説明

電子機器

【課題】消費電力の軽減に最適な電子機器の提供。
【解決手段】本発明は、カードリーダに電力を供給する電力供給手段を備えた電子機器を前提とする。そして、本発明の電子機器は、検知手段と、電力供給制御手段を備える。検知手段は、カードリーダへのカードの挿入・排出を検知し、電力供給制御手段は、検知手段がカードの挿入を検知すると、電力供給手段に、カードリーダへの電力供給を開始させる。そして、電力供給制御手段は、検知手段が、挿入されたカードの排出を検知すると、電力供給手段に、カードリーダへの電力供給を遮断させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードリーダに電力を供給することが可能な電子機器に関し、特に消費電力の軽減に最適な電子機器である。
【背景技術】
【0002】
現在電子機器一般に消費電力の軽減が要請されており、当該電子機器(例えば画像形成装置)にカードリーダを備えた場合も消費電力の軽減が要請されている。カードリーダはカードリーダの規格によりUSBで接続される必要があるので、カードリーダの消費電力を軽減するためには、USBからの電力を軽減する必要がある。特許文献1には、消費電力の軽減のために、省電力スタンバイ状態に移行出来る画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−278110
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術の画像形成装置にUSB接続を介してカードリーダを設けた場合には、カードが挿入されたか否かを常に検知できるように、カードリーダを常にON(通電状態)にする必要がある。モータ等の電源をOFFにできるとしても、カードリーダへの電源はOFFにできない。よって、従来の画像形成装置にカードリーダを設けた場合には、カードリーダの消費電力分を軽減することはできない。
【0005】
上記USBを介して電力の供給を受けるカードリーダに流れる電流は約50mAであり、カードリーダが使用される頻度が低ければ、使用頻度の低いカードリーダのために常に電源をONにしておく必要があるのは、消費電力の軽減の観点から問題となっていた。したがって、カードリーダを使用しない場合(カードの検知待ち時間)にはカードリーダの電力を軽減させることができる、画像形成装置が要請されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するための本発明は、カードリーダに電力を供給する電力供給手段を備えた電子機器を前提とする。そして、本発明の電子機器は、検知手段と、電力供給制御手段を備える。検知手段は、カードリーダへのカードの挿入・排出を検知し、電力供給制御手段は、検知手段がカードの挿入を検知すると、電力供給手段に、カードリーダへの電力供給を開始させる。そして、電力供給制御手段は、検知手段が、挿入されたカードの排出を検知すると、電力供給手段に、カードリーダへの電力供給を遮断させることを特徴とする。
【0007】
上記の構成において、検知手段がカードの挿入を検知すると、電子機器を、消費電力を抑えたスリープ状態から機能提供可能なアクティブ状態へ切り替え、検知手段が、挿入されたカードの排出を検知すると、電子機器をアクティブ状態からスリープ状態へ切り換える状態切替手段をさらに備えることが望ましい。
【0008】
上記の構成であれば、カードリーダの検知手段がカードの挿入を検知した場合に、状態切替手段が電子機器の電力供給手段からの電力供給の遮断を解除するので、電力供給手段からの電力供給が遮断されていた(スリープ状態)としても、カードリーダにカードが挿入される際に、カードリーダにUSBを介して電力を供給できるので、カードリーダが使用されない場合にカードリーダへUSBを介した電力の供給を行う必要が無い。
【0009】
また、検知手段がカードリーダへのカードの接触を検知し、当該検知手段がカードの接触を検知すると、電力供給制御手段が電力供給手段に、カードリーダへの電力供給を開始させる構成としてもよい。
【0010】
上記の構成において、電子機器が画像形成装置であると、カードリーダを備えた画像形成装置であっても、当該カードリーダに電力供給手段からの電力を供給しない状態で、画像形成装置をスリープ状態にすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカードリーダに電力を供給することが可能な電子機器によると、カードリーダへの通電を遮断した状態で、電子機器をスリープ状態にできる。更に、カードリーダが使用される場合に、電子機器をスリープ状態から復帰させて、カードリーダを通電させることができる。したがって、少なくとも、カードリーダにUSBを介して電力を供給する分の消費電流分(約50mA)を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)の読取部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)の操作部を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)に設けるカードリーダを示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)の機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)のスリープ状態からの復帰処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る電子機器(画像形成装置)に設けるカードリーダの他の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(画像形成装置)
