説明

電気接続箱

【課題】コネクタハウジングの組付けを容易に行えるようにする。
【解決手段】下部ハウジング26は、タブ状をなして並列配置されている複数の端子部12aを嵌合させつつ、フレーム22に対して端子部12aの長さ方向と平行に組み付けられる。組付けの際は、ガイド溝32とガイドリブ39を、端子部12aの長さ方向と平行な方向への摺動を可能に且つ端子部12aの並列方向への相対移動を規制された状態で嵌合すれば、下部ハウジング26が端子部12aの並列方向に位置決めされるので、複数の端子部12aを一斉に下部ハウジング26に嵌合させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載される電気接続箱として、回路構成体をケースに収容した構造のものがある。回路構成体は、回路基板と、回路基板の裏面に沿って配索されて端部に端子部が形成されたバスバーと、回路基板の表面側に実装されるリレー等のスイッチング部材とを備えて構成されている。ケースは、回路基板に対しその周縁に沿うように配置されて固定される略方形のフレームと、フレームに対し回路基板を表面側から覆うように組み付けられるカバーと、回路基板の裏面に固着されてフレームの裏面側の開口を塞ぐ金属製の放熱板と、フレームに対しその一辺に沿うように取り付けられるとともに、バスバーの端子部を収容するコネクタハウジングとを備えて構成される。
尚、電気接続箱としては、特許文献1に開示されているもの等がある。
【特許文献1】特開2003−164039公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バスバーの端子部としては、細長いタブ状として、複数本の端子部を互いに平行に且つ所定ピッチでフレームの一辺に沿って並列配置する構成が考えられる。また、コネクタハウジングとしては、複数の端子部を包囲するフード部と、フード部の背面を塞ぐとともに端子部を貫通させる貫通孔が形成された背面壁とを有する形態が考えられる。
このような構成のものでは、コネクタハウジングをフレームに組み付ける際に、各端子部を対応する貫通孔に貫通させるのであるが、このとき、複数の端子部を一斉に貫通孔に差し込まなければならないため、作業が困難であった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタハウジングの組付けを容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、回路構成体をケースに収容してなり、前記回路構成体は、回路基板と、前記回路基板の裏面に沿って配索された複数のバスバーと、前記複数のバスバーの端部に形成されて並列配置されたタブ状をなす複数の端子部とを備えており、前記ケースは、前記回路基板に対しその周縁に沿うように配置されて固定される略方形のフレームと、前記複数の端子部を嵌合させつつ前記フレームに対して前記端子部の長さ方向と平行に組み付けられるコネクタハウジングとを備えているものにおいて、前記フレームと前記コネクタハウジングには、前記端子部の長さ方向と平行な方向への摺動を可能に且つ前記端子部の並列方向への相対移動を規制された状態で嵌合し合うガイド部が形成されているところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記フレーム側の前記ガイド部と前記コネクタハウジング側の前記ガイド部の双方が、前記端子部の長さ方向と平行に延びた形態とされているところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記コネクタハウジングと前記フレームには、組付け状態において互いに係合することで、前記コネクタハウジングが前記フレームに対して組付け方向と交差する方向へ相対変位することを規制可能な変位規制部が形成されているところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記コネクタハウジングが、前記端子部を貫通させる背面壁と、前記背面壁から正面側へ筒状に突出するフード部とを有する形態となっているものであって、前記ガイド部が前記フード部の外面にリブ状に形成されているとともに、前記変位規制部が前記背面壁の背面にリブ状に形成されており、前記フード部のガイド部と前記背面壁の変位規制部とが略L字形に連なっているところに特徴を有する。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記ガイド部が、前記端子部の並列方向における前記コネクタハウジングの概ね中央位置に配置されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0009】
<請求項1の発明>
