説明

電気光学装置

【課題】従来の電気光学装置では、電気光学装置に付された情報を確認することが困難である。
【解決手段】画像を形成する光を射出する複数の画素5と、前記画像が視認され得る表示面と、を有し、前記表示面には、平面視で複数の画素5を包含する領域である表示領域7が設定されており、複数の画素5は、表示領域7内に前記画像を表示する画像表示画素5Pと、表示領域7内に情報を表示する情報表示画素5Jと、を有することを特徴とする電気光学装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気光学装置の1つとして、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルなどを有する表示装置が知られている。
液晶パネルは、一対の基板間に液晶が介在した構成を有している(例えば、特許文献1参照)。
また、有機ELパネルは、発光層を含む有機層が一対の電極間に介在した有機EL素子を有している(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−25611号公報
【特許文献2】特開2007−248702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示パネルでは、製造履歴などの情報を管理するために、個々の表示パネルを識別することが必要になる場合がある。このため、各表示パネルに固有のID(Identification)情報を付与して、個々の表示パネルをID情報で識別することが考えられる。
ID情報としては、文字や数字などを組み合わせた情報や、バーコード化された情報などの種々の形態が採用され得る。そして、各表示パネルにID情報を付記することにより、個々の表示パネルがID情報によって識別され得る。
【0005】
各表示パネルにID情報などの情報を付記する場合には、付記した情報によって画像などの表示が妨げられないように、表示装置として画像などが表示され得る表示領域外に情報を付記することが好ましい。
しかしながら、表示領域外に情報が付記された表示パネルを種々の電子機器に組み込んだ場合、表示パネルに付記された情報が隠れてしまうことがある。この場合、表示パネルに付記された情報を確認するためには、この電子機器を分解しなければならない。
【0006】
つまり、従来の電気光学装置では、電気光学装置に付された情報を確認することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0008】
[適用例1]画像を形成する光を射出する複数の画素と、前記画像が視認され得る表示面と、を有し、前記表示面には、平面視で前記複数の画素を包含する領域である表示領域が設定されており、前記複数の画素は、前記表示領域内に前記画像を表示する画像表示画素と、前記表示領域内に情報を表示する情報表示画素と、を有することを特徴とする電気光学装置。
【0009】
適用例1の電気光学装置は、複数の画素と、表示面とを有している。複数の画素は、画像を形成する光を射出する。表示面には、表示領域が設定されている。表示領域は、平面視で複数の画素を包含する領域である。この電気光学装置では、複数の画素が画像表示画素と情報表示画素とを有している。画像表示画素は、表示領域内に画像を表示する。これにより、この電気光学装置では、画像は、表示領域に表示される。また、情報表示画素は、表示領域内に情報を表示する。この電気光学装置では、情報が表示領域内に表示され得るので、この電気光学装置が種々の電子機器に組み込まれた後でも、情報を確認しやすくすることができる。
【0010】
[適用例2]上記の電気光学装置であって、前記情報表示画素は、前記表示領域の外縁に位置していることを特徴とする電気光学装置。
【0011】
適用例2では、情報表示画素が表示領域の外縁に位置しているので、情報表示画素を目立たなくしやすい。
【0012】
[適用例3]上記の電気光学装置であって、複数の前記情報表示画素を有しており、前記複数の情報表示画素には、前記光を射出する明画素と、前記明画素よりも暗い暗画素とが含まれており、前記情報は、前記複数の情報表示画素における前記明画素と前記暗画素との並びによって識別されることを特徴とする電気光学装置。
【0013】
適用例3の電気光学装置は、複数の情報表示画素を有している。複数の情報表示画素には、光を射出する明画素と、明画素よりも暗い暗画素とが含まれている。そして、この電気光学装置では、情報は、複数の情報表示画素における明画素と暗画素との並びによって識別される。これにより、例えば明画素と暗画素とを2進数の数字などにあてはめることによって、複数の情報表示画素が示す情報を識別することができる。
【0014】
[適用例4]上記の電気光学装置であって、前記暗画素は、前記光を射出不能に構成されていることを特徴とする電気光学装置。
【0015】
適用例4では、暗画素が光を射出不能に構成されているので、複数の情報表示画素における明画素と暗画素とを区別しやすくすることができる。
【0016】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記複数の画素の前記画素ごとに設けられた第1電極と、各前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極間に介在する有機層と、を有し、前記有機層には、前記第1電極及び前記第2電極の一方から前記有機層を経て前記第1電極及び前記第2電極の他方へ流れる電流によって発光する発光層が含まれており、前記暗画素は、前記第1電極につながる配線部が切断されていることによって、前記光を射出不能に構成されていることを特徴とする電気光学装置。
【0017】
適用例5の電気光学装置は、第1電極と、第2電極と、有機層とを有している。第1電極は、複数の画素の画素ごとに設けられている。第2電極は、各第1電極に対向している。有機層は、第1電極及び第2電極間に介在している。有機層には、発光層が含まれている。発光層は、第1電極及び第2電極の一方から有機層を経て第1電極及び第2電極の他方へ流れる電流によって発光する。これにより、各画素から光を射出させることができる。そして、この電気光学装置では、暗画素は、第1電極につながる配線部が切断されていることによって、光を射出不能に構成されている。この結果、暗画素の有機層には電流が流れないため、発光層が発光しない。これにより、暗画素を構成することができる。
【0018】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記複数の画素の前記画素ごとに電界を形成する一対の電極と、前記電界の発生によって駆動される液晶と、を有し、前記暗画素は、前記一対の電極の少なくとも一方につながる配線部が切断されていることによって、前記光を射出不能に構成されていることを特徴とする電気光学装置。
【0019】
適用例6の電気光学装置は、一対の電極と、液晶とを有している。一対の電極は、複数の画素の画素ごとに電界を形成する。液晶は、電界の発生によって駆動される。この電気光学装置では、電界の発生を制御することにより、液晶に入射された光の変調状態を画素ごとに制御することができる。これにより、各画素から光を射出させることができる。そして、この電気光学装置では、暗画素は、一対の電極の少なくとも一方につながる配線部が切断されていることによって、光を射出不能に構成されている。この結果、暗画素の液晶を駆動することができないため、暗画素を構成することができる。
【0020】
[適用例7]上記の電気光学装置であって、前記情報には、少なくとも製造過程に関する過程情報が含まれていることを特徴とする電気光学装置。
【0021】
適用例7では、情報には、少なくとも製造過程に関する過程情報が含まれている。このため、製造もとに保管されているデータを照合しなくても、過程情報を取得しやすくすることができる。
【0022】
[適用例8]上記の電気光学装置であって、前記複数の画素の前記画素ごとに設けられた第1電極と、各前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極間に介在する有機層と、を有し、前記有機層には、前記第1電極及び前記第2電極の一方から前記有機層を経て前記第1電極及び前記第2電極の他方へ流れる電流によって発光する発光層が含まれていることを特徴とする電気光学装置。
【0023】
