説明

電子部品の実装状態検査方法、実装状態検査装置、及び基板

【課題】従来のパターンマッチングでは電子部品の実装位置の認識が難しい場合であっても、実装位置の特定を可能にして、電子部品の実装状態を検査することが可能な電子部品の実装状態検査方法、実装状態検査装置、及び基板を提供する。
【解決手段】基板1に実装された電子部品2の実装状態検査方法は、基板1に実装される前又は実装された後の電子部品2に着色によって識別用マークMrを付し、基板1の実装面1aを撮像し、撮像した画像に基づいて、電子部品2に付された識別用マークMrの位置を色により認識し、認識した識別用マークMrの位置が電子部品2の実装位置であると特定し、特定された電子部品2の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、電子部品2の実装状態が不良であると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装状態検査方法、実装状態検査装置、及び基板に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に実装された電子部品の実装状態を検査する方法には、基板の実装面の外観に基づいて実装状態が不良であるか否かの判定を行う外観検査法があり、これを自動的に行うために、基板の実装面を上方に設けられたカメラ(撮像手段)で撮像し、撮像した画像を画像処理することにより、実装状態が不良であるか否かを判定する電子部品の実装状態検査装置が用いられている。
【0003】
このような従来の電子部品の実装状態検査装置は、電子部品を単体で撮像した画像データおよびその電子部品の実装状態が良好な場合の実装位置データをメモリ(記憶部)に予め記憶しておき、検査対象の電子部品を撮像した画像と記憶した画像データとをパターンマッチング(例えば画素単位で両画像を比較し一致度を算出する方法が挙げられる)を用いて比較することによって検査対象の電子部品の実装位置を特定し、特定した実装位置と記憶した良品の実装位置データとに基づいて検査対象部品の実装状態が不良であるか否かを判定している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−42112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基板に実装される電子部品には、(1)実装後の電子部品を透明樹脂等の透明被覆剤でコーティングして耐環境性を高めたものや、(2)電子部品のリード等の取付脚を基板のランドに挿入し裏面でハンダ付けを行って電子部品が起立した状態で固定されるディスクリート部品や、(3)ペースト状のハンダを塗布した基板に電子部品を載置して加熱によりハンダを溶融させて固定される表面実装部品がある。
【0006】
上記のパターンマッチングを用いた従来の電子部品の実装状態検査装置は、位置ズレが基板の実装面の平面方向に限られて、カメラから見た電子部品の形状の変化が極めて少ない上記(3)の表面実装部品の検査には有効なものである。
【0007】
しかしながら、上記(1)の透明被覆剤でコーティングした電子部品では、コーティング工程で部品に力が加わり易い上に、透明被覆剤による光の反射、屈折や光沢の変化等により、カメラから見た電子部品の見掛け上の形状が大きく変化してしまい、また、上記(2)のディスクリート部品では、部品が傾くとカメラから見た電子部品の形状が大きく変化してしまい、何れの場合にもパターンマッチングにおける上記の一致度が著しく低下してしまうため、パターンマッチングを用いた従来の電子部品の実装状態検査装置では電子部品を認識できないという課題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、従来のパターンマッチングを用いた電子部品の実装位置の認識が難しい場合であっても、実装位置の特定を可能にして、電子部品の実装状態を検査することが可能な電子部品の実装状態検査方法、実装状態検査装置、及び基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0010】
すなわち、本発明の電子部品の実装状態検査方法は、基板に実装された電子部品の実装状態を検査する検査方法であって、前記基板の実装面を撮像する撮像工程と、撮像した画像に基づいて、前記電子部品の実装位置を特定する位置特定工程と、特定された電子部品の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、当該電子部品の実装状態が不良であると判定する判定工程とを含むとともに、前記基板に実装される前又は実装された後の電子部品に着色によって識別用マークを付するマーク付加工程をさらに備えてなり、前記位置特定工程は、前記電子部品に付された識別用マークの位置を色により認識し、認識した識別用マークの位置が当該電子部品の実装位置であると特定することを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、着色によって付した識別用マークを用いることで電子部品の実装位置を特定することができる。特に、実装部品が傾いて見掛け上の形状が変化したり、電子部品に塗布した透明樹脂の光沢によって実装位置の認識が困難になる等、従来のパターンマッチングを用いて電子部品の実装位置の認識が難しい場合であっても、効果的な着色を施すことによって電子部品の実装位置を特定することが可能となる点が有効である。
