電子機器
【課題】本発明は、不使用状態の入力デバイス(回転キーや静電パッド等)に無駄な電流を流さないように電源制御することができる電子機器を提供する。
【解決手段】データを表示する表示手段12と、表示手段12の電源のON/OFF状態を制御する表示制御手段24と、データを入力する入力手段14、15と、表示制御手段24による制御に基づいて、入力手段14、15の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段23と、を備えた。
【解決手段】データを表示する表示手段12と、表示手段12の電源のON/OFF状態を制御する表示制御手段24と、データを入力する入力手段14、15と、表示制御手段24による制御に基づいて、入力手段14、15の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段23と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの電源のON/OFF状態に基づいて入力デバイスの電源のON/OFF状態を制御する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の電子機器の高機能化に伴い、電子機器に搭載される入力デバイスも多様化している。例えば、ドーナツ型に形成されたキーを回転させることによりデータを入力する回転キーや、ユーザの指や専用ペン等の接触を感知することによりデータを入力する静電パッド等の入力デバイスが電子機器に搭載されるようになってきた。そして、電子機器のUI(User Interface)も進化して、ユーザが電子機器を扱う際の操作性が格段に向上している。
【0003】
例えば特許文献1によると、メニュー表示にエンタテインメント性を付加する携帯端末が提案されている。この携帯端末は、複数のメニュー項目を含むメニューを表示する際、各メニュー項目にそれぞれ対応づけられた複数のアイテムを配置した背景画像を表したメニュー画面を表示し、このメニュー画面においてユーザの指示により複数のアイテム間でフォーカスが移動し、目的のメニュー項目に対応するアイテムがフォーカスされた状態で決定操作を行うことにより、そのメニュー項目の選択が決定されるとともに、背景画像の色調は少なくとも現在の時刻をパラメータとして変化するものである。
【特許文献1】特開2007−41641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話機等の電子機器が回転キーや静電パッド等の複数の入力デバイスを搭載している場合、入力を検知するために入力デバイスに常時電流を流しているため、これらの高機能な入力デバイスによる消費電力が大きくなり、電子機器の連続動作時間に悪影響を与えている。しかしながら、ユーザに携帯される小型の電子機器においては、連続動作時間の長さが重要視されている。
【0005】
また、電子機器により実行されるアプリケーションプログラムによって、回転キーや静電パッド等の入力デバイスが使用されるケースも使用されないケースも考えられる。実行されるアプリケーションプログラムに依存させずに、入力デバイスによる消費電力を軽減できることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、不使用状態の入力デバイス(回転キーや静電パッド等)に無駄な電流を流さないように電源制御することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、データを表示する表示手段と、前記表示手段の電源のON/OFF状態を制御する表示制御手段と、データを入力する入力手段と、前記表示制御手段による制御に基づいて、前記入力手段の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子機器によると、回転キーや静電パッド等の入力デバイスの電源状態をディスプレイの電源状態に基づいて制御して、不使用状態の入力デバイスに無駄な電流を流さないように電源制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
本発明に係る電子機器の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る電子機器として、複数の筐体が相互にスライド自在に結合されてなる開閉自在の携帯電話機1を例にあげて説明する。
【0010】
図1(A)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す斜視図、図1(B)は、携帯電話機1の開いた状態を示す斜視図である。携帯電話機1は、図1(A)及び図1(B)に示すように、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とが、閉じた状態で、相互に一面を覆うように積層されることにより形成されている。これらの上筐体10及び下筐体11は、所定方向(例えば長手方向)に相互に所定長さだけスライド可能なように結合されていて、上筐体10を下筐体11に対してスライドさせることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0011】
上筐体10の外面(下筐体11に対面しない側の面)には、文字や画像等からなる画面を表示するためのディスプレイ12、音声を出力するためのスピーカ13が設けられている。また、上筐体10の外面には、接触を感知するセンサでありユーザが指等で触れることにより指示を入力する複数の静電パッド14、ユーザが回転させることにより回転方向や回転角度に基づいて指示を入力する回転キー15が設けられている。
【0012】
また、回転キー15の一部(例えば上面視上下左右の位置(図1(A)及び図1(B)に示す15a乃至15dのそれぞれの位置))が押下(キー押下動作)されたときに、それぞれ上下左右の選択または移動として動作するとともに、回転キー15が回転されたときには、その回転が所望のキー押下動作に置き換えられて動作する。例えば、回転キー15が時計回りに回転された場合であれば下側(15c)が連続して押下されたときの動作、回転キー15が反時計回りに回転された場合であれば、上側(15a)が連続して押下されたときの動作を行う。
【0013】
これらのディスプレイ12、スピーカ13、静電パッド14、及び回転キー15は、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても外部に露出するように設けられている。よって、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても、ユーザはディスプレイ12の画面を視認したり静電パッド14や回転キー15を介して指示を入力したりすることができる。
【0014】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、音声を集音するためのマイクロフォン16、ユーザが押下することにより指示を入力するための複数の操作キー17が設けられている。これらのマイクロフォン16や操作キー17は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対してスライドさせて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。よって、携帯電話機1が開いた状態のときには、ユーザは操作キー17を介して指示を入力することができるが、携帯電話機1が閉じた状態のときには、ユーザは操作キー17を介して指示を入力することができない。
【0015】
下筐体11の側面には、ユーザが押下することにより指示を入力するための複数のサイドキー17aが設けられている。これらのサイドキー17aは、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても外部に露出するように設けられている。よって、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても、ユーザはサイドキー17aを介して指示を入力することができる。
【0016】
次に、携帯電話機1の機能について、図2に示すブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図2に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、デバイス電源管理部23、表示制御部24、音声制御部25、通信制御部26、及び記憶部27がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0017】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述するデバイス電源制御処理、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21はバッテリ等の電源供給源を具備し、ユーザによる操作キー17を介した入力に基づいて電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0018】
操作入力制御部22は静電パッド14、回転キー15、操作キー17、及びサイドキー17aに対する入力インタフェースを備え、静電パッド14の接触、回転キー15の押下、回転キー15の回転、操作キー17の押下、及びサイドキー17aの押下等の操作を検出すると、それらの操作を示す信号を生成して、この信号を主制御部20に伝送する。
【0019】
