説明

電気光学装置の駆動装置及び方法、並びに電気光学装置及び電子機器

【課題】サブフィールド駆動を行う電気光学装置の駆動装置において、擬似輪郭ノイズの発生を抑制しつつ、階調再現力を向上させる。
【解決手段】電気光学装置は、相交差する走査線14a及びデータ線14b並びに画素部14cを備える。駆動装置は、n(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を、供給する走査信号供給手段11と、データ線を介してサブフィールド単位の画像信号を、走査信号が第i(但しiは自然数)番目の走査線を介して供給される第i選択期間中に複数回供給する画像信号供給手段12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サブフィールド駆動方式により階調表示制御を行う電気光学装置の駆動装置及び方法、並びに電気光学装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の駆動装置では、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するデジタル的なサブフィールド駆動方式で駆動する装置がある。動画を表示する際に、1フィールドにおいてオン電圧が印加されるサブフィールドが時間軸上の特定箇所に片寄っていると、擬似輪郭ノイズが生じ、表示画像の画質が著しく低下する特許文献1には、オン電圧又はオフ電圧が印加されるサブフィールドが互いに1フィールド中に適当に分散するように、サブフィールドを設ける技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−325996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1に記載された方法では、オン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールドの配置パターンを逐次決定する必要があるため、駆動素子への負荷が大きく、動画の表示速度を速くすることが困難になってしまう。特に、表現可能な階調数を増やそうとすると、サブフィールドの数を増やすために画面の走査スピードを高速にする必要が生じ、駆動素子への付加はより一層増大する。そのため、背景技術における手法では、擬似輪郭ノイズを抑制しつつ、階調数の多い高品質な画像表示装置を実現することは、現実的に困難であるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、サブフィールド駆動方式を用いて、擬似輪郭ノイズの発生を抑制しつつ、階調再現力を向上させることが可能な表示装置の駆動装置、駆動方法、及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電気光学装置の第1の駆動装置は上記課題を解決するために、画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動装置であって、前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を供給する走査信号供給手段と、前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号が前記複数の走査線のうち第i(但しiは自然数)番目の走査線を介して供給される第i選択期間中に複数回供給する画像信号供給手段とを備える。
【0007】
本発明の第1の駆動装置によれば、その動作時には、例えば電源信号、データ信号、制御信号等の各種信号が入出力されると、基板上に作り込まれた走査線駆動回路等を含む走査信号供給手段によって、走査信号が複数の走査線を介して、画素部に例えば線順次で供給される。これと並行して、例えば基板上に作り込まれたデータ線駆動回路、サンプリング回路等を含む画像信号供給手段によって、画像信号が複数のデータ線を介して、画素部に同時に又は逐次に供給される。ここに「画素部」は、例えば、基板上に画像表示領域にマトリクス状に配列され、一対の基板間に液晶等の電気光学物質を挟持してなり、画素スイッチング用TFTによってアクティブ駆動が実行される。例えば、画素スイッチング用TFTのゲート端子に走査信号が印加されると、データ線から供給される画像信号が、画素スイッチング用TFTのソースドレインを介して、画素部を構成する画素電極に書き込まれる。その結果、例えば、画素部を構成する画素電極と対向電極間との間に画像信号に対応する駆動電圧が印加され、液晶の配向状態等の電気光学物質の動作状態が変えられる。
【0008】
ここで本発明では特に、「走査信号供給手段」は、複数ある走査線のうちn本の即ち2本以上の走査線に対して、同時に走査信号を供給する。即ち、走査線に沿った方向に配列されている、n本の走査線上にある画素部が同時に駆動される。一方、駆動された画素部のうち、データ線に沿って同一列に配列されている画素部には、同一のデータ線によって画像信号が供給されるため、走査線に沿った方向に複数列に渡って並んでいる複数の画素部について、同じ画像信号が供給される。その結果、n本の夫々の走査線上にある画素部には、同じ画像信号が供給される。このように構成することにより、画像表示領域の特定の領域に画像信号が集中しないようにする。即ち、特定の表示領域にまとまった画像信号が供給されることにより発生する擬似輪郭ノイズを抑制することが可能となる。
【0009】
以上のように異なるn本の走査線上の画素に同じ画像信号を供給するため、当然、縦方向(データ線に沿った方向)の解像度が下がることになる。即ち、解像度は、縦方向に画素一個分で無くなってしまい、例えば、相隣り合う2本の走査線に同時に走査信号を供給した場合、縦方向に相隣り合う2個の画素が実質的に1個の画素として機能することになり、解像度が1/2の粗い解像度になってしまう。つまり、本発明は、このような解像度の低下を犠牲にして、擬似輪郭ノイズを抑制する。しかしながら、画像表示領域において隣り合う走査線上の画素には、一般的に類似する画像信号が供給されるため、サブフィールドの数をある程度多くなるように設定すれば、視覚上十分な解像度を確保することは容易に可能である。サブフィールドの数の増大化は、以下に説明する「画像信号供給手段」によって実現することができる。
【0010】
尚、走査信号を同時に供給する走査線の数は典型的には2本(n=1)であるが、3本以上(nが3以上)の走査線に走査信号を供給してもよい。但し、上述のように、同時に走査信号を供給する走査線の数が増加するほど、縦方向の解像度が粗くなる。従って、設定可能なサブフィールド数によって、視覚上、解像度の低下が目立たない程度に同時に駆動する走査線数を決定すればよい。
【0011】
「画像信号供給手段」は、複数の走査線のうち特定の第i番目の走査線に走査信号が供給されている間に、データ線を介して画像信号を複数回供給する。即ち、一本の走査線が選択されている最中に、その走査線に接続された一つの画素部に書き込まれる画像信号が、変化される。「第i選択期間」は、複数の走査線のうち特定の第i番目の走査線に走査信号が供給されている期間、つまり一水平走査期間を意味している。尚、第i選択期間には、典型的には、走査信号がハイとされたまま維持されるが、走査信号がハイとされた後に一旦ローとされ、再びハイとされるなど、同一の走査線に対して走査信号が供給される、即ち同一の走査線が選択され続けている(即ち走査信号を供給すべき走査線に変化が無い)限りにおいて、走査信号のハイ/ローの変化又は無変化については問わない。
【0012】