コネクタハウジングをフレームに組み付ける際には、ガイド部同士を嵌合すれば、コネクタハウジングが、端子部に対しその並列方向において位置決めされるので、複数の端子部を一斉にコネクタハウジングに嵌合させることができる。これにより、コネクタハウジングの組付け作業が円滑に行われる。
【0010】
<請求項2の発明>
ガイド部同士を嵌合させることにより、フレームに対してコネクタハウジングが傾くことが防止される。
【0011】
<請求項3の発明>
変位規制部の係合により、コネクタハウジングがフレームに対して組み付け方向と交差する方向への相対変位を規制されるので、組み付けられたコネクタハウジングをフレームに対して仮保持することができる。これにより、コネクタハウジングをフレームに対してビス止めして固定する等の作業が容易となる。
【0012】
<請求項4の発明>
リブ状のガイド部とリブ状の変位規制部がL字形に連なっているので、ガイド部と変位規制部が変形し難くなっており、ガイド部の位置決め機能及び変位規制部の変位規制機能の信頼性が高い。
【0013】
<請求項5の発明>
ガイド部を、端子部の並列方向におけるコネクタハウジングの概ね中央位置に配置したので、コネクタハウジングをフレームに組み付ける過程でガイド部間の摩擦抵抗に起因してコネクタハウジングが傾く虞がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図11を参照して説明する。本実施形態の電気接続箱は、自動車に搭載され、バッテリ(図示せず)とランプ、オーディオ等の電装品(図示せず)との間に介設され、バッテリから供給される電力を各電装品に分配・供給するとともに、これら電力供給の切り替え等の制御を行うものである。図1及び図2の斜視図においては、電気接続箱を表面側が上向きとなるように描いているが、自動車に搭載された状態では、電気接続箱は、下部ハウジング26が下端部に水平に位置する向き(回路基板11を立てた向き)向きとなる。以下の説明では、自動車に搭載される前の状態、即ち回路基板11が水平となる状態を基準として説明する。
【0015】
電気接続箱は、回路構成体10と、回路構成体10を収容するケース20とを備えて構成される。
回路構成体10は、略方形の平板状をなす水平な回路基板11と、回路基板11の下面(裏面)に沿って配索した複数のバスバー12と、回路基板11の上面側(表面側)に実装されるリレーなどのスイッチング部材13とを備えて構成されている。
ケース20は、合成樹脂等の絶縁材料からなる略方形の枠状部材21と、枠状部材21に対しその下面側の開口を塞ぐように組み付けられる金属製の放熱板45とから構成される。
【0016】
枠状部材21は、回路基板11の周縁に沿って回路構成体10を全周に亘って連続して包囲するように配される略方形枠状のフレーム22と、フレーム22に対しその前縁部(図9における上側縁部)及び左右両側縁に沿うように組み付けられる門型をなす合成樹脂製のヒューズブロック23と、フレーム22に対しその上面側(放熱板とは反対側)の開口を塞ぐように組み付けられる合成樹脂製のカバー24と、ヒューズブロック23に組み付けられる合成樹脂製の上部ハウジング25と、フレーム22の後縁部22R(図9における下側の縁部)に組み付けられる合成樹脂製の下部ハウジング26(本発明の構成要件であるコネクタハウジング)とを備えて構成される。
【0017】
フレーム22の左右方向に細長い後縁部22Rの概ね右半分領域の上面には、水平な載置面27が形成されている。載置面27は、左右方向に細長く、前後方向において後縁部22Rの略中央位置から前端縁(フレーム22の内周縁)に亘って形成されている。また、後縁部22Rの上面には、載置面27の後端縁に沿って伸びる左右方向に細長いスリット状の肉抜き溝28が形成され、後縁部22Rの上面における肉抜き溝28よりも後方の領域は、載置面27よりも一段低くなった逃がし面29となっている。
【0018】
また、後縁部22Rには、その前端面(フレーム22の内周面)から前方(フレーム22の内側)へ向けて突出する規制部30(本発明の構成要件である変位規制部)が形成されている。規制部30は、上下方向に細長く略下半分が後縁部22Rの前面に連なった左右一対の側壁と、左右両側壁の上端同士の間に差し渡された形態の上面壁とから構成される。側壁の略上半分領域は、載置面27よりも上方へ突出しており、したがって、上面壁も載置面27の上方に位置する。そして、側壁と上面壁とによって囲まれた空間のうち略上半分領域(載置面27よりも上方の領域)は、前後方向に貫通する方形の規制孔31となっている。
【0019】
