電子機器
【課題】電子機器を水中下で使用したときの視認性及び操作性を向上させる。
【解決手段】電子機器の一種である撮像装置において、入力画像と共に複数のアイコンを、タッチパネル機能を有する表示部に表示する。撮像装置が水中下にないと判定された場合を基準として、撮像装置が水中下にあると判定された場合には、表示アイコンに含まれる特定アイコンの表示方法を変更する。例えば、撮像装置が水中下にあると判定された場合、特定アイコンの表示サイズを増大させる、特定アイコンの表示位置を表示画面右側に集中させる或いは、特定アイコンの色を非赤色(緑など)に変更する。
【解決手段】電子機器の一種である撮像装置において、入力画像と共に複数のアイコンを、タッチパネル機能を有する表示部に表示する。撮像装置が水中下にないと判定された場合を基準として、撮像装置が水中下にあると判定された場合には、表示アイコンに含まれる特定アイコンの表示方法を変更する。例えば、撮像装置が水中下にあると判定された場合、特定アイコンの表示サイズを増大させる、特定アイコンの表示位置を表示画面右側に集中させる或いは、特定アイコンの色を非赤色(緑など)に変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置を含む電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、防水機能を備えた撮像装置が実用化され、また、タッチパネルを備えた撮像装置も実用化されている。従来の撮像装置では、水中使用時にも非水中使用時にも共通のユーザインタフェースを用いている。
【0003】
尚、撮影環境が水中であるか否かに応じてストロボ発光可否についての決定を行う技術も提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−186093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像装置を水中で用いた場合、水による光の吸収及び散乱により表示画面の視認性が低下する。また、水中では、水圧及び水の抵抗によりユーザの操作性も低下する。特にタッチパネル操作によって撮影指示等を与えるユーザインタフェースを形成している場合においては、水中下における視認性低下とあいまってユーザの操作性は大きく低下する。しかしながら、従来の撮像装置は、水中使用時にも非水中使用時にも共通のユーザインタフェースを用いているため、水中下における視認性低下に対して、又は、視認性と操作性の低下に対して何ら解決策を与えない。特許文献1についても同様である。また、上述の視認性低下などの問題は、撮像装置に限らず各種の電子機器においても発生しうる。
【0006】
そこで本発明は、水中における視認性向上に寄与する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子機器は、表示部を備えた電子機器において、当該電子機器が水中下にあるか否かを判定する水中判定部と、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示部の表示内容を変化させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
電子機器が水中下にある場合において表示内容を水中にあわせた適切なものにすることにより、水中における視認性向上が期待される。特にタッチパネル操作によって撮影指示等を与えるユーザインタフェースを形成している場合においては、視認性向上とあいまって、水中下における操作性の大きな向上効果が期待される。
【0009】
具体的には例えば、前記表示制御部は、前記表示部に特定アイコンを含む1以上のアイコンを表示させ、前記水中判定部の判定結果に応じ、当該電子機器が水中下にある場合と水中下にない場合との間で、前記特定アイコンの表示方法を互いに異ならせても良い。
【0010】
より具体的には例えば、前記表示制御部は、前記特定アイコンにおける赤の成分の比率が、当該電子機器が水中下にないときよりも当該電子機器が水中下にあるときの方が少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記特定アイコンの色を変化させてもよい。
【0011】
水中下では赤色の光は減衰されやすいことを考慮し、上述の如く特定アイコンの色を変化させることで、水中における特定アイコンの視認性向上が期待される。視認性の向上は、操作性の向上にもつながりうる。
【0012】
また例えば、前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示部に表示されるアイコンの個数が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示部に表示されるアイコンの個数よりも少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させてもよい。
【0013】
これによっても、水中におけるアイコンの視認性向上が期待される。視認性の向上は、操作性の向上にもつながりうる。
【0014】
また例えば、前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示内容に含まれる赤の成分が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示内容に含まれる赤の成分よりも多くなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させてもよい。
【0015】
また具体的には例えば、当該電子機器は、撮像装置であって、撮影によって得られた入力画像に対して赤成分を増大させる色補正処理を施す色補正処理部を更に有し、前記表示制御部は、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合においては前記色補正処理前の入力画像を前記表示部に表示させ、当該撮像装置が水中下にあると判定された場合においては前記色補正処理後の入力画像を前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
これにより、空気中及び水中間における画像の見え方の相違を軽減することが可能となる。
【0017】
また例えば、当該電子機器は撮像装置であって、前記表示制御部は、画像の撮影後、撮影画像又は前記撮影画像に基づく画像をポストビュー時間だけ前記表示部に表示させ、当該撮像装置が水中下にあると判定された場合、前記ポストビュー時間を、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合よりも減少させてもよい。
【0018】
これにより例えば、水中下において発生しうる所謂シャッタチャンスの逸失を抑制することが可能となる。
【0019】
また例えば、当該電子機器は撮像装置であって、当該撮像装置が水中下にあると判定されている期間中に複数の撮影画像が取得され、且つ、前記期間後に当該撮像装置が水中下にないと判定されたとき、前記表示制御部は、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させる、或いは、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させることを指示するためのアイコンを前記表示部に表示させてもよい。
【0020】
これにより例えば、水中から空気中に出た後に、煩雑な操作を必要とすることなくユーザは撮影画像の確認を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、水中における視認性向上に寄与する電子機器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の概略全体ブロック図である。
【図2】図1に示される表示部の概略分解図である。
【図3】図1に示される撮像装置の一部ブロック図である。
【図4】図3の表示制御部に入力される表示関連情報を説明するための図である。
【図5】図3の表示制御部への入力画像の例を示す図(a)と、該入力画像に基づく表示画像の例を示す図(b)である。
【図6】本発明の第1実施例に係り、非水中判定時の表示画像と水中判定時の表示画像を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例に係り、非水中判定時の表示画像と水中判定時の表示画像を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例に係り、アイコンの特定部分の色が変更される様子を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る撮像装置の一部ブロック図である。
【図10】本発明の第4実施例に係り、プレビュー期間と、ポストビュー期間と、対象画像の撮影時刻との関係を示す図である。
【図11】本発明の第5実施例にて想定される、対象画像の撮影状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略全体ブロック図である。撮像装置1は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラである。但し、撮像装置1は、静止画像のみを撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラであっても良い。また、撮像装置1は、携帯電話機などの携帯端末に搭載されるものであっても良い。撮像装置1は、撮像部11と、マイク部12と、主制御部13と、内部メモリ14と、表示部15と、記録媒体16と、操作部17と、スピーカ部18を備えている。
【0025】
撮像部11は、複数枚のレンズ及び絞りから成る光学系と、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る固体撮像素子と、を備える。撮像部11において、固体撮像素子は、光学系を介して入射した撮影領域内の被写体の光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号を画像信号として主制御部13に出力する。このように、撮像部11は、固体撮像素子を用いて撮影領域内の被写体の撮影を行い、撮影によって得られた撮影領域内の画像信号を出力する。撮影領域とは、撮像部11の撮影における画角内に収まる実空間上の領域を指す。撮影領域を、撮像部11の視野と呼ぶこともできる。
【0026】
マイク部12は、1又は複数のマイクロホンから成る。マイク部12は、撮像装置1の周囲からマイク部12に到来する音を1又は複数のマイクロホンを用いて収音し、収音によって得られた音響信号を主制御部13に出力する。より具体的には、マイク部12において、1又は複数のマイクロホンは、撮像装置1の周囲からマイク部12に到来する音を電気信号に変換し、該電気信号を音響信号として主制御部13に出力する。
【0027】
主制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等から成り、撮像装置1内の各部位の動作を統括的に制御する。また、主制御部13は、撮像部11の出力画像信号に対して様々な画像信号処理(デジタル化、信号増幅、ノイズ低減処理、デモザイキング処理、信号圧縮処理など)を施すことができると共にマイク部12の出力音響信号に対して様々な音響信号処理(デジタル化、信号増幅、ノイズ低減処理、指向性制御用の処理、信号圧縮処理など)を施すことができる。
【0028】
内部メモリ14は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等にて形成され、撮像装置1内で生成された各種情報(画像信号、音響信号を含む)を一時的に記憶する。表示部15は、液晶ディスプレイパネル等の表示画面を有する表示装置であり、主制御部13の制御の下、撮像部11による撮影画像や記録媒体16の記録画像などを表示する。本明細書において、単に表示及び表示画面と言った場合、それらは、表示部15における表示及び表示画面を指すものとする。記録媒体16は、カード状半導体メモリや磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、主制御部13による制御の下、各種情報(画像信号、音響信号を含む)を記録する。操作部17は、ユーザからの各種操作を受け付ける。操作部17に対する操作内容は、主制御部13に伝達される。スピーカ部18は、1又は複数のスピーカから成り、主制御部13の制御の下、任意の音響信号を音として出力する。
