説明

電子部品冷却ユニット、巻線切替器、回転電機

【課題】電子部品冷却ユニットの冷却面積を増大させて冷却性能を向上させる。
【解決手段】冷却水を循環させる水冷冷却室35が内部に形成された切替制御ユニットフレーム31と、切替制御ユニットフレーム31に備えられ、ダイオードモジュール32とIGBTモジュール33が搭載される少なくとも1つの上面壁35aと、切替制御ユニットフレーム31に備えられ、上面壁35aの周囲を取り囲む側面と、切替制御ユニットフレーム31の側面に互いに隣接して設けられ、水冷冷却室35に連通する供給口ノズル37と排出口ノズル38と、を有し、水冷冷却室35は、供給口ノズル37と排出口ノズル38を両端としたる略U字型形状であり、上面壁35aから見た流路幅が、切替制御ユニットフレーム31のノズル37,38側よりも開放口31a側の方が大きくなるように、形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、電子部品冷却ユニット、巻線切替器、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータ本体部とモータ本体部の巻線を切り替える巻線切替器を一体的に備えたモータが記載されている。このモータでは、巻線切替器の筐体の内部に冷却液路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−147253号公報(第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に巻線切替器は、半導体スイッチング素子等で構成される巻線切替モジュールやダイオード等、固定子の巻線を切り替えるための複数の電子部品を有する。ここで、上記従来技術の冷却液路は、途中の流路幅がほぼ一定である略U字状の液路となっている。このような冷却液路では、電子部品を冷却可能な冷却面の面積に限りがあり、複数の電子部品を十分に冷却できるとは限らなかった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、冷却面積を増大させて冷却性能を向上させた電子部品冷却ユニット、巻線切替器、回転電機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、冷媒を循環させる流路が内部に形成された筐体と、前記筐体に備えられ、電子部品が搭載される少なくとも1つの搭載面と、前記筐体に備えられ、前記搭載面の周囲を取り囲む側面と、前記筐体の一方側の前記側面に互いに隣接して設けられ、前記流路に連通する2つの開口部と、を有し、前記流路は、前記2つの開口部のいずれか一方を供給口、他方を排出口とする略U字型形状であり、前記搭載面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が大きくなるように、形成されている電子部品冷却ユニットが適用される。
【0007】
また上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、回転電機の固定子の巻線を切り替える巻線切替器であって、冷媒を循環させる流路が内部に形成された筐体と、前記筐体に備えられた少なくとも1つの搭載面に搭載された電子部品と、前記筐体に備えられ、前記搭載面の周囲を取り囲む側面と、前記筐体の一方側の前記側面に互いに隣接して設けられ、前記流路に連通する2つの開口部と、を有し、前記流路は、前記2つの開口部のいずれか一方を供給口、他方を排出口とする略U字型形状であり、前記搭載面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が大きくなるように、形成されている巻線切替器が適用される。
【0008】
また上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、固定子及び回転子を備え、前記固定子の巻線を切り替える巻線切替器を有する回転電機であって、前記巻線切替器は、冷媒を循環させる流路が内部に形成された筐体と、前記筐体に備えられた少なくとも1つの搭載面に搭載された電子部品と、前記筐体に備えられ、前記搭載面の周囲を取り囲む側面と、前記筐体の一方側の前記側面に互いに隣接して設けられ、前記流路に連通する2つの開口部と、を有し、前記流路は、前記2つの開口部のいずれか一方を供給口、他方を排出口とする略U字型形状であり、前記搭載面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が大きくなるように、形成されている回転電機が適用される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子部品冷却ユニットの冷却面積を増大させて冷却性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係る電動機を主要構成部ごとに分解した状態の外観全体を斜視で表した図である。
【図2】組み立てた状態の電動機を図1中の矢視A−A線から見た軸方向側断面で表した図である。
【図3】図2中の矢視B−B線断面から見た配線ユニットの平面図である。
【図4】図2中の矢視C−C線断面から見た切替制御ユニットの平面図である。
【図5】図2中の矢視D−D線断面から見た切替制御ユニットフレームの軸方向断面図である。
【図6】図5中の矢視E−E線断面から見た切替制御ユニットフレームの側断面図である。
