電子発光素子
【課題】配線と端子とのコンタクト部分での接触抵抗の増加を防止し、これにより、駆動電圧を低くして均一な表示を可能にする電子発光素子を提供する。
【解決手段】基板31、基板31の上面に形成されて所定の画像を具現する発光部40、基板31の上面のエッジに備えられ、発光部40から延びた複数個の配線ライン45がその上面を通じて接続される複数個の端子50、端子と配線ラインとの間のコンタクトされる部分に備えられ、端子50と配線ライン45との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部58を含むことを特徴とする電子発光素子である。
【解決手段】基板31、基板31の上面に形成されて所定の画像を具現する発光部40、基板31の上面のエッジに備えられ、発光部40から延びた複数個の配線ライン45がその上面を通じて接続される複数個の端子50、端子と配線ラインとの間のコンタクトされる部分に備えられ、端子50と配線ライン45との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部58を含むことを特徴とする電子発光素子である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子発光素子に係り、特に、配線と端子とのコンタクト抵抗が低減された電子発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電子発光素子は、自己発光型の表示素子であって、視野角が広く、コントラストが優秀であるだけでなく、応答速度が速いという長所を有するので、次世代の表示素子として注目されている。このような電子発光素子は、発光層を形成する物質によって、無機電子発光素子と有機電子発光素子とに区分されるが、このうち、有機電子発光素子は、無機電子発光素子に比べて輝度、応答速度などの特性が優秀であり、カラーディスプレイが可能であるという点など多様な長所を有するので、最近に研究が活発に進まれている。
【0003】
電子発光素子は、ガラスやその他の透明な絶縁基板上に所定パターンで正極を形成し、この正極上に有機膜または無機膜で発光層を形成し、その上に前記正極と直交するように、所定パターンの負極を順次に積層して形成する。
【0004】
この際、前記有機膜または無機膜は、下部からホール輸送層(Hole Transport Layer:HTL)、発光層(Emission Layer:EML)、電子輸送層(Electron Transport Layer:ETL)が順次に積層された構造を有し、前述したように、EMLが有機物質または無機物質から形成される。
【0005】
前述したように構成された電子発光素子の正極及び負極に電圧を印加すれば、正極から注入されたホールがHTLを経由してEMLに移動し、電子は、負極からETLを経由してEMLに注入される。このEMLで、電子とホールとが再結合して励起子を生成し、この励起子が励起状態から基底状態に変化することによって、EMLの蛍光性分子が発光することによって、画像が形成される。
【0006】
このように、電子発光素子においては、EMLの材料によって、有機電子発光素子と無機電子発光素子とに区分されるので、以下では、有機電子発光素子を中心に説明する。
【0007】
有機電子発光素子は、透明な基板の上面に画像を形成する有機発光部が形成され、キャップが前記基板と接合されて、有機発光部を包んで密封する構造を有する。この際、有機発光部に所定の電圧や信号を印加する電極端子グループは、キャップの外側まで延びており、この端子グループに回路を搭載したフレキシブル印刷回路基板が連結される。
【0008】
前記有機発光部は、EMLを含む有機膜を介して、第1電極ラインと第2電極ラインとが向き合う構造を有する。したがって、所定のパターンで形成された第1電極ラインの端部で、有機膜の厚さは、非常に薄くなり、この部分で、第1電極ラインと第2電極ラインとの短絡が発生する恐れがある。また、第1電極ラインの相互間の短絡の恐れもある。
【0009】
このような電極間の短絡を防止するために、特許文献1及び2には、第1電極ラインの間に内部絶縁膜を形成した技術が開示されている。特に、特許文献1に開示された内部絶縁膜は、隣接した電極ラインの方に段々薄くなる形態を有して、その境界部での短絡を防止できるという効果がある。
【0010】
一方、第1電極ライン及び第2電極ラインは、電極端子グループの第1電極端子グループ及び第2電極端子グループに接続されるが、この際、電極ラインと電極端子グループとの接続される地点で、電極端子グループと基板表面との段差によって、電気的短絡が発生することがある。
【0011】
本発明者は、このような問題を解決するために、特許文献3に、図1及び図2に示したような有機電子発光素子を提案したことがある。
【0012】
図1及び図2に示すように、第1電極ライン12と第2電極ライン14とが基板11上で有機膜18を介して互いに交差するように配置されている。第2電極ライン14は、一側に延びて、第2電極パッド部20の第2電極端子24に連結されている。第1電極ライン12の間には、埋め込み絶縁層16が配列されている。
【0013】
この際、第2電極端子24は、導電性酸化膜24a及び金属膜24bで形成されている。そして、第2電極端子24を覆うように絶縁膜26が形成されており、この絶縁膜26には、コンタクトホール27が形成されている。
【0014】
前記第2電極ライン14は、絶縁膜26上に形成され、コンタクトホール27を通じて第2電極端子24とコンタクトされる。
【0015】
一方、前記第1端子24aは、第1電極ライン12と同一なITO(Indium Tin Oxide)で形成され、第2端子24bは、第1端子24aのライン抵抗による電圧降下を補完するために、導電性の良いCrまたはAgで形成される。
【0016】
しかし、前記コンタクトホール27によって露出された第2端子24bの部分では、第2電極ライン14と第2電極端子24の第2端子24bとの間に、接触抵抗が増加し、この接触抵抗が不均一であるという問題が発生する。これは、コンタクトホール27によって露出された第2端子24bが、工程中に発生する有機物または無機物により汚染されて発生する。このような有機物または無機物による第2端子24bの汚染は、UV洗浄や酸素プラズマによっても完全に除去されないためであり、これにより、このコンタクトホール27の部分で、接触抵抗の増加または不均一の問題が発生する。
【0017】
このように、第2電極ライン14と第2電極端子グループ24の第2端子24bとの接触抵抗の増加、または不均一は、該当ラインで駆動電圧が高くなる原因となり、これにより、画像の具現時、輝度むらが発生する。
【特許文献1】米国特許第6,222,315号明細書
【特許文献2】米国特許第6,297,589号明細書
【特許文献3】米国公開特許第20040108809 A1明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、前記のような問題を解決するためのものであって、配線と端子とのコンタクト部分での接触抵抗の増加を防止し、これにより、駆動電圧を低くし、均一な表示を可能にする電子発光素子を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記のような目的を達成するために、本発明は基板と、前記基板の上面に形成されて所定の画像を具現する発光部と、前記発光部と電気的に接続された第2導電体と接続された第1導電体と、前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクトされる部分に備えられ、前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部と、を有することを特徴とする電子発光素子である。
【0020】
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体に備えられた引入部を有し、前記第2導電体が、前記引入部を覆っていることを特徴とする。
