説明

電子機器

【課題】ケースに対するカバーの脱着を容易にできる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器10は、ケース11およびカバー14を相互に固定する固定手段20を備えている。固定手段20は、ケース11に設けられたAケース側係合面31〜Dケース側係合面34と、カバー14に設けられたAカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44とを有する。固定手段20は、段差部15を始点としてカバー14の短辺18,19を経由して第1長辺16とは反対側の第2長辺17の終点までケース11およびカバー14の境界線30に沿って所定の間隔で設けられている。Aカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44が境界線30に沿った段差部15に向かう先細り形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースに電池パックを収容可能な電池収容部が設けられ、電池収容部を覆うようにケースに平面略長方形のカバーが取り付けられた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の電子機器カバーとしての電池カバーが筐体本体に対して嵌合し、筐体本体の裏側の全体を覆っているものが知られている(例えば、特許文献1)。この文献においては、電池カバーを取り外す際には図中のSの方向にスライドさせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−335201号公報(要約、図2、3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図19(A)に示すように、電子機器100として、ケース101に係止されたカバー102を一方の長辺101Aを軸として反対側の長辺101B側から取り外すように形成したい場合がある。
このような電子機器100の場合には、ケース101からカバー102を外す際に、一方の長辺102Aを軸として反対側の長辺102B側から固定部103、すなわち複数の半円状小凸部104および複数の半円状小凹部105(図19(B)参照)の係合を順番に解除する。
【0005】
図19(C)に示すように、固定部103の係合を順番に解除することにより、ケース101からカバー102を取り外す際に、一対の短辺102Cに対して平行な線107を中心として湾曲するようにカバー102が撓むことが考えられる。
カバー102が湾曲するように撓むことにより、図19(D)に示すように、ケース101の半円状小凸部104にカバー102の半円状小凹部105が食い込んでカバー102が外れ難くなる。
このため、ケース101に対するカバー102の脱着に手間がかかることが考えられる。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ケースに対するカバーの脱着を容易にできる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電子機器は、ケースと、前記ケースに設けられ、電池パックを収容可能な電池収容部と、前記電池収容部を覆うように前記ケースに取り付けられる平面略長方形のカバーと、前記カバーにおける前記ケースとは反対側の表側の第1長辺に設けられた段差部と、前記ケースおよび前記カバーを相互に固定する固定手段と、を備え、前記固定手段が、前記ケースに設けられ、前記ケースの厚み方向に対して交差するとともに前記カバーとは反対側を向き、かつ、前記ケースの外方側の端部が開放しているケース側係合面と、前記カバーにおける前記ケース側の裏側に設けられ、前記ケース側係合面に係合するとともに、前記カバーの内方側の端部が開放しているカバー側係合面と、をそれぞれ複数有するとともに、前記段差部を始点として前記カバーの短辺を経由して前記第1長辺とは反対側の第2長辺の終点まで前記ケースおよび前記カバーの境界線に沿って所定の間隔で設けられ、前記ケース側係合面および前記カバー側係合面のうちの少なくとも一方が、前記境界線に沿った前記段差部に向かう先細り形状である。
【0008】
固定手段のケース側係合面およびカバー側係合面を、段差部を始点としてカバーの短辺を経由して第1長辺とは反対側の第2長辺の終点まで所定の間隔で設けた。
そして、ケース側係合面およびカバー側係合面のうちの少なくとも一方を段差部に向かう先細り形状とした。
【0009】
このように、ケース側係合面およびカバー側係合面のうちの少なくとも一方を先細り形状とすることにより、先細り形状の部位からケース側係合面およびカバー側係合面の係合を円滑に外すことができる。
さらに、ケース側係合面およびカバー側係合面を、段差部を始点として第2長辺の終点まで所定の間隔で設けることにより、始点から終点までケース側係合面およびカバー側係合面を順番に外すことができる。
