説明

電子機器、該電子機器における警報出力制御方法及び警報出力制御プログラム

【課題】不意の大音量から操作者の耳を確実に保護すると共に、警報対象の情報としての音声を確実にかつ明瞭に聴き取ることができるようにする。
【解決手段】操作者が通話ポジションで携帯電話機1を保持し、制御部17は、音声出力部8から出力されている伝言メッセージを聴いているような場合に着信があると、バイブレータ27から注意を喚起するための警報としての振動を発生させ、操作者が携帯電話機1を耳元から十分に離したと推定できるタイミングで、音声出力部8に比較的大音量の着信音を出力させる。これによって、不意の大音量から操作者の耳部を一段と確実に保護することができ、着信音として着信通知用楽曲が用いられていても、操作者は、警報対象の情報としての音声を確実にかつ明瞭に聴き取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器、該電子機器における警報出力制御方法及び警報出力制御プログラムに係り、例えば、着信音等の比較的大音量の音声を出力する機能と受話音声等の比較的小音量の音声を出力する機能とを合わせ持つ電気音響変換器を備えた携帯電話機等の電子機器、該電子機器における警報出力制御方法及び警報出力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動中や外出先でも使用可能であるという高い利便性によって、携帯電話機等の携帯型の電子機器が広く普及してきている。
また、携帯電話機として、本来の通話機能のみならず、電子メールの送受信やインターネットに接続してホームページの閲覧が可能なデータ通信機能を有するものが普及している。
このような携帯電話機では、筐体内に、受話音声を出力する受話部と、液晶表示装置からなる表示部と、各種操作キー等からなる操作部と、送話音声を入力する送話部と、着信時に着信音を出力すると共に、楽曲再生時等に楽曲を出力する小型スピーカからなる音声出力部と、伝言メッセージ等が記憶される記憶部とが実装されている。
【0003】
この携帯電話機において、着信があると、音声出力部から着信音が出力され、操作者(使用者)が、操作部の通話開始キーを押下すると、通話が可能となり、操作者は、耳元に受話部を当てて受話部から出力される受話音声を聴くことができる。
また、記憶部に記憶された伝言メッセージ等は、受話部から出力される。また、例えば、サイトからダウンロードしたプログラムを実行して、ゲーム等を楽しむような場合には、表示部の画面を見ながら、音声出力部から出力される楽曲や音声を聞くこととなる。
【0004】
ところで、受話音声を出力する機能(レシーバ機能)と着信音等を出力する機能(スピーカ機能)とを合せ持つ電気音響変換器が提案されており、実装スペースの削減によって、機器の小型化、軽量化及び低コスト化を実現させるために、この電気音響変換器を携帯電話機に搭載することが試みられている。
このような電気音響変換器として、例えば着信用スピーカ部と受話用レシ−バ部とを一体的に形成したものを用いる(例えば、特許文献1等参照。)ほか、パーソナルコンピュータのディスプレイで実用化されているフラットパネルスピーカを、携帯電話機に適用することが考えられる。
なお、フラットパネルスピーカでは、例えば、表示パネルを保護するスクリーン部材が、音声を放射するための振動板として用いられ、表示画面から音声出力がなされる。この振動板の裏面側には、振動が伝達されるように圧電素子を有するアクチュエータモジュールが当接状態で取り付けられ、アクチュエータモジュールが振動板を振動させて音波を放射させる。
【0005】
このような携帯電話機101は、図11及び図12に示すように、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部102と、制御部102が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部103と、アンテナ104を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部105と、例えば、通話時に受話音声を出力すると共に着信時に着信音を出力する音声出力部106と、音声出力部106を駆動するためのスピーカ駆動部107と、例えば液晶表示装置からなる表示部108と、振動によって例えば着信を通知するためのバイブレータ109と、バイブレータ109を駆動するバイブレータ駆動部110と、各種操作キー等からなる操作部111と、送話音声を入力する送話部112とを備えてなっている。
【0006】
制御部102は、無線通信部105から着信信号b1を受け取り(図12参照)、着信有りを検知した場合は、呼出動作設定情報が、着信音出力であるか、又はバイブレータ振動であるかの判定を行う。すなわち、制御部102は、記憶部103へ呼出動作設定情報を要求するための設定情報読込信号b2を送り、記憶部103から呼出動作設定情報b3を受け取る。
制御部102は、読み出された呼出動作設定情報が、着信音出力に設定されている場合には、音声出力部106に比較的大音量の着信音を出力させるように、スピーカ駆動部107へスピーカ駆動開始信号b4を送り、バイブレータ振動に設定されている場合には、バイブレータ駆動部110へバイブレータ駆動開始信号b5を送ってバイブレータ109を起動させる。
【0007】
しかしながら、レシーバ機能とスピーカ機能とを合わせ持つ電気音響変換器を用いることにより、例えば、この電気音響変換器を操作者の耳元に当てた状態で伝言メッセージ等を聴いているときに着信して、突然大音量の着信音が鳴るケースも想定される。
このため、操作者の聴覚への害を防止するために、例えば、折畳み型の携帯電話機で、開状態(展開状態)を検出した時に、使用状態と見なして、着信音量を徐々に大きくする技術(例えば、特許文献2参照。)を採用することが提案されている。
なお、ユーザとの間の距離を計測して、位置関係が不適切であると判断した場合に修正を促す技術(例えば、特許文献3参照。)を適用して、一定距離以下の場合に使用状態と見なすようにすることも考えられる。
【0008】
【特許文献1】特開2004−179701号公報
【特許文献2】特開2004−146934号公報
【特許文献3】特開2003−188957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、電気音響変換器(スピーカ等)から出力される音を、確実に、かつ、良好な音質で明瞭に聴き取ることができないという点である。
例えば、比較的大音量の音として、着信音のような単純な音響信号のほかに、例えば、ダウンロードした楽曲を再生出力させたいような場合に、最初の小音量の部分を聴き逃してしまうことがある。
【0010】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、不意の大音量から操作者の耳を確実に保護することができると共に、警報対象の情報としての音声を、確実に、かつ、良好な音質で明瞭に聴き取ることができる電子機器、該電子機器における警報出力制御方法及び警報出力制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、電気信号を対応する音波に変換して放射する単数又は複数の電気音響変換手段を備えた電子機器に係り、上記電気音響変換手段に対して使用者の耳部が接触又は所定の距離以下の範囲で近接している近接状態であるか否かを判定するための近接判定手段と、上記近接判定手段が、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると判定した場合に、上記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、上記耳部を保護するために注意を喚起する警報を出力する警報出力手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電子機器に係り、上記電気音響変換手段に対する上記耳部の接触又は所定の距離以下の範囲での近接を検出するための近接検出手段を備え、上記近接判定手段は、上記近接検出手段による検出結果に基づいて、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の電子機器に係り、上記近接判定手段は、上記電気音響変換手段から比較的小音量の音波が放射されている場合に、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると見なす判定を行うことを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の電子機器に係り、上記近接検出手段は、上記電気音響変換手段近傍の照度を計測するための光センサを有する照度計測手段と、その配置箇所から近傍の被計測体までの距離を上記電気音響変換手段と上記耳部との間の距離として計測するための距離計測手段と、少なくとも押圧の有無を検出するための圧力検出手段とのうち少なくとも1つを含むことを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の電子機器に係り、上記警報出力手段は、振動を発生させる振動発生手段と、発光を行う発光手段とのうち少なくとも1つを含むことを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の電子機器に係り、上記近接判定手段が、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると判定した場合に、上記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、上記警報を出力するように上記警報出力手段を駆動する駆動制御手段を備えたことを特徴としている。