説明

電子機器の放熱構造

【課題】ケース内に籠る熱を排出するために、上蓋には天面貫通孔を多数設ける必要があったが、天面貫通孔を多数設けてしまうと塵埃がケース内部に侵入し易くなりディスクの搬送等に影響を与えてしまうことがあった。冷却性能を低下させずに塵埃の影響を少なくすることができる電子機器の放熱構造を提供する。
【解決手段】CDプレーヤ11を備えたカーステレオ1において、奥シャーシ7に背面貫通孔7aを設け、奥シャーシ7に固定されるヒートシンク10には、この背面貫通孔7aと重なる位置に溝10eを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、内蔵するパワーICなどの発熱体が発する熱を放出する電子機器の放熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、電子機器としてのカーステレオが取り付けられる。カーステレオは、内部にパワーICなどの発熱体が備えられているために、その近傍の側面にヒートシンクなどの放熱構造を備えている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
従来のカーステレオ101を図1および図2を参照して説明する。図1は、カーステレオ101の上蓋104を外した状態の斜視図、図2は図1に示したカーステレオ101の上面図である。
【0004】
カーステレオ101は、略矩形状の筐体としてのケース102を有している。このケース102は、図示しないCDプレーヤ及びAM/FMチューナ等と、発熱体としてのパワーIC(Power Integrated Circuit)109を取り付けたシャーシ103と、そのシャーシ103の上方を覆うように被せる上蓋104と、前面パネル105と、で構成される。
【0005】
ケース102の図1中手前側に位置する前面には、樹脂などからなり平板状の前面パネル105が取り付けられている。前面パネル105には、CDなどをケース102内へ通すための挿入口が設けられ、また、図示しない液晶ディスプレイ等の表示部や各種操作ボタンを有する基板やカーステレオの外表面となる化粧板等が取り付けられる。
【0006】
シャーシ103は、板金などからなり、図示しない平板状の底シャーシと、この底シャーシの幅方向の両縁から立設した一対の側シャーシ106と、前記底シャーシから立設しかつ一対の側シャーシ106を互いに連結する奥シャーシ107とを備えている。
【0007】
底シャーシ上には、回路基板108が固定されている。一対の側シャーシ106には、複数の側面貫通孔106aが設けられている。奥シャーシ107には、パワーIC109を固定する固定部107bが設けられ、回路基板108に電気的に接続されたパワーIC109がヒートシンク110と挟まれるようにして固定されている。
【0008】
また、奥シャーシ107の外側には、ヒートシンク110が設けられている。ヒートシンク110は、アルミニウム合金などの熱伝導性の優れる金属からなり、外側に向かって立設した複数のフィン110bが設けられている。そして、ヒートシンク110は、奥シャーシ107に重ねられるように固定され、ヒートシンク110と奥シャーシ107に挟まれたパワーIC109の熱を放熱する。
【0009】
パワーIC109は、回路基板108に電気的に接続されるとともに奥シャーシ107の固定部107bの外側(ヒートシンク110と接する側)に設けられ、奥シャーシ107とヒートシンク110とに挟まれてネジ等で固定されている。そして、パワーIC109は回路基板108を介して供給される電力によりCDプレーヤが再生した音声情報と、AM/FMチューナからの音声情報を増幅して、前述した自動車に装備されるスピーカに向かって出力する。このため、これらのパワーIC109は、他の電子部品より消費電力が多く、発熱量が多い。
【0010】
上蓋104は、シャーシ103の上側に取り付けられてケース102の天面を構成する。また、上蓋104には、複数の天面貫通孔104aが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−111272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した構成のカーステレオ101は、パワーIC109が発生する熱をヒートシンク110から放熱しているが、放熱しきれずにケース102内に籠もる熱やパワーIC109以外の電子部品等から発生する熱もあり、これらケース102内に籠る熱を排出するために、上蓋104には天面貫通孔104aを多数設ける必要があった。