また、後縁部22Rの上面には、載置面27を切欠した形態のガイド溝32(本発明の構成要件であるガイド部)が形成されている。ガイド溝32は、載置面27の後端から前端(後縁部22Rの前端)に亘って前後方向に直線状に延びており、その長さ方向と直角な断面形状は、方形をなしている。このガイド溝32の溝底面は、逃がし面29と同じ高さとなっている。また、ガイド溝32の溝幅寸法は、規制孔31の幅と同じ寸法であり、且つガイド溝32の左右両内側面と規制孔31の左右両内側面とが、面一状に連なっている。さらに、フレーム22の後縁部22Rの上面には、載置面27の左右両端部において軸線を上下方向に向けた一対のねじ込み孔33が形成されている。また、後縁部22Rの上面には、載置面27と逃がし面29の高低差を利用することにより、左右方向に延びるストッパ34が形成されている。
【0020】
さて、上記した複数のバスバー12には、夫々、フレーム22の後縁部22Rに対応する端子部12aが一体に形成されている。バスバー12の下端部は、回路基板11の後端縁から後方へはみ出しており、このバスバー12のはみ出し部分は、上方へ略直角に屈曲して立ち上がる立上り部12bと、この立上り部12bの上端から後方へ略直角に片持ち状に延出する端子部12aとから構成されている。立上り部12bは、細長く、フレーム22の後縁部22Rの前面に沿うように(概ね面接触するように)配置されている。端子部12aは、細長いタブ状をなし、載置面27の上方において載置面27と平行をなすように配置されている。そして、複数の端子部12aは、互いに平行をなし、載置面27の幅方向(左右方向)におけるほぼ全域に亘って並列するように配置されている。また、端子部12aの長さ方向は、上記したガイド溝32の長さ方向及び規制孔31の貫通方向と平行となっており、後述するように下部ハウジングをフレーム22に組み付けるときの組付け方向は端子部12aの長さ方向と平行(即ち、前後方向)となっている。また、端子部12aの先端(後端)は、前後方向において、ガイド溝32の後端よりも前方に位置している。
【0021】
下部ハウジング26は、全体として左右方向に細長く、載置面27と平行(フレーム22に対する組付け方向と直角)な背面壁35と、背面壁35の外周縁から正面側(フレーム22への組付け状態では後方)へ片持ち状に延出した形態の横長長方形をなすフード部36とを備えて構成されている。背面壁35には、前後方向に貫通する複数の貫通孔37が、複数の端子部12aと対応するように形成されている。また、背面壁35の外面(背面)には、縦長のリブ状に突出する規制突部38(本発明の構成要件である変位規制部)が、左右方向(端子部12aの並列方向)において下部ハウジング26のほぼ中央に位置するように形成されている。規制突部38は、背面壁35の略下半分領域に形成されており、上記した規制孔31に対して上方及び左右への相対変位を規制された状態で嵌合するようになっている。
【0022】
さらに、フード部36の下面壁の外面(下面)には、前後方向に延びるガイドリブ39(本発明の構成要件であるガイド部)が、左右方向において下部ハウジング26のほぼ中央に位置するように突出形成されている。ガイドリブ39は、フード部36の前端から背面壁35に至り、更にこの背面壁35から前方(フード部36の突出方向とは反対方向)へ突出した形態となっており、左右方向において規制突部38と同じ位置に配置されている。そして、ガイドリブ39における背面壁35からの突出部分は、規制突部38の下端に連なっており、ガイドリブ39と規制突部38が側方から視てL字形をなしている。また、ガイドリブ39の左右両側面と規制突部38の左右両側面は、面一状に連なっており、ガイドリブ39の前端面と規制突部38の前端面も面一状に連なっている。さらに、下部ハウジング26の左右両端部には、外側方へ突出する板状の取付部40が形成され、各取付部40には、上下方向に貫通するビス孔41が形成されている。また、フード部36の下面壁の後端部には、左右方向に細長い当接リブ42が下方へ突出するように形成されている。
【0023】
次に、本実施形態の作用を説明する。
下部ハウジング26をフード部36に組み付ける際には、予め、フレーム22に対して回路基板11とバスバー12を固定しておき、複数の端子部12aをフレーム22の後縁部22Rに沿うように並列配置させた状態にしておく。
この状態から、下部ハウジング26を後方(フレーム22の外方)からフレーム22の後縁部22Rに接近させていき、ガイドリブ39の前端部を、逃がし面29上で滑らせつつ左右方向に位置を合わせて、ガイド溝32の後端部に嵌合(進入)させる。このとき、ガイドリブ39の前端部は背面壁35よりも前方(フレーム22に対する組付け方向先方)へ突出しているので、ガイドリブ39をガイド溝32に位置合わせする様子は、上方から目視確認することができる。また、逃がし面29とガイド溝32の溝底面は同じ高さなので、ガイドリブ39は引っ掛かりなくガイド溝32内に進入することができる。
【0024】