【0021】
前記第1導電体は、少なくとも二つの層の導電膜を備え、前記引入部は、前記導電膜のうち少なくとも一つの前記導電膜と前記第2導電体とがコンタクトされることで形成されていることを特徴とする。
【0022】
前記引入部が形成された部分で、前記第2導電体は、前記導電膜とコンタクトされていることを特徴とする。
【0023】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、前記第1導電体の上面の一部が露出されるコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、前記引入部は、前記コンタクトホールを通じて露出された前記第1導電体の部分に備えられたことを特徴とする。
【0024】
本発明においては、さらに、前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体と前記第2導電体とがコンタクトされる部分の前記第1導電体の上面に形成された構造物を備え、前記第2導電体は、前記構造物を覆っていることを特徴とする。このような前記構造物は、絶縁体により構成される。
【0025】
また、本発明においては、前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出するようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、前記構造物は、前記コンタクトホールを通じて露出されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明においては、前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出されるようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、前記第1導電体は、相異なる材質の少なくとも二つの層の導電膜を備え、前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体の導電膜のうち洗浄特性の良い導電膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明においては、前記第1導電体は、前記基板の方向から導電性酸化膜及び金属膜を順次に含み、前記コンタクト抵抗調節部は、前記導電性酸化膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする。
【0028】
前記導電性酸化膜は、ITO、IZO、In2O3、またはZnOを含み、前記金属膜は、Cr、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、またはIrを含む。
【0029】
また、本発明においては、前記発光部は、前記基板上に位置する下層電極と、前記下層電極に対向する上層電極と、前記下層電極と上層電極との間に介在された発光膜と、前記下層電極と電気的に接続された下層第2導電体と、前記上層電極と電気的に接続された上層第2導電体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0031】
第1に、第1導電体と第2導電体とがコンタクトされる部分に、第1導電体と第2導電体との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部を形成することによって、このコンタクト抵抗調節部によりコンタクト抵抗を低減できる。特にコンタクト抵抗調節部として引入部を形成することによって、この引入部での電流集中を図り、コンタクト抵抗を低減している。
【0032】
第2に、第1導電体と第2導電体とがコンタクトされる部分に構造物を形成することによって、この構造物での電流集中を図って、コンタクト抵抗を低減できる。
【0033】
第3に、第1導電体と第2導電体とがコンタクトされる部分で、第1導電体の洗浄性を良好にすることによって、このコンタクト部分でのコンタクト抵抗を低減できる。
【0034】
第4に、第1導電体と第2導電体とのコンタクト抵抗が低くなることによって、駆動電圧を低めることができ、均一な表示を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、添付した図面を参考として本発明の具体的な実施形態について、さらに詳細に説明する。下記で説明する本発明の望ましい実施形態は、いずれも有機化合物をEMLとして使用している有機電子発光素子についてのものであり、以下に説明する本発明によるあらゆる技術的思想は、EMLとして無機化合物を使用する無機電子発光素子にも同一に適用されることができる。
【0036】
図3は、本発明の望ましい一実施形態による有機電子発光素子の分離斜視図である。
【0037】
図3に示すように、本発明の有機電子発光素子は、透明な基板31と、この基板31の上面に形成されて画像を形成する発光部40と、前記基板31と接合されて発光部40を包んで密封する密封部材32と、前記発光部40に電流を供給するものであって前記密封部材32の外側まで延びる端子50とを備える。そして、前記密封部材32の外側に露出された端子50には、前記発光部40を駆動させるための回路部(図示せず)を搭載したフレキシブル印刷回路基板33を連結することができる。このような基本的な構成は、以下で説明する本発明のあらゆる実施形態にそのまま適用することができる。
【0038】
図4ないし図6は、それぞれ本発明の望ましい一実施形態による有機電子発光素子の構造をさらに詳細に説明するための図面であって、図4は、図3のA部分についての部分拡大平面図であって、第2電極ラインを形成する前の図面であり、図5は、図4に第2電極ラインを形成した後の図面であり、図6は、図5のII−II線の断面図である。
【0039】
図3ないし図6に示すように、前記発光部40は、基板31の上面に所定パターンで形成された複数個の第1電極ライン42と、その上部に形成された電子発光膜48と、電子発光膜48の上部に所定パターンで形成された複数個の第2電極ライン44とを備える。ここでは第1電極ライン42が下層電極、第2電極ライン44が上層電極である。そしてその間に発光膜である電子発光膜48が介在されている。
【0040】
基板31は、ガラス材が使われる。またこの他に、アクリル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、マイラー、その他のプラスチック材料を使用することもできる。また、この基板31上には、必要によって、不純物イオンの拡散を防止するためのバッファ層が形成され、水分や外気の侵入を防止するためのバリヤー層が形成されることもある。
【0041】
前記第1電極ライン42は、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3で形成され、前記第2電極ライン44は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びそれらの化合物で形成される。そして、それらが相互交差する部分で、前記電子発光膜48が発光して所定の画像を形成する。
【0042】
前記第1電極ライン42及び第2電極ライン44は、必ずしも前述した材料に限定されず、使用可能ないかなる材料ででも形成できるということはいうまでもない。
【0043】
前記電子発光膜48は、有機電子発光素子に使われる有機膜であればいずれも適用可能であり、低分子または高分子材料が使われる。
【0044】
低分子物質を使用する場合、ホール注入層(Hole Injection Layer:HIL)、HTL、EML、ETL、電子注入層(Electron Injection Layer:EIL)などが、単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N´−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを始めとして多様に適用可能である。それらの低分子有機層は、真空蒸着の方法で形成されることができる。
