説明

電極接続部材、電子部品および接続構造

【課題】接続信頼性の高い電極接続部材を実現する。
【解決手段】本発明の電極接続部材1は、樹脂コア2と、樹脂コア2を覆うCu被覆層3と、Cu被覆層を覆う半田層4とを備え、電子部品20は、電極接続部材1によって回路基板10に実装されている。Cu被覆層3の厚さは、樹脂コア2の直径の5%以上かつ7%以下であるので、Cuランド22aと半田層4との界面、および、回路基板10のNiめっき層13と半田層4との界面における応力が緩和される。したがって、電子部品20の接続信頼性をさらに向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を回路基板に実装するための電極接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等を代表とする電子機器の小型化、軽量化の要求に伴い、電子部品の小型化と高密度実装化が図られている。小型化された電子部品の例としては、パッケージのサイズをチップに極力近づけたCSP(Chip Size Package)などが挙げられる。
【0003】
電子部品とその電子部品が実装される回路基板との接続端子部には、温度変化に伴う熱膨張係数の不整合により応力が印加される。これにより、温度変動が繰り返し起こると、接続端子が疲労し、破壊に至る。特に、CSP等の小型化された電子部品とそれらの電子部品が実装される回路基板との接続部においては、応力の緩和構造を形成しにくい。このため、温度サイクル試験や落下衝撃試験における信頼性は著しく低下する。
【0004】
そこで、接続端子として用いられる電極接続部材中に、前もって樹脂等から成るコアなどを設けることで応力を緩和させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3)。その代表例として、特許文献3には、電極接続部材に樹脂コア半田ボール等を用いる構成が開示されている。樹脂コア半田ボールは、樹脂コアの表面にNiやCu等の被覆層が形成され、その上に半田層が形成されている構成である。これにより、リフロー実装時に半田が流れ落ちても被覆層はコア表面に残るため、良好な電気接続性が保たれる。
【0005】
前記のようなコアを有する電極接続部材では、温度変動による熱応力を緩和させるだけでなく、落下衝撃等の応力を緩和させる効果を持つものもある。ただしCuを被覆層として用いる場合には、樹脂コアとCuとの密着力が弱いため、Cu被覆層の形成前に、樹脂コアの表面にNi薄膜を形成する必要がある。しかしながら、このNi薄膜が非常に薄い場合、Cu被覆層の形成時やリフロー実装時に、Ni薄膜がCu被覆層中に固溶して消失してしまう。また、Cu被覆層の厚さが樹脂コアの直径の1%より小さい場合には、樹脂コアの熱膨張等に耐えられずにCu被覆層にクラック等を生じてしまうので、一般的な電極接続部材でのCu被覆層の厚さは、樹脂コア直径の約4%である。
【特許文献1】特開2004−273401号公報(2004年9月30日公開)
【特許文献2】特開2004−349487号公報(2004年12月9日公開)
【特許文献3】特開2007−103737号公報(2007年4月19日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の電極接続部材でも、実装信頼性が低いという問題を生ずる。
【0007】
図8は、一般的な電極接続部材91によって回路基板10に電子部品20を実装した状態を示す部分断面図である。電極接続部材91は、樹脂コア92、Cu被覆層93および半田層94を有している。樹脂コア92の直径は240μm、Cu被覆層93の厚さは10μm、半田層94の厚さは約30μmである。すなわち、Cu被覆層93の厚さは、樹脂コア92の直径の約4%である。樹脂コア92は、樹脂材から成る略球状のコアであり、半田層94はSnを含有している。
【0008】
回路基板10の電極接続部材91が設けられる部分には、Cuランド11、Niめっき層12が形成され、Niめっき層12と電極接続部材91の半田層94との間に、合金層13が形成される。また、電子部品20の回路基板10との対向面には、保護膜21a、Cuパターン・保護膜混在層22および保護膜21bが形成され、保護膜21a、Cuパターン・保護膜混在層22には、Cuランド22aが形成され、Cuランド22aと電極接続部材91の半田層94との間に、合金層が形成される。なお、当該合金層は非常に薄いため、図示していない。Niめっき層12と半田層94との間に形成される合金層13およびCuランド22aと半田層94との間に形成される合金層は、SnやCuを主成分とする合金であり、非常に脆く構造上からも弱い。そのため信頼性試験においてはこれら合金層を起点としてクラックが発生する。
【0009】