ガイドリブ39がガイド溝32に嵌合したら、下部ハウジング26はフレーム22に対して左右方向に位置決めされる(フレーム22に対する左右方向への相対移動を規制される)ので、あとは、ガイド溝32に対してガイドリブ39を摺接させつつ、フレーム22への組付けを進めていけばよい。組付けが進むと、背面壁35が端子部12aの先端に到達する前に、フレーム22の下面壁が載置面27に当接して、フレーム22に対して下部ハウジング26の高さが定められ、これにより、貫通孔37が端子部12aと同じ高さに保たれる。
【0025】
これ以降の下部ハウジング26の組付け過程では、ガイド溝32にガイドリブ39を嵌合させるとともにフレーム22を載置面27上で摺接させる状態を保てば、フレーム22に対する下部ハウジング26の左右方向及び上下方向への姿勢の傾きや位置ずれが規制される。つまり、下部ハウジング26を、正規の組付け経路に沿わせ且つ正規の姿勢に保ちつつ組み付けることができる。これにより、複数の端子部12aが、ほぼ一斉に下部ハウジング26の貫通孔37に進入していく。
【0026】
そして、下部ハウジング26が正規の組付け位置に達する直前になると、規制突部38が規制孔31内に進入(嵌合)し、この後、下部ハウジング26が正規の組付け位置に達したところで、背面壁35の外面が規制部30に当接するとともに、フード部36の当接リブ42がフレーム22のストッパ34に当接し、これらの当接作用により、下部ハウジング26が前止まりされ、それ以上の組付け方向への移動が規制される。これにより、下部ハウジング26は、正規の組付け位置に保持される。この組付け状態では、下部ハウジング26がフレーム22に対して斜めになることがないので、下部ハウジング26のビス孔41がフレーム22のねじ込み孔33と同軸状に対応するように位置する。また、規制突部38が規制孔31に嵌合していることにより、フレーム22に対して下部ハウジング26が上方へ浮き上がる虞もないので、背面壁35を貫通してフレーム22内に収容されている端子部12aが変形する虞もない。
【0027】
このように下部ハウジング26がフレーム22に対して正規の組付け位置に仮保持された後は、上からビス孔41に差し込んだビス43をねじ込み孔33にねじ込んで締め付ければ、下部ハウジング26はフレーム22の後縁部22Rに対して固定される。尚、下部ハウジング26を組み付けた後は、カバー24がフレーム22に組み付けられ、下部ハウジング26がフード部36の開口面を外に露出させる形態でカバー24内に収容される。
【0028】
上述のように本実施形態では、下部ハウジング26をフレーム22に組み付ける際には、ガイド溝32とガイドリブ39を嵌合すれば、下部ハウジング26が、端子部12aに対しその並列方向(左右方向)において位置決めされるので、複数の端子部12aを一斉に下部ハウジング26に嵌合させることができる。これにより、下部ハウジング26の組付け作業が円滑に行われる。
【0029】
また、フレーム22側のガイド溝32と下部ハウジング26側のガイドリブ39の双方が、端子部12aの長さ方向と平行に延びた形態とされているので、ガイド溝32とガイドリブ39を嵌合させることにより、フレーム22に対して下部ハウジング26が傾くことが防止される。
【0030】
また、フレーム22に形成した規制部30と下部ハウジング26に形成した規制突部38との係合により、下部ハウジング26がフレーム22に対して組み付け方向と交差する方向(背面壁35側が浮き上がって後傾する方向又は上方へ浮き上がる方向)への相対変位を規制されるので、組み付けられた下部ハウジング26をフレーム22に対して仮保持することができる。これにより、下部ハウジング26をフレーム22に対してビス43を用いて固定する等の作業が容易となる。
【0031】
また、フード部36の外面に形成したガイドリブ39と背面壁35に形成したリブ状の規制突部38がL字形に連なっているので、ガイドリブ39と規制突部38が左右に傾くように変形する虞がなく、ガイドリブ39の位置決め機能及び規制突部38の変位規制機能の信頼性が高い。
また、ガイドリブ39が、端子部12aの並列方向(下部ハウジング26の長手方向)における下部ハウジング26の概ね中央位置に配置されているので、下部ハウジング26をフレーム22に組み付ける過程でガイドリブ39とガイド溝32との間の摩擦抵抗に起因して下部ハウジング26が傾く虞がない。
【0032】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではフレーム側のガイド部を溝状とし、コネクタハウジング側のガイド部を突状(リブ状)としたが、フレーム側のガイド部を突状(リブ状)とし、コネクタハウジング側のガイド部を溝状としてもよい。
(2)上記実施形態ではフレーム側とコネクタハウジング側の双方のガイド部を、端子部の長さ方向と平行に延びる形態としたが、フレーム側とコネクタハウジング側のうちいずれか一方のガイド部のみを端子部の長さ方向と平行に延びる形態としてもよい。
(3)上記実施形態ではコネクタハウジングとフード部に変位規制部を形成したが、変位規制部を設けない構成としてもよい。