「画像信号」は、典型的には、サブフィールド駆動で用いられるデジタルのオン電圧又はオフ電圧であり、これが各画素に印加されると、デジタル駆動、即ちサブフィールド駆動が行われる。このように第i選択期間に、画像信号が複数回書き込まれることによって、一つの選択期間内に、画像信号のオン電圧及びオフ電圧が適宜に切り換えられることで、画素部は、例えば線順次方式でサブフィールド駆動される。言い換えれば、一つの選択期間が一つのサブフィールドに対応するのではなく、一つの選択期間が複数のサブフィールドに対応する或いは分割されていることになる。つまり、第i選択期間に画像信号が複数回書き込まれることによって画素を反転駆動させることを、全ての走査線について繰り返せば、実質的に1フレームを時間軸上で複数のサブフィールドに分割した場合と等価であるとみなすことができる。一般的に1フレームにおけるサブフィールドの数を増やそうとすると、走査線の走査スピードを上げる手法が一般的であるが、この場合、駆動素子のオン/オフを切り替えるスピードに限界がある。しかしながら、このように「画像信号供給手段」によって第i選択期間に複数の画像信号を供給することによって、走査線の走査スピードを上げることなくサブフィールドの数を容易に増加させることが可能となる。その結果、「走査信号供給手段」による縦方向の解像度の低下を補填できるだけの十分なサブフィールド数を確保することができる。
【0013】
以上のように、適度に離れた複数の走査線上の画素に対して同じ画像信号を供給するとともに、サブフィールド数を増加させることによって、擬似輪郭ノイズの発生を抑制しつつ、十分な解像度を有する高品位な駆動装置を実現することができる。
【0014】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記走査信号供給手段は、前記n本の走査線として、m(但しmは自然数)本だけ相互から離れた2本の走査線ずつ同時に、前記走査信号を供給する。
【0015】
この態様によれば、同時に走査信号を供給する2本の走査線を離すに従い、画像表示領域において画像信号をより分散することができるため、より有効に擬似輪郭ノイズの発生を抑制することが可能となる。しかしながら、同時に走査信号を供給する2本の走査線を離すと、離れた位置にある画素に同じ画像信号が供給されることになるため、解像度の低下を促すことになる。即ち、mの値が大きくすると、走査信号を供給する走査線の数を増やした場合と同様に、擬似輪郭ノイズをより有効に抑制できるようになる代わりに、表示画像の解像度の低下を引き起こしてしまう。この場合も、1フレーム中におけるサブフィールドの数を十分に確保して階調数を増加することにより、解像度の低下を補填することができる。そのため、設定可能なサブフィールド数によって、視覚上、解像度の低下が目立たない程度に、同時に駆動する2本の走査線の距離(即ち、mの値)を決定すればよい。
【0016】
尚、解像度の低下を極力抑えるという意味からは、相隣り合う(つまり、m=1の場合)2本の走査線に走査信号を供給することが望ましい。また、m本だけ相互から離れた2本の走査線を含む3本以上の走査線ずつ同時に、走査信号を例えば線順次で供給するように構成してもよい。
【0017】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記画像信号として、前記複数のサブフィールドの各々について、前記複数の画素部毎に表示すべき階調に応じたオン電圧又はオフ電圧を供給する。
【0018】
この態様によれば、各サブフィールドにおいて画素に表示すべき階調に応じたオン電圧および/またはオフ電圧の2値によるデータ信号を印加することによって、デジタル駆動(サブフィールド駆動)を行う。つまり、サブフィールド毎に画素はオン電圧又はオフ電圧を印加されることによって、即ち、中間調電位の画像信号が供給されることはなく、各画素部におけるオン電圧による表示(即ち、真っ白又は真っ黒)とオフ電圧による表示(即ち、真っ黒又は真っ白)との時間平均によって、視覚上における複数階調が実現される。例えば、1フレームがM個のサブフィールドに分割されれば、実現可能な階調の数はM+1となる。
【0019】
尚、画像信号に基づいて、どのサブフィールドにおいてオン電圧および/またはオフ電圧を印加するかは、予めメモリ等の記憶装置に格納されているコードパターンを用意しておき、それに従って判断するとよい。
【0020】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つ以上のサブフィールドについては、前記画像信号を前記第i選択期間中に複数回供給し、前記複数のサブフィールドのうち前記少なくとも1つ以上のサブフィールドを除く他のサブフィールドについては、前記画像信号を前記第i選択期間中に1回だけ供給する。
【0021】
この態様によれば、画像信号供給手段は、サブフィールドのうち少なくとも2つ以上のサブフィールドにおいて、画像信号を第i選択期間中に複数回供給する。このようにすれば、特定のサブフィールドを画像信号の供給タイミングによって更に細かいサブフィールドに分割することができる。そのため、容易にサブフィールドの数の多くすることができ、同時に走査信号を供給する走査線の数を増やしたり(即ち、nを大きくした場合)、供給する走査線同士の間隔を大きくする(即ち、mを大きくした場合)ことによって解像度が低下した場合であっても、十分な階調数を確保することが可能となる。その結果、より有効に擬似輪郭ノイズの発生を抑制しつつ、十分な解像度を有する高品位な駆動装置を実現できる。尚、画像信号を複数階供給されないサブフィールドを含んでいてもよい。
【0022】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中に、前記画像信号を連続して複数回供給する。
【0023】
この態様によれば、第i選択期間において連続して供給する画像信号数を増やすだけで、サブフィールドの数を極めて容易に増やすことができる。また、供給される画像信号の各々の間には、余分な信号等が入っていないため、各サブフィールドの期間も極めて短くすることができる。その結果、1フィールドにおけるサブフィールドの数を飛躍的に増大させることが可能となり、同時に走査信号を供給する走査線の数を増やしたり(即ち、nを大きくした場合)、供給する走査線同士の間隔を大きくする(即ち、mを大きくした場合)ことによって解像度が低下した場合であっても、十分な階調数を確保することができる。その結果、非常に効率的に擬似輪郭ノイズの発生を抑制しつつ、十分な解像度を有する高品位な駆動装置を実現できる。
【0024】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中に、前記画像信号を不連続で複数回供給する。
【0025】
この態様では、画像信号供給手段によって画像信号を供給するタイミングを調整することにより、各画素に供給される複数の画像信号のうち時間的に隣接する2つの画像信号の間に、任意の待ち時間を設ける。つまり、このような待ち時間を設けることによって、各サブフィールドの時間幅を任意に調整することが可能となり、サブフィールドの数に対して表示可能な階調数を増大させることが可能となる。その結果、同時に走査信号を供給する走査線の数を増やしたり、供給する走査線同士の間隔を大きくしても、十分な解像度を有しつつ、擬似輪郭ノイズを抑制することが可能な高品位な駆動装置を実現できる。
【0026】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中における等間隔の期間毎に、前記画像信号を複数回供給する。
【0027】
この態様によれば、1水平時間を等分割した時間毎に画像信号を供給する。そのため、特定の期間を有するサブフィールドを1水平時間内に効率的に配置することが可能となり、より簡単に十分な解像度を有しつつ、擬似輪郭ノイズを抑制することが可能な高品位な駆動装置を実現することができる。
【0028】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中における不等間隔又は任意の期間毎に、前記画像信号を複数回供給する。
【0029】
この態様では、画像信号供給手段によって画像信号を供給するタイミングを任意に調整することができる。つまり、1水平期間を、様々な期間を有するサブフィールドに分割することが可能となり、サブフィールドの数に対して表示可能な階調数を増大させることも可能となる。
【0030】
本発明の第1の駆動装置の他の態様では、前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk(但しkは2以上の自然数)本離れた走査線に交代で、前記n本の走査線ずつ同時に、前記走査信号を供給し、前記画像信号供給手段は、前記画像信号を前記走査信号に同期して供給する。
【0031】
