電子部品を基板に取り付け及び取り外す加熱装置
【課題】 リフロー時及びリワーク時に周囲の電子部品への熱影響を低減して高密度実装を可能にする加熱装置及びそれを有する電子部品並びに基板、かかる電子部品を搭載した実装基板、かかる実装基板を有する電子機器を提供する。
【解決手段】 ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、前記電子部品に固定される本体部と、前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする加熱装置を提供する。
【解決手段】 ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、前記電子部品に固定される本体部と、前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする加熱装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、電子部品の基板への取り付け及び取り外しに係り、特に、BGA(Ball Grid Array)パッケージをプリント基板に取り付け及び取り外す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の小型で高性能な電子機器の普及により、高密度実装を実現する電子機器を提供する需要が益々高まっている。かかる要求を満足するために、BGAパッケージが従来から提案されている。BGAパッケージは、一般にCPUとして機能するICやLSIを搭載し、ハンダ付けによってプリント基板(「システム基板」や「マザーボード」と呼ばれる場合もある。)に接続するパッケージ基板の一種である。BGAパッケージは、リードの狭ピッチ化及び多ピン化(多リード化)を実現し、パッケージの高密度化により電子機器の高性能化及び小型化を達成することができる。
【0003】
BGAパッケージはプリント基板との接合面に複数のハンダボールを有する。実装時には、BGAパッケージは、プリント基板上の所定位置に載置された後で加熱され、ハンダボールが溶かされることによってハンダ付けされる。このような取り付けは「リフロー」と呼ばれている。また、プリント基板に実装されたBGAパッケージに対しては特性検査が行われ、所定の性能を発揮しないBGAパッケージは再度加熱されてハンダが溶かされ、プリント基板から取り外され、その後、新しいBGAパッケージが取り付けられる。このような実装のやり直し(即ち、取り外し及び取り付け)は「リワーク」と呼ばれている。
【0004】
以下、従来のリフロー及びリワークを図22を参照して説明する。ここで、図22は、従来のリフロー及びリワークで使用される加熱機構20を説明するための概略断面図である。BGAパッケージ12及び14を実装した基板(本体)10が実装基板である。最近の通信装置に使用される実装基板は、基板10は多層構造を有し、また、搭載される電子部品は特殊部品を含むため、高価になっている。BGAパッケージ12及び14は、基板10との接合面にハンダボール12a及び14aを有する。
【0005】
従来の加熱機構20は、基板10の表面11aにヘッド部22を配置し、基板10の裏面11bには基板10を支持するステージ部24を配置している。ヘッド部22とステージ部24は遮蔽部材25と通風部26a及び26bを有し、ステージ部24は全面パネルヒータ27を更に有する。遮蔽部材25は、加熱対象の周りに基板10の表裏面に配置される。通風部26a及び26bは、基板10の表裏で熱風HAを図示しない加熱源から加熱対象に向けて送風する。全面パネルヒータ27は、BGAパッケージ12及び14を一括加熱するのに使用される。
【0006】
リフローには全面パネルヒータ27を使用してプリント基板10の表面11aにBGAパッケージ12及び14を取り付ける。この時、遮蔽部材25と通風部26a及び26bは基板10から退避している。リフローが失敗した場合やその後に行われる特性検査の結果、BGAパッケージ14が不良品であると判断された場合にはBGAパッケージ14は交換される。
【0007】
リワーク時には、遮蔽部材25と通風部26a及び26bは、加熱対象としてのBGAパッケージ14の周りに基板10の表裏に配置される。次いで、通風部26a及び26bから熱風HAが送風される。遮蔽部材25は、隣接するBGAパッケージ12に熱風HAが及ばないように加熱領域をBGAパッケージ12近傍に限定する。
【0008】
従来技術としては特許文献1乃至4がある。
【特許文献1】特開平10−41606号公報
【特許文献2】特開平8−236984号公報
【特許文献3】特開2004−186287号公報
【特許文献4】特開2000−151093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
遮蔽部材25が基板10に実装されている電子部品に衝突してこれを破壊しないように遮蔽部材25と基板10の表面11aとの間には間隙がある。このため、BGAパッケージ14のリワーク時に、かかる間隙から漏れ出た熱風HAによって隣接するBGAパッケージ12は加熱され、内部の電子部品は熱によって劣化したり破壊したりする。具体的には、リフロー時にBGAパッケージ12及び14は共に加熱される。次に、BGAパッケージ14を取り外すリワーク時にはBGAパッケージ12は2回目の加熱を受けるが、不良品のBGAパッケージ14は図示しない吸着ピックアップで取り外された後で廃棄される。次に、新しいBGAパッケージ14を取り付けるリワーク時にはBGAパッケージ12は3回目の加熱を受け、新しいBGAパッケージ14は最初の加熱を受ける。即ち、BGAパッケージ14を交換するとBGAパッケージ12は3回加熱されることになる。内部の電子部品はこのような複数回の加熱によって劣化又は破壊しやすくなり、動作保証が困難となる。
【0010】
かかる問題を解決するために、図23に示すように、BGAパッケージ12及び14の間隙を広げたり、図24に示すように、BGAパッケージ12を断熱材15と吸熱材16で保護したりすることも考えられる。いずれの方法もBGAパッケージの高密度実装の要請に反し、また、図24に示す方法ではコストアップと実装の複雑化を招く。高密度実装は電子機器の小型化に必要であるだけでなく、例えば、隣接する2つのBGAパッケージの通信にノイズがのらないようにするためなど、特性の維持にも必要である。更に、仮に遮蔽部材25を基板10の上面11aに密着したとすれば熱風HAは隣接するBGAパッケージ12に漏れることはないが、対流効果が減少してBGA14の加熱に長時間がかかってしまい、スループットが減少する。
【0011】
図25は、BGAパッケージ14がより大型であるBGAパッケージ14Aに置換された例の概略断面図である。また、基板10には、ハンダ付けされる小さい電子部品13A、13Bも搭載される。この場合、大型のBGAパッケージ14Aは温度が上昇しにくいために、リフロー時に図22に示す全面ヒートパネル27で同様の温度まで加熱してもハンダ付けが困難である。一方、全面ヒートパネル27の温度を大型のBGAパッケージ14Aのハンダが十分溶融する温度まで上げれば他の電子部品12、13A、13Bが熱破壊を起こしてしまう。このため、大型の電子部品14Aを高密度で実装することも従来は困難であった。
【0012】
そこで、本発明は、リフロー時及びリワーク時に周囲の電子部品への熱影響を低減して高密度実装を可能にする加熱装置及びそれを有する電子部品並びに基板、かかる電子部品を搭載した実装基板、かかる実装基板を有する電子機器を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面としての加熱装置は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、前記電子部品に固定される本体部と、前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする。かかる加熱装置は、BGAパッケージに着脱可能であり、リワーク時に周囲の電子部品を従来の熱風のように加熱しないため、電子部品の動作保証を維持する。もちろんかかる加熱装置はBGAパッケージのリフローにも適用することができる。前記本体部は前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを収納する収納部を有してもよい。この場合は、加熱装置は電子部品のハンダボール側に固定される。もちろん加熱装置は、電子部品のハンダボールと反対側に設けられてもよく、その場合には、収納部は不要である。
【0014】
前記発熱体部は複数の独立した発熱体パターンを含んでもよい。一のパターンでは加熱が均一ではなく、溶融が不十分なハンダボールが存在してしまう場合には、複数の独立したパターンによって均一な加熱を実現することができる。前記複数の独立した発熱体パターンは多層パターンであってもよい。これにより、ハンダボールのマトリックスが密になっても、ハンダボール全体が均一に加熱されるように発熱体パターンを配置することができる。また、前記複数の独立した発熱体パターンの発熱を別個に制御する制御部を更に有してもよい。一のパターンでは加熱が均一ではなく、溶融が不十分なハンダボールが存在してしまう場合には、複数のパターンによって均一な加熱を実現することができる。例えば、前記複数の独立した発熱体パターンは、複数のハンダボールの間をジグザグに延びる第1のパターンと、前記第1のパターンを取り囲む第2のパターンとを有してもよい。また、前記第2のパターンは、前記複数のハンダボールの隅部に密に配置されてもよい。複数のハンダボールの角部が特に熱が逃げ易く、加熱が不十分になり易いからである。
【0015】
前記発熱体部と前記電子部品との間に設けられる断熱部を更に有してもよい。これにより、加熱により電子部品が破壊、劣化することを低減することができる。前記発熱体部は、複数のハンダボールの中心を通る平面近傍に配置されていることが好ましい。これにより、複数のハンダボールをムラなく効率的に加熱することができる。前記発熱体部に対して電気的に接続及び切断可能で、前記発熱体部に通電する電源供給部を更に有してもよい。これにより、基板に電源供給部を載置する必要はない。かかる電源供給部は複数の加熱装置に共有されてもよい。
【0016】
本発明の別の側面としての電子部品は、基板に搭載可能なボールグリッドアレイ構造の電子部品であって、前記基板上で動作する電子回路素子を収納する本体部と、前記基板にハンダ付けされるハンダボールと、前記ハンダボールを溶融する上述の加熱装置とを有することを特徴とする。かかる電子部品は、上述の加熱装置の作用を奏すると共に、加熱装置と一体であるので取り扱いが容易である。前記加熱装置は、前記本体部に関して前記ハンダボールと同じ側に配置されてもよいし、反対側に配置されてもよい。反対側に設けられる場合には、加熱装置の収納部は不要である。
【0017】