図9は、図8に示す状態で、信頼性試験を行った結果を示す表である。信頼性試験としては繰り返し曲げ試験、落下衝撃試験、熱サイクル試験を行った。各試験には、電極接続部材91によって実装された電子部品20をそれぞれ10個ずつ使用しており、不良が発生した試験回数の平均を耐試験回数として示している。
【0010】
ここで、落下衝撃試験や熱サイクル試験については、通常、耐試験回数が1000回以上であることが求められる。しかしながら、図9に示すように、落下衝撃試験および熱サイクル試験の耐試験回数は、それぞれ534回および1,164回となっている。したがって、特に、落下衝撃試験における信頼性が確保できておらず、熱サイクル試験においても信頼性は十分とはいえない。
【0011】
このように、電極接続部材91中に樹脂コア92を設け、接続端子における応力を緩和してもその効果は十分ではなく、所定の耐試験回数を経る前に、接続部においてクラックが生じてしまう。このため、回路基板10・電子部品20と電極接続部材91との界面における応力をさらに緩和する必要がある。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路基板と電極接続部材との界面、および電子部品と電極接続部材との界面における応力を緩和し、接続信頼性の高い電極接続部材を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る電極接続部材は、上記課題を解決するために、略球状のコアと、前記コアを覆う1つ以上の導電性の被覆層と、前記被覆層を覆う1つ以上の半田層とを有する電極接続部材であって、前記被覆層の厚さは、前記コアの直径の5%以上かつ7%以下であることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、被覆層の厚さは、コアの直径の5%以上かつ7%以下であり、従来構成における被覆層に比べ、相対的に厚く形成されている。これにより、本発明に係る電極接続部材によって電子部品を回路基板に実装した場合、被覆層周辺に応力を分散させることができるので、回路基板と電極接続部材との界面、および電子部品と電極接続部材との界面における応力がさらに緩和される。したがって、上記界面におけるクラックが生じにくくなり、接続信頼性の高い電極接続部材を実現できるという効果を奏する。
【0015】
本発明に係る電極接続部材では、前記コアは樹脂材から成り、前記半田層のヤング率は、前記コアのヤング率よりも大きく、かつ、前記被覆層のヤング率よりも小さいことが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、コアは樹脂材から成り、コアのヤング率が被覆層および半田層に比べて低い。これにより、電極接続部材によって電子部品を回路基板に実装した場合、電子部品と回路基板との熱膨張の差により変形が生じ、電極接続部材に熱応力が印加されても、コアがある程度自由に変形するので、熱応力を低減することができる。特に、急激な温度変化や落下衝撃により大きな負荷がかかる場合でも、コアによって当該負荷を低減することができる。したがって、より接続信頼性を向上させることができる。
【0017】
本発明に係る電極接続部材では、前記被覆層のうち少なくとも1つは、Cu又はCuを主成分とする合金により形成されていることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、良好な電気伝導性を確保することができる。
【0019】
本発明に係る電極接続部材では、前記半田層のうち少なくとも1つは、Snを含有していてもよい。
【0020】
本発明に係る電子部品は、前記電極接続部材を外部接続端子として有することを特徴としている。
【0021】
上記の構成によれば、回路基板と電極接続部材との界面、および電子部品と電極接続部材との界面における応力が小さいので、上記界面におけるクラックが生じにくく、電子部品の接続信頼性を向上させることができる。
【0022】
本発明に係る接続構造は、電子部品間を電気的に接続する接続構造であって、一方の電子部品の電極と他方の電子部品の電極とを、前記電極接続部材によって電気的に接続することを特徴としている。また、本発明に係る接続構造は、回路基板間を電気的に接続する接続構造であって、一方の回路基板の配線と他方の回路基板の配線とを、前記電極接続部材によって電気的に接続することを特徴としている。また、本発明に係る接続構造は、電子部品と回路基板とを電気的に接続する接続構造であって、前記電気部品の電極と前記回路基板の配線とを、前記電極接続部材によって電気的に接続することを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、回路基板と電極接続部材との界面、および電子部品と電極接続部材との界面における応力が小さいので、信頼性の高い電子部品間、回路基板間および電子部品−回路基板間の接続構造を実現することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る電極接続部材は、以上のように、略球状のコアと、前記コアを覆う1つ以上の導電性の被覆層と、前記被覆層を覆う1つ以上の半田層とを有する電極接続部材であって、前記被覆層の厚さは、前記コアの直径の5%以上かつ7%以下であるので、接続信頼性の高い電極接続部材を実現できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以下の通りである。