【0010】
また、本発明の電子機器は、ケースと、前記ケースに設けられ、電池パックを収容可能な電池収容部と、前記電池収容部を覆うように前記ケースに取り付けられる平面略長方形のカバーと、前記カバーにおける前記ケースとは反対側の表側の第1長辺に設けられた段差部と、前記ケースおよび前記カバーを相互に固定する固定手段と、前記カバーの短辺側に設けられた規制手段と、を備え、前記固定手段が、前記ケースに設けられ、前記ケースの厚み方向に対して交差するとともに前記カバーとは反対側を向き、かつ、前記ケースの外方側の端部が開放しているケース側係合面と、前記カバーにおける前記ケース側の裏側に設けられ、前記ケース側係合面に係合するとともに、前記カバーの内方側の端部が開放しているカバー側係合面と、をそれぞれ複数有するとともに、前記段差部を始点として前記カバーの短辺を経由して前記第1長辺とは反対側の第2長辺の終点まで前記ケースおよび前記カバーの境界線に沿って所定の間隔で設けられ、前記規制手段が、前記ケースに設けられ、前記ケースの厚み方向に沿うケース側規制部と、前記カバーにおける前記ケース側の裏側に設けられ、前記ケース側規制部に接触するカバー側規制部とを有するとともに、当該規制手段の近傍の前記固定手段における前記ケース側係合面および前記カバー側係合面の相対的な係合位置を維持する。
【0011】
ケース側係合面およびカバー側係合面のうちの少なくとも一方を先細り形状としてケース側係合面およびカバー側係合面の係合を円滑に外すことができる。
さらに、ケース側係合面およびカバー側係合面を始点から終点まで順番に外すことができる。
【0012】
加えて、カバーの短辺側に規制手段としてケース側規制部およびカバー側規制部を備えた。ケース側規制部およびカバー側規制部を備えることにより、ケース側規制部およびカバー側規制部でケース側係合面およびカバー側係合面の相対的な係合位置を維持するようにした。
よって、ケース側係合面にカバー側係合面が食い込むことを防ぐことができる。
これにより、ケース側係合面およびカバー側係合面の係合を容易に外すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子機器によれば、ケース側係合面およびカバー側係合面のうちの少なくとも一方を先細り形状とすることにより、先細り形状の部位からケース側係合面およびカバー側係合面の係合を円滑に、かつ容易に外すことができる。
加えて、ケース側係合面およびカバー側係合面を、段差部を始点として第2長辺の終点まで所定の間隔で設けることにより、始点から終点までケース側係合面およびカバー側係合面を順番に外すことができるのでケースに対するカバーの脱着を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る電子機器を示す斜視図
【図2】図1の電子機器のカバーを途中まで外した状態を示す斜視図
【図3】図1の電子機器をケースの第1長辺側から見た状態を示す分解斜視図
【図4】図1の電子機器をケースの第2長辺側から見た状態を示す分解斜視図
【図5】図1のI−I線断面図
【図6】図1のII−II線断面図
【図7】図1のIII−III線断面図
【図8】図3のIV部拡大図
【図9】図8のV部拡大図
【図10】図8のVI部拡大図
【図11】図3のVII部拡大図
【図12】図11のVIII部拡大図
【図13】図11のIX部拡大図
【図14】図3のX矢視図
【図15】図4のXI部拡大図
【図16】図1のXII−XII線断面図
【図17】図1のXIII−XIII線断面図
【図18】本発明に係る電子機器の変形例を示す斜視図
【図19】(A)は本発明に係る電子機器の解決しようとする課題を説明するための斜視図、(B)は(A)のXIV−XIV線断面図、(C)は従来の電子機器のケースからカバーを外す例を示す斜視図、(D)は(C)のXV−XV線断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器について図面を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施形態である電子機器10は、ケース11と、ケース11に設けられた電池収容部12と、電池収容部12を覆う平面略長方形のカバー14とを備えている。電子機器10の具体例としては、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機などが考えられる。
ケース11およびカバー14で電子機器10の筐体が形成されている。
【0017】
さらに、電子機器10は、カバー14の第1カバー長辺(第1長辺)16に設けられた段差部15と、ケース11およびカバー14を相互に固定する固定手段20(図3参照)と、カバー14の一対のカバー短辺(短辺)18,19側に設けられた規制手段22(図3参照)とを備えている。
図2に示すように、段差部15に指を掛けてカバー14を矢印方向に引き上げることにより、カバー14をケース11から外すことができる。