【0045】
一方、高分子物質を使用する場合には、大体HTL及びEMLで備えられた構造を有し、この際、前記HTLとしてPEDOTを使用し、EMLとしてポリフェニレンビニレン(PPV)系及びポリフルオレン系などの高分子有機物質を使用し、それをスクリーン印刷やインクジェット印刷方法で形成できる。
【0046】
前記電子発光膜48は、各画素のカラーに対応するように多様なパターンで形成可能である。
【0047】
このような第1電極ライン42、第2電極ライン44及び電子発光膜48についての事項は、以下で説明する本発明のあらゆる実施形態で同一に適用可能であるということはいうまでもない。
【0048】
一方、前記のような発光部40で、電子発光膜48の下部には、内部絶縁膜46がさらに形成される。この内部絶縁膜46は、第1電極ライン42の相互間の絶縁、及び非発光部分での第1電極ライン42と第2電極ライン44との絶縁を維持するために形成されるものであって、フォトレジストや感光性ポリイミドなどの絶縁性物質でフォトリソグラフィ法などにより形成することができる。前記内部絶縁膜46は、ストライプ状または格子状にパターニングされる。
【0049】
一方、前記端子50は、図3に示すように、基板31の少なくとも一側のエッジに形成される第1電極端子52、及び少なくとも他側のエッジに形成される第2電極端子54を備える。図3では、第1電極端子52が基板31の一側のエッジに形成され、その両側のエッジに第2電極端子54が形成されているが、これは、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1電極端子52と第2電極端子54とを基板31の一側のエッジにいずれも備えることもある。
【0050】
図6に示すように、第2電極端子54は、下部の第1導電膜54aと、上部の第2導電膜54bとを備えるが、前記第1導電膜54aは、前述した第1電極ライン42と同様に、ITO、IZO、ZnO、またはIn2O3で形成でき、前記第2導電膜54bは、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びそれらの化合物で形成できる。このような第2電極端子54の上面に、第2電極ライン44が発光部40から延びて接続される。図示していないが、前記第1電極端子52も、同一な構成で形成でき、この際、第1電極端子52の第1導電膜は、第1電極ラインと一体に延びて形成できる。
【0051】
前記のような構成を有する本発明の有機電子発光素子において、前記発光部40と端子50のうち少なくとも第2電極端子54との間には、絶縁性素材からなる外部絶縁膜56がさらに形成される。
【0052】
前記外部絶縁膜56は、前記内部絶縁膜46のうち、発光部40の最外郭に位置した第1電極ライン42aの外側に形成される絶縁膜を、第2電極端子54まで延ばして形成できるものであって、少なくとも前記第2電極端子54の前記発光部40側の端部に接するように、すなわち、前記発光部40と前記第2電極端子64との間に間隔が生じないように形成することが望ましい。
【0053】
本発明の望ましい一実施形態によれば、前記外部絶縁膜56は、図6に示すように、前記第2電極端子54の前記発光部40側の端部を覆うように形成できる。このように外部絶縁膜56が形成されることによって、前記第2電極端子54の前記基板31の上面についての段差は緩和され、これにより、発光部40の第2電極ライン44に電気的に連結された第2電極配線ライン45が、前記第2電極端子54の上面に延びて互いに連結される時に、前記第2電極端子54の基板31の上面についての段差によって、その連結が遮断される現象を防止できる。前記のような外部絶縁膜の形状は、必ずしも前記図面に限定されず、前記第2電極端子54の前記基板31の上面についての段差を緩和させることが可能ないかなる構造も適用可能である。
【0054】
前記外部絶縁膜56のうち、前記第2電極端子54の端部を覆う外部絶縁膜56の一部には、コンタクトホール57が形成されている。このコンタクトホール57は、これを通じて、第2電極配線ライン45と第2電極端子54とが互いに電気的に連結可能にするためのものである。
【0055】
このようなコンタクトホール57は、第2電極端子54の第2導電膜54bの部分に形成されており、コンタクトホール57を通じて第2導電膜54bが露出される。
【0056】
さらに本発明は、このコンタクトホール57で、端子と配線との間のコンタクト抵抗を低減させ、コンタクト抵抗が均一に維持されるようにコンタクト抵抗調節部58を備える。
【0057】
このコンタクト抵抗調節部58の一実施形態として、図4に示すように、第2導電膜54bに引入部58aを具備できる。
【0058】
前記引入部58aは、コンタクトホール57を通じて露出された第2導電膜54bに形成されて、このコンタクトホール57及び引入部58aを通じて、第1導電膜54aの一部分を露出させたものであって、第2電極配線ライン45とコンタクトされる時に、この引入部58aが形成された部分で電流の集中が発生して、コンタクト抵抗を低減できる。なお、この構成にあっては、第2電極端子54が第1導電体であり、第2電極配線ライン45が第2導電体となる。
【0059】
このような引入部58aは、図4に示すように、第2導電膜54bの少なくともコンタクトホール57に露出された部分のうち一部が、所定深さで凹むように形成されるが、その形状は、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様に変形可能である。たとえば、凹みに限らず波形状であってもよい。
【0060】
このような引入部58aの構造は、必ずしも前述したような外部絶縁膜56及びコンタクトホール57を有する構造のみに適用されるものではなく、第2電極配線ラインと第2電極端子とが外部絶縁膜なしにコンタクトされる時にも、そのコンタクトされる部分に引入部を形成することによって、その部分での電流の集中を図って、コンタクト抵抗を低減できる。
【0061】
図7ないし図9は、前記コンタクト抵抗調節部58の他の一実施形態を示すためのものであって、図面に示すように、前記コンタクト抵抗調節部58は、前記第2電極配線ライン45とコンタクトされる部分で、第2電極配線ライン45とコンタクトされる第2電極端子54の上面に形成された所定形状の構造物58bを含むことができる。この際、前記構造物58bは、コンタクトホール57を通じて露出されており、第2電極配線ライン45は、この構造物58bを覆うように第2電極端子54とコンタクトされる。
【0062】
前記構造物58bは、多様な材質で形成できるが、外部絶縁膜56と同一な絶縁体で形成でき、コンタクトホール57の形成と同時にパターニングされることができる。
【0063】
このような構造物58bの場合にも、この部分(具体的には第2電極配線ライン45と第2電極端子54の第1導電膜54aとが接触する部分)で電流の集中を発生させて、第2電極配線ライン45と第2電極端子54とのコンタクト抵抗を低減できる。
【0064】
前記構造物58bの形状は、必ずしも図7に示した形状に限定されるものではなく、多様に変形可能である。
【0065】
また、前述したように、前記構造物58bの構造は、必ずしも外部絶縁膜56及びコンタクトホール57を有する構造のみに適用されるものではなく、第2電極配線ラインと第2電極端子とが外部絶縁膜なしにコンタクトされる時にも、そのコンタクトされる部分に構造物を形成することによって、その部分での電流の集中を図ってコンタクト抵抗を低減できる。
【0066】
図10ないし図12は、前記コンタクト抵抗調節部58のさらに他の一実施形態を示すためのものである。
【0067】
図面に示すように、前記コンタクト抵抗調節部58は、前記第2電極端子54の導電膜54a、54bのうち洗浄特性の良い第1導電膜54aが、コンタクトホール57を通じて露出されるように備えられる。
【0068】