【0026】
図2は、本実施の形態に係る電極接続部材1を示す断面図である。電極接続部材1は、樹脂コア2、Cu被覆層3および半田層4を有している。Cu被覆層3は樹脂コア2を覆っており、半田層4はCu被覆層3を覆っている。樹脂コア2の直径は240μm、Cu被覆層3の厚さは12.5μm、半田層4の厚さは約30μmである。すなわち、Cu被覆層3の厚さは、樹脂コア2の直径の約5%である。なお、樹脂コア2、Cu被覆層3および半田層4の材質は、図8に示す樹脂コア92、Cu被覆層93および半田層94と同一である。また、半田層4は、一般にSnを含有するSn−Ag系半田等が適しているが、Snを含まないIn−Ag系半田やIn−Bi系半田であってもよい。
【0027】
なお、樹脂コア2とCu被覆層3との間には、Cu被覆層3を形成するための、Niを主成分とするNi被覆層が存在する場合があるが、非常に薄いため図示していない。前記Ni被覆層が非常に薄い場合には、リフロー等を用いた接続時にCu被覆層3中に固溶して消失する。
【0028】
図3は、図2に示す電極接続部材1によって回路基板10に電子部品20を実装した状態を示す断面図である。電子部品20は、パッケージのサイズがチップサイズにほぼ等しいWL−CSP(Wafer Level Chip Size Package)であり、半導体チップの電極、あるいは半導体チップの電極と電気的に接続するための接続パッドが、電極接続部材1と半田で電気的に接続されることにより、回路基板10に実装されている。
【0029】
図1は、電極接続部材1によって回路基板10に電子部品20を実装した状態の接続構造を示す部分断面図であり、図2の枠a内の電極接続部分の拡大図である。回路基板10および電子部品20は、図8に示す回路基板10および電子部品20と同一であり、Cuランド11,Niめっき層12,合金層13,保護膜21a・21b,Cuパターン・保護膜混在層22およびCuランド22aも、図8におけるものと略同一であるので、細部の説明は省略する。また、Cuランド22aと電極接続部材1の半田層4との間には、合金層が形成されているが、当該合金層は非常に薄いため、図示していない。
【0030】
合金層13や、Cuランド22aと半田層4との間に形成される合金層は、SnやCuを主成分とする合金であり非常に脆い。そこで、本実施の形態に係る電極接続部材1では、Cu被覆層3の厚さが樹脂コア2の直径の約5%となるようにCu被覆層3を形成している。すなわち、図8に示す従来の電極接続部材91(Cu被覆層93の厚さが樹脂コア92の直径の約4%)に比べ、樹脂コアに対するCu被覆層の厚さを相対的に厚くしている。これにより、Cu被覆層周辺に応力を分散させて、合金層に印加される応力を緩和し、クラックの発生を抑制している。
【0031】
また、半田層4のヤング率は、樹脂コア2のヤング率よりも大きく、Cu被覆層3のヤング率よりも小さい。すなわち、樹脂コア2のヤング率を、Cu被覆層3および半田層4に比べ小さくしている。これにより、電子部品20と回路基板10との熱膨張の差により変形が生じ、電極接続部材1に熱応力が印加されても、樹脂コア2のヤング率が小さいため、樹脂コア2は、ある程度自由に変形する。したがって、熱応力を低減することができ、特に、急激な温度変化や落下衝撃により大きな負荷がかかる場合でも、樹脂コア2によって当該負荷を低減することができる。
【0032】
続いて、電極接続部材1によって実装された電子部品20に対する信頼性試験の結果を示す。
【0033】
図4は、図1に示す状態で、信頼性試験を行った結果を示す表である。図9における信頼性試験と同様、繰り返し曲げ試験、落下衝撃試験、熱サイクル試験を行い、各試験には電極接続部材1によって回路基板10に実装された電子部品20をそれぞれ10個ずつ使用し、不良が発生した試験回数の平均を耐試験回数として示している。
【0034】