【0012】
電子部品が実装されるべき基準位置からの位置ズレによる実装不良を検出するためには、前記比較対象位置は、前記位置特定工程により特定された電子部品の実装位置に対して、予め設定された当該電子部品の良好な実装状態の実装位置であり、前記判定工程は、前記特定された電子部品の実装位置と前記比較対象位置との距離が、予め定めた判定基準閾値である位置ズレ閾値よりも大きい場合に、当該電子部品に位置ズレによる実装不良があると判定する位置ズレ判定工程を含むのが望ましい。
【0013】
隣接する電子部品同士の間隔による実装不良を検出するためには、前記比較対象位置は、前記位置特定工程により特定された複数の電子部品の実装位置のうち、一の電子部品の実装位置に対して、当該電子部品に隣接する電子部品の実装位置であり、前記判定工程は、両電子部品の実装位置間の距離が予め定めた判定基準閾値である間隔閾値よりも小さい若しくは大きい場合に、両電子部品に間隔による実装不良があると判定する間隔判定工程を含むのが望ましい。
【0014】
従来のパターンマッチングでは電子部品の実装位置の特定が難しかった、リード等の取付脚を介して起立状態で実装される電子部品の実装状態を判定するためには、前記マーク付加工程は、前記基板に実装される前又は実装された後の電子部品の反基板側端部に前記識別用マークを付するのが有効である。
【0015】
電子部品の実装状態の不良判定の判定基準を柔軟に変更して、種々の電子部品に対して本発明の検査方法を適用するためには、前記判定工程に、若しくは当該判定工程に関連付けて、前記判定基準閾値を変更する判定基準変更工程をさらに備えるのが好ましい。
【0016】
対処すべき電子部品を特定して、次工程を円滑に進めるためには、前記判定工程によって実装不良があると判定された場合に、当該電子部品の位置を表示する表示工程をさらに備えるのが好ましい。
【0017】
以上の電子部品の実装状態検査方法を有効に実施するために、次に述べる外観検査による電子部品の実装状態検査装置を用いるのが好ましい。
【0018】
すなわち、本発明に係る電子部品の実装状態検査装置は、基板に実装された電子部品の実装状態を検査する検査装置であって、前記基板に実装される電子部品に着色によって識別用マークを付するマーク付加手段と、前記基板の実装面を撮像する撮像手段と、撮像した画像に基づいて、前記電子部品に付された識別用マークの位置を色により認識し、認識した識別用マークの位置が当該電子部品の実装位置であると特定する位置特定手段と、特定された電子部品の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、当該電子部品の実装状態が不良であると判定する判定手段とを具備してなる構成が挙げられる。
【0019】
このような構成によれば、マーク付加手段によって着色した識別用マークを用い、撮像手段、位置特定手段および判定手段を通じて電子部品の実装位置を効率よく適切に特定することができる。特に、実装部品が傾いて見掛け上の形状が変化したり、電子部品に塗布した透明樹脂の光沢によって実装位置の認識が困難になる等、従来のパターンマッチングを用いて電子部品の実装位置の認識が難しい場合であっても、効果的な着色を施すことによって電子部品の実装位置を特定することが可能となる。
【0020】
また、識別用マークを自動で付加するか否かとは別に、判定漏れに至るような実装不良をも精度良く判定するためには、本発明に係る電子部品の実装状態検査装置は、基板に実装された電子部品の実装状態を検査する検査装置であって、前記基板の実装面を撮像する撮像手段と、撮像した画像に基づいて、前記電子部品に着色により付された識別用マークの位置を色により認識し、認識した識別用マークの位置が当該電子部品の実装位置であると特定する位置特定手段と、特定された電子部品の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、当該電子部品の実装状態が不良であると判定する判定手段とを具備してなり、前記判定手段は、前記比較対象位置を、前記位置特定手段により特定された電子部品の実装位置に対して、予め設定された当該電子部品の良好な実装状態での実装位置とし、前記特定された電子部品の実装位置と前記比較対象位置との距離が、予め定めた判定基準閾値である位置ズレ閾値よりも大きい場合に、当該電子部品に位置ズレによる実装不良があると判定する位置ズレ判定手段と、前記比較対象位置を、前記位置特定手段により特定された複数の電子部品の実装位置のうち、一の電子部品の実装位置に対して、当該電子部品に隣接する電子部品の実装位置とし、両電子部品の実装位置間の距離が予め定めた判定基準閾値である間隔閾値よりも小さい若しくは大きい場合に、両電子部品に間隔による実装不良があると判定する間隔判定手段とを含む構成が挙げられる。
【0021】
さらに、電子部品の実装状態の不良判定の判定基準を柔軟に変更して、種々の電子部品に対して本発明の検査方法を適用するためには、電子部品の実装状態検査装置は、前記判定基準閾値を変更する判定基準変更手段をさらに備えるのが好ましい。