このように構成すれば、画像表示領域上において上下に離れた複数の走査線を交互に、かつn本同時に駆動することが可能になる。そして、走査線を駆動させる走査信号に同期するようにしてデータ線に画像信号を供給することで、複数の領域毎に走査(即ち領域走査)を実行できる。これにより、より効率的に1フレーム中においてサブフィールドの数を多く設けることが可能となるため、同時に走査信号を供給する走査線の数を増やしたり、供給する走査線同士の間隔を大きくしても、十分な解像度を有しつつ、擬似輪郭ノイズを抑制することが可能な高品位な駆動装置を実現できる。
【0032】
この態様では、前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがあるように構成してもよい。
【0033】
このように構成すれば、画像表示領域において上下に離れた複数の走査線を駆動させるのに用いられていた走査信号が、複数の領域を交代する順番が一巡してくる前と後とで同一の走査線に対して供給される。即ち、時間軸上で相前後して供給される複数の走査信号によって1本の走査線が駆動される。ここで本発明において「走査信号」を「供給することがある」とは、常に供給するのではなく、所定周期或いは時間軸上で間隔をおいて、このように特殊な形式で走査信号を供給する状態を発生させるとの意味である。恒等的に同一走査線に走査信号を供給するのでは垂直走査が全く動かない。このため、次の走査線への走査信号の供給、即ち垂直方向へのシフトが適宜、所定の頻度で実行される訳である。
【0034】
このようにして駆動される走査線を、例えば線順次でシフトさせることによって、領域走査におけるサブフィールド駆動により階調数を増大させることが可能となる。この場合も、走査された走査線からm本だけ離れたn本の走査線に対しても走査信号が供給されることにより、擬似輪郭ノイズを有効に抑制することができる。
【0035】
本発明の電気光学装置の第2の駆動装置は上記課題を解決するために、画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動装置であって、前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を、前記複数の走査線のうち相互にk(但しkは2以上の自然数)本離れた走査線に交代で、供給する走査信号供給手段と、前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号に同期して供給する画像信号供給手段とを備え、前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがある。
【0036】
本発明の第2の駆動装置によれば、その動作時には、走査信号供給手段によって、走査信号が複数の走査線を介して、画素部に例えば線順次で供給される。これと並行して、画像信号供給手段によって、駆動された画素部には画像信号が複数のデータ線を介して、同時に又は逐次に供給される。
【0037】
走査信号は、走査信号供給手段によって、画像表示領域が走査線に沿った分割線で分割されてなる複数の領域別に交代で、複数の走査線を介して例えば線順次で供給される。しかも、この際、複数の領域を交代する順番が一巡してくる前と後とで、複数の走査線のうち同一の走査線を介して、走査信号が供給される。よって、複数の領域毎に走査(即ち領域走査)を実行できる。しかも、この際、複数の領域を交代する順番が一巡してくる前と後とで同一の走査線を介して走査信号が供給されるので、領域走査におけるサブフィールド駆動により階調数を増大させることが可能となる。
【0038】
尚、画像表示領域上において上下に離れた複数の領域の一方の領域について、このように複数の領域を交代する順番が一巡してくる前と後とで同一走査線を介して走査信号を供給し、他方の領域については、同一走査線を介して走査信号を連続して2回ずつ供給するように構成してもよい。即ち、一方の領域については、自らの走査が行われる順番が回ってきた際に、走査線に走査信号が1回だけ供給され、次の自らの走査が行われる順番が回ってきた際に、同一走査線に再び走査信号が1回だけ供給される。そして、他方の領域については、自らの走査が行われる順番が回ってきた際に、同一走査線に対して走査信号が続けて2回供給されるように構成されてもよい。
【0039】
尚、同一走査線への走査信号の供給の後は、領域別に交代での行われるように、次の走査線への走査信号の供給が適宜行われる。
【0040】
本発明では特に、1本の走査線に対して例えば線順次で走査信号が供給されると同時に、他の1本又は複数の走査線に対しても走査信号が供給される。例えば、上述のように線順次駆動される走査線と相隣り合う走査線に同時に走査信号を供給することにより、画像信号が特定の領域に集中することを防ぎ、擬似輪郭ノイズの発生を抑制することができる。一方で、第1の駆動装置と同様に、解像度の低下も同時に問題となるが、上述のようにサブフィールド数を増加させることより、階調数を増大することができるので、視覚上十分な解像度を確保することが容易に可能となる。
【0041】
このように、第2の駆動装置によれば、十分な解像度を有しつつ、擬似輪郭ノイズを抑制することが可能な高品位な駆動装置を実現できる。
【0042】
第2の駆動装置の一態様では、前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一度来ている間に、前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがある。
【0043】
この態様によれば、画像表示領域上において上下に相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで同一走査線を介して走査信号を供給でき、他方の領域については、同一走査線を介して走査信号を連続して2回ずつ供給できる。尚、このような一方の領域における動作と他方の領域とは、一方の領域にて交互に実行され、これに対応するタイミングで他方の領域でも交互に実行されてよい。
【0044】
第2の駆動装置の他の態様では、前記画像信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とに亘って、等間隔の期間毎に前記画像信号を供給する。
【0045】
この態様によれば、各サブフィールドの期間が等しくなることから、1フレームにおいて複数のサブフィールドを効率的に配置することができる。
【0046】
尚、第2の駆動装置においても、上述した本発明の第1の駆動装置と同様の態様を適宜採用することが可能である。
【0047】
本発明の電気光学装置の第1の駆動方法は上記課題を解決するために、画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動方法であって、前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を、供給する走査信号供給工程と、前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号が前記複数の走査線のうち第i(但しiは自然数)番目の走査線を介して供給される第i選択期間中に複数回供給する画像信号供給工程とを備える。
【0048】
本発明の第1の駆動方法によれば、上述した本発明の第1の駆動装置の場合と同様に、応答特性変化に対して安定した電気光学装置の駆動装置を実現することができる。
【0049】
尚、本発明の第1の駆動方法においても、上述した本発明の第1の駆動装置と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0050】
本発明の電気光学装置の第2の駆動方法は上記課題を解決するために、画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動方法であって、前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を、前記複数の走査線のうち相互にk(但しkは2以上の自然数)本離れた走査線に交代で、供給する走査信号供給工程と、前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号に同期して供給する画像信号供給工程とを備え、前記走査信号供給工程は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがある。