【0018】
図3に示すように、ケース11は、平面略長方形の矩形体状に形成され、カバー14に対向する表面11Aに電池収容部12が形成されている。
このケース11は、第1ケース長辺(第1長辺)26、第2ケース長辺(第2長辺)27および一対のケース短辺(短辺)28,29で平面略長方形に形成されている。
【0019】
電池収容部12は、ケース11のうちカバー14に対向する表面11Aに形成され、電池パック13を収容可能な略矩形状の凹部である。
【0020】
カバー14は、電池収容部12を覆うようにケース11に脱着可能に取り付けられている。
このカバー14は、第1カバー長辺16、第2カバー長辺(第2長辺)17および一対のカバー短辺18,19で平面略長方形に形成され、ケース11とは反対側の表側14Aの第1カバー長辺16に段差部15が設けられている。
【0021】
段差部15は、カバー14におけるケース11とは反対側の表側14Aの第1カバー長辺16に設けられている。
この段差部15は、ケース11からカバー14を外す際に指掛け可能に凹状に形成されている。
【0022】
図3、図4に示すように、固定手段20は、ケース11およびカバー14を相互に固定する手段である。
この固定手段20は、段差部15を始点としてカバー14の一対のカバー短辺18,19を経由して第2カバー長辺17の中央部付近のカバー終点17Aまでケース11およびカバー14の境界線30(図1参照)に沿って矢印A,B方向に向けて所定の間隔で設けられている。
第2カバー長辺17は、第1カバー長辺16とは反対側の長辺である。
以下、固定手段20について詳しく説明する。
【0023】
すなわち、固定手段20は、ケース11の周辺に沿ってAケース側係合面31、Bケース側係合面32、Cケース側係合面33およびDケース側係合面34がそれぞれ複数設けられている。
また、固定手段20は、カバー14の周辺に沿ってAカバー側係合面41、Bカバー側係合面42、Cカバー側係合面43およびDカバー側係合面44がそれぞれ複数設けられている。
【0024】
先ず、固定手段20のAケース側係合面31〜Dケース側係合面34について説明する。
第1ケース長辺26に沿って複数のAケース側係合面31が所定の間隔で設けられている。
複数のAケース側係合面31は、第1ケース長辺26のうち段差部15に相当するケース始点26A、ケース始点26Aの両側の側部26B,26C、一方の側部26B側の側部26D、および側部26D側の側部(角部)26Eに所定の間隔で設けられている。
複数のAケース側係合面31は、図5に示すように、ケース11の厚み方向に対して交差するとともにカバー14とは反対側を向き、かつ、ケース11の外方側の端部31Aが開放されている。
【0025】
また、図3に示すように、一方のケース短辺28に沿って複数のBケース側係合面32が所定の間隔で設けられている。
複数のBケース側係合面32は、一方のケース短辺28のうち第1ケース長辺26寄りの側部28A、および第2ケース長辺27寄りの側部28Bに所定の間隔で設けられている。
複数のBケース側係合面32は、図6に示すように、ケース11の厚み方向に対して交差するとともにカバー14とは反対側を向き、かつ、ケース11の外方側の端部32Aが開放されている。
【0026】
さらに、図3に示すように、他方のケース短辺29に沿って複数のCケース側係合面33が所定の間隔で設けられている。
複数のCケース側係合面33は、他方のケース短辺29のうち第1ケース長辺26寄りの側部29A、および第2ケース長辺27寄りの側部29Bに所定の間隔で設けられている。
複数のCケース側係合面33は、図7に示すように、ケース11の厚み方向に対して交差するとともにカバー14とは反対側を向き、かつ、ケース11の外方側の端部33Aが開放されている。
【0027】
加えて、図4に示すように、第2ケース長辺27に沿って複数のDケース側係合面34が所定の間隔で設けられている。
複数のDケース側係合面34は、第2ケース長辺27のうち中央部(終点)27A、中央部27Aの両側の側部27B,27C、両側の側部27B,27Cの両側の側部(両角部)27D,27Eに所定の間隔で設けられている。
複数のDケース側係合面34は、図5に示すAケース側係合面31と同様に、ケース11の厚み方向に対して交差するとともにカバー14とは反対側を向き、かつ、ケース11の外方側の端部(図示せず)が開放されている。
【0028】
すなわち、図3、図4に示すように、Aケース側係合面31〜Dケース側係合面34は、第1ケース長辺26のケース始点26Aからケース短辺28,29を経由して第2ケース長辺27のケース終点27Aまで境界線30(図1参照)に沿って矢印A,B方向に所定の間隔で設けられている。
【0029】
次に、固定手段20のAカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44について説明する。
第1カバー長辺16に沿って複数のAカバー側係合面41が所定の間隔で設けられている。