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の電子機器に係り、上記駆動制御手段は、上記警報出力手段が警報の出力を開始してから所定の猶予時間経過後に、上記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射されるように、上記警報出力手段及び上記電気音響変換手段を駆動することを特徴としている。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、請求項5、6又は7記載の電子機器に係り、上記駆動制御手段は、上記振動発生手段に所定の振動パターンで振動を行わせることを特徴としている。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、請求項5乃至8のいずれか1に記載の電子機器に係り、上記駆動制御手段は、上記発光手段に所定の発光パターンで、発光を行わせることを特徴としている。
【0020】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1に記載の電子機器に係り、上記駆動制御手段は、上記電気音響変換手段に比較的大音量の音波を放射させる第1の鳴動モードと、上記電気音響変換手段に比較的小音量の音波を放射させる第2の鳴動モードとのうち、いずれか一方を選択して、上記電気音響変換手段に音波を放射させることを特徴としている。
【0021】
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至10のいずれか1に記載の電子機器に係り、上記電気音響変換手段は、アクチュエータによって振動板を振動させて音波を放射させるフラットパネルスピーカを有してなっていることを特徴としている。
【0022】
また、請求項12記載の発明は、請求項11記載の電子機器に係り、上記アクチュエータは圧電素子を有してなり、上記振動板の所定の部位に接触していることを特徴としている。
【0023】
また、請求項13記載の発明は、請求項11又は12記載の電子機器に係り、少なくとも文字情報を表示させる表示手段を備え、上記振動板は、透明部材からなり、上記表示手段の表示画面を保護するためのスクリーン部材を兼ねることを特徴としている。
【0024】
また、請求項14記載の発明は、請求項1乃至13のいずれか1に記載の電子機器に係り、少なくとも通話を行うための通信手段を備え、上記電気音響変換手段は、比較的小音量の音波としての受話音声を出力することを特徴としている。
【0025】
また、請求項15記載の発明は、請求項14記載の電子機器に係り、携帯電話機からなることを特徴とする。
【0026】
また、請求項16記載の発明は、請求項15記載の電子機器に係り、折畳型の携帯電話機からなり、開閉状態を検出するための開閉検出手段を備え、上記近接判定手段は、上記開閉検出手段によって開状態が検出された場合に、上記近接検出手段による検出結果に基づいて、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴としている。
【0027】
また、請求項17記載の発明は、電気信号を対応する音波に変換して放射する単数又は複数の電気音響変換手段を備えた電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電気音響変換手段に対して使用者の耳部が接触又は所定の距離以下の範囲で近接している近接状態であるか否かを判定する近接判定ステップと、上記近接判定ステップで、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると判定した場合に、上記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、上記耳部を保護するために注意を喚起する警報を警報出力手段に出力させる警報出力ステップとを含むことを特徴としている。
【0028】
また、請求項18記載の発明は、請求項17記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電気音響変換手段に対する上記耳部の接触又は所定の距離以下の範囲での近接を検出するための近接検出ステップを含み、上記近接判定ステップでは、上記近接検出ステップにおける検出結果に基づいて、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴としている。
【0029】
また、請求項19記載の発明は、請求項17記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記近接判定ステップでは、上記電気音響変換手段から比較的小音量の音波が放射されている場合に、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると見なす判定を行うことを特徴としている。
【0030】
また、請求項20記載の発明は、請求項18記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記近接検出ステップでは、上記電気音響変換手段近傍の照度を計測するための光センサを有する照度計測手段と、その配置箇所から近傍の被計測体までの距離を上記電気音響変換手段と上記耳部との間の距離として計測するための距離計測手段と、少なくとも押圧の有無を検出するための圧力検出手段とのうち少なくとも1つを用いることを特徴としている。
【0031】
また、請求項21記載の発明は、請求項17乃至20のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記警報出力手段は、振動を発生させる振動発生手段と、発光を行う発光手段とのうち少なくとも1つを含むことを特徴としている。
【0032】
また、請求項22記載の発明は、請求項17乃至21のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記近接判定ステップで、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると判定した場合に、上記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、上記警報を出力するように上記警報出力手段を駆動する駆動制御ステップを含むことを特徴としている、
【0033】
また、請求項23記載の発明は、請求項22記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記駆動制御ステップでは、上記警報出力手段が警報の出力を開始してから所定の猶予時間経過後に、上記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射されるように、上記警報出力手段及び上記電気音響変換手段を駆動することを特徴としている。
【0034】
また、請求項24記載の発明は、請求項21、22又は23記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記駆動制御ステップでは、上記振動発生手段に所定の振動パターンで振動を行わせることを特徴としている。
【0035】
また、請求項25記載の発明は、請求項21乃至24のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記駆動制御ステップでは、上記発光手段に所定の発光パターンで、発光を行わせることを特徴としている。
【0036】
また、請求項26記載の発明は、請求項17乃至25のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記駆動制御ステップでは、上記電気音響変換手段に比較的大音量の音波を放射させる第1の鳴動モードと、上記電気音響変換手段に比較的小音量の音波を放射させる第2の鳴動モードとのうち、いずれか一方を選択して、上記電気音響変換手段に音波を放射させることを特徴としている。
【0037】