【0051】
本発明の第2の駆動方法によれば、上述した本発明の第2の駆動装置の場合と同様に、応答特性変化に対して安定した電気光学装置の駆動装置を実現することができる。
【0052】
尚、本発明の第2の駆動方法においても、上述した本発明の第1の駆動装置と同様の各種態様を採ることが可能である。
【0053】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置の第1又は第2の駆動装置(但し、その各種態様を含む)を具備してなる。
【0054】
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明の第1又は第2の駆動装置を具備しているので、各画素部における応答特性変化によらずに、高品位の画像表示が可能となる。
【0055】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を具備してなる。
【0056】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る液晶装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
【0057】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
先ず第1実施形態に係る電気光学装置の駆動装置の全体構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る画像表示装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0059】
図1において、画像表示装置100は、主に、コントローラ10と、走査線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、表示パネル14と、を備える。画像表示装置100は、画像信号Dを取得し、これを表示させるための装置である。具体的には、画像表示装置100は、1フィールドを時間軸上で複数のサブフィールドに分割して各サブフィールドにおいて各画素を階調に応じてオン電圧又はオフ電圧を印加するサブフィールド駆動方式に基づいて、画像を表示する。つまり、1サブフィールド期間内で全画素を順次、オン若しくはオフに相当する2値の電圧のどちらかで書込み、この動作を1フィールドを構成する全てのサブフィールドにおいて繰り返して実行することで、1フィールド期間の明るさを画素別に決定する。このように画像データ信号Dsは、コントローラ10が含む変換回路等によって、画素毎に表示すべき階調に対応するオン電圧又はオフ電圧を持つデジタル信号として、コントローラ10から供給される。
【0060】
コントローラ10は、クロック信号clkと、垂直走査信号VSと、水平走査信号HSと、画像信号Dと、を外部から取得する。そして、コントローラ10は、これらの取得した信号に基づいて、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、データ転送クロックCLXと、イネーブル信号ENBXと,画像データ信号Dsと、を生成する。スタートパルスDYは、走査側(Y側)に対する走査の開始タイミングで出力されるパルス信号である。走査側転送クロックCLYは、走査側(Y側)の垂直走査を規定する信号である。イネーブル信号ENBXは、データ線駆動回路12へデータ転送を開始する、及び走査線毎データを画素14cへ出力するタイミングを決めるパルス信号であって、走査側転送クロックCLYのレベル遷移(即ち、立ち上がり及び立ち下がり)に同期して出力される。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路12へデータを転送するタイミングを規定する信号である。画像データ信号Dsは、画像信号Dに対応する電圧信号であり、サブフィールド期間毎に画素14cをオン状態又はオフ状態にするためのハイレベル又はローレベルを示すデータである。
【0061】
走査線駆動回路11は、コントローラ10から、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYとを取得することにより、表示パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。特に、本実施形態では、走査線駆動回路11はn本の走査線14aのうち、k本離れた2本の走査線に対して駆動信号を出力する。例えば、スタートパルスDYが入力されると、まず走査信号G1とG1+kが出力され、対応する2本の走査線が駆動される。続いて、走査信号G2とG2+kが出力され、同様に対応する2本の走査線が駆動される。このように、スタートパルスDYが走査線駆動回路11に入力された後、走査側転送クロックCLYに従って、k本だけ離れた2本の走査線が同時に順次駆動される。
【0062】
データ線駆動回路12は、コントローラ10から、イネーブル信号ENBXと、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、表示パネル14のデータ線14bに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。具体的には、データ線駆動回路12は、ある水平走査期間において画像データ信号Dsをデータ線14bの本数に相当するm個順次ラッチした後、ラッチしたm個の画像データ信号Dsを、次の水平走査期間において、それぞれ対応するデータ線14bにデータ信号d1、d2、d3、…、dmとして一斉に供給するものである。本実施形態では、当該駆動装置の動作中には、イネーブル信号ENBXはハイレベルに設定されており、画像データ信号Dsの出力値に応じて画素14cに駆動電圧が供給される。また、後に説明するように、1つの水平走査期間においてデータ信号dmを各画素部14cに対して、複数回供給してもよい。
【0063】
表示パネル14は、液晶(LCD)などによって構成され、電圧が印加されることによって画像信号などを表示する表示部である。具体的には、表示パネル14は、走査線14aと、データ線14bと、画素14cとを備える。詳しくは、表示パネル14には、n本(なお、「n」は偶数であるものとする)の走査線14aが、図においてX(行)方向に延在して形成され、m本のデータ線14bがY(列)方向に沿って延在して形成されている。そして、画素14cは、走査線14aとデータ線14bとの各交差に対応して設けられて、マトリクス状に配列されている。
【0064】
次に、図2を参照して、走査線の駆動方法について、具体的に説明する。図2は、スタートパルスDYと走査側転送クロックCLYと走査線駆動回路11から出力される走査信号Gnのタイミングチャートである。ここでは、走査線駆動回路11が隣り合う2本の走査線に対して同時に駆動信号を出力する場合(つまり、k=1の場合)について、例示している。図2は、スタートパルスDYと走査側転送クロックCLYと走査線駆動回路から出力される走査信号Gnのタイミングチャートである。
【0065】
スタートパルスDY(図2(a)参照)が入力されると、走査側転送クロックCLYに同期して、走査信号Gnの供給が開始される。まず、走査信号G1とG2が走査線駆動回路11から出力され、対応する走査線が駆動される。続いて、走査信号G2とG3が出力される。このようにして順に、相隣り合う2本の走査線に走査信号が供給され、同時に2本の走査線が駆動される。
【0066】
