画像表示部11が内装されており、図2に示すように、そこでの画像表示が鍵盤10外面から視認できるようにするためである。また鍵盤10がそのような樹脂で構成されていれば、強度的にも問題がない。
【0032】
上記画像表示部11は、上記図2に示すように、鍵盤10の上面内側面に夫々貼着されており、薄膜状に蒸着形成された有機エレクトロルミネセンスが用いられた表示装置である。この画像表示部11に、有機エレクトロルミネセンスが用いられて薄型の画像表示装置が構成されることで、低電力で高い輝度が得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れたものとなる。またこの画像表示部11を構成する有機エレクトロルミネセンスは、鍵盤10上面に備えられるようにしても良い。すなわち有機エレクトロルミネセンス自身は、薄膜蒸着構造故の柔軟性を有しており、多少の打撃が加えられても壊れない構造であるため、押鍵面としても好適である。
【0033】
上記画像データ記憶部12は、グラフィックRAMで構成されており、図3上段の図に示されるように、画像表示部11に表示される画像を記憶している。
【0034】
上記画像配置演算部13は、上述のように、CPU201がその機能を兼ねた構成(或いはGPUで構成しても良い)であり、鍵盤10の鍵盤全体の表示を1フレームとして、上記画像データ記憶部12に記憶された画像データに関し、上記鍵盤10の画像表示部11の各鍵の位置に応じてデータマッピングを行う機能を有している。図3の下段の図を使用して説明すれば、i=1から始まりn(通常は88)で終わる鍵数を有する鍵盤ki、ji(鍵盤10)において、白鍵に相当する部分kiでは、x方向に(d1+d2)×(i−1)〜(d1+d2)×(i−1)+d1の幅となり(常に鍵盤kiでは、d1幅のデータが個々の鍵盤kiについてデータマッピングの対象となる)、y方向に0〜d3の奥行きを有するグラフィックデータが、個々の鍵盤kiについて映すべきデータとして算出される。また黒鍵に相当する部分jiでは、x方向に(d1+d2)×i−(d7/2)〜(d1+d2)×i+(d7/2)の幅となり、y方向にd3−d6〜d3の奥行きを有するグラフィックデータが、個々の鍵盤jiについて映すべきデータとして算出される。尚、黒鍵に相当するji、j4、…、jn−1、jnは存在しないので、何も表示されない。
【0035】
上記表示制御部14は、上述のように、CPU201がその機能を兼ねた構成(或いはGPUで構成しても良い)であり、上記データマッピングに従って、フレーム毎の画像データを画像データ記憶部12から読み出し、上記画像表示部11に表示させる機能を有している。
【0036】
上記画像配置演算部13により、上記画像データ記憶部12に記憶された画像データに関し、鍵盤10全体の表示を1フレームとして、該鍵盤10の画像表示部11の各鍵の位置に応じてデータマッピングが行われる。そうして表示制御部14により、該データマッピングに従って、フレーム毎の画像データが上記画像表示部11に表示される。
【0037】
図4は、本実施例の電子鍵盤楽器のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理ルーチンは電源の投入により起動される。即ち、電源がONにされると、先ず、CPU201、RAM203、各スキャン回路205や206、画像データ記憶部12(グラフィックRAM)及びその他のイニシャル処理が行われる(ステップS100)。これらのイニシャル処理では、CPU201などの内部のハードウエアが初期状態に設定されると共に、RAM203に定義されているレジスタ、カウンタ、フラグ等に初期値が設定される。
【0038】
このイニシャル処理が終了すると、次いで、操作パネル207のパネルスキャン処理によるイベント処理の指示がされたか否かのチェックがなされる(ステップS102)。
【0039】
イベント処理の指示がなされなかった場合(ステップS102;N)、その他の処理に移行する(ステップS106)。反対にイベント処理の指示がなされた場合(ステップS102;Y)、後述するイベント処理がなされる(ステップS104)。その後上記と同様に、その他の処理がなされ(ステップS106)、ステップS102の処理に復帰し、それを繰り返す。
【0040】
図5は、上記ステップS104のイベント処理の処理フローを示している。上記操作パネル207のパネル操作により、モード1の設定が自動演奏中であるか否かがチェックされる(ステップS200)。モード1の設定が自動演奏中でなければ(ステップS200;N)、通常の演奏処理が行われるものとして操作者の押鍵に対応する演奏処理がなされ(ステップS210)、イベント処理を終了する。
【0041】
モード1の設定が自動演奏中であれば(ステップS200;Y)、モード2の設定が画像表示部11による押鍵位置表示を行うモードであるか否かがチェックされる(ステップS202)。モード2の設定が画像表示部11による押鍵位置表示を行うモードでなければ(ステップS202;N)、通常の自動演奏処理ががなされ(ステップS208)、イベント処理を終了する。
【0042】
モード2の設定が画像表示部11による押鍵位置表示を行うモードであれば(ステップS202;Y)、自動演奏に従った押鍵位置に押鍵した指の状態が表示され且つその表示に従った演奏者の実際の押鍵による演奏処理がなされ(ステップS204)、画像表示部11に次の画像表示がなされる(ステップS206)。そして、イベント処理を終了する。