図4と図9とを比較すると、繰り返し曲げ試験、落下衝撃試験、熱サイクル試験のいずれにおいても、従来の電極接続部材91によって実装された電子部品20に比べ、本実施の形態の電極接続部材1によって実装された電子部品20のほうが接続信頼性が高いことが分かる。すなわち、Cu被覆層3を厚くすることで接続信頼性が格段に向上している。また、前述のように、落下衝撃試験や熱サイクル試験については、通常、耐試験回数が1000サイクル以上であることが求められる。これに対し、本実施の形態では、落下衝撃試験および熱サイクル試験の耐試験回数は、それぞれ1,435回および1,528回であり、十分な接続信頼性が確保できている。
【0035】
続いて、回路基板・電子部品と電極接続部材との間の界面に印加される応力の、シミュレーションによる解析について、図1、図8および図5に基づいて説明する。
【0036】
当該シミュレーションでは、電子部品20の1つの電極接続部のみをモデル化して解析を行った。具体的には、温度変化−40℃〜125℃において、クラックが発生する部分、すなわち、電子部品20のCuランド22aと半田層4・94との界面、或いは、回路基板10のNiめっき層13と半田層4・94との界面に印加される熱応力を計算した。なお、電子部品20のCuランド22aと半田層4・94との間、或いは回路基板10のNiめっき層13と半田層4・94との間には合金層が形成されるが、いずれの合金層も厚さが約2〜4μm以下であるため、シミュレーションにおいてはモデル化せず無視している。
【0037】
図5は、前記シミュレーションによる、従来構成および本実施の形態に係る構成における、Niめっき層と半田層との界面に印加される相当応力の相対値を示す表である。上段には、図8に示す電極接続部材91によって実装された電子部品20における、Niめっき層13と半田層94との界面に印加される相当応力を1として表記している。これに対し、下段に示すように、図1に示す電極接続部材1によって実装された電子部品20における、Niめっき層13と半田層4との界面に印加される相当応力は、0.93となっている。
【0038】
このように、本実施の形態では、Cu被覆層3の厚さが、従来構成であるCu被覆層93の厚さに比べ1.25倍となっているので、Niめっき層と半田層との界面に印加される相当応力がさらに緩和されていることが分かる。
【0039】
続いて、Cu被覆層の厚さの範囲を決定するためのシミュレーションによる熱応力解析について、図6および図7に基づいて説明する。
【0040】
当該シミュレーションでは、図6に示すように、2つの回路基板10を電極接続部材31によって接続した構成において、電極接続部材31と回路基板10との界面の熱応力解析を行った。電極接続部材31を構成する樹脂コア32、Cu被覆層33および半田層34の材質は、図1に示す樹脂コア2、Cu被覆層3および半田層4と同一である。シミュレーションでは、樹脂コア32および半田層34の厚さを一定にして、Cu被覆層33の厚さを樹脂コア32の直径の0%〜9%の範囲で1%単位で変化させ、温度変化−40℃〜125℃において、半田層34とNiめっき層12との界面に印加される相当応力を計算した。
【0041】
図7(a)は、Cu被覆層厚と前記界面に印加される相当応力との関係を示す表である。ここで、Cu被覆層厚とは、樹脂コア32の直径に対するCu被覆層33の厚さを意味し、Cu被覆層厚が4%である場合の相当応力の値を1としている。
【0042】
図7(b)は、Cu被覆層厚と前記界面に印加される相当応力との関係を示すグラフであり、図7(a)に示す表をグラフ化し、近似曲線を追加したものである。グラフ中の破線は、前記近似曲線が変曲点を持つCu被覆層厚の値を示している。なお、Cu被覆層厚が4%以下の範囲が、従来構成に対応している。変曲点も考慮した場合、Cu被覆層厚が5%から7%であれば、従来構成に係る電極接続部材に比べて印加される相当応力が大きく緩和されることが分かる。
【0043】
以上のように、Cu被覆層の厚さを樹脂コアの直径の5%から7%とすることにより、クラック発生源となる界面に印加される応力をさらに緩和し、電極接続部材による接続信頼性を大幅に向上させることができる。また、図6の構成は、2つの回路基板を電極接続部材によって接続した構成であるので、Cu被覆層の厚さを樹脂コアの直径の5%から7%とすることにより、回路基板と半田間の熱膨張の差異による半田(の強度的に最も弱い部分)に印加される応力を低減できることを意味している。
【0044】
なお、図6に示す構成で、例えば、Cu被覆層の厚さを樹脂コアの直径の5%とした場合、応力低減の効果は、約1%であり、図1に示す構成(電子部品を電極接続部材によって回路基板に実装した構成)に比べ低減効果が小さいが、シミュレーションによる静的な解析(定常解析)における結果であるため、実際の衝撃的な負荷がかかる状況下では、低減効果はより大きく現れる。
【0045】