以下に、本発明の電子機器の一例として画像形成装置における基本的なコピーサービスの処理を説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、プリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機、デジタル複写機、プリンタ等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。図1は、複合機の概略模式図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0014】
ユーザが複合機100を利用して例えば原稿の印刷を行う場合、原稿を図1に示す原稿台103、或いは載置台105に配置し、原稿台103近傍に備えられた操作部400に対して印刷の指示を行う。当該指示があると、以下に示す各部(駆動部)が動作することで、印刷が行われる。
【0015】
即ち、図1に示すように、本実施の形態の複合機100は、本体101と、本体101の上方に取り付けられたプラテンカバー102を備える。本体101の上面は原稿台103が設けられており、原稿台103は、プラテンカバー102によって開閉されるようになっている。プラテンカバー102は、自動原稿給紙装置104と載置台105と排紙台109が設けられている。
【0016】
原稿台103の下方には、読取部110が設けられており、図2にその詳細が示されている。読取部110は、原稿台103を照射する主走査方向に長い光源111と、原稿台からの光を選択的に通過させるスリット116と、原稿台からの光を導くミラー112とを備える第一の移動キャリッジ117や、第一の移動キャリッジ117からの反射光を再度反射するミラー113A、113Bを備える第二の移動キャリッジ118、さらにミラーで導かれた光を光学的に補正するレンズ群119、当該レンズ群119より補正された光を受光する撮像素子115、撮像素子115にて受光した光を電気信号に変換し、必要に応じて補正・修正などを行う画像データ生成部114とで構成されている。
【0017】
自動原稿給紙装置104上の原稿を読み取る場合には、光源111は、読取位置Pを照射できる位置に移動して発光する。光源111からの光は、原稿台103を透過して読取位置Pを通過する原稿にて反射し、スリット116、ミラー112、113A、113B、レンズ群119によって撮像素子115に導かれる。撮像素子115は、受光した光を電気信号に変換して画像データ生成部114に送信する。画像データ生成部114には、上記撮像素子115にて受光された光がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のアナログ電気信号として入力され、ここでアナログ−デジタル変換され、即ちデジタル化される。さらに、画像データ生成部114では、順次変換されたデジタル信号を単位データとし、これら単位データを補正、修正等することで複数の単位データからなる画像データを生成する。
【0018】
また、読取部110が原稿台103に載置された原稿を読み取る場合は、第一のキャリッジ117は、光源111を発光しながら副走査方向に移動し、光源111から撮像素子115までの光路長を一定にするために、第二の移動キャリッジ118は第一の移動キャリッジ117の1/2の速度で撮像素子115方向に移動する。
【0019】
撮像素子115は、ミラー112、113A、113Bに導かれた光に基づいて原稿台103に載置された原稿からの光を電気信号に変換し、これに基づいて画像データ生成部114が画像データを生成する。
【0020】
本体101の読取部110の下方には、画像データを印刷する印刷部120を備えている。印刷部120が印刷できる画像は、上記のように画像データ生成部114にて生成されたものや、複合機100に接続された通信ケーブル201を介して、ネットワーク202から画像形成の指示とともに送信される場合もある。
【0021】
印刷部120が行う印刷方式には、電子写真方式が用いられている。即ち、感光ドラム121を帯電器122で一様に帯電させ、その後レーザ123で感光ドラム121を照射して感光ドラム121に潜像を形成し、現像器124で潜像にトナーを付着させて可視像を形成し、転写ローラにて可視像を用紙に転写する方式である。
【0022】
可視像が印刷される用紙は、手差しトレイ131、給紙カセット132、133、134などの給紙トレイに載置されたものである。
【0023】
印刷部120が印刷を行う際には、何れか1つの給紙トレイから用紙1枚を、ピックアップローラ135を用いて引き出し、引き出した用紙を搬送ローラ137やレジストローラ138で中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込む。用紙を引き出す場合、手差しトレイ131に載置された用紙を、手差しトレイ用ピックアップローラ136を用いて引き出しても構わない。
【0024】
印刷部120は、中間転写ベルト125Aと転写ローラ125Bの間に送り込んだ用紙に、上記中間転写ベルト125A上の可視像を転写すると、可視像を定着させるために、搬送ベルト126で定着装置127に用紙を送る。定着装置127は、ヒータが内蔵された加熱ローラ128と、所定の圧力で加熱ローラ128に押し当てられた加圧ローラ129とで構成されている。加熱ローラ128と加圧ローラ129の間を用紙が通過すると、熱と用紙への押圧力によって可視像が用紙に定着する。印刷部120は、定着装置127を通過した用紙を排紙トレイ130に排紙する。