(4)上記実施形態ではフード部のリブ状をなすガイド部と背面壁のリブ状をなす変位規制部とを略L字形に連ねた形態としたが、フード部のガイド部と背面壁の変位規制部が連続しない形態としてもよい。この場合、ガイド部と変位規制部が、端子部の並列方向において互いに異なる位置(ずれた位置)に配置されていてもよい。
(5)上記実施形態ではガイド部を端子部の並列方向におけるコネクタハウジングの概ね中央位置に配置したが、ガイド部は、端子部の並列方向におけるコネクタハウジングの端部又は端部に近い位置に配置してもよい。
(6)上記実施形態では変位規制部を端子部の並列方向におけるコネクタハウジングの概ね中央位置に配置したが、変位規制部は、端子部の並列方向におけるコネクタハウジングの端部又は端部に近い位置に配置してもよい。
(7)上記実施形態では1つのコネクタハウジングに対して1つのガイド部を形成したが、1つのコネクタハウジングに対して複数のガイド部を形成してもよい。
(8)上記実施形態では1つのコネクタハウジングに対して1つの変位規制部を形成したが、1つのコネクタハウジングに対して複数の変位規制部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態1においてコネクタハウジングをフレームから離脱させた状態をあらわす部分拡大斜視図
【図2】コネクタハウジングをフレームに組み付けた状態をあらわす部分拡大斜視図
【図3】電線接続箱の断面図
【図4】フレームにコネクタハウジングを組み付けた状態をあらわす断面図
【図5】フレームにコネクタハウジングを組み付けた状態をあらわす部分拡大断面図
【図6】コネクタハウジングの側面図
【図7】コネクタハウジングの背面図
【図8】コネクタハウジングの底面図
【図9】フレームの平面図
【図10】フレームの背面図
【図11】ガイドリブとガイド溝との係合状態をあらわす部分拡大断面図
【符号の説明】
【0034】
10…回路構成体
11…回路基板
12…バスバー
12a…端子部
20…ケース
22…フレーム
26…下部ハウジング(コネクタハウジング)
30…規制部(変位規制部)
32…ガイド溝(ガイド部)
35…背面壁
36…フード部
38…規制突部(変位規制部)
39…ガイドリブ(ガイド部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路構成体をケースに収容してなり、
前記回路構成体は、回路基板と、前記回路基板の裏面に沿って配索された複数のバスバーと、前記複数のバスバーの端部に形成されて並列配置されたタブ状をなす複数の端子部とを備えており、
前記ケースは、前記回路基板に対しその周縁に沿うように配置されて固定される略方形のフレームと、前記複数の端子部を嵌合させつつ前記フレームに対して前記端子部の長さ方向と平行に組み付けられるコネクタハウジングとを備えているものにおいて、
前記フレームと前記コネクタハウジングには、前記端子部の長さ方向と平行な方向への摺動を可能に且つ前記端子部の並列方向への相対移動を規制された状態で嵌合し合うガイド部が形成されていることを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
前記フレーム側の前記ガイド部と前記コネクタハウジング側の前記ガイド部の双方が、前記端子部の長さ方向と平行に延びた形態とされていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記コネクタハウジングと前記フレームには、組付け状態において互いに係合することで、前記コネクタハウジングが前記フレームに対して組付け方向と交差する方向へ相対変位することを規制可能な変位規制部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記コネクタハウジングが、前記端子部を貫通させる背面壁と、前記背面壁から正面側へ筒状に突出するフード部とを有する形態となっているものであって、
前記ガイド部が前記フード部の外面にリブ状に形成されているとともに、前記変位規制部が前記背面壁の背面にリブ状に形成されており、前記フード部のガイド部と前記背面壁の変位規制部とが略L字形に連なっていることを特徴とする請求項3記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記ガイド部が、前記端子部の並列方向における前記コネクタハウジングの概ね中央位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−282430(P2007−282430A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107840(P2006−107840)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】