【0043】
このような構成によれば、鍵盤10全体が1つの画像表示装置として使用されることになり、自由な画像表示が可能となる。図6は、そのような画像表示が鍵盤10上でなされた場合の画面表示例(図面では自動演奏処理中3次元的に示された指による正しい押鍵位置を示している)を示している。
【0044】
尚、本発明に係る電子楽器の画像表示装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば鍵盤10の上面に上記画像表示部11が備えられる場合には、その表面に透明メンブレン状の感圧素子が備えられたり、或いは透明乃至半透明状の鍵盤10の内側上面に上記画像表示部11が備えられる場合には、上記鍵盤10の上面に、同じく透明メンブレン状の感圧素子が備えられるようにして、タッチパネル操作子の一部として使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の画像表示装置は、電子楽器用のものだけではなく、例えば鍵盤表面自身がディスプレイとなるようなオブジェであって、宣伝・広告用に用いられるような構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】電子鍵盤楽器の一実施形態の回路構成を示す概略図である。
【図2】鍵盤10の内側上面部に画像表示部11が貼着された状態を示す鍵盤の縦断面図である。
【図3】画像データ記憶部12に記憶された画像データの状態と、それを各鍵盤kiに表示させるために、画像配置演算部13によって各鍵の位置に応じてデータマッピングする状態の演算方法を示す説明図である。
【図4】本実施例の電子鍵盤楽器のメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】イベント処理の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】鍵盤10上で自由な画像表示がなされた場合の画面表示例を示す鍵盤平面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 鍵盤
11 画像表示部
12 画像データ記憶部
13 画像配置演算部
14 画像表示部
200 システムバス
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 MIDIインターフェース
205 鍵盤スキャン回路
206 パネルスキャン回路
207 操作パネル
208 楽音発生部
209 波形メモリ
210 D/A変換回路
211 アンプ
212 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子楽器に備えられた鍵盤と、
該鍵盤の少なくとも白鍵上面に備えられた画像表示装置と、
上記画像表示装置に表示される画像を記憶する画像データ記憶手段と、
上記鍵盤の少なくとも白鍵相当部分全体の表示を1フレームとして、上記画像データ記憶手段に記憶された画像データに関し、上記鍵盤の画像表示装置の各位置に応じてデータマッピングを行う画像配置演算手段と、
上記データマッピングに従って、フレーム毎の画像データを上記画像表示装置に表示させる表示制御手段と
を有することを特徴とする電子楽器の画像表示装置。
【請求項2】
上記画像表示装置には、その表面に、透明メンブレン状の感圧素子が備えられており、該感圧素子に加えられた印可電圧に変化が生じた部分を感知して、電子楽器のタッチパネル操作子として使用することを特徴とする請求項1記載の電子楽器の画像表示装置。
【請求項3】
電子楽器に備えられ、白鍵相当部分上面が少なくとも透明状乃至半透明状になった鍵盤と、
該鍵盤の白鍵相当部分の少なくとも透明状乃至半透明状の上面の内側に備えられた画像表示装置と、
上記画像表示装置に表示される画像を記憶する画像データ記憶手段と、
上記鍵盤の少なくとも白鍵相当部分全体の表示を1フレームとして、上記画像データ記憶手段に記憶された画像データに関し、上記鍵盤の画像表示装置の各位置に応じてデータマッピングを行う画像配置演算手段と、
上記データマッピングに従って、フレーム毎の画像データを上記画像表示装置に表示させる表示制御手段と
を有することを特徴とする電子楽器の画像表示装置。
【請求項4】
上記鍵盤上面には、透明メンブレン状の感圧素子が備えられており、該感圧素子に加えられた印可電圧に変化が生じた部分を感知して、電子楽器のタッチパネル操作子として使用することを特徴とする請求項3記載の電子楽器の画像表示装置。
【請求項5】
上記画像表示装置として、有機エレクトロルミネセンスを用いたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1つに記載の電子楽器の画像表示装置。
【請求項6】
上記画像表示装置として、液晶表示装置を用いたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1つに記載の電子楽器の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−106095(P2006−106095A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288875(P2004−288875)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】