また、樹脂コア2・32を被覆する被覆層は、Cuに限らず、Cuを主成分とする合金であってもよく、例えば、半田とCuとが合金化したものであってもよい。これにより、さらに良好な導電性を確保することができる。さらに、前記被覆層は、Cuと近い物性(ヤング率、熱膨張係数等)を示す材料を成分とする導電性の金属(Ni等)であってもよい。被覆層としてNiを用いる場合、Ni被覆層の上にAuめっきを施す。なお、半田層を形成した場合に、当該Auめっき層は、半田中に固溶して消失するが、一部が消失せずに残存する場合もある。これらの構成であっても、被覆層の厚さを樹脂コアの直径の約5%〜7%とすることにより、従来よりも接続信頼性を大幅に向上させることができる。
【0046】
また、本発明の電極接続部材は、電子部品−回路基板間の接続、および回路基板間の接続だけでなく、電子部品間の接続に用いてもよい。
【0047】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、電極接続部材にて電気的に接続される、チップ部品、回路部品、基板部品、電子部品および電気部品に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、電極接続部材によって回路基板に電子部品を実装した状態を示す部分断面図である。
【図2】前記電極接続部材を示す断面図である。
【図3】図2に示す電極接続部材によって回路基板に電子部品を実装した状態の接続構造を示す断面図である。
【図4】図1に示す状態で、信頼性試験を行った結果を示す表である。
【図5】シミュレーションによる、従来構成および本発明の実施形態に係る構成における、Niめっき層と半田層との界面に印加される相当応力の相対値を示す表である。
【図6】2つの回路基板を電極接続部材によって接続した状態の接続構造を示す断面図である。
【図7】(a)は、図6に示す状態において、Cu被覆層厚と半田層・Niめっき層の界面に印加される相当応力との関係を示す表であり、(b)は、当該関係を示すグラフである。
【図8】一般的な電極接続部材によって回路基板に電子部品を実装した状態の接続構造を示す部分断面図である。
【図9】図8に示す状態で、信頼性試験を行った結果を示す表である。
【符号の説明】
【0050】
1 電極接続部材
2 樹脂コア(コア)
3 Cu被覆層(被覆層)
4 半田層
10 回路基板
20 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略球状のコアと、前記コアを覆う1つ以上の導電性の被覆層と、前記被覆層を覆う1つ以上の半田層とを有する電極接続部材であって、
前記被覆層の厚さは、前記コアの直径の5%以上かつ7%以下であることを特徴とする電極接続部材。
【請求項2】
前記コアは樹脂材から成り、前記半田層のヤング率は、前記コアのヤング率よりも大きく、かつ、前記被覆層のヤング率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電極接続部材。
【請求項3】
前記被覆層のうち少なくとも1つは、Cu又はCuを主成分とする合金により形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電極接続部材。
【請求項4】
前記半田層のうち少なくとも1つは、Snを含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極接続部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極接続部材を外部接続端子として有することを特徴とする電子部品。
【請求項6】
電子部品間を電気的に接続する接続構造であって、
一方の電子部品の電極と他方の電子部品の電極とを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極接続部材によって電気的に接続することを特徴とする接続構造。
【請求項7】
回路基板間を電気的に接続する接続構造であって、
一方の回路基板の配線と他方の回路基板の配線とを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極接続部材によって電気的に接続することを特徴とする接続構造。
【請求項8】
電子部品と回路基板とを電気的に接続する接続構造であって、
前記電気部品の電極と前記回路基板の配線とを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極接続部材によって電気的に接続することを特徴とする接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−70699(P2009−70699A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238372(P2007−238372)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】