【0029】
尚、本明細書では、或る画像の画像信号のことを単に画像と言うこともある。従って、例えば、或る静止画像の生成、取得、記録、加工、変形、編集又は保存とは、その静止画像の画像信号の生成、取得、記録、加工、変形、編集又は保存を意味する。
【0030】
表示部15はタッチパネルとしての機能を有し、表示部15をタッチパネルと呼ぶこともできる。図2は、表示部15の概略分解図である。表示部15には、液晶ディスプレイ等から成る表示画面51と、操作体が表示画面51上に触れている位置(圧力を加えている位置)を検出するタッチ検出部52と、が設けられている。ユーザは、表示部15の表示画面51を操作体で触れることで撮像装置1に特定の指示を与えることができる。表示画面51を操作体で触れることによる操作をタッチパネル操作と呼ぶ。操作体と表示画面51との接触位置をタッチ位置と呼ぶ。操作体が表示画面51に触れているとき、タッチ検出部52は、その触れた位置(即ちタッチ位置)を指し示すタッチ位置情報を主制御部13にリアルタイムで出力する。操作体は、例えばユーザの指又はペンである。以下では、操作体がユーザの指であることを想定する。尚、表示部15における表示と表示画面51における表示は同一の意義を有する。
【0031】
また、操作部17に機械式のボタンやレバー(不図示)が備えられていても良く、操作部17に備えられた機械式のボタンやレバーに対するユーザ操作を、タッチパネル操作と区別すべく、ボタン操作と呼ぶ。
【0032】
撮像装置1の動作モードには、画像(静止画像又は動画像)の撮影及び記録が可能な撮影モードと、記録媒体16に記録された画像(静止画像又は動画像)を表示部15に再生表示する再生モードと、が含まれる。主制御部13は、タッチパネル操作又はボタン操作に応じて撮像装置1の動作モードを決定する。
【0033】
撮像装置1を水中下においても使用できるように、撮像装置1には防水加工が施されている。そして、撮像装置1には、撮像装置1が水中下にあるか否かに応じて表示部15の表示内容を変化させる特徴的機能を有する。図3に、この特徴的機能の実現に特に関与する部位のブロック図を示す。水中判定部61及び表示制御部62を、図1の主制御部13に設けておくことができる。
【0034】
水中判定部61は、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定し(即ち、撮像装置1が水中に位置しているのか否かを判定し)、その判定結果を表す判定結果情報を出力する。水中判定部61は、公知の任意の方法(例えば、特開2010−130423号公報)を用いて、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定することができる。例えば、撮像部11の出力画像信号若しくはマイク部12の出力音響信号に基づき又はそれらの双方に基づき、水中判定部61は、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定することができる。或いは例えば、撮像装置1の筐体に加わる圧力を検出する圧力センサ(不図示)を水中判定部61に設けておき、水中判定部61は、圧力センサの検出結果に基づいて撮像装置1が水中下にあるか否かを判定してもよい。或いは例えば、ユーザによるタッチパネル操作又はボタン操作に従って、水中判定部61は、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定してもよい。この場合例えば、撮像装置1が水中下にあるか否かをユーザがタッチパネル操作又はボタン操作を介して撮像装置1に伝達し、水中判定部61は、その伝達内容に基づき撮像装置1が水中下にあるか否かを判定してもよい。
【0035】
撮像装置1が水中下にあると判定したときの、水中判定部61の判定を水中判定と呼び、撮像装置1が水中下にないと判定したときの、水中判定部61の判定を非水中判定と呼ぶ。撮像装置1が水中下にある状態は、撮像装置1の全体が水中に存在している状態を含み、撮像装置1が水中下にない状態は、撮像装置1の全体が空気中に存在している状態を含む。従って、水中判定部61は、撮像装置1が水中に存在しているのか或いは空気中に存在しているのかを判定し、その判定結果を表す判定結果情報を出力するとも言える。これに対応して、撮像装置1が水中に存在していると判定することが水中判定であるとも言え、撮像装置1が空気中に存在していると判定することが非水中判定であるとも言える。
【0036】
表示制御部62は、入力画像を表示部15に表示させることができると共に、表示関連情報及び水中判定部61からの判定結果情報に応じた映像を表示部15に表示させることができる(詳細は後述)。表示関連情報及び判定結果情報に応じて、表示される入力画像を変化させることもできる(詳細は後述)。
【0037】
入力画像とは、撮像部11の撮影によって得られた画像である、撮像部11の出力画像信号に基づく二次元画像を指す。故に、入力画像を、撮影画像と呼んでも良い。入力画像の生成過程において、撮像部11の出力画像信号に対して所定の画像処理(デジタル化、信号増幅、ノイズ低減処理、デモザイキング処理など)が施されうる。入力画像の画像信号は、内部メモリ14及び記録媒体16を介することなく撮像部11から表示制御部62に直接供給されても良いし、撮像部11から内部メモリ14又は記録媒体16を介して表示制御部62に供給されても良い。
【0038】
表示関連情報は、図4に示す如く、動作状態情報、撮影設定情報及びシステム情報を含む。動作状態情報は、撮像装置1の動作状態を示す情報である。動作状態情報は、撮像装置1の動作モードが何であるのかを示す情報や、撮像装置1の動作モードが撮影モードである場合において動画像の撮影及び記録が現在成されているのかを示す情報などを含む。撮影設定情報は、入力画像の撮影条件及び記録条件を示す情報である。例えば、撮影設定情報は、記録媒体16に入力画像を記録する際の入力画像の記録画素数を示す情報、入力画像の撮影時におけるF値を示す情報、手振れ補正機能のオン/オフを示す情報などを含む。システム情報は、撮像装置1の駆動源としてのバッテリの残量を示す情報、記録媒体16に記録可能な画像枚数を示す情報などを含む。上述したものの他、表示部15の表示内容に影響を与えうる様々な情報が表示関連情報に含められる。
【0039】
表示制御部62は、表示関連情報に応じた1以上のアイコンを入力画像と共に表示部15に表示させることができる。図5(a)の画像310は、撮影モードにおける入力画像の例である。図5(b)の画像320は、入力画像310に基づく表示画像である。表示画像とは、表示部15の表示画面51に表示される画像を指す。表示画像320は、入力画像310に対して、アイコンA1、A2、A3、B1及びB2を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1、A2、A3、B1及びB2を重畳することで表示画像320を形成することができる。表示されるべきアイコンと入力画像を表示画面51上で左右又は上下方向に並べて並列表示するようにしても良い(後述の他の表示画像についても同様)。
【0040】
アイコンA1は、現在録画中であることを(より具体的には、撮像部11にて撮影された動画像の画像信号が記録媒体16に記録されている最中であることを)ユーザに知らせる機能を有する。撮影モードにおいて、撮像部11は所定のフレーム周期にて順次入力画像を撮影することができ、時系列に並ぶ複数の入力画像によって動画像が形成される。
アイコンA2は、撮像装置1の駆動源としてのバッテリの残量をユーザに知らせる機能を有する。
アイコンA3は、記録媒体16に記録されるべき入力画像の画像サイズ(記録媒体16に対する入力画像の記録画像サイズ)をユーザに知らせる機能を有する。
【0041】
アイコンB1は、ユーザによる静止画像の撮影指示を受け付ける機能を有する。ユーザはアイコンB1(又は、後述のアイコンB1A、B1B若しくはB1C)を指にて押すことで静止画像の撮影指示を撮像装置1に与えることができる。静止画像の撮影指示が撮像装置1に与えられると、撮像装置1は撮像部11を用いて1枚又は複数枚の静止画像の撮影を行い、これによって得られた1枚又は複数枚の静止画像を記録媒体16に記録させる。上記撮影指示に従って得られる静止画像は入力画像の一種である。
アイコンB2は、ユーザによるメニュー表示指示を受け付ける機能を有する。ユーザはアイコンB2を指にて押すことでメニュー表示指示を撮像装置1に与えることができる。メニュー表示指示が撮像装置1に与えられると、表示制御部62は、表示画面51上に複数の項目を含むメニューを表示する。メニューが表示されている状態において所定のタッチパネル操作を成すことで、ユーザは撮像装置1に様々な指示を与えることができる。
【0042】
アイコンA1〜A3が単に情報をユーザに知らせるためのアイコンであるのに対して、アイコンB1及びB2はユーザから特定の指示を受けるためのボタンとして機能する(後述のアイコンB3も同様)。従って、アイコンB1及びB2をボタンアイコン又は表示画面51上のボタン(タッチパネル上のボタン)と呼ぶこともできる。後述のアイコンB3並びにアイコンB1の変形例である後述のアイコンB1A、B1B及びB1Cについても同様である(図7(a)〜(f)参照)。以下では、アイコンB1、B1A、B1B及びB1Cの夫々を、シャッタボタンアイコンとも呼ぶ。
【0043】
以下、第1〜第5実施例において、判定結果情報に応じた表示制御方法又はそれに関連する技術を説明する。矛盾なき限り、第1〜第5実施例の内、複数の実施例を組み合わせて実施することも可能である。尚、第1〜第5実施例の説明は、撮像装置1の動作モードが撮影モードに設定されていることを前提にしているが、撮像装置1の動作モードが再生モードに設定されている場合において第1〜第5実施例の方法を用いることも可能である。
【0044】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。水中下ではユーザによる表示内容の視認性が低下する。これを考慮し、撮像装置1が水中下にあるときに表示部15に表示されるアイコンの個数N1が、撮像装置1が水中下にないときの表示部15に表示されるアイコンの個数N2よりも少なくなるように、表示制御部62は判定結果情報に応じて表示部15の表示内容を変化させる。個数N1は、水中判定部61による判定が水中判定であるときに表示部15に表示されるアイコンの個数であり、個数N2は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときに表示部15に表示されるアイコンの個数である。
【0045】
具体的には例えば、表示制御部62は、図5(a)の入力画像310の画像信号が表示制御部62に与えられた場合において、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図6(a)の表示画像410を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図6(b)の表示画像420を表示部15に表示させる。
【0046】
表示画像410は、図5(b)の表示画像320と同じものである。表示画像420は、入力画像310に対して、アイコンA1、B1及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1、B1及びB3を重畳することで表示画像420を形成することができる。図6(a)及び(b)の例では、N1=3且つN2=5である。
【0047】
アイコンB3は、ユーザによる情報表示指示を受け付けるアイコンである。ユーザはアイコンB3を指にて押すことで情報表示指示を撮像装置1に与えることができる。情報表示指示が撮像装置1に与えられると、表示制御部62は、表示部15における表示画像を、表示画像420から表示画像410へと変更する。従って、ユーザは、撮像装置1を水中下で用いている場合においても、必要に応じて表示内容を空気中のそれと同じにすることができる。但し、情報表示指示が撮像装置1に与えられたときに表示される画像は、表示画像410と異なっていても良い。
【0048】