【0022】
電子部品の実装位置を確実に特定するためには、基板は、実装された電子部品の頂部に着色により位置識別用マークが付されてなることが効果的である。
【0023】
従来のパターンマッチングでは電子部品の実装位置の特定が難しかった、電子部品が基板にリード等の取付脚を介して起立状態で実装されている基板の場合には、実装された電子部品の頂部に着色により位置識別用マークが付されていることが効果的である。
【0024】
従来のパターンマッチングでは電子部品に塗布した透明被覆剤の光沢によって電子部品の実装位置の特定が難しかった、光沢を有する透明被覆剤でコーティングされた電子部品が実装された基板の場合にも、実装された電子部品の頂部に着色により位置識別用マークが付されていることが効果的である。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、以上説明した構成であるから、従来のパターンマッチングでは電子部品の実装位置の認識が難しい場合であっても、実装位置を特定でき、電子部品の実装状態を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板に実装された電子部品を示す正面図および側面図。
【図2】電子部品の実装状態検査方法の一部である設定工程を示すフローチャート。
【図3】電子部品の実装状態検査方法の一部である検査工程を示すフローチャート。
【図4】図1に示す電子部品を撮像した画像、及び、その画像に基づき実装状態を判定するアルゴリズムに関する説明図。
【図5】図1に示す電子部品の実装状態を検査する電子部品の実装状態検査装置を表す概略構成図。
【図6】図5に示す実装状態検査装置を示す機能ブロック図。
【図7】図5に示す実装状態検査装置の制御手段で実行される設定処理ルーチンを示すフローチャート。
【図8】図5に示す実装状態検査装置の制御手段で実行される検査処理ルーチンを示すフローチャート。
【図9】図5に示す実装状態検査装置の制御手段で実行される検査処理ルーチンを示すフローチャート。
【図10】本発明の別の実施形態に係る電子部品の実装状態検査装置を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る電子部品2が実装された基板1について説明する。
【0028】
図1の正面図に示すように、基板1は、その実装面1aに複数の電子部品2が実装されるものである。電子部品2は、部品本体2aの両サイドにリード2bが設けられている横形のアキシャル部品を、一方のリード2bを折り曲げることによりリード2bの先端を他方のリード2bとともに実装面1a側に向けて縦形のラジアル部品としたものである。電子部品2は、リード2bを基板1に設けられた図示しないランド(穴)に挿入して、裏面からハンダ付けにより基板1に固定(実装)されている。このように、電子部品2は、占有する実装面積を低減するために、基板1に取付脚と端子を兼ねる2本のリード2bを介して起立状態で実装されるものである。この電子部品2は、例えば抵抗器のようなディスクリート部品である。
【0029】
電子部品2の反基板側の端部2c(頂部2c)には、筆、ハケ、マーカーペン、ローラ等の塗料着色手段Brを用いて赤などの有彩色の塗料Ccが塗布され、着色による識別用マークMrが付されている。識別用マークMrは、付された箇所が識別可能なマークであり、具体的には、基板1及び電子部品2が有する色相とは異なる色相、すなわち基板1及び電子部品2が有する色とは異なる色の塗料Ccを用いることにより識別に効果的な着色を行ったものである。この意味で、かかる識別用マークMrは、抵抗器に付与されて抵抗値を示すカラーコード等とも異なり、「色」が電子部品2の機能を表わしているものでもない。よって、本実施形態では基板1上にマウントされる電子部品2の全てに同一色を付与しても所期の目的を達成し得るものである。
【0030】
このように、識別用マークMrを電子部品2の反基板側の端部2c(頂部2c)に付すことにより、図1の側面図に示すように、実装状態が良好な良好実装位置Pokと、検査対象の電子部品2の検査対象実装位置Pobjとの距離(以下、位置ズレDzともいう)に基づいて、検査対象の電子部品2に位置ズレによる実装不良が存在するか否かを判定することが可能になると共に、検査対象の電子部品2の検査対象実装位置Pobjと、隣接する電子部品2の隣接実装位置P1との距離(以下、部品間隔Dbともいう)に基づいて、両電子部品2に間隔による実装不良が存在するか否かを判定することが可能になる。
【0031】
識別用マークMrを付する箇所を電子部品2の反基板側の端部2c(頂部2c)にしているのは、電子部品2を基板1に実装した後であっても容易に識別用マークMrを付することができると共に、基板1に起立状態で実装される電子部品2では、2本のリード2bを結ぶ線と交叉する方向へ当該電子部品2が傾く(倒れる)ことにより、良好な良好実装位置Pokとのズレが大きくなり、上方のカメラ(撮像手段)からでは検出し難い電子部品2の傾きを検出することが可能になるからである。
【0032】
