説明

電子楽器及び演奏レベル表示方法

【課題】演奏者が自分のレベルを理解した上で、次のレベルに進むための練習意欲を高めることができるようにする。
【解決手段】ユーザにより操作される演奏操作子の操作状態に応じて生成された演奏データの内容と、楽曲データ記憶手段から読み出される楽曲データの内容とを比較して、上記ユーザの演奏レベルを評価するとともに、上記評価結果に応じて上記ユーザの演奏レベルを示す情報を表示装置に表示して視覚化するようにして、演奏者が自分のレベルを客観的に理解できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子楽器及び演奏レベル表示方法に関し、特に、演奏者に対して演奏レベルを向上させる意欲を持たせるようにするために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楽器の演奏レベルを点数で評価し表示するものが種々提案されている。例えば、特許文献1に記載の電子楽器では、鍵盤楽器を演奏練習する際に、練習しようとする演奏情報と鍵を操作した情報とを比較して"正押鍵数"/"演奏情報イベント数"等を計算することで正解率を算出し、逐次リアルタイム表示するようにしている。
【0003】
また、特許文献2の楽器演奏データ評価装置では、所定の評価項目について教習者の課題曲演奏による楽器演奏データと同一曲の模範演奏データとを比較し、所定の評価基準に従って点数を計算して演奏を評価するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特公平5−76032号公報(第4図:82〜89)
【特許文献2】特公平7−120138号公報(図3:S14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電子楽器または特許文献2に記載の楽器演奏データ評価装置の方法では、演奏レベルを点数で単純に評価するだけであり、演奏レベルを向上させるように仕向ける機能が不十分であるという問題点があった。
【0006】
本発明は上述の問題点にかんがみ、演奏者が自分のレベルを理解した上で、次のレベルに進むための練習意欲を高めることができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子楽器は、楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データをユーザの指定に応じて読み出す楽曲データ読み出し手段と、ユーザにより操作される演奏操作子の操作状態に応じて演奏データを生成する演奏データ生成手段と、上記演奏データ生成手段により生成される演奏データの内容と、上記楽曲データ記憶手段から読み出される楽曲データの内容とを比較して、上記ユーザの演奏レベルを評価する演奏レベル評価手段と、上記演奏レベル評価手段の評価結果に応じてユーザの演奏レベルを示す情報を生成する演奏レベル情報生成手段と、上記演奏レベル情報生成手段により生成されるユーザの演奏レベルを示す情報を表示装置に表示して、上記ユーザの演奏レベルを視覚化する表示制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の電子楽器の他の特徴とするところは、上記演奏レベル情報生成手段は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報をキャラクタ画像として生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記キャラクタ画像を変更することを特徴とする。
また、本発明の電子楽器のその他の特徴とするところは、上記演奏レベル情報生成手段は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報を文章により生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記文章の内容を変更することを特徴とする。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データは難易度に応じてグループ分けされていて、上記楽曲データ読み出し手段は、上記ユーザの演奏レベルに対応するグループ内の練習曲を読み出すことを特徴とする。
【0008】
本発明の演奏レベル表示方法は、楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データをユーザの指定に応じて読み出す楽曲データ読み出し工程と、ユーザにより操作される演奏操作子の操作状態に応じて演奏データを生成する演奏データ生成工程と、上記演奏データ生成工程において生成される演奏データの内容と、上記楽曲データ記憶工程から読み出される楽曲データの内容とを比較して、上記ユーザの演奏レベルを評価する演奏レベル評価工程と、上記演奏レベル評価工程の評価結果に応じてユーザの演奏レベルを示す情報を生成する演奏レベル情報生成工程と、上記演奏レベル情報生成工程において生成されるユーザの演奏レベルを示す情報を表示装置に表示して、上記ユーザの演奏レベルを視覚化する表示制御工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の演奏レベル表示方法の他の特徴とするところは、上記演奏レベル情報生成工程は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報をキャラクタ画像として生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記キャラクタ画像を変更することを特徴とする。