適用例8の電気光学装置は、第1電極と、第2電極と、有機層とを有している。第1電極は、複数の画素の画素ごとに設けられている。第2電極は、各第1電極に対向している。有機層は、第1電極及び第2電極間に介在している。有機層には、発光層が含まれている。発光層は、第1電極及び第2電極の一方から有機層を経て第1電極及び第2電極の他方へ流れる電流によって発光する。これにより、各画素から光を射出させることができる。
【0024】
[適用例9]上記の電気光学装置であって、前記複数の画素の前記画素ごとに電界を形成する一対の電極と、前記電界の発生によって駆動される液晶と、を有していることを特徴とする電気光学装置。
【0025】
適用例9の電気光学装置は、一対の電極と、液晶とを有している。一対の電極は、複数の画素の画素ごとに電界を形成する。液晶は、電界の発生によって駆動される。この電気光学装置では、電界の発生を制御することにより、液晶に入射された光の変調状態を画素ごとに制御することができる。これにより、各画素から光を射出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
実施形態について、電気光学装置の1つである有機EL装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。
実施形態における表示装置1は、図1に示すように、表示面3を有している。
【0027】
ここで、表示装置1には、複数の画素5が設定されている。複数の画素5は、表示領域7内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。表示装置1では、複数の画素5が、m(mは、1以上の整数)行、且つn(nは、1以上の整数)列のマトリクスMを構成している。表示装置1は、複数の画素5から選択的に表示面3を介して表示装置1の外に光を射出することで、表示面3に画像を表示することができる。なお、表示領域7とは、画像が表示され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、画素5が誇張され、且つ画素5の個数が減じられている。
【0028】
表示装置1は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、素子基板11と、封止基板13とを有している。
素子基板11には、表示面3側すなわち封止基板13側に、複数の画素5のそれぞれに対応して、後述する有機EL素子などが設けられている。なお、素子基板11の表示面3側とは反対側の面15は、表示装置1の底面として設定されている。以下において、面15は、底面15と表記される。
【0029】
封止基板13は、素子基板11よりも表示面3側で素子基板11に対向した状態で設けられている。素子基板11と封止基板13とは、接着剤16を介して接合されている。表示装置1では、有機EL素子は、接着剤16によって表示面3側から覆われている。
また、素子基板11と封止基板13との間は、表示装置1の周縁よりも内側で表示領域7を囲むシール材17によって封止されている。つまり、表示装置1では、有機EL素子と接着剤16とが、素子基板11及び封止基板13並びにシール材17によって封止されている。
【0030】
ここで、表示装置1における複数の画素5は、それぞれ、表示面3から射出する光の色が、図3に示すように、赤系(R)、緑系(G)及び青系(B)のうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMを構成する複数の画素5は、Rの光を射出する画素5rと、Gの光を射出する画素5gと、Bの光を射出する画素5bとを含んでいる。
なお、以下においては、画素5という表記と、画素5r、5g及び5bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0031】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0032】
マトリクスMでは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素5が、1つの画素列18を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の画素5が、1つの画素行19を構成している。
複数の画素5がm行且つn列のマトリクスMを構成する表示装置1では、マトリクスMは、m行の画素行19及びn列の画素列18を有している。
以下において、m行の画素行19のそれぞれが識別される場合には、画素行19(h)という表記が用いられる(hは、1〜mの整数)。n列の画素列18のそれぞれが識別される場合には、画素列18(i)という表記が用いられる(iは、1〜nの整数)。
【0033】
1つの画素列18内の各画素5は、光の色がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、マトリクスMは、複数の画素5rがY方向に配列した画素列18rと、複数の画素5gがY方向に配列した画素列18gと、複数の画素5bがY方向に配列した画素列18bとを有している。そして、表示装置1では、画素列18r、画素列18g及び画素列18bが、この順でX方向に沿って反復して並んでいる。
なお、以下においては、画素列18という表記と、画素列18r、画素列18g及び画素列18bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0034】
表示装置1は、回路構成を示す図である図4に示すように、画素5ごとに、TFT(Thin Film Transistor)素子21と、TFT素子23と、保持容量25と、有機EL素子27とを有している。各有機EL素子27は、画素電極29と、有機層31と、共通電極33とを有している。
【0035】
また、表示装置1は、m本の走査線GTと、n本のデータ線SIと、n本の電源線PWとを有している。
なお、以下においてm本の走査線GTのそれぞれが識別される場合に、走査線GT(h)という表記が用いられる。
また、n本のデータ線SIのそれぞれが識別される場合には、データ線SI(i)という表記が用いられる。同様に、n本の電源線PWのそれぞれが識別される場合には、電源線PW(i)という表記が用いられる。
【0036】
m本の走査線GTは、それぞれ走査線駆動回路34につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。
n本のデータ線SIは、それぞれデータ線駆動回路35につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。
n本の電源線PWは、X方向に互いに間隔をあけた状態で、且つ各電源線PWと各データ線SIとがX方向に間隔をあけた状態でY方向に延びている。
【0037】
各画素5は、各走査線GTと各データ線SIとの交差に対応して設定されている。各走査線GTは、図3に示す各画素行19に対応している。各データ線SI及び各電源線PWは、それぞれ、図3に示す各画素列18に対応している。
図4に示す各TFT素子21のゲート電極は、対応する各走査線GTに電気的につながっている。各TFT素子21のソース電極は、対応する各データ線SIに電気的につながっている。TFT素子21のドレイン電極は、TFT素子23のゲート電極及び保持容量25の一方の電極に電気的につながっている。
【0038】
保持容量25の他方の電極と、TFT素子23のソース電極は、それぞれ、対応する各電源線PWに電気的につながっている。
各TFT素子23のドレイン電極は、各画素電極29に電気的につながっている。各画素電極29と共通電極33とは、画素電極29を陽極とし、共通電極33を陰極とする一対の電極を構成している。
ここで、共通電極33は、マトリクスMを構成する複数の画素5間にわたって一連した状態で設けられており、複数の画素5間にわたって共通して機能する。
各画素電極29と共通電極33との間に介在する有機層31は、有機材料で構成されており、後述する発光層を含んだ構成を有している。
【0039】
TFT素子21は、このTFT素子21につながる走査線GTに選択信号が供給されるとON状態となる。このとき、このTFT素子21につながるデータ線SIからデータ信号が供給され、TFT素子23がON状態になる。TFT素子23のゲート電位は、データ信号の電位が保持容量25に一定の期間だけ保持されることによって、一定の期間だけ保持される。これにより、TFT素子23のON状態が一定の期間だけ保持される。なお、各データ信号は、階調表示に応じた電位に生成される。
【0040】