前述したように、前記第1導電膜54aは、導電性酸化物であるITO、IZO、ZnO、またはIn2O3で形成でき、前記第2導電膜54bは、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Crのような金属で形成できるが、この際、金属である第2導電膜54bより、導電性酸化物である第1導電膜54aが、酸素プラズマやUV洗浄のような洗浄工程時、洗浄性がさらに良好である。すなわち、洗浄時、金属である第2導電膜54bより、導電性酸化物である第1導電膜54a上に存在する汚染物が、さらによく除去される。
【0069】
したがって、本発明は、図10ないし図12に示すように、コンタクトホール57を通じて第1導電膜54aを露出させて、この第1導電膜54aを第2電極配線ライン45と直接コンタクトさせ、これにより、第2電極配線ライン45と第2電極端子54との間のコンタクト抵抗を低減できる。
【0070】
以上説明したように、本発明のコンタクト抵抗調節部により、第2電極配線ライン45と第2電極端子54との間のコンタクト抵抗を低減するが、本発明は、必ずしも第2電極配線ライン45と第2電極端子54との間のコンタクト抵抗のみに適用されるものではなく、発光部40から延びて出るいかなる配線ラインと発光部の外側の端子とのコンタクト時にも同一に適用できる。
【0071】
また、前述した本発明の実施形態は、パッシブマトリックス方式を示したものであるが、本発明が、必ずしもこれに限定されるものではなく、アクティブマトリックス方式の場合にも同一に適用できる。
【0072】
この場合、発光部の第1電極と第2電極とは、前述した実施形態のように、ライン電極で備えられず、それぞれの画素ごとにパターニングされた画素電極と、全体画素に共通的にパターニングされた共通電極とで備えられる。そして、この際、画素電極には、選択駆動回路が連結されることができる。
【0073】
このようなアクティブマトリックス方式の場合、前述した本発明のコンタクト抵抗調節部は、画素電極、共通電極とそれらの端子との間に適用されるだけでなく、スキャン、データ、VDD配線などの各種配線とそれらの端子との間にも適用されることができる。
【0074】
本明細書では、本発明を限定された実施形態を中心に説明したが、本発明の思想的範囲内で多様な実施形態が可能である。また、説明されていないが、均等な手段も本発明にそのまま結合されるといえる。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、テレビジョン、モニタ及び携帯機器の各種の表示装置に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来の有機電子発光素子の部分拡大平面図である。
【図2】図1のI−I線の断面図である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態による有機電子発光素子の分離斜視図である。
【図4】図3のA部分について、第2電極ラインを形成する前の部分平面拡大図であって、コンタクト抵抗調節部の一実施形態を示す図面である。
【図5】図4に第2電極ラインを形成した後の図面である。
【図6】図5のII−II線の断面図である。
【図7】図3のA部分について、第2電極ラインを形成する前の部分平面拡大図であって、コンタクト抵抗調節部の他の一実施形態を示す図面である。
【図8】図7に第2電極ラインを形成した後の図面である。
【図9】図8のIII−III線の断面図である。
【図10】図3のA部分について、第2電極ラインを形成する前の部分平面拡大図であって、コンタクト抵抗調節部のさらに他の一実施形態を示す図面である。
【図11】図10に第2電極ラインを形成した後の図面である。
【図12】図11のIV−IV線の断面図である。
【符号の説明】
【0077】
31…基板
32…密封部材
33…フレキシブル印刷回路基板
40…発光部
50…端子
52…第1電極端子
54…第2電極端子
56…外部絶縁膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子発光素子に係り、特に、配線と端子とのコンタクト抵抗が低減された電子発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電子発光素子は、自己発光型の表示素子であって、視野角が広く、コントラストが優秀であるだけでなく、応答速度が速いという長所を有するので、次世代の表示素子として注目されている。このような電子発光素子は、発光層を形成する物質によって、無機電子発光素子と有機電子発光素子とに区分されるが、このうち、有機電子発光素子は、無機電子発光素子に比べて輝度、応答速度などの特性が優秀であり、カラーディスプレイが可能であるという点など多様な長所を有するので、最近に研究が活発に進まれている。
【0003】
電子発光素子は、ガラスやその他の透明な絶縁基板上に所定パターンで正極を形成し、この正極上に有機膜または無機膜で発光層を形成し、その上に前記正極と直交するように、所定パターンの負極を順次に積層して形成する。
【0004】
この際、前記有機膜または無機膜は、下部からホール輸送層(Hole Transport Layer:HTL)、発光層(Emission Layer:EML)、電子輸送層(Electron Transport Layer:ETL)が順次に積層された構造を有し、前述したように、EMLが有機物質または無機物質から形成される。
【0005】
前述したように構成された電子発光素子の正極及び負極に電圧を印加すれば、正極から注入されたホールがHTLを経由してEMLに移動し、電子は、負極からETLを経由してEMLに注入される。このEMLで、電子とホールとが再結合して励起子を生成し、この励起子が励起状態から基底状態に変化することによって、EMLの蛍光性分子が発光することによって、画像が形成される。
【0006】
このように、電子発光素子においては、EMLの材料によって、有機電子発光素子と無機電子発光素子とに区分されるので、以下では、有機電子発光素子を中心に説明する。
【0007】
有機電子発光素子は、透明な基板の上面に画像を形成する有機発光部が形成され、キャップが前記基板と接合されて、有機発光部を包んで密封する構造を有する。この際、有機発光部に所定の電圧や信号を印加する電極端子グループは、キャップの外側まで延びており、この端子グループに回路を搭載したフレキシブル印刷回路基板が連結される。
【0008】
前記有機発光部は、EMLを含む有機膜を介して、第1電極ラインと第2電極ラインとが向き合う構造を有する。したがって、所定のパターンで形成された第1電極ラインの端部で、有機膜の厚さは、非常に薄くなり、この部分で、第1電極ラインと第2電極ラインとの短絡が発生する恐れがある。また、第1電極ラインの相互間の短絡の恐れもある。
【0009】
このような電極間の短絡を防止するために、特許文献1及び2には、第1電極ラインの間に内部絶縁膜を形成した技術が開示されている。特に、特許文献1に開示された内部絶縁膜は、隣接した電極ラインの方に段々薄くなる形態を有して、その境界部での短絡を防止できるという効果がある。
【0010】
一方、第1電極ライン及び第2電極ラインは、電極端子グループの第1電極端子グループ及び第2電極端子グループに接続されるが、この際、電極ラインと電極端子グループとの接続される地点で、電極端子グループと基板表面との段差によって、電気的短絡が発生することがある。
【0011】
本発明者は、このような問題を解決するために、特許文献3に、図1及び図2に示したような有機電子発光素子を提案したことがある。
【0012】
図1及び図2に示すように、第1電極ライン12と第2電極ライン14とが基板11上で有機膜18を介して互いに交差するように配置されている。第2電極ライン14は、一側に延びて、第2電極パッド部20の第2電極端子24に連結されている。第1電極ライン12の間には、埋め込み絶縁層16が配列されている。
【0013】
