説明

電子機器

【課題】小型化を図ることができるバッテリコネクタ及び電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器のバッテリコネクタは、第1の距離で互いに離れて並べられた複数の信号端子と、前記第1の距離よりも大きな第2の距離で前記信号端子から離れたプラス端子と、前記信号端子と前記プラス端子との間に設けられ、前記プラス端子よりも大きく突出した絶縁性の位置決めピンと、前記信号端子に対して前記位置決めピンとは反対側に設けられ、前記第1の距離よりも大きな第3の距離で前記信号端子から離れ、前記プラス端子よりも大きく突出したマイナス端子とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリコネクタ及びそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタは、複数の信号端子と、電源端子とを備えている。これら信号端子と電源端子は、互いに等間隔で並べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−150027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器はさらなる小型化が要望されている。そのため、バッテリコネクタの小型化も期待されている。
【0005】
本発明の目的は、小型化を図ることができるバッテリコネクタ及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器のバッテリコネクタは、第1の距離で互いに離れて並べられた複数の信号端子と、前記第1の距離よりも大きな第2の距離で前記信号端子から離れたプラス端子と、前記信号端子と前記プラス端子との間に設けられ、前記プラス端子よりも大きく突出した絶縁性の位置決めピンと、前記信号端子に対して前記位置決めピンとは反対側に設けられ、前記第1の距離よりも大きな第3の距離で前記信号端子から離れ、前記プラス端子よりも大きく突出したマイナス端子とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一つの実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図2】図1中に示された電子機器のバッテリコネクタの下面図。
【図3】図2中に示された第1コネクタの正面図。
【図4】図2中に示された第1コネクタの平面図。
【図5】図2中に示された第1コネクタの側面図。
【図6】図1中に示された電子機器のバッテリと第2コネクタを示す斜視図。
【図7】図2中に示された第2コネクタの正面図。
【図8】図2中に示された第2コネクタの背面図。
【図9】図2中に示されたバッテリコネクタの一つの変形例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1乃至図8は、一つの実施形態に係る電子機器1を開示している。電子機器1は、例えばノートブック型パーソナルコンピュータである。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本実施形態は、例えばテレビジョン受像機や、録画再生装置、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0010】
図1に示すように、電子機器1は、本体ユニット2と、表示ユニット3と、ヒンジ4a,4bとを備えている。本体ユニット2は、メイン回路基板5(第1の回路基板)を搭載した電子機器本体である。本体ユニット2は、メイン回路基板5を収容する筐体6を備えている。筐体6は、上壁11、下壁12、及び周壁13を有し、扁平な箱状に形成されている。
【0011】
下壁12は、電子機器1を机上に置いた時に、その机上面に向かい合う。下壁12は、机上面に対して略平行になる。上壁11は、下壁12との間に空間を空けて、下壁12と略平行(すなわち略水平)に広がる。上壁11には、キーボード14が取り付けられている。周壁13は、下壁12に対して起立し、下壁12の周縁部と上壁11の周縁部との間を繋いでいる。
【0012】
表示ユニット3は、ヒンジ4a,4bによって、本体ユニット2の後端部に回動可能(開閉可能)に連結されている。表示ユニット3は、本体ユニット2を上方から覆うように倒された閉じ位置と、本体ユニット2に対して起こされた開き位置との間で回動可能である。
【0013】
図1に示すように、表示ユニット3は、表示筐体15と、この表示筐体15に収容された表示パネル16とを備えている。表示パネル16の表示画面16aは、表示筐体15の前壁に設けられた開口部15aを通じて外部に露出可能になっている。
【0014】
図1に示すように、電子機器1は、バッテリ18と、このバッテリ18を本体ユニット2に電気的に接続するバッテリコネクタ19とを有する。図2に示すように、バッテリコネクタ19は、本体ユニット2に実装された第1コネクタ21(雄部)と、バッテリ18に実装され、第1コネクタ21に着脱自在に係合する第2コネクタ22(雌部)とを有する。