【0013】
しかしながら、上蓋104に天面貫通孔104aを多数設けてしまうと、塵埃がケース102内部に侵入し易くなり、CDプレーヤ等の再生や、ディスクの搬送等に影響を与えてしまうことがあった。塵埃対策のために、内部に収容されるCDプレーヤ等にカバーを設けることも考えられるが、その分コストアップとなってしまう。
【0014】
したがって、本発明の目的は、例えば、放熱性能を低下させずに塵埃の影響を少なくすることができる電子機器の放熱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の電子機器の放熱構造は、発熱体と、前記発熱体が設けられた筐体と、前記発熱体近傍の前記筐体の側面に取り付けられたヒートシンクと、を備えた電子機器の放熱構造において、前記ヒートシンクが取り付けられた前記側面に、前記筐体内の気体を排出可能な貫通孔が設けられ、前記ヒートシンクには、前記側面の前記貫通孔と重なる位置に、前記貫通孔から排出された気体を外部へ導く溝部が設けられていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のカーステレオの上蓋を外した状態の放熱構造の斜視図である。
【図2】図1に示されたカーステレオの上面図である。
【図3】本発明の一実施例にかかるカーステレオの上蓋を外した状態の斜視図である。
【図4】図3に示されたカーステレオの上面図である。
【図5】図3に示された奥シャーシ単体の斜視図である。
【図6】図5に示された奥シャーシをカーステレオの後方から見た平面図である。
【図7】図3に示されたヒートシンク単体の斜視図である。
【図8】図7に示されたヒートシンクをカーステレオの後方から見た平面図である。
【図9】図7に示されたヒートシンクの奥シャーシとの接合面から見た平面図である。
【図10】図3に示されたカーステレオの記録媒体と回転駆動機構を含めた状態を簡略して記載した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を説明する。本発明の一実施形態にかかる電子機器の放熱構造は、ヒートシンクが取り付けられた筐体の側面(筐体の底面から立設する前後左右を含めた側面)に、筐体内の気体を排出可能な貫通孔が設けられ、ヒートシンクには、この貫通孔と重なる位置に貫通孔から排出された気体を外部へ排出する溝部が設けられているので、筐体内の熱が貫通孔を抜けてヒートシンクに設けられた溝部を通って抜けることから、対流が起こりやすくなり、放熱がスムーズに行われる。また、このように、従来に比べて、放熱がスムーズに行われるために、ヒートシンクは従来と同じ大きさである必要が無く、小型化、軽量化が可能となる。
【0018】
さらに、ヒートシンクを設けた筐体の側面からスムーズな放熱が行われることから、天面に設ける貫通孔を極力少なくすることができ、塵埃の影響を少なくすることができる。
【0019】
また、筐体内に、回転駆動されることで読み出しまたは書き込み可能な記録媒体と、該記録媒体を回転駆動する駆動手段と、が設けられていても良い。このようにすることにより、記録媒体が回転することで発生する回転風により筐体内部に籠もる熱がヒートシンク側へ抜けやすくなるために、より放熱能力を高めることができる。
【0020】
また、貫通孔が、発熱体の近傍に設けられていても良い。このようにすることにより、発熱体が発する熱をヒートシンク以外に貫通孔からも排出することができる。
【0021】
また、貫通孔と溝部は、発熱体が設けられた位置よりも上方の位置に設けられていてもよい。このようにすることにより、発熱体により暖められた空気は、一般的に上昇するために、効率良く熱を排出することができる。
【0022】
また、貫通孔は、その設置位置が、駆動手段によって回転駆動される際の記録媒体の主面と同一平面上の位置を少なくとも含む範囲に設けられていてもよい。このようにすることにより、回転する記録媒体の例えば信号面あるいはレーベル面と同一高さの位置を含んだ所定の範囲に貫通孔が設けられるので、回転による風が直接貫通孔に向かって排出され易くすることができる。
【実施例】
【0023】