表示制御部62は、撮像装置1が水中下にあるときと撮像装置1が水中下にないときとの間で、表示部15に表示されるアイコンの種類を変更しても良い。これは、後述の他の実施例においても同様である。図6(a)及び(b)の例では、非水中判定下において表示されていたアイコンB2が水中判定下においてアイコンB3に変更されているとも言える。
【0049】
水中下ではユーザによる表示内容の視認性が低下するため、多くの個数のアイコンを表示すると、ユーザが表示内容を確認しにくくなる或いはタッチパネル操作を行いにくくなる等の弊害が発生しうる。第1実施例によれば、水中下において表示アイコンの個数が減少するため、このような弊害が抑制される。換言すれば、水中下における視認性及び操作性を向上させることができる。
【0050】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例では、表示制御部62が、表示部15に特定アイコンを含む1以上のアイコンを表示させ、判定結果情報に応じ、撮像装置1が水中下にある場合と水中下にない場合との間で(即ち、水中判定部61が水中判定を成した場合と非水中判定を成した場合との間で)特定アイコンの表示方法を互いに異ならせる。
【0051】
表示制御部62は、特定アイコンを含む1以上のアイコンを入力画像と共に表示部15に表示させることができる。表示部15に表示される全てのアイコンが特定アイコンであっても良いし、表示部15に表示されるアイコンの一部が特定アイコンであっても良い。但し、タッチパネル操作を受ける頻度の高いアイコン(例えば、シャッタボタンアイコン)を特定アイコンに含めることが望ましい。“撮像装置1が水中下にある場合と水中下にない場合との間で特定アイコンの表示方法を互いに異ならせる”ということは、“撮像装置1が水中下にない場合を基準として特定アイコンの表示方法を撮像装置1が水中下にある場合に変更する”ことに相当する。この変更を適切に行うことによって、水中下におけるアイコンの視認性及び/又は操作性を向上させることができる。
【0052】
特定アイコンの表示方法の変更は、特定アイコンの表示サイズ、表示位置、形状、模様、色、輝度又は点滅有無の変更であっても良いし、それらの組み合わせであっても良い。特定アイコンの表示方法を変更するための具体的な変更方法J1〜J4を、以下に説明する。変更方法J1〜J4の説明では、図5(a)の入力画像310の画像信号が表示制御部62に与えられた場合を想定する。矛盾なき限り、変更方法J1〜J4の内、複数の変更方法を組み合わせて実施することも可能である。
【0053】
――変更方法J1――
変更方法J1を説明する。変更方法J1において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(b)の表示画像460を表示部15に表示させる。表示画像450は、図5(b)の表示画像320と同じものである。
【0054】
表示画像460は、入力画像310に対して、アイコンA1A、B1A及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1A、B1A及びB3を重畳することで表示画像460を形成することができる。尚、図7(a)及び(b)の例には、変更方法J1に加えて第1実施例の方法(水中では表示アイコン数を減少させる方法)が適用されている。
【0055】
アイコンA1A及びB1Aは、夫々、アイコンA1及びB1と同じ機能を有する。但し、アイコンA1Aの表示サイズは、アイコンA1の表示サイズよりも大きく、アイコンB1Aの表示サイズは、アイコンB1の表示サイズよりも大きい。アイコンの表示サイズとは、表示画面51上における当該アイコンの大きさを指す。変更方法J1の如く、水中下においてアイコンの表示サイズを大きくすることにより、水中下におけるアイコンの視認性及び操作性を向上させることができる。
【0056】
――変更方法J2――
変更方法J2を説明する。変更方法J2において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(c)の表示画像465又は図7(d)の表示画像470を表示部15に表示させる。
【0057】
表示画像465及び470の夫々は、入力画像310に対して、アイコンA1A、B1A及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1A、B1A及びB3を重畳することで表示画像465又は470を形成することができる。尚、図7(a)、(c)及び(d)の例には、変更方法J2に加えて変更方法J1及び第1実施例の方法が適用されている。
【0058】
表示画面51に示されるアイコンの種類は、表示画像460、465及び470間で同じである。但し、表示画面51上における一部のアイコンの表示位置が、表示画像460、465及び470間で互いに異なる。また、少なくともシャッタボタンアイコンの表示位置は、表示画像450及び470間で異なる。即ち、表示画像450上におけるシャッタボタンアイコンB1の表示位置と、表示画像470上におけるシャッタボタンアイコンB1Aの表示位置は互いに異なる。
【0059】
表示画像465及び470の夫々では、右手での操作を行いやすいように、アイコンB1A及びB3の表示位置を表示画面51の右側半分に集中させている。また、表示画像470上におけるシャッタボタンアイコンB1Aは、右手親指での操作を行いやすいように、表示画面51の右下側に配置されている。表示画像465及び470は、ユーザが右手でタッチパネル操作を行うことを想定したものであるが、事前の設定操作等により、ユーザが左手でタッチパネル操作を行うことが予め分かっている場合には、表示画像465及び470の夫々において、アイコンB1A及びB3の表示位置を表示画面51の左側半分に集中させると良い。変更方法J2によれば、水中下における操作性を向上させることができる。
【0060】
――変更方法J3――
変更方法J3を説明する。変更方法J3において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(e)の表示画像475を表示部15に表示させる。
【0061】
表示画像475は、入力画像310に対して、アイコンA1A、B1B及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1A、B1B及びB3を重畳することで表示画像475を形成することができる。尚、図7(a)及び(e)の例には、変更方法J3に加えて、変更方法J1、J2及び第1実施例の方法が適用されている。
【0062】
アイコンB1Bは、シャッタボタンアイコンであって、アイコンB1と同じ機能を有する。図7(e)からは明らかではないが、表示制御部62は、水中判定が成された場合、シャッタボタンアイコンB1Bを表示画面51上で点滅させる(非水中判定が成された場合、そのような点滅を行わない)。そのような点滅に加えて又はそのような点滅に代えて、表示制御部62は、アイコンB1Bの輝度をアイコンB1の輝度よりも高めても良い。シャッタボタンアイコン以外のアイコンに対しても変更方法J3は適用されうる。変更方法J3によれば、水中下におけるアイコンの視認性を向上させることができる。
【0063】
――変更方法J4――
変更方法J4を説明する。変更方法J4において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(f)の表示画像480を表示部15に表示させる。
【0064】
表示画像480は、入力画像310に対して、アイコンA1C、B1C及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1C、B1C及びB3を重畳することで表示画像480を形成することができる。尚、図7(a)及び(f)の例には、変更方法J4に加えて、変更方法J1、J2及び第1実施例の方法が適用されている。
【0065】
アイコンA1C及びB1Cは、夫々、アイコンA1及びB1と同じ機能を有する。但し、表示制御部62は、アイコンA1Cの色をアイコンA1の色と異ならせると共にアイコンB1Cの色をアイコンB1の色と異ならせる。この際、水中下では赤色の光は減衰されやすく且つ緑から青の波長を有する光は透過しやすいことを考慮し、400〜550ナノメートル程度の波長を有する色がアイコンA1C及びB1Cの支配色となるようにアイコンA1C及びB1Cの色を決定する。変更方法J4によれば、水中下におけるアイコンの視認性を向上させることができる。
【0066】
より具体的な配色例をシャッタボタンアイコンに注目して説明する。
表示制御部62は、水中判定部61による判定が水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1C)の赤成分比率が水中判定部61による判定が非水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1)の赤成分比率よりも少なくなるように、水中判定部61の判定結果に応じてシャッタボタンアイコンの色を変化させる。シャッタボタンアイコンの赤成分比率とは、シャッタボタンアイコンの全体の色成分(例えば、赤、緑及び青の成分)を占める、赤の成分の比率を指す。
また、変更方法J4を実現する表示制御部62の動作を以下のように表現してもよい。 表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1)の色が水中判定部61による判定が水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1C)の色よりも赤に近くなるように、水中判定部61の判定結果に応じてシャッタボタンアイコンの色を変化させる。アイコンB1の色がアイコンB1Cの色よりも赤に近いとは、アイコンB1の色の波長がアイコンB1Cの色の波長よりも赤の波長に近いことを意味する。
【0067】
例えば、図8に示す如く、アイコンB1内の特定部分の色が赤色である場合、アイコンB1内の特定部分の色を赤色から非赤色に変更することでアイコンB1Cを形成することができ、これによって、アイコンB1Cにおける赤成分比率はアイコンB1における赤成分比率よりも少なくなると共に、アイコンB1の色はアイコンB1Cの色よりも赤に近くなる。
図8において、斜線領域は、アイコンB1に内包される赤色の特定部分に相当し、ドット領域は、アイコンB1Cに内包される非赤色の特定部分に相当する。非赤色とは、赤に分類されない色を指し、例えば緑又は青に分類される色である、或いは、400〜550ナノメートルの範囲内の波長を有する色である。
【0068】
また例えば、アイコンB1内の特定部分の色が白色である場合、アイコンB1内の特定部分の色を白色から非赤色に変更することでアイコンB1Cを形成することができ、これによって、アイコンB1Cにおける赤成分比率はアイコンB1における赤成分比率よりも少なくなると共に、アイコンB1の色はアイコンB1Cの色よりも赤に近くなる。
白色は、赤、緑及び青の混合色であるため、アイコンB1内の特定部分(白色の特定部分)は、アイコンB1Cの特定部分(非赤色の特定部分)よりも赤の成分をより多く含む。故に、白の特定部分を内包するアイコンB1の色は、非赤色の特定部分を有するアイコンB1Cの色よりも赤に近いと言える。
【0069】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。上述したように、水中下では赤色の光は減衰されやすい。従って、水中下において入力画像をそのまま表示部15にて表示させると、空気中で入力画像を見るよりも、入力画像が青っぽく見える(赤の成分が減衰して見える)。このような空気中及び水中間における画像の見え方の相違を軽減すべく、第3実施例では、図9に示す色補正処理部63を利用する。色補正処理部63を、図1の主制御部13に設けておくことができる。
【0070】
色補正処理部63は、入力画像に対して赤成分を増大させる色補正処理を施す。説明の明確化のため、色補正処理が施される前の入力画像をオリジナル画像と呼び、色補正処理が施された後の入力画像を色補正画像と呼ぶ。色補正処理では、オリジナル画像の画像信号における赤の信号成分を増大させ、この増大の成された画像信号を有する画像を色補正画像として生成する。オリジナル画像の各画素の画像信号がRGB形式の画像信号である場合、増大の対象となる赤の信号成分は、オリジナル画像の各画素のR信号である。赤の信号成分に対する増大量を予め設定しておくことができる。或いは、水中判定部61に撮像装置1の水中深度をも検出させ、色補正処理部63は、検出された水中深度に応じて赤の信号成分に対する増大量を決定しても良い。撮像装置1の水中深度とは、水面から見た、撮像装置1の位置の深さである。