【図7】変形例の水冷冷却室を備えた切替制御ユニットフレームの図6に対応する側断面図である。
【図8】巻線用端子台を水冷冷却室に固定した場合の電動機の図2に対応する側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1は、一実施形態に係る電動機を主要構成部ごとに分解した状態の外観全体を斜視で表した図であり、図2は、組み立てた状態の電動機を図1中の矢視A−A線から見た軸方向側断面で表した図である。図示する例の電動機は、例えば電気自動車の駆動用モータに適用される回転型電動機である。なお、図2中においては、図示の煩雑を避けるために、ケーブル等の配線は省略している。
【0013】
これら図1、図2において、電動機100は、電動機本体1と、配線ユニット2と、切替制御ユニット3と、蓋部4とを有している。電動機本体1はその全体の外観が略円筒形状であり、その一方側(図1中の左下側、図2中の左側)の軸方向端部で後述の出力軸12を突出させ、その反対側(図1中の右上側、図2中の右側)の軸方向端部に、それぞれ略同じ外径で軸方向に短い形状の配線ユニット2と、切替制御ユニット3とを同軸的に重ねて連結している。この重ねる順序としては、電動機本体1、配線ユニット2、及び切替制御ユニット3の順である。さらに、切替制御ユニット3の開放端部に同じ外径の蓋部4を取り付けて、電動機100の全体が略円筒形状の組立体に構成される。
【0014】
電動機本体1は、電動機本体フレーム11と、出力軸12と、永久磁石が埋め込まれた回転子13と、巻線を有する固定子14と、レゾルバ15とを有している。電動機本体フレーム11は、全体が略円筒形状で構成され、一方側(図1中の左下側、図2中の左側)の軸方向端部が閉塞壁11aで閉じており、他方側(図1中の右上側、図2中の右側)の軸方向端部が開口している。図示する本実施形態の例では、閉塞壁11aに上記出力軸12が貫通しており、開口している側の軸方向端部に配線ユニット2が連結している。また、電動機本体フレーム11の内部で開口側に近い軸方向位置に支持壁11bが設けられており、この支持壁11bと上記閉塞壁11aがそれぞれの中心位置でベアリング11cを介して出力軸12を回転自在に支持している。また、この電動機本体フレーム11の外周側壁11dの内部には、冷却水を周方向に流通可能な冷却水路11eが全周に渡って設けられている。なお、特に詳しく図示しないが、この冷却水路11eには冷却水を流通させる配管を介して外部の冷却水ポンプに接続されている(配管、冷却水ポンプ共に図示省略)。当該冷却水路11eに冷却水を流通させることで、電動機本体1の発熱を吸熱させることができる。
【0015】
本実施形態の電動機100の例では、永久磁石が埋め込まれた回転子13が略円柱形状に構成され、電動機本体フレーム11の内部で上記出力軸12に同軸的に固定されている。また、巻線を有する固定子14は円筒形状に構成されており、上記永久磁石が埋め込まれた回転子13の外周側を囲む配置で電動機本体フレーム11の内周面に固定されている。上述したように、出力軸12の一方側(図1中の左下側、図2中の左側)の端部は上記電動機本体フレーム11の閉塞壁11aを貫通して突出しており、他方側(図1中の右上側、図2中の右側)の端部は電動機本体フレーム11の内部に収まっている。この出力軸12の他方側の端部には、当該出力軸12の回転速度や回転位置を検出するためのレゾルバ15が設けられている。
【0016】
以上のように構成された電動機本体1は、巻線を有する固定子14に3相交流電力を供給することで、永久磁石が埋め込まれた回転子13と出力軸12を回転駆動できる3相交流同期型のモータであり、レゾルバ15によってその回転子13の回転角を検出できる。特に図示しないが、巻線を有する固定子14には3相交流の各相に対応した巻線14を3本並列に巻回して構成する巻線を2組備えている。これらのうち一つの巻線のみに3相交流を供給した場合には、インピーダンスが低いため高周波領域でも十分な電流を流すことができ、電動機100を高速で駆動するのに好適な状態となる。また、2組の巻線を直列に接続してその全体に3相交流を供給した場合には、インピーダンスが高いので低周波領域でも十分な電圧を印加することができ、同一電流に対して電動機100に大きいトルクを発生させることができ、低速駆動に好適な状態となる。
【0017】
切替制御ユニット3は、外部から供給された3相交流電力に対して上記2組の巻線をどのように接続して供給するかの切り替え制御を行うユニットであり、配線ユニット2は3相交流電力の供給端子と、切替制御ユニット3と、電動機本体1の2組の巻線との間を接続するケーブルを最適に這いまわして収容するユニットである。
【0018】
図3は、上記図2中の矢視B−B線断面から見た配線ユニット2の平面図である。上記図1〜図3において、配線ユニット2は、配線ユニットフレーム21と、巻線用端子台22と、電源用端子台23と、シールド板24とを有している。
【0019】
配線ユニットフレーム21の外観は、その外周部分で上記電源用端子台23の配置位置に角部21aを有する以外は、上記電動機本体フレーム11と同じ外径の略円筒形状を有している。また、この配線ユニットフレーム21は、電動機本体フレーム11に連結する側(図1中の左下側、図2中の左側、図3中の奥側)の軸方向端部に遮蔽壁21bを有しており、反対側(図1中の右上側、図2中の右側、図3中の手前側)の軸方向端部は開口している。配線ユニットフレーム21の内部では、軸中心に近い位置に巻線用端子台22が、上記角部21aの位置に電源用端子台23が、それぞれ遮蔽壁21bに固定されている。