本発明の更に別の側面としての基板は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板本体と、前記基板本体に設けられ、前記電子部品に接続されるフットプリントと、前記フットプリントの周りに設けられ、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する上述の加熱装置とを有することを特徴とする。かかる基板は、上述の加熱装置の作用を奏すると共に、加熱装置と一体であるので取り扱いが容易である。前記加熱装置は、前記発熱体部と前記基板本体との間に設けられた断熱部を更に有してもよい。前記フットプリント上であって前記発熱体部の間にハンダが充填されていてもよい。これにより、ユーザはハンダペーストをフットプリント上に充填する必要がないので操作性が更に向上する。
【0018】
本発明の別の側面としての製造方法は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品を製造する方法であって、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップと、電子回路素子を収納する本体部にハンダボールを取り付けるステップとを有することを特徴とする。また、本発明の別の側面としての製造方法は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板を製造する方法であって、前記電子部品が搭載可能な基板本体に前記電子部品に接続されるフットプリントを形成するステップと、前記フットプリントの周りに前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップとを有することを特徴とする。かかる製造方法は、上述の電子部品や基板を製造する。
【0019】
前記発熱体部形成ステップは、絶縁体に発熱体パターンを形成するステップと、前記発熱体パターンを挟むように前記絶縁体を積層するステップと、前記積層体に(前記ハンダボールを収納したりフットプリントを露出したりする)穴を形成するステップとを有し、前記製造方法は、前記発熱体部を接着するステップを更に有してもよい。前記接着ステップは、例えば、耐熱両面接着テープ又は印刷された接着層を利用する。代替的に、前記発熱体部形成ステップは、前記基板自体に発熱体パターンを形成するステップを有してもよい。
【0020】
上述のBGAパッケージを有するプリント基板やかかるプリント基板を有する電子機器も本発明の一側面を構成する。
【0021】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、リワーク時に周囲の電子部品への熱影響を低減して高密度実装を可能にする電子部品、かかる電子部品を搭載した実装基板、かかる実装基板を有する電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施例としての電子機器100について説明する。ここで、図1は、電子機器100の概略斜視図である。図1に示すように、電子機器100は、例示的に、ラックマウント型のUNIXサーバーとして具体化されている。電子機器100は、一対の取り付け部102によって図示しないラックにネジ止めされ、プリント基板110を筐体104内に搭載している。筐体104にはファンモジュール106が設けられている。ファンモジュール106は、内蔵する冷却ファンが回転して空気流を発生することによって内蔵するヒートシンクを強制的に冷却する。
【0024】
プリント基板110は、BGAパッケージ(電子部品)120と、加熱装置150と、メモリカードを挿入するための複数のブロックプレート(図示せず)と、ハードディスクやLANなどの外部機器とのコネクタ(図示せず)などを搭載する。プリント基板110は、BGAパッケージ120のハンダボール125との接続部として複数のフットプリント112を基板本体111上に有する。ここで、図2は、BGAパッケージ120と加熱装置150とを実装する前のプリント基板110の外観斜視図である。また、図3(a)は、BGAパッケージ120と加熱装置150とを実装した後のプリント基板110を示す外観斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の点線に沿った概略断面図である。
【0025】
BGAパッケージ120は、本体部121と、複数のハンダボール(又はハンダバンプ)125とを有する。本体部121は、樹脂などで封止されており、内部に、パッケージ基板122と、LSIなどの電子回路素子123とを内蔵し、底面に複数のパッド124を有する。パッケージ基板122は、樹脂又はセラミックから構成される。パッケージ基板122は、電子回路素子123を上面に搭載し、図示しないコンデンサーその他の回路部品を底面に搭載している。電子回路素子110は、発熱性回路素子であっても発熱性回路素子でなくてもよく、図示しない端子(バンプ)を介してパッケージ基板122にハンダ付けされる。電子回路素子110とパッケージ基板122との間には、バンプの接続信頼性を保証するためにアンダーフィルが充填される。複数のハンダボール125は本体部121のパッド124に取り付けられ、本体部121をプリント基板110に固定する。
【0026】
ハンダボール(又はハンダバンプ)125は、本体部121の底面のプリント基板110との接続箇所に格子状に配列される。ハンダボール125は、マトリックス状に配置されてもよいし、中央にコンデンサーなどの回路素子がある場合には正方形状の中空を有する正方形状にハンダボール125を配置してもよい。なお、BGAパッケージ120の上に放熱用のヒートシンクを配置してもよい。
【0027】
加熱装置150はBGAパッケージ120をプリント110に取り付け及び取り外す(即ち、リフロー及びリワークする)のに使用され、BGAパッケージ120の底面に着脱可能に構成されている。加熱装置150は、図4及び図5に示すように、一対の絶縁層151と、複数の収納穴152と、発熱体部153と、被給電部154と、リード155と、制御部156と、電源157とを有する。ここで、図4は、加熱装置150の外観斜視図である。図5は、図3(a)に示す加熱装置150にリード150、制御部156及び電源157を取り付けた様子を示す外観斜視図である。
【0028】
絶縁層151は、有機材料(例えば、ポリイミド)やセラミックスから構成され、発熱体部153を間に保持する積層構造を有する。収納穴152はハンダボール125を収納する。発熱体部153は、電源が供給されると発熱してハンダボール125を溶融する金属であり、ニクロム線、ステンレスをエッチングしたパターンなどを使用することができる。被給電部154は発熱体部153に接続されると共に、リード155と接続及び切断可能、若しくは、ハンダ付けされている。リード155には制御部156を介して電源157が接続されており、制御部156は、発熱体部153への通電、通電時間を制御する。制御部156は電源157と一体であってもよい。
【0029】
図6(a)及び図6(b)は、単層構造の発熱体部153a(発熱体パターン)を示す概略平面図及び概略断面図である。図6(a)では、マトリックス状に配置された収納穴152の間をジグザグに延びている。発熱体パターンの分布を収納穴152の周りで均一にすることによって全てのハンダボール125を均一に加熱することができる。
【0030】
代替的に、発熱体部153は複数の独立した発熱体パターンを含んでもよい。図7(a)乃至図7(d)に2層構造の発熱体パターン153bを示す。より詳細には、図7(a)は1層目の発熱体パターン153b1の概略平面図であり、図7(b)は2層目の発熱体パターン153b2の概略平面図である。図7(a)及び図7(b)は収納穴152を設ける前の状態を示している。発熱体パターン153b1及び153b2とは凹凸パターンを90度回転した関係にある。図7(c)は、発熱体パターン153b1及び153b2を重ね合わせて収納穴152を設けた様子を示している。図7(c)に示すように、各ハンダボール125の周囲が発熱体パターン153b1及び153b2で覆われ、均一に加熱され易い。図7(d)は2層構造の発熱体パターン(又は3層構造の絶縁層)153bを示す概略断面図である。このように、複数の発熱体パターンにより、一の発熱体パターンでは複数のハンダボール153の加熱が均一ではなく、溶融が不十分なハンダボール125が存在してしまう問題を回避することができる。また、多層構造の発熱体パターンにより、ハンダボール125のマトリックスが密になって複数のハンダボール125の全てを均一に加熱することが可能な発熱体パターンを配置することができる。
【0031】
もちろん複数の独立した発熱体パターン153は全て同一平面上にあってもよい。図8は、図6に示す発熱体パターン153aと同様の発熱体パターン153c1の周りに別の発熱体パターン153c2を配置することによって構成された発熱体パターン153cの概略平面図である。一般に、外周の収納穴152を加熱する発熱体パターン153c1からの熱は外部に逃げ易いため、発熱体パターン153c2が発熱体パターン153c1の周りを覆っている。この際、制御部156は、発熱体パターン153c1のための被給電部154c1及び発熱体パターン153c2のための被給電部154c2への通電を別個独立に行ってもよい。これにより、複数のハンダボール125の均一な加熱の実行を図ることができる。
【0032】
図9は、図6に示す発熱体パターン153c1と同様の発熱体パターン153d1の周りに別の発熱体パターン153d2を配置することによって構成された発熱体パターン153dの概略平面図である。図9は図8と同様に2つの発熱体パターンを同一平面上に配置しているが、発熱体パターン153d2は四隅に密に配置されている。これは、一般に、四隅の収納穴152を加熱する発熱体パターン153d1からの熱は外部に逃げ易い。また、左下及び右上の収納穴152b及び152cは左上及び右下の収納穴152a及び152dに比較して周囲が発熱体パターン153d1に覆われる辺が少ないので熱がより外部に逃げ易い。このため、発熱体パターン153d2は発熱体パターン153c1の周りを覆う際に四隅で密に配置されると共に、左下及び右上の収納穴152b及び152cを覆う隅部が左上及び右下の収納穴152a及び152dを覆う隅部よりも密に配置される。これにより、複数のハンダボール125の均一な加熱の実行を更に図ることができる。
【0033】
加熱装置150は、図3(b)に示す実施例では、本体部121に関してハンダボール125と同じ側に配置されているが、本体部121の厚さが薄い場合には本体部121に関してハンダボール125と反対側に配置されてもよい。図10(a)はかかる実施例の加熱装置150Aの概略断面図を示し、図10(b)は加熱装置150Aの概略斜視図を示す。発熱体部153Aはハンダボール125を溶融する。但し、図4に示すように収納部152の周囲に配置される発熱体部153と異なり、加熱装置150Aは収納部152を有しないので、発熱体部153Aは絶縁層151Aの全面に亘って広がっている。
【0034】
加熱装置150は、図4では独立した部材であったが、BGAパッケージ120と一体であってもよい。かかる実施例を図11(a)及び図11(b)を参照して説明する。ここで、図11(a)は、加熱装置150が一体的に構成されたBGAパッケージ120Aの概略断面図であり、図11(b)はその概略底面図である。BGAパッケージ120Aは、本体部121と、パッド124と、ハンダボール125とを有している点はBGAパッケージ120と同様であるが、ハンダボール125を溶融する加熱装置150Bが取り付けられている点でBGAパッケージ120と相違する。