次に、走査線14aが駆動されている状態における各制御信号の入出力タイミングについて、図3を参照して説明する。図3は、走査線側転送クロックCLY(図3(a))、走査信号G1に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図3(b))、走査信号G2に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図3(c))、走査信号G3に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図3(d))、走査信号G4に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図3(e))を示すタイミングチャート図である。ここで、当該走査側転送クロックCLYの1/2周期毎に、期間T1からT3を規定している。期間Tiは本発明における「第i選択期間」に相当する。即ち、図3において期間T1は第1選択期間、期間T2は第2選択期間、期間T3は第3選択期間を示している。
【0067】
まず、期間T1では、n本ある走査線14aのうち、走査信号G1とG2がハイレベルになっているため(図2参照)、対応する走査線が駆動され、画素が書き込み可能な状態となる。そして、図3(b)及び(c)に示すように2つの画像データ信号Dsが2本の走査線上にある画素に入力される。この駆動された2本の走査線上にある各画素は夫々、データ線14bを共有しているため、同一データ線14b上にある画素14cには同じ信号が書き込まれる。つまり、図3(b)及び(c)に示すように、走査信号G1及びG2に対応する2本の走査線上の画素には、同一タイミングで同じ画像データ信号Dsが書き込まれている。
【0068】
期間T2では、n本ある走査線14aのうち、走査信号G2及びG3がハイレベルになっているため(図2参照)、対応する2本の走査線14aが駆動される。2本の走査線上にある各画素は夫々、データ線を共有しているため、同一データ線14b上にある画素には同じ信号が書き込まれる。図3(c)及び(d)に示すように、走査信号G2及びG3に対応する2本の走査線14a上の画素には、同一タイミングで同じ画像データ信号Dsが書き込まれている。
【0069】
期間T3では、n本ある走査線14aのうち、走査信号G3及びG4がハイレベルになっているため(図2参照)、対応する2本の走査線14aが駆動される。2本の走査線上にある各画素は夫々、データ線を共有しているため、同一データ線14b上にある画素には同じ信号が書き込まれる。図3(c)及び(d)に示すように、走査信号G3及びG4に対応する2本の走査線14a上の画素には、同一タイミングで同じ画像データ信号Dsが書き込まれている。
【0070】
ここで、図4は走査信号G2に対応する走査線上にある画素に書き込まれる画像データ信号Ds(図3(c)に対応)の入力タイミングを示す模式図である。
【0071】
期間T1とT2では夫々、2つずつ画像データ信号Dsが入力され、1フィールドを4つのサブフィールドに分割している。各サブフィールド期間は画像データ信号Dsの書き込みタイミングによって規定されるため、SF1やSF3に比べて、SF2とSf4の期間が長くなっている。このように、各サブフィールドでハイ/ローレベルの2値からなる画像データ信号Dsが画素に印加されることにより、画素がサブフィールド毎に黒/白の反転駆動がなされる。
【0072】
ここで、一般的な駆動方法、即ち同時に複数の走査線14aにデータを書き込まない駆動方法を採用した場合における、1フレーム中のサブフィールド構成を図5に示す。このような駆動方法では、1つのデータは1本の走査線に沿った画素にしか書き込まれないため、1フレーム中は2つのサブフィールド(図5におけるSF1及びSF2)にしか分割されない。その結果、SF2はSF1に比べて非常に長い時間幅を有する。このようにサブフィールドの片側が極端に長くなると、長いサブフィールドに比べて短いサブフィールドの画像表示への寄与率が小さくなり、擬似輪郭ノイズの発生が発生し、画質は著しく低下する。つまり、サブフィールドの偏りが大きいので、視覚上、サブフィールドの密度が高いところから低いところにシフトする際に、特に動画であると、目における受光成分の積分対象となる画素にズレが生じて、意図しない線状のノイズとして擬似輪郭ノイズが生じてしまう。
【0073】
それに対し、本実施形態では同じ画像データ信号Dsを隣り合う走査線上の画素について書き込むことによって、1フレームをSF1〜SF4に分割している(図4参照)。つまり、図5におけるSF2を、図4に示す本実施形態ではSF2〜SF4に分割することによって、ある特定の部分にサブフィールドがかたよらないようにサブフィールドを分散させている。これにより、擬似輪郭ノイズの発生を防ぐことが可能となる。
【0074】
また、本実施形態では、第i選択期間に画像データ信号Dsを複数回(図4では2回ずつ)書き込むことによって、第i選択期間を更に細かい複数のサブフィールドに分割している。これにより、走査線の走査スピードを増加させることなく、画像信号の書き込みタイミングによってサブフィールドの数を増加させることができる。そのため、第i選択期間における画像データ信号Dsの数を増やすに従い、サブフィールド数を増加させることが可能となる。その結果、例えば複数の走査線が順次駆動されることによって画像が表示される線順次方式の表示装置においても、階調数の多いサブフィールド駆動によって高品質な画像表示が可能となる。
【0075】
特に本実施形態では、画像データ信号Dsは、期間T1及びT2中において夫々、連続して2回ずつ供給されている。このように画像データ信号Dsを供給すれば、供給する画像データ信号Dsの数を増やすだけで、サブフィールドの数を極めて容易に増やすことができる。また、供給される画像データ信号Dsは連続に供給されており、各々の間に余分な信号等が入っていないため、夫々のサブフィールドの期間を極めて短くすることができる。その結果、その結果、1フィールドにおけるサブフィールドの数を効率的に増大させることが可能となり、高画質な表示装置の駆動装置を実現することができる。
【0076】
尚、本実施形態では、隣り合う走査線上の画素に、同じ画像信号を書き込むため、画面の解像度が粗くなる。つまり、本態様では、データ線に沿って配列された2つの隣り合う画素に同じ画像データ信号Dsが入力されるため、この2つの画素は実質的に1つの画素として機能する。そのため、解像度は実質的に1/2に低下する。しかしながら、風景映像、人物像、物体像などの実写画像やアニメ画像など、人間が視覚上で認識可能である被写体が表示されている画像であれば、大なり小なり隣り合う画素間には類似の画像信号が入力されているため、著しい画質の低下に直結しない。
【0077】
尚、本実施形態の駆動方法によれば、1本の走査線に複数回データを書き込むために、一般的なサブフィールド駆動に比べて走査線側転送クロックCLYの周波数が小さくても済む。即ち、各走査線が順次駆動されるスピードが遅くても、1本の走査線を駆動している間に複数のサブフィールドを形成することが可能であるため、1フレーム期間全体でみると、データの書き込み速度が速ければ、トータルとしてサブフィールド数を十分多く確保することが可能である。そのため、走査線を駆動する走査スピードを高速にすることなくサブフィールド数を増大することが可能となり、階調表現の豊かなサブフィールド駆動を実現することができる。このようにサブフィールドの数を増大することにより、擬似輪郭ノイズを抑制するために隣り合う走査線上の画素に同じ画像データ信号Dsを入力したことに起因する解像度の低下を、補填することができる。つまり、擬似輪郭ノイズ抑制のために解像度が低下しても、サブフィールド数の増加による表現階調数の増大によって、画質の劣化を補填することができる。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、擬似輪郭ノイズを抑制しつつ、階調表示の豊かな高画質な電気光学装置の駆動装置を実現することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、サブフィールドを規定する画素への画像データ信号Dsの書き込みタイミングを任意に制御できる点で、前述した第1実施形態と異なる。この形態は、コントローラ10がデータ線駆動回路12に対して画像データ信号Dsの出力タイミングを任意に調整することによって実現される。
【0079】