【0020】
巻線用端子台22は全体が成形樹脂部材で構成されており、遮蔽壁21bに直接固定される基台部22aと、上記切替制御ユニット3に連結する連結部22bとを一体に備えている。基台部22aは、遮蔽壁21bとの設置面からの高さが比較的低い略直方体形状を備えている。連結部22bは、基台部22aの幅方向一方側(図2、図3中の上側)の辺に沿って長手方向に同じ長さに配置され、その上端が配線ユニットフレーム21の開口側端部から突出するほどの高さの略直方体形状を備えている。このため当該巻線用端子台22は、図2中に示すような略L字形状の断面を長手方向に連続する形状を備えている。配線ユニットフレーム21の底面に位置する略円形形状の遮蔽壁21bにおいて、巻線用端子台22の基台部22aは遮蔽壁21bの中心から外れてその長手方向に沿った辺を遮蔽壁21bの弦とする配置で固定されている。また連結部22bは、基台部22aのうちの遮蔽壁21bの外周側に近い方の辺に位置している。
【0021】
連結部22bに接続する以外の基台部22aの上面には、その長手方向に渡って6つの端子結合部22cが等間隔もしくは不等間隔の配置で設けられている。隣り合う2つの端子結合部22cの間には少しだけ高くなった分断壁22dが設けられている。また、連結部22bの先端部には、その長手方向に渡って6つの接続部22eが等間隔もしくは不等間隔の配置で設けられている(後述の図4参照)。同じ長手方向位置に位置する端子結合部22cと接続部22eどうしは、基台部22aと連結部22bの内部に設けられた金属製のバスバー22fを介して電気的に接続されている。
【0022】
電源用端子台23は、上記巻線用端子台22と同様に、略L字形状の断面が長手方向に連続する形状を備えており、配線ユニットフレーム21の外周側の角部21aに配置されて遮蔽壁21bに固定されている。この電源用端子台23には、その長手方向に渡って3つの電源結合部23aが等間隔もしくは不等間隔の配置で設けられている。これら3つの電源結合部23aは、外部電源ケーブル25を介して図示しない外部のインバータに接続されている。
【0023】
配線ユニットフレーム21の遮蔽壁21bの中心位置には、上記電動機本体1に設けられたレゾルバ15より少し大きい外径で例えば磁性体などからなるシールド板24が設けられている。また遮蔽壁21bにおいて、シールド板24より外周側で適宜の周方向位置に2つの挿通穴21c、21dが隣接して設けられている。また遮蔽壁21bにおいて、巻線用端子台22より外周側の位置には、遮蔽壁21bを貫通して上記レゾルバ15の配線を配線ユニットフレーム21の内部へ通すための連通穴21eが設けられている。
【0024】
そして、巻線用端子台22の基台部22aに設けられた6つの端子結合部22cのうち、図3中の左側の3つはそれぞれ高速用ケーブル26の端子を結合するための結合部であり、図3中の右側の3つはそれぞれ低速用ケーブル27の端子を結合するための結合部である。上記連結部22bは、これら高速用ケーブル26と低速用ケーブル27のそれぞれに対応して長手方向に2分割されている。電源用端子台23に設けられた3つの電源結合部23aは、それぞれ電源用ケーブル28の端子を結合するための結合部である。各結合部は、ボルトなどの締結によって各ケーブルの端子が結合される。高速用ケーブル26、低速用ケーブル27、及び電源用ケーブル28はそれぞれ3本ずつ配線されるが、それら3本の内訳は3相交流のU、V、Wの各相に対応している。
【0025】
電源用ケーブル28は、図示しない外部のインバータから供給された駆動用の3相交流電流が流れるケーブルである。高速用ケーブル26は、上述した電動機本体1の内部に備えられる2組の巻線に対して高速駆動の切替時に接続するケーブルであり、接続の切り替え状態によっては比較的大きな電流が流れるため太いケーブルが用いられている。低速用ケーブル27は、上述した電動機本体1の内部に備えられる2組の巻線に対して低速駆動の切替時に接続するケーブルであり、どのような接続の切り替え状態であっても上記電源用ケーブル28と同等またはそれより低い電流が流れるため、電源用ケーブル28と同じ太さのケーブルが用いられている。
【0026】
3本の高速用ケーブル26は、巻線用端子台22に最も近い位置の挿通穴21cに挿通させて電動機本体1の内部に挿通されている。3本の低速用ケーブル27は、もう一方の挿通穴21dを通過して電動機本体1の内部に挿通されている。このように電動機本体1の内部に挿通された高速用ケーブル26と低速用ケーブル27の併せて6本のケーブルは、図1に示すように、それぞれ電動機本体フレーム11の内周側で同じ巻回方向に何重にも巻回された状態で収納され、その巻回部分29から出たそれぞれの端部が2組の巻線に接続される(図2中ではこの巻回部分29を含めた配線全体を省略している)。
【0027】
この電動機本体1内におけるケーブルの巻回部分29の巻回経路は、図3の断面から見て、配線ユニットフレーム21と同等の外径である電動機本体フレーム11の外周側壁11dの内面に沿って反時計回り方向に描く円形経路である(特に図示せず)。この円形経路に対して、図3中に示す配置の高速用ケーブル26は、比較的曲率の小さい(曲率半径の大きい)配線経路で進入できるよう引き回せる。また、同じ円形経路に対して、図3中に示す配置の低速用ケーブル27は、比較的曲率の大きい(曲率半径の小さい)配線経路で進入するよう引き回している。