この際、第2電極端子24は、導電性酸化膜24a及び金属膜24bで形成されている。そして、第2電極端子24を覆うように絶縁膜26が形成されており、この絶縁膜26には、コンタクトホール27が形成されている。
【0014】
前記第2電極ライン14は、絶縁膜26上に形成され、コンタクトホール27を通じて第2電極端子24とコンタクトされる。
【0015】
一方、前記第1端子24aは、第1電極ライン12と同一なITO(Indium Tin Oxide)で形成され、第2端子24bは、第1端子24aのライン抵抗による電圧降下を補完するために、導電性の良いCrまたはAgで形成される。
【0016】
しかし、前記コンタクトホール27によって露出された第2端子24bの部分では、第2電極ライン14と第2電極端子24の第2端子24bとの間に、接触抵抗が増加し、この接触抵抗が不均一であるという問題が発生する。これは、コンタクトホール27によって露出された第2端子24bが、工程中に発生する有機物または無機物により汚染されて発生する。このような有機物または無機物による第2端子24bの汚染は、UV洗浄や酸素プラズマによっても完全に除去されないためであり、これにより、このコンタクトホール27の部分で、接触抵抗の増加または不均一の問題が発生する。
【0017】
このように、第2電極ライン14と第2電極端子グループ24の第2端子24bとの接触抵抗の増加、または不均一は、該当ラインで駆動電圧が高くなる原因となり、これにより、画像の具現時、輝度むらが発生する。
【特許文献1】米国特許第6,222,315号明細書
【特許文献2】米国特許第6,297,589号明細書
【特許文献3】米国公開特許第20040108809 A1明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、前記のような問題を解決するためのものであって、配線と端子とのコンタクト部分での接触抵抗の増加を防止し、これにより、駆動電圧を低くし、均一な表示を可能にする電子発光素子を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記のような目的を達成するために、本発明は基板と、前記基板の上面に形成されて所定の画像を具現する発光部と、前記発光部と電気的に接続された第2導電体と接続された第1導電体と、前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクトされる部分に備えられ、前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部と、を有することを特徴とする電子発光素子である。
【0020】
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体に備えられた引入部を有し、前記第2導電体が、前記引入部を覆っていることを特徴とする。
【0021】
前記第1導電体は、少なくとも二つの層の導電膜を備え、前記引入部は、前記導電膜のうち少なくとも一つの前記導電膜と前記第2導電体とがコンタクトされることで形成されていることを特徴とする。
【0022】
前記引入部が形成された部分で、前記第2導電体は、前記導電膜とコンタクトされていることを特徴とする。
【0023】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、前記第1導電体の上面の一部が露出されるコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、前記引入部は、前記コンタクトホールを通じて露出された前記第1導電体の部分に備えられたことを特徴とする。
【0024】
本発明においては、さらに、前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体と前記第2導電体とがコンタクトされる部分の前記第1導電体の上面に形成された構造物を備え、前記第2導電体は、前記構造物を覆っていることを特徴とする。このような前記構造物は、絶縁体により構成される。
【0025】
また、本発明においては、前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出するようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、前記構造物は、前記コンタクトホールを通じて露出されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明においては、前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出されるようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、前記第1導電体は、相異なる材質の少なくとも二つの層の導電膜を備え、前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体の導電膜のうち洗浄特性の良い導電膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明においては、前記第1導電体は、前記基板の方向から導電性酸化膜及び金属膜を順次に含み、前記コンタクト抵抗調節部は、前記導電性酸化膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする。
【0028】
前記導電性酸化膜は、ITO、IZO、In2O3、またはZnOを含み、前記金属膜は、Cr、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、またはIrを含む。
【0029】
また、本発明においては、前記発光部は、前記基板上に位置する下層電極と、前記下層電極に対向する上層電極と、前記下層電極と上層電極との間に介在された発光膜と、前記下層電極と電気的に接続された下層第2導電体と、前記上層電極と電気的に接続された上層第2導電体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0031】
第1に、第1導電体と第2導電体とがコンタクトされる部分に、第1導電体と第2導電体との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部を形成することによって、このコンタクト抵抗調節部によりコンタクト抵抗を低減できる。特にコンタクト抵抗調節部として引入部を形成することによって、この引入部での電流集中を図り、コンタクト抵抗を低減している。
【0032】
第2に、第1導電体と第2導電体とがコンタクトされる部分に構造物を形成することによって、この構造物での電流集中を図って、コンタクト抵抗を低減できる。
【0033】
第3に、第1導電体と第2導電体とがコンタクトされる部分で、第1導電体の洗浄性を良好にすることによって、このコンタクト部分でのコンタクト抵抗を低減できる。
【0034】
第4に、第1導電体と第2導電体とのコンタクト抵抗が低くなることによって、駆動電圧を低めることができ、均一な表示を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、添付した図面を参考として本発明の具体的な実施形態について、さらに詳細に説明する。下記で説明する本発明の望ましい実施形態は、いずれも有機化合物をEMLとして使用している有機電子発光素子についてのものであり、以下に説明する本発明によるあらゆる技術的思想は、EMLとして無機化合物を使用する無機電子発光素子にも同一に適用されることができる。
【0036】
図3は、本発明の望ましい一実施形態による有機電子発光素子の分離斜視図である。
【0037】
図3に示すように、本発明の有機電子発光素子は、透明な基板31と、この基板31の上面に形成されて画像を形成する発光部40と、前記基板31と接合されて発光部40を包んで密封する密封部材32と、前記発光部40に電流を供給するものであって前記密封部材32の外側まで延びる端子50とを備える。そして、前記密封部材32の外側に露出された端子50には、前記発光部40を駆動させるための回路部(図示せず)を搭載したフレキシブル印刷回路基板33を連結することができる。このような基本的な構成は、以下で説明する本発明のあらゆる実施形態にそのまま適用することができる。