デバイス電源管理部23は、主制御部20の制御に基づいて、静電パッド14及び回転キー15の電源のON/OFF状態を管理する。すなわちデバイス電源管理部23は、主制御部20(主制御部20により実行されているアプリケーションプログラム)、または表示制御部24から、回転キー15や静電パッド14の電源ON/OFF要求を受信すると、この要求に基づいて、回転キー15や静電パッド14に対して電源ON/OFF要求を送信して、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFF状態を切り替える。
【0020】
表示制御部24はディスプレイ12に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書や画像等からなる画面をディスプレイ12に表示したり、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替えたりする。すなわち表示制御部24は、主制御部20(主制御部20により実行されているアプリケーションプログラム)からディスプレイ12の電源ON/OFF要求を受信すると、この要求に基づいて、ディスプレイ12に対して電源ON/OFF要求を送信して、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替える。また表示制御部24は、主制御部20からディスプレイ12の電源ON/OFF要求を受信した際に、デバイス電源管理部23に対して、回転キー15や静電パッド14等の入力デイバスの電源ON/OFF要求を送信する。
【0021】
音声制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部25は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ13から音声として出力する。
【0022】
通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、基地局(図示せず)からアンテナ26aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部25に伝送されてスピーカ13から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ12に表示されたり、または記憶部27に記録されたりする。また通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声データや静電パッド14や回転キー15、操作キー17等を介して入力されたデータや記憶部27に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ26aを介して送信する。
【0023】
記憶部27は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、主制御部20が後述するデバイス電源制御処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0024】
また、記憶部27は、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの使用を許可するか否かを設定するデバイス設定情報を記憶している。このデバイス設定情報は、入力デバイスの使用を許可する場合にはONが、許可しない場合にはOFFが設定されている。携帯電話機1は、デバイス設定情報がOFFに設定されているときには、所定の入力デバイス(例えば回転キー15)を介した入力があってもこの入力の検出を行わない。このデバイス設定情報は、ユーザにより設定されたり、実行されるアプリケーションプログラムによって設定されたりする。予め使用されないことがわかっている入力デバイスに対して、デバイス設定情報をOFFに設定して、入力を検出するための電流を流さないことにより、携帯電話機1の消費電力を軽減させることができる。
【0025】
図3は、携帯電話機1が静電パッド14や回転キー15等の入力デバイスの電源を制御するデバイス電源制御処理を説明するための概略図である。携帯電話機1の主制御部20は、図3に示すように、実行中のUI(User Interface)アプリケーションプログラムの制御に基づいて、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替えるように表示制御部24に指示を出し、表示制御部24は、この指示に基づいて、ディスプレイ12に電源ON/OFF要求を送信して、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替える。
【0026】
また表示制御部24は、ディスプレイ12に対して電源のON/OFF要求を送信した際に、デバイス管理部23に対して、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFFを切り替えるように指示を出し、デバイス電源管理部23は、この指示に基づいて、回転キー15や静電パッド14等の各々の入力デバイスに電源ON/OFF要求を送信して、これらの入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替える。この際、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態に基づいて入力デバイスの電源のON/OFF状態が切り替えられるため、携帯電話機1で実行されているアプリケーションプログラム(上位のアプリケーション層)に依存せずに、ディスプレイ12(下位層)の電源のON/OFF状態のみに基づいて、入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替えることができる。
【0027】
また主制御部20は、実行中のUIアプリケーションプログラムの制御に基づいて、デバイス設定情報に応じて、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替えるようにデバイス電源管理部23に指示を出し、デバイス電源管理部23は、回転キー15や静電パッド14等の各々の入力デバイスに電源ON/OFF要求を送信して、これらの入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替える。
【0028】
図4は、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFF状態を切り替える際に、主制御部20や表示制御部24によりデバイス電源管理部23に対して送信される要求パラメータ30を示す図である。主制御部20や表示制御部24により送信される入力デバイスの電源ON/OFF要求は、この要求パラメータ30を含んでいる。この要求パラメータ30は、図4に示すように、要求元のモジュールを示すモジュールID情報31、制御対象のデバイスを示す装置ID情報32、電源をONにするかOFFにするかを指定するためのON/OFF指定情報33を含んでいる。モジュールID情報31には、例えばUIアプリケーション(主制御部20)や表示制御部24等のいずれかが示され、装置ID情報32には、回転キー15や静電パッド14等のいずれか(または双方)が示され、ON/OFF指定情報33には、ONまたはOFFのいずれかが示される。
【0029】
また、ユーザが携帯電話機1を操作する際、ディスプレイ12の画面に基づいて回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスを操作するため、ディスプレイ12の画面が表示されていないときに回転キー15や静電パッド14が操作させる可能性は低いものと考えられる。よって、携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態に基づいて、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFF状態を制御する。
【0030】
図5は、ディスプレイ12の電源が制御される際の回転キー15の電源のON/OFF状態を示す回転キー電源管理表34である。ここでは、例えば図5に示すように、デバイス設定がONに設定されている場合、ディスプレイ12の電源がONに設定されたときに、回転キー15の電源がONに設定され、ディスプレイ12の電源がOFFに設定されたときに、回転キー15の電源がOFFに設定される。また、デバイス設定がOFFに設定されている場合は、ディスプレイ12の電源がONであってもOFFであっても、回転キー15の電源がOFFに設定される。なお、静電パッド14については特に記載をしないが、同様に適用することが可能である。以下回転キー15についての動作を記載するが、静電パッド14についても適用可能であるため、適宜省略する。
【0031】
すなわち、携帯電話機1は、複数のパス(例えばUIアプリケーションと表示制御部24)から入力デバイスに対する電源制御の要求が発生したときに、所定条件を満たす場合にのみ入力デバイスの電源制御を行う。携帯電話機1は、通常は入力デバイスの電源をOFFにするとともに、下記の(1)及び(2)の双方が満たされている場合には、回転キー15の電源をONにし、どちらか一方あるいは両方が満たされない場合には、回転キー15の電源をOFFにする。
(1)ディスプレイ12の電源がONであること
(2)ユーザ操作によりデバイス設定情報がOFFに設定されていないこと
【0032】
このように携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態が制御された際に、デバイス設定情報や回転キー電源管理表34に基づいて、回転キー15等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を制御する。携帯電話機1がこのデバイス電源制御処理を行う際の手順について、図6及び図7に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0033】
