説明

電子署名によるPL保険適用基準判定システム

【課題】PL法で製造者が負担する物品の交換や修理等で発生した費用を保険で補填する場合の客観的な基準を決める。
【解決手段】保険契約者(1)のDNA情報から生成した公開鍵暗号方式での私有鍵情報(3)を用意する。物品(5)に固有のID情報(6)を施す。該ID情報に該保険契約者の該私有鍵情報による電子署名(7)をして該物品用のディジタル署名情報(9)とする。該ディジタル署名情報を該物品に付与して該保険契約者とPL保険会社(10)との間で被保険物(5a)とする。該ディジタル署名情報の是非は、自身の記憶部(12)に該保険契約者の公開鍵情報(13)を記憶している証明用のコンピュータ(11)が、該公開鍵情報による該ディジタル署名情報の復号化の可否で判定する。判定が是の場合、該PL保険会社が該保険契約者に保険金の支払をする。製造責任者(2)の私有鍵情報(4)を併用すると、該ディジタル署名情報の秘密性が一層高まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子署名によるPL保険適用基準判定システムに関し、物品の品質に欠陥があった場合、該物品が保険契約者(製造責任者の場合もある。)のものであるか否かを確実に判定しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、季節商品の早期購入(事前販売)を促進し、需要を季節に無関係に年間を通して均等にし、製造業者、流通業者等の仕事量を一定とするために、季節商品を季節前に購入した者に対し季節保険を付け、天候不順等により該季節商品の有効利用ができなかった場合、販売価格の一部を返金する保険システム及び保険管理システムが知られている(
例えば、特開2001−338146号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−338146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、季節商品が季節到来時に自然環境の変動でその効用を十分発揮できなかった場合に、購入者に対し一定の金額を保険で返金するようにした保険システムに関するもので、季節商品そのものの品質保証を目的とするものではない。
【0005】
本発明にかかる第1の電子署名によるPL保険適用基準判定システムは、PL(製造物責任)法により製造責任者が負う物品の品質保証につき、保険契約者がPL保険会社との間で該物品に保険をかけ、需要者にわたった該物品が保証する品質を備えていなかった場合、あるいは需要者にわたった物品が該物品とは異なる、いわゆる偽物である場合に該物品の交換や修理等で発生する損害を、PL保険会社が補填する際の基準を客観的かつ確実に判定することを目的とする。
【0006】
また、本発明にかかる第2の電子署名によるPL保険適用基準判定システムは、保険契約者と製造責任者の各DNA情報から生成した各別の公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報を用意し、これらの私有鍵情報による電子署名を物品固有のID情報に行ってこの物品のディジタル署名情報とすることにより、PL保険会社が補填する際の基準を、更に客観的かつ確実に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(請求項1) 本発明にかかる第1の電子署名によるPL保険適用基準判定システムは、保険契約者のDNA情報から生成した公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報を用意する。物品に固有のID情報を付加する。該ID情報に、該保険契約者の該私有鍵情報による電子署名を行って該物品用のディジタル署名情報とする。該ディジタル署名情報を該物品に付与する。該物品は、該保険契約者とPL保険会社との間で被保険物となる。該ディジタル署名情報の是非は、自身の記憶部に該保険契約者の公開鍵情報を記憶している証明用のコンピュータが、該公開鍵情報による該ディジタル署名情報の復号化の是非で判定する。そして、該ディジタル署名情報が是と判定された場合、該判定に基づいて該PL保険会社が該保険契約者に保険金の支払をする。
【0008】