【0038】
図4ないし図6は、それぞれ本発明の望ましい一実施形態による有機電子発光素子の構造をさらに詳細に説明するための図面であって、図4は、図3のA部分についての部分拡大平面図であって、第2電極ラインを形成する前の図面であり、図5は、図4に第2電極ラインを形成した後の図面であり、図6は、図5のII−II線の断面図である。
【0039】
図3ないし図6に示すように、前記発光部40は、基板31の上面に所定パターンで形成された複数個の第1電極ライン42と、その上部に形成された電子発光膜48と、電子発光膜48の上部に所定パターンで形成された複数個の第2電極ライン44とを備える。ここでは第1電極ライン42が下層電極、第2電極ライン44が上層電極である。そしてその間に発光膜である電子発光膜48が介在されている。
【0040】
基板31は、ガラス材が使われる。またこの他に、アクリル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、マイラー、その他のプラスチック材料を使用することもできる。また、この基板31上には、必要によって、不純物イオンの拡散を防止するためのバッファ層が形成され、水分や外気の侵入を防止するためのバリヤー層が形成されることもある。
【0041】
前記第1電極ライン42は、ITO、IZO、ZnOまたはIn2O3で形成され、前記第2電極ライン44は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びそれらの化合物で形成される。そして、それらが相互交差する部分で、前記電子発光膜48が発光して所定の画像を形成する。
【0042】
前記第1電極ライン42及び第2電極ライン44は、必ずしも前述した材料に限定されず、使用可能ないかなる材料ででも形成できるということはいうまでもない。
【0043】
前記電子発光膜48は、有機電子発光素子に使われる有機膜であればいずれも適用可能であり、低分子または高分子材料が使われる。
【0044】
低分子物質を使用する場合、ホール注入層(Hole Injection Layer:HIL)、HTL、EML、ETL、電子注入層(Electron Injection Layer:EIL)などが、単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N´−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などを始めとして多様に適用可能である。それらの低分子有機層は、真空蒸着の方法で形成されることができる。
【0045】
一方、高分子物質を使用する場合には、大体HTL及びEMLで備えられた構造を有し、この際、前記HTLとしてPEDOTを使用し、EMLとしてポリフェニレンビニレン(PPV)系及びポリフルオレン系などの高分子有機物質を使用し、それをスクリーン印刷やインクジェット印刷方法で形成できる。
【0046】
前記電子発光膜48は、各画素のカラーに対応するように多様なパターンで形成可能である。
【0047】
このような第1電極ライン42、第2電極ライン44及び電子発光膜48についての事項は、以下で説明する本発明のあらゆる実施形態で同一に適用可能であるということはいうまでもない。
【0048】
一方、前記のような発光部40で、電子発光膜48の下部には、内部絶縁膜46がさらに形成される。この内部絶縁膜46は、第1電極ライン42の相互間の絶縁、及び非発光部分での第1電極ライン42と第2電極ライン44との絶縁を維持するために形成されるものであって、フォトレジストや感光性ポリイミドなどの絶縁性物質でフォトリソグラフィ法などにより形成することができる。前記内部絶縁膜46は、ストライプ状または格子状にパターニングされる。
【0049】
一方、前記端子50は、図3に示すように、基板31の少なくとも一側のエッジに形成される第1電極端子52、及び少なくとも他側のエッジに形成される第2電極端子54を備える。図3では、第1電極端子52が基板31の一側のエッジに形成され、その両側のエッジに第2電極端子54が形成されているが、これは、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1電極端子52と第2電極端子54とを基板31の一側のエッジにいずれも備えることもある。
【0050】
図6に示すように、第2電極端子54は、下部の第1導電膜54aと、上部の第2導電膜54bとを備えるが、前記第1導電膜54aは、前述した第1電極ライン42と同様に、ITO、IZO、ZnO、またはIn2O3で形成でき、前記第2導電膜54bは、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、及びそれらの化合物で形成できる。このような第2電極端子54の上面に、第2電極ライン44が発光部40から延びて接続される。図示していないが、前記第1電極端子52も、同一な構成で形成でき、この際、第1電極端子52の第1導電膜は、第1電極ラインと一体に延びて形成できる。
【0051】
前記のような構成を有する本発明の有機電子発光素子において、前記発光部40と端子50のうち少なくとも第2電極端子54との間には、絶縁性素材からなる外部絶縁膜56がさらに形成される。
【0052】
前記外部絶縁膜56は、前記内部絶縁膜46のうち、発光部40の最外郭に位置した第1電極ライン42aの外側に形成される絶縁膜を、第2電極端子54まで延ばして形成できるものであって、少なくとも前記第2電極端子54の前記発光部40側の端部に接するように、すなわち、前記発光部40と前記第2電極端子64との間に間隔が生じないように形成することが望ましい。
【0053】
本発明の望ましい一実施形態によれば、前記外部絶縁膜56は、図6に示すように、前記第2電極端子54の前記発光部40側の端部を覆うように形成できる。このように外部絶縁膜56が形成されることによって、前記第2電極端子54の前記基板31の上面についての段差は緩和され、これにより、発光部40の第2電極ライン44に電気的に連結された第2電極配線ライン45が、前記第2電極端子54の上面に延びて互いに連結される時に、前記第2電極端子54の基板31の上面についての段差によって、その連結が遮断される現象を防止できる。前記のような外部絶縁膜の形状は、必ずしも前記図面に限定されず、前記第2電極端子54の前記基板31の上面についての段差を緩和させることが可能ないかなる構造も適用可能である。
【0054】
前記外部絶縁膜56のうち、前記第2電極端子54の端部を覆う外部絶縁膜56の一部には、コンタクトホール57が形成されている。このコンタクトホール57は、これを通じて、第2電極配線ライン45と第2電極端子54とが互いに電気的に連結可能にするためのものである。
【0055】
このようなコンタクトホール57は、第2電極端子54の第2導電膜54bの部分に形成されており、コンタクトホール57を通じて第2導電膜54bが露出される。
【0056】
さらに本発明は、このコンタクトホール57で、端子と配線との間のコンタクト抵抗を低減させ、コンタクト抵抗が均一に維持されるようにコンタクト抵抗調節部58を備える。
【0057】
このコンタクト抵抗調節部58の一実施形態として、図4に示すように、第2導電膜54bに引入部58aを具備できる。
【0058】
前記引入部58aは、コンタクトホール57を通じて露出された第2導電膜54bに形成されて、このコンタクトホール57及び引入部58aを通じて、第1導電膜54aの一部分を露出させたものであって、第2電極配線ライン45とコンタクトされる時に、この引入部58aが形成された部分で電流の集中が発生して、コンタクト抵抗を低減できる。なお、この構成にあっては、第2電極端子54が第1導電体であり、第2電極配線ライン45が第2導電体となる。