複数のAカバー側係合面41は、第1カバー長辺16のうち段差部15の近傍部位16A、段差部15の両側の側部16B,16C、一方の側部16B側の側部16D、および側部16D側の側部(角部)16Eに所定の間隔で設けられている。
【0030】
複数のAカバー側係合面41は、図5に示すように、Aケース側係合面31に係合するとともに、カバー14の内方側の端部41Aが開放されている。
段差部15の両側の側部16B,16C、一方の側部16B側の側部16D、および側部16D側の側部(角部)16Eに設けられたAカバー側係合面41は、図8に示すように、境界線30(図1参照)に沿った段差部15に向かう先細り形状に形成されている。
【0031】
図8、図9に示すように、段差部15の一方側の側部16Bに設けられたAカバー側係合面41は、段差部15に向かう側にテーパ部41Bを有する。
このテーパ部41Bは、段差部15に向かうにつれて徐々に先細り形状になるように傾斜状に形成されている。
テーパ部41Bは、例えば、傾斜長さ寸法がAカバー側係合面41の長さ寸法Lの半分(すなわち、L×(1/2))、傾斜高さ寸法がAカバー側係合面41の高さ寸法Tの半分(すなわち、T×(1/2))に形成されている。
【0032】
図8、図10に示すように、段差部15の他方側の側部16Cに設けられたAカバー側係合面41は、段差部15に向かう側にテーパ部41Bを有する。
このテーパ部41Bは、段差部15に向かうにつれて徐々に先細り形状になるように傾斜状に形成されている。
【0033】
ここで、図8に示すように、カバー14を外す際に、カバー14は段差部15を始点にして外される。よって、段差部15の近傍部位16Aに設けられたAカバー側係合面41は、テーパ部41Bを有していない。
【0034】
また、図3に示すように、一方のカバー短辺18に沿って複数のBカバー側係合面42が所定の間隔で設けられている。
複数のBカバー側係合面42は、一方のカバー短辺18のうち第1カバー長辺16寄りの側部18A、および第2カバー長辺17寄りの側部18Bに所定の間隔で設けられている。
【0035】
複数のBカバー側係合面42は、図6に示すように、Bケース側係合面32に係合するとともに、カバー14の内方側の端部42Aが開放されている。
複数のBカバー側係合面42は、図11に示すように、境界線30(図1参照)に沿った段差部15に向かう先細り形状に形成されている。
【0036】
図11、図12に示すように、カバー短辺18の側部18Aに設けられたBカバー側係合面42は、段差部15(図3参照)に向かう側にテーパ部42Bを有する。
このテーパ部42Bは、段差部15に向かうにつれて徐々に先細り形状になるように傾斜状に形成されている。
【0037】
このテーパ部42Bは、例えば、テーパ部41Bと同様に、傾斜長さ寸法がBカバー側係合面42の長さ寸法の半分、傾斜高さ寸法がBカバー側係合面42の高さ寸法の半分に形成されている。
【0038】
図11、図13に示すように、カバー短辺18の側部18Bに設けられたBカバー側係合面42は、段差部15(図3参照)に向かう側にテーパ部42Bを有する。
このテーパ部42Bは、段差部15に向かうにつれて徐々に先細り形状になるように傾斜状に形成されている。
【0039】
さらに、図3に示すように、他方のカバー短辺19に沿って複数のCカバー側係合面43が所定の間隔で設けられている。
複数のCカバー側係合面43は、他方のカバー短辺19のうち第1カバー長辺16寄りの側部19A、および第2カバー長辺17寄りの側部19Bに所定の間隔で設けられている。
【0040】
複数のCカバー側係合面43は、図7に示すように、Cケース側係合面33に係合するとともに、カバー14の内方側の端部43Aが開放されている。
複数のCカバー側係合面43は、図14に示すように、境界線30(図1参照)に沿った段差部15(図3参照)に向かう先細り形状に形成されている。
【0041】
換言すれば、Cカバー側係合面43は、段差部15(図3参照)に向かう側にテーパ部43Bを有する。
このテーパ部43Bは、段差部15に向かうにつれて徐々に先細り形状になるように傾斜状に形成されている。
【0042】
このテーパ部43Bは、例えば、テーパ部41Bと同様に、傾斜長さ寸法がCカバー側係合面43の長さ寸法の半分、傾斜高さ寸法がCカバー側係合面43の高さ寸法の半分に形成されている。
【0043】
加えて、図4に示すように、第2カバー長辺17に沿って複数のDカバー側係合面44が所定の間隔で設けられている。
複数のDカバー側係合面44は、第2カバー長辺17のうちの中央部(カバー終点)17A、中央部17Aの両側の側部17B,17C、両側の側部17B,17Cの両側の側部(両角部)17D,17Eに所定の間隔で設けられている。
【0044】
複数のDカバー側係合面44は、図5に示すAカバー側係合面41と同様に、Aケース側係合面31に係合するとともに、カバー14の内方側の端部(図示せず)が開放されている。