また、本発明の演奏レベル表示方法のその他の特徴とするところは、上記演奏レベル情報生成工程は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報を文章により生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記文章の内容を変更することを特徴とする。
また、本発明の演奏レベル表示方法のその他の特徴とするところは、上記楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データは難易度に応じてグループ分けされていて、上記楽曲データ読み出し工程は、上記ユーザの演奏レベルに対応するグループ内の練習曲を読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザにより操作される演奏操作子の操作状態に応じて生成された演奏データの内容と、楽曲データ記憶手段から読み出される楽曲データの内容とを比較して、上記ユーザの演奏レベルを評価するとともに、上記評価結果に応じて上記ユーザの演奏レベルを示す情報を表示装置に表示して視覚化するようにしたので、演奏者が自分の演奏レベルを客観的に理解できるようにすることができる。これにより、演奏者が次のレベルに進むための練習意欲を高めるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の電子楽器の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1において、本実施形態の電子楽器1は、中央処理装置(以下、CPUと称する)2と、リードオンリメモリ(ROM、以下ではフラッシュメモリと称する)3と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)4と、信号バス5と、キーボード部6と、操作パネル部7と、楽音発生部8と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)9と、アナログ信号処理部10と、パワーアンプ11と、スピーカ部12、レコーダ13、外部記憶装置14、及びインターフェース部15とを有している。
【0011】
図1に示すように、CPU2、ROM3、RAM4、キーボード部6、操作パネル部7、及び楽音発生部8は、それぞれ信号バス5に接続され、相互に通信することが可能である。
【0012】
キーボード部6は、演奏を行なうための複数の鍵とその鍵の各々に対応して設けられた鍵スイッチとを含む複数の鍵盤を有している。上記鍵スイッチは、上記鍵盤の押鍵や離鍵を検出するとともに、各鍵の動作スピードに関するKeyタッチレスポンス信号を検出するように構成されている。
【0013】
操作パネル部7は、音色や音量などを選択及び設定するための各種操作子7aと、これらの選択および設定状態を表示するための液晶表示装置7bとを有している。
【0014】
なお、上記音色や音量などを選択したり、設定したりするための各種操作子7aは、例えば、音色設定スイッチ、音量設定ボリューム、自動伴奏設定スイッチ、及び図示しているフェードアウトスイッチなどである。
【0015】
上記音色設定スイッチと上記音量設定ボリュームは、出力する楽音の音色と音量を設定するためのものであり、これら音色設定スイッチと音量設定ボリュームにより所望の音色と音量が設定されると、設定内容に応じた音色と音量を有する楽音が出力される。
【0016】
上記自動伴奏設定スイッチは、上記鍵盤の押鍵及び離鍵に応じたメロディー(演奏音)を発音させて行なうマニュアル演奏を補助する伴奏機能を実行するときに設定されるスイッチである。この自動伴奏設定スイッチにおける具体的な設定内容としては、例えば、自動伴奏を行なう楽音(音符)。音色、及びリズムなどである。
【0017】
上記液晶表示装置7bは、上記各種操作子7aの設定状態、フラッシュメモリ3に記録されたID情報、ユーザに対するコメント、楽曲データの譜面、その他の情報を表示するために設けられている。本実施形態においては、上記液晶表示装置7bに演奏者の演奏レベルを表示したり、次のレベルに進むために練習意欲を高めることができるようにするための表示をしたりするために用いられる。
【0018】
CPU2は、本実施の形態の電子楽器1の全体を統括制御するためのものであり、フラッシュメモリ3に格納されている制御プログラムに従って、RAM4をワークメモリとして利用しながら処理を行う。以下に、CPU2で行われる処理の一例について説明する。
【0019】
CPU2は、キーボード部6の各鍵スイッチのスキャン処理を行って、鍵の押鍵または離鍵に基づいて発生する楽曲データ(演奏データ)を楽音発生部8に割り当てる処理を行う。この楽曲データ(演奏データ)は、各鍵の操作が押鍵(キーオン)であるか離鍵(キーオフ)であるかを示すキーオン/オフ信号や、音高データであるキーナンバ(ノートナンバ)や、音量制御データであるベロシティデータや、各鍵の動作スピードに関するキータッチレスポンス信号や、ある音に対応する鍵が押鍵されたときから、次の音に対応する鍵が押鍵されるまでの時間を表すステップタイムデータや、鍵が押鍵されたときから、その鍵が離鍵されるまでの時間を表すゲートタイムデータなどから構成される。
【0020】
また、CPU2は、操作パネル部7に配設されている録音ボタンのスキャン処理も行なう。この結果、録音ボタンがユーザにより操作され、録音指示がなされたと判断した場合、マニュアル演奏に基づく楽曲データ(演奏データ)をレコーダ13に記録する。