図6は、走査線側転送クロックCLY(図6(a))、走査信号G1に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図6(b))、走査信号G2に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図6(c))、走査信号G3に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図6(d))、走査信号G4に対応する走査線14aに接続された画素に入力される画像データ信号Ds(図6(e))を示すタイミングチャート図である。
【0080】
本実施形態では、画像データ信号Dsは、1フィールド期間内に各走査線に対して画像データ信号Dsが時間的に不連続で2回ずつ供給されている。つまり、走査線駆動回路11で画像データ信号Dsの供給タイミングを調整することにより、各画素に供給される複数の画像データ信号Dsのうち一つの走査線に対して供給される2つの画像信号の間に、任意の待ち時間を設けている。その結果、夫々のサブフィールドの期間を任意に調整している。このように本実施形態によれば、第1実施形態に比べてサブフィールド期間をより時間的な自由度を確保しつつ規定することができる。その結果、SF1とSF2とSF3の夫々の時間幅を調整することによって、よりバランスよくサブフィールドを分散させることが可能となるため、より擬似輪郭ノイズの防止に適した駆動装置を実現することができる。
[第3実施形態]
図7は、本実施形態に係る電気光学装置の駆動装置の電気的構成を示したブロック図である。
【0081】
コントローラ10は、クロック信号clk、垂直走査信号VS、水平走査信号HS、画像信号Dを外部から取得し、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、イネーブル信号ENBY1、ENBY2、ENBXと、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsと、を生成する。イネーブル信号ENBY1、ENBY2は、ハイレベル又はローレベルを示すデータであり、走査線駆動回路11から表示パネル14に対して出力すべきデータを選択するために用いられる。イネーブル信号ENBXは、データ線駆動回路12へデータ転送を開始する、及び走査線毎にデータを画素14cへ出力するタイミングを決めるパルス信号であって、走査側転送クロックCLYのレベル遷移(即ち、立ち上がり及び立ち下がり)に同期して出力される。データ転送クロックCLXは、データ線駆動回路12へデータを転送するタイミングを規定する信号である。データ信号Dsは、コントローラ10に入力された画像信号に対応するデータであり、サブフィールド期間毎に画素14cをオン状態又はオフ状態にするためのハイレベル又はローレベルを示すデータである。
【0082】
走査線駆動回路11は、コントローラ10から、スタートパルスDYと、走査側転送クロックCLYと、イネーブル信号ENBY1、ENBY2とを取得し、表示パネル14の走査線14aに対して走査信号G1、G2、G3、…、Gnを出力する。
【0083】
データ線駆動回路12は、コントローラ10から、イネーブル信号ENBXと、データ転送クロックCLXと、データ信号Dsとを取得し、表示パネル14のデータ線14bに対してデータ信号d1、d2、d3、…、dmを出力する。
【0084】
ここで、図8及び図9を参照して、走査線駆動回路11の構成と動作について具体的に説明する。
【0085】
図8は、走査線駆動回路11の概略構成を示す図である。走査線駆動回路104は、シフトレジスタ11aaと、アンド回路11b1〜11bnとを備えるように構成されている。シフトレジスタ11aaには、走査側転送クロックパルスCLYとスタートパルスDYが入力され、イネーブル信号ENBY1及びENBY2に同期して所定のタイミングでアンド回路11bnを駆動することにより、走査信号Gnを出力する。アンド回路11bn(n=1、2、5、6・・・11bn/2+3、11bn/2+4・・・11bn−3、11bn−2)はイネーブル信号ENBY1をハイレベルに設定することによって、シフトレジスタ11aaから所定のハイレベル電圧を出力したときに、対応するアンド回路11bnから対応する走査信号Gnが出力される。一方、アンド回路11bn(n=3、4・・・11bn/2+1、11bn/2+2、11bn/2+5、11bn/2+6・・・11bn−1、11bn)はイネーブル信号ENBY2をハイレベルに設定することによって、シフトレジスタ11aaから所定のハイレベル電圧を出力したときに、対応するアンド回路11bnから対応する走査信号Gnが出力される。
【0086】
図9は、図8におけるシフトレジスタ11aaに入力される(a)走査側転送クロックパルス、(b)イネーブル信号ENBY1、(c)イネーブル信号ENBY2及び(d)走査信号Gn、(e)データ転送クロックCLX、(f)画像データ信号Dsのタイミングチャートである。
【0087】
ここで、シフトレジスタ11aaは、全走査線を走査信号GnをG1とG5、G2とG6・・・・Gn−4とGnのように、4本離れた2本の走査線に対応するアンド回路に対して同時にハイレベルの電圧信号を供給する。図8に示すように、このように4本離れたアンド回路のもう一方の端子はイネーブル信号ENBY1若しくはENBY2のどちらか一方に接続されている。そのため、2つのイネーブル信号ENBY1及びENBY2を図9(b)及び(c)のようにオン/オフ駆動することによって、G1とG5、Gn/2+1とGn/2+5、G2とG6、Gn/2+2とGn/2+6・・・・という順で走査信号Gnが出力されるように、設定することが可能となる。特に、本実施形態では、このような順番で走査信号Gnを出力できるように、イネーブル信号ENBY1及びENBY2の波形において、連続してオン又はオフになっている波形を含んである。
【0088】
一方、走査信号が各走査線に供給されるタイミングに合わせて、データ転送クロックCLXに同期した画像データ信号Dsが駆動された走査線上にある各画素に印加される。その結果、各画素に画像データ信号Dsが書き込まれ、オン/オフ駆動される。
【0089】
このように離れた2本の走査線に対して、走査信号Gnを供給することによって、画像データ信号が時間的に画像表示領域の特定の部分に集中することを防ぐことができるため、擬似輪郭ノイズの発生を効果的に抑制することができる。尚、本実施形態においても複数の画素に、同じ画像信号を書き込むため、画面の解像度が粗くなる。しかしながら、一般的に数100本ある走査線のうち、例えば本実施形態のように4本だけ離れた走査線上に存在する画素については、相互に類似した画像信号が入力されることが通常であることから、著しい画質の低下は生じない。また、次に説明するように1フィールド中におけるサブフィールドの数を増加させることによって、解像度の粗さを補填することができる。
【0090】
次に図10は、特定の走査信号を出力している間に、複数の画像データ信号Dsを供給するように構成した駆動装置の、シフトレジスタ11aaに入力される(a)走査側転送クロックパルス、(b)イネーブル信号ENBY1、(c)イネーブル信号ENBY2及び(d)走査信号Gn、(e)データ転送クロックCLX、(f)画像データ信号Dsのタイミングチャートである。
【0091】
図9の場合に比べて、データ転送クロックCLXの周波数を大きくすることにより、特定の走査線を駆動している間に3つずつ画像データ信号Dsを供給している。これにより、駆動された走査線上に存在する各画素のオン/オフ駆動を、より細かく制御することが可能になる。つまり、1フィールドにおけるサブフィールド数を格段に増大させることが可能になる。その結果、複数の走査線に対して走査信号Gnを同時に供給することによって低下した解像度を、サブフィールドの増加による階調数の増加によって、補填することが可能となる。
【0092】
また、図10に示す態様では、データ線駆動回路12の制御によって、画像データ信号を入力するタイミングを任意に調整すれば、上述の第2実施形態と同様に、サブフィールド期間をより時間的な自由度を確保しつつ規定することができる。その結果、1フィールド内において、よりバランスよくサブフィールドを分散させることが可能となるため、より擬似輪郭ノイズの防止に適した駆動装置を実現することができる。
【0093】