また、請求項27記載の発明は、請求項17乃至26のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電気音響変換手段は、アクチュエータによって振動板を振動させて音波を放射させるフラットパネルスピーカを有してなっていることを特徴としている。
【0038】
また、請求項28記載の発明は、請求項27記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記アクチュエータは圧電素子を有してなり、上記振動板の所定の部位に接触していることを特徴としている。
【0039】
また、請求項29記載の発明は、請求項27又は28記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電子機器は、少なくとも文字情報を表示させる表示手段を備え、上記振動板は、透明部材からなり、上記表示手段の表示画面を保護するためのスクリーン部材を兼ねることを特徴としている。
【0040】
また、請求項30記載の発明は、請求項17乃至29のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電子機器は、少なくとも通話を行うための通信手段を備え、上記電気音響変換手段は、比較的小音量の音波としての受話音声を出力することを特徴としている。
【0041】
また、請求項31記載の発明は、請求項30記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電子機器は、携帯電話機からなることを特徴としている。
【0042】
また、請求項32記載の発明は、請求項31記載の電子機器における警報出力制御方法に係り、上記電子機器は、折畳型の携帯電話機からなり、開閉状態を検出するための開閉検出手段を備え、上記近接判定ステップでは、上記開閉検出手段によって開状態が検出された場合に、上記近接検出ステップにおける検出結果に基づいて、上記電気音響変換手段に対して上記耳部が上記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴としている。
【0043】
また、請求項33記載の発明に係る警報出力制御プログラムは、コンピュータに請求項17乃至32のうちいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法を実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0044】
この発明の構成によれば、警報出力手段が、電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、注意を喚起するための警報を出力するので、不意の大音量から使用者の耳を確実に保護することができると共に、警報出力後は、減衰させることなく比較的大音量の音波が出力されるので、警報対象の情報としての音声や楽曲等を確実に、かつ、良好な音質で明瞭に聴き取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
警報出力手段が、電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、注意を喚起するための警報を出力することによって、不意の大音量から使用者の耳を確実に保護すると共に、警報出力後は、減衰させることなく比較的大音量の音波が出力されるので、警報対象の情報としての音声や楽曲等を確実に、かつ、良好な音質で明瞭に聴き取るという目的を実現した。
【実施例1】
【0046】
図1は、この発明の第1実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図、図2は、同携帯電話機の構成を示す斜視図、図3は、同携帯電話機の音声出力部の構成を説明するための説明図、図4は、同携帯電話機の動作を説明するための処理手順図、また、図5は、同携帯電話機の動作を説明するための説明図である。
この例の携帯電話機1は、折畳可能な筐体を備えると共に、本来の通話機能のほか、例えば電子メールの送受信やインターネットに接続してホームページの閲覧が可能なデータ通信機能を有し、図1及び図2に示すように、上部ユニット2と下部ユニット3とが、折畳可能なようにヒンジ部4で相互に結合されて構成されている。
【0047】
上部ユニット2は、図1及び図2に示すように、折畳可能な扁平な筐体5を構成する上部筐体6に、フラットパネルスピーカからなり、例えば、通話時に受話音声を出力すると共に動画や楽曲の再生時及び着信時に音声を出力する音声出力部8と、音声出力部8を駆動するための圧電駆動部9と、液晶表示装置からなり例えば機能設定画面や、待受画面等が表示される表示部11と、LEDを有し例えば着信時や通話時に発光する発光部12と、開状態での照度に応じた照度計測信号を出力する照度計測部13と、マグネット14とが実装されて概略構成されている。
【0048】
下部ユニット3は、図1及び図2に示すように、折畳可能な扁平な筐体5を構成する下部筐体16に、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部17と、制御部17が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部18と、アンテナ19を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部21と、数字や文字の入力操作等を行うための多数の各種操作キー等からなる操作部22と、送話音声を入力するマイクロフォンからなる送話部23と、閉状態でマグネット14に対向配置されるように設けられた磁気センサ24と、磁気センサ24からの検出信号に基づいて、開閉検知信号を生成し出力する開閉検知部25と、計時部26と、振動によって例えば着信を通知するためのバイブレータ27と、バイブレータ27を駆動するバイブレータ駆動部28とが実装されて概略構成されている。
【0049】
筐体5は、ヒンジ部4で相互に結合された上部筐体6と下部筐体16とからなり、ヒンジ部4は、上部筐体6と下部筐体16とを回転自在に結合して当該携帯電話機1に折畳可能な構造を付与している。
操作者(使用者)は、例えば通話時には、筐体5を開いて、音声出力部8の後述する振動板32を操作者の耳部に当てて、送話部23を口部に近接させた状態(通話ポジション)で、当該携帯電話機1を使用する。
【0050】
音声出力部8は、フラットパネルスピーカからなり、図3に示すように、例えばアクリル樹脂製の透明部材が用いられ、液晶表示パネル31を保護するスクリーン部材を兼ねる振動板32と、圧電素子を有し振動板32を振動させて音波を放射させるアクチュエータモジュール33と、上部筐体6内部への塵埃等の異物の侵入を防止するための扁平な枠状のガスケット部材(不図示)とを備えてなっている。
アクチュエータモジュール33は、制御部17によって制御される圧電駆動部9を介して、増幅された駆動信号を受け取って、電気信号としての駆動信号を音響信号に変換して振動板32を振動させる。
【0051】
表示部11は、上側筐体6の内側の面に配設され例えば透過型の液晶表示装置を有してなっている。液晶表示装置は、液晶表示パネル31と、液晶表示パネル31に照明光を与えるバックライト装置と、液晶表示パネル31を駆動する駆動回路と、液晶表示パネル31やバックライト装置を保持する保持フレームとを有してなっている。
液晶表示パネル31は、例えばTFT(Thin Film Transistor)構造の透過型の液晶表示パネルであり、TFTと透明画素電極とが多数形成されているTFT基板と、TFT基板と数[μm]の間隙を介して対向して固定され、着色層(カラーフィルタ)が形成された対向基板と、上記間隙に封入された液晶層と、TFT基板、対向基板の外側に配設された一対の偏向板とを有している。
【0052】
バックライト装置は、点状光源としての複数のLEDからなる光源ユニットと、光源ユニットから出射した光を受光し面状の照明光を液晶表示パネル31へ向けて出射する導光板、輝度のばらつきを補正するための拡散シート及び導光板側から入射した照明光を集光するプリズムシートを含む光学部材群とを有してなり、液晶表示パネル29に裏面側から照明光を照射して、液晶表示パネル31を透過した光を観察者に視認させる。
照度計測部13は、例えば、シリコンやセレンを用いた光電池からなり、受光した光の強度に応じた電気信号を出力する光センサと、光センサの出力に基づいて開状態での照度に応じた校正された照度計測信号を出力する計測部とを有する。
【0053】
制御部17は、CPU(中央処理装置)等を有してなり、記憶部18に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部18に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し、通信制御処理や、例えば鳴動モードを選択して音声を出力させ、また、必要に応じて警報としての振動をバイブレータ27に発生させる鳴動・振動発生制御処理等を実行する。