複数のDカバー側係合面44は、図15に示すように、境界線30(図1参照)に沿った段差部15(図3参照)に向かう先細り形状に形成されている。
【0045】
換言すれば、Dカバー側係合面44は、段差部15(図4参照)に向かう側にテーパ部44Aを有する。
このテーパ部44Aは、段差部15に向かうにつれて徐々に先細り形状になるように傾斜状に形成されている。
【0046】
このテーパ部44Bは、例えば、テーパ部41Bと同様に、傾斜長さ寸法がDカバー側係合面44の長さ寸法の半分、傾斜高さ寸法がDカバー側係合面44の高さ寸法の半分に形成されている。
【0047】
すなわち、図3、図4に示すように、Aカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44は、第1カバー長辺16の段差部15を始点としてカバー短辺18,19を経由して第2カバー長辺17のカバー終点17Aまでケース11およびカバー14の境界線30(図1参照)に沿って所定の間隔で設けられている。
【0048】
以上説明したように、固定手段20を、段差部15を始点としてカバー14の一対のカバー短辺18,19を経由してカバー終点17Aまで矢印A,B方向に向けて所定の間隔で設けた。
さらに、Aカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44を段差部15に向かう先細り形状とした。
【0049】
このように、Aカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44を先細り形状とすることにより、先細り形状の部位からAケース側係合面31〜Dケース側係合面34およびAカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44の係合を容易に外すことができる。
さらに、段差部(始点)15からカバー終点17AまでAケース側係合面31〜Dケース側係合面34およびAカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44を順番に外すことができるのでケース11に対するカバー14の脱着を容易にできる。
【0050】
さらに、電子機器10は、前述したように、規制手段22を備えている。
規制手段22は、一方のケース短辺28側に設けられた一対のケース側規制部52と、一方のカバー短辺18側に設けられた一対のカバー側規制部55と、他方のケース短辺29側に設けられた一対のケース側規制部53と、他方のカバー短辺19側に設けられた一対のカバー側規制部56とを有する。
【0051】
ケース側規制部52は、図16に示すように、ケース11のうち一方のケース短辺28側に設けられ、ケース11の厚み方向に沿うように形成されている。
また、カバー側規制部55は、カバー14におけるケース11側の裏側14Bに設けられ、ケース側規制部52に接触するように形成されている。
ケース側規制部52にカバー側規制部55を接触させることにより、規制手段22の近傍の固定手段20におけるBケース側係合面32およびBカバー側係合面42(図6参照)の相対的な係合位置を維持可能に保持できる。
【0052】
ケース側規制部53は、図17に示すように、ケース11のうち他方のケース短辺29側に設けられ、ケース11の厚み方向に沿うように形成されている。
また、カバー側規制部56は、カバー14におけるケース11側の裏側14Bに設けられ、ケース側規制部53に接触するように形成されている。
ケース側規制部53にカバー側規制部56を接触させることにより、規制手段22の近傍の固定手段20におけるCケース側係合面33およびCカバー側係合面43(図7参照)の相対的な係合位置を維持可能に保持できる。
【0053】
このように、規制手段22を備えることにより、Bケース側係合面32およびBカバー側係合面42の相対的な係合位置を維持し、かつ、Cケース側係合面33およびCカバー側係合面43の相対的な係合位置を維持するようにした。
よって、Bケース側係合面32にBカバー側係合面42が食い込むことを防ぐことができ、かつ、Cケース側係合面33にCカバー側係合面43が食い込むことを防ぐことができる。
【0054】
これにより、Bケース側係合面32およびBカバー側係合面42の係合を容易に外すことができ、かつ、Cケース側係合面33およびCカバー側係合面43の係合を容易に外すことができ、ケース11に対するカバー14の脱着を一層容易にできる。
【0055】
(変形例)
つぎに、実施形態の変形例を図18に基づいて説明する。
なお、変形例の電子機器60において実施形態の電子機器10の構成部材と同一・類似の部材については同じ符号を付して説明を省略する。
変形例の電子機器60は、実施形態のAカバー側係合面41〜Dカバー側係合面44に代えてケース側係合面62が先細り形状に形成されたもので、その他の構成は実施形態と同様である。
【0056】