なお、識別用マークMrを付するタイミングは、電子部品2が基板1に実装される前であってもよいし、電子部品2が基板1に実装された後であっても良い。また、基板に実装された電子部品を透明樹脂等の透明被覆剤でコーティングする場合にも同様に識別用マークMrを付するが、透明被覆剤でコーティングを行った後に識別用マークMrを付してもよいし、透明被覆剤でコーティングを行う前に識別用マークMrを付してもよい。
【0033】
次に、本発明の一実施形態に係る基板1に実装される電子部品2の実装状態を検査する電子部品の実装状態検査方法について図2〜図9を用いて説明する。この電子部品の実装状態検査方法は、検査作業者が主体となって実施するものであり、一部の工程を図5に示す電子部品の実装状態検査装置10を用いて自動的に行うものであり、設定工程と、検査工程とを含んで構成されている。図5に示す電子部品の実装状態検査装置10については後述する。
【0034】
設定工程は、検査対象の電子部品2の実装状態を判定するにあたり、その判定基準を図5に示す実装状態検査装置10に対して設定する工程である。具体的には、図2に示すように、まず、基板1に対して良好な実装状態で実装された電子部品2に、図1に示す塗料着色手段Brを用いて塗料Ccを手動で塗って着色し、識別用マークMrを付加する(A1)。次に、実装状態検査装置10の載置台15の一定箇所に基板1を載置(セット)する(A2)。次に、後述する図7に示す設定処理ルーチンを実装状態検査装置10で実行させ、操作部16を介して実装状態検査装置10に判定基準を設定する(A3)。
【0035】
検査工程は、上記の設定工程で実装状態検査装置10に対して設定した判定基準を用いて、検査対象の電子部品の実装状態が不良であるか否かを判定する工程である。具体的には、図3に示すように、まず、検査対象の電子部品2に、検査作業者が塗料着色手段Brを用いて塗料Ccを着色し、識別用マークMrを付加する(B1:マーク付加工程)。次に、実装状態検査装置10の載置台15に基板1を載置(セット)する(B2)。次に、後述する検査処理ルーチンを実装状態検査装置10で実行させ、表示手段13に表示される判定結果を確認する(B3)。このように、設定工程においても検査工程においても手動で電子部品2に対する識別用マークMrの着色(付加)を行っているが、電子部品2の反基板側の端部2c(頂部2c)に塗料Ccを付着させることによって識別用マークMrを付しているために、手動で行っても識別用マークMrの認識に対する影響を極めて少なくすることができる。
【0036】
次に、電子部品2を撮像した画像に基づいて、電子部品2の実装位置を特定するため、及び、電子部品2の実装状態を判定するために用いるアルゴリズムについて、図4を用いて説明する。図4に示す撮像画像は、基板1の実装面1aをその上方から撮像した画像であり、電子部品2の部品本体2aやリード2bや識別用マークMrが写っているものである。電子部品2の実装位置の特定は、この撮像画像における全ての画素のうち識別用マークMrがある箇所の画素のみを1、他の画素を0とする二値化画像を作成して識別用マークMrの位置を特定し、特定した識別用マークMrの重心位置Moを算出して、この重心位置Moが電子部品2の実装位置であると特定する。設定工程では、特定した実装位置を良好実装位置Pokとして記憶手段18(メモリ)に記憶し、併せて隣接する部品に関する情報等を設定記憶する。
【0037】
電子部品2の実装状態の判定は、上記の実装位置の特定を行い、特定した実装位置Pobjと設定工程で記憶した良好実装位置Pokとの距離(位置ズレDz)が、所定距離(位置ズレ閾値Dz0)よりも大きい場合に位置ズレによる実装不良があると判定する。また、検査工程では、特定した実装位置Pobjと、同様に特定された隣接する部品の実装位置P1との間隔(部品間隔Db)が所定距離(間隔閾値Db0)よりも小さい場合に間隔による実装不良があると判定する。
【0038】
次に、本発明の一実施形態に係る電子部品の実装状態検査装置10について図5及び図6を用いて説明する。電子部品の実装状態検査装置10は、実装面1aに図5では図示されていない電子部品2が実装された基板1を載置する載置台15と、載置台15の上方に設けられ載置された基板1を照らす照明14と、載置台15の上方に設けられ基板1の実装面1aを撮像するカメラ等の撮像手段12と、撮像手段12で撮像した画像データを入力し、電子部品の実装状態が不良であるか否かを判定する、図示しないCPUやメモリ等からなる制御手段11と、制御手段11に操作を入力する操作部16と、制御手段11に対して電気的に接続され外部に種々の情報を出力する表示手段13(ディスプレイ等の画像表示部13a、プリンタ等の印刷出力部13b)とを有している。
【0039】
制御手段11は、図6に示すように、位置特定手段17と、記憶手段18と、判定手段19と、判定基準変更手段22と、表示制御手段23とを有している。
【0040】
位置特定手段17は、撮像手段12が撮像した図4に示す撮影画像に基づいて電子部品2の実装位置Pobjを特定するものであり、撮像画像における所定色の画素を抽出して、抽出した画素から実装位置Pobjを特定する。
【0041】