制御部17は、鳴動・振動発生制御処理では、音声出力部8に、比較的小音量で音声出力を行わせるレシーバモード(第2の鳴動モード)と、音声出力部8に、比較的大音量で音声出力を行わせるスピーカモード(第1の鳴動モード)とのうち何れか一方の鳴動モードを、要求や状況に応じて選択して、音声出力部8を鳴動させる。
制御部17は、例えば、通話時には受話音声を、伝言メッセージ再生時には記録された音声を、音声出力部8にレシーバモードで出力させ、動画や音楽の再生時に音声や楽曲を、着信時に着信音を、音声出力部8にスピーカモードで出力させる。
【0054】
また、制御部17は、鳴動・振動発生制御処理では、例えば着信時に、操作者が耳部を、音声出力部8の振動板32に接触させているか又は近接させていると見なせる場合に、音声出力部8から大音量の音声が出力される直前に、操作者に注意を喚起するための警報としての振動を、バイブレータ27に発生させる。
この例では、制御部17は、着信時に、呼出動作設定が着信音出力とされているときに、開状態であり、かつ、照度が所定の閾値以下であると、操作者が耳部を、音声出力部8の振動板32に接触させているか又は近接させていると見なし、音声出力部8から、着信音大音量の音声が出力される前に、警報としての振動を、バイブレータ27に発生させる。
【0055】
ここで、制御部17は、バイブレータ27起動後、操作者による応答があった場合(例えば、操作部22の通話開始キーの押下を検知した場合)、又は携帯電話機1を耳部から離すために必要な所定の猶予時間経過後に、バイブレータ27を停止させ、操作者による応答がなった場合には、音声出力部8に比較的大音量の着信音を出力させるように、圧電駆動部9やバイブレータ駆動部28等を制御する。
操作者がこの警報しての振動を認知することにより、操作者が、通話ポジションで携帯電話機1を使用している場合には、耳部から携帯電話機1を離し、大音量によって、不快感を覚えたり、操作者が、耳部に障害を被ることが防止される。
【0056】
記憶部18は、ROM、RAM等の半導体メモリ等からなり、制御部17が実行する通信制御処理プログラムや、鳴動・振動発生制御処理プログラム、ブラウザ、メーラ等の各種処理プログラム等が記憶されたプログラム記憶領域と、呼出動作設定情報(着信時の呼出しを、着信音に出力によって行うか、又はバイブレータ27の振動によって行うかの設定情報)等各機能の設定情報や、通信履歴情報、電話帳情報、文字メッセージ情報、着信時に出力させる着信用通知楽曲、音声付き動画ファイル等の各種情報が記憶された情報記憶領域とを有すると共に、この記憶部18には、制御部17がプログラム実行時に用いる各種レジスタやフラグが確保されている。
【0057】
上記鳴動・振動発生制御処理プログラムには、例えば、通話時には受話音声を、伝言メッセージ再生時には記録された音声を、音声出力部8にレシーバモードで出力させ、動画や音楽の再生時に音声や楽曲を、着信時に着信音を、音声出力部8にスピーカモードで出力させるための手順とが記述されている。
また、鳴動・振動発生制御処理プログラムには、着信を検知した場合に、呼出動作設定情報が、着信音出力であるか、又はバイブレータ振動であるかの判定を行うための手順と、読み出された呼出動作設定情報が、着信音出力に設定されている場合に、開閉検知部25から送られてくる開閉検知信号a4に基づいて、筐体5が開状態であるか否か検知するための手順と、開状態であると検知した場合に、照度計測部13へ照度測定指示信号a5を送り、照度計測部13から受け取った照度検出信号a6に基づいて、照度が所定の閾値以下であることを検知した場合に、操作者が耳部を、音声出力部8の振動板32に接触させているか又は近接させていると見なす判定を行い、計時部26へタイマリセット信号a7を送り、計時部26をリセットし、計時開始指示信号a8を送って計時部26を起動し、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動開始信号a9を送ってバイブレータ27を起動させるための手順と、バイブレータ起動後、操作者による応答の有無を判断し、応答無しの場合は、タイムアップか否かを判断し、計時部26からタイマカウントアップ信号a11を受け取り、所定の猶予時間経過したと判断した場合は、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動停止信号a10を送って、バイブレータ27を停止させ、音声出力部8に比較的大音量の着信音を出力させるように、圧電駆動部9へスピーカ駆動開始信号a12を送るための手順とが記述されている。
【0058】
無線通信部21は、RF回路や、変復調回路、ベースバンド処理回路等からなり、音声やデータを変調してアンテナ19を介して無線電波として送信すると共に、無線電波をアンテナ19を介して受信して音声やデータに復調し、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる。
操作部22は、ブラウザを起動させてホームページを閲覧するためのブラウザモード選択キー、操作を決定するために用いられる決定キー、操作メニューを表示させるためのメニューキー、文字入力モードを切り換えるための入力モード切替えキー、電話帳を登録したり検索するための電話帳キー、音声通話を行うために用いる通話開始キー、操作を1つ前の状態へ戻すクリアキー、及び電源の入切りを行った各種操作を中止するために用いられる電源キーを含む機能キー群と、表示部11に表示された表示画面上のカーソルを上下左右方向へ移動させるためのカーソルキーと、例えば数字等を入力するためのテンキー群とを有している。
【0059】
次に、図4及び図5を参照して、この例の携帯電話機1について説明する。
電源投入後、この例の携帯電話機1の制御部17は、操作者による入力操作や着信を待機する待受けモードに入る。
制御部17は、着信の有無を監視し(ステップSA11(図4))、無線通信部21から着信信号a1を受け取り(図5参照)、着信有りを検知した場合は、呼出動作設定情報が、着信音出力であるか、又はバイブレータ振動であるかの判定を行う(ステップSA12)。
すなわち、制御部17は、記憶部18へ呼出動作設定情報を要求するための設定情報読込信号a2を送り、記憶部18から呼出動作設定情報a3を受け取る。
【0060】
制御部17は、読み出された呼出動作設定情報が、着信音出力に設定されている場合には、ステップSA13へ進み、バイブレータ振動に設定されている場合には、ステップSA27へ進む。
ステップSA13では、制御部17は、開閉検知部25から送られてくる開閉検知信号a4に基づいて、筐体5が開状態(展開された状態)であるか閉状態(折り畳まれた状態)かを判断する。制御部17は、開状態であると判断した場合には、ステップSA14へ進み、閉状態であると判断した場合には、ステップSA22へ進む。
【0061】
ステップSA14では、制御部17は、照度計測部13へ照度測定指示信号a5を送り、照度計測部13から受け取った照度計測信号a6に基づいて、照度が所定の閾値以下である判断すると、ステップSA15へ進み、照度が所定の閾値を越えている判断すると、ステップSA22へ進む。
ステップSA15では、制御部17は、計時部26へタイマリセット信号a7を送り、計時部26をリセットする。次に、制御部17は、計時開始指示信号a8を送って計時部26を起動し(ステップSA16)、かつ、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動開始信号a9を送ってバイブレータ27を起動させる(ステップSA17)。
【0062】
制御部17は、バイブレータ起動後、操作者による応答の有無を判断し(ステップSA18)、応答無しの場合は、ステップSA19へ進み、例えば、操作部22の通話開始キーの押下を検知した場合には、ステップSA20へ進み、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動停止信号a10を送って、バイブレータ27を停止させて、ステップSA25へ進む。
ステップSA19では、制御部17は、タイムアップか否か、すなわち、バイブレータ27による振動を開始してから、携帯電話機1を耳部から離すために必要な所定の猶予時間経過したか否か判断する。
【0063】
制御部17は、計時部26からタイマカウントアップ信号a11を受け取り、所定の猶予時間経過したと判断した場合は、ステップSA21へ進み、これ以外の場合は、ステップSA17へ戻る。
ステップSA21では、制御部17は、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動停止信号a10を送って、バイブレータ27を停止させる。次に、制御部17は、音声出力部8に比較的大音量の着信音を出力させるように、圧電駆動部9へスピーカ駆動開始信号a12を送る(ステップSA22)。なお、制御部17は、発光部12を制御してLEDを発光させ、着信通知を行う。
【0064】