該物品には固有のID情報をもたせる。該物品が家畜やペットのような動物の場合、野菜等の農作物の場合等は、それらから採取したDNAを符号化し、鉱物やプラスチック等の製品の場合は数値や文字で符号化して、該物品固有のID情報とする。
【0009】
また、該保険契約者のDNA情報から生成した署名鍵によるディジタル署名を採用しているので秘密性が極めて高く、公開鍵によってでなければこのディジタル署名情報の復号化が不可能で、第三者にディジタル署名情報の内容が冒認されることはほとんどない。
なお、該保険契約者は、純粋に保険契約だけを受け持つ者、該製造責任者自身、特定小売業者、総合小売業者、通販業者等、種々の場合がある。
【0010】
該ディジタル署名情報を該物品に付与するやり方は、該物品の形態によっていろいろあり、例えば、固形態の場合は貼付、印刷又は埋設等、液体、気体、粉体、顆粒等の場合は容器に印刷し又は印刷したラベルを容器に貼付ける等がある。
又、DNA情報を基にした有機合成DNAを作成し、それを混合させることも可能であり、このDNA情報と該ディジタル署名情報とが共に認証された場合にのみPL保険を適用することができる。
【0011】
該ディジタル署名情報が付与された該物品は、該保険契約者と該PL保険会社との間の契約で保険が掛けられ、被保険物となる。
【0012】
被保険物の購入者が被保険物に品質の欠陥があることを知った場合、該購入者は該保険契約者に被保険物の交換、あるいは修理等を要求する。該保険契約者は該ディジタル署名情報を該PL保険会社に送り、該PL保険会社は証明用のコンピュータにその証明(検証)を要求する。
【0013】
該保険契約者の公開鍵情報は、証明用のコンピュータの記憶部に記憶されている。該ディジタル署名情報の是非は、該公開鍵情報により該ディジタル署名情報の復号化ができたか否かで判定する。該ディジタル署名情報の是非で、非となった場合は、その旨の情報が出力され、それ以降の復号化は行われない。この非の情報は該PL保険会社で取得できるようにする。
【0014】
該ディジタル署名情報が非と判定された場合、品質に欠陥ありとされた物品は被保険物でないので、該要求に応じない。該ディジタル署名情報が是と判定された場合は、該保険契約者が自己の負担において当然その要求に従うことになり、該PL保険会社は該保険契約者に保険金を支払う。
【0015】
(請求項2)本発明にかかる第2の電子署名によるPL保険適用基準判定システムは、保険契約者と製造責任者の各DNA情報から生成した各別の公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報を用意する。物品に固有のID情報を付加し、該ID情報に、該保険契約者の該私有鍵情報による電子署名と、該製造責任者の該私有鍵情報による電子署名を行って該物品用のディジタル署名情報とする。該ディジタル署名情報を該物品に付与する。該物品は、該保険契約者とPL保険会社との間で被保険物となる。該ディジタル署名情報の是非は、自身の各記憶部に各別に該保険契約者及び該製造責任者の各公開鍵情報を各別に記憶している証明用のコンピュータが、該各公開鍵情報による該ディジタル署名情報の復号化の是非で判定する。そして、該ディジタル署名情報が是と判定された場合、該判定に基づいて該PL保険会社が該保険契約者に保険金の支払をする。
【0016】
この第2の発明は保険契約者と製造責任者が別人である点で第1の発明と相違している。この相違に伴い、該保険契約者のDNA情報から生成した署名鍵と、該物品の該製造責任者のDNA情報から生成した署名鍵によるディジタル署名を採用しているので、これらのディジタル署名は秘密性が極めて高く、公開鍵によってでなければこのディジタル署名情報の復号化が不可能で、第三者にディジタル署名情報の内容が冒認されることはほとんどない。なお、その他の構成、作用、保険契約者の範囲、ディジタル署名情報の物品に対する付与方法等は第1の発明の場合とほぼ同様なので、説明を省略する。
【0017】
(請求項3)該ディジタル署名情報の判定情報は、証明システムの秘密鍵による電子署名が施されて、該コンピュータから該PL保険会社に送られ、該PL保険会社は、該ディジタル署名情報の該証明システムの公開鍵による復号化の是非で、該ディジタル署名情報の是非を判断するようにしてもよい。