本発明の一実施例にかかる放熱構造を備えた電子機器としてのカーステレオ1を図3乃至図10を参照して説明する。図3は、カーステレオ1の上蓋4を外した状態の斜視図である。図4は、図3に示されたカーステレオ1の上面図である。図5は、図3に示された奥シャーシ7単体の斜視図である。図6は、図5に示された奥シャーシ7をカーステレオ1の後方から見た平面図である。図7は、図3に示されたヒートシンク10単体の斜視図である。図8は、図7に示されたヒートシンク10をカーステレオ1の後方から見た平面図である。図9は、図7に示されたヒートシンク10の奥シャーシ7との接合面から見た平面図である。図10は、図3に示されたカーステレオ1の記録媒体と回転駆動機構を含めた状態を簡略して記載した断面図である。
【0024】
図3などに示すカーステレオ1は、移動体としての自動車のインパネに装着されている。
【0025】
カーステレオ1は、略矩形状の筐体としてのケース2を有している。このケース2は、図10に簡略的に示したCDプレーヤ11及び図示しないAM/FMチューナ等と、発熱体としてのパワーIC(Power Integrated Circuit)9を取り付けたシャーシ3と、そのシャーシ3の上方を覆うように被せる上蓋4と、前面パネル5と、で構成される。CDプレーヤ11及びAM/FMチューナ等はケース2内部に収容されている。発熱体としてのパワーIC9は、後述するように奥シャーシ7とヒートシンク10とに挟まれてネジ等で固定されている。
【0026】
ケース2の図3中手前側に位置する前面には、樹脂などからなり平板状の前面パネル5が取り付けられている。前面パネル5には、CDなどをケース2内へ通すための挿入口が設けられ、また、図示しない液晶ディスプレイ等の表示部や各種操作ボタンを有する基板やカーステレオ1の外表面となる化粧板等が取り付けられる。
【0027】
シャーシ3は、板金などからなり、図10に示した平板状の底シャーシ(底面)14と、この底シャーシ14の幅方向の両縁から立設した側面としての一対の側シャーシ6と、前記底シャーシ14から立設しかつ一対の側シャーシ6を互いに連結する側面としての奥シャーシ7と、を備えている。
【0028】
底シャーシ14上には、回路基板8が固定されている。一対の側シャーシ6には、複数の側面貫通孔6aが設けられている。また、この側シャーシ6は、カーステレオ1を自動車に取り付ける際の取付部として使用され、自動車側の取付部材などにネジ等で固定される。
【0029】
奥シャーシ7には、図5や図6などに示すように、複数の背面貫通孔7aと、ケース2内側へ向かって折り曲げられたパワーIC9を固定する固定部7bと、ヒートシンク10が取り付けられる際に位置決め用突起10cが挿入される位置決め穴7cと、ヒートシンク10をネジなどにより固定するためのネジ穴7dと、が設けられている。背面貫通孔7aは、パワーIC9を固定する固定部7bの上方(近傍)及び側シャーシ6に近い位置に設けられている。また、背面貫通孔7aは、図10に示したように、回転駆動部12によって回転駆動される際の記録媒体としてのCD13の主面(信号面13aあるいはレーベル面13b)と同一平面上の位置を少なくとも含む所定の上下幅の範囲に設けられている。即ち背面貫通孔7aは、CD13が回転駆動されるときの、例えば底シャーシ14からのディスク面の高さと同じ高さを含む範囲に設けられている。
【0030】
また、ケース2の外側の奥シャーシ7には、図3や図4に示すように、ヒートシンク10が設けられている。ヒートシンク10は、例えば、アルミニウム合金などの熱伝導性の優れる金属からなり、図7乃至図9に示すように、略板状のベース部10aとベース部10aから機器の外側かつ、上下方向に立設した複数のフィン10bと、奥シャーシ7へ取り付ける際の位置決め用に用いる突起10cと、奥シャーシ7へネジなどにより固定するためのネジ穴10dと、が設けられている。さらに、ヒートシンク10には、奥シャーシ7との接合面の前記した背面貫通孔7aと重なる位置に溝部としての溝10eがフィン10bと平行な方向(上下方向)に沿って設けられている。そして、ヒートシンク10は、突起10cを奥シャーシ7へ重ねられるように位置決め穴7cに挿入して位置を合わせてからヒートシンク10側からネジなどを通して固定される。すると、図10に示したように、パワーIC9が奥シャーシ7とヒートシンク10に挟まれて固定されるために、パワーIC9の熱が直接ヒートシンク10に伝わり放熱される。
【0031】