記憶手段18は、良好な実装状態の実装位置である良好実装位置Pokに関するデータや、実装不良であるか否かの判定基準である判定基準閾値(位置ズレDzによる実装不良があるかを判定する場合に用いる位置ズレ閾値Dz0や、部品間隔Dbによる実装不良であるかを判定する場合に用いる間隔閾値Db0等が含まれる)や、検査対象となる電子部品2の検索範囲である処理ウインドウWin等のその他判定条件等を記憶している。これらは主に検査作業者が行う設定工程において操作部16を介して設定されて、記憶手段18に記憶される。
【0042】
図6に示す判定手段19は、位置ズレ判定手段20と、間隔判定手段21とを有しており、位置特定手段17が特定した検査対象である電子部品2の実装位置Pobjと、記憶手段18の位置ズレDzや部品間隔Dbに関する記憶データとに基づいて、検査対象である電子部品2に実装不良があるか否かの判定を行う。具体的には、位置ズレ判定手段20は、位置特定手段17が特定した実装位置Pobjと、記憶手段18に記憶される良好な実装状態の良好実装位置Pokに関するデータ及び位置ズレ閾値Dz0とに基づいて、位置ズレによる実装不良の有無を判定する。間隔判定手段21は、位置特定手段17が特定した各電子部品2の実装位置Pobjと、記憶手段18に記憶される間隔閾値Db0とに基づいて、間隔による実装不良の有無を判定する。
【0043】
表示制御手段23は、判定手段19の判定結果を表示手段13に表示させる。例えば、表示制御手段23は、実装不良がないと判定された場合には、その旨を画像表示部13aに表示させ、位置ズレによる実装不良があると判定された場合には、実装不良がある電子部品2単体の位置を画像表示部13aに表示させ、間隔による実装不良があると判定された場合には、実装不良がある複数の電子部品2の位置を関連づけて表示する。このように、次工程を円滑に進め易いように、実装不良の原因に応じて実装不良の電子部品2の位置の表示態様を変更している。
【0044】
判定基準変更手段22は、記憶手段18に記憶される良好な実装状態の実装位置同士の間隔に基づいて、判定手段19で用いられる位置ズレ閾値Dz0や間隔閾値Db0などの判定基準閾値を増減して補正し、判定基準閾値を変更するものである。位置ズレ閾値Dz0や間隔閾値Db0などの判定基準閾値は、電子部品2の間隔に応じて個々に適切に設定するのが好ましいが、この設定には時間を多く要するため、全ての部品に対して一様に設定されがちであり、一様に設定された場合であっても、判定基準変更手段22により、隣接する部品の間隔に応じた所定段階の補正値を用いて判定基準閾値が変更される。
【0045】
次に、実装状態検査装置10の動作について説明する。実装状態検査装置10は、操作部16で設定開始操作がなされると、図7に示す設定処理ルーチンを制御手段11のCPUで実行する。
【0046】
設定処理ルーチンが実行されると、まず、制御手段11は、載置台15に載置されている基板1の実装面1aを撮像手段12で撮像する(C1)。次に、撮像した画像の画素データをHLS成分に変換する(C2)。HSL成分は、色相、彩度、輝度の3成分からなる色情報を数値化したものであり、色相の数値差を用いると、本発明の塗料着色による識別用マークMrを識別するための処理が簡素化し易いために用いているものである。次に、HSL成分に基づいて識別用マークMrの色相値と所定範囲の色相値を有する画素を1、その他の画素を0として画像の二値化処理を行う(C3)。次に、ラベリング処理を行って1である画素の塊ごとに複数のグループに分類し、複数の電子部品を特定する(C4)。次に、グループ化した(ラベル付けした)グループ毎に(すなわち電子部品2毎に)、その重心位置Moを特定する(C5)。次に、操作部16を介して電子部品2毎に設定データの設定を受け付ける(C6)。設定データは、その部品名、特定した重心位置、処理ウインドウWin、位置ズレ閾値Dz0、隣接する部品名、間隔閾値Db0などがある。
【0047】
また、実装状態検査装置10は、操作部16で検査開始操作がなされると、図8〜図9に示す検査処理ルーチンを制御手段11のCPUで実行する。
【0048】
検査処理ルーチンが実行されると、まず、制御手段11は、載置台15に載置されている基板1の実装面1aを撮像手段12で撮像する(D1)。次に、撮像した画像の画素データをHLS成分に変換する(D2)。次に、HSL成分に基づいて識別用マークMrの色相値と所定範囲の色相値を有する画素を1、その他の画素を0として画像の二値化処理を行う(D3)。
【0049】
次に、記憶手段18に記憶されている電子部品2の設定データを読み出し、全部品の設定データ毎にD5〜D7の処理を繰り返す(D4)。すなわち、先ず処理ウインドウWin内に位置する二値化処理した1である画素の重心位置Moを特定し、記憶する(D5)。なお、処理ウインドウWin内に1である画素が存在しない場合は、位置ズレによる実装不良と判定する。次に、設定データの隣接する部品との間隔に応じた位置ズレ閾値Dz0に変更する(D6)。次に、設定データの良好な実装状態の重心位置(良好実装位置Pok:比較対象位置)と、D5の処理で特定した重心位置Mo(検査対象実装位置Pobj)とを比較し、両重心位置の距離(位置ズレDz)が位置ズレ閾値Dz0より大きい場合は、位置ズレによる実装不良があると判定する(D7)。次に、全部品の設定データによる判定を行ったか否かを判定し(D8)、行っていないと判定した場合には(D8:NO)、D4の処理の実行に戻る。