【0035】
以下、図12乃至図14を参照して、BGAパッケージ120を製造する幾つかの方法について説明する。
【0036】
図12は、両面テープを使用して加熱装置150BをBGAパッケージ120に貼り合わせてBGAパッケージ120Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、パッケージ基板122を形成する(ステップ1002)。次に、パッケージ基板122上に電子回路素子123を搭載する(ステップ1004)。次に、その他の必要な回路をパッケージ基板122に搭載した後で、これらを封止する(ステップ1006)。一方、ステップ1012乃至1018で加熱装置150を形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1012)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1014)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1012と1014を繰り返す。次に、耐熱両面接着テープを積層体に接着する(ステップ1016)。次に、パンチにより収納穴152をあける(ステップ1018)。次に、封止体に加熱装置150を接着する(ステップ1008)。最後に、ハンダボール125をパッド124にハンダ付けする(ステップ1010)。
【0037】
図13は、接着剤を使用して加熱装置150BをBGAパッケージ120に貼り合わせてBGAパッケージ120Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、パッケージ基板122を形成する(ステップ1102)。次に、パッケージ基板122上に電子回路素子123を搭載する(ステップ1104)。次に、その他の必要な回路をパッケージ基板122に搭載した後で、これらを封止する(ステップ1106)。次に、封止体に接着層を印刷する(ステップ1108)。一方、ステップ1114乃至1118で加熱装置150を形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1114)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1114)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1114と1116を繰り返す。次に、パンチにより収納穴152をあける(ステップ1118)。次に、封止体に加熱装置150を接着する(ステップ1110)。最後に、ハンダボール125をパッド124にハンダ付けする(ステップ1010)。
【0038】
図14は、加熱装置150BをBGAパッケージ120に微細加工技術を使用して直接作成してBGAパッケージ120Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、パッケージ基板122を形成する(ステップ1202)。次に、ステップ1204乃至1210で加熱装置150を形成する。即ち、ポリイミド皮膜を形成し(ステップ1204)、エッチングを施す(ステップ1206)。次に、発熱体パターンの導体を蒸着して(ステップ1208)、パターニングを施す(ステップ1210)。次に、基板を分割し(ステップ1212)、パッケージ基板122上に電子回路素子123を搭載する(ステップ1214)。次に、その他の必要な回路をパッケージ基板122に搭載した後で、これらを封止する(ステップ1216)。最後に、ハンダボール125をパッド124にハンダ付けする(ステップ1218)。
【0039】
図15に、図11に示すBGAパッケージ120Aの変形例としてのBGAパッケージ120Bの概略断面図を示す。BGAパッケージ120Bは、断熱部158を発熱体部153と本体部121との間に設けた加熱装置150Bを有する点でBGAパッケージ120Aと異なる。断熱部158は、発熱体部153からの熱が電子回路素子123に及んで熱破壊や熱劣化することを低減又は防止することができる。また、発熱体部153は複数のハンダボール125を結ぶ平面上に略配置されているため、ハンダボール125を効率的に加熱することができる。
【0040】
なお、加工装置150AをBGAパッケージと一体的構成する場合には、ステップ1008と1010やステップ1110と1112の先後は問わない。
【0041】
加熱装置150は、図4では独立した部材であったが、プリント基板110と一体であってもよい。かかる実施例を図16(a)及び図16(b)を参照して説明する。ここで、図16(a)は、加熱装置150が一体的に構成されたプリント基板110の概略平面図であり、図16(b)はその概略断面図である。プリント基板110Aは、基板本体部111と、フットプリント112と、加熱装置150Cとを有する。
【0042】
以下、図17乃至図19を参照して、プリント基板110を製造する幾つかの方法について説明する。
【0043】
図17は、両面テープを使用して加熱装置150Cをプリント基板110に貼り合わせてプリント基板110Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、樹脂やセラミックから基板本体111を形成する(ステップ1302)。次に、フットプリント112を基板本体111上に形成する(ステップ1304)。一方、ステップ1308乃至1312で加熱装置150Cを形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1308)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1310)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1308と1310を繰り返す。次に、耐熱両面接着テープを積層体に接着する(ステップ1312)。次に、フットプリント112に相当する領域の穴あけを行う(ステップ1314)。次に、基板本体111のフットプリント112の領域に加熱装置150Cを接着する(ステップ1306)。
【0044】
図18は、接着剤を使用して加熱装置150Cをプリント基板110に貼り合わせてプリント基板110Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、樹脂やセラミックから基板本体111を形成する(ステップ1402)。次に、フットプリント112を基板本体111上に形成する(ステップ1404)。次に、基板本体111のフットプリント112の領域に接着層を印刷する(ステップ1408)。一方、ステップ1412乃至1416で加熱装置150Cを形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1412)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1414)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1412と1414を繰り返す。次に、フットプリント112に相当する領域の穴あけを行う(ステップ1416)。次に、基板本体111に加熱装置150Cを接着する(ステップ1410)。
【0045】
図19は、加熱装置150Cを基板本体111に微細加工技術を使用して直接作成してプリント基板110Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、樹脂やセラミックから基板本体111を形成する(ステップ1502)。次に、フットプリント112を基板本体111上に形成する(ステップ1504)。次に、ステップ1506乃至1512で加熱装置150を形成する。即ち、ポリイミド皮膜を形成し(ステップ1506)、エッチングを施す(ステップ1508)。次に、発熱体パターンの導体を蒸着して(ステップ1510)、パターニングを施す(ステップ1512)。
【0046】
図20に、図16に示すプリント基板110Aの変形例としてのプリント基板110Bの概略断面図を示す。プリント基板110Bは、断熱部158を発熱体部153と基板本体111との間に設けた加熱装置150Dを有する点でBGAパッケージ120Aと異なる。断熱部158は、発熱体部153からの熱が基板本体111に及んで周辺の回路素子を熱破壊や熱劣化することを低減又は防止することができる。
【0047】
図21に、図20に示すプリント基板110Bの変形例としてのプリント基板110Cの概略断面図を示す。プリント基板110Cは、ハンダペースト159をフットプリント112上で絶縁層の間に充填(印刷)している点でBGAパッケージ120Aと異なる。これにより、ユーザは、BGAパッケージ120を実装する際にハンダペースト159を充填する必要がなくなるので操作性は向上する。
【0048】
図20及び図21において加熱装置150Dの発熱体部153とBGAパッケージ120との間に断熱部158を設けてもよい。
【0049】
以下、図2、図5及び図3を参照して、BGAパッケージ120の実装について説明する。まず、図2に示すプリント基板110の所定位置にBGAパッケージ120を載置する(図5)。BGAパッケージ120の位置決め前に又は後にリード155、制御部156及び電源157が加熱装置150に接続される。次に、電源157から発熱体部153に電源が供給されることにより、発熱体部153が発熱してハンダボール153を溶融してフットプリント112にハンダ付けする。この時、基板110の下面全体をホットプレート170などで加熱する。もっともホットプレート170による加熱は選択的である。最後に、リード155、制御部156及び電源157を加熱装置150から取り外す(図3)。リワーク時には、図3に示す状態において、リード155、制御部156及び電源157を加熱装置150に取り付けて図5に示す状態とし、通電によりハンダボール153を溶融してフットプリント112から取り外す(図2)。リワーク時において新しいBGAパッケージ120を取り付ける手順はリフローと同様である。新しいBGAパッケージ120に対しても、以前の加熱装置150を同様に使用してもよい。
【0050】
なお、図2では、フットプリント112は省略されている。また、基板110を図16、図20又は図21の構造にして通常のBGAパッケージ120を使用してもよい。
【0051】
本実施例によれば、加熱装置150がBGAパッケージ120のハンダボール125を局所的に加熱し、BGAパッケージ120のリフロー時及びリワーク時に周囲の電子回路素子を加熱しない。このため、周囲の電子回路素子は熱破壊や熱劣化から保護される。BGAパッケージ120が周囲の電子部品より大きい場合には、図25で説明した問題が発生しないように、図5に示すようにホットプレーと170と加熱装置150とを協働させ、ハンダボール125を溶融することができる。あるいは、リフローでは大型のBGAパッケージ120の周辺の電子部品のみを取り付けて大型のBGAパッケージ120はその後別個に基板110に取り付けてもよい。この結果、プリント基板110上では電子部品を高密度実装することができ、電子機器100を小型で高性能に構成することができる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。