発熱体としてのパワーIC9は、回路基板8に電気的に接続されるとともに奥シャーシ7の固定部7bの外側(ヒートシンク10と接する側)に設けられ、上述したように奥シャーシ7とヒートシンク10とに挟まれてネジ等で固定されている。そして、パワーIC9は、その回路基板8を介して供給される電力によりCDプレーヤ11が再生した音声情報と、AM/FMチューナからの音声情報を増幅して、前述した自動車に装備されるスピーカに向かって出力する。このため、これらのパワーIC9は、他の電子部品より消費電力が多く、発熱量が多い。なお、本実施例ではトランジスタを集積化したパワーIC9で説明するが、トランジスタ単体で構成されたパワートランジスタでも同様であることは言うまでもない。
【0032】
回路基板8には、前述したパワーIC9の他にも図示しない電子部品等が実装されている。
【0033】
上蓋4は、シャーシ3の上側に取り付けられてケース2の天面を構成する。また、上蓋4の奥シャーシ7近傍にのみ、複数の天面貫通孔4aが設けられている。
【0034】
CDプレーヤ11は、図10に示すように、記録媒体としてのCD13をクランプする機構やスピンドルモータなどを備えた駆動手段としての回転駆動部12と、図示しない光ピックアップやCD13の挿排出機構およびこれらを制御する電気回路等から構成され、回転駆動部12にセットされたCD13を回転駆動してCD13に記録されている音声情報を読み出し再生して、パワーIC9に出力する。
【0035】
本実施例においては、奥シャーシ7、ヒートシンク10およびCDプレーヤ11で、本発明の一実施例にかかる放熱構造20を構成している。
【0036】
上述した構成のカーステレオ1は、従来と同様にパワーIC9が発する熱はヒートシンク10から放熱されるが、それだけでは放熱しきれない熱や、ケース2内の他の部品等からの発熱によりケース2内に籠もってしまう熱は、CDプレーヤ11においてCD13が回転駆動されると発生する回転風によって奥シャーシ7の背面貫通孔7aおよびヒートシンク10の溝10eを通って排出される。
【0037】
本実施例によれば、CDプレーヤ11を備えたカーステレオ1において、奥シャーシ7に背面貫通孔7aを設け、奥シャーシ7に固定されるヒートシンク10の奥シャーシ7との接合面側の背面貫通孔7aと重なる位置に溝10eを設けているので、CD13の回転風によりケース2内の熱が背面貫通孔7aおよび溝10eを通って排出され、対流が起こりやすくなり、放熱がスムーズに行われる。また、このように、従来に比べて、放熱がスムーズに行われるために、ヒートシンク10は従来と同じ大きさである必要が無く、小型化、軽量化が可能となる。
【0038】
また、背面貫通孔7aと溝10eは、パワーIC9が設けられた位置よりも上方の位置に設けられているので、パワーIC9により暖められた空気は、一般的に上昇するために、効率良く熱を排出することができる。
【0039】
また、背面貫通孔7aは、その設置位置が少なくとも回転駆動部12によって回転駆動される際のCD13における例えば底シャーシ14からの高さと等しい位置を含む範囲に設けられているので、回転するCD13の高さ(ディスク面の高さ)と同じ高さを含んだ所定の範囲に背面貫通孔7aが設けられるため、回転による風が直接背面貫通孔7aに向かって排出され易くすることができる。
【0040】
さらに、上述した構成により、効率的に放熱できるので、カーステレオ1の上蓋4には、発熱体(パワーIC9)が設けられる奥シャーシ7近傍に天面貫通孔4aを設けるのみでよくなり、図2に示した従来と比較して上蓋4の天面貫通孔4aを少なくすることができるので、塵埃の影響を減らすことができる。
【0041】
なお、上述した実施例では、奥シャーシ7、即ち、機器の背面に本発明を適用していたが、それに限らず、側面(側シャーシ6)などに適用しても良い。即ち、特許請求の範囲に記載した筐体の側面とは、筐体の底面から立設する前後左右を含めた側面を示している。例えば側シャーシ6に本発明を適用した場合は、勿論側シャーシ6近傍にパワーIC9などの発熱体が設けられ、ケース2内の熱を排出可能な貫通孔と、ヒートシンク10には、この貫通孔と重なる位置に溝10eが設けられる。要するに発熱体の近傍の面に本発明を適用すると効果的である。
【0042】
前述した実施例では、電子機器として自動車に取り付けられるカーステレオ1を示している。カーステレオ1は側面(側シャーシ6)を自動車への取付に使用するために背面に本発明を適用したが、本発明は、カーステレオ1に限らず、左右側面を取付けに使用しない車載機器や、家庭用機器などに適用しても良い。
【0043】