【0028】
ここで、基台部22aの上面で隣り合う2つの端子結合部22cの間の分断壁22dは、近傍のケーブルの配線経路に沿う方向で設けられている。それら分断壁22dの間の出口位置を考慮すると、最も太い3本の高速用ケーブル26が、巻線用端子台22の半径方向最外周側に配線され、最も細い低速用ケーブル27が巻線用端子台22の半径方向略中央位置に配線されるよう、それぞれ接続されていると見なせる。なお、ここでの半径方向とは、略円筒形状の配線ユニットフレーム21における半径方向を意味する。また、図示するこの例の配線経路では、3本の高速用ケーブル26と3本の低速用ケーブル27とが互いに隣接するよう配置されている。
【0029】
図4は、上記図2中の矢視C−C線断面から見た切替制御ユニット3の平面図である。上記図1、図2及び図4において、切替制御ユニット3は、切替制御ユニットフレーム31と、ダイオードモジュール32と、IGBTモジュール33と、制御回路基板34とを有している。
【0030】
切替制御ユニットフレーム31の外観は、上記電動機本体フレーム11と同じ外径の略円筒形状を有している。また、この切替制御ユニットフレーム31は、配線ユニットフレーム21に連結する側(図1中の左下側、図2中の左側、図4中の奥側)の軸方向端部に水冷冷却室35を有しており、反対側(図1中の右上側、図2中の右側、図4中の手前側)の軸方向端部は開口している。上記水冷冷却室35は、切替制御ユニットフレーム31の周方向の一部分(図2中、図4中の上方部分)において配線ユニット2に向けて開口させ、それ以外では全面的に遮蔽するよう設けられている。配線ユニット2と連結した際には、この水冷冷却室35が設けられていない開口部分(以下において、開放口31aという)に上記巻線用端子台22の連結部22bが貫通し、切替制御ユニットフレーム31の内部に挿入される。なお、水冷冷却室35の構造については後に詳述する。
【0031】
切替制御ユニットフレーム31の内部では、ダイオードモジュール32が上記開放口31aに近い側の位置で、IGBTモジュール33が上記開放口31aから遠い側の位置で、それぞれ水冷冷却室35の上面壁35a(図2中の右側の壁面、図4中の手前側の壁面)に固定されている。そして制御回路基板34は、ダイオードモジュール32及びIGBTモジュール33の上方側(図2中の右側、図4中の手前側)に重なる配置で固定され、外部制御ケーブル36を介して図示しない外部の切替制御装置に接続されている。なおここでは、説明の便宜上、蓋部4の側を上方側、電動機本体1の側を下方側としている。ダイオードモジュール32は、配線ユニット2から当該切替制御ユニット3の内部に挿入された上記連結部22bの先端の6つの接続部22eからそれぞれ適宜の配線を介して接続されている。またIGBTモジュール33は、ダイオードモジュール32と制御回路基板34にそれぞれ適宜の配線を介して接続している(これらの配線は図示を省略)。これらのうち、上記連結部22b、ダイオードモジュール32、及びIGBTモジュール33には、上記高速用ケーブル26と低速用ケーブル27を介して大きな電流が流れるため、高い温度に発熱する。このため、これら連結部22b、ダイオードモジュール32、及びIGBTモジュール33は、切替制御ユニットフレーム31に設けられた水冷冷却室35を構成する部材に接触させて吸熱させる必要がある。
【0032】
図5は、上記図2中の矢視D−D線断面から見た切替制御ユニットフレーム31の軸方向断面図であり、図6は、図5中の矢視E−E線断面から見た切替制御ユニットフレーム31の側断面図である。つまり、図5、図6はそれぞれ主に水冷冷却室35の軸方向断面及び側断面を表している。これら図5、図6において、水冷冷却室35は、配線ユニット2側への開放口31aの周囲部分を除いた切替制御ユニットフレーム31の外周側面の部分と、上記開放口31aを仕切る内壁部31bとで側方を囲まれて、さらに配線ユニット2側に位置する下面壁35bとその軸方向逆側の上面壁35aとに挟まれた密閉空間で構成されている。なお、本実施形態の例では、下面壁35bと上面壁35aのそれぞれの内面が並行に対向するよう配置されている。
【0033】
さらに、水冷冷却室35の内部において、その略中心位置から上記開放口31aと逆側(図2中、図5中の下側)の外周側壁に渡って延設されて下面壁35bと上面壁35aを接続する仕切り壁部35cが設けられており、このため図5の平面図で見た当該水冷冷却室35の全体は略U字型形状(図5中では上下逆向き)を備えている。この略U字形状の両端位置、つまり上記開放口31aと逆側で仕切り壁部35cを挟んだ2箇所の位置における外周側壁がそれぞれ開口されており、それぞれノズル37,38が連通して設けられている。本実施形態の例では、図5中の左側のノズル37が当該水冷冷却室35の内部に冷却水を供給する供給口ノズル37として機能し、図5中の右側のノズル38が当該水冷冷却室35の内部から冷却水を排出する排出口ノズル38として機能する。これら供給口ノズル37と排出口ノズル38は、それぞれ冷却水を流通させる配管を介して外部の冷却水ポンプに接続されている(配管、冷却水ポンプ共に図示省略)。
【0034】