【0053】
本発明は更に以下の事項を開示する。
【0054】
(付記1) ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、前記電子部品に固定される本体部と、前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする加熱装置。(1)
(付記2) 前記本体部は、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを収納する収納部を有することを特徴とする付記1記載の加熱装置。
【0055】
(付記3) 前記発熱体部は複数の独立した発熱体パターンを含むことを特徴とする付記1記載の加熱装置。
【0056】
(付記4) 前記複数の独立した発熱体パターンは多層パターンであることを特徴とする付記3記載の加熱装置。
【0057】
(付記5) 前記複数の独立した発熱体パターンの発熱を別個に制御する制御部を更に有することを特徴とする付記3記載の加熱装置。
【0058】
(付記6) 前記複数の独立した発熱体パターンは、複数のハンダボールの間をジグザグに延びる第1のパターンと、前記第1のパターンを取り囲む第2のパターンとを有することを特徴とする付記3記載の加熱装置。
【0059】
(付記7) 前記第2のパターンは、前記複数のハンダボールの隅部に密に配置されることを特徴とする付記6記載の加熱装置。
【0060】
(付記8) 前記発熱体部と前記電子部品との間に設けられる断熱部を更に有することを特徴とする付記1記載の加熱装置。(2)
(付記9) 前記発熱体部は、複数のハンダボールの中心を通る平面近傍に配置されていることを特徴とする付記8記載の加熱装置。
【0061】
(付記10) 前記発熱体部に対して電気的に接続及び切断可能で、前記発熱体部に通電する電源供給部を更に有することを特徴とする付記1記載の加熱装置。
【0062】
(付記11) 基板に搭載可能なボールグリッドアレイ構造の電子部品であって、前記基板上で動作する電子回路素子を収納する本体部と、前記基板にハンダ付けされるハンダボールと、前記ハンダボールを溶融する付記1乃至10のうちいずれか一項記載の加熱装置とを有することを特徴とする電子部品。(3)
(付記12) 前記加熱装置は、前記本体部に関して前記ハンダボールと反対側に配置されることを特徴とする請求項11記載の電子部品。
【0063】
(付記13) ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板本体と、前記基板本体に設けられ、前記電子部品に接続されるフットプリントと、前記フットプリントの周りに設けられ、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する付記1乃至10記載の加熱装置とを有することを特徴とする基板。(4)
(付記14) 前記加熱装置は、前記発熱体部と前記基板本体との間に設けられた断熱部を更に有することを特徴とする付記13記載の基板。(5)
(付記15) 前記フットプリント上であって前記発熱体部の間にハンダが充填されていることを特徴とする付記13記載の基板。(6)
(付記16) ボールグリッドアレイ構造の電子部品を製造する方法であって、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップと、電子回路素子を収納する本体部にハンダボールを取り付けるステップとを有することを特徴とする製造方法。(7)
(付記17) ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板を製造する方法であって、前記電子部品が搭載可能な本体部に前記電子部品に接続されるフットプリントを形成するステップと、前記フットプリントの周りに前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップとを有することを特徴とする製造方法。(8)
(付記18) 前記発熱体部形成ステップは、絶縁体に発熱体パターンを形成するステップと、前記発熱体パターンを挟むように前記絶縁体を積層するステップと、前記積層体に穴を形成するステップとを有し、前記製造方法は、積層された前記絶縁体を前記本体部に接着するステップを更に有することを特徴とする付記16又は17記載の製造方法。
【0064】
(付記19) 前記接着ステップは、耐熱両面接着テープ又は印刷された接着層を利用することを特徴とする付記18記載の製造方法。
【0065】
(付記20) 前記発熱体部形成ステップは、前記基板自体に発熱体パターンを微細加工技術によって形成するステップを有することを特徴とする付記16又は17記載の製造方法。
【0066】
(付記21) ボールグリッドアレイ構造の電子部品と、
当該電子部品が動作する基板本体と、
前記電子部品を前記基板本体に取り付け及び取り外す付記1乃至10記載のうちいずれか一項記載の加熱装置とを有することを特徴とするプリント基板。(9)
(付記22) 付記21記載のプリント基板を有することを特徴とする電子機器。(10)
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一側面としての電子機器の概略斜視図である。
【図2】図1に示す電子機器に搭載されるプリント基板の概略斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2に示すプリント基板にBGAパッケージが搭載された様子を示す概略斜視図であり、図3(b)は図3(a)の点線に沿った概略断面図である。
【図4】図3(b)に示す加熱装置の概略斜視図である。
【図5】図3に示すプリント基板において図4に示す加熱装置に電源部を取り付けた様子を示す概略斜視図である。
【図6】図6(a)は、図4に示す加熱装置に適用可能な発熱体パターンの概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)の概略断面図である。
【図7】図7(a)乃至図7(d)は、図4に示す加熱装置に適用可能な多層構造の発熱体パターンの別の例を示し、図7(a)は第1層の発熱体パターンの概略平面図、図7(b)は第2層の発熱体パターンの概略平面図、図7(c)は多層構造の発熱体パターンの概略平面図、図7(d)は図7(c)の概略断面図である。
【図8】図4に示す加熱装置に適用可能な複数の発熱体パターンの概略平面図である。
【図9】図8に示す発熱体パターンの変形例の概略平面図である。
【図10】図10(a)は、図3(a)に示す加熱装置の変形例の概略断面図であり、図10(b)は、図10(a)に示す加熱装置の概略斜視図である。
【図11】図11(a)は、加熱装置と一体のBGAパッケージの概略断面図であり、図11(b)は、図11(a)の概略平面図である。
【図12】図11(a)に示すBGAパッケージを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【図13】図11(a)に示すBGAパッケージを製造する別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】図11(a)に示すBGAパッケージを製造する更に別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】図11(a)に示すBGAパッケージの変形例としての概略断面図である。
【図16】図16(a)は、加熱装置と一体のプリント基板の概略断面図であり、図16(b)は、図16(a)の概略平面図である。
【図17】図16(a)に示すBGAパッケージを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【図18】図16(a)に示すBGAパッケージを製造する別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図19】図16(a)に示すBGAパッケージを製造する更に別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図20】図16(b)に示すBGAパッケージの変形例としての概略断面図である。
【図21】図16(b)に示すBGAパッケージの別の変形例としての概略断面図である。
【図22】従来のリワーク技術を説明するための概略断面図である。
【図23】従来のリワーク技術を説明するための別の概略断面図である。
【図24】従来のリワーク技術を説明するための更に別の概略断面図である。
【図25】従来のリワーク技術を説明するための更に別の概略断面図である。
【符号の説明】
【0068】
100 電子機器(サーバー)
110−150C プリント基板
120−120B BGAパッケージ
125 ハンダボール
150−150D 加熱装置
153−153d 発熱体部(発熱体パターン)
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、電子部品の基板への取り付け及び取り外しに係り、特に、BGA(Ball Grid Array)パッケージをプリント基板に取り付け及び取り外す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の小型で高性能な電子機器の普及により、高密度実装を実現する電子機器を提供する需要が益々高まっている。かかる要求を満足するために、BGAパッケージが従来から提案されている。BGAパッケージは、一般にCPUとして機能するICやLSIを搭載し、ハンダ付けによってプリント基板(「システム基板」や「マザーボード」と呼ばれる場合もある。)に接続するパッケージ基板の一種である。BGAパッケージは、リードの狭ピッチ化及び多ピン化(多リード化)を実現し、パッケージの高密度化により電子機器の高性能化及び小型化を達成することができる。
【0003】
BGAパッケージはプリント基板との接合面に複数のハンダボールを有する。実装時には、BGAパッケージは、プリント基板上の所定位置に載置された後で加熱され、ハンダボールが溶かされることによってハンダ付けされる。このような取り付けは「リフロー」と呼ばれている。また、プリント基板に実装されたBGAパッケージに対しては特性検査が行われ、所定の性能を発揮しないBGAパッケージは再度加熱されてハンダが溶かされ、プリント基板から取り外され、その後、新しいBGAパッケージが取り付けられる。このような実装のやり直し(即ち、取り外し及び取り付け)は「リワーク」と呼ばれている。
【0004】
以下、従来のリフロー及びリワークを図22を参照して説明する。ここで、図22は、従来のリフロー及びリワークで使用される加熱機構20を説明するための概略断面図である。BGAパッケージ12及び14を実装した基板(本体)10が実装基板である。最近の通信装置に使用される実装基板は、基板10は多層構造を有し、また、搭載される電子部品は特殊部品を含むため、高価になっている。BGAパッケージ12及び14は、基板10との接合面にハンダボール12a及び14aを有する。
【0005】