始めに、ディスプレイ12の電源がOFFからONに切り替えられる場合のデバイス電源制御処理について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ディスプレイ12の電源は始めにOFFに設定されていて、画面が消灯しているものとする。
【0034】
まず主制御部20は、ディスプレイ12の電源をONにするように指示されたか否かを判断する(S101)。この際、主制御部20は、ユーザによる操作キー17やサイドキー17aの操作に基づいて、または実行中のアプリケーションプログラムの制御に基づいて、ディスプレイ12の電源をONにするように指示されたものと判断する。ディスプレイ12の電源をONにするように指示されていない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0035】
ディスプレイ12の電源をONにするように指示された場合(S101のYes)は、主制御部20は、ディスプレイ12の電源をONにする(S103)。これにより、ディスプレイ12は点灯して画面を表示する。主制御部20は、記憶部27からデバイス設定情報を取得して、デバイス設定情報がONに設定されているか否かを判断する(S105)。
【0036】
デバイス設定情報がONに設定されている場合(S105のYes)は、主制御部20は、回転キー15の電源をONにする(S107)。すなわち、主制御部20は、回転キー電源管理表34において、デバイス設定情報がONに設定されているとともにディスプレイ12の電源がONであるときに回転キー15の電源をONにするように記述されているため、回転キー15の電源をONにする。
【0037】
デバイス設定情報がOFFに設定されている場合(S105のNo)は、主制御部20は、回転キー15の電源をOFFにする(S111)。すなわち、主制御部20は、回転キー電源管理表34において、デバイス設定情報がOFFに設定されているとともにディスプレイ12の電源がONであるときに回転キー15の電源をOFFにするように記述されているため、回転キー15の電源をOFFにする。
【0038】
次に、ディスプレイ12の電源がONからOFFに切り替えられる場合のデバイス電源制御処理について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ディスプレイ12の電源は始めにONに設定されていて、画面が点灯しているものとする。
【0039】
まず主制御部20は、ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示されたか否かを判断する(S201)。この際、主制御部20は、ユーザによる操作キー17やサイドキー17aの操作に基づいて、または実行中のアプリケーションプログラムの制御に基づいて、あるいは携帯電話機1が一定時間操作されなかったことに基づいて、ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示されたものと判断する。ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示されていない場合(S201のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0040】
ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示された場合(S201のYes)は、主制御部20は、回転キー15の電源をOFFにする(S203)。すなわち、主制御部20は、回転キー電源管理表34において、デバイス設定情報がONであってもOFFであってもディスプレイ12の電源がOFFであるときに回転キー15の電源をOFFにするように記述されているため、回転キー15の電源をOFFにする。
【0041】
そして主制御部20は、ディスプレイ12の電源をOFFにする(S207)。これにより、ディスプレイ12は消灯して画面の表示を終了する。
【0042】
このようにして携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態が切り替わったときに、デバイス設定情報や回転キー電源管理表34に基づいて、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を制御する。
【0043】
具体的には、携帯電話機1は、デバイス設定情報がONに設定されている場合、ディスプレイ12の電源がONにされたときには、回転キー15の電源をONにし、ディスプレイ12の電源がOFFにされたときには、回転キー15の電源をOFFにする。また、携帯電話機1は、デバイス設定情報がOFFに設定されている場合、ディスプレイ12の電源がONにされたときには、回転キー15の電源をOFFのままにし、ディスプレイ12の電源がOFFにされたときには、回転キー15の電源をOFFのままにする。
【0044】
図8は、ディスプレイ12の電源ON時間と、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源ON時間との関係を示す図である。携帯電話機1は、図8に示すように、回転キー15や静電パッド14の電源をONにする際に、必ずディスプレイ12の電源を先行してONにしてから回転キー15(や静電パッド14)の電源をONにする。また携帯電話機1は、回転キー15(や静電パッド14)の電源をOFFにする際に、必ずディスプレイ12の電源をOFFにする前に回転キー15(や静電パッド14)の電源をOFFにする。
【0045】
ユーザが回転キー15や静電パッド14を用いて携帯電話機1にデータを入力する際、ディスプレイ12に表示された画面に基づいて入力操作を行う。よって、ディスプレイ12の点灯後に回転キー15や静電パッド14の電源をONにするとともに、ディスプレイ12の消灯前に回転キー15や静電パッド14の電源をOFFにすることにより、ディスプレイ12が消灯している間に回転キー15や静電パッド14による入力がされてしまい、携帯電話機1が、ユーザにより意図されない動作を行ってしまうことが防止される。
【0046】
次に、携帯電話機1が、入力デバイスに関連するモジュール(入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替えるよう指示を出す可能性のあるモジュール)からの要求に基づいて、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を管理するデバイス電源管理処理について説明する。
【0047】
記憶部27は、各々の入力デバイスに対して、電源のON/OFF状態を管理するためのデバイス管理情報36を記憶している。デバイス管理情報36は、例えば図9に示すように、入力デバイスを識別するための装置ID情報37と、この入力デバイスの現在の電源状態を示す物理電源状態情報38と、この入力デバイスの電源状態に関連する各々のモジュールの要求内容を配列で示すモジュール別要求内容情報39とを含んでいる。装置ID情報37には、例えば回転キー15の識別情報や静電パッド14の識別情報等の入力デバイスのいずれかの識別情報が設定されている。物理電源状態情報38には、装置ID情報37に設定された入力デバイスの電源が現在ONである場合には「ON」が設定され、現在OFFである場合には「OFF」が設定されている。物理電源状態情報38は、入力デバイスの電源状態が切り替わるたびに随時更新される。
【0048】
モジュール別要求内容情報39には、例えば図10に示すように、モジュールを識別するためのモジュールID情報41と、このモジュールから入力デバイスへの要求内容を示す要求内容情報42とを含んだモジュール管理情報40が、モジュール毎に配列で設定されている。モジュール管理情報40のモジュールID情報41には、例えば表示制御部24やUIアプリケーション(主制御部20)が設定されている。要求内容情報42には、例えばこのモジュールから入力デバイスに対して電源をONにするように要求されている場合には「ON」が設定され、電源をOFFにするように要求されている場合には「OFF」が設定されている。モジュール別要求内容情報39は、入力デバイスと関連するモジュールが追加(または削除)される度に、またはモジュールによる要求内容が切り替わる度に随時更新される。
【0049】
主制御部20は、回転キー15や静電パッド14等のいずれかの入力デバイスの装置管理情報36のモジュール別要求内容情報39(すなわち要求内容情報42)が更新されたとき、すなわち、いずれかのモジュールから入力デバイスの電源状態を切り替えるように要求を受け付けたとき、この入力デバイスに関連する全てのモジュールのモジュール管理情報40に基づいて、全てのモジュールの要求内容情報42がONであった場合に、対象となる入力デバイスの電源をONにし、いずれかがONでなかった場合に、対象となる入力デバイスの電源をOFFにする。
【0050】
携帯電話機1が、デバイス管理情報36やモジュール管理情報40に基づいて、入力デバイスの電源のON/OFF状態を管理するデバイス管理処理を行う際の手順について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
始めに主制御部20は、入力デバイス(例えば回転キー15)と関連するモジュールの要求内容情報が更新されたか否かを判断する(S301)。この際、主制御部20は、この入力デバイスのデバイス管理情報36のモジュール別要求内容情報39が更新されたことに基づいて、入力デバイスと関連するモジュールの要求内容情報が更新されたものと判断する。入力デバイスと関連するモジュールの要求内容情報が更新されていない場合(S301のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0052】