【0071】
表示制御部62は、水中判定部61からの判定結果情報に応じて、オリジナル画像又は色補正画像を択一的に表示部15に表示させる。具体的には、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときにはオリジナル画像を表示部15に表示させ、水中判定部61による判定が水中判定であるときには色補正画像を表示部15に表示させる(勿論、オリジナル画像又は色補正画像と共にアイコンを表示させてもよい;後述の他の実施例においても同様)。結果、水中判定部61による判定が水中判定であるときに表示画像(即ち、色補正画像)に含まれる赤の成分は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときに表示画像(即ち、オリジナル画像)に含まれる赤の成分よりも多くなる。
【0072】
これにより、空気中及び水中間における画像の見え方の相違を軽減することができる。尚、表示制御部62及び色補正処理部63に与えられる入力画像は、後述のプレビュー期間に撮影された入力画像であっても良いし、後述の対象画像であっても良い。
【0073】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。撮影モードにおいて、ユーザは、シャッタボタンアイコン(B1、B1A、B1B又はB1C)を指にて押すことで静止画像の撮影指示を撮像装置1に与えることができる。図10に示す如く、撮像装置1の電源がオンとされた後、時刻Tiにて、第i回目の静止画像の撮影指示が撮像装置1に与えられ、第i回目の静止画像の撮影指示に従って撮影された入力画像が対象画像TI[i]として取得されることを想定する。主制御部13は、対象画像TI[i]を記録媒体16に記録させる。iは整数であり、時刻Ti+1は時刻Tiよりも後の時刻である。時刻Tiは、対象画像TI[i]の撮影時刻に相当する。
【0074】
対象画像の撮影時刻を起点とした所定の時間長さを有する期間をポストビュー期間と呼び、特に、時刻Tiを起点としたポストビュー期間を記号PST[i]によって参照する。各々のポストビュー期間の時間長さをポストビュー時間と呼ぶ。また、撮像装置1の動作モードが撮影モードに設定されている全期間の内、ポストビュー期間以外の期間は、プレビュー期間であるとする。
【0075】
撮影モードにおいて、撮像部11は所定のフレーム周期にて順次入力画像を撮影することができる。表示制御部62は、プレビュー期間においては、順次得られた入力画像に基づくオリジナル画像又は色補正画像を、順次、表示部15に更新表示させることができる(換言すれば、時系列に並ぶ複数のオリジナル画像又は時系列に並ぶ複数のオリジナル画像を、動画像として表示部15に表示させることができる)。ユーザは、プレビュー期間において表示画面51を見ることにより、被写体の状態や撮影構図をリアルタイムで確認することができる。
【0076】
一方、表示制御部62は、ポストビュー期間PST[i]においては、対象画像TI[i]としてのオリジナル画像又は対象画像TI[i]に基づく色補正画像を表示部15に表示させる。ユーザは、ポストビュー期間において表示画面51を見ることにより、シャッタボタンアイコンへの操作に従って撮影された対象画像を確認することができる。但し、水中下においては、動きのある被写体(例えば魚)を撮影する機会が比較的多いと考えられ、比較的長いポストビュー時間は所謂シャッタチャンスの逸失につながりやすい。一方で、水中での滞在時間の制約から、撮影した対象画像を、水中下においてじっくりと確認したいという要望は少ないと考えられる。
【0077】
これを考慮し、第4実施例では、撮像装置1が水中下にあると判定された場合、ポストビュー時間を、撮像装置1が水中下にないと判定された場合よりも減少させる。即ち、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときにはポストビュー時間を時間(時間長さ)LAに設定し、水中判定部61による判定が水中判定であるときにはポストビュー時間を時間(時間長さ)LBに設定する。時間LBは時間LAよりも短く、例えば、時間LAは2秒であって且つ時間LBは1秒である。時間LBはゼロであっても良い。
【0078】
時間LA及びLBが互いに異なるため、水中判定部61による判定が水中判定である場合と非水中判定である場合とで、表示部15の表示内容は互いに異なる(特に、ポストビュー期間の後半部分周辺において表示部15の表示内容は互いに異なる)。従って、ポストビュー時間の相違(時間LA及びLB間の相違)は、表示部15の表示内容の変化に属すると言える。
【0079】
第4実施例によれば、水中下において発生しうる所謂シャッタチャンスの逸失を抑制することが可能となる。
【0080】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。第5実施例では、図11に示す如く、時刻TAと時刻TAよりも後の時刻TBとの間の期間において水中判定部61による判定が水中判定であり、且つ、時刻TB以後において水中判定部61による判定が非水中判定であったことを想定する。また、第4実施例で述べた方法に従い、撮像装置1が水中下にある期間中に(即ち、時刻TA及びTB間において)、対象画像TI[1]〜TI[m]が撮影されて(mは2以上の整数)対象画像TI[1]〜TI[m]が記録媒体16に記録されたことを想定する。
【0081】
主制御部13は、記録媒体16内に対象画像ごとに画像ファイルを生成し、画像ファイル内に対象画像の画像信号を保存することで対象画像を記録媒体16に記録させる。この際、対象画像TI[i]の画像信号を保存する画像ファイル内に対象画像TI[i]の付加情報も保存しておくことができ、その付加情報に、対象画像TI[i]が水中で撮影された画像であるのか否かを示す判定情報を含めておくと良い。判定情報は、水中判定部61からの判定結果情報に基づき生成される。図11の例では、対象画像TI[1]〜TI[m]の各判定情報に基づき、主制御部13(表示制御部62)は、対象画像TI[1]〜TI[m]の夫々が水中において撮影された画像であることを認識することができる。
【0082】
時刻TBを境に、水中判定部61による判定が水中判定から非水中判定へと切り替わると、表示制御部62は、水中判定部61による判定が水中判定であった期間(即ち、時刻TA及びTB間の期間)中に撮影された対象画像TI[1]〜TI[m]を、順次、記録媒体16から読み出し、対象画像TI[1]〜TI[m]を時系列順で順次表示部15に表示させる水中撮影画像スライドショーを実行する。
【0083】
水中撮影画像スライドショーは、水中判定部61による判定が水中判定から非水中判定へと切り替わった後、ユーザの操作によることなく、速やかに実行されても良い。
【0084】
或いは、ユーザによる所定操作を待ってから、水中撮影画像スライドショーが実行されても良い。この場合例えば、表示制御部62は、水中判定部61による判定が水中判定から非水中判定へと切り替わったことを検知した後、水中撮影画像スライドショーの実行を指示するためのスライドショーアイコン(不図示)を表示画面51に表示させ、スライドショーアイコンをユーザが指にて押した場合に水中撮影画像スライドショーを実際に実行すると良い。
【0085】
第4実施例の如く水中下におけるポストビュー時間を短く設定した場合、水中下において撮影した対象画像をユーザは水中下において十分に確認できない。また、ポストビュー時間が不変であったとしても、水中下における表示画面51の視認性は元々空気中におけるそれよりも劣るため、或いは、水中下においては対象画像を確認するための時間をユーザは確保しにくいため、ユーザは対象画像を水中下において十分に確認しがたい。上述の方法によれば、ユーザは、水中から空気中に出た後に(即ち、対象画像の確認に適した環境において)、煩雑な操作を必要とすることなく対象画像の確認を行うことが可能となる。
【0086】
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1及び注釈2を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0087】
[注釈1]
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【0088】
[注釈2]
上述の実施形態の技術を、任意の電子機器にて実現することができる。撮像装置1も電子機器の一種であり、電子機器は、携帯端末、ゲーム機器、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、電子書籍リーダ、電子辞書などでありうる。
【符号の説明】
【0089】
1 撮像装置
11 撮像部
15 表示部
51 表示画面
52 タッチ検出部
61 水中判定部
62 表示制御部
63 色補正処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置を含む電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、防水機能を備えた撮像装置が実用化され、また、タッチパネルを備えた撮像装置も実用化されている。従来の撮像装置では、水中使用時にも非水中使用時にも共通のユーザインタフェースを用いている。
【0003】
尚、撮影環境が水中であるか否かに応じてストロボ発光可否についての決定を行う技術も提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−186093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像装置を水中で用いた場合、水による光の吸収及び散乱により表示画面の視認性が低下する。また、水中では、水圧及び水の抵抗によりユーザの操作性も低下する。特にタッチパネル操作によって撮影指示等を与えるユーザインタフェースを形成している場合においては、水中下における視認性低下とあいまってユーザの操作性は大きく低下する。しかしながら、従来の撮像装置は、水中使用時にも非水中使用時にも共通のユーザインタフェースを用いているため、水中下における視認性低下に対して、又は、視認性と操作性の低下に対して何ら解決策を与えない。特許文献1についても同様である。また、上述の視認性低下などの問題は、撮像装置に限らず各種の電子機器においても発生しうる。
【0006】
そこで本発明は、水中における視認性向上に寄与する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電子機器は、表示部を備えた電子機器において、当該電子機器が水中下にあるか否かを判定する水中判定部と、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示部の表示内容を変化させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
電子機器が水中下にある場合において表示内容を水中にあわせた適切なものにすることにより、水中における視認性向上が期待される。特にタッチパネル操作によって撮影指示等を与えるユーザインタフェースを形成している場合においては、視認性向上とあいまって、水中下における操作性の大きな向上効果が期待される。
【0009】
具体的には例えば、前記表示制御部は、前記表示部に特定アイコンを含む1以上のアイコンを表示させ、前記水中判定部の判定結果に応じ、当該電子機器が水中下にある場合と水中下にない場合との間で、前記特定アイコンの表示方法を互いに異ならせても良い。
【0010】
より具体的には例えば、前記表示制御部は、前記特定アイコンにおける赤の成分の比率が、当該電子機器が水中下にないときよりも当該電子機器が水中下にあるときの方が少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記特定アイコンの色を変化させてもよい。
【0011】
水中下では赤色の光は減衰されやすいことを考慮し、上述の如く特定アイコンの色を変化させることで、水中における特定アイコンの視認性向上が期待される。視認性の向上は、操作性の向上にもつながりうる。