従来の加熱機構20は、基板10の表面11aにヘッド部22を配置し、基板10の裏面11bには基板10を支持するステージ部24を配置している。ヘッド部22とステージ部24は遮蔽部材25と通風部26a及び26bを有し、ステージ部24は全面パネルヒータ27を更に有する。遮蔽部材25は、加熱対象の周りに基板10の表裏面に配置される。通風部26a及び26bは、基板10の表裏で熱風HAを図示しない加熱源から加熱対象に向けて送風する。全面パネルヒータ27は、BGAパッケージ12及び14を一括加熱するのに使用される。
【0006】
リフローには全面パネルヒータ27を使用してプリント基板10の表面11aにBGAパッケージ12及び14を取り付ける。この時、遮蔽部材25と通風部26a及び26bは基板10から退避している。リフローが失敗した場合やその後に行われる特性検査の結果、BGAパッケージ14が不良品であると判断された場合にはBGAパッケージ14は交換される。
【0007】
リワーク時には、遮蔽部材25と通風部26a及び26bは、加熱対象としてのBGAパッケージ14の周りに基板10の表裏に配置される。次いで、通風部26a及び26bから熱風HAが送風される。遮蔽部材25は、隣接するBGAパッケージ12に熱風HAが及ばないように加熱領域をBGAパッケージ12近傍に限定する。
【0008】
従来技術としては特許文献1乃至4がある。
【特許文献1】特開平10−41606号公報
【特許文献2】特開平8−236984号公報
【特許文献3】特開2004−186287号公報
【特許文献4】特開2000−151093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
遮蔽部材25が基板10に実装されている電子部品に衝突してこれを破壊しないように遮蔽部材25と基板10の表面11aとの間には間隙がある。このため、BGAパッケージ14のリワーク時に、かかる間隙から漏れ出た熱風HAによって隣接するBGAパッケージ12は加熱され、内部の電子部品は熱によって劣化したり破壊したりする。具体的には、リフロー時にBGAパッケージ12及び14は共に加熱される。次に、BGAパッケージ14を取り外すリワーク時にはBGAパッケージ12は2回目の加熱を受けるが、不良品のBGAパッケージ14は図示しない吸着ピックアップで取り外された後で廃棄される。次に、新しいBGAパッケージ14を取り付けるリワーク時にはBGAパッケージ12は3回目の加熱を受け、新しいBGAパッケージ14は最初の加熱を受ける。即ち、BGAパッケージ14を交換するとBGAパッケージ12は3回加熱されることになる。内部の電子部品はこのような複数回の加熱によって劣化又は破壊しやすくなり、動作保証が困難となる。
【0010】
かかる問題を解決するために、図23に示すように、BGAパッケージ12及び14の間隙を広げたり、図24に示すように、BGAパッケージ12を断熱材15と吸熱材16で保護したりすることも考えられる。いずれの方法もBGAパッケージの高密度実装の要請に反し、また、図24に示す方法ではコストアップと実装の複雑化を招く。高密度実装は電子機器の小型化に必要であるだけでなく、例えば、隣接する2つのBGAパッケージの通信にノイズがのらないようにするためなど、特性の維持にも必要である。更に、仮に遮蔽部材25を基板10の上面11aに密着したとすれば熱風HAは隣接するBGAパッケージ12に漏れることはないが、対流効果が減少してBGA14の加熱に長時間がかかってしまい、スループットが減少する。
【0011】
図25は、BGAパッケージ14がより大型であるBGAパッケージ14Aに置換された例の概略断面図である。また、基板10には、ハンダ付けされる小さい電子部品13A、13Bも搭載される。この場合、大型のBGAパッケージ14Aは温度が上昇しにくいために、リフロー時に図22に示す全面ヒートパネル27で同様の温度まで加熱してもハンダ付けが困難である。一方、全面ヒートパネル27の温度を大型のBGAパッケージ14Aのハンダが十分溶融する温度まで上げれば他の電子部品12、13A、13Bが熱破壊を起こしてしまう。このため、大型の電子部品14Aを高密度で実装することも従来は困難であった。
【0012】
そこで、本発明は、リフロー時及びリワーク時に周囲の電子部品への熱影響を低減して高密度実装を可能にする加熱装置及びそれを有する電子部品並びに基板、かかる電子部品を搭載した実装基板、かかる実装基板を有する電子機器を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一側面としての加熱装置は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、前記電子部品に固定される本体部と、前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする。かかる加熱装置は、BGAパッケージに着脱可能であり、リワーク時に周囲の電子部品を従来の熱風のように加熱しないため、電子部品の動作保証を維持する。もちろんかかる加熱装置はBGAパッケージのリフローにも適用することができる。前記本体部は前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを収納する収納部を有してもよい。この場合は、加熱装置は電子部品のハンダボール側に固定される。もちろん加熱装置は、電子部品のハンダボールと反対側に設けられてもよく、その場合には、収納部は不要である。
【0014】
前記発熱体部は複数の独立した発熱体パターンを含んでもよい。一のパターンでは加熱が均一ではなく、溶融が不十分なハンダボールが存在してしまう場合には、複数の独立したパターンによって均一な加熱を実現することができる。前記複数の独立した発熱体パターンは多層パターンであってもよい。これにより、ハンダボールのマトリックスが密になっても、ハンダボール全体が均一に加熱されるように発熱体パターンを配置することができる。また、前記複数の独立した発熱体パターンの発熱を別個に制御する制御部を更に有してもよい。一のパターンでは加熱が均一ではなく、溶融が不十分なハンダボールが存在してしまう場合には、複数のパターンによって均一な加熱を実現することができる。例えば、前記複数の独立した発熱体パターンは、複数のハンダボールの間をジグザグに延びる第1のパターンと、前記第1のパターンを取り囲む第2のパターンとを有してもよい。また、前記第2のパターンは、前記複数のハンダボールの隅部に密に配置されてもよい。複数のハンダボールの角部が特に熱が逃げ易く、加熱が不十分になり易いからである。
【0015】
前記発熱体部と前記電子部品との間に設けられる断熱部を更に有してもよい。これにより、加熱により電子部品が破壊、劣化することを低減することができる。前記発熱体部は、複数のハンダボールの中心を通る平面近傍に配置されていることが好ましい。これにより、複数のハンダボールをムラなく効率的に加熱することができる。前記発熱体部に対して電気的に接続及び切断可能で、前記発熱体部に通電する電源供給部を更に有してもよい。これにより、基板に電源供給部を載置する必要はない。かかる電源供給部は複数の加熱装置に共有されてもよい。
【0016】
本発明の別の側面としての電子部品は、基板に搭載可能なボールグリッドアレイ構造の電子部品であって、前記基板上で動作する電子回路素子を収納する本体部と、前記基板にハンダ付けされるハンダボールと、前記ハンダボールを溶融する上述の加熱装置とを有することを特徴とする。かかる電子部品は、上述の加熱装置の作用を奏すると共に、加熱装置と一体であるので取り扱いが容易である。前記加熱装置は、前記本体部に関して前記ハンダボールと同じ側に配置されてもよいし、反対側に配置されてもよい。反対側に設けられる場合には、加熱装置の収納部は不要である。
【0017】
本発明の更に別の側面としての基板は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板本体と、前記基板本体に設けられ、前記電子部品に接続されるフットプリントと、前記フットプリントの周りに設けられ、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する上述の加熱装置とを有することを特徴とする。かかる基板は、上述の加熱装置の作用を奏すると共に、加熱装置と一体であるので取り扱いが容易である。前記加熱装置は、前記発熱体部と前記基板本体との間に設けられた断熱部を更に有してもよい。前記フットプリント上であって前記発熱体部の間にハンダが充填されていてもよい。これにより、ユーザはハンダペーストをフットプリント上に充填する必要がないので操作性が更に向上する。
【0018】
本発明の別の側面としての製造方法は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品を製造する方法であって、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップと、電子回路素子を収納する本体部にハンダボールを取り付けるステップとを有することを特徴とする。また、本発明の別の側面としての製造方法は、ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板を製造する方法であって、前記電子部品が搭載可能な基板本体に前記電子部品に接続されるフットプリントを形成するステップと、前記フットプリントの周りに前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップとを有することを特徴とする。かかる製造方法は、上述の電子部品や基板を製造する。
【0019】
前記発熱体部形成ステップは、絶縁体に発熱体パターンを形成するステップと、前記発熱体パターンを挟むように前記絶縁体を積層するステップと、前記積層体に(前記ハンダボールを収納したりフットプリントを露出したりする)穴を形成するステップとを有し、前記製造方法は、前記発熱体部を接着するステップを更に有してもよい。前記接着ステップは、例えば、耐熱両面接着テープ又は印刷された接着層を利用する。代替的に、前記発熱体部形成ステップは、前記基板自体に発熱体パターンを形成するステップを有してもよい。
【0020】
上述のBGAパッケージを有するプリント基板やかかるプリント基板を有する電子機器も本発明の一側面を構成する。
【0021】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、リワーク時に周囲の電子部品への熱影響を低減して高密度実装を可能にする電子部品、かかる電子部品を搭載した実装基板、かかる実装基板を有する電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施例としての電子機器100について説明する。ここで、図1は、電子機器100の概略斜視図である。図1に示すように、電子機器100は、例示的に、ラックマウント型のUNIXサーバーとして具体化されている。電子機器100は、一対の取り付け部102によって図示しないラックにネジ止めされ、プリント基板110を筐体104内に搭載している。筐体104にはファンモジュール106が設けられている。ファンモジュール106は、内蔵する冷却ファンが回転して空気流を発生することによって内蔵するヒートシンクを強制的に冷却する。
【0024】