入力デバイスと関連するモジュールの要求内容情報が更新された場合(S301のYes)は、主制御部20は、モジュール別要求内容情報39において配列で示されている複数のモジュールのうち、先頭のモジュールをAとして、このAのモジュールの要求内容情報42を取得する(S303)。また主制御部20は、いずれかのモジュールから電源をOFFにするように要求されているか否かを判別するための状態変化フラグを生成して、この状態変化フラグに初期値として0を設定する(S305)。
【0053】
主制御部20は、モジュール別要求内容情報39において、AのモジュールのモジュールID(すなわちモジュールID情報41)がNULLか否かを判断する(S307)。モジュール別要求内容情報39において、ステップS303にて取得したモジュールが空である(すなわち、全てのモジュールに関してステップS307乃至S311の処理を行った)ことを意味する。
【0054】
AのモジュールのモジュールIDがNULLでない場合(S307のNo)は、主制御部20は、Aのモジュールの要求内容が電源OFFであるか否かを判断する(S309)。この際、主制御部20は、Aのモジュールの要求内容情報42が「OFF」に設定されていた場合に、Aのモジュールの要求内容が電源OFFであるものと判断する。そして主制御部20は、Aのモジュールの要求内容が電源OFFであった場合(S309のYes)、ステップS305にて生成した状態変化フラグに1を設定する(S311)。
【0055】
主制御部20は、モジュール別要求内容情報39において配列で示されている複数のモジュールのうち、次のモジュールをAとして、このAのモジュールの要求内容情報42を取得する(S313)。そして主制御部20は、再びステップS307に戻って、このAのモジュールに対してステップS307以降の処理を行う。
【0056】
AのモジュールのモジュールIDがNULLであった場合(S307のYes)は、主制御部20は、ステップS305にて生成した状態変化フラグが0であるか否かを判断する(S315)。状態変化フラグが0であった場合(S315のYes)は、主制御部20は、要求内容がすべてONであるため、入力デバイスの電源をONにする(S317)。一方で、状態変化フラグが0でなかった場合、すなわち1であった場合(S315のNo)は、主制御部20は、要求内容にOFFが含まれるため、入力デバイスの電源をOFFにする(S318)。
【0057】
ステップS309及びS311の処理により、入力デバイス(例えば回転キー15)と関連する複数のモジュールのうち、全てのモジュールが電源ONを要求していた場合には、状態変化フラグが0となり、一つでも電源OFFを要求していた場合には、状態変化フラグが1となる。よって、入力デバイス(例えば回転キー15)と関連する複数のモジュールのうち、全てのモジュールが電源ONを要求していた場合には、ステップS317にて回転キー15の電源がONにされ、一つでも電源OFFを要求していた場合には、ステップS319にて回転キー15の電源がOFFにされる。
【0058】
このようにして携帯電話機1は、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源管理に対する制御権限を持つモジュールを限定し、それぞれのモジュールからの制御の内容を管理する。そして携帯電話機1は、制御の内容が更新されたとき、これらの入力デバイスに対して電源制御を行なう。
【0059】
例えば、携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源状態に基づいた要求、UIアプリケーションに基づいた要求のうちの、双方の要求内容が電源ONであった場合にはその入力デバイスを電源をONにし、要求内容にどれか一つでも電源OFFが含まれていた場合にはその入力デバイスの電源をOFFにする。
【0060】
また、実施形態として、ディスプレイ12の電源状態に基づいて回転キー15及び静電パッド14の電源状態を制御する場合について説明したが、これに限定されず、加速度センサや照度センサ等のその他の入力デバイスに対して適用することもできる。
【0061】
本発明に係る電子機器(携帯電話機1)によると、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源状態をディスプレイ12の電源状態に基づいて制御して、不使用状態の入力デバイスに無駄な電流を流さないように電源制御することが可能となる。
【0062】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)等、ディスプレイや入力デバイスを備えている電子機器であれば、任意の電子機器であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】(A)は、本発明に係る電子機器(携帯電話機)の閉じた状態を示す斜視図、(B)は、本発明に係る電子機器(携帯電話機)の開いた状態を示す斜視図。
【図2】本発明に係る電子機器(携帯電話機)の機能ブロック図。
【図3】本発明に係る電子機器(携帯電話機)におけるデバイス電源制御処理を説明するための概略図。
【図4】本発明に係る電子機器(携帯電話機)におけるデバイス電源制御処理において送信される要求パラメータを示すデータ構成図。
【図5】本発明に係る電子機器(携帯電話機)のディスプレイの電源が制御される際の回転キーの電源のON/OFF状態を示す回転キー電源管理表。
【図6】本発明に係る電子機器(携帯電話機)において、ディスプレイの電源をONにした場合のデバイス電源制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明に係る電子機器(携帯電話機)において、ディスプレイの電源をOFFにした場合のデバイス電源制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明に係る電子機器(携帯電話機)におけるディスプレイの電源ON時間と回転キーや静電パッドの電源ON時間との関連を示す図。
【図9】デバイス管理情報を示すデータ構成図。
【図10】モジュール管理情報を示すデータ構成図。
【図11】本発明に係る電子機器(携帯電話機)において、デバイス電源制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ディスプレイ,13…スピーカ,14…静電パッド、15…回転キー,16…マイクロフォン,17…操作キー,17a…サイドキー,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…デバイス電源管理部,24…表示制御部,25…音声制御部,26…通信制御部,26a…アンテナ,27…記憶部,30…要求パラメータ,31…モジュールID情報,32…装置ID情報,33…ON/OFF指定情報,34…回転キー電源管理表,36…デバイス管理情報,37…モジュール管理情報。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイの電源のON/OFF状態に基づいて入力デバイスの電源のON/OFF状態を制御する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機等の電子機器の高機能化に伴い、電子機器に搭載される入力デバイスも多様化している。例えば、ドーナツ型に形成されたキーを回転させることによりデータを入力する回転キーや、ユーザの指や専用ペン等の接触を感知することによりデータを入力する静電パッド等の入力デバイスが電子機器に搭載されるようになってきた。そして、電子機器のUI(User Interface)も進化して、ユーザが電子機器を扱う際の操作性が格段に向上している。
【0003】
例えば特許文献1によると、メニュー表示にエンタテインメント性を付加する携帯端末が提案されている。この携帯端末は、複数のメニュー項目を含むメニューを表示する際、各メニュー項目にそれぞれ対応づけられた複数のアイテムを配置した背景画像を表したメニュー画面を表示し、このメニュー画面においてユーザの指示により複数のアイテム間でフォーカスが移動し、目的のメニュー項目に対応するアイテムがフォーカスされた状態で決定操作を行うことにより、そのメニュー項目の選択が決定されるとともに、背景画像の色調は少なくとも現在の時刻をパラメータとして変化するものである。
【特許文献1】特開2007−41641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯電話機等の電子機器が回転キーや静電パッド等の複数の入力デバイスを搭載している場合、入力を検知するために入力デバイスに常時電流を流しているため、これらの高機能な入力デバイスによる消費電力が大きくなり、電子機器の連続動作時間に悪影響を与えている。しかしながら、ユーザに携帯される小型の電子機器においては、連続動作時間の長さが重要視されている。
【0005】
また、電子機器により実行されるアプリケーションプログラムによって、回転キーや静電パッド等の入力デバイスが使用されるケースも使用されないケースも考えられる。実行されるアプリケーションプログラムに依存させずに、入力デバイスによる消費電力を軽減できることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされてものであり、不使用状態の入力デバイス(回転キーや静電パッド等)に無駄な電流を流さないように電源制御することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子機器は、データを表示する表示手段と、前記表示手段の電源のON/OFF状態を制御する表示制御手段と、データを入力する入力手段と、前記表示制御手段による制御に基づいて、前記入力手段の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る電子機器によると、回転キーや静電パッド等の入力デバイスの電源状態をディスプレイの電源状態に基づいて制御して、不使用状態の入力デバイスに無駄な電流を流さないように電源制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