TFT素子23のON状態が保持されているときに、TFT素子23のゲート電位に応じた電流が、電源線PWから画素電極29と有機層31を経て共通電極33に流れる。そして、有機層31に含まれる発光層が、有機層31を流れる電流量に応じた輝度で発光する。これにより、表示装置1では、階調表示が行われ得る。
表示装置1は、有機層31に含まれる発光層が発光し、発光層からの光が封止基板13を介して表示面3から射出されるトップエミッション型の有機EL装置の1つである。なお、表示装置1では、表示面3側という表現が上側とも表現され、底面15側という表現が下側とも表現される。
【0041】
ここで、素子基板11及び封止基板13のそれぞれの構成について、詳細を説明する。
素子基板11は、図3中のC−C線における断面図である図5に示すように、第1基板41を有している。なお、図5では、構成をわかりやすく示すため、TFT素子21及び保持容量25並びにデータ線SIが省略されている。
第1基板41は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面3側に向けられた第1面42aと、底面15側に向けられた第2面42bとを有している。
【0042】
第1基板41の第1面42aには、ゲート絶縁膜43が設けられている。ゲート絶縁膜43の表示面3側には、絶縁膜45が設けられている。絶縁膜45の表示面3側には、絶縁膜47が設けられている。
また、第1基板41の第1面42aには、各画素5のTFT素子23に対応して、半導体層51が設けられている。半導体層51は、ゲート絶縁膜43によって表示面3側から覆われている。なお、ゲート絶縁膜43の材料としては、例えば酸化シリコンなどの材料が採用され得る。
【0043】
ゲート絶縁膜43の表示面3側には、平面視で半導体層51に重なる領域にゲート電極53が設けられている。ゲート電極53の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。ゲート電極53は、絶縁膜45によって表示面3側から覆われている。
【0044】
絶縁膜45の表示面3側には、平面視で半導体層51のソース領域(図示せず)に重なる領域にソース電極55が設けられている。ソース電極55は、絶縁膜45及びゲート絶縁膜43に設けられたコンタクトホール57を介して半導体層51のソース領域(図示せず)につながっている。ソース電極55の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。ソース電極55は、絶縁膜47によって表示面3側から覆われている。
【0045】
絶縁膜47の表示面3側には、画素電極29が設けられている。画素電極29は、絶縁膜47、絶縁膜45及びゲート絶縁膜43に設けられたコンタクトホール59を介して半導体層51のドレイン領域(図示せず)につながっている。画素電極29の材料としては、例えば、銀、白金、アルミニウム、銅などの光反射性を有する金属や、これらを含む合金などが採用され得る。
【0046】
画素電極29を陽極として機能させる場合には、画素電極29の材料として、銀、白金などの仕事関数が比較的高い材料を用いることが好ましい。また、画素電極29の材料としてITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などを用い、光反射性を有する部材を画素電極29と第1基板41との間に設けた構成も採用され得る。
また、絶縁膜45及び47の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの材料が採用され得る。
【0047】
隣り合う画素電極29同士の間には、各画素5を区画する絶縁膜61が領域62にわたって設けられている。絶縁膜61は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料で構成されており、平面視で格子状に設けられている。絶縁膜61は、表示領域7にわたって設けられている。このため、表示領域7は、絶縁膜61によって複数の画素5の領域に区画されている。なお、各画素電極29は、絶縁膜61によって囲まれた各画素5の領域に平面視で重なっている。
【0048】
絶縁膜61の表示面3側には、各画素5の領域を囲む遮光膜63が設けられている。遮光膜63は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有するアクリル系の樹脂やポリイミドなどの樹脂で構成されており、平面視で格子状に設けられている。
画素電極29の表示面3側には、遮光膜63に囲まれた領域内に、有機層31が設けられている。
【0049】
有機層31は、各画素5に対応して設けられており、正孔注入層65と、正孔輸送層67と、発光層69とを有している。
正孔注入層65は、有機材料で構成されており、平面視で絶縁膜61によって囲まれた領域内で、画素電極29の表示面3側に設けられている。
正孔注入層65の有機材料としては、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等との混合物が採用され得る。正孔注入層65の有機材料としては、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやこれらの誘導体なども採用され得る。
【0050】
正孔輸送層67は、有機材料で構成されており、平面視で遮光膜63によって囲まれた領域内で、正孔注入層65の表示面3側に設けられている。
正孔輸送層67の有機材料としては、例えば、下記化合物1として示されるTFBなどのトリフェニルアミン系ポリマーを含んだ構成が採用され得る。
【0051】
【化1】

【0052】
発光層69は、有機材料で構成されており、平面視で遮光膜63によって囲まれた領域内で、正孔輸送層67の表示面3側に設けられている。
Rの画素5rに対応する発光層69の有機材料としては、例えば、下記化合物2として示されるF8(ポリジオクチルフルオレン)と、ペリレン染料とを混合したものが採用され得る。
【0053】
【化2】

【0054】
Gの画素5gに対応する発光層69の有機材料としては、例えば、下記化合物3として示されるF8BTと、上記化合物1として示されるTFBと、上記化合物2として示されるF8とを混合したものが採用され得る。
【0055】
【化3】

【0056】
Bの画素5bに対応する発光層69の有機材料としては、例えば、上記化合物2として示されるF8が採用され得る。
【0057】
有機層31の表示面3側には、図5に示すように、遮光膜63に囲まれた領域内に、電子注入層71が設けられている。電子注入層71の材料としては、例えばカルシウムなどが採用され得る。
電子注入層71の表示面3側には、共通電極33が設けられている。共通電極33は、例えば、ITOやインジウム亜鉛酸化物等の光透過性を有する材料や、マグネシウム銀等を薄膜化して光透過性を付与したものなどで構成され、電子注入層71及び遮光膜63を表示面3側から複数の画素5間にわたって覆っている。
【0058】
なお、表示装置1では、各画素5において発光する領域は、平面視で画素電極29と有機層31と共通電極33とが重なる領域であると定義され得る。また、画素5ごとに発光する領域を構成する要素の一群が1つの有機EL素子27であると定義され得る。表示装置1では、1つの有機EL素子27は、1つの画素電極29と、1つの有機層31と、1つの電子注入層71と、1つの画素5に対応する共通電極33とを含んだ構成を有している。
【0059】
封止基板13は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面3側に向けられた外向面13aと、底面15側に向けられた対向面13bとを有している。
上記の構成を有する素子基板11及び封止基板13は、素子基板11の共通電極33と封止基板13の対向面13bとの間が、接着剤16を介して接合されている。
【0060】
表示装置1では、図2に示すシール材17は、図5に示す第1基板41の第1面42aと、封止基板13の対向面13bとによって挟持されている。つまり、表示装置1では、有機EL素子27及び接着剤16が、第1基板41及び封止基板13並びにシール材17によって封止されている。なお、シール材17は、対向面13b及び共通電極33の間に設けられていてもよい。この場合、有機EL素子27及び接着剤16は、素子基板11及び封止基板13並びにシール材17によって封止されているとみなされ得る。
【0061】
ここで、表示装置1では、マトリクスMを構成する複数の画素5は、画像表示に寄与する画素5である画像表示画素と、画像表示には寄与せずに、画像とは異なる情報を表示する画素5である情報表示画素とを含んでいる。