次に、操作者による応答の有無を判断し(ステップSA23)、応答無しの場合は、ステップSA22へ戻り、例えば、操作部22の通話開始キーの押下を検知した場合には、圧電駆動部9へスピーカ駆動停止信号a13を送って、着信音の出力を停止させ(ステップSA24)、ステップSA25へ進む。
一方、ステップSA27では、制御部17は、バイブレータ27を起動させ、操作者による応答の有無を判断し(ステップSA28)、応答無しの場合は、ステップSA27へ戻り、例えば、操作部22の通話開始キーの押下を検知した場合には、バイブレータ27を停止させて(ステップSA29)、ステップSA25へ進む。
【0065】
ステップSA25では、制御部17は、通話処理を開始し、通話相手からの音声は、音声出力部8から出力される。
すなわち、制御部17は、圧電駆動部9を制御して、増幅された駆動信号がアクチュエータモジュール33に供給されるようにする。アクチュエータモジュール33は、増幅された駆動信号を受け取って、電気信号としての駆動信号を音響信号に変換して振動板32を振動させ、振動板32からは、音波が直接放射される。
操作者は、通話ポジションで、受話音声を聞き、送話部23に向けて発声して、通話を行うことができる。通信切断がなれると(ステップSA26)、制御部17は、通話処理を終了する。
【0066】
このように、この例の構成によれば、例えば、操作者が通話ポジションで携帯電話機1を保持し、音声出力部8から出力されている伝言メッセージを聴いているような場合に、着信があったときでも、制御部17は、照度計測部13からの照度計測信号a6に基づいて、照度が所定の閾値以下であると、操作者の耳部が音声出力部8に近接しているものと見なす判定を行い、バイブレータ27に注意を喚起するための警報としての振動を発生させ、操作者が携帯電話機1を耳元から十分に離したと推定できるタイミングで、音声出力部8に比較的大音量の着信音を出力させるので、不意の大音量から操作者の耳部を一段と確実に保護し安全性を向上させることができる。
【0067】
また、最初から比較的大音量の着信音が出力されるので、着信音として着信通知用楽曲が用いられていても、操作者は、警報対象の情報としての音声を確実に、かつ、良好な音質で明瞭に聴き取ることができる。
すなわち、例えば、着信通知用楽曲を高品位のBGMとして楽しむことができるほか、着信通知用楽曲を通話相手に対応させて設定している場合でも、徐々に音量を増加させる従来技術におけるように、最初の小音量の部分を聴き逃してしまうようなことがないので、識別が困難となるようなこともない。
また、フラットパネルスピーカの採用によって、機器の薄型化及び小型化に寄与することができる。
また、筐体の開閉状態だけでなく、照度を計測して、ユーザにのよる使用状態/非使用状態を判断するので、無用に警報としての振動を出力することもない。
【実施例2】
【0068】
図6は、この発明の第2実施例である携帯電話機の動作を説明するための処理手順図である。
この例が上述した実施例1と大きく異なるところは、着信時等に加えて、操作者からの音声出力要求時にも必要に応じて警報を発するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した実施例1の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0069】
この例では、鳴動・振動発生制御処理で、制御部17は、例えば操作者からの音声出力要求時に、スピーカモードでの音声出力があり、操作者が耳部を、音声出力部8の振動板32に接触させているか又は近接させていると見なせる場合に、音声出力部8から大音量の音声が出力される直前に、操作者に注意を喚起するための警報としての振動を、バイブレータ27に発生させる。
操作者がこの警報しての振動を受けることにより、音声出力部8の振動板32に耳部を接近させて、通話ポジションで携帯電話機1を保持して音声を確認しようとしていた場合には、この動作を中止し、大音量によって、不快感を覚えたり、操作者が、耳部に障害を被ることが防止される。
【0070】
この例では、記憶部18のプログラム記憶領域に記憶された鳴動・振動発生制御処理プログラムには、所定のプログラム実行要求を受けた場合に、音声出力要求を含むか否か判断するための手順と、音声出力要求を含むと判断した場合に、スピーカモードでの音声出力であるか否か判断し、スピーカモードである場合に、開閉検知部25から送られてくる開閉検知信号a4に基づいて、筐体5が開状態であるか否か検知するための手順と、開状態を検知した場合に、照度計測部13へ照度測定指示信号a5を送り、照度計測部13から受け取った照度検出信号a6に基づいて、照度が所定の閾値以下であることを検知すると、計時部26へタイマリセット信号a7を送り、計時部26をリセットし、計時開始指示信号a8を送って計時部26を起動し、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動開始信号a9を送ってバイブレータ27を起動させるための手順と、バイブレータ起動後、タイムアップか否か判断するための手順と、計時部26からタイマカウントアップ信号a11を受け取り、所定の猶予時間経過したと判断した場合に、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動停止信号a10を送って、バイブレータ27を停止させ、記憶部18に記憶された例えば動画ファイルを実行し、圧電駆動部9を制御して、音声出力部8に所定の音声や楽曲を出力させるための手順とが記述されている。
【0071】
次に、図6を参照して、この例の携帯電話機1について説明する。
操作者Pが、筐体5を開いて、例えば、サイトからダウンロードしたプログラム(音声付き動画ファイル等)を実行する場合に、操作部22を操作すると、制御部17は、プログラム実行要求を受け、音声出力要求を含むか否か判断する(ステップSB11(図6))。
制御部17は、音声出力要求を含むと判断すると、次に、スピーカモードでの音声出力であるか否か判断する(ステップSB12)。ここで、スピーカモードである場合は、ステップSB13へ進み、レシーバモードである場合は、ステップSB20へ進む。
【0072】
次に、ステップSB13では、制御部17は、開閉検知部25から送られてくる開閉検知信号a4に基づいて、筐体5が開状態であるか否か判断する。制御部17は、開状態であると判断した場合には、ステップSB14へ進み、閉状態であると判断した場合には、ステップSB20へ進む。
【0073】
ステップSB14では、制御部17は、照度計測部13へ照度測定指示信号a5を送り、照度計測部13から受け取った照度検出信号a6に基づいて、照度が所定の閾値以下である判断すると、ステップSB15へ進み、照度が所定の閾値を越えている判断すると、ステップSB20へ進む。
ステップSB15では、制御部17は、計時部26へタイマリセット信号a7を送り、計時部26をリセットする。次に、制御部17は、計時開始指示信号a8を送って計時部26を起動し(ステップSB16)、かつ、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動開始信号a9を送ってバイブレータ27を起動させる(ステップSB17)。
ここで、操作者がバイブレータ27から振動を受けることにより、音声出力部8の振動板32に耳部を接近させて、通話ポジションで携帯電話機1を保持して音声を確認しようとしていた場合には、この動作を中止し、大音量によって、不快感を覚えたり、操作者が、耳部に障害を被ることが防止される。
【0074】
制御部17は、バイブレータ起動後、タイムアップか否か、すなわち、バイブレータ27による振動を開始してから、携帯電話機1を耳部から離すために必要な所定の猶予時間経過したか否か判断する。
【0075】
制御部17は、計時部26からタイマカウントアップ信号a11を受け取り、所定の猶予時間経過したと判断した場合は、ステップSB19へ進み、これ以外の場合は、ステップSB17へ戻る。
ステップSB19では、制御部17は、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動停止信号a10を送って、バイブレータ27を停止させる。次に、制御部17は、記憶部38に記憶された例えば動画ファイルを実行し、圧電駆動部9を制御して、音声出力部32に所定の音声や楽曲を出力させ(ステップSB20)、表示部11に画像(動画)を表示させる。
【0076】
ここで、制御部17は、圧電駆動部9を制御して、増幅された駆動信号がアクチュエータモジュール33に供給されるようにする。アクチュエータモジュール33は、増幅された駆動信号を受け取って、電気信号としての駆動信号を音響信号に変換して振動板32を振動させる。振動板32からは、音波が直接放射される。操作者は、表示部11の表示画面を見ることができる。
なお、例えば、サイトからダウンロードしたプログラム(音声付き動画ファイル等)を実行する場合のほか、メール読上機能を用いる場合にも、振動板32から音声が放射される。
【0077】