ケース側係合面62は、ケース61に設けられ、境界線30に沿った段差部15(図1参照)に向かう先細り形状に形成されている。
ケース側係合面62にカバー64のカバー側係合面65が係合される。
変形例の電子機器60によれば、実施形態の電子機器10と同様に、先細り形状の部位からケース側係合面62およびカバー側係合面65の係合を容易に外すことができる。
【0057】
なお、本発明に係る電子機器は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、実施形態では、Aカバー側係合面41、Bカバー側係合面42、Cカバー側係合面43およびDカバー側係合面44を台形状に形成した例について説明したが、これに限らないで、三角形状等の他の形状に形成することも可能である。
【0058】
また、実施形態で使用した電子機器、ケース、電池収容部、電池パック、カバー、段差部、固定手段、規制手段、Aケース側係合面〜Dケース側係合面、Aカバー側係合面〜Dカバー側係合面、ケース側規制部およびカバー側規制部等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、電池パックを収容可能な電池収容部がケースに設けられ、ケースにカバーが取り付けられ、カバーで電池収容部を覆うようにした電子機器への適用に好適である。
【符号の説明】
【0060】
10,60 電子機器
11,61 ケース
12 電池収容部
13 電池パック
14,64 カバー
14A カバーの表側
14B カバーの裏側
15 段差部
16 第1カバー長辺(第1長辺)
17 第2カバー長辺(第2長辺)
18,19 カバー短辺(短辺)
20 固定手段
22 規制手段
26 第1ケース長辺(第1長辺)
27 第2ケース長辺(第2長辺)
28,29 ケース短辺(短辺)
31〜34 Aケース側係合面〜Dケース側係合面(ケース側係合面)
41〜44 Aカバー側係合面〜Dカバー側係合面(カバー側係合面)
52 ケース側規制部
54 カバー側規制部
62 ケース側係合面
65 カバー側係合面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに設けられ、電池パックを収容可能な電池収容部と、
前記電池収容部を覆うように前記ケースに取り付けられる平面略長方形のカバーと、
前記カバーにおける前記ケースとは反対側の表側の第1長辺に設けられた段差部と、
前記ケースおよび前記カバーを相互に固定する固定手段と、を備え、
前記固定手段が、前記ケースに設けられ、前記ケースの厚み方向に対して交差するとともに前記カバーとは反対側を向き、かつ、前記ケースの外方側の端部が開放しているケース側係合面と、前記カバーにおける前記ケース側の裏側に設けられ、前記ケース側係合面に係合するとともに、前記カバーの内方側の端部が開放しているカバー側係合面と、をそれぞれ複数有するとともに、前記段差部を始点として前記カバーの短辺を経由して前記第1長辺とは反対側の第2長辺の終点まで前記ケースおよび前記カバーの境界線に沿って所定の間隔で設けられ、
前記ケース側係合面および前記カバー側係合面のうちの少なくとも一方が、前記境界線に沿った前記段差部に向かう先細り形状である電子機器。
【請求項2】
ケースと、
前記ケースに設けられ、電池パックを収容可能な電池収容部と、
前記電池収容部を覆うように前記ケースに取り付けられる平面略長方形のカバーと、
前記カバーにおける前記ケースとは反対側の表側の第1長辺に設けられた段差部と、
前記ケースおよび前記カバーを相互に固定する固定手段と、
前記カバーの短辺側に設けられた規制手段と、を備え、
前記固定手段が、前記ケースに設けられ、前記ケースの厚み方向に対して交差するとともに前記カバーとは反対側を向き、かつ、前記ケースの外方側の端部が開放しているケース側係合面と、
前記カバーにおける前記ケース側の裏側に設けられ、前記ケース側係合面に係合するとともに、前記カバーの内方側の端部が開放しているカバー側係合面と、をそれぞれ複数有するとともに、前記段差部を始点として前記カバーの短辺を経由して前記第1長辺とは反対側の第2長辺の終点まで前記ケースおよび前記カバーの境界線に沿って所定の間隔で設けられ、
前記規制手段が、
前記ケースに設けられ、前記ケースの厚み方向に沿うケース側規制部と、
前記カバーにおける前記ケース側の裏側に設けられ、前記ケース側規制部に接触するカバー側規制部とを有するとともに、当該規制手段の近傍の前記固定手段における前記ケース側係合面および前記カバー側係合面の相対的な係合位置を維持する電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−199649(P2012−199649A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60990(P2011−60990)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】