こうすると、該PL保険会社は該証明システムの公開鍵による該ディジタル署名情報の復号化の可否で該ディジタル署名情報の是非を判断でき、誤報の受信を防げる。
【0018】
(請求項4)該ディジタル署名情報はRFIDを媒体として該被保険物に関して付与されてもよい。
こうすると、非接触で該被保険物の該ディジタル署名情報の確認ができ、確認作業が容易となる。
【0019】
(請求項5)該ディジタル署名情報はバーコードを媒体として該被保険物に関して付与されてもよい。
こうすると、該被保険物に直接バーコードを印刷し、あるいはバーコードを印刷したラベルを該被保険物に貼付することによって、該ディジタル署名情報を該被保険物に容易に付与させることができる。
【0020】
(請求項6)該被保険物は固体、液体、気体、粉体及び顆粒の中から選ばれた一種類であってもよい。
こうすると、被保険物が液体、気体、粉体及び顆粒だと容器に収容されて取り扱われるが、ディジタル署名情報をバーコードとしてこの容器に貼付することにより、このシステムの適用が可能であり、従って、あらゆる種類のものを被保険物とすることができ、汎用性が高まる。
又、DNA情報を基にした有機合成DNAを作成し、それを混合させることも可能であり、このDNA情報と該ディジタル署名情報とが共に認証された場合にのみPL保険を適用することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る第1の電子署名によるPL保険適用基準判定システムによれば、該ディジタル署名情報自体は書き換えられる危険性は極めて少なく、被保険物の流通過程で仮に該ディジタル署名情報が改ざんされ、あるいは該ディジタル署名情報が印刷されたシール等が貼り換えられたりした場合でも、証明用のコンピュータが、自身の記憶部に記憶している保険契約者の公開鍵情報により、該ディジタル署名情報の復号化ができたか否かでその是非を判定するので、正確な判定ができる。このコンピュータが該ディジタル署名情報を是と判定した場合は該被保険物の同一性が証明されるので、該被保険物の品質に欠陥があった場合に該保険契約者が購入者に対し負担する費用を該PL保険会社が該保険契約者に保険金で担保すればよい。
【0022】
本発明に係る第2の電子署名によるPL保険適用基準判定システムによれば、保険契約者と製造責任者は別人で、各人のDNA情報から生成した各別の公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報を用意し、物品の固有のID情報に、該保険契約者の該私有鍵情報による電子署名と、該製造責任者の該私有鍵情報による電子署名を行って該物品用のディジタル署名情報としたので、該ディジタル署名情報の秘密性が一層高められ、書き換えられる危険性はほとんどなく、仮に被保険物の流通過程で該ディジタル署名情報が改ざんされ、あるいは該ディジタル署名情報が印刷されたシール等が貼り換えられたりした場合でも、証明用のコンピュータが、自身の記憶部に記憶した該製造責任者及び該保険契約者等の各公開鍵情報により、該ディジタル署名情報の復号化ができたか否かでその是非を判定するので、極めて正確な判定ができる。このコンピュータが該ディジタル署名情報を是と判定した場合は被保険物の同一性が証明されるので、該被保険物の品質に欠陥があった場合に該保険契約者が購入者に対し負担する費用を該PL保険会社が該保険契約者に保険金で担保すればよい。
【0023】
請求項3によれば、前記第1及び第2の発明において、該ディジタル署名情報の判定情報は、証明システムの秘密鍵による電子署名が施されて、該コンピュータから該PL保険会社に送られ、該PL保険会社は、該ディジタル署名情報の該証明システムの公開鍵による是非で、該ディジタル署名情報の是非を判断するので、該ディジタル署名情報の誤信を防げる。
【0024】
請求項4によれば、該ディジタル署名情報はRFIDを媒体として該被保険物に関して付与されるので、非接触で該被保険物の該ディジタル署名情報の確認ができ、確認作業が容易となる。
【0025】
請求項5によれば、該ディジタル署名情報はバーコードを媒体として該被保険物に関して付与されているので、該被保険物に直接バーコードを印刷し、あるいはバーコードを印刷したラベルを該被保険物に貼付することによって、該ディジタル署名情報を該被保険物に容易に付与させることができる。
【0026】