【0012】
また例えば、前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示部に表示されるアイコンの個数が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示部に表示されるアイコンの個数よりも少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させてもよい。
【0013】
これによっても、水中におけるアイコンの視認性向上が期待される。視認性の向上は、操作性の向上にもつながりうる。
【0014】
また例えば、前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示内容に含まれる赤の成分が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示内容に含まれる赤の成分よりも多くなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させてもよい。
【0015】
また具体的には例えば、当該電子機器は、撮像装置であって、撮影によって得られた入力画像に対して赤成分を増大させる色補正処理を施す色補正処理部を更に有し、前記表示制御部は、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合においては前記色補正処理前の入力画像を前記表示部に表示させ、当該撮像装置が水中下にあると判定された場合においては前記色補正処理後の入力画像を前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
これにより、空気中及び水中間における画像の見え方の相違を軽減することが可能となる。
【0017】
また例えば、当該電子機器は撮像装置であって、前記表示制御部は、画像の撮影後、撮影画像又は前記撮影画像に基づく画像をポストビュー時間だけ前記表示部に表示させ、当該撮像装置が水中下にあると判定された場合、前記ポストビュー時間を、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合よりも減少させてもよい。
【0018】
これにより例えば、水中下において発生しうる所謂シャッタチャンスの逸失を抑制することが可能となる。
【0019】
また例えば、当該電子機器は撮像装置であって、当該撮像装置が水中下にあると判定されている期間中に複数の撮影画像が取得され、且つ、前記期間後に当該撮像装置が水中下にないと判定されたとき、前記表示制御部は、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させる、或いは、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させることを指示するためのアイコンを前記表示部に表示させてもよい。
【0020】
これにより例えば、水中から空気中に出た後に、煩雑な操作を必要とすることなくユーザは撮影画像の確認を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、水中における視認性向上に寄与する電子機器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の概略全体ブロック図である。
【図2】図1に示される表示部の概略分解図である。
【図3】図1に示される撮像装置の一部ブロック図である。
【図4】図3の表示制御部に入力される表示関連情報を説明するための図である。
【図5】図3の表示制御部への入力画像の例を示す図(a)と、該入力画像に基づく表示画像の例を示す図(b)である。
【図6】本発明の第1実施例に係り、非水中判定時の表示画像と水中判定時の表示画像を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例に係り、非水中判定時の表示画像と水中判定時の表示画像を示す図である。
【図8】本発明の第2実施例に係り、アイコンの特定部分の色が変更される様子を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る撮像装置の一部ブロック図である。
【図10】本発明の第4実施例に係り、プレビュー期間と、ポストビュー期間と、対象画像の撮影時刻との関係を示す図である。
【図11】本発明の第5実施例にて想定される、対象画像の撮影状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略全体ブロック図である。撮像装置1は、静止画像及び動画像を撮影及び記録可能なデジタルビデオカメラである。但し、撮像装置1は、静止画像のみを撮影及び記録可能なデジタルスチルカメラであっても良い。また、撮像装置1は、携帯電話機などの携帯端末に搭載されるものであっても良い。撮像装置1は、撮像部11と、マイク部12と、主制御部13と、内部メモリ14と、表示部15と、記録媒体16と、操作部17と、スピーカ部18を備えている。
【0025】
撮像部11は、複数枚のレンズ及び絞りから成る光学系と、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどから成る固体撮像素子と、を備える。撮像部11において、固体撮像素子は、光学系を介して入射した撮影領域内の被写体の光学像を光電変換し、該光電変換によって得られた電気信号を画像信号として主制御部13に出力する。このように、撮像部11は、固体撮像素子を用いて撮影領域内の被写体の撮影を行い、撮影によって得られた撮影領域内の画像信号を出力する。撮影領域とは、撮像部11の撮影における画角内に収まる実空間上の領域を指す。撮影領域を、撮像部11の視野と呼ぶこともできる。
【0026】
マイク部12は、1又は複数のマイクロホンから成る。マイク部12は、撮像装置1の周囲からマイク部12に到来する音を1又は複数のマイクロホンを用いて収音し、収音によって得られた音響信号を主制御部13に出力する。より具体的には、マイク部12において、1又は複数のマイクロホンは、撮像装置1の周囲からマイク部12に到来する音を電気信号に変換し、該電気信号を音響信号として主制御部13に出力する。
【0027】
主制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等から成り、撮像装置1内の各部位の動作を統括的に制御する。また、主制御部13は、撮像部11の出力画像信号に対して様々な画像信号処理(デジタル化、信号増幅、ノイズ低減処理、デモザイキング処理、信号圧縮処理など)を施すことができると共にマイク部12の出力音響信号に対して様々な音響信号処理(デジタル化、信号増幅、ノイズ低減処理、指向性制御用の処理、信号圧縮処理など)を施すことができる。
【0028】
内部メモリ14は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等にて形成され、撮像装置1内で生成された各種情報(画像信号、音響信号を含む)を一時的に記憶する。表示部15は、液晶ディスプレイパネル等の表示画面を有する表示装置であり、主制御部13の制御の下、撮像部11による撮影画像や記録媒体16の記録画像などを表示する。本明細書において、単に表示及び表示画面と言った場合、それらは、表示部15における表示及び表示画面を指すものとする。記録媒体16は、カード状半導体メモリや磁気ディスク等の不揮発性メモリであり、主制御部13による制御の下、各種情報(画像信号、音響信号を含む)を記録する。操作部17は、ユーザからの各種操作を受け付ける。操作部17に対する操作内容は、主制御部13に伝達される。スピーカ部18は、1又は複数のスピーカから成り、主制御部13の制御の下、任意の音響信号を音として出力する。
【0029】
尚、本明細書では、或る画像の画像信号のことを単に画像と言うこともある。従って、例えば、或る静止画像の生成、取得、記録、加工、変形、編集又は保存とは、その静止画像の画像信号の生成、取得、記録、加工、変形、編集又は保存を意味する。
【0030】
表示部15はタッチパネルとしての機能を有し、表示部15をタッチパネルと呼ぶこともできる。図2は、表示部15の概略分解図である。表示部15には、液晶ディスプレイ等から成る表示画面51と、操作体が表示画面51上に触れている位置(圧力を加えている位置)を検出するタッチ検出部52と、が設けられている。ユーザは、表示部15の表示画面51を操作体で触れることで撮像装置1に特定の指示を与えることができる。表示画面51を操作体で触れることによる操作をタッチパネル操作と呼ぶ。操作体と表示画面51との接触位置をタッチ位置と呼ぶ。操作体が表示画面51に触れているとき、タッチ検出部52は、その触れた位置(即ちタッチ位置)を指し示すタッチ位置情報を主制御部13にリアルタイムで出力する。操作体は、例えばユーザの指又はペンである。以下では、操作体がユーザの指であることを想定する。尚、表示部15における表示と表示画面51における表示は同一の意義を有する。
【0031】
また、操作部17に機械式のボタンやレバー(不図示)が備えられていても良く、操作部17に備えられた機械式のボタンやレバーに対するユーザ操作を、タッチパネル操作と区別すべく、ボタン操作と呼ぶ。
【0032】
撮像装置1の動作モードには、画像(静止画像又は動画像)の撮影及び記録が可能な撮影モードと、記録媒体16に記録された画像(静止画像又は動画像)を表示部15に再生表示する再生モードと、が含まれる。主制御部13は、タッチパネル操作又はボタン操作に応じて撮像装置1の動作モードを決定する。
【0033】
撮像装置1を水中下においても使用できるように、撮像装置1には防水加工が施されている。そして、撮像装置1には、撮像装置1が水中下にあるか否かに応じて表示部15の表示内容を変化させる特徴的機能を有する。図3に、この特徴的機能の実現に特に関与する部位のブロック図を示す。水中判定部61及び表示制御部62を、図1の主制御部13に設けておくことができる。
【0034】
水中判定部61は、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定し(即ち、撮像装置1が水中に位置しているのか否かを判定し)、その判定結果を表す判定結果情報を出力する。水中判定部61は、公知の任意の方法(例えば、特開2010−130423号公報)を用いて、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定することができる。例えば、撮像部11の出力画像信号若しくはマイク部12の出力音響信号に基づき又はそれらの双方に基づき、水中判定部61は、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定することができる。或いは例えば、撮像装置1の筐体に加わる圧力を検出する圧力センサ(不図示)を水中判定部61に設けておき、水中判定部61は、圧力センサの検出結果に基づいて撮像装置1が水中下にあるか否かを判定してもよい。或いは例えば、ユーザによるタッチパネル操作又はボタン操作に従って、水中判定部61は、撮像装置1が水中下にあるか否かを判定してもよい。この場合例えば、撮像装置1が水中下にあるか否かをユーザがタッチパネル操作又はボタン操作を介して撮像装置1に伝達し、水中判定部61は、その伝達内容に基づき撮像装置1が水中下にあるか否かを判定してもよい。
【0035】
撮像装置1が水中下にあると判定したときの、水中判定部61の判定を水中判定と呼び、撮像装置1が水中下にないと判定したときの、水中判定部61の判定を非水中判定と呼ぶ。撮像装置1が水中下にある状態は、撮像装置1の全体が水中に存在している状態を含み、撮像装置1が水中下にない状態は、撮像装置1の全体が空気中に存在している状態を含む。従って、水中判定部61は、撮像装置1が水中に存在しているのか或いは空気中に存在しているのかを判定し、その判定結果を表す判定結果情報を出力するとも言える。これに対応して、撮像装置1が水中に存在していると判定することが水中判定であるとも言え、撮像装置1が空気中に存在していると判定することが非水中判定であるとも言える。
【0036】
表示制御部62は、入力画像を表示部15に表示させることができると共に、表示関連情報及び水中判定部61からの判定結果情報に応じた映像を表示部15に表示させることができる(詳細は後述)。表示関連情報及び判定結果情報に応じて、表示される入力画像を変化させることもできる(詳細は後述)。