プリント基板110は、BGAパッケージ(電子部品)120と、加熱装置150と、メモリカードを挿入するための複数のブロックプレート(図示せず)と、ハードディスクやLANなどの外部機器とのコネクタ(図示せず)などを搭載する。プリント基板110は、BGAパッケージ120のハンダボール125との接続部として複数のフットプリント112を基板本体111上に有する。ここで、図2は、BGAパッケージ120と加熱装置150とを実装する前のプリント基板110の外観斜視図である。また、図3(a)は、BGAパッケージ120と加熱装置150とを実装した後のプリント基板110を示す外観斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の点線に沿った概略断面図である。
【0025】
BGAパッケージ120は、本体部121と、複数のハンダボール(又はハンダバンプ)125とを有する。本体部121は、樹脂などで封止されており、内部に、パッケージ基板122と、LSIなどの電子回路素子123とを内蔵し、底面に複数のパッド124を有する。パッケージ基板122は、樹脂又はセラミックから構成される。パッケージ基板122は、電子回路素子123を上面に搭載し、図示しないコンデンサーその他の回路部品を底面に搭載している。電子回路素子110は、発熱性回路素子であっても発熱性回路素子でなくてもよく、図示しない端子(バンプ)を介してパッケージ基板122にハンダ付けされる。電子回路素子110とパッケージ基板122との間には、バンプの接続信頼性を保証するためにアンダーフィルが充填される。複数のハンダボール125は本体部121のパッド124に取り付けられ、本体部121をプリント基板110に固定する。
【0026】
ハンダボール(又はハンダバンプ)125は、本体部121の底面のプリント基板110との接続箇所に格子状に配列される。ハンダボール125は、マトリックス状に配置されてもよいし、中央にコンデンサーなどの回路素子がある場合には正方形状の中空を有する正方形状にハンダボール125を配置してもよい。なお、BGAパッケージ120の上に放熱用のヒートシンクを配置してもよい。
【0027】
加熱装置150はBGAパッケージ120をプリント110に取り付け及び取り外す(即ち、リフロー及びリワークする)のに使用され、BGAパッケージ120の底面に着脱可能に構成されている。加熱装置150は、図4及び図5に示すように、一対の絶縁層151と、複数の収納穴152と、発熱体部153と、被給電部154と、リード155と、制御部156と、電源157とを有する。ここで、図4は、加熱装置150の外観斜視図である。図5は、図3(a)に示す加熱装置150にリード150、制御部156及び電源157を取り付けた様子を示す外観斜視図である。
【0028】
絶縁層151は、有機材料(例えば、ポリイミド)やセラミックスから構成され、発熱体部153を間に保持する積層構造を有する。収納穴152はハンダボール125を収納する。発熱体部153は、電源が供給されると発熱してハンダボール125を溶融する金属であり、ニクロム線、ステンレスをエッチングしたパターンなどを使用することができる。被給電部154は発熱体部153に接続されると共に、リード155と接続及び切断可能、若しくは、ハンダ付けされている。リード155には制御部156を介して電源157が接続されており、制御部156は、発熱体部153への通電、通電時間を制御する。制御部156は電源157と一体であってもよい。
【0029】
図6(a)及び図6(b)は、単層構造の発熱体部153a(発熱体パターン)を示す概略平面図及び概略断面図である。図6(a)では、マトリックス状に配置された収納穴152の間をジグザグに延びている。発熱体パターンの分布を収納穴152の周りで均一にすることによって全てのハンダボール125を均一に加熱することができる。
【0030】
代替的に、発熱体部153は複数の独立した発熱体パターンを含んでもよい。図7(a)乃至図7(d)に2層構造の発熱体パターン153bを示す。より詳細には、図7(a)は1層目の発熱体パターン153b1の概略平面図であり、図7(b)は2層目の発熱体パターン153b2の概略平面図である。図7(a)及び図7(b)は収納穴152を設ける前の状態を示している。発熱体パターン153b1及び153b2とは凹凸パターンを90度回転した関係にある。図7(c)は、発熱体パターン153b1及び153b2を重ね合わせて収納穴152を設けた様子を示している。図7(c)に示すように、各ハンダボール125の周囲が発熱体パターン153b1及び153b2で覆われ、均一に加熱され易い。図7(d)は2層構造の発熱体パターン(又は3層構造の絶縁層)153bを示す概略断面図である。このように、複数の発熱体パターンにより、一の発熱体パターンでは複数のハンダボール153の加熱が均一ではなく、溶融が不十分なハンダボール125が存在してしまう問題を回避することができる。また、多層構造の発熱体パターンにより、ハンダボール125のマトリックスが密になって複数のハンダボール125の全てを均一に加熱することが可能な発熱体パターンを配置することができる。
【0031】
もちろん複数の独立した発熱体パターン153は全て同一平面上にあってもよい。図8は、図6に示す発熱体パターン153aと同様の発熱体パターン153c1の周りに別の発熱体パターン153c2を配置することによって構成された発熱体パターン153cの概略平面図である。一般に、外周の収納穴152を加熱する発熱体パターン153c1からの熱は外部に逃げ易いため、発熱体パターン153c2が発熱体パターン153c1の周りを覆っている。この際、制御部156は、発熱体パターン153c1のための被給電部154c1及び発熱体パターン153c2のための被給電部154c2への通電を別個独立に行ってもよい。これにより、複数のハンダボール125の均一な加熱の実行を図ることができる。
【0032】
図9は、図6に示す発熱体パターン153c1と同様の発熱体パターン153d1の周りに別の発熱体パターン153d2を配置することによって構成された発熱体パターン153dの概略平面図である。図9は図8と同様に2つの発熱体パターンを同一平面上に配置しているが、発熱体パターン153d2は四隅に密に配置されている。これは、一般に、四隅の収納穴152を加熱する発熱体パターン153d1からの熱は外部に逃げ易い。また、左下及び右上の収納穴152b及び152cは左上及び右下の収納穴152a及び152dに比較して周囲が発熱体パターン153d1に覆われる辺が少ないので熱がより外部に逃げ易い。このため、発熱体パターン153d2は発熱体パターン153c1の周りを覆う際に四隅で密に配置されると共に、左下及び右上の収納穴152b及び152cを覆う隅部が左上及び右下の収納穴152a及び152dを覆う隅部よりも密に配置される。これにより、複数のハンダボール125の均一な加熱の実行を更に図ることができる。
【0033】
加熱装置150は、図3(b)に示す実施例では、本体部121に関してハンダボール125と同じ側に配置されているが、本体部121の厚さが薄い場合には本体部121に関してハンダボール125と反対側に配置されてもよい。図10(a)はかかる実施例の加熱装置150Aの概略断面図を示し、図10(b)は加熱装置150Aの概略斜視図を示す。発熱体部153Aはハンダボール125を溶融する。但し、図4に示すように収納部152の周囲に配置される発熱体部153と異なり、加熱装置150Aは収納部152を有しないので、発熱体部153Aは絶縁層151Aの全面に亘って広がっている。
【0034】
加熱装置150は、図4では独立した部材であったが、BGAパッケージ120と一体であってもよい。かかる実施例を図11(a)及び図11(b)を参照して説明する。ここで、図11(a)は、加熱装置150が一体的に構成されたBGAパッケージ120Aの概略断面図であり、図11(b)はその概略底面図である。BGAパッケージ120Aは、本体部121と、パッド124と、ハンダボール125とを有している点はBGAパッケージ120と同様であるが、ハンダボール125を溶融する加熱装置150Bが取り付けられている点でBGAパッケージ120と相違する。
【0035】
以下、図12乃至図14を参照して、BGAパッケージ120を製造する幾つかの方法について説明する。
【0036】
図12は、両面テープを使用して加熱装置150BをBGAパッケージ120に貼り合わせてBGAパッケージ120Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、パッケージ基板122を形成する(ステップ1002)。次に、パッケージ基板122上に電子回路素子123を搭載する(ステップ1004)。次に、その他の必要な回路をパッケージ基板122に搭載した後で、これらを封止する(ステップ1006)。一方、ステップ1012乃至1018で加熱装置150を形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1012)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1014)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1012と1014を繰り返す。次に、耐熱両面接着テープを積層体に接着する(ステップ1016)。次に、パンチにより収納穴152をあける(ステップ1018)。次に、封止体に加熱装置150を接着する(ステップ1008)。最後に、ハンダボール125をパッド124にハンダ付けする(ステップ1010)。
【0037】
図13は、接着剤を使用して加熱装置150BをBGAパッケージ120に貼り合わせてBGAパッケージ120Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、パッケージ基板122を形成する(ステップ1102)。次に、パッケージ基板122上に電子回路素子123を搭載する(ステップ1104)。次に、その他の必要な回路をパッケージ基板122に搭載した後で、これらを封止する(ステップ1106)。次に、封止体に接着層を印刷する(ステップ1108)。一方、ステップ1114乃至1118で加熱装置150を形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1114)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1114)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1114と1116を繰り返す。次に、パンチにより収納穴152をあける(ステップ1118)。次に、封止体に加熱装置150を接着する(ステップ1110)。最後に、ハンダボール125をパッド124にハンダ付けする(ステップ1010)。
【0038】
図14は、加熱装置150BをBGAパッケージ120に微細加工技術を使用して直接作成してBGAパッケージ120Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、パッケージ基板122を形成する(ステップ1202)。次に、ステップ1204乃至1210で加熱装置150を形成する。即ち、ポリイミド皮膜を形成し(ステップ1204)、エッチングを施す(ステップ1206)。次に、発熱体パターンの導体を蒸着して(ステップ1208)、パターニングを施す(ステップ1210)。次に、基板を分割し(ステップ1212)、パッケージ基板122上に電子回路素子123を搭載する(ステップ1214)。次に、その他の必要な回路をパッケージ基板122に搭載した後で、これらを封止する(ステップ1216)。最後に、ハンダボール125をパッド124にハンダ付けする(ステップ1218)。