表示装置1では、m行目の画素行19(m)を構成するn個の画素5のそれぞれが、図6に示すように、情報表示画素5Jとして設定されている。1行目の画素行19(1)からm−1行目の画素行19(m−1)までに属する複数(n×(m−1)個)の画素5が、それぞれ画像表示画素5Pとして設定されている。
【0062】
複数の情報表示画素5Jが表示する情報には、個々の表示装置1に付与されたID情報や、この表示装置1の製造過程に関する過程情報が含まれている。
複数の画像表示画素5Pで画像表示を行うとき、各走査線GTに供給される選択信号は、走査線GT(m)を除く走査線GT(1)〜走査線GT(m−1)までのm−1本に順次供給される。
他方で、n個の情報表示画素5Jに情報を表示させるときには、走査線GT(m)に選択信号を供給しつつn本のデータ線SIにデータ信号を供給することによって、情報表示が行われる。
【0063】
n個の情報表示画素5Jには、複数の情報表示画素5Jを示す平面図である図7に示すように、情報表示が行われているときに光を表示面3から射出する画素5である明画素5Lと、明画素5Lよりも暗い暗画素5Dとが含まれている。なお、図7では、構成をわかりやすく示すため、暗画素5Dにハッチングが施されている。
なお、表示装置1では、暗画素5Dは、光を表示面3から射出不能に構成されている。これは、図5中のD部の拡大図である図8に示すように、半導体層51から画素電極29につながる配線部29aが切断されていることによって達成されている。つまり、暗画素5Dは、有機層31への通電が遮断されている。これにより、暗画素5Dの発光層69は、発光不能に構成されている。
【0064】
n個の情報表示画素5Jが表示する情報は、明画素5Lと暗画素5Dとの並びによって識別される。n個の情報表示画素5Jが表示する情報は、明画素5Lを”0”とし、暗画素5Dを”1”とする二進法のデータとして識別され得る。表示装置1では、情報表示画素5Jがn個あるので、nビットのデータ長の情報が表示され得る。
なお、n個の情報表示画素5Jが表示する情報は、明画素5Lを”1”とし、暗画素5Dを”0”とするデータも採用され得る。
【0065】
ここで、表示装置1の製造方法について説明する。
表示装置1の製造方法は、素子基板11を製造する工程と、表示装置1を組み立てる工程とに大別される。
素子基板11を製造する工程では、図9(a)に示すように、まず、第1基板41の第1面42aに駆動素子層81を形成する。この駆動素子層81には、前述したTFT素子21、TFT素子23、保持容量25、画素電極29、ゲート絶縁膜43、絶縁膜45、絶縁膜47などが含まれている。
【0066】
次いで、図9(b)に示すように、平面視で画素電極29の周縁及び絶縁膜47に重なる領域(図5に示す領域62)に絶縁膜61を形成する。
次いで、図9(c)に示すように、平面視で絶縁膜61に重なる領域に遮光膜63を形成する。
次いで、画素電極29をO2プラズマ処理などで活性化させてから、遮光膜63の表面にCF4プラズマ処理などで撥液性を付与する。
【0067】
次いで、図10(a)に示すように、絶縁膜61によって囲まれた各画素5の領域内に後述する液滴吐出ヘッド83から、正孔注入層65を構成する有機材料が含まれた液状体65aを液滴65bとして吐出することで、各画素5の領域内に液状体65aを配置する。
なお、液滴吐出ヘッド83から液状体65aなどを液滴として吐出する技術は、インクジェット技術と呼ばれる。そして、インクジェット技術を活用して液状体65aなどを所定の位置に配置する方法は、インクジェット法と呼ばれる。このインクジェット法は、塗布法の1つである。
【0068】
ここで、液滴吐出ヘッド83の構成について説明する。
液滴吐出ヘッド83は、斜視図である図11に示すように、ノズルプレート85と、振動板87と、複数の圧電素子89と、複数の隔壁部91とを有している。ノズルプレート85には、液状体を液滴93として吐出する複数個のノズル95が、図中X'方向に沿って所定間隔で形成されている。また、振動板87には、図示しない外部タンクから供給される液状体の受け口となる孔97が形成されている。
【0069】
複数の隔壁部91は、X'方向に沿って所定間隔で並び、ノズルプレート85と振動板87とに挟まれている。また、ノズルプレート85と振動板87との間には、孔97に連通し、孔97を介して液状体が充填される液たまり99が形成されている。そして、X'方向に隣り合う隔壁部91同士間には、供給路101を介して液たまり99に連通するキャビティ103が形成されている。なお、各ノズル95は、各キャビティ103に連通している。
上記の構成を有する液滴吐出ヘッド83は、圧電素子89が駆動されると、キャビティ103内の液状体を、各ノズル95から液滴93として吐出する。
【0070】
各画素5の領域内に配置された液状体65aを減圧乾燥法で乾燥させてから焼成を行うことによって、図10(b)に示す正孔注入層65が形成され得る。なお、正孔注入層65を構成する有機材料が含まれた液状体65aは、PEDOTとPSSとの混合物を、溶媒に溶解させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノールなどが採用され得る。なお、減圧乾燥法は、減圧環境下で行う乾燥方法であり、真空乾燥法とも呼ばれる。また、液状体65aの焼成条件は、環境温度が約200℃で、保持時間が約10分間である。
【0071】
次いで、図10(b)に示すように、遮光膜63によって囲まれた領域内に液滴吐出ヘッド83から、正孔輸送層67を構成する有機材料が含まれた液状体67aを液滴67bとして吐出することで、遮光膜63によって囲まれた領域内に液状体67aを配置する。このとき、正孔注入層65は、液状体67aによって覆われる。なお、液状体67aは、TFBを溶媒に溶解させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、シクロヘキシルベンゼンなどが採用され得る。
【0072】
次いで、液状体67aを減圧乾燥法で乾燥させてから、不活性ガス中で焼成を行うことによって、図10(c)に示す正孔輸送層67が形成され得る。なお、液状体67aの焼成条件は、環境温度が約130℃で、保持時間が約1時間である。
【0073】
次いで、図10(c)に示すように、遮光膜63によって囲まれた各領域内に、発光層69を構成する有機材料が含まれた液状体69aを配置する。液状体69aは、液滴吐出ヘッド83から液状体69aを液滴69bとして吐出することによって配置される。このとき、正孔輸送層67は、液状体69aによって覆われる。なお、液状体69aは、画素5r、5g及び5bのそれぞれに対応する前述した有機材料を溶媒に溶解させた構成が採用され得る。溶媒としては、例えば、シクロヘキシルベンゼンなどが採用され得る。
【0074】
次いで、液状体69aを減圧乾燥法で乾燥させてから、不活性ガス中で焼成を行うことによって、図5に示す発光層69が形成され得る。液状体69aの焼成条件は、環境温度が約130℃で、保持時間が約1時間である。
【0075】
次いで、蒸着技術などを活用してカルシウム等の膜を、遮光膜63に囲まれた領域内に形成することにより、図5に示す電子注入層71が形成され得る。このとき、電子注入層71は、遮光膜63をマスクで表示面3側から覆った状態で形成され得る。
次いで、スパッタリング技術などを活用してITO等の膜を形成してから、この膜をフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術などを活用してパターニングすることにより、図5に示す共通電極33が形成され得る。これにより、素子基板11が製造され得る。
【0076】
表示装置1を組み立てる工程では、図2に示すように、素子基板11及び封止基板13を、接着剤16及びシール材17を介して接合する。
このとき、素子基板11及び封止基板13は、図5に示すように、第1基板41の第1面42aと、封止基板13の対向面13bとが向き合った状態で接合される。これにより、表示装置1が製造され得る。
【0077】
上述した素子基板11を製造する工程では、複数の素子基板11が、平面図である図12(a)に示すように、マザー基板41Mの状態で形成される。
また、複数の封止基板13が、平面図である図12(b)に示すように、マザー基板13Mの状態で形成されている。