【0037】
入力画像とは、撮像部11の撮影によって得られた画像である、撮像部11の出力画像信号に基づく二次元画像を指す。故に、入力画像を、撮影画像と呼んでも良い。入力画像の生成過程において、撮像部11の出力画像信号に対して所定の画像処理(デジタル化、信号増幅、ノイズ低減処理、デモザイキング処理など)が施されうる。入力画像の画像信号は、内部メモリ14及び記録媒体16を介することなく撮像部11から表示制御部62に直接供給されても良いし、撮像部11から内部メモリ14又は記録媒体16を介して表示制御部62に供給されても良い。
【0038】
表示関連情報は、図4に示す如く、動作状態情報、撮影設定情報及びシステム情報を含む。動作状態情報は、撮像装置1の動作状態を示す情報である。動作状態情報は、撮像装置1の動作モードが何であるのかを示す情報や、撮像装置1の動作モードが撮影モードである場合において動画像の撮影及び記録が現在成されているのかを示す情報などを含む。撮影設定情報は、入力画像の撮影条件及び記録条件を示す情報である。例えば、撮影設定情報は、記録媒体16に入力画像を記録する際の入力画像の記録画素数を示す情報、入力画像の撮影時におけるF値を示す情報、手振れ補正機能のオン/オフを示す情報などを含む。システム情報は、撮像装置1の駆動源としてのバッテリの残量を示す情報、記録媒体16に記録可能な画像枚数を示す情報などを含む。上述したものの他、表示部15の表示内容に影響を与えうる様々な情報が表示関連情報に含められる。
【0039】
表示制御部62は、表示関連情報に応じた1以上のアイコンを入力画像と共に表示部15に表示させることができる。図5(a)の画像310は、撮影モードにおける入力画像の例である。図5(b)の画像320は、入力画像310に基づく表示画像である。表示画像とは、表示部15の表示画面51に表示される画像を指す。表示画像320は、入力画像310に対して、アイコンA1、A2、A3、B1及びB2を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1、A2、A3、B1及びB2を重畳することで表示画像320を形成することができる。表示されるべきアイコンと入力画像を表示画面51上で左右又は上下方向に並べて並列表示するようにしても良い(後述の他の表示画像についても同様)。
【0040】
アイコンA1は、現在録画中であることを(より具体的には、撮像部11にて撮影された動画像の画像信号が記録媒体16に記録されている最中であることを)ユーザに知らせる機能を有する。撮影モードにおいて、撮像部11は所定のフレーム周期にて順次入力画像を撮影することができ、時系列に並ぶ複数の入力画像によって動画像が形成される。
アイコンA2は、撮像装置1の駆動源としてのバッテリの残量をユーザに知らせる機能を有する。
アイコンA3は、記録媒体16に記録されるべき入力画像の画像サイズ(記録媒体16に対する入力画像の記録画像サイズ)をユーザに知らせる機能を有する。
【0041】
アイコンB1は、ユーザによる静止画像の撮影指示を受け付ける機能を有する。ユーザはアイコンB1(又は、後述のアイコンB1A、B1B若しくはB1C)を指にて押すことで静止画像の撮影指示を撮像装置1に与えることができる。静止画像の撮影指示が撮像装置1に与えられると、撮像装置1は撮像部11を用いて1枚又は複数枚の静止画像の撮影を行い、これによって得られた1枚又は複数枚の静止画像を記録媒体16に記録させる。上記撮影指示に従って得られる静止画像は入力画像の一種である。
アイコンB2は、ユーザによるメニュー表示指示を受け付ける機能を有する。ユーザはアイコンB2を指にて押すことでメニュー表示指示を撮像装置1に与えることができる。メニュー表示指示が撮像装置1に与えられると、表示制御部62は、表示画面51上に複数の項目を含むメニューを表示する。メニューが表示されている状態において所定のタッチパネル操作を成すことで、ユーザは撮像装置1に様々な指示を与えることができる。
【0042】
アイコンA1〜A3が単に情報をユーザに知らせるためのアイコンであるのに対して、アイコンB1及びB2はユーザから特定の指示を受けるためのボタンとして機能する(後述のアイコンB3も同様)。従って、アイコンB1及びB2をボタンアイコン又は表示画面51上のボタン(タッチパネル上のボタン)と呼ぶこともできる。後述のアイコンB3並びにアイコンB1の変形例である後述のアイコンB1A、B1B及びB1Cについても同様である(図7(a)〜(f)参照)。以下では、アイコンB1、B1A、B1B及びB1Cの夫々を、シャッタボタンアイコンとも呼ぶ。
【0043】
以下、第1〜第5実施例において、判定結果情報に応じた表示制御方法又はそれに関連する技術を説明する。矛盾なき限り、第1〜第5実施例の内、複数の実施例を組み合わせて実施することも可能である。尚、第1〜第5実施例の説明は、撮像装置1の動作モードが撮影モードに設定されていることを前提にしているが、撮像装置1の動作モードが再生モードに設定されている場合において第1〜第5実施例の方法を用いることも可能である。
【0044】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。水中下ではユーザによる表示内容の視認性が低下する。これを考慮し、撮像装置1が水中下にあるときに表示部15に表示されるアイコンの個数N1が、撮像装置1が水中下にないときの表示部15に表示されるアイコンの個数N2よりも少なくなるように、表示制御部62は判定結果情報に応じて表示部15の表示内容を変化させる。個数N1は、水中判定部61による判定が水中判定であるときに表示部15に表示されるアイコンの個数であり、個数N2は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときに表示部15に表示されるアイコンの個数である。
【0045】
具体的には例えば、表示制御部62は、図5(a)の入力画像310の画像信号が表示制御部62に与えられた場合において、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図6(a)の表示画像410を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図6(b)の表示画像420を表示部15に表示させる。
【0046】
表示画像410は、図5(b)の表示画像320と同じものである。表示画像420は、入力画像310に対して、アイコンA1、B1及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1、B1及びB3を重畳することで表示画像420を形成することができる。図6(a)及び(b)の例では、N1=3且つN2=5である。
【0047】
アイコンB3は、ユーザによる情報表示指示を受け付けるアイコンである。ユーザはアイコンB3を指にて押すことで情報表示指示を撮像装置1に与えることができる。情報表示指示が撮像装置1に与えられると、表示制御部62は、表示部15における表示画像を、表示画像420から表示画像410へと変更する。従って、ユーザは、撮像装置1を水中下で用いている場合においても、必要に応じて表示内容を空気中のそれと同じにすることができる。但し、情報表示指示が撮像装置1に与えられたときに表示される画像は、表示画像410と異なっていても良い。
【0048】
表示制御部62は、撮像装置1が水中下にあるときと撮像装置1が水中下にないときとの間で、表示部15に表示されるアイコンの種類を変更しても良い。これは、後述の他の実施例においても同様である。図6(a)及び(b)の例では、非水中判定下において表示されていたアイコンB2が水中判定下においてアイコンB3に変更されているとも言える。
【0049】
水中下ではユーザによる表示内容の視認性が低下するため、多くの個数のアイコンを表示すると、ユーザが表示内容を確認しにくくなる或いはタッチパネル操作を行いにくくなる等の弊害が発生しうる。第1実施例によれば、水中下において表示アイコンの個数が減少するため、このような弊害が抑制される。換言すれば、水中下における視認性及び操作性を向上させることができる。
【0050】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第2実施例では、表示制御部62が、表示部15に特定アイコンを含む1以上のアイコンを表示させ、判定結果情報に応じ、撮像装置1が水中下にある場合と水中下にない場合との間で(即ち、水中判定部61が水中判定を成した場合と非水中判定を成した場合との間で)特定アイコンの表示方法を互いに異ならせる。
【0051】
表示制御部62は、特定アイコンを含む1以上のアイコンを入力画像と共に表示部15に表示させることができる。表示部15に表示される全てのアイコンが特定アイコンであっても良いし、表示部15に表示されるアイコンの一部が特定アイコンであっても良い。但し、タッチパネル操作を受ける頻度の高いアイコン(例えば、シャッタボタンアイコン)を特定アイコンに含めることが望ましい。“撮像装置1が水中下にある場合と水中下にない場合との間で特定アイコンの表示方法を互いに異ならせる”ということは、“撮像装置1が水中下にない場合を基準として特定アイコンの表示方法を撮像装置1が水中下にある場合に変更する”ことに相当する。この変更を適切に行うことによって、水中下におけるアイコンの視認性及び/又は操作性を向上させることができる。
【0052】
特定アイコンの表示方法の変更は、特定アイコンの表示サイズ、表示位置、形状、模様、色、輝度又は点滅有無の変更であっても良いし、それらの組み合わせであっても良い。特定アイコンの表示方法を変更するための具体的な変更方法J1〜J4を、以下に説明する。変更方法J1〜J4の説明では、図5(a)の入力画像310の画像信号が表示制御部62に与えられた場合を想定する。矛盾なき限り、変更方法J1〜J4の内、複数の変更方法を組み合わせて実施することも可能である。
【0053】
――変更方法J1――
変更方法J1を説明する。変更方法J1において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(b)の表示画像460を表示部15に表示させる。表示画像450は、図5(b)の表示画像320と同じものである。
【0054】
表示画像460は、入力画像310に対して、アイコンA1A、B1A及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1A、B1A及びB3を重畳することで表示画像460を形成することができる。尚、図7(a)及び(b)の例には、変更方法J1に加えて第1実施例の方法(水中では表示アイコン数を減少させる方法)が適用されている。
【0055】
アイコンA1A及びB1Aは、夫々、アイコンA1及びB1と同じ機能を有する。但し、アイコンA1Aの表示サイズは、アイコンA1の表示サイズよりも大きく、アイコンB1Aの表示サイズは、アイコンB1の表示サイズよりも大きい。アイコンの表示サイズとは、表示画面51上における当該アイコンの大きさを指す。変更方法J1の如く、水中下においてアイコンの表示サイズを大きくすることにより、水中下におけるアイコンの視認性及び操作性を向上させることができる。
【0056】
――変更方法J2――
変更方法J2を説明する。変更方法J2において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(c)の表示画像465又は図7(d)の表示画像470を表示部15に表示させる。
【0057】
表示画像465及び470の夫々は、入力画像310に対して、アイコンA1A、B1A及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1A、B1A及びB3を重畳することで表示画像465又は470を形成することができる。尚、図7(a)、(c)及び(d)の例には、変更方法J2に加えて変更方法J1及び第1実施例の方法が適用されている。
【0058】
表示画面51に示されるアイコンの種類は、表示画像460、465及び470間で同じである。但し、表示画面51上における一部のアイコンの表示位置が、表示画像460、465及び470間で互いに異なる。また、少なくともシャッタボタンアイコンの表示位置は、表示画像450及び470間で異なる。即ち、表示画像450上におけるシャッタボタンアイコンB1の表示位置と、表示画像470上におけるシャッタボタンアイコンB1Aの表示位置は互いに異なる。