特に、本実施形態によれば、画像データ信号Dsの書き込み回数によってサブフィールドの数が規定されるため、走査線の走査スピードを増加させることなく、画像信号の書き込みタイミングによってサブフィールドの数を増加させることが可能である。そのため、例えば線順次方式の表示装置においても、階調数の多いサブフィールド駆動によって高品質な画像表示が可能となる。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、擬似輪郭ノイズを抑制しつつ、優れた階調表現能力を有する高画質な電気光学装置の駆動装置を実現することができる。
【0095】
<電気光学装置>
次に、上述した駆動装置が適用された電気光学装置500について、図11及び図12を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例であるTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
【0096】
先ず、本実施形態に係る電気光学装置における電気光学パネルの構成について説明する。ここに図11は、本実施形態に係る電気光学パネルの構成を示す平面図であり、図12は、図11のH−H´線断面図である。
【0097】
図11及び図12において、本実施形態に係る電気光学パネル500では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板や、シリコン基板等である。対向基板20は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0098】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0099】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。尚、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0100】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路12及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路11は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路11間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線が設けられている。
【0101】
TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
【0102】
続いて、図12おいて、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図10では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成され、その表面は配向膜によって覆われている。当該配向膜は液晶50と接している。
【0103】
画素電極9aは、対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。
【0104】
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が、例えばプロジェクタ用のランプや直視用のバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
【0105】
遮光膜23上には、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向するように形成されている。また遮光膜23上には、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図10には図示しないカラーフィルタが形成されるようにしてもよい。対向基板20の対向面上における、対向電極21上には、配向膜(図12において省略)が形成されている。
【0106】
尚、図11及び図12に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号(即ち、データ信号)をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0107】
液晶層50)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
【0108】
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70は、画像信号の供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70の一方の電極は、画素電極9aと並列してTFT30のドレインに接続され、他方の電極は、定電位となるように、電位固定の容量線300に接続されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカの低減といった表示特性の向上が可能となる。
[電子機器]
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置500を適用可能な電子機器の具体例について図13を参照して説明する。
【0109】
まず、上述した実施形態に係る電気光学装置500を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図13(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る液晶表示装置100を適用した表示部713とを備えている。
【0110】
続いて、上述した実施形態に係る電気光学装置500を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図13(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口723とともに、本発明に係る液晶表示装置100を適用した表示部724を備える。
【0111】
次に、図14を参照して、上述した実施形態に係る電気光学装置500をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
【0112】
図14に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
【0113】
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0114】
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0115】
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0116】
尚、図14を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0117】
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
【0118】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置用基板及び電気光学装置、並びに該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】第1実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態におけるスタートパルスと走査側転送クロックと走査信号を示すタイミングチャート図である。
【図3】第1実施形態における走査側転送クロックと画像データ信号のタイミングチャートである。
【図4】第1実施形態における走査側転送クロックと画像データ信号のタイミングチャートである。
【図5】一般的な駆動装置における走査側転送クロックと画像データ信号のタイミングチャートである。
【図6】第2実施形態における走査側転送クロックと画像データ信号のタイミングチャートである。
【図7】第3実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態に係る走査線駆動回路の概略構成を示す模式図である。
