説明

電子装置およびその制御方法

【課題】エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、リアルタイムで対処手順を聞きながら作業することが可能な電子装置およびその制御方法の提供を目的とする。
【解決手段】各エラーに応じたエラー通知メッセージおよび各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を格納する音声情報記憶手段10と、各エラーの発生を認識するエラー発生認識手段11と、各エラーの発生に対応する箇所のパネルの開閉を検出するパネル開閉検出手段13と、各エラーの発生が認識された際に各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するとともに、各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後であってパネル開閉検出手段13により各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を再生する音声再生手段14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置やこれらの複合装置等の電子装置に関し、より詳しくはその操作手順やエラー発生等の通知を音声で行う機能を有した電子装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置やこれらの複合装置等において、その操作手順などを表示する液晶表示装置を備えたものが存在する。また、この液晶表示装置上には、「記録紙がない」「インクフィルムがない」などのエラーが発生した場合にもその旨の表示を行うことにより、エラーの発生をユーザに知らせて、その対応を速やかに行えるようにしている。また、近年では、この液晶表示装置による表示に加えて、エラー内容や対処方法等を音声によって通知するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−117263号公報(段落0002、0029)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような複合装置等では、エラーが発生した場合、一般的にまず本体の開閉パネルを開き、中の機構の状態を確認したり、記録紙を補充したり、インクフィルムを交換したりといった各エラーに応じたエラー解決処理を行う。ところが、これらのエラー解決処理の手順は非常に複雑であり、決まった順番に作業を行う必要がある。そのため、ユーザは液晶表示装置に表示される操作手順やマニュアルに記載されている操作手順等にしたがってエラー解決処理を行うことになるが、実際に液晶表示装置等の表示を見ながら作業することは困難である。
【0004】
なお、特許文献1にはエラー発生時のエラー内容や対処方法等の音声通知の処理手順について具体的な内容は記載されていないが、このような音声通知は通常エラー発生の検知とともに行われる。そのため、ユーザがこの音声通知を聞くのはエラー発生時点であり、実際にエラー解決処理を行う際にはエラー発生時点で通知された音声を思い出しながら作業することになる。
【0005】
そこで、本発明においては、エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、リアルタイムで対処手順を聞きながら作業することが可能な電子装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の電子装置は、各エラーに応じたエラー通知メッセージおよび各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を格納する音声情報記憶手段と、各エラーの発生を認識するエラー発生認識手段と、各エラーの発生に対応する箇所のパネルの開閉を検出するパネル開閉検出手段と、エラー発生認識手段により各エラーの発生が認識された際に音声情報記憶手段に格納された各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するとともに、各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後であってパネル開閉検出手段により各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に音声情報記憶手段に格納された各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を再生する音声再生手段とを備える構成としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、エラー通知メッセージの再生後、ユーザが各エラーの発生に対応する箇所のパネルを開いた際に、各エラーに応じた対処手順メッセージが再生されることにより、リアルタイムで対処手順を聞きながら作業することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願の第1の発明は、各エラーに応じたエラー通知メッセージおよび各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を格納する音声情報記憶手段と、各エラーの発生を認識するエラー発生認識手段と、各エラーの発生に対応する箇所のパネルの開閉を検出するパネル開閉検出手段と、エラー発生認識手段により各エラーの発生が認識された際に音声情報記憶手段に格納された各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するとともに、各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後であってパネル開閉検出手段により各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に音声情報記憶手段に格納された各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を再生する音声再生手段とを備えた電子装置であり、エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、エラー通知メッセージの再生後、ユーザが各エラーの発生に対応する箇所のパネルを開いた際に、各エラーに応じた対処手順メッセージが再生されることにより、リアルタイムで対処手順を聞きながら作業することが可能となる。