本発明に係る電子機器の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る電子機器として、複数の筐体が相互にスライド自在に結合されてなる開閉自在の携帯電話機1を例にあげて説明する。
【0010】
図1(A)は、携帯電話機1の閉じた状態を示す斜視図、図1(B)は、携帯電話機1の開いた状態を示す斜視図である。携帯電話機1は、図1(A)及び図1(B)に示すように、矩形の板状の上筐体10と、この上筐体10とほぼ同形状をした下筐体11とが、閉じた状態で、相互に一面を覆うように積層されることにより形成されている。これらの上筐体10及び下筐体11は、所定方向(例えば長手方向)に相互に所定長さだけスライド可能なように結合されていて、上筐体10を下筐体11に対してスライドさせることにより、閉じた状態から開いた状態に、あるいは開いた状態から閉じた状態に変形する。
【0011】
上筐体10の外面(下筐体11に対面しない側の面)には、文字や画像等からなる画面を表示するためのディスプレイ12、音声を出力するためのスピーカ13が設けられている。また、上筐体10の外面には、接触を感知するセンサでありユーザが指等で触れることにより指示を入力する複数の静電パッド14、ユーザが回転させることにより回転方向や回転角度に基づいて指示を入力する回転キー15が設けられている。
【0012】
また、回転キー15の一部(例えば上面視上下左右の位置(図1(A)及び図1(B)に示す15a乃至15dのそれぞれの位置))が押下(キー押下動作)されたときに、それぞれ上下左右の選択または移動として動作するとともに、回転キー15が回転されたときには、その回転が所望のキー押下動作に置き換えられて動作する。例えば、回転キー15が時計回りに回転された場合であれば下側(15c)が連続して押下されたときの動作、回転キー15が反時計回りに回転された場合であれば、上側(15a)が連続して押下されたときの動作を行う。
【0013】
これらのディスプレイ12、スピーカ13、静電パッド14、及び回転キー15は、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても外部に露出するように設けられている。よって、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても、ユーザはディスプレイ12の画面を視認したり静電パッド14や回転キー15を介して指示を入力したりすることができる。
【0014】
下筐体11の内面(上筐体10に対面する側の面)には、音声を集音するためのマイクロフォン16、ユーザが押下することにより指示を入力するための複数の操作キー17が設けられている。これらのマイクロフォン16や操作キー17は、携帯電話機1が閉じた状態のときには、上筐体10により覆われていて外部に露出していないが、上筐体10を下筐体11に対してスライドさせて開いた状態に変形させたときには、外部に露出される。よって、携帯電話機1が開いた状態のときには、ユーザは操作キー17を介して指示を入力することができるが、携帯電話機1が閉じた状態のときには、ユーザは操作キー17を介して指示を入力することができない。
【0015】
下筐体11の側面には、ユーザが押下することにより指示を入力するための複数のサイドキー17aが設けられている。これらのサイドキー17aは、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても外部に露出するように設けられている。よって、携帯電話機1が閉じた状態であっても開いた状態であっても、ユーザはサイドキー17aを介して指示を入力することができる。
【0016】
次に、携帯電話機1の機能について、図2に示すブロック図を用いて説明する。携帯電話機1は、図2に示すように、主制御部20、電源回路部21、操作入力制御部22、デバイス電源管理部23、表示制御部24、音声制御部25、通信制御部26、及び記憶部27がバスによって相互に通信可能に接続されて構成されている。
【0017】
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)を具備し、携帯電話機1の総括的な制御を行うとともに、後述するデバイス電源制御処理、その他の様々な演算処理や制御処理等を行う。電源回路部21はバッテリ等の電源供給源を具備し、ユーザによる操作キー17を介した入力に基づいて電源のオン/オフ状態を切り替え、電源がオン状態の場合に電力供給源から各部に対して電力を供給して、携帯電話機1を動作可能にする。
【0018】
操作入力制御部22は静電パッド14、回転キー15、操作キー17、及びサイドキー17aに対する入力インタフェースを備え、静電パッド14の接触、回転キー15の押下、回転キー15の回転、操作キー17の押下、及びサイドキー17aの押下等の操作を検出すると、それらの操作を示す信号を生成して、この信号を主制御部20に伝送する。
【0019】
デバイス電源管理部23は、主制御部20の制御に基づいて、静電パッド14及び回転キー15の電源のON/OFF状態を管理する。すなわちデバイス電源管理部23は、主制御部20(主制御部20により実行されているアプリケーションプログラム)、または表示制御部24から、回転キー15や静電パッド14の電源ON/OFF要求を受信すると、この要求に基づいて、回転キー15や静電パッド14に対して電源ON/OFF要求を送信して、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFF状態を切り替える。
【0020】
表示制御部24はディスプレイ12に対する表示インタフェースを備え、主制御部20の制御に基づいて、文書や画像等からなる画面をディスプレイ12に表示したり、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替えたりする。すなわち表示制御部24は、主制御部20(主制御部20により実行されているアプリケーションプログラム)からディスプレイ12の電源ON/OFF要求を受信すると、この要求に基づいて、ディスプレイ12に対して電源ON/OFF要求を送信して、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替える。また表示制御部24は、主制御部20からディスプレイ12の電源ON/OFF要求を受信した際に、デバイス電源管理部23に対して、回転キー15や静電パッド14等の入力デイバスの電源ON/OFF要求を送信する。
【0021】
音声制御部25は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声からアナログ音声信号を生成し、このアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。また音声制御部25は、デジタル音声信号を取得すると、主制御部20の制御に基づいて、このデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ13から音声として出力する。
【0022】
通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、基地局(図示せず)からアンテナ26aを介して受信した受信信号をスペクトラム逆拡散処理してデータを復元する。このデータは、主制御部20の指示により、音声制御部25に伝送されてスピーカ13から出力されたり、表示制御部23に伝送されてディスプレイ12に表示されたり、または記憶部27に記録されたりする。また通信制御部26は、主制御部20の制御に基づいて、マイクロフォン16で集音された音声データや静電パッド14や回転キー15、操作キー17等を介して入力されたデータや記憶部27に記憶されたデータを取得すると、これらのデータに対してスペクトラム拡散処理を行い、基地局に対してアンテナ26aを介して送信する。
【0023】
記憶部27は、主制御部20が行う処理について、処理プログラムや処理に必要なデータ等を格納するROM(Read Only Memory)やハードディスク、不揮発性メモリ、データベース、主制御部20が処理を行う際に使用されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、主制御部20が後述するデバイス電源制御処理を行う際の処理プログラムは、例えばROMに記憶されているものとする。
【0024】
また、記憶部27は、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの使用を許可するか否かを設定するデバイス設定情報を記憶している。このデバイス設定情報は、入力デバイスの使用を許可する場合にはONが、許可しない場合にはOFFが設定されている。携帯電話機1は、デバイス設定情報がOFFに設定されているときには、所定の入力デバイス(例えば回転キー15)を介した入力があってもこの入力の検出を行わない。このデバイス設定情報は、ユーザにより設定されたり、実行されるアプリケーションプログラムによって設定されたりする。予め使用されないことがわかっている入力デバイスに対して、デバイス設定情報をOFFに設定して、入力を検出するための電流を流さないことにより、携帯電話機1の消費電力を軽減させることができる。