【0015】
本実施形態では、第1コネクタ21は、例えばメイン回路基板5に実装されている。第2コネクタ22が第1コネクタ21に接続されることで、本体ユニット2はバッテリ18に電気的に接続される。なお、第1コネクタ21は、本体ユニット2に設けられたメイン回路基板5以外の回路基板に実装されてもよい。また、第1コネクタ21をバッテリ18に設け、第2コネクタ22を本体ユニット2に設けてもよい。
【0016】
次に、図2乃至図5を参照して、第1コネクタ21について詳しく説明する。
第1コネクタ21は、合成樹脂製の第1ハウジング24を有する。第1ハウジング24には、複数の信号端子25、プラス端子26、マイナス端子27、及び位置決めピン28が設けられている。プラス端子26及びマイナス端子27は、それぞれ「電源端子」の一例である。プラス端子26及びマイナス端子27は、信号端子25よりも大きな電流が流れ、信号端子25よりも発熱しやすい。
【0017】
ここで、第1乃至第3の方向X,Y,Zについて定義しておく。第1方向Xは、バッテリコネクタ19の嵌合方向、つまり第1コネクタ21から第2コネクタ22に向かう方向である。第2方向Yは、バッテリコネクタ19の幅方向であり、複数の信号端子25が並ぶ方向である。第3方向Zは、バッテリコネクタ19の厚さ方向である。第1乃至第3の方向X,Y,Zは、互いに略直交する。
【0018】
図2乃至図5に示すように、信号端子25、プラス端子26、及びマイナス端子27は、それぞれ板状に形成され、横幅(第2方向Yの幅)に比べて縦幅(第3方向Zの幅)が大きい。信号端子25、プラス端子26、及びマイナス端子27は、それぞれL字形に形成され、第1端部31と、この第1端部31に対して折れ曲がった第2端部32とを有する。
【0019】
第1端部31は、第1方向Xに突出している。第1端部31は、第2コネクタ22に接続される端部である。第2端部32は、メイン回路基板5に設けられたスルーホール(図示しない)に挿入され、例えば半田付けなどでメイン回路基板5に電気的に接続されている。つまり、第1コネクタ21は、挿入実装方式のコネクタである。なお第1コネクタ21は、表面実装方式のコネクタでもよい。
【0020】
図2乃至図4に示すように、複数の信号端子25は、第1の距離P1で互いに離れて並べられている。第1の距離P1は、例えば2.0mmである。なお本明細書で「距離」とは、端子の中心間の距離のことである。
【0021】
プラス端子26及びマイナス端子27は、複数の信号端子25の両側の側方に分かれて配置されている。プラス端子26は、第1の距離P1よりも大きな第2の距離P2で信号端子25から離れている。第2の距離P2は、例えば4.5mmである。プラス端子26の第2方向Yの幅W2は、信号端子25の幅W1よりも大きい。つまりプラス端子26は、信号端子25よりも太い。プラス端子26の第1方向Xの突出量L2は、信号端子25の突出量L1と略同じである。
【0022】
プラス端子26と信号端子25との間には、位置決めピン28が設けられている。位置決めピン28は、第1ハウジング24と一体に形成され、合成樹脂製であり、絶縁性を有する。位置決めピン28の第1方向Xの突出量L4は、プラス端子26の突出量L2よりも大きい。つまり位置決めピン28は、第1方向Xにプラス端子26よりも大きく突出している。位置決めピン28は、信号端子25から例えば2.0mm離れるとともに、プラス端子26から2.5mm離れている。
【0023】
マイナス端子27は、信号端子25に対して位置決めピン28とは反対側に設けられている。マイナス端子27は、第1の距離P1よりも大きな第3の距離P3で信号端子25から離れている。第3の距離P3は、第2の距離P2よりも短く、例えば2.5mmである。第3の距離P3は、例えば位置決めピン28とプラス端子26との間の距離に対応する。
【0024】
マイナス端子27の第2方向Yの幅W3は、信号端子25の幅W1よりも大きく、例えばプラス端子26の幅W2と略同じである。つまりマイナス端子27は、信号端子25よりも太い。マイナス端子27の第1方向Xの突出量L3は、プラス端子26の突出量L2よりも大きく、位置決めピン28の突出量L4よりも小さい。つまりマイナス端子27は、第1方向Xにプラス端子26よりも大きく突出するとともに、位置決めピン28よりも短い。
【0025】
図2乃至図4に示すように、第1コネクタ21の両端部には、固定部35が設けられている。固定部35には、ナット36が装着されている。このナット36に図示しないねじが取り付けられることで、第1コネクタ21は、メイン回路基板5に固定される。
【0026】
第1ハウジング24は、メイン回路基板5に向いて突出した例えば2つのボス37を有する。ボス37は、メイン回路基板5の貫通孔5aに挿入され、メイン回路基板5に対する第1コネクタ21の位置を規制する。一方のボス37と第1コネクタ21の一端部の固定部35との間に、プラス端子26が位置する。他方のボス37と第1コネクタ21の他方の端部の固定部35との間に、マイナス端子27が位置する。