【0059】
表示画像465及び470の夫々では、右手での操作を行いやすいように、アイコンB1A及びB3の表示位置を表示画面51の右側半分に集中させている。また、表示画像470上におけるシャッタボタンアイコンB1Aは、右手親指での操作を行いやすいように、表示画面51の右下側に配置されている。表示画像465及び470は、ユーザが右手でタッチパネル操作を行うことを想定したものであるが、事前の設定操作等により、ユーザが左手でタッチパネル操作を行うことが予め分かっている場合には、表示画像465及び470の夫々において、アイコンB1A及びB3の表示位置を表示画面51の左側半分に集中させると良い。変更方法J2によれば、水中下における操作性を向上させることができる。
【0060】
――変更方法J3――
変更方法J3を説明する。変更方法J3において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(e)の表示画像475を表示部15に表示させる。
【0061】
表示画像475は、入力画像310に対して、アイコンA1A、B1B及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1A、B1B及びB3を重畳することで表示画像475を形成することができる。尚、図7(a)及び(e)の例には、変更方法J3に加えて、変更方法J1、J2及び第1実施例の方法が適用されている。
【0062】
アイコンB1Bは、シャッタボタンアイコンであって、アイコンB1と同じ機能を有する。図7(e)からは明らかではないが、表示制御部62は、水中判定が成された場合、シャッタボタンアイコンB1Bを表示画面51上で点滅させる(非水中判定が成された場合、そのような点滅を行わない)。そのような点滅に加えて又はそのような点滅に代えて、表示制御部62は、アイコンB1Bの輝度をアイコンB1の輝度よりも高めても良い。シャッタボタンアイコン以外のアイコンに対しても変更方法J3は適用されうる。変更方法J3によれば、水中下におけるアイコンの視認性を向上させることができる。
【0063】
――変更方法J4――
変更方法J4を説明する。変更方法J4において、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときには図7(a)の表示画像450を表示部15に表示させる一方、水中判定部61による判定が水中判定であるときには図7(f)の表示画像480を表示部15に表示させる。
【0064】
表示画像480は、入力画像310に対して、アイコンA1C、B1C及びB3を付与した画像である。より具体的には、入力画像310上にアイコンA1C、B1C及びB3を重畳することで表示画像480を形成することができる。尚、図7(a)及び(f)の例には、変更方法J4に加えて、変更方法J1、J2及び第1実施例の方法が適用されている。
【0065】
アイコンA1C及びB1Cは、夫々、アイコンA1及びB1と同じ機能を有する。但し、表示制御部62は、アイコンA1Cの色をアイコンA1の色と異ならせると共にアイコンB1Cの色をアイコンB1の色と異ならせる。この際、水中下では赤色の光は減衰されやすく且つ緑から青の波長を有する光は透過しやすいことを考慮し、400〜550ナノメートル程度の波長を有する色がアイコンA1C及びB1Cの支配色となるようにアイコンA1C及びB1Cの色を決定する。変更方法J4によれば、水中下におけるアイコンの視認性を向上させることができる。
【0066】
より具体的な配色例をシャッタボタンアイコンに注目して説明する。
表示制御部62は、水中判定部61による判定が水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1C)の赤成分比率が水中判定部61による判定が非水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1)の赤成分比率よりも少なくなるように、水中判定部61の判定結果に応じてシャッタボタンアイコンの色を変化させる。シャッタボタンアイコンの赤成分比率とは、シャッタボタンアイコンの全体の色成分(例えば、赤、緑及び青の成分)を占める、赤の成分の比率を指す。
また、変更方法J4を実現する表示制御部62の動作を以下のように表現してもよい。 表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1)の色が水中判定部61による判定が水中判定である場合におけるシャッタボタンアイコン(即ち、アイコンB1C)の色よりも赤に近くなるように、水中判定部61の判定結果に応じてシャッタボタンアイコンの色を変化させる。アイコンB1の色がアイコンB1Cの色よりも赤に近いとは、アイコンB1の色の波長がアイコンB1Cの色の波長よりも赤の波長に近いことを意味する。
【0067】
例えば、図8に示す如く、アイコンB1内の特定部分の色が赤色である場合、アイコンB1内の特定部分の色を赤色から非赤色に変更することでアイコンB1Cを形成することができ、これによって、アイコンB1Cにおける赤成分比率はアイコンB1における赤成分比率よりも少なくなると共に、アイコンB1の色はアイコンB1Cの色よりも赤に近くなる。
図8において、斜線領域は、アイコンB1に内包される赤色の特定部分に相当し、ドット領域は、アイコンB1Cに内包される非赤色の特定部分に相当する。非赤色とは、赤に分類されない色を指し、例えば緑又は青に分類される色である、或いは、400〜550ナノメートルの範囲内の波長を有する色である。
【0068】
また例えば、アイコンB1内の特定部分の色が白色である場合、アイコンB1内の特定部分の色を白色から非赤色に変更することでアイコンB1Cを形成することができ、これによって、アイコンB1Cにおける赤成分比率はアイコンB1における赤成分比率よりも少なくなると共に、アイコンB1の色はアイコンB1Cの色よりも赤に近くなる。
白色は、赤、緑及び青の混合色であるため、アイコンB1内の特定部分(白色の特定部分)は、アイコンB1Cの特定部分(非赤色の特定部分)よりも赤の成分をより多く含む。故に、白の特定部分を内包するアイコンB1の色は、非赤色の特定部分を有するアイコンB1Cの色よりも赤に近いと言える。
【0069】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。上述したように、水中下では赤色の光は減衰されやすい。従って、水中下において入力画像をそのまま表示部15にて表示させると、空気中で入力画像を見るよりも、入力画像が青っぽく見える(赤の成分が減衰して見える)。このような空気中及び水中間における画像の見え方の相違を軽減すべく、第3実施例では、図9に示す色補正処理部63を利用する。色補正処理部63を、図1の主制御部13に設けておくことができる。
【0070】
色補正処理部63は、入力画像に対して赤成分を増大させる色補正処理を施す。説明の明確化のため、色補正処理が施される前の入力画像をオリジナル画像と呼び、色補正処理が施された後の入力画像を色補正画像と呼ぶ。色補正処理では、オリジナル画像の画像信号における赤の信号成分を増大させ、この増大の成された画像信号を有する画像を色補正画像として生成する。オリジナル画像の各画素の画像信号がRGB形式の画像信号である場合、増大の対象となる赤の信号成分は、オリジナル画像の各画素のR信号である。赤の信号成分に対する増大量を予め設定しておくことができる。或いは、水中判定部61に撮像装置1の水中深度をも検出させ、色補正処理部63は、検出された水中深度に応じて赤の信号成分に対する増大量を決定しても良い。撮像装置1の水中深度とは、水面から見た、撮像装置1の位置の深さである。
【0071】
表示制御部62は、水中判定部61からの判定結果情報に応じて、オリジナル画像又は色補正画像を択一的に表示部15に表示させる。具体的には、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときにはオリジナル画像を表示部15に表示させ、水中判定部61による判定が水中判定であるときには色補正画像を表示部15に表示させる(勿論、オリジナル画像又は色補正画像と共にアイコンを表示させてもよい;後述の他の実施例においても同様)。結果、水中判定部61による判定が水中判定であるときに表示画像(即ち、色補正画像)に含まれる赤の成分は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときに表示画像(即ち、オリジナル画像)に含まれる赤の成分よりも多くなる。
【0072】
これにより、空気中及び水中間における画像の見え方の相違を軽減することができる。尚、表示制御部62及び色補正処理部63に与えられる入力画像は、後述のプレビュー期間に撮影された入力画像であっても良いし、後述の対象画像であっても良い。
【0073】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。撮影モードにおいて、ユーザは、シャッタボタンアイコン(B1、B1A、B1B又はB1C)を指にて押すことで静止画像の撮影指示を撮像装置1に与えることができる。図10に示す如く、撮像装置1の電源がオンとされた後、時刻Tiにて、第i回目の静止画像の撮影指示が撮像装置1に与えられ、第i回目の静止画像の撮影指示に従って撮影された入力画像が対象画像TI[i]として取得されることを想定する。主制御部13は、対象画像TI[i]を記録媒体16に記録させる。iは整数であり、時刻Ti+1は時刻Tiよりも後の時刻である。時刻Tiは、対象画像TI[i]の撮影時刻に相当する。
【0074】
対象画像の撮影時刻を起点とした所定の時間長さを有する期間をポストビュー期間と呼び、特に、時刻Tiを起点としたポストビュー期間を記号PST[i]によって参照する。各々のポストビュー期間の時間長さをポストビュー時間と呼ぶ。また、撮像装置1の動作モードが撮影モードに設定されている全期間の内、ポストビュー期間以外の期間は、プレビュー期間であるとする。
【0075】
撮影モードにおいて、撮像部11は所定のフレーム周期にて順次入力画像を撮影することができる。表示制御部62は、プレビュー期間においては、順次得られた入力画像に基づくオリジナル画像又は色補正画像を、順次、表示部15に更新表示させることができる(換言すれば、時系列に並ぶ複数のオリジナル画像又は時系列に並ぶ複数のオリジナル画像を、動画像として表示部15に表示させることができる)。ユーザは、プレビュー期間において表示画面51を見ることにより、被写体の状態や撮影構図をリアルタイムで確認することができる。
【0076】
一方、表示制御部62は、ポストビュー期間PST[i]においては、対象画像TI[i]としてのオリジナル画像又は対象画像TI[i]に基づく色補正画像を表示部15に表示させる。ユーザは、ポストビュー期間において表示画面51を見ることにより、シャッタボタンアイコンへの操作に従って撮影された対象画像を確認することができる。但し、水中下においては、動きのある被写体(例えば魚)を撮影する機会が比較的多いと考えられ、比較的長いポストビュー時間は所謂シャッタチャンスの逸失につながりやすい。一方で、水中での滞在時間の制約から、撮影した対象画像を、水中下においてじっくりと確認したいという要望は少ないと考えられる。
【0077】
これを考慮し、第4実施例では、撮像装置1が水中下にあると判定された場合、ポストビュー時間を、撮像装置1が水中下にないと判定された場合よりも減少させる。即ち、表示制御部62は、水中判定部61による判定が非水中判定であるときにはポストビュー時間を時間(時間長さ)LAに設定し、水中判定部61による判定が水中判定であるときにはポストビュー時間を時間(時間長さ)LBに設定する。時間LBは時間LAよりも短く、例えば、時間LAは2秒であって且つ時間LBは1秒である。時間LBはゼロであっても良い。
【0078】
時間LA及びLBが互いに異なるため、水中判定部61による判定が水中判定である場合と非水中判定である場合とで、表示部15の表示内容は互いに異なる(特に、ポストビュー期間の後半部分周辺において表示部15の表示内容は互いに異なる)。従って、ポストビュー時間の相違(時間LA及びLB間の相違)は、表示部15の表示内容の変化に属すると言える。