【0025】
図3は、携帯電話機1が静電パッド14や回転キー15等の入力デバイスの電源を制御するデバイス電源制御処理を説明するための概略図である。携帯電話機1の主制御部20は、図3に示すように、実行中のUI(User Interface)アプリケーションプログラムの制御に基づいて、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替えるように表示制御部24に指示を出し、表示制御部24は、この指示に基づいて、ディスプレイ12に電源ON/OFF要求を送信して、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態を切り替える。
【0026】
また表示制御部24は、ディスプレイ12に対して電源のON/OFF要求を送信した際に、デバイス管理部23に対して、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFFを切り替えるように指示を出し、デバイス電源管理部23は、この指示に基づいて、回転キー15や静電パッド14等の各々の入力デバイスに電源ON/OFF要求を送信して、これらの入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替える。この際、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態に基づいて入力デバイスの電源のON/OFF状態が切り替えられるため、携帯電話機1で実行されているアプリケーションプログラム(上位のアプリケーション層)に依存せずに、ディスプレイ12(下位層)の電源のON/OFF状態のみに基づいて、入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替えることができる。
【0027】
また主制御部20は、実行中のUIアプリケーションプログラムの制御に基づいて、デバイス設定情報に応じて、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替えるようにデバイス電源管理部23に指示を出し、デバイス電源管理部23は、回転キー15や静電パッド14等の各々の入力デバイスに電源ON/OFF要求を送信して、これらの入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替える。
【0028】
図4は、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFF状態を切り替える際に、主制御部20や表示制御部24によりデバイス電源管理部23に対して送信される要求パラメータ30を示す図である。主制御部20や表示制御部24により送信される入力デバイスの電源ON/OFF要求は、この要求パラメータ30を含んでいる。この要求パラメータ30は、図4に示すように、要求元のモジュールを示すモジュールID情報31、制御対象のデバイスを示す装置ID情報32、電源をONにするかOFFにするかを指定するためのON/OFF指定情報33を含んでいる。モジュールID情報31には、例えばUIアプリケーション(主制御部20)や表示制御部24等のいずれかが示され、装置ID情報32には、回転キー15や静電パッド14等のいずれか(または双方)が示され、ON/OFF指定情報33には、ONまたはOFFのいずれかが示される。
【0029】
また、ユーザが携帯電話機1を操作する際、ディスプレイ12の画面に基づいて回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスを操作するため、ディスプレイ12の画面が表示されていないときに回転キー15や静電パッド14が操作させる可能性は低いものと考えられる。よって、携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態に基づいて、回転キー15や静電パッド14の電源のON/OFF状態を制御する。
【0030】
図5は、ディスプレイ12の電源が制御される際の回転キー15の電源のON/OFF状態を示す回転キー電源管理表34である。ここでは、例えば図5に示すように、デバイス設定がONに設定されている場合、ディスプレイ12の電源がONに設定されたときに、回転キー15の電源がONに設定され、ディスプレイ12の電源がOFFに設定されたときに、回転キー15の電源がOFFに設定される。また、デバイス設定がOFFに設定されている場合は、ディスプレイ12の電源がONであってもOFFであっても、回転キー15の電源がOFFに設定される。なお、静電パッド14については特に記載をしないが、同様に適用することが可能である。以下回転キー15についての動作を記載するが、静電パッド14についても適用可能であるため、適宜省略する。
【0031】
すなわち、携帯電話機1は、複数のパス(例えばUIアプリケーションと表示制御部24)から入力デバイスに対する電源制御の要求が発生したときに、所定条件を満たす場合にのみ入力デバイスの電源制御を行う。携帯電話機1は、通常は入力デバイスの電源をOFFにするとともに、下記の(1)及び(2)の双方が満たされている場合には、回転キー15の電源をONにし、どちらか一方あるいは両方が満たされない場合には、回転キー15の電源をOFFにする。
(1)ディスプレイ12の電源がONであること
(2)ユーザ操作によりデバイス設定情報がOFFに設定されていないこと
【0032】
このように携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態が制御された際に、デバイス設定情報や回転キー電源管理表34に基づいて、回転キー15等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を制御する。携帯電話機1がこのデバイス電源制御処理を行う際の手順について、図6及び図7に示すフローチャートに基づいて説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0033】
始めに、ディスプレイ12の電源がOFFからONに切り替えられる場合のデバイス電源制御処理について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ディスプレイ12の電源は始めにOFFに設定されていて、画面が消灯しているものとする。
【0034】
まず主制御部20は、ディスプレイ12の電源をONにするように指示されたか否かを判断する(S101)。この際、主制御部20は、ユーザによる操作キー17やサイドキー17aの操作に基づいて、または実行中のアプリケーションプログラムの制御に基づいて、ディスプレイ12の電源をONにするように指示されたものと判断する。ディスプレイ12の電源をONにするように指示されていない場合(S101のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0035】
ディスプレイ12の電源をONにするように指示された場合(S101のYes)は、主制御部20は、ディスプレイ12の電源をONにする(S103)。これにより、ディスプレイ12は点灯して画面を表示する。主制御部20は、記憶部27からデバイス設定情報を取得して、デバイス設定情報がONに設定されているか否かを判断する(S105)。
【0036】
デバイス設定情報がONに設定されている場合(S105のYes)は、主制御部20は、回転キー15の電源をONにする(S107)。すなわち、主制御部20は、回転キー電源管理表34において、デバイス設定情報がONに設定されているとともにディスプレイ12の電源がONであるときに回転キー15の電源をONにするように記述されているため、回転キー15の電源をONにする。
【0037】
デバイス設定情報がOFFに設定されている場合(S105のNo)は、主制御部20は、回転キー15の電源をOFFにする(S111)。すなわち、主制御部20は、回転キー電源管理表34において、デバイス設定情報がOFFに設定されているとともにディスプレイ12の電源がONであるときに回転キー15の電源をOFFにするように記述されているため、回転キー15の電源をOFFにする。
【0038】
次に、ディスプレイ12の電源がONからOFFに切り替えられる場合のデバイス電源制御処理について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ディスプレイ12の電源は始めにONに設定されていて、画面が点灯しているものとする。
【0039】
まず主制御部20は、ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示されたか否かを判断する(S201)。この際、主制御部20は、ユーザによる操作キー17やサイドキー17aの操作に基づいて、または実行中のアプリケーションプログラムの制御に基づいて、あるいは携帯電話機1が一定時間操作されなかったことに基づいて、ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示されたものと判断する。ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示されていない場合(S201のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0040】
ディスプレイ12の電源をOFFにするように指示された場合(S201のYes)は、主制御部20は、回転キー15の電源をOFFにする(S203)。すなわち、主制御部20は、回転キー電源管理表34において、デバイス設定情報がONであってもOFFであってもディスプレイ12の電源がOFFであるときに回転キー15の電源をOFFにするように記述されているため、回転キー15の電源をOFFにする。