【0025】
以上が、複合機100における基本的なコピーサービスの処理である。なお、複合機100は、上述した各部(読取部110、印刷部120)を適宜協働的に動作することによって、他の機能、例えば、ファクシミリ送受信機能、プリント機能、スキャン機能、後処理機能、メモリ機能等をユーザに提供する。本発明に係る画像形成装置は、電力供給手段で後述するカードリーダに電力を供給することが可能であり、画像形成装置の備えた上記カードリーダによりユーザを認識する。
【0026】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、当該複合機100における制御系ハードウェアの概略構成図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
【0027】
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305を内部バス306によって接続している。上記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、上記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて上記ドライバ305と操作部400からのデータ、指示を授受し、上記図1、2に示した各駆動部等の動作を制御する。カードリーダ500は、USBにより上記複合機の制御回路に接続されている。
【0028】
図4は、複合機100に備えられた操作部400の外観の一例を示す図である。ユーザは、上記操作部400を用いて、上述のような機能提供についての設定条件等を入力する。設定条件の入力、各サービスの実行開始等が行なわれる際に、上記操作部400に備えられたタッチパネル401、タッチペン402、操作キー403が用いられる。
【0029】
(カードリーダ)
次に本発明のカードリーダについて上記図1から図4及び図5、図6を参照しながら、説明する。図5は、本発明で使用するカードリーダ500及び検知手段501の構造を示す図であり、図6は本発明の複合機100の機能ブロック図である。
【0030】
複合機100はUSBポートを有し、カードリーダ500は、当該USB端子からUSBケーブルを介して複合機100の電力供給手段609に接続される。当該電力供給手段609からカードリーダ500へ電力を供給する。カードリーダ500は、複合機100にUSB接続されるのであれば、任意の場所に設置できるが、例えば、本実施の形態の複合機100には、読取部110の下方で、排紙トレイ140上方にUSBポート(図示しない)があり、当該USBポートとカードリーダ500のUSB端子(図示しない)間とがUSBケーブルを介してUSB接続され、複合機100の上記電力供給手段609から電力が供給される。
【0031】
図5(A)はカードリーダ500の要部の構成の模式的横断平面図であり、図5(B)はカードリーダ500の要部の構成の模式的縦断側面図である。本発明のカードリーダ500は例えば樹脂により形成され、矩形の本体ケース1には、ICカード等のカードCの挿入及び排出を行うカード挿入口511と、カード収容部510が形成されている。
【0032】
このカード収容部510は、当該カード収容部510の前方の挿入口511につながり、そして、当該挿入口511の付近には、例えばスイッチ501を設け、当該スイッチ501を後述の検知手段601に信号線514で接続する。図5(A)に示すように、スイッチ501は、例えば、挿入されるカードCが横手方向(挿入方向と直交する方向)へ押し付けられるとON(閉)すると共に離れるとOFF(開)するように構成できる。図6に示すように、カードCの挿入によりスイッチ501がONすると、スイッチ501は検知手段601にON信号を送信することで、検知手段601が、カードCの挿入を検知する。上記検知手段601の動作により電力供給制御手段603が複合機100の電力供給手段609にカードリーダ500への電力供給を開始させて、カードリーダ500にUSBケーブルを介して電力が供給される状態(通電状態)となるように構成されている。
【0033】
スリープ状態では検知手段601をスタンバイ状態にしておき、上記のように、カードCの挿入によりスイッチ501がONすることにより、スタンバイ状態の検知手段601が起動して、カードCの挿入を検知する構成でもよい。
【0034】
(スリープ状態からの復帰処理)
次に本発明の画像形成装置のスリープ状態からの復帰処理について上記図1から図6及び図7を参照しながら、説明する。図7は、本発明の複合機100のスリープ状態からの復帰処理を示すフローチャートである。
【0035】
本発明の複合機100は、カードCに記憶されたユーザIDと後述のユーザIDテーブルに基づいてユーザを認証し、コピー等のジョブが終了した場合にカードCを返却してユーザの認証を解除する。ユーザを認証することをログインすると称し、ユーザの認証を解除することをログアウトすると称する。
【0036】
カードリーダ500にカードCが挿入されていない場合は、複合機100の電力供給手段609から当該複合機100への電力の供給は電力供給制御手段604により一部遮断されて消費電力を抑えた状態であり、USBケーブルを介したカードリーダ500への電力供給も遮断される。上記消費電力を抑えた状態をスリープ状態という。上記スリープ状態では、CPUなどの回路基板を駆動する程度の比較的少ない電力は供給されるが、モータなどの各駆動部を駆動する電力は遮断される(図7:S101NO)。