このように、この例の構成によれば、操作者がバイブレータ27から振動を受けることにより、音声出力部8の振動板32に耳部を接近させて、通話ポジションで携帯電話機1を保持して音声を確認しようとしていた場合には、この動作を中止し、不意の大音量から操作者の耳部を一段と確実に保護することができると共に、操作者は、警報対象の情報としての音声を確実にかつ明瞭に聴き取ることができる。
すなわち、例えば、ダウンロードした楽曲を再生出力させたいような場合に、徐々に音量を増加させる従来技術におけるように、最初の小音量の部分を聴き逃してしまうようなことがない。
また、フラットパネルスピーカの採用によって、機器の薄型化及び小型化に寄与することができる。
また、筐体の開閉状態だけでなく、照度を計測して、ユーザにのよる使用状態/非使用状態を判断するので、無用に警報としての振動を出力することもない。
【実施例3】
【0078】
図7は、この発明の第3実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
この例が上述した実施例1と大きく異なるところは、フラットパネルスピーカに代えて、受話音声を発する機能と着信音等を発する機能とを有する音声出力部を設けた点、及び照度計測部に代えて圧力計測部を備えた点である。
これ以外の構成は、上述した実施例1の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0079】
この例の携帯電話機1Aは、図7に示すように、上部ユニット35と下部ユニット36とが、折畳可能なようにヒンジ部で相互に結合されて構成されている。
上部ユニット35は、上部筐体に、例えば、通話時に受話音声を出力すると共に動画や音楽再生時に音声を出力し、かつ、着信時に着信音を出力する音声出力部37と、音声出力部37を駆動するためのスピーカ駆動部38と、表示部39と、発光部41と、表示面が押された場合の押圧力を検出するための圧力計測部42と、マグネット43とが実装されて概略構成されている。
圧力計測部42は、液晶表示パネルの裏面側(例えば、保持フレームと導光板とに間)に配置された圧電素子等からなる圧力センサと、圧力センサの出力信号に基づいて圧力計測信号を出力する計測部とを有している。
下部ユニット36は、図7に示すように、下部筐体に、制御部44と、記憶部45と、アンテナ46と、無線通信部47と、操作部48と、送話部49と、磁気センサ51と、開閉検知部52と、計時部53と、バイブレータ54と、バイブレータ駆動部55とが実装されて概略構成されている。
【0080】
この例の構成によれば、上述した実施例1と略同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0081】
図8は、この発明の第4実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図、また、図9は、同携帯電話機の構成を示す斜視図である。
この例が上述した実施例1と大きく異なるところは、照度計測部に代えて、距離計測部を用いた点である。
これ以外の構成は、上述した実施例1の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0082】
この例の携帯電話機1Bは、図8及び図9に示すように、上部ユニット57と下部ユニット58とが、折畳可能なようにヒンジ部で相互に結合されて構成されている。
上部ユニット57は、上部筐体に、フラットパネルスピーカからなり、例えば、通話時に受話音声を出力すると共に動画や音楽再生時に音声を出力し、かつ、着信時に着信音を出力する音声出力部59と、音声出力部59を駆動するための圧電駆動部61と、表示部62と、発光部63と、その配置箇所から近傍の被計測体までの距離を音声出力部59から操作者の耳部までの距離として検出するための距離計測部64と、マグネット65とが実装されて概略構成されている。
この例の距離計測部64は、赤外線を出射し、被計測体に反射して戻ってくる赤外線を受け、赤外線の出射のタイミングと、入射のタイミングとの差に基づいて、赤外線の出射(入射)部位から近傍の被計測体までの距離を計測する。
下部ユニット58は、図8及び図9に示すように、下部筐体に、制御部66と、記憶部67と、アンテナ68と、無線通信部69と、操作部71と、送話部72と、磁気センサ73と、開閉検知部74と、計時部75と、バイブレータ76と、バイブレータ駆動部77とが実装されて概略構成されている。
【0083】
この例の構成によれば、上述した実施例1と略同様の効果を得ることができる。
【実施例5】
【0084】
図10は、この発明の第5実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
この例が上述した実施例1と大きく異なるところは、例えば着信音出力用の補助音声出力部を付加した点である。
これ以外の構成は、上述した実施例1の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0085】
この例の携帯電話機1Cの上部ユニットは、図10に示すように、上部筐体に、フラットパネルスピーカからなり、例えば、通話時に受話音声を出力すると共に動画や音楽再生時に音声を出力する主音声出力部79と、主音声出力部79を駆動するための圧電駆動部81と、表示部82と、発光部83と、照度計測部84と、マグネット85とが実装されて概略構成されている。
下部ユニットは、図10に示すように、下部筐体に、制御部86と、記憶部87と、着信時に着信音を出力する補助音声出力部88と、補助音声出力部88を駆動するための補助スピーカ駆動部89と、アンテナ91と、無線通信部92と、操作部93と、送話部94と、磁気センサ95と、開閉検知部96と、計時部97と、バイブレータ98と、バイブレータ駆動部99とが実装されて概略構成されている。
【0086】
この例の構成によれば、上述した実施例1と略同様の効果を得ることができる。
特に、受話音声を出力する機能と着信音等を出力する機能とを合せ持つ多鳴動モードの電気音響変換器として、実施例1や実施例2等で述べたように、電気音響変換器としての同一部品を用いたフラットパネルスピーカを用いたり、実施例3で述べたように、例えば、特許文献1に記載されているような2種類の電気音響変換器を一体化してなる電気音響変換器としての音声出力部を用いるほか、同一筐体内に比較的大音量の音波が放射する電気音響変換器と比較的小音量の音波が放射する電気音響変換器との2種類の電気音響変換器としての主音声出力部及び補助音声出力部を配置する場合にも適用することができる。
この場合、それぞれ、レシーバ用部品、スピーカ用部品としての主音声出力部及び補助音声出力部を、必ずしも互いに十分に離れた位置に配置しなくても良く、設計上の自由度を向上させることができる。
【実施例6】
【0087】
この例が上述した実施例1と大きく異なるところは、着信有りを検知した場合に、音声出力処理中か否かによって、操作者が通話ポジションで携帯電話機1を保持していると見なすか否か判断する点である。
これ以外の構成は、上述した実施例1の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
【0088】
制御部17は、着信の有無を監視し、着信有りを検知した場合は、音声出力処理中か否か、すなわち、現在、音声出力部8から音声が出力されているか否か判断する。音声出力処理中で、例えば、操作者が通話ポジションで携帯電話機1を保持し、音声出力部8から伝言メッセージが出力されているような場合は、制御部17は、バイブレータ駆動部28へバイブレータ駆動開始信号a9を送って、所定時間バイブレータ27を起動させた後に、音声出力部8に着信音を出力させる。これ以外の場合は、制御部17は、バイブレータ27を起動させることなく直ぐに着信音を出力させる。
【0089】
この例の構成によれば、上述した実施例1と略同様の効果を得ることができる。
加えて、検知のためのセンサ類を廃することができるので、機器の小型化、軽量化及び低コスト化に一段と寄与することができる。
【0090】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、バイブレータによって、警報としての振動を発生させる場合について述べたが、振動発生に代えて又は加えて、警報として発光部の発光(ストロボ発光又はイルミネーション表示用発光)を行わせるようにしても良い。この場合、直後に出力される音響信号(音波)の音量の程度や種類等に応じて、振動や発光の強さやパターン(オン/オフパターン等)を変更するように構成しても良い。
【0091】
また、振動や発光の強さを徐々に強くするようにしても良い。また、振動オフ時に発光オンとする等、振動と発光とを連動させるようにしても良い。また、耳部近接の検知の有無に関わらず、着信音発生前に振動や発光を行わせるようにしても良い。また、操作者の確認操作により、振動や発光を停止させるようにしても良い。