【0027】
図3及び図4に示すように、第1ハウジング24は、メイン回路基板5とは反対側に平坦部38を有する。平坦部38は、メイン回路基板5と略平行に、第1コネクタ21の両端部の固定部35の間に延びている。平坦部38には、例えば3つの窪み部39が設けられている。窪み部39は、第1ハウジング24の内側に窪んでおり、平坦部38に段差を形成している。窪み部39は、プラス端子26及びマイナス端子27を外れた位置に設けられている。
【0028】
次に、図6乃至図8を参照して、第2コネクタ22について詳しく説明する。
図6に示すように、バッテリ18は、バッテリケース41、充電池42、及び回路基板43(第2の回路基板)を有する。回路基板43は、例えば起立した姿勢でバッテリケース41に収容されている。回路基板43は、鉛直方向に広がる起立面43aを有する。第2コネクタ22は、回路基板43の起立面43aに実装されている。
【0029】
第2コネクタ22は、合成樹脂製の第2ハウジング45を有する。第2ハウジング45は、第1凹部51、複数の第2凹部52、第3凹部53、及び第4凹部54を有する。第1凹部51には、位置決めピン28が差し込まれる。第2凹部52には、信号端子25が差し込まれる。第3凹部53には、プラス端子26が差し込まれる。第4凹部54は、マイナス端子27が差し込まれる。
【0030】
第1凹部51を除く各凹部52,53,54には、回路基板43に電気的に接続された接続端子55がそれぞれ設けられている。接続端子55は、各凹部52,53,54に挿入された信号端子25、プラス端子26、またはマイナス端子27に接触し、第1コネクタ21を第2コネクタ22に電気的に接続させる。
【0031】
図2に示すように、第2凹部52は、第1凹部51との間に第1壁部61を有する。第1凹部51と第2凹部52との中心間距離は、例えば2.0mmである。第3凹部53は、第1凹部51に対して第2凹部52とは反対側に設けられている。第3凹部53は、第1凹部51との間に第2壁部62を有する。第3凹部53と第1凹部51との中心間距離は、例えば2.5mmである。第2壁部62は、第1壁部61よりも厚い。つまり第1壁部61の第2方向Yの幅W4(厚さ)は、第2壁部62の幅W5よりも薄い。
【0032】
第2ハウジング45は、回路基板43に向いて突出した例えば2つのボス64を有する。ボス64は、回路基板43の貫通孔43bに挿入され、回路基板43に対する第2コネクタ22の位置を規制する。ボス64は、第3凹部53及び第4凹部54を外れた位置に設けられている。
【0033】
図6に示すように、第2コネクタ22の両端部には、係合部65が設けられている。係合部65は、第2コネクタ22の側方に向いて延びた第1部分65aと、第1部分65aに対して直交する方向に延びた第2部分65bとを有する。第2部分65bは、バッテリケース41に対する回路基板43及びバッテリ18の取り付け方向に延びている。
【0034】
バッテリケース41は、第2コネクタ22の係合部65が嵌合する保持部66を有する。保持部66は、例えば係合部65の形状に対応した凹部である。係合部65が保持部66に嵌合することで、第2コネクタ22及び回路基板43の位置が規制される。
【0035】
このような構成によれば、バッテリコネクタ19の小型化を実現することができる。
本実施形態のバッテリコネクタ19は、第1の距離P1で互いに離れて並べられた複数の信号端子25と、第1の距離P1よりも大きな第2の距離P2で信号端子25から離れたプラス端子26と、第1の距離P1よりも大きな第3の距離P3で信号端子25から離れたマイナス端子27とを有する。ここで、プラス端子26及びマイナス端子27は、信号端子25に比べて大きな電流が流れ、発熱しやすい。
【0036】
つまり本実施形態のバッテリコネクタ19は、比較的発熱しやすい電源端子26,27を信号端子25から所定距離だけ離すとともに、比較的小さな電流しか流れない信号端子25の間の距離を詰めている。これにより、高い安全性を確保しながらバッテリコネクタ19の小型化を実現することができる。
【0037】
さらに本実施形態のバッテリコネクタ19は、プラス端子26よりも大きく突出したマイナス端子27を有する。このため、第1コネクタ21を第2コネクタ22に嵌合させた時、プラス端子26が第2コネクタ22の接続端子55に接触する前に、マイナス端子27が第2コネクタ22の接続端子55に接触し、先にグラウンドがとられる。
【0038】
このため、第1コネクタ21に溜まっていた静電気などの電気が逃がされ、安全性が向上するとともに、電位がより安定しやすくなる。また、第1コネクタ21を第2コネクタ22から取り外す時も全ての端子25,26,27のなかでマイナス端子27が最後まで第2コネクタ22の接続端子55に接続されているため、安全性がより高くなる。
【0039】