次に、本発明の出願人は、本発明にかかる電子機器の放熱構造の効果を従来の放熱構造と比較することで確認した。結果を表1に示す。表1の試験条件は、雰囲気温度を室温、従来品および本発明品(カーステレオ1)にはそれぞれ50cm×50cm×50cmの段ボール箱を被せて、CD13を再生状態にして、かつ、実使用よりも高温となる状態に設定して1時間後の光ピックアップ付近の温度と温度上昇Δtを測定した。また、ヒートシンクの重量は、比較例1が115g、比較例2が100g、実施例が95gであった。
【0044】
【表1】

【0045】
表1において、比較例1および比較例2は、図1および図2に示した従来の構造のものである。ただ、比較例1と比較例2とでは、仕様が異なるため、発熱量も違う。比較例2におけるヒートシンクは、黒く塗装したもの(放熱効果が高い)を使用している。(実施例および比較例1のヒートシンクは黒く塗装を行っていない)実施例は、図3乃至図10に示した構造である。
【0046】
表1によれば、比較例1、2とも再生開始1時間後の光ピックアップ付近の温度は74〜76℃、温度上昇Δtは48〜50℃となり、実施例は、再生開始1時間後の光ピックアップ付近の温度は70〜72℃、温度上昇Δtは43〜45℃となることが明らかとなった。
【0047】
このように、本発明品は、従来品よりも温度、温度上昇Δtともに低いことから放熱効果が高いことが明らかとなった。また、ヒートシンクも従来品よりも軽くすることができることが明らかとなった。
【0048】
前述した実施例によれば、以下の電子機器の放熱構造が得られる。
【0049】
(付記)パワーIC9と、パワーIC9が設けられたケース2と、パワーIC9近傍のケース2の奥シャーシ7に取り付けられたヒートシンク10と、を備えたカーステレオ1の放熱構造20において、
ヒートシンク10が取り付けられた奥シャーシ7に、ケース2内の気体を排出可能な背面貫通孔7aが設けられ、
ヒートシンク10には、奥シャーシ7の背面貫通孔7aと重なる位置に気体を外部へ排出する溝10eが設けられている
ことを特徴とする放熱構造20。
【0050】
付記によれば、ケース2内の熱が背面貫通孔7aを抜けてヒートシンク10に設けられた溝10eを通って抜けることから、対流が起こりやすくなり、放熱がスムーズに行われる。
【0051】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 カーステレオ(電子機器)
2 ケース(筐体)
4 上蓋
7 奥シャーシ(側面)
7a 背面貫通孔(貫通孔)
9 パワーIC(発熱体)
10 ヒートシンク
10e 溝(溝部)
11 CDプレーヤ
12 回転駆動部(駆動手段)
13 CD(記録媒体)
13a 信号面(主面)
13b レーベル面(主面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体と、前記発熱体が設けられた筐体と、前記発熱体近傍の前記筐体の側面に取り付けられたヒートシンクと、を備えた電子機器の放熱構造において、
前記ヒートシンクが取り付けられた前記側面に、前記筐体内の気体を排出可能な貫通孔が設けられ、
前記ヒートシンクには、前記側面の前記貫通孔と重なる位置に、前記貫通孔から排出された気体を外部へ導く溝部が設けられている
ことを特徴とする電子機器の放熱構造。
【請求項2】
前記筐体内に、回転駆動されることで読み出しまたは書き込み可能な記録媒体と、該記録媒体を回転駆動する駆動手段と、が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項3】
前記貫通孔が、前記発熱体の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項4】
前記貫通孔と前記溝部は、前記発熱体が設けられた位置よりも上方の位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。
【請求項5】
前記貫通孔は、その設置位置が、前記駆動手段によって回転駆動される際の前記記録媒体の主面と同一平面上の位置を少なくとも含む範囲に設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項に記載の電子機器の放熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−29312(P2011−29312A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171986(P2009−171986)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】