そして、この略U字形状の水冷冷却室35の内部においては、供給口ノズル37から排出口ノズル38へ向かう方向で冷却水が流通するが、図5の平面図で見た水冷冷却室35の形状としては、上記供給口ノズル37と排出口ノズル38を設けた側(つまり略U字形状の両端側)よりも上記開放口31aの側(つまり略U字形状の屈曲側)の方が流路幅が大きくなるように形成されている。つまり、流路幅が2つのノズル37,38側から流路奥側に向けて拡大するように形成されている。特に上記仕切り壁部35cによって仕切られた領域においては、ノズル37,38側より開放口31a側に向けて流路幅が拡大するように形成されている。
【0035】
また、水冷冷却室35の内部には、配線ユニット2側の上面壁35aに複数の整流フィン35dが設けられている。これら整流フィン35dは、上面壁35aから下面壁35bに到達しない程度に突出した壁部であり、冷却水が流通する経路の各領域においてそれぞれ冷却水の流通方向に沿って4つ設けられている。そして上述したように、特に上記仕切り壁部35cによって仕切られた領域においては、ノズル37,38側より開放口31a側に向けて流路幅が拡大するように形成されているため、当該領域に設けられた各整流フィン35dは略放射状に配置されている。それ以外の領域では、冷却水の流通方向に沿って4つの整流フィン35dが略平行に配置されている。
【0036】
また、水冷冷却室35の内部には、上記ダイオードモジュール32とIGBTモジュール33を上面壁35aに接触させて固定するためのネジ穴39を内部に有した取付部35eが設けられている。各整流フィン35dは、これら取付部35eに干渉しない配置で設けられている。各取付部35eは、上面壁35aから下面壁35bに渡って両方に接続するように設けられている。このようにしてダイオードモジュール32とIGBTモジュール33は各ネジ穴39に螺合させたネジを介して各取付部35eに固定され、水冷冷却室35の上面壁35aに広い範囲で接触している。これにより、ダイオードモジュール32とIGBTモジュール33に大きい電流が流れて発熱しても、水冷冷却室35に吸熱させることができる。また、同じ水冷冷却室35でも、流路幅の広い開放口31a側の領域(図2中、図5中の上側の領域)より、流路幅が狭いノズル37,38側の領域(図2中、図5中の下側の領域)の方が冷却水の流速が速いため冷却効率がよい。このため、図示するように、比較的発熱温度が高くなるIGBTモジュール33をノズル37,38側の領域に配置し、比較的発熱温度が低いダイオードモジュール32を開放口31a側の領域に配置させている。
【0037】
また、図2、図5に示すように、配線ユニット2から上記開放口31aを貫通して切替制御ユニット3の内部に挿入されている上記巻線用端子台22の連結部22bは、その側部の平坦面を水冷冷却室35の開放口31a側の上記内壁部31bに接触させている。これにより、当該連結部22bの内部に設けられているバスバー22fに大きな電流が流れて連結部22b全体が発熱しても、水冷冷却室35に吸熱させることができる。また、電源用端子台23もまた電流が流れた際に発熱する部材であるため、上記図2に示すようにその断面略L字形状の先端部を水冷冷却室35の下面壁35bに接触させることで吸熱できる。また、特に図示しないが、電動機本体1の内部に設けられたレゾルバ15に接続された配線が、配線ユニットフレーム21の上記連通穴21e及び切替制御ユニットフレーム31の開放口31aを介して配線され、制御回路基板34に接続されている。
【0038】
以上のように構成された電動機100の全体を見ると、上述したように、電動機本体1と、配線ユニット2と、切替制御ユニット3と、蓋部4とを、この順序で重ねて連結した構成である。このうち、巻線を有する固定子14を内部に備えた電動機本体1が最も発熱量が大きく、それに次いでダイオードモジュール32及びIGBTモジュール33を内部に備えた切替制御ユニット3の発熱量が高い。配線ユニット2は、内部に備えた各端子台22,23や各ケーブル26,27,28が大きな電流を流すことで発熱するものの、ユニット単位で見れば電動機本体1や切替制御ユニット3よりも大分発熱量が低い。これにより、配線ユニット2は、電動機本体1から切替制御ユニット3への熱の伝達を遮断する断熱室として機能する。
【0039】
以上において、冷却水(特に図示せず)が各請求項記載の冷媒に相当し、水冷冷却室35が各請求項の流路に相当し、切替制御ユニットフレーム31が各請求項記載の筐体に相当し、ダイオードモジュール32とIGBTモジュール33が各請求項記載の電子部品に相当し、上面壁35aの上側(図2中の右側、図6中の上側)の面が各請求項記載の搭載面に相当し、開放口31aの周囲部分を除いた切替制御ユニットフレーム31の外周側面の部分と内壁部31bとを併せた側面が各請求項記載の側面に相当し、切替制御ユニットフレーム31のうちのノズル37,38を設けた側が各請求項記載の筐体の一方側に相当し、切替制御ユニットフレーム31のうちの開放口31aを設けた側が各請求項記載の筐体の他方側に相当し、供給口ノズル37が各請求項記載の開口部及び供給口に相当し、排出口ノズル38が各請求項記載の開口部及び排出口に相当し、水冷冷却室35を含めた切替制御ユニットフレーム31の全体が各請求項記載の電子部品冷却ユニットに相当する。また、仕切り壁部35cが各請求項記載の仕切り板に相当し、内壁部31bの開放口31a側の側面が各請求項記載の冷却面に相当し、整流フィン35dが各請求項記載の整流板に相当し、電動機100全体が各請求項記載の回転電機に相当し、切替制御ユニット3が各請求項記載の巻線切替器に相当し、出力軸12が各請求項記載のシャフトに相当する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の電動機100によれば、冷却水を循環させる水冷冷却室35が切替制御ユニットフレーム31内部に形成されている。この水冷冷却室35は、切替制御ユニットフレーム31の供給口ノズル37と排出口ノズル38を両端とした略U字型形状であり、上面壁35aの上側(図2中の右側、図4中の手前側)の面から見た流路幅が、切替制御ユニットフレーム31のノズル37,38側よりも開放口31a側の方が大きくなるように、形成されている。すなわち、流路幅が開口部から流路奥側に向けて拡大するように形成されている。