さらに本実施形態のバッテリコネクタ19は、位置決めピン28を有する。これにより、逆差しが防止される。さらに位置決めピン28がプラス端子26よりも大きく突出していると、例えば板状の金属片のような異物が第1コネクタ21と第2コネクタ22の間に付着したときに、この位置決めピン28が金属片に対する凸となる。このため、上記金属片は、プラス端子26とマイナス端子27とに同時に接触する可能性が小さい。つまり、プラス端子26とマイナス端子27との間がショートするのを防止することができる。
【0040】
本実施形態に係るバッテリコネクタ19は、上記のような比較的大きな位置決めピン28を、端子間の距離を詰めていない信号端子25とプラス端子26との間の領域を有効活用して設けている。これにより、他の部分に位置決めピン28を設ける場合に比べて、バッテリコネクタ19の小型化をより図ることができる。
【0041】
ここで、比較的大きく突出した位置決めピン28及びマイナス端子27が互いに並んで設けられると、第1コネクタ21の一方の端部に大きな端子27,28が集中し、第2コネクタ22に対する第1コネクタ21の抜き差しのやりやすさが低下する可能性がある。
【0042】
一方で、本実施形態では、位置決めピン28をプラス端子26の隣に設けるとともに、信号端子25に対して位置決めピン28とは反対側にマイナス端子27を設けている。これにより、それぞれプラス端子26よりも大きく突出した位置決めピン28及びマイナス端子27が第1コネクタ21の両端部に分かれて配置される。このため、第2コネクタ22に対する第1コネクタ21の抜き差しの安定性が向上し、そのやりやすさが向上する。
【0043】
本実施形態に係るバッテリコネクタ19は、位置決めピン28が差し込まれる第1凹部51と、第1凹部51との間に第1壁部61を有し、信号端子25が差し込まれる第2凹部52と、第1凹部51に対して前記第2凹部52とは反対側に設けられ、第1凹部51との間に第1壁部61よりも厚い第2壁部62を有し、プラス端子26が挿入される第3凹部53とを備える。
【0044】
このため、仮にバッテリコネクタ19に無理な力が加わり、位置決めピン28の周りに負荷が加わった時、第2壁部62よりも第1壁部61が先に破損する。つまり、比較的大きな電流が流れる電源端子側ではなく、比較的小さな電流しか流れない信号端子側が先に壊れることで、電源端子側に大きな負荷が加わらないようになっている。これにより、バッテリコネクタ19のより高い安全性を確保することができる。また、第1壁部61を第2壁部62に比べて薄くすることで、バッテリコネクタ19の小型化を図ることができる。
【0045】
本実施形態では、プラス端子26及びマイナス端子27は、信号端子25よりも太い。このため、プラス端子26及びマイナス端子27は、大きな電流が流れた場合でも、比較的発熱しにくくなっている。
【0046】
本実施形態では、第2コネクタ22は係合部65を有し、バッテリケース41は、第2コネクタ22の係合部65が嵌合する保持部66を有する。このため、第2コネクタ22の精度の良い位置出しができるとともに、組立性が良好である。
【0047】
第1ハウジング24に平坦部38があると、射出成形時にこの平坦部38の表面付近が冷えやすく、平坦部38の表面付近が他の部分よりも過度に早く固化してしまう。そのため、製品内部に気泡が取り残されやすくなる。製品内部に気泡が取り残されると、後工程のリフロー時に気泡が膨張して製品表面に不具合を生じやすい。
【0048】
一方で、本実施形態の第1ハウジング24は、平坦部38に窪み部39を有する。このような窪み部39を設けると、平坦部38の表面付近が冷えにくくなり、製品内部に気泡が取り残されにくくなる。本実施形態では、この窪み部39は、プラス端子26及びマイナス端子27を外れた位置に設けられている。このため、プラス端子26及びマイナス端子27付近には段差が存在せず、第1ハウジング24の強度が高くなっている。このため、比較的大きな電流が流れるプラス端子26及びマイナス端子27周りの安全性がより高く確保されている。
【0049】
プラス端子26及びマイナス端子27は、比較的大きな電流が流れ、発熱量が大きい。そのため、プラス端子26及びマイナス端子27周囲のハウジング部分は、熱膨張しやすい部分と言える。
【0050】
本実施形態では、第1ハウジング24は、第1ハウジング24の端部に設けられた固定部35とボス37との間に、プラス端子26及びマイナス端子27が位置する。つまり、熱膨張しやすいプラス端子26及びマイナス端子27の周囲領域が、第1ハウジング24の固定部35とボス37とによって両側から固定されている。このため、第1コネクタ21の固定がより安定するとともに、不用な膨張が抑えられ、信頼性が向上しやすい。
【0051】
次に、図9を参照して上記実施形態の一つの変形例を説明する。なお上記実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記実施形態と同じである。
【0052】
図9に示すように、プラス端子26は、位置決めピン28から2.0mm離れて設けられている。本変形例においても、第2の距離P2は、第1の距離P1よりも大きい。このような構成においても、上記実施形態と略同じ効果を期待することができる。
【0053】