【0059】
このような引入部58aは、図4に示すように、第2導電膜54bの少なくともコンタクトホール57に露出された部分のうち一部が、所定深さで凹むように形成されるが、その形状は、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様に変形可能である。たとえば、凹みに限らず波形状であってもよい。
【0060】
このような引入部58aの構造は、必ずしも前述したような外部絶縁膜56及びコンタクトホール57を有する構造のみに適用されるものではなく、第2電極配線ラインと第2電極端子とが外部絶縁膜なしにコンタクトされる時にも、そのコンタクトされる部分に引入部を形成することによって、その部分での電流の集中を図って、コンタクト抵抗を低減できる。
【0061】
図7ないし図9は、前記コンタクト抵抗調節部58の他の一実施形態を示すためのものであって、図面に示すように、前記コンタクト抵抗調節部58は、前記第2電極配線ライン45とコンタクトされる部分で、第2電極配線ライン45とコンタクトされる第2電極端子54の上面に形成された所定形状の構造物58bを含むことができる。この際、前記構造物58bは、コンタクトホール57を通じて露出されており、第2電極配線ライン45は、この構造物58bを覆うように第2電極端子54とコンタクトされる。
【0062】
前記構造物58bは、多様な材質で形成できるが、外部絶縁膜56と同一な絶縁体で形成でき、コンタクトホール57の形成と同時にパターニングされることができる。
【0063】
このような構造物58bの場合にも、この部分(具体的には第2電極配線ライン45と第2電極端子54の第1導電膜54aとが接触する部分)で電流の集中を発生させて、第2電極配線ライン45と第2電極端子54とのコンタクト抵抗を低減できる。
【0064】
前記構造物58bの形状は、必ずしも図7に示した形状に限定されるものではなく、多様に変形可能である。
【0065】
また、前述したように、前記構造物58bの構造は、必ずしも外部絶縁膜56及びコンタクトホール57を有する構造のみに適用されるものではなく、第2電極配線ラインと第2電極端子とが外部絶縁膜なしにコンタクトされる時にも、そのコンタクトされる部分に構造物を形成することによって、その部分での電流の集中を図ってコンタクト抵抗を低減できる。
【0066】
図10ないし図12は、前記コンタクト抵抗調節部58のさらに他の一実施形態を示すためのものである。
【0067】
図面に示すように、前記コンタクト抵抗調節部58は、前記第2電極端子54の導電膜54a、54bのうち洗浄特性の良い第1導電膜54aが、コンタクトホール57を通じて露出されるように備えられる。
【0068】
前述したように、前記第1導電膜54aは、導電性酸化物であるITO、IZO、ZnO、またはIn2O3で形成でき、前記第2導電膜54bは、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Crのような金属で形成できるが、この際、金属である第2導電膜54bより、導電性酸化物である第1導電膜54aが、酸素プラズマやUV洗浄のような洗浄工程時、洗浄性がさらに良好である。すなわち、洗浄時、金属である第2導電膜54bより、導電性酸化物である第1導電膜54a上に存在する汚染物が、さらによく除去される。
【0069】
したがって、本発明は、図10ないし図12に示すように、コンタクトホール57を通じて第1導電膜54aを露出させて、この第1導電膜54aを第2電極配線ライン45と直接コンタクトさせ、これにより、第2電極配線ライン45と第2電極端子54との間のコンタクト抵抗を低減できる。
【0070】
以上説明したように、本発明のコンタクト抵抗調節部により、第2電極配線ライン45と第2電極端子54との間のコンタクト抵抗を低減するが、本発明は、必ずしも第2電極配線ライン45と第2電極端子54との間のコンタクト抵抗のみに適用されるものではなく、発光部40から延びて出るいかなる配線ラインと発光部の外側の端子とのコンタクト時にも同一に適用できる。
【0071】
また、前述した本発明の実施形態は、パッシブマトリックス方式を示したものであるが、本発明が、必ずしもこれに限定されるものではなく、アクティブマトリックス方式の場合にも同一に適用できる。
【0072】
この場合、発光部の第1電極と第2電極とは、前述した実施形態のように、ライン電極で備えられず、それぞれの画素ごとにパターニングされた画素電極と、全体画素に共通的にパターニングされた共通電極とで備えられる。そして、この際、画素電極には、選択駆動回路が連結されることができる。
【0073】
このようなアクティブマトリックス方式の場合、前述した本発明のコンタクト抵抗調節部は、画素電極、共通電極とそれらの端子との間に適用されるだけでなく、スキャン、データ、VDD配線などの各種配線とそれらの端子との間にも適用されることができる。
【0074】
本明細書では、本発明を限定された実施形態を中心に説明したが、本発明の思想的範囲内で多様な実施形態が可能である。また、説明されていないが、均等な手段も本発明にそのまま結合されるといえる。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、テレビジョン、モニタ及び携帯機器の各種の表示装置に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来の有機電子発光素子の部分拡大平面図である。
【図2】図1のI−I線の断面図である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態による有機電子発光素子の分離斜視図である。
【図4】図3のA部分について、第2電極ラインを形成する前の部分平面拡大図であって、コンタクト抵抗調節部の一実施形態を示す図面である。
【図5】図4に第2電極ラインを形成した後の図面である。
【図6】図5のII−II線の断面図である。
【図7】図3のA部分について、第2電極ラインを形成する前の部分平面拡大図であって、コンタクト抵抗調節部の他の一実施形態を示す図面である。
【図8】図7に第2電極ラインを形成した後の図面である。
【図9】図8のIII−III線の断面図である。
【図10】図3のA部分について、第2電極ラインを形成する前の部分平面拡大図であって、コンタクト抵抗調節部のさらに他の一実施形態を示す図面である。
【図11】図10に第2電極ラインを形成した後の図面である。
【図12】図11のIV−IV線の断面図である。
【符号の説明】
【0077】
31…基板
32…密封部材
33…フレキシブル印刷回路基板
40…発光部
50…端子
52…第1電極端子
54…第2電極端子
56…外部絶縁膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上面に形成されて所定の画像を具現する発光部と、
前記発光部と電気的に接続された第2導電体と接続された第1導電体と、
前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクトされる部分に備えられ、前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部と、を有することを特徴とする電子発光素子。
【請求項2】
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体に備えられた引入部を有し、
前記第2導電体が、前記引入部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項3】
前記第1導電体は、少なくとも二つの層の導電膜を備え、
前記引入部は、前記導電膜のうち少なくとも一つの前記導電膜と前記第2導電体とがコンタクトされることで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子発光素子。
【請求項4】
前記引入部が形成された部分で、前記第2導電体は、前記導電膜とコンタクトされていることを特徴とする請求項3に記載の電子発光素子。