表示装置1を組み立てる工程では、複数の素子基板11が形成されたマザー基板41Mと、複数の封止基板13が形成されているマザー基板13Mとを、1組の素子基板11及び封止基板13ごとに、接着剤16及びシール材17を介して接合する。そして、接合されたマザー基板41M及びマザー基板13Mを、表示装置1ごとに分割する。
【0078】
ここで、マザー基板41Mには、駆動素子層81(図9)が形成される前の段階で、各マザー基板41Mに固有の基板IDが付与されている。同様に、マザー基板13Mにも、図12(b)に示すように、各マザー基板13Mに固有の基板IDが付与されている。
各マザー基板41Mに付与された基板IDは、図12(a)に示すように、ロット表示部107に表示されている。同様に、各マザー基板13Mに付与された基板IDは、図12(b)に示すように、ロット表示部109に表示されている。
【0079】
各マザー基板41Mは、駆動素子層81の形成から表示装置1の組み立てまでの製造過程に関する過程情報が、種々の工程ごとに基板IDとともに記録されていく。
同様に、各マザー基板13Mも、表示装置1の組み立てまでの製造過程に関する過程情報が、種々の工程ごとに基板IDとともに記録されていく。
各マザー基板41Mの過程情報や、各マザー基板13Mの過程情報は、種々の工程ごとに工程管理表などに記録されていく。
【0080】
また、各素子基板11には、駆動素子層81(図9)が形成される前の段階で、各素子基板11に固有の基板IDが付与される。各素子基板11に付与された基板IDは、マザー基板41Mの段階では表示されていない。
各素子基板11に付与された基板IDは、マザー基板41M及びマザー基板13Mが接合された段階で、表示装置1ごとに複数の情報表示画素5Jに記録され得る。
複数の情報表示画素5Jに記録される情報としては、各表示装置1に固有のID情報、素子基板11の基板ID、マザー基板41M及びマザー基板13Mの基板ID、マザー基板41Mの過程情報、マザー基板13Mの過程情報、表示装置1の検査結果などが挙げられる。
【0081】
また、マザー基板41Mやマザー基板13Mの過程情報としては、各素子基板11の各構成を形成するために流動されたラインの番号や、使用された装置の種類、装置番号、レシピ番号などが挙げられる。
なお、表示装置1の検査結果などの情報は、接合されたマザー基板41M及びマザー基板13Mを表示装置1ごとに分割した後に、各表示装置1を検査してから追加され得る。
【0082】
n個の情報表示画素5Jに情報を記録する方法としては、図13に示すように、例えばレーザ光111を利用することができる。
レーザ光111を第1基板41の底面15側から画素電極29に向けて照射することにより、図8に示す配線部29aを切断することができる。なお、レーザ光111としては、例えば、YAGレーザ、CO2レーザ、YVO4レーザ、YLFレーザなどの赤外レーザや、ArFエキシマレーザ、KrClエキシマレーザ、KrFエキシマレーザなどの紫外レーザを採用することができる。
【0083】
n個の情報表示画素5Jに記録する情報としては、ECC(エラー訂正符号)を付加した冗長な形式とすることが好ましい。これは、n個の情報表示画素5Jのなかに表示欠陥が存在している場合でも、確実に情報を識別しやすくすることができるためである。
【0084】
なお、表示装置1において、画素電極29が第1電極に対応し、共通電極33が第2電極に対応している。
表示装置1では、種々の情報を表示する複数の情報表示画素5Jが表示領域7内に設けられている。このため、種々の情報を表示領域7内に表示することができる。従って、表示装置1が種々の電子機器に組み込まれた後でも、これらの電子機器を分解せずに情報を確認しやすくすることができる。
【0085】
複数の情報表示画素5Jが表示する情報には、個々の表示装置1に付与されたID情報や、この表示装置1の製造過程に関する過程情報が含まれている。従って、表示装置1が種々の電子機器に組み込まれた後でも、これらの電子機器を分解せずに表示装置1の過程情報を追跡しやすくすることができる。
【0086】
また、表示装置1では、複数の情報表示画素5Jが、表示領域7の外縁に位置するm行目の画素行19(m)に設定されている。このため、複数の情報表示画素5Jを目立たなくすることができる。
【0087】
また、表示装置1では、暗画素5Dが表示面3から光を射出不能に構成されているので、明画素5Lと暗画素5Dとの明暗を区別しやすくすることができる。
【0088】
また、表示装置1では、半導体層51から画素電極29につながる配線部29aをレーザ光111で切断することによって暗画素5Dが光を射出不能に構成されている。表示装置1が組み立てられた後であっても、配線部29aをレーザ光111で切断することで暗画素5Dを追加することができる。つまり、表示装置1が組み立てられた後であっても、容易に情報を追記することができる。
【0089】
なお、表示装置1では、有機層31からの光を封止基板13を介して表示面3から射出するトップエミッション型の有機EL装置を例に説明したが、有機EL装置はこれに限定されない。有機EL装置は、有機層31からの光を素子基板11を介して底面15から射出するボトムエミッション型も採用され得る。
ボトムエミッション型の場合、有機層31からの光が底面15から射出されるので、底面15側に表示面3が設定される。つまり、ボトムエミッション型では、表示装置1の底面15と表示面3とが入れ替わる。そして、ボトムエミッション型では、底面15側が上側に対応し、表示面3側が下側に対応する。
【0090】
ここで、第2実施形態について、電気光学装置の1つである液晶装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。
第2実施形態における表示装置10は、図14に示すように、表示パネル20と、照明装置121とを有している。なお、以下において、表示装置10の構成のうちで第1実施形態の表示装置1と同様の構成については、表示装置1の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0091】
表示パネル20には、複数の画素5が設定されている。複数の画素5は、表示領域7内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。表示装置10においても、複数の画素5が、m行、且つn列のマトリクスMを構成している。
表示装置10は、照明装置121から表示パネル20に入射された光を、表示パネル20に設定されている複数の画素5から選択的に表示面3を介して表示パネル20の外に射出することで、表示面3に画像を表示することができる。なお、図14では、構成をわかりやすく示すため、画素5が誇張され、且つ画素5の個数が減じられている。
【0092】
表示パネル20は、図14中のE−E線における断面図である図15に示すように、液晶パネル30と、偏光板123a及び123bとを有している。
液晶パネル30は、駆動素子基板125と、対向基板127と、液晶129とを有している。
駆動素子基板125には、表示面3側すなわち液晶129側に、複数の画素5のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
【0093】
対向基板127は、駆動素子基板125よりも表示面3側で駆動素子基板125に対向し、且つ駆動素子基板125との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板127には、表示パネル20における表示面3の裏面に相当する面である底面15側すなわち液晶129側に、後述する対向電極などが設けられている。
【0094】
液晶129は、駆動素子基板125及び対向基板127の間に介在しており、表示パネル20の周縁よりも内側で表示領域7を囲むシール材17によって、駆動素子基板125及び対向基板127の間に封止されている。本実施形態では、液晶129として、TN(Twisted Nematic)型が採用されている。
【0095】
偏光板123aは、駆動素子基板125よりも底面15側に設けられている。偏光板123bは、対向基板127よりも表示面3側に設けられている。表示装置10では、偏光板123a及び123bは、偏光板123aにおける光の透過軸の方向と、偏光板123bにおける光の透過軸の方向とが、互いに沿う方向に設定されている。偏光板123a及び123bは、それぞれ、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
【0096】