【0009】
本願の第2の発明は、上記発明において各エラーの発生状況に関する情報を記録するエラー情報記憶手段を備え、エラー発生認識手段は、各エラーの発生を認識した際、各エラーの発生状況に関する情報をエラー情報記憶手段に記録するものであり、音声再生手段は、エラー情報記憶手段を参照することにより各エラーに応じた音声情報を音声情報記憶手段から取得して再生するものである電子装置であり、各エラーの発生時に、各エラーの発生状況に関する情報がエラー情報記憶手段に記録され、このエラー情報記憶手段に記録された情報に基づいて各エラーに応じた音声情報が音声情報記憶手段から取得され、再生される。
【0010】
本願の第3の発明は、音声再生手段による音声再生を許可または不許可に設定する再生モード設定手段を備え、音声再生手段は、再生モード設定手段による音声再生の許可または不許可の設定に応じて音声情報の再生を行うものである電子装置であり、エラー発生時に再生モード設定手段により設定された音声再生の許可または不許可の状態に応じて音声情報の再生が行われるので、不必要時に音声情報が再生されるのを防止することが可能となる。
【0011】
本願の第4の発明は、上記発明において音声再生手段が、各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報の再生を、パネル開閉検出手段により各エラーの発生に対応する箇所のパネルが閉じられたことが検出されるまで繰り返し行うものである電子装置であり、各エラーの発生時のエラー通知メッセージの再生が各エラーの発生に対応する箇所のパネルが閉じられたことが検出されるまで繰り返し行われる。これにより、ユーザは、各エラーの発生に対応する箇所のパネルを閉じるまでの間は各エラーに応じた対処手順メッセージが繰り返し再生されるので、この間はリアルタイムで対処手順を繰り返し聞きながら作業することが可能となる。
【0012】
本願の第5の発明は、上記発明において音声再生手段が、各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報の再生を、予め設定されたリピート回数だけ繰り返し行うものである電子装置であり、各エラーの発生時のエラー通知メッセージの再生が予め設定されたリピート回数だけ繰り返し行われる。これにより、ユーザは、この予め設定されたリピート回数だけ対処手順メッセージが繰り返し再生される間はリアルタイムで対処手順を繰り返し聞きながら作業することが可能となる。
【0013】
本願の第6の発明は、各エラーの発生を認識するエラー発生認識ステップと、エラー発生認識ステップにおいて各エラーの発生が認識された際に各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するエラー通知メッセージ再生ステップと、エラー通知メッセージ再生ステップにおける各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後、各エラーの発生に対応する箇所のパネルの開閉を検出するパネル開閉検出ステップと、パネル開閉検出ステップにおいて各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を再生する対処手順メッセージ再生ステップとを含む電子装置の制御方法であり、エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、エラー通知メッセージの再生後、ユーザが各エラーの発生に対応する箇所のパネルを開いた際に、各エラーに応じた対処手順メッセージが再生されることにより、リアルタイムで対処手順を聞きながら作業することが可能となる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態における電子装置としてのファクシミリ装置のブロック図、図2はファクシミリ装置のパネルを開けてインクフィルムを交換する様子を示す斜視図である。
【0016】
図1において、本発明の実施の形態における電子装置としてのファクシミリ装置1は、音声通知のための音声情報を格納する音声情報記憶手段10と、各エラーの発生を認識するエラー発生認識手段11と、各エラーの発生状況に関する情報を記録するエラー情報記憶手段12と、ファクシミリ装置1本体の操作パネル2およびリアパネル3(図2参照。)の開閉を検出するパネル開閉検出手段13と、音声情報記憶手段10に格納された音声情報を再生する音声再生手段14と、音声再生手段14による音声再生を許可または不許可に設定する再生モード設定手段15とを備える。
【0017】
音声情報記憶手段10は、各エラーに応じたエラー通知メッセージおよび各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を格納するものである。各エラーに応じたエラー通知メッセージとしての音声案内が記録されたエラー情報テーブルの例を(表1)に、各エラーに応じた対処手順メッセージとしての音声案内が記録されたエラー情報テーブルの例を(表2)に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