【0037】
スリープ状態の複合機100のカードリーダ500にユーザがカードCを挿入すると、上記のように、カードリーダ500のスイッチ501が、カードCにより押し付けられることでONされて、複合機100の検知手段601にスイッチ501がONされた旨を通知することにより、検知手段601がカードCの挿入を検知する(図7:S101YES)。そして、カードCの挿入を検知した検知手段601が電力供給制御手段604に当該旨を通知する。
【0038】
上記通知を受けて、電力供給制御手段604は電力供給手段609にカードリーダ500への電力供給をさせる旨指示する。当該指示を受けて、電力供給手段609は、カードリーダ500への電力供給を開始する。すなわち、電力供給手段609からUSBケーブルを介してカードリーダ500に電力が供給され、カードリーダ500が通電状態となり、カードリーダ500の搬送手段502、カード位置確認手段503、読取手段504が起動するように構成されている
上記のように、カードCの挿入を検知した検知手段601が電力供給制御手段604に当該旨を通知し、これを受けて、電力供給制御手段604は、複合機100の動作状態をスリープ状態から機能提供可能な状態に切り替える。すなわち、電力供給手段609からの電力の供給を開始させ、複合機100の画像形成手段608(モータなどの駆動部)に電力が供給される。複合機100に上記電力供給手段609からの電力が供給された状態をアクティブ状態という。当該アクティブ状態では、複合機100の機能提供が可能となり、認証手段610とユーザIDテーブル記憶手段606も起動し、操作部400が操作可能状態となる(図7:S102→S103)。
【0039】
上記のように、電力供給手段609から電力の供給を受けて、カードリーダ500に備えられた上記搬送手段502がカードCをカード収容部510に完全に挿入し、スイッチ501がOFF(開)となる。(図7:S104)。
【0040】
上記のように、カードリーダ500のカード収容部510にカードCが完全に挿入されて検知手段がOFF(開)になると、カード位置確認手段503が、カードCが所定の位置に配置されたことを確認し、認証手段610にその旨を通知する。当該通知を受けて、認証手段610は、カードCに記憶されたユーザIDと、後述するユーザIDテーブル記憶手段606に記憶されたユーザIDテーブルとに基づいてユーザを認証する。
【0041】
まず、カードリーダ500の読取手段504がカードCに記憶されたユーザIDを取得し、取得したユーザIDを認証手段610に通知する。認証手段610は、上記ユーザIDがユーザIDテーブル記憶手段606に記憶されたユーザIDテーブル(図示せず)のユーザIDに一致すると判別すると、ユーザを認証する。なお、ユーザIDの他、操作部400からパスワードを入力させることによって、認証手段610が当該パスワードを取得し、取得したパスワードと記憶手段608に記憶されたパスワードが一致するかも判断した上でユーザを認証する構成とすることもできる(図7:S105YES)。
【0042】
上記のようにユーザが認証されると、コピー等の操作(ジョブ)を行うことができる(図7:S106)。画像形成手段608が、コピー等の操作(ジョブ)を終え、ユーザが操作部400のログアウトキー410を押下すると、認証手段610が、ログアウトを受け付ける。(図7:S107YES)。
【0043】
認証手段610がログアウトを受け付けると、当該認証手段610がカードリーダ500の搬送手段502にカードCを排出する旨指示する。当該指示を受けて搬送手段502は、カードCを排出する。このとき、上記カードCの挿入と逆の手順で、スイッチ501がカードCに押し付けられることで、スイッチ501がONとなる。その後、ユーザによりカードCが抜き取られてスイッチ501がOFFとなる。このスイッチ501の動作を受けて、検知手段601はカードCの排出を検知する(図7:S108)。
【0044】
上記のように、カードCの排出を検知すると、検知手段601は、電力供給制御手段604にカードCが排出された旨通知し、これを受けて、電力供給制御手段604は、電力供給手段609にカードリーダ500への電力供給を遮断させる旨指示する。当該指示を受けて、電力供給手段609は、カードリーダ500への電力供給を遮断する。
【0045】
更に、上記のように、カードCの排出を検知すると、検知手段601は、電力供給制御手段604に当該旨を通知し、これを受けて電力供給制御手段604は、複合機100の電力供給手段609の電力供給を一部遮断することで、複合機100の動作状態をアクティブ状態からスリープ状態に切り替える(図7:S109→S110)。
【0046】
一方、上記ステップS106で、カードCの認証が出来ない場合、操作部400のタッチパネルにカードCが認証できない旨の表示を行い、複合機100をスリープ状態に切り替える。例えば、カードCが不正カードであるような場合には、搬送手段502はカードCを排出する。そして、上記と同様に、電力供給制御手段604がカードリーダ500への電力供給手段609からの電力の供給を遮断し、更に、電力供給制御手段604が電力供給手段609に複合機100への電力の供給を一部遮断させて処理を終了する(図7:S105NO→S111)。
【0047】
(その他)