【図9】第3実施形態におけるスタートパルス、走査側転送クロック、走査信号、データ転送クロック及び画像データ信号を示すタイミングチャート図である。
【図10】図9においてデータ転送クロック及び画像データ信号を変形した例を示すタイミングチャート図である。
【図11】本発明を適用した電気光学装置の平面図である。
【図12】図9のH−H´断面図である。
【図13】本発明を適用した電子機器の一例である。
【図14】本発明を適用した電子機器の他の例である。
【符号の説明】
【0120】
10 コントローラ、 11 走査線駆動回路、 11a シフトレジスタ、 11b
アンド回路、 12 データ線駆動回路、 14 表示パネル、 14a 走査線、
14b データ線、 14c 画素、 100 画像表示装置、 500 電気光学パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動装置であって、
前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を供給する走査信号供給手段と、
前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号が前記複数の走査線のうち第i(但しiは自然数)番目の走査線を介して供給される第i選択期間中に複数回供給する画像信号供給手段と
を備えることを特徴とする電気光学装置の駆動装置。
【請求項2】
前記走査信号供給手段は、前記n本の走査線として、m(但しmは自然数)本だけ離れた2本の走査線ずつ同時に、前記走査信号を供給することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項3】
前記画像信号供給手段は、前記画像信号として、前記複数のサブフィールドの各々について、前記複数の画素部毎に表示すべき階調に応じたオン電圧又はオフ電圧を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項4】
前記画像信号供給手段は、
前記複数のサブフィールドのうち少なくとも1つ以上のサブフィールドについては、前記画像信号を前記第i選択期間中に複数回供給し、
前記複数のサブフィールドのうち前記少なくとも1つ以上のサブフィールドを除く他のサブフィールドについては、前記画像信号を前記第i選択期間中に1回だけ供給する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項5】
前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中に、前記画像信号を連続して複数回供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項6】
前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中に、前記画像信号を不連続で複数回供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項7】
前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中における等間隔の期間毎に、前記画像信号を複数回供給することを特徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項8】
前記画像信号供給手段は、前記第i選択期間中における不等間隔又は任意の期間毎に、前記画像信号を複数回供給することを特徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項9】
前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk(但しkは2以上の自然数)本離れた走査線に交代で、前記n本の走査線ずつ同時に、前記走査信号を供給し、
前記画像信号供給手段は、前記画像信号を前記走査信号に同期して供給する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項10】
前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがあることを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項11】
画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動装置であって、
前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を、前記複数の走査線のうち相互にk(但しkは2以上の自然数)本離れた走査線に交代で、供給する走査信号供給手段と、
前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号に同期して供給する画像信号供給手段と
を備え、
前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがある
ことを特徴とする電気光学装置の駆動装置。
【請求項12】
前記走査信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一度来ている間に、前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給することがある
ことを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項13】
前記画像信号供給手段は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とに亘って、等間隔の期間毎に前記画像信号を供給することを特徴とする請求項12に記載の電気光学装置の駆動装置。
【請求項14】
画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を供給する走査信号供給工程と、
前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号が前記複数の走査線のうち第i(但しiは自然数)番目の走査線を介して供給される第i選択期間中に複数回供給する画像信号供給工程と
を備えることを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【請求項15】
画像表示領域に相交差して配線された複数の走査線及び複数のデータ線並びに該複数の走査線及び複数のデータ線の交点に対応するように配列された複数の画素部を備える電気光学装置をサブフィールド駆動する電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数の走査線を介して、前記複数の走査線のうちn(但しnは2以上の自然数)本の走査線ずつ同時に、走査信号を、前記複数の走査線のうち相互にk(但しkは2以上の自然数)本離れた走査線に交代で、供給する走査信号供給工程と、
前記複数のデータ線を介して、1フレームが時間軸上で分割されてなる複数のサブフィールド単位の画像信号を、前記走査信号に同期して供給する画像信号供給工程と
を備え、
前記走査信号供給工程は、前記複数の走査線のうち相互にk本離れた走査線を交代する順番が一巡してくる前と後とで前記複数の走査線のうち同一の走査線を介して、前記走査信号を供給する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか一項に記載の電気光学装置の駆動装置を具備してなる電気光学装置。
【請求項17】
請求項16に記載の電気光学装置を具備してなる電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−26085(P2010−26085A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185097(P2008−185097)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】