エラー発生認識手段11は、各種センサの検知により各エラーの発生を認識するものである。エラー発生認識手段11は、各エラーの発生を認識した際、各エラーの発生状況に関する情報(以下、「エラー情報」と称す。)として各エラーに割り当てられたコード(以下、「エラーコード」と称す。)をエラー情報記憶手段12に記録する。
【0021】
パネル開閉検出手段13は、各種センサの検知により各エラーの発生に対応する箇所のパネルを検出するものである。なお、各エラーの発生に対応する箇所のパネルとは、例えば発生したエラーがインクフィルムなし(エラーコード:M04)の場合、インクフィルム4(図2参照。)を交換するために開閉が必要な操作パネル2やリアパネル3等のことである。
【0022】
再生モード設定手段15は、音声再生手段14による音声再生を許可または不許可に設定する。本実施の形態におけるファクシミリ装置1では、各エラー発生時の音声案内の有無をユーザが任意に設定することが可能である。また、本実施の形態におけるファクシミリ装置1は、再生モード設定手段15の一つとして、ユーザの睡眠中に無用な音声案内をすることがないように音声再生を不許可に設定するための「おやすみモード」ボタン(図示せず。)を備えている。
【0023】
音声再生手段14は、エラー発生認識手段11により各エラーの発生が認識された際に音声情報記憶手段10に格納された各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するものである。このとき、音声再生手段14は、エラー情報記憶手段12を参照することにより各エラーに応じた音声情報、すなわち各エラーコードに対応するエラー通知メッセージとしての音声案内を音声情報記憶手段10から取得して再生する。
【0024】
また、音声再生手段14は、各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後であってパネル開閉検出手段13により各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際には、音声情報記憶手段10に格納された各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報、すなわち各エラーコードに対応する対処手順メッセージとしての音声案内を音声情報記憶手段10から取得して再生する。
【0025】
なお、音声再生手段14は、再生モード設定手段15による音声再生の許可または不許可の設定に応じて音声情報の再生を行う。すなわち、音声再生手段14は、再生モード設定手段15により音声再生が許可となっている場合のみ音声情報の再生を行い、音声再生が不許可となっている場合には音声情報の再生を行わない。
【0026】
次に、上記構成のファクシミリ装置1のエラー発生時の処理について、図3から図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
図3はファクス送信、コピー、リスト印刷、代行印刷等のイベント処理のフローチャー
トである。
【0028】
図3において、ファクシミリ装置1は、ファクス送信、コピー、リスト印刷、代行印刷等のイベント処理を実行の際(ステップS100)、エラー発生認識手段11によりエラー発生が認識されると(ステップS101)、後述のエラー音声案内を起動する(ステップS102)。ステップS102のエラー音声案内が終了またはステップS101においてエラー発生がない場合、イベント処理が完了したかどうか判断し(ステップS103)、完了の場合には処理を終了し、完了でない場合はステップS100へ戻る。
【0029】
図4はステップS102のエラー音声案内起動処理のフローチャートである。
【0030】
図4において、ファクシミリ装置1は、再生モード設定手段15による設定内容を確認することによりエラー音声案内設定の有無を確認する(ステップS110)。エラー音声案内が無しに設定されている場合は処理を終了する。エラー音声案内が有りに設定されている場合、「おやすみモード」中であるかどうか確認し(ステップS111)、「おやすみモード」中である場合は処理を終了する。「おやすみモード」中でない場合は、次に、本ファクシミリ装置1が音声案内を行って良い状態であるか否かを調べる(ステップS112)。本ファクシミリ装置1が待機状態以外、例えば送受信器オフフック状態、通話状態、ベル信号入来状態であれば音声案内をせず、処理を終了する(ステップS112)。本ファクシミリ装置1が待機状態であれば音声案内を行って良いので、次のエラー音声案内処理を実行する(ステップS113)。
【0031】
図5はステップS113のエラー音声案内処理のフローチャートである。
【0032】
図5において、ファクシミリ装置1は、エラー情報記憶手段12からエラー情報を取得することにより(ステップS120)、エラーの有無を確認する(ステップS121)。ここで、エラーがある場合には、(表1)のエラー情報テーブルをサーチし(ステップS122)、ヒットした場合(ステップS123)、そのヒットしたエラーコードに対応する音声案内を取得し(ステップS124)、音声再生手段14により再生(エラー通知)する(ステップS125)。また、ファクシミリ装置1はエラーメッセージをLCD(液晶表示)パネル5(図2参照。)に表示する(ステップS126)。
【0033】
そして、ファクシミリ装置1は、タイマーを設定し(ステップS127)、ストップキーが押されるか(ステップS128)、オンフックされるか(ステップS129)、タイマーが満了するまで待つ(ステップS129)。タイマーが満了すると、ファクシミリ装置1は、次のエラーコードをセットし、エラーメッセージをLCDパネル5に表示する(ステップS126)。