【0041】
このような流路形状とすることにより、途中の流路幅がほぼ一定であるU字型流路に比べ、ダイオードモジュール32やIGBTモジュール33などの電子部品を冷却可能な搭載面の面積(冷却面の面積;この例では上面壁35aの面積)を増大することができる。その結果、複数の電子部品を十分に冷却することが可能となるので、冷却性能を向上することができる。
【0042】
なお、冷却面の面積を広くするために流路を広範囲で蛇行させる構成も考えられるが、この場合には次のような問題が生じうる。すなわち、内部に流路を有する筐体を、ダイカスト工法などの鋳造法により中子を用いて一体成形する場合、自己崩壊性の中子を用いて鋳造後に砂状となった中子を開口部より排出するのが一般的である。しかしながら、蛇行状の流路を形成した場合には、中子が排出されにくくなり、排出作業に手間を要することになる。これに対し、本発明では流路がU字状であるため、開口部側を下方に向けることで中子を容易に排出することができる。したがって、上記構成に比べ、製作性の点で優位である。
【0043】
また、本実施形態によれば、切替制御ユニットフレーム31の水冷冷却室35内に、ノズル37,38側より開放口31a側に向けて延設され、流路の供給口と排出口とを仕切る仕切り壁部35cが設けられている。そして、水冷冷却室35は、仕切り壁部35cにより仕切られた領域において、ノズル37,38側より開放口31a側に向けて流路幅が拡大するように形成されている。
【0044】
このような構成により、冷却水の流れは次のようになる。すなわち、供給口ノズル37より水冷冷却室35に供給された冷却水は、仕切り壁部35cによる仕切り領域において流路幅の拡大により流速を減速させつつ流路を流れ、仕切り壁部35cが設置されていない領域で流れ方向を反転させ、再び仕切り領域において流路幅の縮小により流速を加速させつつ流路を流れ、他方の排出口ノズル38より排出される。
【0045】
このような流れとすることにより、冷却水の流速が変化するのは主として仕切り壁部35cによる仕切り領域内となり、流れ方向が反転する領域での冷却水の流速の変化を小さく抑えることができる。その結果、冷却水の流れの乱れを抑制でき、冷却効率が低下するのを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、水冷冷却室35の流路幅を、ノズル37,38側よりも開放口31a側の方が大きくなるように形成することによって、上面壁35aだけでなく、内壁部31bの側面にも電子部品を冷却可能な冷却面を形成することが可能となる。この内壁部31bの冷却面により、さらに別の電子部品を冷却したり、同一の電子部品を上面壁35aと内壁部31bの両面で冷却すること等が可能となるので、冷却性能をさらに向上することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、切替制御ユニットフレーム31は、冷却水の流れを整流する複数の整流フィン35dを水冷冷却室35内に有し、整流フィン35dは、水冷冷却室35が仕切り壁部35cにより仕切られた領域では、略放射状に配置されており、それ以外の領域では、冷却水の流れ方向に沿って互いに略平行となるように配置されている。これにより、冷却水の流れが上述した流れとなるように整流することができる。また、整流フィン35dによって水冷冷却室35内の放熱面積を増大させることができるので、冷却効率を向上できる効果もある。
【0048】
また、本実施形態によれば、整流フィン35dは、水冷冷却室35の上面壁35a側の内壁より突出して設けられている。これにより、水冷冷却室35内の特に電子部品を搭載する上面壁35a側の放熱面積を増大させることができるので、冷却効率を一層向上できる。また、整流フィン35dを、水冷冷却室35の下面壁35bの内壁との間に隙間を有するように設けることにより、水冷冷却室35の両側の内壁に接続するように整流フィン35dを設ける構成とするよりも、隙間を設ける分軽量化を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、切替制御ユニットフレーム31が複数の取付部35eを有することにより、電子部品をネジ等の取付具を用いて上面壁35aに固定することが可能となり、固定の確実性及び作業性を向上できる。また、取付部35eは切替制御ユニットフレーム31の水冷冷却室35内に突出するが、これと干渉しないように整流フィン35dを設けることで、整流機能の低下を抑制できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、取付部35eは、水冷冷却室35の上面壁35a側の内壁及びその下面壁35b側の内壁の両方に接続するように設けられている。これにより、複数の取付部35eが水冷冷却室35内において支柱として機能するので、切替制御ユニットフレーム31の強度を高めることができる。
【0051】