また、不意の割込みとして、着信時以外に、例えば楽曲等の予め設定したスケジュールに従った出力等を含めても良い。また、着信時に限らず、例えば、電池残量に応じて警報を出すように設定した場合に適用するようにしても良い。
また、着信音設定時に、操作者の望まないバイブレータ起動を回避するために、デフォルトでは、この設定はなされないようにしても良い。すなわち、操作者による設定なしにはこの機能は、無効とされるように構成しても良い。
【0092】
また、電子カメラユニットを付加して、撮影機能や、テレビ電話機能を持たせるようにしても良い。この場合、操作者の耳部の近接を電子カメラで撮像して検知するようにしても良い。また、照度計測部や距離計測部は、複数箇所に配置するようにしても良い。また、例えば音声出力部から撮影時に擬似シャッタ音を発生させるようにしても良い。また、複数種のセンサを組み合わせて用いても良い。
【0093】
また、例えば実施例1で、携帯電話機1の使用方法として、必ずしも通話ポジションで、通話しなくても良い。すなわち、フラットパネルスピーカの採用により、操作者は、振動板31を耳部に当てなくても、例えば、携帯電話機1を正面に向けた状態で、受話音声を聴くことができる。このため、従来技術のように、音孔位置から外れて音声が不明瞭になることなく、確実にかつ明瞭に受話音声を聴くことができると共に、耳部を携帯電話機1から離して、送話部28に向けて発生して、通話を行うことができる。また、画像(動画又は静止画)が付加されている場合は、操作者は、表示部9の表示画面を見ながら音声を聴くことができる。
【0094】
また、例えば実施例1で、照度の計測によって開閉状態も検知するようにし、マグネットや磁気センサ等を廃しても良い。
また、実施例3では、液晶表示パネルの裏面側に圧力センサを配置する場合について述べたが、筐体の側面部に配置するようにしても良い。
また、実施例3においても、フラットパネルスピーカを用いるようにしても良い。
【0095】
また、レシ−バモード及びスピーカモードの2つのモードに限らず、音量の異なる3段階以上のモード切換えを行うようにしても良い。
また、警報対象としてブザーやベルからの出力を含めるようにしても良い。
また、イヤホンやヘッドホンを用いる場合にも適用できる。また、マイクロフォンが装着されたヘッドセットを用いる場合にも適用できる。
【0096】
表示部は、液晶パネルに限らず、LEDを用いた自発光ディスプレイを用いても良い。また、エレクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイでも良いし、DMD(digital micromirror device)等の反射型ミラーデバイスを用いたものでも良い。
また、単に開閉のみ可能な折畳式の携帯電話機に限らず、2軸ヒンジで、上部ユニットと下部ユニットとが、互いに開閉自在で、かつ、開閉を行うための回動軸に直交する回動軸の周りにも一方のユニットが他方のユニットに対して回動自在に相互に結合された携帯電話機にも適用できるし、折畳式以外のストレートタイプの携帯電話機にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
携帯型の電子機器としては、携帯電話機のほか、簡易型携帯電話(PHS)端末や、携帯情報端末(PDA)、携帯型のコンピュータに対して適用できる。また、電子機器として、音声出力部を備えた表示装置や音響装置、パーソナルコンピュータ等に対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】この発明の第1実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】同携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図3】同携帯電話機の音声出力部の構成を説明するための説明図である。
【図4】同携帯電話機の動作を説明するための処理手順図である。
【図5】同携帯電話機の動作を説明するための説明図である。
【図6】この発明の第2実施例である携帯電話機の動作を説明するための処理手順図である。
【図7】この発明の第3実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明の第4実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図9】同携帯電話機の構成を示す斜視図である。
【図10】この発明の第5実施例である携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【図12】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0099】
1,1A,1B,1C 携帯電話機(電子機器)
8,59 音声出力部(電気音響変換手段)
9,61,81 圧電駆動部(駆動制御手段)
11,39,62,82 表示部(表示手段)
12,41,63,83 発光部(警報出力手段、発光手段)
13,84 照度計測部(近接検出手段、照度計測手段)
14,43,65,85 マグネット(開閉検出手段の一部)
17,44,66,86 制御部(近接判定手段、駆動制御手段の一部)
18,45,67,87 記憶部
21,47,69,92 無線通信部(通信手段)
24,51,73,95 磁気センサ(開閉検出手段の一部)
25,52,74,96 開閉検知部(開閉検出手段の一部)
27,54,76,98 バイブレータ(警報出力手段)
28,55,77,99 バイブレータ駆動部(駆動制御手段の一部)
32 振動板
33 アクチュエータモジュール
37 音声出力部(電気音響変換手段)
38 スピーカ駆動部(駆動制御手段)
42 圧力計測部(近接検出手段、圧力検知手段)
64 距離計測部(近接検出手段、距離計測手段)
79 主音声出力部(電気音響変換手段)
88 補助音声出力部(電気音響変換手段)
89 補助スピーカ駆動部(駆動制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を対応する音波に変換して放射する単数又は複数の電気音響変換手段を備えた電子機器であって、
前記電気音響変換手段に対して使用者の耳部が接触又は所定の距離以下の範囲で近接している近接状態であるか否かを判定するための近接判定手段と、前記近接判定手段が、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると判定した場合に、前記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、前記耳部を保護するために注意を喚起する警報を出力する警報出力手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電気音響変換手段に対する前記耳部の接触又は所定の距離以下の範囲での近接を検出するための近接検出手段を備え、前記近接判定手段は、前記近接検出手段による検出結果に基づいて、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記近接判定手段は、前記電気音響変換手段から比較的小音量の音波が放射されている場合に、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると見なす判定を行うことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記近接検出手段は、前記電気音響変換手段近傍の照度を計測するための光センサを有する照度計測手段と、その配置箇所から近傍の被計測体までの距離を前記電気音響変換手段と前記耳部との間の距離として計測するための距離計測手段と、少なくとも押圧の有無を検出するための圧力検出手段とのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項5】
前記警報出力手段は、振動を発生させる振動発生手段と、発光を行う発光手段とのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記近接判定手段が、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると判定した場合に、前記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、前記警報を出力するように前記警報出力手段を駆動する駆動制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記駆動制御手段は、前記警報出力手段が警報の出力を開始してから所定の猶予時間経過後に、前記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射されるように、前記警報出力手段及び前記電気音響変換手段を駆動することを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記駆動制御手段は、前記振動発生手段に所定の振動パターンで振動を行わせることを特徴とする請求項5、6又は7記載の電子機器。