【0034】
図6はインクフィルムなしエラーに対する対処手順メッセージとしてのインクフィルム交換音声案内起動のフローチャートである。
【0035】
図6において、ファクシミリ装置1は、図3から図6のイベント処理を実行(ステップS200)した後、操作パネル2が開かれたかどうか確認し(ステップS201)、開かれている場合には前回開いていたかどうかを確認する(ステップS202)。ここで、前回開かれていない場合にはエラー発生後の最初の操作パネル2のオープンであると判断し、インクフィルム交換音声案内を起動する(ステップS203)。
【0036】
図7はインクフィルム交換音声案内起動処理のフローチャートである。
【0037】
図7において、ファクシミリ装置1は、再生モード設定手段15による設定内容を確認
することによりインクフィルム交換音声案内設定の有無を確認する(ステップS210)。インクフィルム交換音声案内が無しに設定されている場合は、処理を終了する。インクフィルム音声案内が有りに設定されている場合、「おやすみモード」中であるかどうか確認し(ステップS211)、「おやすみモード」中である場合は処理を終了する。「おやすみモード」中でない場合は、エラー情報記憶手段12からエラー情報を取得することによりインクフィルムなしのエラーが発生しているかどうか確認する(ステップS212)。そして、ファクシミリ装置1は、インクフィルム交換音声案内を行って良い状態かどうか(ダイヤル発呼中でないか、原稿引き込み中でないか、ベル鳴動中でないか等)をチェックし(ステップS213)、OKであれば(ステップS214)、次のインクフィルム交換音声案内処理を実行する(ステップS215)。
【0038】
図8はインクフィルム交換音声案内処理のフローチャートである。
【0039】
図8において、ファクシミリ装置1は、LCDパネル5へインクフィルム交換音声案内を中止する場合はストップキーを押す旨を表示する(ステップS220)。そして、発生しているエラーに応じた対処手順メッセージを音声案内するため、そのエラーコードを指定(ステップS221)して音声案内再生処理を起動する(ステップS222)。音声案内再生処理では、音声再生手段14が、音声情報記憶手段10からエラーコードに対応する対処手順メッセージを含む音声情報を取得し、再生する。
【0040】
そして、ファクシミリ装置1は、ストップキーが押されるか(ステップS223)、操作パネル2が閉じられるか(ステップS224)した場合、音声案内再生処理を停止し(ステップS226)、LCDパネル5の表示を消去する(ステップS227)。また、ストップキーが押されず(ステップS223)、操作パネル2も閉じられない(ステップS224)場合、音声案内再生処理が動作中かどうか確認し(ステップS225)、音声案内再生処理が動作中の場合にはステップS223へ戻る。音声案内再生処理が動作中でない場合、LCDパネル5の表示を消去する(ステップS227)。
【0041】
なお、ステップS225における音声案内再生処理が動作中かどうかの確認は、音声再生手段14は、各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報の再生を、予め設定されたリピート回数だけ繰り返し行ったかどうかを確認するものである。
【0042】
以上のように、本実施の形態におけるファクシミリ装置1では、音声再生手段14によって、エラー発生認識手段11により各エラーの発生が認識された際に音声情報記憶手段10に格納された各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報が再生されるとともに、各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後であってパネル開閉検出手段13により各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に音声情報記憶手段10に格納された各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報が再生される。
【0043】
したがって、本実施の形態におけるファクシミリ装置1では、エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、エラー通知メッセージの再生後、ユーザが各エラーに応じた対処を行うため、各エラーの発生に対応する箇所のパネル、例えば操作パネル2を開くと、各エラーに応じた対処手順メッセージが再生されるので、ユーザはリアルタイムで各エラーの対処手順を聞きながら作業することが可能である。
【0044】
また、本実施の形態におけるファクシミリ装置1は、音声再生手段14による音声再生を許可または不許可に設定する再生モード設定手段15を備え、エラー発生時に再生モード設定手段15により設定された音声再生の許可または不許可の状態に応じて音声情報の再生が行われるので、不必要時に音声情報が再生されるのを防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態におけるファクシミリ装置1では、各エラーの発生時のエラー通知メッセージの再生が各エラーの発生に対応する箇所のパネルが閉じられたことが検出されるまで繰り返し行われる。そのため、ユーザは、各エラーの発生に対応する箇所のパネルを閉じるまでの間は各エラーに応じた対処手順メッセージが繰り返し再生されるので、この間はリアルタイムで対処手順を繰り返し聞きながら作業することが可能である。
【0046】