【0039】
図15に、図11に示すBGAパッケージ120Aの変形例としてのBGAパッケージ120Bの概略断面図を示す。BGAパッケージ120Bは、断熱部158を発熱体部153と本体部121との間に設けた加熱装置150Bを有する点でBGAパッケージ120Aと異なる。断熱部158は、発熱体部153からの熱が電子回路素子123に及んで熱破壊や熱劣化することを低減又は防止することができる。また、発熱体部153は複数のハンダボール125を結ぶ平面上に略配置されているため、ハンダボール125を効率的に加熱することができる。
【0040】
なお、加工装置150AをBGAパッケージと一体的構成する場合には、ステップ1008と1010やステップ1110と1112の先後は問わない。
【0041】
加熱装置150は、図4では独立した部材であったが、プリント基板110と一体であってもよい。かかる実施例を図16(a)及び図16(b)を参照して説明する。ここで、図16(a)は、加熱装置150が一体的に構成されたプリント基板110の概略平面図であり、図16(b)はその概略断面図である。プリント基板110Aは、基板本体部111と、フットプリント112と、加熱装置150Cとを有する。
【0042】
以下、図17乃至図19を参照して、プリント基板110を製造する幾つかの方法について説明する。
【0043】
図17は、両面テープを使用して加熱装置150Cをプリント基板110に貼り合わせてプリント基板110Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、樹脂やセラミックから基板本体111を形成する(ステップ1302)。次に、フットプリント112を基板本体111上に形成する(ステップ1304)。一方、ステップ1308乃至1312で加熱装置150Cを形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1308)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1310)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1308と1310を繰り返す。次に、耐熱両面接着テープを積層体に接着する(ステップ1312)。次に、フットプリント112に相当する領域の穴あけを行う(ステップ1314)。次に、基板本体111のフットプリント112の領域に加熱装置150Cを接着する(ステップ1306)。
【0044】
図18は、接着剤を使用して加熱装置150Cをプリント基板110に貼り合わせてプリント基板110Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、樹脂やセラミックから基板本体111を形成する(ステップ1402)。次に、フットプリント112を基板本体111上に形成する(ステップ1404)。次に、基板本体111のフットプリント112の領域に接着層を印刷する(ステップ1408)。一方、ステップ1412乃至1416で加熱装置150Cを形成する。即ち、発熱体パターンの導体を絶縁層151上にパターニングする(ステップ1412)。次に、絶縁層151を更に積層する(ステップ1414)。多層構造の発熱体部153の場合にはステップ1412と1414を繰り返す。次に、フットプリント112に相当する領域の穴あけを行う(ステップ1416)。次に、基板本体111に加熱装置150Cを接着する(ステップ1410)。
【0045】
図19は、加熱装置150Cを基板本体111に微細加工技術を使用して直接作成してプリント基板110Aを製造する方法を示すフローチャートである。まず、樹脂やセラミックから基板本体111を形成する(ステップ1502)。次に、フットプリント112を基板本体111上に形成する(ステップ1504)。次に、ステップ1506乃至1512で加熱装置150を形成する。即ち、ポリイミド皮膜を形成し(ステップ1506)、エッチングを施す(ステップ1508)。次に、発熱体パターンの導体を蒸着して(ステップ1510)、パターニングを施す(ステップ1512)。
【0046】
図20に、図16に示すプリント基板110Aの変形例としてのプリント基板110Bの概略断面図を示す。プリント基板110Bは、断熱部158を発熱体部153と基板本体111との間に設けた加熱装置150Dを有する点でBGAパッケージ120Aと異なる。断熱部158は、発熱体部153からの熱が基板本体111に及んで周辺の回路素子を熱破壊や熱劣化することを低減又は防止することができる。
【0047】
図21に、図20に示すプリント基板110Bの変形例としてのプリント基板110Cの概略断面図を示す。プリント基板110Cは、ハンダペースト159をフットプリント112上で絶縁層の間に充填(印刷)している点でBGAパッケージ120Aと異なる。これにより、ユーザは、BGAパッケージ120を実装する際にハンダペースト159を充填する必要がなくなるので操作性は向上する。
【0048】
図20及び図21において加熱装置150Dの発熱体部153とBGAパッケージ120との間に断熱部158を設けてもよい。
【0049】
以下、図2、図5及び図3を参照して、BGAパッケージ120の実装について説明する。まず、図2に示すプリント基板110の所定位置にBGAパッケージ120を載置する(図5)。BGAパッケージ120の位置決め前に又は後にリード155、制御部156及び電源157が加熱装置150に接続される。次に、電源157から発熱体部153に電源が供給されることにより、発熱体部153が発熱してハンダボール153を溶融してフットプリント112にハンダ付けする。この時、基板110の下面全体をホットプレート170などで加熱する。もっともホットプレート170による加熱は選択的である。最後に、リード155、制御部156及び電源157を加熱装置150から取り外す(図3)。リワーク時には、図3に示す状態において、リード155、制御部156及び電源157を加熱装置150に取り付けて図5に示す状態とし、通電によりハンダボール153を溶融してフットプリント112から取り外す(図2)。リワーク時において新しいBGAパッケージ120を取り付ける手順はリフローと同様である。新しいBGAパッケージ120に対しても、以前の加熱装置150を同様に使用してもよい。
【0050】
なお、図2では、フットプリント112は省略されている。また、基板110を図16、図20又は図21の構造にして通常のBGAパッケージ120を使用してもよい。
【0051】
本実施例によれば、加熱装置150がBGAパッケージ120のハンダボール125を局所的に加熱し、BGAパッケージ120のリフロー時及びリワーク時に周囲の電子回路素子を加熱しない。このため、周囲の電子回路素子は熱破壊や熱劣化から保護される。BGAパッケージ120が周囲の電子部品より大きい場合には、図25で説明した問題が発生しないように、図5に示すようにホットプレーと170と加熱装置150とを協働させ、ハンダボール125を溶融することができる。あるいは、リフローでは大型のBGAパッケージ120の周辺の電子部品のみを取り付けて大型のBGAパッケージ120はその後別個に基板110に取り付けてもよい。この結果、プリント基板110上では電子部品を高密度実装することができ、電子機器100を小型で高性能に構成することができる。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。
【0053】
本発明は更に以下の事項を開示する。
【0054】
(付記1) ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、前記電子部品に固定される本体部と、前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする加熱装置。(1)
(付記2) 前記本体部は、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを収納する収納部を有することを特徴とする付記1記載の加熱装置。
【0055】
(付記3) 前記発熱体部は複数の独立した発熱体パターンを含むことを特徴とする付記1記載の加熱装置。
【0056】
(付記4) 前記複数の独立した発熱体パターンは多層パターンであることを特徴とする付記3記載の加熱装置。
【0057】
(付記5) 前記複数の独立した発熱体パターンの発熱を別個に制御する制御部を更に有することを特徴とする付記3記載の加熱装置。
【0058】
(付記6) 前記複数の独立した発熱体パターンは、複数のハンダボールの間をジグザグに延びる第1のパターンと、前記第1のパターンを取り囲む第2のパターンとを有することを特徴とする付記3記載の加熱装置。
【0059】
(付記7) 前記第2のパターンは、前記複数のハンダボールの隅部に密に配置されることを特徴とする付記6記載の加熱装置。
【0060】
(付記8) 前記発熱体部と前記電子部品との間に設けられる断熱部を更に有することを特徴とする付記1記載の加熱装置。(2)
(付記9) 前記発熱体部は、複数のハンダボールの中心を通る平面近傍に配置されていることを特徴とする付記8記載の加熱装置。
【0061】
(付記10) 前記発熱体部に対して電気的に接続及び切断可能で、前記発熱体部に通電する電源供給部を更に有することを特徴とする付記1記載の加熱装置。
【0062】
(付記11) 基板に搭載可能なボールグリッドアレイ構造の電子部品であって、前記基板上で動作する電子回路素子を収納する本体部と、前記基板にハンダ付けされるハンダボールと、前記ハンダボールを溶融する付記1乃至10のうちいずれか一項記載の加熱装置とを有することを特徴とする電子部品。(3)
(付記12) 前記加熱装置は、前記本体部に関して前記ハンダボールと反対側に配置されることを特徴とする請求項11記載の電子部品。
【0063】
(付記13) ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板本体と、前記基板本体に設けられ、前記電子部品に接続されるフットプリントと、前記フットプリントの周りに設けられ、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する付記1乃至10記載の加熱装置とを有することを特徴とする基板。(4)
(付記14) 前記加熱装置は、前記発熱体部と前記基板本体との間に設けられた断熱部を更に有することを特徴とする付記13記載の基板。(5)
(付記15) 前記フットプリント上であって前記発熱体部の間にハンダが充填されていることを特徴とする付記13記載の基板。(6)
(付記16) ボールグリッドアレイ構造の電子部品を製造する方法であって、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップと、電子回路素子を収納する本体部にハンダボールを取り付けるステップとを有することを特徴とする製造方法。(7)