なお、偏光板123aと駆動素子基板125との間や、偏光板123bと対向基板127との間に、光学補償フィルムを設けた構成も採用され得る。光学補償フィルムを設けることで、液晶129を表示面3の法線方向から見たときや、法線方向から傾斜した方向から見たときなどの液晶129の位相差を補償することができる。これにより、光漏れを低減することができ、コントラストの向上が図られる。
【0097】
光学補償フィルムとしては、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子等をハイブリッド配向させた負の一軸性媒体(例えば、富士フィルム製のWVフィルム)などが採用され得る。また、屈折率異方性が正のネマチック液晶分子等をハイブリッド配向させた正の一軸性媒体(例えば、日本石油製のNHフィルム)なども採用され得る。さらに、負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせた構成も採用され得る。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のC−Plate等も採用され得る。
【0098】
照明装置121は、表示パネル20の底面15側に設けられており、導光板131と、光源133とを有している。導光板131は、図15で見て表示パネル20の下側に設けられており、表示パネル20の底面15に対向する光射出面135bを有している。
光源133は、例えば、LED(Light Emitting Diode)や冷陰極管などが採用され、図15で見て導光板131の側面135aの右方に設けられている。
【0099】
光源133からの光は、導光板131の側面135aに入射される。導光板131に入射された光は、導光板131の中で反射を繰り返しながら光射出面135bから射出される。光射出面135bから射出された光は、表示パネル20の底面15から、偏光板123aを介して表示パネル20に入射される。なお、導光板131には、必要に応じて、光射出面135bに拡散板が設けられ、底面135cに反射板が設けられる。
表示パネル20に設定されている複数の画素5は、それぞれ、表示面3から射出する光の色が、図16に示すように、R、G及びBのうちの1つに設定されている。
【0100】
表示装置10は、駆動素子基板125の回路構成を示す図である図17に示すように、画素5ごとに、TFT素子141と、保持容量143と、画素電極145とを有している。
また、表示装置10は、m本の走査線GTと、m本の容量線CAと、n本のデータ線SIとを有している。
なお、以下においてm本の走査線GT及びm本の容量線CAのそれぞれが識別される場合に、走査線GT(h)という表記と、容量線CA(h)という表記とが用いられる。
また、n本のデータ線SIのそれぞれが識別される場合には、データ線SI(i)という表記が用いられる。
【0101】
m本の走査線GTは、それぞれ走査線駆動回路34につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。
m本の容量線CAは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、且つ各走査線GTと各容量線CAとがY方向に間隔をあけた状態でX方向に延びている。
n本のデータ線SIは、それぞれデータ線駆動回路35につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。
【0102】
各画素5は、各走査線GTと各データ線SIとの交差に対応して設定されている。各走査線GT及び各容量線CAは、それぞれ、図16に示す各画素行19に対応している。各データ線SIは、図16に示す各画素列18に対応している。
図17に示す各TFT素子141のゲート電極は、対応する各走査線GTに電気的につながっている。各TFT素子141のソース電極は、対応する各データ線SIに電気的につながっている。各TFT素子141のドレイン電極は、画素電極145及び保持容量143の一方の電極に電気的につながっている。
保持容量143の他方の電極は、対応する各容量線CAに電気的につながっている。
【0103】
TFT素子141は、このTFT素子141につながる走査線GTに選択信号が供給されるとON状態となる。このとき、このTFT素子141につながるデータ線SIからデータ信号が供給され、画素電極145がデータ信号の電位になる。画素電極145の電位は、データ信号の電位が保持容量143に一定の期間だけ保持されることによって、一定の期間だけ保持される。
ここで、表示装置10は、各画素電極145と対をなす後述する対向電極を有している。各画素電極145と対向電極との間に液晶129が介在している。画素電極145がデータ信号の電位に保たれると、画素電極145と対向電極との間に電界が形成される。この電界によって液晶129を駆動することができる。
【0104】
ここで、液晶パネル30の駆動素子基板125及び対向基板127のそれぞれの構成について、詳細を説明する。
駆動素子基板125は、図16中のF−F線における断面図である図18に示すように、第1基板151を有している。第1基板151は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面3側に向けられた第1面153aと、底面15側に向けられた第2面153bとを有している。
【0105】
第1基板151の第1面153aには、ゲート絶縁膜155が設けられている。ゲート絶縁膜155の表示面3側には、絶縁膜157が設けられている。絶縁膜157の表示面3側には、配向膜159が設けられている。
【0106】
第1基板151の第1面153aと、各画素電極145との間には、容量線CAが設けられている。容量線CAは、X方向に沿って並ぶ複数の画素5間にわたって一連した状態で設けられている。容量線CAの材料としては、例えば、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。
TFT素子141は、ゲート電極171と、半導体層173と、ソース電極175と、ドレイン電極177とを有している。
【0107】
ゲート電極171は、第1基板151の第1面153aに設けられており、ゲート絶縁膜155によって表示面3側から覆われている。なお、ゲート電極171の材料としては、例えば、モリブデン、タングステン、クロムなどの金属や、これらを含む合金などが採用され得る。また、ゲート絶縁膜155の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの光透過性を有する材料が採用され得る。
半導体層173は、例えばアモルファスシリコンで構成されており、ゲート絶縁膜155を挟んでゲート電極171に対向する位置に設けられている。
【0108】
ソース電極175は、ゲート絶縁膜155の表示面3側に設けられており、一部が半導体層173に重なっている。ドレイン電極177は、ゲート絶縁膜155の表示面3側に設けられており、一部が半導体層173に重なっている。上記の構成を有するTFT素子141は、半導体層173がゲート電極171と、ソース電極175及びドレイン電極177との間に位置する所謂ボトムゲート型である。
そして、TFT素子141は、絶縁膜157によって表示面3側から覆われている。なお、絶縁膜157の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
【0109】
画素電極145は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の酸化導電膜や、Mg及びAg等の金属が光透過性を有するように薄膜化したものなどの光透過性を有する材料で構成され、絶縁膜157の表示面3側に設けられている。画素電極145は、絶縁膜157に設けられたコンタクトホール179を介してドレイン電極177につながっている。
配向膜159は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、絶縁膜157及び画素電極145を表示面3から覆っている。なお、配向膜159には、配向処理が施されている。
【0110】
対向基板127は、第2基板181を有している。第2基板181は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面3側に向けられた外向面182aと、底面15側に向けられた対向面182bとを有している。