【0021】
さらに、CPU2は、操作パネル部7に配設されている再生ボタンのスキャン処理も行なう。この結果、再生ボタンがユーザにより操作されたと判断した場合、CPU2は、レコーダ13に記録されている楽曲データ(演奏データ)を読み出して、楽音発生部8に割り当てる処理を行う。
【0022】
また、CPU2は、操作パネル部7に配設されている音色設定スイッチ、及び音量設定ボリュームのスキャン処理を行って、設定内容に応じた所望のデジタル楽音信号DMSを楽音発生部8から発生させるための処理を行う。
具体的に説明すると、CPU2は、音色設定スイッチの操作内容を表す音色情報や、音量設定ボリュームの操作内容を表す音量情報などを、楽音発生部8に出力するなどの処理を行う。
【0023】
また、CPU2は、外部記憶装置14やレコーダ13に記録された楽曲データに基づいて譜面データを作成し、作成した譜面データに基づく譜面を操作パネル部7に配設されている液晶表示装置7bに表示させる。
【0024】
具体的に説明すると、まず、CPU2は、操作パネル部7に配設された操作子などの操作に基づいて演奏者により指定された楽曲データを外部記憶装置14から読み出す。また、レコーダ13に楽曲データが記録されている場合には、演奏者による再生ボタンの操作に基づいてレコーダ13は、楽曲データを読み出す処理を行なう。
【0025】
インターフェース部15は、インターネットなどの通信ネットワーク(図示せず)と繋がり、通信ネットワークを経由して電子楽器1と音楽教室の本部に設置されているサーバ(サーバコンピュータ)と接続ためのものである。このように接続することにより、楽曲データや評価データなどの種々の情報を授受することが可能に構成されている。
【0026】
例えば、サーバの外部記憶装置には、多数の楽曲データがデータ記憶領域に蓄積されている。また、サーバのユーザ情報記憶領域には、電子楽器1を夫々使用する各ユーザ(ID)毎に、既に提供した楽曲データの曲目を表わす曲目情報、演奏評価データや演奏解析データなどの演奏履歴情報が蓄積されている。サーバは、電子楽器1で演奏練習するための楽曲データを各電子楽器1の外部記憶装置14にダウンロードしたり、各ユーザの演奏履歴情報を各電子楽器1からアップしたりすることができる。
【0027】
次に、本実施形態の電子楽器1において行われる演奏者の演奏レベル判定処理について説明する。
本実施形態においては、内蔵されている練習曲(バイエルやチェルニーなど)の中から難易度が同程度のものをグループ分けしている。例えば、難易度1の各曲はレベル1のグループに分けられているように、レベル1〜レベルnにグループ分けされている。
【0028】
次に、演奏者の演奏レベル判定を行ない、次のレベルに進むために練習意欲を高めることができるようにする実施形態の一例を、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS201において、演奏者が操作パネル部7の操作子7aを操作して入力される指示に応じて演奏するレベルを選択する。この選択は、上述したようにレベル1〜レベルnにグループ分けされている中から、演奏者が現在のレベルに応じたレベルを選択する。
【0029】
次に、ステップS202に進み、ステップS201で選択したグループの中から、演奏者が演奏する曲を、演奏者が操作パネル部7の操作子7aを操作して入力される指示に応じて選択する。
【0030】
次に、ステップS203に進み、演奏者の演奏データを解析してレベル評価を行なう。ここで行われる演奏操作毎のレベル評価として、本実施形態においては図3(a)に示すように4つの項目について評価するようにしている。
【0031】
すなわち、(1)押鍵は正しいか否か、(2)キーオンタイミングのずれ、(3)キーオフタイミングのずれ、(4)押鍵強度(ベロシティ)の違い、等について正規データと比較して評価を行なっている。
【0032】
次に、ステップS204に進み、ステップS203で行われた評価結果が所定の評価点以上の演奏であったか、すなわち、演奏曲をクリアしたか否か判断する。この判断は、図3(b)に示すように、各回演奏評価データに基づいて行われる。その内容は、本実施形態においては(a)練習対象楽曲データの曲種情報(曲目番号、練習パート及び種類、ジャンル(演歌、童謡、ジャズ、・・・))。(b)練習の日時、(c)演奏ガイドモードの種別、(d)今回の最終演奏評価値(点数)等である。ステップS204の判断の結果、所定の評価点よりも低かった場合にはステップS207に進み、その旨を知らせる表示処理を行う。
【0033】
また、ステップS204の判断の結果、所定の評価点よりも高かった場合にはステップS205に進み、そのグループの演奏レベルをクリアしたか否かを判断する。この判断は、図3(c)に示す演奏解析データに基づいて行なう。
【0034】
本実施形態においては、(e)レパートリー曲情報(例えば、所定評価点以上の演奏回数が所定回数以上の曲目番号や曲数。必要に応じて、ジャンル別の算出やグラフ表示を可能とする)。(f)レパートリー演奏スキル・上達度〔例えば、合格楽曲の評価点の推移(スキル)。当該楽曲の演奏を練習し始めてから所定評価点(例えば、"80"点)が得られるまでの日数(上達スピード)等〕。(g)総練習回数〔曲目別(例えば、現在練習中の楽曲の演奏練習のために楽曲データを何回再生したか)。必要に応じて練習パート別や曲風・ジャンル別の値等も算出する〕。(h)これまでの練習した楽曲の総数、曲種等がある。
【0035】
なお、上記(e)、(f)のレパートリー情報は、例えば、演奏練習で最後まで弾くことができ、所定評価点(例:各演奏パラメータ全ての評価値または平均評価値が"80"点)が所定回(例:3回)得られて合格と判定された曲に関係する情報をいう。