【請求項9】
前記駆動制御手段は、前記発光手段に所定の発光パターンで、発光を行わせることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記駆動制御手段は、前記電気音響変換手段に比較的大音量の音波を放射させる第1の鳴動モードと、前記電気音響変換手段に比較的小音量の音波を放射させる第2の鳴動モードとのうち、いずれか一方を選択して、前記電気音響変換手段に音波を放射させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記電気音響変換手段は、アクチュエータによって振動板を振動させて音波を放射させるフラットパネルスピーカを有してなっていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記アクチュエータは圧電素子を有してなり、前記振動板の所定の部位に接触していることを特徴とする請求項11記載の電子機器。
【請求項13】
少なくとも文字情報を表示させる表示手段を備え、前記振動板は、透明部材からなり、前記表示手段の表示画面を保護するためのスクリーン部材を兼ねることを特徴とする請求項11又は12記載の電子機器。
【請求項14】
少なくとも通話を行うための通信手段を備え、前記電気音響変換手段は、比較的小音量の音波としての受話音声を出力することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1に記載の電子機器。
【請求項15】
携帯電話機からなることを特徴とする請求項14記載の電子機器。
【請求項16】
折畳型の携帯電話機からなり、開閉状態を検出するための開閉検出手段を備え、前記近接判定手段は、前記開閉検出手段によって開状態が検出された場合に、前記近接検出手段による検出結果に基づいて、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴とする請求項15記載の電子機器。
【請求項17】
電気信号を対応する音波に変換して放射する単数又は複数の電気音響変換手段を備えた電子機器における警報出力制御方法であって、
前記電気音響変換手段に対して使用者の耳部が接触又は所定の距離以下の範囲で近接している近接状態であるか否かを判定する近接判定ステップと、前記近接判定ステップで、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると判定した場合に、前記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、前記耳部を保護するために注意を喚起する警報を警報出力手段に出力させる警報出力ステップとを含むことを特徴とする電子機器における警報出力制御方法。
【請求項18】
前記電気音響変換手段に対する前記耳部の接触又は所定の距離以下の範囲での近接を検出するための近接検出ステップを含み、前記近接判定ステップでは、前記近接検出ステップにおける検出結果に基づいて、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴とする請求項17記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項19】
前記近接判定ステップでは、前記電気音響変換手段から比較的小音量の音波が放射されている場合に、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると見なす判定を行うことを特徴とする請求項17記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項20】
前記近接検出ステップでは、前記電気音響変換手段近傍の照度を計測するための光センサを有する照度計測手段と、その配置箇所から近傍の被計測体までの距離を前記電気音響変換手段と前記耳部との間の距離として計測するための距離計測手段と、少なくとも押圧の有無を検出するための圧力検出手段とのうち少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項18記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項21】
前記警報出力手段は、振動を発生させる振動発生手段と、発光を行う発光手段とのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項22】
前記近接判定ステップで、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると判定した場合に、前記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射される前に、前記警報を出力するように前記警報出力手段を駆動する駆動制御ステップを含むことを特徴とする請求項17乃至21のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項23】
前記駆動制御ステップでは、前記警報出力手段が警報の出力を開始してから所定の猶予時間経過後に、前記電気音響変換手段から比較的大音量の音波が放射されるように、前記警報出力手段及び前記電気音響変換手段を駆動することを特徴とする請求項22記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項24】
前記駆動制御ステップでは、前記振動発生手段に所定の振動パターンで振動を行わせることを特徴とする請求項21、22又は23記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項25】
前記駆動制御ステップでは、前記発光手段に所定の発光パターンで、発光を行わせることを特徴とする請求項21乃至24のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項26】
前記駆動制御ステップでは、前記電気音響変換手段に比較的大音量の音波を放射させる第1の鳴動モードと、前記電気音響変換手段に比較的小音量の音波を放射させる第2の鳴動モードとのうち、いずれか一方を選択して、前記電気音響変換手段に音波を放射させることを特徴とする請求項17乃至25のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項27】
前記電気音響変換手段は、アクチュエータによって振動板を振動させて音波を放射させるフラットパネルスピーカを有してなっていることを特徴とする請求項17乃至26のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項28】
前記アクチュエータは圧電素子を有してなり、前記振動板の所定の部位に接触していることを特徴とする請求項27記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項29】
前記電子機器は、少なくとも文字情報を表示させる表示手段を備え、前記振動板は、透明部材からなり、前記表示手段の表示画面を保護するためのスクリーン部材を兼ねることを特徴とする請求項27又は28記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項30】
前記電子機器は、少なくとも通話を行うための通信手段を備え、前記電気音響変換手段は、比較的小音量の音波としての受話音声を出力することを特徴とする請求項17乃至29のいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項31】
前記電子機器は、携帯電話機からなることを特徴とする請求項30記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項32】
前記電子機器は、折畳型の携帯電話機からなり、開閉状態を検出するための開閉検出手段を備え、前記近接判定ステップでは、前記開閉検出手段によって開状態が検出された場合に、前記近接検出ステップにおける検出結果に基づいて、前記電気音響変換手段に対して前記耳部が前記近接状態であると見なすか又は非近接状態であると見なす判定を行うことを特徴とする請求項31記載の電子機器における警報出力制御方法。
【請求項33】
コンピュータに請求項17乃至32のうちいずれか1に記載の電子機器における警報出力制御方法を実行させることを特徴とする警報出力制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−245799(P2006−245799A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56218(P2005−56218)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】