【0041】
そして主制御部20は、ディスプレイ12の電源をOFFにする(S207)。これにより、ディスプレイ12は消灯して画面の表示を終了する。
【0042】
このようにして携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源のON/OFF状態が切り替わったときに、デバイス設定情報や回転キー電源管理表34に基づいて、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を制御する。
【0043】
具体的には、携帯電話機1は、デバイス設定情報がONに設定されている場合、ディスプレイ12の電源がONにされたときには、回転キー15の電源をONにし、ディスプレイ12の電源がOFFにされたときには、回転キー15の電源をOFFにする。また、携帯電話機1は、デバイス設定情報がOFFに設定されている場合、ディスプレイ12の電源がONにされたときには、回転キー15の電源をOFFのままにし、ディスプレイ12の電源がOFFにされたときには、回転キー15の電源をOFFのままにする。
【0044】
図8は、ディスプレイ12の電源ON時間と、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源ON時間との関係を示す図である。携帯電話機1は、図8に示すように、回転キー15や静電パッド14の電源をONにする際に、必ずディスプレイ12の電源を先行してONにしてから回転キー15(や静電パッド14)の電源をONにする。また携帯電話機1は、回転キー15(や静電パッド14)の電源をOFFにする際に、必ずディスプレイ12の電源をOFFにする前に回転キー15(や静電パッド14)の電源をOFFにする。
【0045】
ユーザが回転キー15や静電パッド14を用いて携帯電話機1にデータを入力する際、ディスプレイ12に表示された画面に基づいて入力操作を行う。よって、ディスプレイ12の点灯後に回転キー15や静電パッド14の電源をONにするとともに、ディスプレイ12の消灯前に回転キー15や静電パッド14の電源をOFFにすることにより、ディスプレイ12が消灯している間に回転キー15や静電パッド14による入力がされてしまい、携帯電話機1が、ユーザにより意図されない動作を行ってしまうことが防止される。
【0046】
次に、携帯電話機1が、入力デバイスに関連するモジュール(入力デバイスの電源のON/OFF状態を切り替えるよう指示を出す可能性のあるモジュール)からの要求に基づいて、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源のON/OFF状態を管理するデバイス電源管理処理について説明する。
【0047】
記憶部27は、各々の入力デバイスに対して、電源のON/OFF状態を管理するためのデバイス管理情報36を記憶している。デバイス管理情報36は、例えば図9に示すように、入力デバイスを識別するための装置ID情報37と、この入力デバイスの現在の電源状態を示す物理電源状態情報38と、この入力デバイスの電源状態に関連する各々のモジュールの要求内容を配列で示すモジュール別要求内容情報39とを含んでいる。装置ID情報37には、例えば回転キー15の識別情報や静電パッド14の識別情報等の入力デバイスのいずれかの識別情報が設定されている。物理電源状態情報38には、装置ID情報37に設定された入力デバイスの電源が現在ONである場合には「ON」が設定され、現在OFFである場合には「OFF」が設定されている。物理電源状態情報38は、入力デバイスの電源状態が切り替わるたびに随時更新される。
【0048】
モジュール別要求内容情報39には、例えば図10に示すように、モジュールを識別するためのモジュールID情報41と、このモジュールから入力デバイスへの要求内容を示す要求内容情報42とを含んだモジュール管理情報40が、モジュール毎に配列で設定されている。モジュール管理情報40のモジュールID情報41には、例えば表示制御部24やUIアプリケーション(主制御部20)が設定されている。要求内容情報42には、例えばこのモジュールから入力デバイスに対して電源をONにするように要求されている場合には「ON」が設定され、電源をOFFにするように要求されている場合には「OFF」が設定されている。モジュール別要求内容情報39は、入力デバイスと関連するモジュールが追加(または削除)される度に、またはモジュールによる要求内容が切り替わる度に随時更新される。
【0049】
主制御部20は、回転キー15や静電パッド14等のいずれかの入力デバイスの装置管理情報36のモジュール別要求内容情報39(すなわち要求内容情報42)が更新されたとき、すなわち、いずれかのモジュールから入力デバイスの電源状態を切り替えるように要求を受け付けたとき、この入力デバイスに関連する全てのモジュールのモジュール管理情報40に基づいて、全てのモジュールの要求内容情報42がONであった場合に、対象となる入力デバイスの電源をONにし、いずれかがONでなかった場合に、対象となる入力デバイスの電源をOFFにする。
【0050】
携帯電話機1が、デバイス管理情報36やモジュール管理情報40に基づいて、入力デバイスの電源のON/OFF状態を管理するデバイス管理処理を行う際の手順について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
始めに主制御部20は、入力デバイス(例えば回転キー15)と関連するモジュールの要求内容情報が更新されたか否かを判断する(S301)。この際、主制御部20は、この入力デバイスのデバイス管理情報36のモジュール別要求内容情報39が更新されたことに基づいて、入力デバイスと関連するモジュールの要求内容情報が更新されたものと判断する。入力デバイスと関連するモジュールの要求内容情報が更新されていない場合(S301のNo)は、主制御部20はそのまま待機する。
【0052】
入力デバイスと関連するモジュールの要求内容情報が更新された場合(S301のYes)は、主制御部20は、モジュール別要求内容情報39において配列で示されている複数のモジュールのうち、先頭のモジュールをAとして、このAのモジュールの要求内容情報42を取得する(S303)。また主制御部20は、いずれかのモジュールから電源をOFFにするように要求されているか否かを判別するための状態変化フラグを生成して、この状態変化フラグに初期値として0を設定する(S305)。
【0053】
主制御部20は、モジュール別要求内容情報39において、AのモジュールのモジュールID(すなわちモジュールID情報41)がNULLか否かを判断する(S307)。モジュール別要求内容情報39において、ステップS303にて取得したモジュールが空である(すなわち、全てのモジュールに関してステップS307乃至S311の処理を行った)ことを意味する。
【0054】
AのモジュールのモジュールIDがNULLでない場合(S307のNo)は、主制御部20は、Aのモジュールの要求内容が電源OFFであるか否かを判断する(S309)。この際、主制御部20は、Aのモジュールの要求内容情報42が「OFF」に設定されていた場合に、Aのモジュールの要求内容が電源OFFであるものと判断する。そして主制御部20は、Aのモジュールの要求内容が電源OFFであった場合(S309のYes)、ステップS305にて生成した状態変化フラグに1を設定する(S311)。
【0055】
主制御部20は、モジュール別要求内容情報39において配列で示されている複数のモジュールのうち、次のモジュールをAとして、このAのモジュールの要求内容情報42を取得する(S313)。そして主制御部20は、再びステップS307に戻って、このAのモジュールに対してステップS307以降の処理を行う。
【0056】
AのモジュールのモジュールIDがNULLであった場合(S307のYes)は、主制御部20は、ステップS305にて生成した状態変化フラグが0であるか否かを判断する(S315)。状態変化フラグが0であった場合(S315のYes)は、主制御部20は、要求内容がすべてONであるため、入力デバイスの電源をONにする(S317)。一方で、状態変化フラグが0でなかった場合、すなわち1であった場合(S315のNo)は、主制御部20は、要求内容にOFFが含まれるため、入力デバイスの電源をOFFにする(S318)。
【0057】
ステップS309及びS311の処理により、入力デバイス(例えば回転キー15)と関連する複数のモジュールのうち、全てのモジュールが電源ONを要求していた場合には、状態変化フラグが0となり、一つでも電源OFFを要求していた場合には、状態変化フラグが1となる。よって、入力デバイス(例えば回転キー15)と関連する複数のモジュールのうち、全てのモジュールが電源ONを要求していた場合には、ステップS317にて回転キー15の電源がONにされ、一つでも電源OFFを要求していた場合には、ステップS319にて回転キー15の電源がOFFにされる。
【0058】
このようにして携帯電話機1は、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源管理に対する制御権限を持つモジュールを限定し、それぞれのモジュールからの制御の内容を管理する。そして携帯電話機1は、制御の内容が更新されたとき、これらの入力デバイスに対して電源制御を行なう。
【0059】
例えば、携帯電話機1は、ディスプレイ12の電源状態に基づいた要求、UIアプリケーションに基づいた要求のうちの、双方の要求内容が電源ONであった場合にはその入力デバイスを電源をONにし、要求内容にどれか一つでも電源OFFが含まれていた場合にはその入力デバイスの電源をOFFにする。