【0050】
一方、D8の処理において、全部品の設定データによる判定を行っていると判定した場合には(D8:YES)、再度、記憶手段18に記憶されている電子部品の設定データを読み出し、図9に示すように、全部品の設定データ毎にD10〜D12の処理を繰り返す(D9)。すなわち、先ずD5の処理で記憶した重心位置Moを用いて、設定データに対応した電子部品2の重心位置(検査対象実装位置Pobj)と、その部品に隣接する部品の隣接実装位置P1(比較対象位置)とを特定し、両重心位置の距離(部品間隔Db)を特定する(D10)。次に、設定データの隣接する部品との間隔に応じた間隔閾値Db0に変更する(D11)。次に、D10で特定した両重心位置の距離(部品間隔Db)が間隔閾値Db0より小さい場合には、間隔による実装不良があると判定する(D12)。次に、全部品の設定データによる判定を行ったか否かを判定し(D13)、行っていないと判定した場合には(D13:NO)、D9の処理の実行に戻る。
【0051】
一方、D13の処理において、全部品の設定データによる判定を行っていると判定した場合には(D13:YES)、実装不良と判定された電子部品2が存在するか否かを判定する(D14)。実装不良と判定された電子部品2が存在すると判定した場合には(D14:YES)、表示手段13に実装不良と判定された電子部品2の位置を表示する(D15)。一方、実装不良と判定された電子部品2が存在しないと判定した場合には(D14:NO)、表示手段13に実装不良と判定された電子部品2がない旨を表示する(D16)。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る電子部品の実装状態検査方法は、基板1に実装された電子部品2の実装状態を検査する検査方法であって、基板1の実装面1aを撮像する撮像工程(ステップD1)と、撮像した画像に基づいて、電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)を特定する位置特定工程(ステップD2〜D5)と、特定された電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)と他の比較対象位置(良好実装位置Pok、隣接実装位置P1)との距離(位置ズレDz、部品間隔Db)が予め設定した判定基準閾値(位置ズレ閾値Dz0、間隔閾値Db0)を超えた場合に、電子部品2の実装状態が不良であると判定する判定工程(ステップD7、D10、D12)とを含むとともに、基板1に実装される前又は実装された後の電子部品2に着色によって識別用マークMrを付するマーク付加工程(ステップB1)をさらに備えてなり、位置特定工程は、電子部品2に付された識別用マークMrの位置を色により認識し、認識した識別用マークMrの位置が電子部品2の実装位置であると特定することを特徴とする。
【0053】
このような構成によれば、着色によって付した識別用マークMrを用いることで電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)を特定することができる。特に、電子部品2に塗布した透明樹脂の光沢によって実装位置の認識が困難になる等、従来のパターンマッチングを用いて電子部品2の実装位置の認識が難しい場合であっても、効果的な着色を施すことによって電子部品2の実装位置を特定することが可能となる点が有効である。
【0054】
また、比較対象位置は、位置特定工程により特定された電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)に対して、予め設定された電子部品2の良好な実装状態の実装位置(良好実装位置Pok)であり、判定工程は、特定された電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)と比較対象位置(良好実装位置Pok)との距離(位置ズレDz)が、予め定めた判定基準閾値である位置ズレ閾値Dz0よりも大きい場合に、電子部品2に位置ズレによる実装不良があると判定する位置ズレ判定工程(ステップD7)を含むようにすると、電子部品2が実装されるべき基準位置(良好実装位置Pok)からの位置ズレによる実装不良を検出することができる。
【0055】
また、比較対象位置は、位置特定工程により特定された複数の電子部品2の実装位置のうち、一の電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)に対して、電子部品2に隣接する電子部品2の実装位置(隣接実装位置P1)であり、判定工程は、両電子部品2の実装位置間の距離(部品間隔Db)が予め定めた判定基準閾値である間隔閾値Db0よりも小さい若しくは大きい場合に、両電子部品2に間隔による実装不良があると判定する間隔判定工程(ステップ10、12)を含むようにすると、隣接する電子部品同士の間隔による実装不良を検出することができる。
【0056】