【0079】
第4実施例によれば、水中下において発生しうる所謂シャッタチャンスの逸失を抑制することが可能となる。
【0080】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。第5実施例では、図11に示す如く、時刻TAと時刻TAよりも後の時刻TBとの間の期間において水中判定部61による判定が水中判定であり、且つ、時刻TB以後において水中判定部61による判定が非水中判定であったことを想定する。また、第4実施例で述べた方法に従い、撮像装置1が水中下にある期間中に(即ち、時刻TA及びTB間において)、対象画像TI[1]〜TI[m]が撮影されて(mは2以上の整数)対象画像TI[1]〜TI[m]が記録媒体16に記録されたことを想定する。
【0081】
主制御部13は、記録媒体16内に対象画像ごとに画像ファイルを生成し、画像ファイル内に対象画像の画像信号を保存することで対象画像を記録媒体16に記録させる。この際、対象画像TI[i]の画像信号を保存する画像ファイル内に対象画像TI[i]の付加情報も保存しておくことができ、その付加情報に、対象画像TI[i]が水中で撮影された画像であるのか否かを示す判定情報を含めておくと良い。判定情報は、水中判定部61からの判定結果情報に基づき生成される。図11の例では、対象画像TI[1]〜TI[m]の各判定情報に基づき、主制御部13(表示制御部62)は、対象画像TI[1]〜TI[m]の夫々が水中において撮影された画像であることを認識することができる。
【0082】
時刻TBを境に、水中判定部61による判定が水中判定から非水中判定へと切り替わると、表示制御部62は、水中判定部61による判定が水中判定であった期間(即ち、時刻TA及びTB間の期間)中に撮影された対象画像TI[1]〜TI[m]を、順次、記録媒体16から読み出し、対象画像TI[1]〜TI[m]を時系列順で順次表示部15に表示させる水中撮影画像スライドショーを実行する。
【0083】
水中撮影画像スライドショーは、水中判定部61による判定が水中判定から非水中判定へと切り替わった後、ユーザの操作によることなく、速やかに実行されても良い。
【0084】
或いは、ユーザによる所定操作を待ってから、水中撮影画像スライドショーが実行されても良い。この場合例えば、表示制御部62は、水中判定部61による判定が水中判定から非水中判定へと切り替わったことを検知した後、水中撮影画像スライドショーの実行を指示するためのスライドショーアイコン(不図示)を表示画面51に表示させ、スライドショーアイコンをユーザが指にて押した場合に水中撮影画像スライドショーを実際に実行すると良い。
【0085】
第4実施例の如く水中下におけるポストビュー時間を短く設定した場合、水中下において撮影した対象画像をユーザは水中下において十分に確認できない。また、ポストビュー時間が不変であったとしても、水中下における表示画面51の視認性は元々空気中におけるそれよりも劣るため、或いは、水中下においては対象画像を確認するための時間をユーザは確保しにくいため、ユーザは対象画像を水中下において十分に確認しがたい。上述の方法によれば、ユーザは、水中から空気中に出た後に(即ち、対象画像の確認に適した環境において)、煩雑な操作を必要とすることなく対象画像の確認を行うことが可能となる。
【0086】
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1及び注釈2を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
【0087】
[注釈1]
図1の撮像装置1を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて撮像装置1を構成する場合、ソフトウェアにて実現される部位についてのブロック図は、その部位の機能ブロック図を表すことになる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。
【0088】
[注釈2]
上述の実施形態の技術を、任意の電子機器にて実現することができる。撮像装置1も電子機器の一種であり、電子機器は、携帯端末、ゲーム機器、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、電子書籍リーダ、電子辞書などでありうる。
【符号の説明】
【0089】
1 撮像装置
11 撮像部
15 表示部
51 表示画面
52 タッチ検出部
61 水中判定部
62 表示制御部
63 色補正処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えた電子機器において、
当該電子機器が水中下にあるか否かを判定する水中判定部と、
前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示部の表示内容を変化させる表示制御部と、を備えた
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示部に特定アイコンを含む1以上のアイコンを表示させ、前記水中判定部の判定結果に応じ、当該電子機器が水中下にある場合と水中下にない場合との間で、前記特定アイコンの表示方法を互いに異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記特定アイコンにおける赤の成分の比率が、当該電子機器が水中下にないときよりも当該電子機器が水中下にあるときの方が少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記特定アイコンの色を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示部に表示されるアイコンの個数が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示部に表示されるアイコンの個数よりも少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示内容に含まれる赤の成分が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示内容に含まれる赤の成分よりも多くなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
当該電子機器は、撮像装置であって、
撮影によって得られた入力画像に対して赤成分を増大させる色補正処理を施す色補正処理部を更に備え、
前記表示制御部は、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合においては前記色補正処理前の入力画像を前記表示部に表示させ、当該撮像装置が水中下にあると判定された場合においては前記色補正処理後の入力画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項5に記載の、撮像装置としての電子機器。
【請求項7】
当該電子機器は、撮像装置であって、
前記表示制御部は、画像の撮影後、撮影画像又は前記撮影画像に基づく画像をポストビュー時間だけ前記表示部に表示させ、
当該撮像装置が水中下にあると判定された場合、前記ポストビュー時間を、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合よりも減少させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の、撮像装置としての電子機器。
【請求項8】
当該電子機器は、撮像装置であって、
当該撮像装置が水中下にあると判定されている期間中に複数の撮影画像が取得され、且つ、前記期間後に当該撮像装置が水中下にないと判定されたとき、
前記表示制御部は、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させる、或いは、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させることを指示するためのアイコンを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の、撮像装置としての電子機器。
【請求項1】
表示部を備えた電子機器において、
当該電子機器が水中下にあるか否かを判定する水中判定部と、
前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示部の表示内容を変化させる表示制御部と、を備えた
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示部に特定アイコンを含む1以上のアイコンを表示させ、前記水中判定部の判定結果に応じ、当該電子機器が水中下にある場合と水中下にない場合との間で、前記特定アイコンの表示方法を互いに異ならせる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記特定アイコンにおける赤の成分の比率が、当該電子機器が水中下にないときよりも当該電子機器が水中下にあるときの方が少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記特定アイコンの色を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示部に表示されるアイコンの個数が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示部に表示されるアイコンの個数よりも少なくなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記表示制御部は、当該電子機器が水中下にあるときに前記表示内容に含まれる赤の成分が、当該電子機器が水中下にないときに前記表示内容に含まれる赤の成分よりも多くなるように、前記水中判定部の判定結果に応じて前記表示内容を変化させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
当該電子機器は、撮像装置であって、
撮影によって得られた入力画像に対して赤成分を増大させる色補正処理を施す色補正処理部を更に備え、
前記表示制御部は、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合においては前記色補正処理前の入力画像を前記表示部に表示させ、当該撮像装置が水中下にあると判定された場合においては前記色補正処理後の入力画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項5に記載の、撮像装置としての電子機器。
【請求項7】
当該電子機器は、撮像装置であって、
前記表示制御部は、画像の撮影後、撮影画像又は前記撮影画像に基づく画像をポストビュー時間だけ前記表示部に表示させ、
当該撮像装置が水中下にあると判定された場合、前記ポストビュー時間を、当該撮像装置が水中下にないと判定された場合よりも減少させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の、撮像装置としての電子機器。
【請求項8】
当該電子機器は、撮像装置であって、
当該撮像装置が水中下にあると判定されている期間中に複数の撮影画像が取得され、且つ、前記期間後に当該撮像装置が水中下にないと判定されたとき、
前記表示制御部は、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させる、或いは、前記複数の撮影画像を前記表示部に順次表示させることを指示するためのアイコンを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の、撮像装置としての電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−233954(P2012−233954A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100732(P2011−100732)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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