また、本実施の形態におけるファクシミリ装置1では、各エラーの発生時のエラー通知メッセージの再生が予め設定されたリピート回数だけ繰り返し行われるので、ユーザは、この予め設定されたリピート回数だけ対処手順メッセージが繰り返し再生される間はリアルタイムで対処手順を繰り返し聞きながら作業することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の電子装置およびその制御方法は、コピー装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置やこれらの複合装置等の電子装置に有用である。特に、本発明は、エラー発生時にユーザが各エラーに応じた対処を行うに際し、リアルタイムで対処手順を聞きながら作業することが可能な電子装置およびその制御方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態における電子装置としてのファクシミリ装置のブロック図
【図2】ファクシミリ装置のパネルを開けてインクフィルムを交換する様子を示す斜視図
【図3】イベント処理のフローチャート
【図4】エラー音声案内起動処理のフローチャート
【図5】エラー音声案内処理のフローチャート
【図6】インクフィルム交換音声案内起動のフローチャート
【図7】インクフィルム交換音声案内起動処理のフローチャート
【図8】インクフィルム交換音声案内処理のフローチャート
【符号の説明】
【0049】
1 ファクシミリ装置
2 操作パネル
3 リアパネル
4 インクフィルム
5 LCDパネル
10 音声情報記憶手段
11 エラー発生認識手段
12 エラー情報記憶手段
13 パネル開閉検出手段
14 音声再生手段
15 再生モード設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各エラーに応じたエラー通知メッセージおよび各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を格納する音声情報記憶手段と、
前記各エラーの発生を認識するエラー発生認識手段と、
前記各エラーの発生に対応する箇所のパネルの開閉を検出するパネル開閉検出手段と、
前記エラー発生認識手段により前記各エラーの発生が認識された際に前記音声情報記憶手段に格納された前記各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するとともに、前記各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後であって前記パネル開閉検出手段により前記各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に前記音声情報記憶手段に格納された前記各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を再生する音声再生手段と
を備えた電子装置。
【請求項2】
前記各エラーの発生状況に関する情報を記録するエラー情報記憶手段を備え、
前記エラー発生認識手段は、前記各エラーの発生を認識した際、前記各エラーの発生状況に関する情報を前記エラー情報記憶手段に記録するものであり、
前記音声再生手段は、前記エラー情報記憶手段を参照することにより前記各エラーに応じた音声情報を前記音声情報記憶手段から取得して再生するものである
請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記音声再生手段による音声再生を許可または不許可に設定する再生モード設定手段を備え、
前記音声再生手段は、前記再生モード設定手段による前記音声再生の許可または不許可の設定に応じて前記音声情報の再生を行うものである
請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記音声再生手段は、前記各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報の再生を、前記パネル開閉検出手段により前記各エラーの発生に対応する箇所のパネルが閉じられたことが検出されるまで繰り返し行うものである請求項1から3のいずれかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記音声再生手段は、前記各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報の再生を、予め設定されたリピート回数だけ繰り返し行うものである請求項1から4のいずれかに記載の電子装置。
【請求項6】
前記各エラーの発生を認識するエラー発生認識ステップと、
同エラー発生認識ステップにおいて前記各エラーの発生が認識された際に前記各エラーに応じたエラー通知メッセージを含む音声情報を再生するエラー通知メッセージ再生ステップと、
同エラー通知メッセージ再生ステップにおける前記各エラーに応じたエラー通知メッセージの再生後、前記各エラーの発生に対応する箇所のパネルの開閉を検出するパネル開閉検出ステップと、
同パネル開閉検出ステップにおいて前記各エラーの発生に対応する箇所のパネルが開かれたことが検出された際に前記各エラーに応じた対処手順メッセージを含む音声情報を再生する対処手順メッセージ再生ステップと
を含む電子装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−36409(P2007−36409A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213685(P2005−213685)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】