特に、リード2bを介して起立状態で実装される電子部品2は、リード2bが傾くことによって電子部品2の位置ズレが生じ易く、電子部品2同士の間隔も変化し易い上に、撮像手段12から見た見掛け上の形状が大きく変化するために、従来のパターンマッチングでは電子部品2の実装位置の特定が難しかったが、マーク付加工程(ステップB1)は、基板1に実装される前又は実装された後の電子部品2の反基板側端部2cに識別用マークMrを付するので、リード2bを介して起立状態で実装される電子部品2の実装位置を特定でき、実装状態を判定することができる。
【0057】
さらに、判定工程に、若しくは判定工程に関連付けて、判定基準閾値(位置ズレ閾値Dz0、間隔閾値Db0)を変更する判定基準変更工程(ステップD6、D11)をさらに備えると、電子部品2の実装状態の不良判定の判定基準を柔軟に変更して、種々の電子部品に対して本発明の検査方法を適用することができる。
【0058】
さらに、判定工程によって実装不良があると判定された場合に、電子部品2の位置を表示する表示工程(ステップD15)をさらに備えると、対処すべき電子部品2を特定でき、次工程を円滑に進めることができる。
【0059】
本実施形態に係る電子部品の実装状態検査装置10は、基板1に実装された電子部品2の実装状態を検査する検査装置であって、基板1の実装面1aを撮像する撮像手段12と、撮像した画像に基づいて、電子部品2に着色により付された識別用マークMrの位置を色により認識し、認識した識別用マークMrの位置が電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)であると特定する位置特定手段17と、特定された電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)と他の比較対象位置(良好実装位置Pok、隣接実装位置P1)との距離(位置ズレDz、部品間隔Db)が予め設定した判定基準閾値(位置ズレ閾値Dz0、間隔閾値Db0)を超えた場合に、電子部品2の実装状態が不良であると判定する判定手段19とを具備してなり、判定手段19は、比較対象位置を、位置特定手段17により特定された電子部品の実装位置(検査対象実装位置Pobj)に対して、予め設定された電子部品2の良好な実装状態での実装位置(良好実装位置Pok)とし、特定された電子部品の実装位置(検査対象実装位置Pobj)と比較対象位置(良好実装位置Pok)との距離(位置ズレDz)が、予め定めた判定基準閾値である位置ズレ閾値Dz0よりも大きい場合に、電子部品2に位置ズレによる実装不良があると判定する位置ズレ判定手段20と、比較対象位置を、位置特定手段17により特定された複数の電子部品2の実装位置のうち、一の電子部品2の実装位置(検査対象実装位置Pobj)に対して、電子部品2に隣接する電子部品2の実装位置(隣接実装位置P1)とし、両電子部品の実装位置間の距離(部品間隔Db)が予め定めた判定基準閾値である間隔閾値Db0よりも小さい若しくは大きい場合に、両電子部品に間隔による実装不良があると判定する間隔判定手段21とを含む構成であるので、判定手段19を位置ズレ判定手段20と間隔判定手段21とから構成することで、例えば良好な実装位置に実装されているものの隣接する電子部品と接触している等の間隔不良に至っている場合や、隣接する電子部品との間隔は確保されているものの良好な実装位置に実装されていない場合等、両判定手段のいずれか一方だけで電子部品が実装不良であるか否かを判定したならば判定漏れに至るような実装不良をも精度良く判定することができる。
【0060】
また、電子部品の実装状態検査装置10は、判定基準閾値(位置ズレ閾値Dz0、間隔閾値Db0)を変更する判定基準変更手段22をさらに備えるので、電子部品2の実装状態の不良判定の判定基準を柔軟に変更して、種々の電子部品2に対して本発明の検査方法を適用することができる。
【0061】
本実施形態に係る基板1は、実装された電子部品2の頂部2cに着色により位置識別用マークMrが付されてなるので、電子部品2の実装位置を確実に特定することができる。
【0062】
特に、リード2bを介して起立状態で電子部品2が実装された基板1の場合は、リード2bが傾くことによって電子部品2の位置ズレが生じ易く、電子部品2同士の間隔も変化し易い上に、撮像手段12から見た形状が大きく変化するために、従来のパターンマッチングでは電子部品2の実装位置の特定が難しかったが、実装された電子部品2の頂部2cに着色により位置識別用マークMrが付されているので、電子部品2の実装位置を特定でき、実装状態を判定することができる。
【0063】
さらに、光沢を有する透明被覆剤でコーティングされた電子部品2が実装された基板1の場合は、電子部品2に塗布した透明被覆剤の光沢によって、従来のパターンマッチングでは電子部品2の実装位置の特定が難しかったが、実装された電子部品2の頂部2cに着色により位置識別用マークMrが付されているので、電子部品2の実装位置を特定でき、実装状態を判定することができる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上記した実施形態のみに限定されるものではない。
【0065】