請求項6によれば、該被保険物は固体、液体、気体、粉体及び顆粒の中から選ばれた一種類なので、あらゆる種類のものを該被保険物とすることができ、汎用性が高まる。又、DNA情報を基にした有機合成DNAを作成し、それを混合させることも可能であり、このDNA情報と該ディジタル署名情報とが共に認証された場合にのみPL保険を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明にかかる第1の電子署名によるPL保険適用基準判定システムの具体例を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例で、証明用のコンピュータからPL保険会社に送られる情報に、証明システムの秘密鍵による電子署名を付し、その復号化の可否で該情報の正否を判定するシステムの具体例を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる第2の電子署名によるPL保険適用基準判定システムの具体例を示すブロック図である。
【図4】図3の実施例で、証明用のコンピュータからPL保険会社に送られる情報に、証明システムの秘密鍵による電子署名を付し、その復号化の可否で該情報の正否を判定するシステムの具体例を示すブロック図である。
【図5】ディジタル署名情報9(9’)としてRFID31を付与した被保険物5a(5a’)の斜面図である。
【図6】ディジタル署名情報9(9’)としてバーコード41を付与した被保険物5a(5a’)の斜面図である。
【図7】被保険物5a(5a’)が流体の場合で、バーコード41を付与した容器51の斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して、説明する。
(請求項1) 図1は第1の電子署名によるPL保険適用基準判定システムを示している。保険契約者1のDNA情報から生成した公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報3を公開鍵暗号基盤方式に従って用意する。物品5には固有のID情報6を施しておく。このID情報6も通常のように、例えば数字、ローマ字、各種の記号を、それぞれ単独で羅列し、又は適宜組み合わせて羅列して、構成される。
【0029】
このID情報6に保険契約者1の私有鍵情報3による電子署名7を行って、この物品5用のディジタル署名情報9とする。このディジタル署名情報9を物品5に付与する。この付与のし方は、物品5に刻印し、印刷し、ラベルに印刷して貼り付ける等、任意である。保険契約者1はPL保険会社10と保険契約をし、この物品5を被保険物5aとする。
【0030】
入手した物品が保証された品質を備えていない場合、購入者は保険契約者1に物品の交換や補修を要求する。保険契約者1は購入者の購入した物品が自己の供給した物品ならその要求に応じる必要があり、PL保険会社10にディジタル署名情報9を送る。PL保険会社10は証明用のコンピュータ11にこのディジタル署名情報9の是非、即ち真正なものか否かの確認を要求する。
【0031】
コンピュータ11は、PL保険会社10からディジタル署名情報9の判定依頼があると、保険契約者1の公開鍵情報13によりディジタル署名情報9の復号化を行い、その可否でその是非を判定する。そして、判定結果が是の場合は証明OKでその情報がPL保険会社10に送られ、PL保険会社10は保険契約者1に保険金の支払をすることになる。非の場合は証明NG、即ち証明不成立で、非である旨の情報は、表示器16に表示し、あるいは直接PL保険会社10に送るようにしてもよい。この非の場合、保険金の支払いは行われない。
【0032】
(請求項3)図2は、コンピュータ11から送られる情報の是非をPL保険会社10側で容易に判断できるようにするシステムを示す。ディジタル署名情報9の判定情報は、証明システムの秘密鍵による電子署名21が施されて、コンピュータ11からPL保険会社10に送られ、このPL保険会社10は、ディジタル署名情報9の証明システムの公開鍵による復号化22の是非で、ディジタル署名情報9の是非を判断する。この場合、ディジタル署名情報9の証明システムの公開鍵による復号化22が是とならない限り、このディジタル署名情報9を解読できないので、誤信を防げる。
【0033】