【0036】
ステップS205の判断の結果、クリアしていない場合にはステップS207に進み、その旨を知らせる表示処理を行う。また、ステップS205の判断の結果、上記演奏グループの演奏レベルをクリアした場合にはステップS206に進み、次の演奏レベルに昇進する処理を行なう。すなわち、演奏者がレベル1であった場合には、次回からはレベル2にグループ分けされている練習曲(バイエルやチェルニーなど)を練習することが可能になる。次のレベルに進んだ内容はステップS207において液晶表示装置7bに表示される。
【0037】
本実施形態においては、第1の表示例として、演奏者のレベルに応じたキャラクタを上記液晶表示装置7bに表示するようにしている。例えば、図4(a)に示すように、レベル1では「卵」を表示する。また、図4(b)に示すように、レベル2に昇進すれば「ひよこ」を表示する。さらにレベルアップした場合には、図4(c)に示すように、「にわとり」を表示するようにしている。
【0038】
このように、演奏者のレベルに応じてキャラクタが成長するような表示を液晶表示装置7bに行なうことにより、演奏者の演奏レベル及びその成長具合を視覚によって認識させることができる。また、このような表示を行なうことにより、次のレベルに進むために練習意欲を高めることができる。
【0039】
上述の説明においては、第1の表示例として、レベルに応じて成長するキャラクタを液晶表示装置7bに表示する例を示した。
図5に示すように、第2の表示例は、演奏者の演奏レベルを文字で示す例を示している。例えば、まだレベル2の曲が合格していない、もしくは数曲しか合格していない場合には、図5(a)に示すように、(現在あなたは「レベル2」です。)のように表示する。
【0040】
また、レベル2の曲をあと数曲合格すればレベル2の曲は全曲合格する状態になると、図5(b)に示すように、(もう少しで「レベル3」にレベルアップ!)のように表示する。さらに、レベル2の曲を全曲合格すると、図5(c)に示すように、(おめでとう!「レベル3」に上がりました。現在あなたは「レベル3」です。)のように表示する。
【0041】
なお、レベルアップや表示は上述した例の他に種々の例が考えられる。例えば、
(1)現在のレベルの曲はス数曲しか合格していないが、次のレベルの曲は全曲合格した場合は、現在のレベルがクリアしていなくても次のレベルに進めるようにする。
(2)現在のレベルの曲を弾いたあとの評価が、著しく低い評価が続いた場合にはレベルダウンさせるようにする。
(3)あるレベルの曲がグレード○級と同程度の場合には、「グレード○級相当」などと表示する。
等の例を考えることができる。
【0042】
上述したように、本実施形態においては、演奏者の演奏レベルを液晶表示装置7bに表示するようにしたので、演奏者は自分の現在のレベルを視覚的に認識することが可能となり、次のレベルに進むために練習意欲を高めることができる。
【0043】
(本発明に係る他の実施形態)
上述した本発明の実施形態における電子楽器を構成する各手段、並びに演奏レベルを判定して表示する方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0044】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0045】
なお、本発明は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図2に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接、あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが上記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0046】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、上記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0047】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0048】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0049】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、上記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0050】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0051】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0052】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、上述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても上述した実施形態の機能が実現され得る。
【0053】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても上述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態を示し、電子楽器の構成例を示すブロック図である。