(付記17) ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板を製造する方法であって、前記電子部品が搭載可能な本体部に前記電子部品に接続されるフットプリントを形成するステップと、前記フットプリントの周りに前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップとを有することを特徴とする製造方法。(8)
(付記18) 前記発熱体部形成ステップは、絶縁体に発熱体パターンを形成するステップと、前記発熱体パターンを挟むように前記絶縁体を積層するステップと、前記積層体に穴を形成するステップとを有し、前記製造方法は、積層された前記絶縁体を前記本体部に接着するステップを更に有することを特徴とする付記16又は17記載の製造方法。
【0064】
(付記19) 前記接着ステップは、耐熱両面接着テープ又は印刷された接着層を利用することを特徴とする付記18記載の製造方法。
【0065】
(付記20) 前記発熱体部形成ステップは、前記基板自体に発熱体パターンを微細加工技術によって形成するステップを有することを特徴とする付記16又は17記載の製造方法。
【0066】
(付記21) ボールグリッドアレイ構造の電子部品と、
当該電子部品が動作する基板本体と、
前記電子部品を前記基板本体に取り付け及び取り外す付記1乃至10記載のうちいずれか一項記載の加熱装置とを有することを特徴とするプリント基板。(9)
(付記22) 付記21記載のプリント基板を有することを特徴とする電子機器。(10)
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一側面としての電子機器の概略斜視図である。
【図2】図1に示す電子機器に搭載されるプリント基板の概略斜視図である。
【図3】図3(a)は、図2に示すプリント基板にBGAパッケージが搭載された様子を示す概略斜視図であり、図3(b)は図3(a)の点線に沿った概略断面図である。
【図4】図3(b)に示す加熱装置の概略斜視図である。
【図5】図3に示すプリント基板において図4に示す加熱装置に電源部を取り付けた様子を示す概略斜視図である。
【図6】図6(a)は、図4に示す加熱装置に適用可能な発熱体パターンの概略平面図であり、図6(b)は、図6(a)の概略断面図である。
【図7】図7(a)乃至図7(d)は、図4に示す加熱装置に適用可能な多層構造の発熱体パターンの別の例を示し、図7(a)は第1層の発熱体パターンの概略平面図、図7(b)は第2層の発熱体パターンの概略平面図、図7(c)は多層構造の発熱体パターンの概略平面図、図7(d)は図7(c)の概略断面図である。
【図8】図4に示す加熱装置に適用可能な複数の発熱体パターンの概略平面図である。
【図9】図8に示す発熱体パターンの変形例の概略平面図である。
【図10】図10(a)は、図3(a)に示す加熱装置の変形例の概略断面図であり、図10(b)は、図10(a)に示す加熱装置の概略斜視図である。
【図11】図11(a)は、加熱装置と一体のBGAパッケージの概略断面図であり、図11(b)は、図11(a)の概略平面図である。
【図12】図11(a)に示すBGAパッケージを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【図13】図11(a)に示すBGAパッケージを製造する別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】図11(a)に示すBGAパッケージを製造する更に別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】図11(a)に示すBGAパッケージの変形例としての概略断面図である。
【図16】図16(a)は、加熱装置と一体のプリント基板の概略断面図であり、図16(b)は、図16(a)の概略平面図である。
【図17】図16(a)に示すBGAパッケージを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【図18】図16(a)に示すBGAパッケージを製造する別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図19】図16(a)に示すBGAパッケージを製造する更に別の方法を説明するためのフローチャートである。
【図20】図16(b)に示すBGAパッケージの変形例としての概略断面図である。
【図21】図16(b)に示すBGAパッケージの別の変形例としての概略断面図である。
【図22】従来のリワーク技術を説明するための概略断面図である。
【図23】従来のリワーク技術を説明するための別の概略断面図である。
【図24】従来のリワーク技術を説明するための更に別の概略断面図である。
【図25】従来のリワーク技術を説明するための更に別の概略断面図である。
【符号の説明】
【0068】
100 電子機器(サーバー)
110−150C プリント基板
120−120B BGAパッケージ
125 ハンダボール
150−150D 加熱装置
153−153d 発熱体部(発熱体パターン)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、
前記電子部品に固定される本体部と、
前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記発熱体部と前記電子部品との間に設けられる断熱部を更に有することを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
【請求項3】
基板に搭載可能なボールグリッドアレイ構造の電子部品であって、
前記基板上で動作する電子回路素子を収納する本体部と、
前記基板にハンダ付けされるハンダボールと、
前記ハンダボールを溶融する請求項1記載の加熱装置とを有することを特徴とする電子部品。
【請求項4】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板本体と、
前記基板本体に設けられ、前記電子部品に接続されるフットプリントと、
前記フットプリントの周りに設けられ、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する請求項1記載の加熱装置とを有することを特徴とする基板。
【請求項5】
前記加熱装置は、前記発熱体部と前記基板本体との間に設けられた断熱部を更に有することを特徴とする請求項4記載の基板。
【請求項6】
前記フットプリント上であって前記発熱体部の間にハンダが充填されていることを特徴とする請求項4記載の基板。
【請求項7】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品を製造する方法であって、
前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップと、
電子回路素子を収納する本体部にハンダボールを取り付けるステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板を製造する方法であって、
前記電子部品が搭載可能な本体部に前記電子部品に接続されるフットプリントを形成するステップと、
前記フットプリントの周りに前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップとを有することを特徴とする製造方法。
【請求項9】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品と、
当該電子部品が動作する基板本体と、
前記電子部品を前記基板本体に取り付け及び取り外す請求項1乃至10記載のうちいずれか一項記載の加熱装置とを有することを特徴とするプリント基板。
【請求項10】
請求項9記載のプリント基板を有することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品を、当該電子部品が動作する基板に取り付け及び取り外す加熱装置であって、
前記電子部品に固定される本体部と、
前記本体部に設けられ、電源が供給されると発熱して前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部とを有することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記発熱体部と前記電子部品との間に設けられる断熱部を更に有することを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
【請求項3】
基板に搭載可能なボールグリッドアレイ構造の電子部品であって、
前記基板上で動作する電子回路素子を収納する本体部と、
前記基板にハンダ付けされるハンダボールと、
前記ハンダボールを溶融する請求項1記載の加熱装置とを有することを特徴とする電子部品。
【請求項4】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板本体と、
前記基板本体に設けられ、前記電子部品に接続されるフットプリントと、
前記フットプリントの周りに設けられ、前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する請求項1記載の加熱装置とを有することを特徴とする基板。
【請求項5】
前記加熱装置は、前記発熱体部と前記基板本体との間に設けられた断熱部を更に有することを特徴とする請求項4記載の基板。
【請求項6】
前記フットプリント上であって前記発熱体部の間にハンダが充填されていることを特徴とする請求項4記載の基板。
【請求項7】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品を製造する方法であって、
前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップと、
電子回路素子を収納する本体部にハンダボールを取り付けるステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品が搭載可能な基板を製造する方法であって、
前記電子部品が搭載可能な本体部に前記電子部品に接続されるフットプリントを形成するステップと、
前記フットプリントの周りに前記ボールグリッドアレイ構造のハンダボールを溶融する発熱体部を形成するステップとを有することを特徴とする製造方法。
【請求項9】
ボールグリッドアレイ構造の電子部品と、
当該電子部品が動作する基板本体と、
前記電子部品を前記基板本体に取り付け及び取り外す請求項1乃至10記載のうちいずれか一項記載の加熱装置とを有することを特徴とするプリント基板。
【請求項10】
請求項9記載のプリント基板を有することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−295019(P2006−295019A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−116518(P2005−116518)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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