(請求項2)図3は、第2の電子署名によるPL保険適用基準判定システムで、第1の場合との大きな相違点は、保険契約者と製造責任者が別個となっていることである。これら第1と第2の双方には共通点があり、主だった相違点だけを記載する。なお、保険契約者は複数人でもよく、この場合、ディジタル署名情報の秘密性が更に高まる。
【0034】
保険契約者1と製造責任者2の各DNA情報から生成した各別の公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報3と4を用意する。物品5には、第1場合と同様に固有のID情報6を施しておく。
【0035】
このID情報6に、保険契約者1の私有鍵(秘密鍵)情報3による電子署名7と、製造責任者2の私有鍵(秘密鍵)情報4による電子署名8を行い、物品5用のディジタル署名情報9’とする。このディジタル署名情報9’を物品5に付与し、保険契約者1はPL保険会社10と保険契約をしてこの物品5を被保険物5a’とする。
【0036】
このディジタル署名情報9’の是非は、証明用のコンピュータ11により判定される。このコンピュータ11は、自身の記憶部12に保険契約者1の公開鍵情報13を記憶し、同じく自身の記憶部14に製造責任者2の公開鍵情報15を記憶している。PL保険会社10からディジタル署名情報9’の判定依頼があると、このコンピュータ11は製造責任者2の公開鍵情報15によりディジタル署名情報9’の復号化ができたか否かでその是非を判定し、非と判定した場合は以後の復号化作業を中止する。この非の判定時に、その旨の情報をPL保険会社10に送り、あるいは表示器16に表示する。
【0037】
是と判定した場合は引き続き、保険契約者1の公開鍵情報13によりディジタル署名情報9’の復号化を行い、その可否でその是非を判定する。そして、その判定結果によりPL保険会社10の行動が規制され、保険金の支払いや不払いになることは、第1の発明の場合と同じである。
【0038】
この発明では、DNA情報を保険契約者1と製造責任者2から採取してそれぞれ公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報3と4を生成しているので、個人識別力は極めて高く、その改ざんはほとんど不可能である。そして、物品固有のID情報6にこれら両者の電子署名7と8を行ってディジタル署名情報9’とするので、第三者による情報の読み取りや改変は極めて困難で、情報伝達の安全性を確保できる。
【0039】
(請求項3)図4で、ディジタル署名情報9’の判定情報は、証明システムの秘密鍵による電子署名21が施されて、コンピュータ11からPL保険会社10に送られ、このPL保険会社10は、ディジタル署名情報9’の証明システムの公開鍵による復号化22の是非で、ディジタル署名情報9’の是非を判断する。
この場合、ディジタル署名情報9’の是非を判断するので、このディジタル署名情報9’の誤信を防げる。
【0040】
(請求項4)図5で、ディジタル署名情報9又は9’はRFID31を媒体として該被保険物5a又は5a’に関して付与される。
この場合、非接触で被保険物5a又は5a’のディジタル署名情報9又は9’の確認ができ、確認作業が容易となる。
【0041】
(請求項5)図6で、ディジタル署名情報9又は9’はバーコード41を媒体として被保険物5a又は5a’に関して付与されている。
この場合、被保険物5a又は5a’に直接バーコード41を印刷し、あるいはバーコード41を印刷したラベルを被保険物5a 又は5a’に貼付することによって、ディジタル署名情報9又は9’を被保険物5a又は5a’に容易に付与させることができる。
【0042】
(請求項6)図7で、被保険物5a又は5a’は固体、液体、気体、粉体及び顆粒の中から選ばれた一つとなっている。
この場合、被保険物5a又は5a’が液体、気体、粉体及び顆粒だと容器51に収容されて取り扱われるが、ディジタル署名情報9をバーコード41としてこの容器51に貼付することにより、このシステムの適用が可能であり、従って、あらゆる種類のものを被保険物5a又は5a’とすることができ、汎用性が高まる。又、DNA情報を基にした有機合成DNAを作成し、それを混合させることも可能であり、このDNA情報とディジタル署名情報とが共に認証された場合にのみPL保険を適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 保険契約者