なお上記実施形態においては、巻線用端子台22を1つにまとめて設けたが本発明はこれに限られない。例えば、高速用ケーブル26と低速用ケーブル27のそれぞれに個別に対応させて2つの巻線用端子台22を設けてもよいし、もしくは3つ以上に分割して設けてもよい。また、3本の高速用ケーブル26が最も太く、3本の低速用ケーブル27と3本の電源用ケーブル28が同じ細さのケーブルとしていたが、このように2種類の太さに限定する必要はない。例えば、高速用ケーブル26のうちの1本が最も太く、その他の高速用ケーブル26をそれよりも細くしてもよいし、低速用ケーブル27のうちのいずれかを細い方の高速ケーブルより太くしてもよい。つまりケーブルの太さを3種類以上としてもよい。この場合には、最も細いケーブルの配線経路が半径方向中央位置に位置しなくともよい。つまり、最も太いケーブルの配線経路を半径方向最外周位置に位置させることを原則としていればよく、それ以外の中程度の太さのケーブルを半径方向中央位置に位置させてもよい。
【0052】
なお、切替制御ユニットフレーム31に設けた水冷冷却室35において、上記実施形態では下面壁35bと上面壁35aのそれぞれの内面が平行に対向するよう配置していたが、本発明はこれに限られない。例えば、上記図6に対応する図7に示すように、側面方向から見た場合の流路幅が、ノズル37,38側の流路幅W1よりも開放口31a側の流路幅W2の方が小さくなるよう、下面壁35bAと上面壁35aAのそれぞれの内面を互いに傾けて配置してもよい。すなわち、流路の深さがノズル37,38側から流路奥側に向けて浅くなるように形成してもよい。このような流路形状とすることにより、図5の平面方向から見た場合の流路幅をノズル37,38側から流路奥側に向けて拡大しつつ、流路断面積をほぼ一定に保つことが可能となる。その結果、冷却水の流速をほぼ一定に保持することができるので、冷却効率を下げることなく、冷却面の面積を増大することができる。その結果、冷却性能をさらに向上できる。
【0053】
また、上記構成の水冷冷却室35は、上述した切替制御ユニット3や電動機100以外にも適用可能であり、例えば同様に高い温度で発熱するインバータなどへの適用も有効である。また、整流フィン35dについては、上面壁35aから下面壁35bに到達しない程度に突出した壁部で設けていたが、これに限られない。例えば、下面壁35bから突出させてもよいし、又は下面壁35bと上面壁35aの両方から突出させてその間に隙間を空けるか、もしくは接続するように設けてもよい。
【0054】
なお、図2に対応する図8に示すように、電源用端子台23における断面略L字形状の底辺部を水冷冷却室35の下面壁35bに接触させ、当該電源用端子台23自体を水冷冷却室35に固定させることでさらに冷却効率を向上させてもよい。また、配線ユニット2側の部材では、各端子台22,23の樹脂部分の平坦面だけを水冷冷却室35に接触させていたが、これに限られない。例えば、各ケーブル26,27,28を水冷冷却室35に接触させるよう配線してもよいし、または各端子台22,23の内部の金属製のバスバー22fを外部に露出させてそれを水冷冷却室35に直接接触させてもよい。この場合には、各バスバー間の絶縁を考慮した構成が必要になる。
【0055】
なお、電動機本体フレーム11と配線ユニットフレーム21が別体で構成されていたが、これに限られない。例えば、特に図示しないが、電動機本体フレーム11と配線ユニットフレーム21とを一体に形成してもよい。この場合には、電動機本体フレーム11の内部へのアクセスを容易とするために、上記閉塞壁11aを別体で構成して着脱可能にする必要がある。又は、配線ユニットフレーム21と切替制御ユニットフレーム31とを一体に形成してもよい。また、電動機本体1と配線ユニット2とを必ずしも隣接して連結させる必要はなく、例えばそれらの間に出力軸12に連結したブレーキのユニット等を配置して連結させてもよい。また、電動機本体1において出力軸12を突出させた側と逆側の軸方向端部に配線ユニット2と切替制御ユニット3を配置して連結したが、これに限られない。例えば、電動機本体1の出力軸12を突出させた側の軸方向端部に配線ユニット2と切替制御ユニット3を配置して連結させてもよい。この場合には、配線ユニット2と切替制御ユニット3の中心位置に出力軸12を貫通させるよう構成する必要がある。
【0056】
また、上記実施形態では、反負荷側ブラケットとしての支持壁11bと、配線ユニット2を別体としたが、例えば配線ユニット2の配線ユニットフレーム21が支持壁を備え、ベアリング11cを支持する構成としてもよい。言い換えれば、配線ユニット2が反負荷側ブラケットに設けられた構成としてもよい。これにより、電動機100のさらなる小型化を図ることができる。
【0057】
また、上記実施形態では、回転電機が電動機である場合を一例として説明したが、これに限られず、回転電機が発電機である場合にも適用することができる。
【0058】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0059】
その他、一々例示はしないが、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0060】
1 電動機本体
2 配線ユニット
3 切替制御ユニット(巻線切替器)
4 蓋部
11 電動機本体フレーム
11e 冷却水路
12 出力軸(シャフト)
13 回転子
14 固定子
15 レゾルバ
21 配線ユニットフレーム
21c 挿通穴