例えば、識別用マークMrは、塗料着色手段Brを用いて検査作業者によって手動で付されているが、図10に示すように、この塗料着色手段Brを駆動手段d1と関連付けて自動的に位置識別用マークMrを付加するマーク付加手段Dとして実装状態検査装置10に設けると共に、塗料着色手段Brの駆動を制御する着色駆動制御部24を設けるとよい。このように構成すれば、マーク付加手段Dによって着色した識別用マークMrを用い、撮像手段12、位置特定手段17および判定手段19を通じて電子部品2の実装位置を効率よく適切に特定することができる。特に、実装された電子部品2が傾いて見掛け上の形状が変化したり、電子部品2に塗布した透明樹脂の光沢によって実装位置の認識が困難になる等、従来のパターンマッチングを用いて電子部品の実装位置の認識が難しい場合であっても、効果的な着色を施すことによって電子部品2の実装位置を特定することが可能となる。
【0066】
また、ステップD6、D11は汎用的な利用を可能にする上で有用なものであるが、目的・用途が当初より一貫している場合等には必ずしも設ける必要はない。
【0067】
その他、各部の具体的な構成なども、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1……基板
2……電子部品
2a…部品本体
2b…取付脚(リード)
2c…反基板側端部(頂部)
10…電子部品の実装状態検査装置
11…制御手段
12…撮像手段
13…表示手段
16…操作部
17…位置特定手段
18…記憶手段
19…判定手段
20…位置ズレ判定手段
21…間隔判定手段
22…判定基準変更手段
23…表示制御手段
24…着色駆動制御部
Br…塗料着色手段
Cc…塗料
d1…駆動手段
D……マーク付加手段
Mr…識別用マーク



【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装された電子部品の実装状態を検査する検査方法であって、
前記基板の実装面を撮像する撮像工程と、
撮像した画像に基づいて、前記電子部品の実装位置を特定する位置特定工程と、
特定された電子部品の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、当該電子部品の実装状態が不良であると判定する判定工程とを含むとともに、
前記基板に実装される前又は実装された後の電子部品に着色によって識別用マークを付するマーク付加工程をさらに備えてなり、
前記位置特定工程は、前記電子部品に付された識別用マークの位置を色により認識し、認識した識別用マークの位置が当該電子部品の実装位置であると特定することを特徴とする電子部品の実装状態検査方法。
【請求項2】
基板に実装された電子部品の実装状態を検査する検査装置であって、
前記基板に実装された電子部品に着色によって識別用マークを付するマーク付加手段と、
前記基板の実装面を撮像する撮像手段と、
撮像した画像に基づいて、前記電子部品に付された識別用マークの位置を色により認識し、認識した識別用マークの位置が当該電子部品の実装位置であると特定する位置特定手段と、
特定された電子部品の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、当該電子部品の実装状態が不良であると判定する判定手段とを具備してなることを特徴とする電子部品の実装状態検査装置。
【請求項3】
基板に実装された電子部品の実装状態を検査する検査装置であって、
前記基板の実装面を撮像する撮像手段と、
撮像した画像に基づいて、前記電子部品に着色により付された識別用マークの位置を色により認識し、認識した識別用マークの位置が当該電子部品の実装位置であると特定する位置特定手段と、
特定された電子部品の実装位置と他の比較対象位置との距離が予め設定した判定基準閾値を超えた場合に、当該電子部品の実装状態が不良であると判定する判定手段とを具備してなり、
前記判定手段は、
前記比較対象位置を、前記位置特定手段により特定された電子部品の実装位置に対して、予め設定された当該電子部品の良好な実装状態での実装位置とし、前記特定された電子部品の実装位置と前記比較対象位置との距離が、予め定めた判定基準閾値である位置ズレ閾値よりも大きい場合に、当該電子部品に位置ズレによる実装不良があると判定する位置ズレ判定手段と、
前記比較対象位置を、前記位置特定手段により特定された複数の電子部品の実装位置のうち、一の電子部品の実装位置に対して、当該電子部品に隣接する電子部品の実装位置とし、両電子部品の実装位置間の距離が予め定めた判定基準閾値である間隔閾値よりも小さい若しくは大きい場合に、両電子部品に間隔による実装不良があると判定する間隔判定手段とを含むことを特徴とする電子部品の実装状態検査装置。
【請求項4】
前記判定基準閾値を変更する判定基準変更手段をさらに備える請求項2又は3に記載の電子部品の実装状態検査装置。
【請求項5】
実装された電子部品の頂部に着色により位置識別用マークが付されてなることを特徴とする基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−232540(P2010−232540A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80341(P2009−80341)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】