【図2】演奏者の演奏レベルの判定及びレベル表示手順の一例を説明するフローチャートである。
【図3】実施形態の電子楽器において演奏者の演奏レベルを判定する際に使用するデータの一例を示した図であり、(a)は演奏毎の評価を行なう場合に用いられる情報を示し、(b)は各回の演奏評価を行なう情報を示し、(c)はそのグループの演奏レベルをクリアしたか否かを判断する際に使用する演奏解析データの一例を示す図である。
【図4】演奏者の演奏レベルに応じたキャラクタ表示を液晶表示装置に行なう例を示す図である。
【図5】演奏者の演奏レベルに応じた文言を液晶表示装置に行なう例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 電子楽器
2 CPU
3 ROM
4 RAM
5 信号バス
6 キーボード部
7 操作パネル部
7a 各種操作子
7b 液晶表示装置
8 楽音発生部
9 D/A変換部
10 アナログ信号処理部
11 パワーアンプ
12 スピーカ部
13 レコーダ
14 外部記憶装置
15 インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データをユーザの指定に応じて読み出す楽曲データ読み出し手段と、
上記ユーザにより操作される演奏操作子の操作状態に応じて演奏データを生成する演奏データ生成手段と、
上記演奏データ生成手段により生成される演奏データの内容と、上記楽曲データ記憶手段から読み出される楽曲データの内容とを比較して、上記ユーザの演奏レベルを評価する演奏レベル評価手段と、
上記演奏レベル評価手段の評価結果に応じてユーザの演奏レベルを示す情報を生成する演奏レベル情報生成手段と、
上記演奏レベル情報生成手段により生成されるユーザの演奏レベルを示す情報を表示装置に表示して、上記ユーザの演奏レベルを視覚化する表示制御手段とを有することを特徴とする電子楽器。
【請求項2】
上記演奏レベル情報生成手段は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報をキャラクタ画像として生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記キャラクタ画像を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
【請求項3】
上記演奏レベル情報生成手段は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報を文章により生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記文章の内容を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
【請求項4】
上記楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データは難易度に応じてグループ分けされていて、上記楽曲データ読み出し手段は、上記ユーザの演奏レベルに対応するグループ内の練習曲を読み出すことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子楽器。
【請求項5】
楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データをユーザの指定に応じて読み出す楽曲データ読み出し工程と、
ユーザにより操作される演奏操作子の操作状態に応じて演奏データを生成する演奏データ生成工程と、
上記演奏データ生成工程において生成される演奏データの内容と、上記楽曲データ記憶工程から読み出される楽曲データの内容とを比較して、上記ユーザの演奏レベルを評価する演奏レベル評価工程と、
上記演奏レベル評価工程の評価結果に応じてユーザの演奏レベルを示す情報を生成する演奏レベル情報生成工程と、
上記演奏レベル情報生成工程において生成されるユーザの演奏レベルを示す情報を表示装置に表示して、上記ユーザの演奏レベルを視覚化する表示制御工程とを有することを特徴とする演奏レベル表示方法。
【請求項6】
上記演奏レベル情報生成工程は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報をキャラクタ画像として生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記キャラクタ画像を変更することを特徴とする請求項5に記載の演奏レベル表示方法。
【請求項7】
上記演奏レベル情報生成工程は、上記ユーザの演奏レベルを示す情報を文章により生成し、上記ユーザの演奏レベルが向上するのに応じて上記文章の内容を変更することを特徴とする請求項5に記載の演奏レベル表示方法。
【請求項8】
上記楽曲データ記憶装置に記憶されている楽曲データは難易度に応じてグループ分けされていて、上記楽曲データ読み出し工程は、上記ユーザの演奏レベルに対応するグループ内の練習曲を読み出すことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の演奏レベル表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−163575(P2007−163575A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356192(P2005−356192)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】