2 製造責任者
3 私有鍵情報
4 私有鍵情報
5 物品
5a 被保険物
5a’ 被保険物
6 ID情報
7 電子署名
8 電子署名
9 ディジタル署名情報
9’ ディジタル署名情報
10 PL保険会社
11 コンピュータ
12 記憶部
13 公開鍵情報
14 記憶部
15 公開鍵情報
16 表示器
21 電子署名
22 復号化
31 RFID
41 バーコード
51 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険契約者(1)のDNA情報から生成した公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報(3)を用意し、
物品(5)に固有のID情報(6)を施し、
該ID情報(6)に、該保険契約者(1)の該私有鍵情報(3)による電子署名(7)を行って該物品(5)用のディジタル署名情報(9)とし、
該ディジタル署名情報(9)を該物品(5)に付与し、
該物品(5)は、該保険契約者(1)とPL保険会社(10)との間で被保険物(5a)となり、
該ディジタル署名情報(9)の是非は、自身の記憶部(12)に該保険契約者(1)の公開鍵情報(13)を記憶している証明用のコンピュータ(11)が、該公開鍵情報(13)による該ディジタル署名情報(9)の復号化の可否で判定し、
該ディジタル署名情報(9)が是と判定された場合、該判定に基づいて該PL保険会社(10)が該保険契約者(1)に保険金の支払をする
ことを特徴とする電子署名によるPL保険適用基準判定システム。
【請求項2】
保険契約者(1)と製造責任者(2)の各DNA情報から生成した各別の公開鍵暗号方式での私有鍵(秘密鍵)情報(3,4)を用意し、
物品(5)に固有のID情報(6)を施し、
該ID情報(6)に、該保険契約者(1)の該私有鍵情報(3)による電子署名(7)と、該製造責任者(2)の該私有鍵情報(4)による電子署名(8)を行って該物品(5)用のディジタル署名情報(9)とし、
該ディジタル署名情報(9)を該物品(5)に付与し、
該物品(5)は、該保険契約者(1)とPL保険会社(10)との間で被保険物(5a)となり、
該ディジタル署名情報(9)の是非は、自身の各記憶部(12,14)に各別に該保険契約者(1)及び該製造責任者(2)の各公開鍵情報(13,15)を各別に記憶している証明用のコンピュータ(11)が、該各公開鍵情報(13,15)による該ディジタル署名情報(9)の復号化の可否で判定し、
該ディジタル署名情報(9)が是と判定された場合、該判定に基づいて該PL保険会社(10)が該保険契約者(1)に保険金の支払をする
ことを特徴とする電子署名によるPL保険適用基準判定システム。
【請求項3】
該ディジタル署名情報(9)の判定情報は、証明システムの秘密鍵による電子署名(21)が施されて、該コンピュータ(11)から該PL保険会社(10)に送られ、該PL保険会社(10)は、該ディジタル署名情報(9)の該証明システムの公開鍵による復号化(22)の是非で、該ディジタル署名情報(9)の是非を判断する請求項1又は2に記載の電子署名によるPL保険適用基準判定システム。
【請求項4】
該ディジタル署名情報(9)はRFID(31)を媒体として該被保険物(5a)に付与される請求項1、2又は3に記載の電子署名によるPL保険適用基準判定システム。
【請求項5】
該ディジタル署名情報(9)はバーコード(41)を媒体として該被保険物(5a)に付与される請求項1、2、3又は4に記載の電子署名によるPL保険適用基準判定システム。
【請求項6】
該被保険物(5a)は固体、液体、気体、粉体及び顆粒の中から選ばれた一種類である請求項1から5の一つの項に記載の電子署名によるPL保険適用基準判定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−216053(P2011−216053A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85950(P2010−85950)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(309016418)株式会社DNAソリューション (4)
【Fターム(参考)】