認証手段610がユーザを認証した後、画像形成手段608により行われるジョブ(コピー等)に応じたジョブ情報をカードCに書き込む構成としてもよい。例えば、以下のようなステップとすることができる。
【0048】
すなわち、上記ステップS106で、ユーザが設定条件を入力し、スタートキー405を押下すると、画像形成手段608が、コピー等のジョブを開始する。更に、上記のようにスタートキー405が押下されると、演算手段が起動し、上記ジョブに応じたコピー枚数、課金等のジョブ情報を演算する。
【0049】
次に、上記ステップS107で、画像形成手段608が、コピー等の操作(ジョブ)を終え、ユーザが操作部400のログアウトキー410を押下すると、認証手段610が、ログアウトを受け付けて、ジョブが終了した旨を上記演算手段に通知する。上記通知を受けて演算手段は、上記演算したジョブ情報をカードリーダ500に備えた書込手段に通知し、当該通知を受けて書込手段は、カードCにジョブ情報を書き込む。
【0050】
上記のように、書込手段がカードCにジョブ情報を書き込むと、ステップS108で、当該書込手段は搬送手段502にカードCを排出する旨指示する。後の説明は上記と同じなので省略する。
【0051】
搬送手段502がカードCを搬送する方法として、例えば、図5(B)に示すような、カードリーダ500のカード収容部510に設けた正逆回転可能なローラ520を回転させることによって、当該ローラ520でカードCを搬送させることができる。
【0052】
カードリーダ500のその他の実施形態として、図8に示すように下部基体530と上部基体540間に圧電素子を挟むことでカードリーダ500を構成してもよい。下部基体530を複合機100に固定させて、上部基体540には読取手段504を設けることで、カードCで上部基体540を押圧することで、圧電素子が上部基体540と下部基体530から外力を受けて電圧を発生する。図に示す矢印は、カードCを上記カードリーダ500に接触させることで上部基体540を押圧する状態を示している。この場合、圧電素子はカードCで押圧される場合のみ、上記検知手段601にON信号を送信する。そして、上記と同様にして、複合機100はスリープ状態から復帰し、カードリーダが通電状態となるように構成される。その後、上部基体540に設けた読取手段504がカードCに記憶されたユーザIDを取得し、複合機100の認証手段610が、当該ユーザIDと、ユーザIDテーブル記憶手段606に記憶されたユーザIDテーブルとに基づいてユーザを認証(ログイン)する。ログアウトの場合は、まず、操作部400に備えたログアウトキー410をユーザが押下する、若しくは、コピー等のジョブがされない時間が所定時間経過することで、認証手段610がログアウトを受け付ける。次に、認証手段610が電力供給制御手段604にログアウトの旨を通知し、これを受けて、電力供給制御手段604が電力供給手段609に複合機100をアクティブ状態からスリープ状態に切り替えるように構成することができる。
【0053】
本発明は、画像形成装置の他、カードリーダに電力を供給することが可能な電子機器に対して適用可能であり、当該カードリーダが使用されていない場合に、カードリーダのUSBを介した電源からの電力供給を遮断させた状態で、電子機器をスリープ状態にさせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明を利用すると、カードリーダが使用されない場合に、カードリーダのUSBを介した電源からの電力供給を遮断して、画像形成装置をスリープ状態にすることができ、カードリーダにカードを挿入または接触させた場合に、画像形成装置のスリープ状態を解除させることができる。したがって、その産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0055】
100 複合機
400 操作部
500 カードリーダ
501 スイッチ
601 検知手段
604 電力供給制御手段
609 電力供給手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードリーダに電力を供給する電力供給手段を備えた電子機器において、
前記カードリーダへのカードの挿入・排出を検知する検知手段と、
前記検知手段がカードの挿入を検知すると、前記電力供給手段に、前記カードリーダへの電力供給を開始させ、前記検知手段が、挿入されたカードの排出を検知すると、前記電力供給手段に、前記カードリーダへの電力供給を遮断させる電力供給制御手段を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電力供給制御手段が、前記検知手段がカードの挿入を検知すると、前記電子機器を、消費電力を抑えたスリープ状態から機能提供可能なアクティブ状態へ切り替え、前記検知手段が挿入されたカードの排出を検知すると、当該電子機器をアクティブ状態からスリープ状態へ切り換える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器は、画像形成装置である請求項1から3いずれか一項記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−183258(P2010−183258A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23789(P2009−23789)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】