以上説明したように、上記実施形態及び変形例の構造によれば、バッテリコネクタ19及び電子機器1の小型化を実現することができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0055】
例えば、プラス端子26及び信号端子25は、必ずしもバッテリコネクタ19の両端部に分かれて設けられる必要は無く、それぞれバッテリコネクタ19の中央部やその他の領域に設けてもよい。プラス端子26及びマイナス端子27の幅W2,W3は、信号端子25の幅W1と略同じでもよい。第1乃至第3の距離P1,P2,P3は、実施形態中の具体的な数値に限定されるものではなく、種々の大きさで適宜実施可能である。
【符号の説明】
【0056】
P1…第1の距離、P2…第2の距離、P3…第3の距離、1…電子機器、19…バッテリコネクタ、24…第1ハウジング、25…信号端子、26…プラス端子、27…マイナス端子、28…位置決めピン、35…固定部、37…ボス、38…平坦部、39…窪み部、41…バッテリケース、43…回路基板、51…第1凹部、52…第2凹部、53…第3凹部、61…第1壁部、62…第2壁部、65…係合部、66…保持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決めピンが差し込まれる第1凹部と、
前記第1凹部との間に第1壁部を有し、信号端子が差し込まれる第2凹部と、
前記第1凹部に対して前記第2凹部とは反対側に設けられ、前記第1凹部との間に前記第1壁部よりも厚い第2壁部を有し、電源端子が差し込まれる第3凹部と、
を備えたバッテリコネクタを具備した電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記信号端子は、第1の距離で互いに離れて複数設けられ、
前記電源端子は、前記第1の距離よりも大きな第2の距離で前記信号端子から離れた電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記電源端子は、プラス端子であり、
前記位置決めピンは、絶縁性を有し、前記プラス端子よりも大きく突出し、
前記バッテリコネクタは、前記信号端子に対して前記位置決めピンとは反対側に設けられ、前記プラス端子よりも大きく突出したマイナス端子を備えた電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記マイナス端子は、前記位置決めピンよりも短い電子機器。
【請求項5】
請求項3または請求項4の記載において、
前記プラス端子及び前記マイナス端子は、前記信号端子よりも太い電子機器。
【請求項6】
請求項1または請求項5の記載において、
前記バッテリコネクタが実装される回路基板と、
前記回路基板が収容されるケースと、
前記バッテリコネクタの両端部に設けられた係合部と、
前記ケースに設けられ、前記バッテリコネクタの係合部が嵌合する保持部と、
を備えた電子機器。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記バッテリコネクタは、平坦部を有したハウジングを備え、前記平坦部の前記電源端子を外れた位置に窪み部が設けられた電子機器。
【請求項8】
請求項1または請求項7の記載において、
前記バッテリコネクタは、当該バッテリコネクタの端部に設けられた固定部と、この固定部との間に前記電源端子を位置させるボスとを有した電子機器。
【請求項9】
第1の距離で互いに離れて並べられた複数の信号端子と、
前記第1の距離よりも大きな第2の距離で前記信号端子から離れたプラス端子と、
前記信号端子と前記プラス端子との間に設けられ、前記プラス端子よりも大きく突出した絶縁性の位置決めピンと、
前記信号端子に対して前記位置決めピンとは反対側に設けられ、前記第1の距離よりも大きな第3の距離で前記信号端子から離れ、前記プラス端子よりも大きく突出したマイナス端子と、
を備えたバッテリコネクタを具備した電子機器。
【請求項10】
第1の距離で互いに離れて並べられた複数の信号端子と、
前記第1の距離よりも大きな第2の距離で前記信号端子から離れたプラス端子と、
前記信号端子と前記プラス端子との間に設けられ、前記プラス端子よりも大きく突出した絶縁性の位置決めピンと、
前記信号端子に対して前記位置決めピンとは反対側に設けられ、前記第1の距離よりも大きな第3の距離で前記信号端子から離れ、前記プラス端子よりも大きく突出したマイナス端子と、
を備えたバッテリコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−89264(P2012−89264A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232844(P2010−232844)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【特許番号】特許第4908621号(P4908621)
【特許公報発行日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】