21d 挿通穴
21e 連通穴
22 巻線用端子台
22b 連結部
23 電源用端子台
24 シールド板
25 外部電源ケーブル
26 高速用ケーブル
27 低速用ケーブル
28 電源用ケーブル
29 巻回部分
31 切替制御ユニットフレーム(筐体、電子部品冷却ユニット)
31a 開放口
31b 内壁部(側面、冷却面)
32 ダイオードモジュール(電子部品)
33 IGBTモジュール(電子部品)
34 制御回路基板
35 水冷冷却室(流路、電子部品冷却ユニット)
35a 上面壁(搭載面)
35b 下面壁
35c 仕切り壁部(仕切り板)
35d 整流フィン(整流板)
35e 取付部
37 供給口ノズル(開口部、供給口)
38 排出口ノズル(開口部、排出口)
100 電動機(回転電機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を循環させる流路が内部に形成された筐体と、
前記筐体に備えられ、電子部品が搭載される少なくとも1つの搭載面と、
前記筐体に備えられ、前記搭載面の周囲を取り囲む側面と、
前記筐体の一方側の前記側面に互いに隣接して設けられ、前記流路に連通する2つの開口部と、を有し、
前記流路は、
前記2つの開口部のいずれか一方を供給口、他方を排出口とする略U字型形状であり、
前記搭載面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が大きくなるように、形成されている
ことを特徴とする電子部品冷却ユニット。
【請求項2】
前記筐体は、
前記流路内において前記一方側より前記他方側に向けて延設され、前記流路の前記供給口と前記排出口とを仕切る仕切り板を有し、
前記流路は、
前記仕切り板により仕切られた領域において、前記一方側より前記他方側に向けて前記流路幅が拡大するように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項3】
前記筐体は、
前記一方側の前記側面に、前記電子部品を冷却可能な冷却面を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項4】
前記筐体は、
前記冷媒の流れを整流する複数の整流板を前記流路内に有し、
前記整流板は、
前記流路が前記仕切り板により仕切られた領域では、略放射状に配置されており、それ以外の領域では、前記冷媒の流れ方向に沿って互いに略平行となるように配置されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項5】
前記整流板は、
前記流路の前記搭載面側の内壁より突出して設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項6】
前記筐体は、
前記電子部品を前記搭載面に固定するための複数の取付部を有しており、
前記整流板は、
前記流路内に突出した前記取付部に干渉しないように設けられている
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項7】
前記取付部は、
前記流路の前記搭載面側の内壁及びその反対側の内壁の両方に接続するように設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項8】
前記流路は、
前記側面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が小さくなるように、形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子部品冷却ユニット。
【請求項9】
回転電機の固定子の巻線を切り替える巻線切替器であって、
冷媒を循環させる流路が内部に形成された筐体と、
前記筐体に備えられた少なくとも1つの搭載面に搭載された電子部品と、
前記筐体に備えられ、前記搭載面の周囲を取り囲む側面と、
前記筐体の一方側の前記側面に互いに隣接して設けられ、前記流路に連通する2つの開口部と、を有し、
前記流路は、
前記2つの開口部のいずれか一方を供給口、他方を排出口とする略U字型形状であり、
前記搭載面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が大きくなるように、形成されている
ことを特徴とする巻線切替器。
【請求項10】
固定子及び回転子を備え、前記固定子の巻線を切り替える巻線切替器を有する回転電機であって、
前記巻線切替器は、
冷媒を循環させる流路が内部に形成された筐体と、
前記筐体に備えられた少なくとも1つの搭載面に搭載された電子部品と、
前記筐体に備えられ、前記搭載面の周囲を取り囲む側面と、
前記筐体の一方側の前記側面に互いに隣接して設けられ、前記流路に連通する2つの開口部と、を有し、
前記流路は、
前記2つの開口部のいずれか一方を供給口、他方を排出口とする略U字型形状であり、
前記搭載面方向から見た流路幅が、前記筐体の一方側よりも他方側の方が大きくなるように、形成されている
ことを特徴とする回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−102105(P2013−102105A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246088(P2011−246088)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】