【請求項5】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、前記第1導電体の上面の一部が露出されるコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、
前記引入部は、前記コンタクトホールを通じて露出された前記第1導電体の部分に備えられたことを特徴とする請求項2に記載の電子発光素子。
【請求項6】
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体と前記第2導電体とがコンタクトされる部分の前記第1導電体の上面に形成された構造物を備え、
前記第2導電体は、前記構造物を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項7】
前記構造物は、絶縁体により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の電子発光素子。
【請求項8】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出するようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、
前記構造物は、前記コンタクトホールを通じて露出されていることを特徴とする請求項6に記載の電子発光素子。
【請求項9】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出されるようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、
前記第1導電体は、相異なる材質の少なくとも二つの層の導電膜を備え、
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体の導電膜のうち洗浄特性の良い導電膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項10】
前記第1導電体は、前記基板の方向から導電性酸化膜及び金属膜を順次に含み、
前記コンタクト抵抗調節部は、前記導電性酸化膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする請求項9に記載の電子発光素子。
【請求項11】
前記導電性酸化膜は、ITO、IZO、In2O3、またはZnOを含み、
前記金属膜は、Cr、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、またはIrを含むことを特徴とする請求項10に記載の電子発光素子。
【請求項12】
前記発光部は、前記基板上に位置する下層電極と、前記下層電極に対向する上層電極と、前記下層電極と上層電極との間に介在された発光膜と、前記下層電極と電気的に接続された下層第2導電体と、前記上層電極と電気的に接続された上層第2導電体とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項1】
基板と、
前記基板の上面に形成されて所定の画像を具現する発光部と、
前記発光部と電気的に接続された第2導電体と接続された第1導電体と、
前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクトされる部分に備えられ、前記第1導電体と前記第2導電体との間のコンタクト抵抗を低減させるコンタクト抵抗調節部と、を有することを特徴とする電子発光素子。
【請求項2】
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体に備えられた引入部を有し、
前記第2導電体が、前記引入部を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項3】
前記第1導電体は、少なくとも二つの層の導電膜を備え、
前記引入部は、前記導電膜のうち少なくとも一つの前記導電膜と前記第2導電体とがコンタクトされることで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子発光素子。
【請求項4】
前記引入部が形成された部分で、前記第2導電体は、前記導電膜とコンタクトされていることを特徴とする請求項3に記載の電子発光素子。
【請求項5】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、前記第1導電体の上面の一部が露出されるコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、
前記引入部は、前記コンタクトホールを通じて露出された前記第1導電体の部分に備えられたことを特徴とする請求項2に記載の電子発光素子。
【請求項6】
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体と前記第2導電体とがコンタクトされる部分の前記第1導電体の上面に形成された構造物を備え、
前記第2導電体は、前記構造物を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項7】
前記構造物は、絶縁体により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の電子発光素子。
【請求項8】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出するようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、
前記構造物は、前記コンタクトホールを通じて露出されていることを特徴とする請求項6に記載の電子発光素子。
【請求項9】
前記発光部と前記第1導電体との間に位置し、かつ前記第2導電体と前記基板との間に介在され、前記第1導電体のうち少なくとも一つの端部を覆い、かつ前記第1導電体の上面の一部が露出されるようにコンタクトホールを有して、前記コンタクトホールを通じて前記第2導電体と前記第1導電体とをコンタクトさせる絶縁膜をさらに備え、
前記第1導電体は、相異なる材質の少なくとも二つの層の導電膜を備え、
前記コンタクト抵抗調節部は、前記第1導電体の導電膜のうち洗浄特性の良い導電膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【請求項10】
前記第1導電体は、前記基板の方向から導電性酸化膜及び金属膜を順次に含み、
前記コンタクト抵抗調節部は、前記導電性酸化膜が、前記コンタクトホールを通じて露出されるように備えられていることを特徴とする請求項9に記載の電子発光素子。
【請求項11】
前記導電性酸化膜は、ITO、IZO、In2O3、またはZnOを含み、
前記金属膜は、Cr、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、またはIrを含むことを特徴とする請求項10に記載の電子発光素子。
【請求項12】
前記発光部は、前記基板上に位置する下層電極と、前記下層電極に対向する上層電極と、前記下層電極と上層電極との間に介在された発光膜と、前記下層電極と電気的に接続された下層第2導電体と、前記上層電極と電気的に接続された上層第2導電体とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電子発光素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−19266(P2006−19266A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179927(P2005−179927)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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