第2基板181の対向面182bには、各画素5を区画する遮光膜183が領域184にわたって設けられている。表示装置10では、各画素5は、遮光膜183によって囲まれた領域であると定義され得る。遮光膜183は、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などで構成されており、平面視で格子状に設けられている。
【0111】
また、第2基板181の対向面182bには、遮光膜183によって囲まれた各領域、すなわち各画素5の領域を底面15側から覆うカラーフィルタ185が設けられている。
ここで、カラーフィルタ185は、入射された光のうち所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルタ185は、画素5r、画素5g及び画素5bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。画素5rに対応するカラーフィルタ185は、Rの光を透過させることができる。画素5gに対応するカラーフィルタ185はGの光を透過させ、画素5bに対応するカラーフィルタ185はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルタ185に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルタ185r、185g及び185bという表記が用いられる。
【0112】
遮光膜183及びカラーフィルタ185の底面15側には、オーバーコート層187が設けられている。オーバーコート層187は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、遮光膜183及びカラーフィルタ185を底面15側から覆っている。
オーバーコート層187の底面15側には、対向電極189が設けられている。対向電極189は、例えばITO等の酸化導電膜や、Mg及びAg等の金属が光透過性を有するように薄膜化したものなどの光透過性を有する材料で構成されている。
【0113】
対向電極189は、マトリクスMを構成する複数の画素5間にわたって一連した状態で設けられている。つまり、対向電極189は、マトリクスMを構成する複数の画素5に平面視で重なる領域に設けられており、複数の画素5間にわたって共通して機能する。なお、対向電極189は、図示しない共通線につながっている。
対向電極189の底面15側には、配向膜191が設けられている。配向膜191は、例えばポリイミドなどの光透過性を有する材料で構成されており、対向電極189を底面15側から覆っている。配向膜191には、配向処理が施されている。
【0114】
駆動素子基板125及び対向基板127の間に介在する液晶129は、配向膜159と配向膜191との間に介在している。表示装置10では、図15に示すシール材17は、図18に示す第1基板151の第1面153aと、第2基板181の対向面182bとによって挟持されている。つまり、表示装置10では、液晶129は、第1基板151及び第2基板181によって保持されている。なお、シール材17は、配向膜159及び配向膜191の間に設けられていてもよい。この場合、液晶129は、駆動素子基板125及び対向基板127に保持されているとみなされ得る。
【0115】
TFT素子141は、図18で見て左側の領域184内に設けられており、ドレイン電極177が領域184内から画素5の領域内に延長されている。X方向に隣り合う画素5間において、ゲート電極171同士は、走査線GTによって接続されている。また、Y方向に隣り合う画素5間において、ソース電極175同士は、データ線SIによって接続されている。
【0116】
上記の構成を有する表示装置10では、照明装置121から表示パネル20に光を照射した状態で液晶129の配向状態を画素5ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶129の配向状態は、TFT素子141のOFF状態及びON状態を切り替えることによって変化し得る。
【0117】
図19(a)は、TFT素子141がOFF状態のときの偏光状態を示す図であり、図19(b)は、TFT素子141がON状態のときの偏光状態を示す図である。
表示装置10では、偏光板123aの透過軸の方向201は、図19(a)及び図19(b)に示すように、偏光板123bの透過軸の方向203に平面視で沿っている。配向膜159の配向方向205は、平面視で透過軸の方向201に沿っている。配向膜191の配向方向207は、平面視で透過軸の方向201に直交している。
なお、図19(a)及び図19(b)において、X'方向及びY'方向は、X'方向が平面視で偏光板123aの透過軸の方向201に直交する方向を示し、Y'方向がXY平面内でX'方向に直交する方向を示している。X'方向及びY'方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
【0118】
照明装置121から偏光板123aに入射された入射光は、偏光板123aの透過軸の方向201すなわちY'方向に沿った偏光軸を有する直線偏光209として液晶129に入射される。
液晶129に入射された直線偏光209は、TFT素子141がOFF状態のときに、図19(a)に示すように、液晶129の旋光性によってX'方向に沿った偏光軸を有する直線偏光211として偏光板123bに向けて射出される。偏光板123bに向けて射出された直線偏光211は、偏光軸の方向が偏光板123bの透過軸の方向203に直交しているため、偏光板123bに吸収される。
【0119】
他方で、TFT素子141がON状態のときに、直線偏光209は、図19(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光209として偏光板123bに向けて射出される。偏光板123bに向けて射出された直線偏光209は、偏光軸の方向が偏光板123bの透過軸の方向203に沿っているため、偏光板123bを透過する。
【0120】
表示装置10では、TFT素子141がOFF状態のときに表示面3からの光の射出が遮断され、TFT素子141がON状態のときに表示面3から光が射出される所謂ノーマリブラックの表示モードが採用されている。しかしながら、表示モードは、ノーマリブラックに限定されず、ノーマリホワイトも採用され得る。
【0121】
ここで、表示装置10においても、マトリクスMを構成する複数の画素5は、図20に示すように、画像表示画素5Pと、情報表示画素5Jとを含んでいる。
表示装置10においても、m行目の画素行19(m)を構成するn個の画素5のそれぞれが、情報表示画素5Jとして設定されている。1行目の画素行19(1)からm−1行目の画素行19(m−1)までに属する複数(n×(m−1)個)の画素5が、それぞれ画像表示画素5Pとして設定されている。
【0122】
n個の情報表示画素5Jには、図21に示すように、情報表示が行われているときに光を表示面3から射出する画素5である明画素5Lと、明画素5Lよりも暗い暗画素5Dとが含まれている。なお、図21では、構成をわかりやすく示すため、暗画素5Dにハッチングが施されている。
【0123】
表示装置10では、暗画素5Dは、光を表示面3から射出不能に構成されている。これは、図18中のK部の拡大図である図22に示すように、ドレイン電極177から画素電極145につながる配線部145aが切断されていることによって達成されている。つまり、暗画素5Dは、画素電極145及び対向電極189間の電界の形成が遮断されている。このため、暗画素5Dにおける液晶129の駆動が不能とされている。これにより、暗画素5Dは、光を表示面3から射出不能に構成されている。
なお、配線部145aの切断には、前述したレーザ光111が利用され得る。
【0124】
n個の情報表示画素5Jが表示する情報は、明画素5Lと暗画素5Dとの並びによって識別される。n個の情報表示画素5Jが表示する情報は、明画素5Lを”0”とし、暗画素5Dを”1”とする二進法のデータとして識別され得る。表示装置10では、情報表示画素5Jがn個あるので、nビットのデータ長の情報が表示され得る。
なお、n個の情報表示画素5Jが表示する情報は、明画素5Lを”1”とし、暗画素5Dを”0”とするデータも採用され得る。
【0125】
なお、表示装置10において、画素電極145及び対向電極189が一対の電極に対応している。
表示装置10においても、表示装置1と同様の効果が得られる。
【0126】
なお、表示装置1や表示装置10では、m行目の画素行19(m)を情報表示画素5Jとしたが、複数の情報表示画素5Jの位置はこれに限定されない。複数の情報表示画素5Jの位置としては、表示領域7の外縁に位置する1行目の画素行19(1)でも、1列目の画素列18(1)でも、n列目の画素列18(n)でもよい。