【0060】
また、実施形態として、ディスプレイ12の電源状態に基づいて回転キー15及び静電パッド14の電源状態を制御する場合について説明したが、これに限定されず、加速度センサや照度センサ等のその他の入力デバイスに対して適用することもできる。
【0061】
本発明に係る電子機器(携帯電話機1)によると、回転キー15や静電パッド14等の入力デバイスの電源状態をディスプレイ12の電源状態に基づいて制御して、不使用状態の入力デバイスに無駄な電流を流さないように電源制御することが可能となる。
【0062】
本発明の説明として、携帯電話機1について説明したが、これに限らず、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)等、ディスプレイや入力デバイスを備えている電子機器であれば、任意の電子機器であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】(A)は、本発明に係る電子機器(携帯電話機)の閉じた状態を示す斜視図、(B)は、本発明に係る電子機器(携帯電話機)の開いた状態を示す斜視図。
【図2】本発明に係る電子機器(携帯電話機)の機能ブロック図。
【図3】本発明に係る電子機器(携帯電話機)におけるデバイス電源制御処理を説明するための概略図。
【図4】本発明に係る電子機器(携帯電話機)におけるデバイス電源制御処理において送信される要求パラメータを示すデータ構成図。
【図5】本発明に係る電子機器(携帯電話機)のディスプレイの電源が制御される際の回転キーの電源のON/OFF状態を示す回転キー電源管理表。
【図6】本発明に係る電子機器(携帯電話機)において、ディスプレイの電源をONにした場合のデバイス電源制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図7】本発明に係る電子機器(携帯電話機)において、ディスプレイの電源をOFFにした場合のデバイス電源制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】本発明に係る電子機器(携帯電話機)におけるディスプレイの電源ON時間と回転キーや静電パッドの電源ON時間との関連を示す図。
【図9】デバイス管理情報を示すデータ構成図。
【図10】モジュール管理情報を示すデータ構成図。
【図11】本発明に係る電子機器(携帯電話機)において、デバイス電源制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
1…携帯電話機,10…上筐体,11…下筐体,12…ディスプレイ,13…スピーカ,14…静電パッド、15…回転キー,16…マイクロフォン,17…操作キー,17a…サイドキー,20…主制御部,21…電源回路部,22…操作入力制御部,23…デバイス電源管理部,24…表示制御部,25…音声制御部,26…通信制御部,26a…アンテナ,27…記憶部,30…要求パラメータ,31…モジュールID情報,32…装置ID情報,33…ON/OFF指定情報,34…回転キー電源管理表,36…デバイス管理情報,37…モジュール管理情報。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを表示する表示手段と、
前記表示手段の電源のON/OFF状態を制御する表示制御手段と、
データを入力する入力手段と、
前記表示制御手段による制御に基づいて、前記入力手段の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記入力制御手段は、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がONにされた場合、前記入力手段の電源をONにし、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がOFFにされた場合、前記入力手段の電源をOFFにすることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記入力制御手段は、前記入力手段の電源をONにする際、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がONされた後に、前記入力手段の電源をONにするとともに、前記入力手段の電源をOFFにする際、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がOFFにされる前に、前記入力手段の電源をOFFにすることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記入力手段の電源のON/OFFを設定するための設定情報を記憶する記憶手段を備え、
前記入力制御手段は、記憶手段により記憶された設定情報がOFFであった場合、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がONにされても、前記入力手段の電源をONにしないことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
データを入力する入力手段と、
モジュールから前記入力手段への電源のON/OFF要求をモジュール毎に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各々の電源のON/OFF要求の更新を検知する更新検知手段と、
前記更新検知手段により更新が検知された際に、前記入力手段の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記入力制御手段は、前記記憶手段により記憶された電源のON/OFF要求の全てがONの要求であった場合、前記入力手段の電源をONにし、前記記憶手段により記憶された電源のON/OFF要求のいずれかがOFFの要求であった場合、前記入力手段の電源をOFFにすることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記入力手段が、電子機器に回転自在に設けられ、その回転方向や回転角度に基づいてデータを入力する回転キーであることを特徴とする請求項1または5記載の電子機器。
【請求項1】
データを表示する表示手段と、
前記表示手段の電源のON/OFF状態を制御する表示制御手段と、
データを入力する入力手段と、
前記表示制御手段による制御に基づいて、前記入力手段の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記入力制御手段は、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がONにされた場合、前記入力手段の電源をONにし、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がOFFにされた場合、前記入力手段の電源をOFFにすることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記入力制御手段は、前記入力手段の電源をONにする際、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がONされた後に、前記入力手段の電源をONにするとともに、前記入力手段の電源をOFFにする際、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がOFFにされる前に、前記入力手段の電源をOFFにすることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記入力手段の電源のON/OFFを設定するための設定情報を記憶する記憶手段を備え、
前記入力制御手段は、記憶手段により記憶された設定情報がOFFであった場合、前記表示制御手段により前記表示手段の電源がONにされても、前記入力手段の電源をONにしないことを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
データを入力する入力手段と、
モジュールから前記入力手段への電源のON/OFF要求をモジュール毎に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各々の電源のON/OFF要求の更新を検知する更新検知手段と、
前記更新検知手段により更新が検知された際に、前記入力手段の電源のON/OFF状態を制御する入力制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記入力制御手段は、前記記憶手段により記憶された電源のON/OFF要求の全てがONの要求であった場合、前記入力手段の電源をONにし、前記記憶手段により記憶された電源のON/OFF要求のいずれかがOFFの要求であった場合、前記入力手段の電源をOFFにすることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記入力手段が、電子機器に回転自在に設けられ、その回転方向や回転角度に基づいてデータを入力する回転キーであることを特徴とする請求項1または5記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−108286(P2010−108286A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280188(P2008−280188)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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