【0127】
また、表示装置1や表示装置10では、m行目の画素行19(m)を情報表示画素5Jとしたが、複数の情報表示画素5Jはこれに限定されない。複数の情報表示画素5Jとしては、画素行19(m)の画素5に、画素行19(1)や、画素列18(1)や、画素列18(n)の画素5を加えた構成も採用され得る。これにより、情報表示画素5Jの個数を増やすことができるので、複数の情報表示画素5Jが表示し得る情報量を増やすことができる。
【0128】
また、表示装置10では、TN型の液晶129を例に説明したが、液晶129はこれに限定されず、FFS(Fringe Field Switching)型、IPS(In Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型等の種々の型が採用され得る。
【0129】
上述した表示装置1及び表示装置10は、それぞれ例えば、図23に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、携帯電話機である。この電子機器500は、操作ボタン511を有している。表示部510は、操作ボタン511で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。この電子機器500では、表示部510に表示装置1又は表示装置10が適用されているので、電子機器500を分解せずに表示装置1や表示装置10に関する情報を確認しやすくすることができる。
【0130】
なお、電子機器500としては、携帯電話機に限られず、モバイルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションシステム用の表示機器などの車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
また、表示パネル20や液晶パネル30は、プロジェクタ等の投写型表示装置にライトバルブとして適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第1実施形態における表示装置を示す平面図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】第1実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】第1実施形態における表示装置の回路構成を示す図。
【図5】図3中のC−C線における断面図。
【図6】第1実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図7】第1実施形態における複数の情報表示画素を示す平面図。
【図8】図5中のD部の拡大図。
【図9】第1実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図10】第1実施形態での素子基板の製造工程を説明する図。
【図11】第1実施形態での素子基板の製造工程に適用され得る液滴吐出ヘッドの主要構成を示す斜視図。
【図12】第1実施形態での素子基板及び封止基板のそれぞれの形成に適用され得るマザー基板を示す平面図。
【図13】第1実施形態における情報表示画素に情報を記録する方法を説明する断面図。
【図14】第2実施形態における表示装置を示す分解斜視図。
【図15】図14中のE−E線における断面図。
【図16】第2実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図17】第2実施形態における表示装置の駆動素子基板の回路構成を示す図。
【図18】図16中のF−F線における断面図。
【図19】第2実施形態における表示装置の偏光状態を説明する図。
【図20】第2実施形態における複数の画素の一部を示す平面図。
【図21】第2実施形態における複数の情報表示画素を示す平面図。
【図22】図18中のK部の拡大図。
【図23】第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれにおける表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【符号の説明】
【0132】
1,10…表示装置、3…表示面、5…画素、5P…画像表示画素、5J…情報表示画素、5L…明画素、5D…暗画素、7…表示領域、11…素子基板、13…封止基板、13M…マザー基板、15…底面、18…画素列、19…画素行、20…表示パネル、27…有機EL素子、29…画素電極、29a…配線部、30…液晶パネル、31…有機層、33…共通電極、41M…マザー基板、65…正孔注入層、67…正孔輸送層、69…発光層、107…ロット表示部、109…ロット表示部、111…レーザ光、125…駆動素子基板、127…対向基板、129…液晶、145…画素電極、145a…配線部、500…電子機器、510…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する光を射出する複数の画素と、
前記画像が視認され得る表示面と、を有し、
前記表示面には、平面視で前記複数の画素を包含する領域である表示領域が設定されており、
前記複数の画素は、
前記表示領域内に前記画像を表示する画像表示画素と、
前記表示領域内に情報を表示する情報表示画素と、を有することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記情報表示画素は、前記表示領域の外縁に位置していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
複数の前記情報表示画素を有しており、
前記複数の情報表示画素には、前記光を射出する明画素と、前記明画素よりも暗い暗画素とが含まれており、
前記情報は、前記複数の情報表示画素における前記明画素と前記暗画素との並びによって識別されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記暗画素は、前記光を射出不能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記複数の画素の前記画素ごとに設けられた第1電極と、
各前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極間に介在する有機層と、を有し、
前記有機層には、前記第1電極及び前記第2電極の一方から前記有機層を経て前記第1電極及び前記第2電極の他方へ流れる電流によって発光する発光層が含まれており、
前記暗画素は、前記第1電極につながる配線部が切断されていることによって、前記光を射出不能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記複数の画素の前記画素ごとに電界を形成する一対の電極と、
前記電界の発生によって駆動される液晶と、を有し、
前記暗画素は、前記一対の電極の少なくとも一方につながる配線部が切断されていることによって、前記光を射出不能に構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記情報には、少なくとも製造過程に関する過程情報が含まれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記複数の画素の前記画素ごとに設けられた第1電極と、
各前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極間に介在する有機層と、を有し、
前記有機層には、前記第1電極及び前記第2電極の一方から前記有機層を経て前記第1電極及び前記第2電極の他方へ流れる電流によって発光する発光層が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記複数の画素の前記画素ごとに電界を形成する一対の電極と、
前記電界の発生によって駆動される液晶と、を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−251332(P2009−251332A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100051(P2008−100051)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】